JP2013186139A - 光導波路の製造方法、光導波路の製造装置および光導波路 - Google Patents

光導波路の製造方法、光導波路の製造装置および光導波路 Download PDF

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Abstract

【課題】長尺のものでも省スペースで容易に製造し得る光導波路の製造方法、簡単な設備でそれを可能にする製造装置、および前記光導波路の製造方法により製造された長尺の光導波路を提供すること。
【解決手段】本発明の光導波路の製造方法は、回転可能に設けられた円筒状のドラム91の外周面910に液状組成物100を供給し、得られた液状被膜101を乾燥させてフィルム102を形成するフィルム形成工程と、ドラム91を回転させながら、外周面910に形成されたフィルム102の一部に光を照射し、フィルム102中に屈折率差を形成してコア部および側面クラッド部を形成する露光工程と、フィルム102を切断し、帯状で長尺の光導波路を得る切断工程と、を有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、光導波路の製造方法、光導波路の製造装置および光導波路に関するものである。
光搬送波を使用してデータを移送する光通信技術が開発され、近年、この光搬送波を、一地点から他地点に導くための手段として、光導波路が普及しつつある。この光導波路は、線状のコア部と、その周囲を覆うように設けられたクラッド部とを有している。コア部は、光搬送波の光に対して実質的に透明な材料によって構成され、クラッド部は、コア部より屈折率が低い材料によって構成されている。
光導波路では、コア部の一端から導入された光が、クラッド部との境界で反射しながら他端に搬送される。光導波路の入射側には、半導体レーザー等の発光素子が配置され、出射側には、フォトダイオード等の受光素子が配置される。発光素子から入射された光は光導波路を伝搬し、受光素子により受光され、受光した光の明滅パターンもしくはその強弱パターンに基づいて通信を行う。
特許文献1には、透明基材フィルムと、透明基材フィルムの第1の面に設けられた矩形状のコア部と、を有する光導波路フィルムの製造方法であって、長尺状の透明基材フィルムの表面に対して、ロール状の第1金型を用いてコア部形成用の活性エネルギー線硬化型樹脂材料を成形し、これを硬化させることで光導波路フィルムを製造する方法が開示されている。
しかしながら、このような製造方法では、透明基材フィルムを搬送するために多くのローラー、金型等の設備を必要とする。このため、製造装置の大型化および複雑化が避けられなかった。
特開2005−10645号公報
本発明の目的は、長尺のものでも省スペースで容易に製造し得る光導波路の製造方法、簡単な設備でそれを可能にする製造装置、および前記光導波路の製造方法により製造された長尺の光導波路を提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(16)の本発明により達成される。
(1) 回転可能な回転体の外周面に光導波路形成用液状組成物を供給し、フィルムを形成するフィルム形成工程と、
前記外周面上において前記フィルムの一部を露光する露光工程と、を有することを特徴とする光導波路の製造方法。
(2) 前記フィルム形成工程において、前記回転体を回転させつつ、前記光導波路形成用液状組成物を供給する上記(1)に記載の光導波路の製造方法。
(3) 前記フィルム形成工程において、前記回転体の回転軸に平行な方向に、前記回転体に対して供給源を相対的に移動させつつ、前記供給源から前記光導波路形成用液状組成物を供給する上記(2)に記載の光導波路の製造方法。
(4) 前記露光工程において、前記回転体を回転させつつ、前記露光を行う上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の光導波路の製造方法。
(5) 前記露光工程において、前記回転体の回転軸に平行な方向に、前記回転体に対して光源を相対的に移動させつつ、前記光源から光を照射して前記露光を行う上記(4)に記載の光導波路の製造方法。
(6) 前記露光工程において、フォトマスクを介して前記露光を行う上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の光導波路の製造方法。
(7) 前記露光工程において、直描法により前記露光を行う上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の光導波路の製造方法。
(8) 前記フィルム形成工程において、前記光導波路形成用液状組成物として組成の異なるものを順次または同時に重ねて供給することにより、複数層で構成された前記フィルムを形成する上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の光導波路の製造方法。
(9) 前記フィルム形成工程において、前記光導波路形成用液状組成物を供給して液状被膜を形成した後、前記液状被膜に熱またはガスを供給し、前記液状被膜を乾燥させて前記フィルムを形成する上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の光導波路の製造方法。
(10) 前記露光工程後の前記フィルムを切断する切断工程をさらに有する上記(1)ないし(9)のいずれかに記載の光導波路の製造方法。
(11) 回転可能な回転体と、
前記回転体の外周面に向けて光導波路形成用液状組成物を供給する供給源と、
前記回転体の外周面に向けて光を照射する光源と、を有することを特徴とする光導波路の製造装置。
(12) 前記供給源および前記光源の少なくとも一方は、前記回転体の回転軸に平行な方向に移動可能になっている上記(11)に記載の光導波路の製造装置。
(13) さらに、前記回転体の外周面に向けて熱またはガスを供給し、前記外周面上に供給された前記光導波路形成用液状組成物を加熱する加熱手段を有する上記(11)または(12)に記載の光導波路の製造装置。
(14) 前記加熱手段は、前記回転体に組み込まれたヒーターである上記(13)に記載の光導波路の製造装置。
(15) 前記回転体は、その外周面上に設けられ、周方向に延在する溝を有している上記(11)ないし(14)のいずれかに記載の光導波路の製造装置。
(16) 上記(1)ないし(10)のいずれかに記載の光導波路の製造方法により製造されたことを特徴とする光導波路。
本発明によれば、長尺の光導波路を省スペースかつ簡単な設備で容易に製造することができる。
また、本発明によれば、低コストの長尺光導波路が得られる。
本発明の光導波路の実施形態を示す(一部切り欠いて、および透過して示す)斜視図である。 本発明の光導波路の製造装置の第1実施形態を示す断面図である。 図2に示す光導波路の製造装置を下方から見たときの図である。 本発明の光導波路の製造装置の第2実施形態を示す断面図である。 本発明の光導波路の製造装置の第3実施形態を示す断面図である。 本発明の光導波路の製造装置の第4実施形態を示す断面図である。 本発明の光導波路の製造装置の第5実施形態に含まれるダイコーターを示す分解斜視図である。 本発明の光導波路の製造方法の第1実施形態を説明するための図である。 本発明の光導波路の製造方法の第1実施形態を説明するための図である。 本発明の光導波路の製造方法の第1実施形態を説明するための図である。 本発明の光導波路の製造方法の第1実施形態を説明するための図である。 本発明の光導波路の製造方法の第1実施形態を説明するための図である。 本発明の光導波路の製造方法の第1実施形態を説明するための図である。 本発明の光導波路の製造方法の第2実施形態を説明するための図である。
以下、本発明の光導波路の製造方法、光導波路の製造装置および光導波路について添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
本発明の光導波路の製造方法は、回転可能な回転体の外周面に光導波路形成用液状組成物を供給し、フィルムを形成するフィルム形成工程と、外周面に形成されたフィルムの一部を露光し、コア部と側面クラッド部とを形成する露光工程と、を有する。
このような本発明によれば、長尺の光導波路についても省スペースで製造することができる。このため、長尺の光導波路の量産化および低コスト化を容易に図ることができる。
<光導波路>
まず、本発明の光導波路の実施形態について説明する。
図1は、本発明の光導波路の実施形態を示す(一部切り欠いて、および透過して示す)斜視図である。
図1に示す光導波路1は、下側からクラッド層11、コア層13およびクラッド層12を、この順で積層してなるものであり、コア層13には、長尺状のコア部14と、このコア部14に隣接する側面クラッド部15とが形成されている。また、図1に示す光導波路1には、並列する2つのコア部14と並列する3つの側面クラッド部15とが交互に設けられている。これにより、各コア部14は、側面クラッド部15および各クラッド層11、12で囲まれた状態となり、光を伝搬する導光路として機能する。なお、図1のコア部14には、ドットを付している。
図1に示す光導波路1では、一方の端部のコア部14に入射された光を、コア部14とクラッド部(各クラッド層11、12および各側面クラッド部15)との界面で全反射させ、他方側に伝搬させることにより、他方の端部のコア部14から取り出すことができる。
コア部14の屈折率は、クラッド部の屈折率より大きければよいが、その差は、0.3%以上であるのが好ましく、0.5%以上であるのがより好ましい。一方、上限値は、特に設定されなくてもよいが、好ましくは5.5%程度とされる。屈折率の差が前記下限値未満であると光を伝達する効果が低下する場合があり、前記上限値を超えても、光の伝送効率のそれ以上の増大は期待できない。
なお、前記屈折率差とは、コア部14の屈折率をA、クラッド部の屈折率をBとしたとき、次式で表される。
屈折率差(%)=|A/B−1|×100
また、図1に示す構成では、コア部14は、平面視で直線状に形成されているが、途中で湾曲、分岐等してもよく、その形状は任意である。
また、図1に示すコア部14は、その横断面形状が正方形または矩形(長方形)のような四角形をなしている。
コア部14の幅および高さは、特に限定されないが、それぞれ、1〜200μm程度であるのが好ましく、5〜100μm程度であるのがより好ましく、20〜70μm程度であるのがさらに好ましい。
コア層13の構成材料は、透光性を有する材料であれば特に限定されないが、例えば、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、エポキシ系樹脂やオキセタン系樹脂のような環状エーテル系樹脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾール、ポリシラン、ポリシラザン、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリウレタン、ポリオレフィン系樹脂、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、PETやPBTのようなポリエステル、ポリエチレンサクシネート、ポリサルフォン、ポリエーテル、また、ベンゾシクロブテン系樹脂やノルボルネン系樹脂等の環状オレフィン系樹脂のような各種樹脂材料が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせたものでもよい。
また、これらの中でも特に(メタ)アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリイミド系樹脂、フッ素系樹脂、またはポリオレフィン系樹脂が好ましく、(メタ)アクリル系樹脂またはエポキシ系樹脂がより好ましい。これらの樹脂材料は、光の透過性が高いことから、特に伝送損失の小さい光導波路1が得られる。
また、ノルボルネン系樹脂も好ましく用いられる。ノルボルネン系ポリマーは、例えば、開環メタセシス重合(ROMP)、ROMPと水素化反応との組み合わせ、ラジカルまたはカチオンによる重合、カチオン性パラジウム重合開始剤を用いた重合、これ以外の重合開始剤(例えば、ニッケルや他の遷移金属の重合開始剤)を用いた重合等、公知のすべての重合方法で得ることができる。
一方、クラッド層11および12は、それぞれ、コア層13の下部および上部に位置するクラッド部を構成するものである。
クラッド層11、12の平均厚さは、コア層13の平均厚さ(各コア部14の平均高さ)の0.1〜1.5倍程度であるのが好ましく、0.2〜1.25倍程度であるのがより好ましく、具体的には、クラッド層11、12の平均厚さは、特に限定されないが、それぞれ、通常、1〜200μm程度であるのが好ましく、2〜100μm程度であるのがより好ましく、5〜60μm程度であるのがさらに好ましい。これにより、光導波路1が必要以上に大型化(厚膜化)するのを防止しつつ、クラッド層としての機能が好適に発揮される。
なお、光導波路1の上下に、カバー層を積層するようにしてもよい。このカバー層としては、例えば、ポリイミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、エポキシ系樹脂、各種ビニル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル系樹脂等の各種樹脂材料からなるものが用いられる。また、カバー層と光導波路1との間は、各種の接着剤、粘着剤等により固定される。
さらに、クラッド層11および12は必要に応じて設ければよく、省略することもできる。すなわち、コア層13のみでも光導波路として機能する。
<光導波路の製造装置>
≪第1実施形態≫
次に、本発明の光導波路の製造装置の第1実施形態について説明する。
図2は、本発明の光導波路の製造装置の第1実施形態を示す断面図、図3は、図2に示す光導波路の製造装置を下方から見たときの図である。
図2に示す光導波路の製造装置9は、回転可能に設けられたドラム(回転体)91と、ドラム91の外周面910に向けて光導波路形成用液状組成物(以下、単に「液状組成物」という。)100を吐出、供給する吐出ノズル(供給源)92と、ドラム91の外周面910に向けて光を照射する光源93と、ドラム91の外周面910に向けてガスを吹き付け、液状組成物100を加熱するドライヤー(加熱手段)94と、吐出ノズル92、光源93およびドライヤー94の動作を制御する制御部95と、を有している。以下、各部について詳述する。
(ドラム)
図2に示すドラム91は、回転軸を中心に回転可能に設けられた円筒である。回転軸には図示しない駆動部が接続されており、ドラム91を自在に回転させることができるようになっている。図2では、ドラム91が反時計回りに回転するようになっている。
ドラム91の構成材料には、例えばステンレス鋼、アルミニウム合金、チタン合金等の各種金属材料、エンジニアリングプラスチック等の各種樹脂材料等が用いられる。
また、ドラム91の外周面910には、必要に応じて離型処理が施されていてもよい。離型処理としては、例えば、シリコン化合物、シリコーン化合物、フッ素化合物、ダイヤモンドライクカーボン等で構成された離型層を成膜する方法が挙げられる。
なお、ドラム91の形状は、回転可能であって、外周面910に液状組成物100を供給し液状被膜を形成し得るものであれば、円筒形状に限られない。例えば、楕円筒、多角形筒等であってもよい。
また、ドラム91の直径は、製造する光導波路1の長さに応じて適宜設定される。例えば、1mの長さの光導波路1を製造する場合、少なくとも直径33cm程度のドラム91を用意すればよい。このように製造しようとする光導波路の長さの3分の1あるいはそれ以下の幅のスペースさえあれば、長尺の光導波路を効率よく製造することができる。したがって、本発明によれば、光導波路の製造装置9の省スペース化および簡素化が図られる。
一方、ドラム91の長さ(円筒長)は、一度の製造プロセスで製造することができる光導波路1の数に応じて適宜設定すればよい。
(吐出ノズル)
図2に示す吐出ノズル92は、ドラム91の側方に設けられており、外周面910に向けて液状組成物100を吐出可能なノズルである。具体的には、インクジェットヘッド、ディスペンサー、スプレーノズル、ダイコーターヘッド、ナイフコーターヘッド、グラビアコーターヘッド、バーコーターヘッド、スクリーンコーターヘッド等が挙げられる。このような吐出ノズル92を用いることにより、ドラム91の外周面910に液状組成物100が層状に供給され、液状被膜101が形成される。
また、吐出ノズル92は、図3に示すように、ドラム91の回転軸Oと平行に移動し得るようになっている。このようにして移動しながら液状組成物100の吐出動作を行うことにより、液状被膜101を回転軸Oの延伸方向に沿って塗り広げることができる。
なお、吐出ノズル92が移動する他、吐出ノズル92が固定された状態でドラム91が回転するようになっていてもよく、双方が移動するようになっていてもよい。
また、吐出ノズル92の移動パターンには、回転軸Oと平行な成分のみでなく、直交する成分も含まれていてもよい。
なお、吐出ノズル92に代えて液状組成物100を貯留する貯留槽を設けるようにしてもよい。この貯留槽に貯留した液状組成物100にドラム91の外周面910を浸すことによっても液状被膜101を形成することができる。
(加熱手段)
ドラム91の下方にはドラム91の外周面910上に形成された液状被膜101を加熱するドライヤー94が設けられている。ドライヤー94から液状被膜101に向けて熱を供給することにより、液状被膜101を乾燥させる。これにより、フィルム102が得られる。
ドライヤー94の熱源としては、例えば電気ヒーター、赤外線ヒーター、ガスヒーター等が挙げられる。また、熱とともにガスを吹き付けることにより、またはガスのみを吹き付けることにより、乾燥を促進させるようにしてもよい。
また、この加熱手段は、フィルム102の硬化処理にも用いることができる。
(光源)
ドラム91の上方にはドラム91の外周面910に向けて光を照射する光源93が設けられている。光源93から光を照射することにより、外周面910上に設けられたフィルム102の一部に露光処理が施される。これにより、光の照射領域と非照射領域との間に屈折率差が形成され、コア部14と側面クラッド部15とが形成される。
図2に示す光源93には、レーザー光や電子線のような指向性の高い光線(放射線)を出射するもの(レーザー光源、電子銃等)や、水銀ランプ、水銀灯、ケミカルランプ、キセノンランプ、ハロゲンランプ、アークランプ、エキシマーランプ、希ガス蛍光ランプ、白熱灯、発光ダイオード、有機EL素子、無機EL素子のような比較的指向性の低い光線を出射するものが用いられる。なお、これらの光線と必要に応じて、回折格子、レンズ、プリズム、ミラー、フィルター、DMD(Digital Mirror Device)、光ファイバー等の光学素子を併用することにより、フォトマスク等を用いることなく、フィルム102の任意の領域に光を照射することができる(直描法)。
なお、光源93は、ドラム91の回転軸Oと平行に移動し得るようになっている。また、光源93の移動パターンには、回転軸Oと平行な成分のみでなく、直交する成分も含まれていてもよい。
(制御部)
吐出ノズル92、光源93およびドライヤー94は、それぞれ制御部95と電気的に接続されている。これにより、吐出ノズル92による液状組成物100の吐出動作、光源93による光の照射動作、およびドライヤー94による加熱動作が、それぞれ制御部95によって協調的に制御される。協調制御の例としては、液状被膜101が目的とする厚さになるよう吐出ノズル92の吐出量を制御すること、吐出量に応じて液状被膜101の乾燥の程度が最適になるよう加熱動作を制御すること、フィルム102の厚さに応じて積算光量が最適になるよう光の照射動作を制御すること等が挙げられる。
制御部95は、設定値等を入力する入力部(キーボード等)、設定値やプログラム等を記憶する記憶部(RAM等)、吐出ノズル92、光源93およびドライヤー94からの信号とあらかじめ入力されたプログラムに応じて動作条件を算出する演算部(CPU等)、演算結果を各部に出力する出力部等を備えている。具体的には、パーソナルコンピューター、マイコン等が挙げられる。
なお、制御部95はこの他に、ドラム91の回転動作も制御するようにしてもよい。
以上、図2に示す光導波路の製造装置9について説明したが、光導波路の製造装置9は上記の他に、例えば液状被膜101およびフィルム102の膜厚を測定する膜厚センサー、ドラム91の温度や気温を測定する温度センサー等を備えていてもよい。これらのセンサー類も制御部95と電気的に接続されることにより、センサー類で取得したデータを演算部でも演算結果に反映させることができ、実測値に基づいた厳密な製造条件の制御を行うことができる。その結果、厚さや屈折率分布の均一化が図られた高品質な光導波路1を確実に製造することができる。
≪第2実施形態≫
次に、本発明の光導波路の製造装置の第2実施形態について説明する。
図4は、本発明の光導波路の製造装置の第2実施形態を示す断面図である。
以下、第2実施形態について説明するが、第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。
第2実施形態は、さらにフィルム102を切断する切断ツール96を備えている以外、第1実施形態と同様である。
切断ツール96は、ドラム91の左側方に設けられ、フィルム102を切断し得るよう配置された加工刃961を備えている。ここで、切断ツール96は、ドラム91との離間距離が自在に変化するよう設けられている。そして、フィルム102中に複数個形成された光導波路1を互いに分離する際には、ドラム91を回転させつつ、この加工刃961をドラム91側に近づけ、フィルム102に押し当てる。これにより、周方向に沿って切断加工が進行し、フィルム102を環状に切断(輪切り)することができる。その後、この環状のフィルム102を幅方向に切断して開くことにより、帯状の長尺光導波路1が得られる。
また、切断ツール96は、図3に示す回転軸Oと平行にも移動し得るようになっている。これにより、フィルム102の任意の位置を切断することができる。
加工刃961としては、機械的加工用の刃の他、電熱線等も用いられる。さらには、加工刃961を備えた切断ツール96に代えてレーザー加工機を用いるようにしてもよい。
≪第3実施形態≫
次に、本発明の光導波路の製造装置の第3実施形態について説明する。
図5は、本発明の光導波路の製造装置の第3実施形態を示す断面図である。
以下、第3実施形態について説明するが、第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。
第3実施形態は、加熱手段としてドラム91に組み込まれたヒーター911を備えている以外、第1実施形態と同様である。
図5に示すヒーター911のドラム91の本体の内側に内蔵された加熱体である。このようなヒーター911を設けることにより、第1実施形態に係る光導波路の製造装置9が備えているようなドラム91の外部に設けられるドライヤー94が不要になるため、光導波路の製造装置9のさらなる省スペース化を図ることができる。
また、液状被膜101およびフィルム102を連続的に加熱することができるので、液状被膜101をより短時間で乾燥させることができ、フィルム102をより短時間で硬化させることができる。さらには、塗布された液状組成物100の液だれが抑制されるため、膜厚が特に均一なフィルム102を製造することができる。
また、ヒーター911によれば、ドラム91の回転を停止している間でも、液状被膜101やフィルム102の全体を加熱することができる。このため、液状組成物100の吐出動作や露光動作の制御に伴ってドラム91の回転を停止せざるを得ないときでも、液状被膜101やフィルム102を均一に加熱することができる。すなわち、一部が過度に加熱されるのを防止することができる。
ヒーター911としては、例えば電気ヒーターが挙げられる。
≪第4実施形態≫
次に、本発明の光導波路の製造装置の第4実施形態について説明する。
図6は、本発明の光導波路の製造装置の第4実施形態を示す断面図である。
以下、第4実施形態について説明するが、第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。
第4実施形態は、ドラム91として、外周面910上に周方向に延在する溝912が一定間隔で複数設けられてなるものを用いる以外、第1実施形態と同様である。
図6に示す溝912の幅は、製造しようとする光導波路1の幅に応じて設定される。この溝912に液状組成物100を供給することにより、液状組成物100は自ずと溝912内に溜まり、環状に成形される。その結果、溝912の幅に対応した環状のフィルム102が製造されることとなる。また、このようなドラム91を用いることにより、フィルム102は、製造した時点ですでに複数個に分離されているので、切断工程が不要である。このため、本実施形態によれば、製造工程の簡略化および低コスト化が図られる。
また、溝912に液状組成物100が自発的に溜まるので、液状組成物100の供給時の位置精度を必要としない。このため、複数の溝912に跨る広い範囲に液状組成物100を供給したとしても、互いに分離した複数のフィルム102を確実に製造することができ、最終的には、複数の長尺の光導波路1を効率よく製造することができる。
さらに、溝912は、その一部が途切れていてもよい。途切れた部分が存在することにより、フィルム102は環状にならず、途切れた部分に対応して端部が存在する帯状のものとなる。このため、フィルム102をコア部14の長手方向と平行な方向に切断する工程を省略するだけでなく、コア部14の長手方向に直交する方向に切断する工程をも省略することができる。
≪第5実施形態≫
次に、本発明の光導波路の製造装置の第5実施形態について説明する。
図7は、本発明の光導波路の製造装置の第5実施形態に含まれるダイコーターを示す分解斜視図である。
以下、第5実施形態について説明するが、第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。
第5実施形態は、吐出ノズル92として、互いに組成が異なる液状組成物100を用い、複数層同時に押し出す多色押出成形を行い得るダイコーター800を用いる以外、第1実施形態と同様である。
ダイコーター800は、図7に示すように、上リップ部811と、その下方に設けられた下リップ部812とを備えるダイヘッド810を有している。
上リップ部811および下リップ部812は、それぞれ長尺のブロック体で構成され、互いに重ね合わされている。合わせ面には空洞のマニホールド820が形成されている。マニホールド820の幅はダイヘッド810の右側ほど広くなるよう連続的に拡張している。一方、マニホールド820の厚さはダイヘッド810の右側ほど小さくなるよう連続的に縮小している。そして、マニホールド820の右端では、空洞の幅が最大でかつ厚さが最小になっており、スリット821を形成している。
このダイヘッド810は、マニホールド820の左側から供給された液状組成物100をスリット821から右側に成形しつつ押し出すことができる。すなわち、スリット821の形状に応じて形成される液状被膜101の幅および厚さが決定される。
ダイヘッド810の左側には、ミキシングユニット830が設けられている。ミキシングユニット830は、液状組成物100をそれぞれダイヘッド810に供給するための2系統の配管を組み合わせて構成されており、硬化物(固化物)の屈折率が相対的に高い液状組成物100をダイヘッド810に供給する第1の供給管831と、硬化物(固化物)の屈折率が相対的に低い液状組成物100をダイヘッド810に供給する第2の供給管832とを有している。
また、第1の供給管831および第2の供給管832から供給された液状組成物100は、ダイヘッド810との接続を担う接続部835において合流し、ダイヘッド810のマニホールド820へと供給される。なお、第2の供給管832は、途中で上下2つに分岐し、接続部835の上層部および下層部にそれぞれ接続されている。すなわち、接続部835では、高屈折率の液状組成物100で構成される1層の流れを、低屈折率の液状組成物100で構成される上下2層の流れで挟み込むようにして合流する。このようにして3層からなる液状被膜101が得られる。なお、3層の層間では、組成の異なる液状組成物100同士が混じり合うこととなり、組成比が連続的に変化することとなる。その結果、液状被膜101から製造される光導波路1は、厚さ方向において屈折率が連続的に変化することとなる。すなわち、本実施形態に係る光導波路の製造装置9を用いることにより、最終的に、厚さ方向においていわゆるグレーデッドインデックス型の屈折率分布を有する光導波路1を得ることも可能である。なお、液状組成物100の粘度や組成等を調整することにより、混じり合いを最小限に留め、厚さ方向の屈折率分布をステップインデックス型にすることも可能である。
以上のように、本実施形態に係る光導波路の製造装置9によれば、コア層13となる液状被膜101とクラッド層11、12となる2層の液状被膜101からなる多層被膜を一括して成膜することができるので、光導波路1の製造工程の簡素化を図ることができる。
<光導波路の製造方法>
≪第1実施形態≫
次に、本発明の光導波路の製造方法の第1実施形態について説明する。
図8〜13は、それぞれ本発明の光導波路の製造方法の第1実施形態を説明するための図である。
光導波路の製造方法の第1実施形態は、ドラム91の外周面910に液状組成物100を供給し、フィルム102を形成するフィルム形成工程と、外周面910に形成されたフィルム102の一部を露光し、フィルム102に屈折率差を形成する露光工程と、フィルム102を切断する切断工程と、を有する。以下、各工程について詳述する。
(フィルム形成工程)
まず、光導波路1の製造に用いる光導波路形成用液状組成物100を用意する。
液状組成物100としては、光の照射により照射領域と非照射領域との間に屈折率差を形成し得る屈折率変調能を有するものや、光の照射により硬化する光硬化性を有するものが用いられる。
このうち、屈折率変調の原理には、モノマーディフュージョン、フォトブリーチング、光異性化、光二量化等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせたものが採用される。これらの原理による屈折率変調能を有する液状組成物100は、屈折率変調能を有するフィルム102を形成し、このフィルム102の一部に光を照射することによって照射領域と非照射領域との間に屈折率差を形成することができる。その結果、フィルム102中にコア部14と側面クラッド部15とが形成されることとなり、フィルム102はコア層13となる。
なお、屈折率変調の原理としては、特にモノマーディフュージョンが好ましく採用される。モノマーディフュージョンでは、ポリマー中にこのポリマーと屈折率の異なる光重合性モノマーが分散してなる材料で構成された層に対して部分的に光を照射し、光重合性モノマーの重合を生起させるとともに、それに伴って光重合性モノマーを移動、偏在させることにより、層内に屈折率の偏りを生じさせてコア部14および側面クラッド部15を形成させることができる。このような原理の屈折率変調においては、光を照射する領域を選択するのみで、いかなる形状のコア部14をも簡単に形成することができるので、異なる仕様の光導波路1についても同一のフィルム102に対して混在形成することができる。その結果、多品種少量生産にも簡単に対応することができ、光導波路1の製造効率を飛躍的に高めることができる。
このうち、ポリマーとしては、例えば、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、エポキシ系樹脂やオキセタン系樹脂のような環状エーテル系樹脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾール、ポリシラン、ポリシラザン、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリウレタン、ポリオレフィン系樹脂、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、PETやPBTのようなポリエステル、ポリエチレンサクシネート、ポリサルフォン、ポリエーテル、また、ベンゾシクロブテン系樹脂やノルボルネン系樹脂等の環状オレフィン系樹脂等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて(ポリマーアロイ、ポリマーブレンド(混合物)、共重合体など)用いることができる。
一方、モノマーとしては、分子構造中に重合可能な部位を有する化合物であればよく、例えば、アクリル酸(メタクリル酸)系モノマー、エポキシ系モノマー、オキセタン系モノマー、ノルボルネン系モノマー、ビニルエーテル系モノマー、スチレン系モノマー、光二量化モノマー等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、フォトブリーチングは、光の照射により分子構造が切断され、それに伴って屈折率が低下するものである。
分子構造の切断を伴うポリマーとしては、上述したポリマーの主鎖に、光の照射により主鎖から離脱し得る離脱性の側鎖(離脱性基)が付いたものが用いられる。
離脱性基を含むポリマーとしては、例えば、分子構造中に、−O−構造、−Si−アリール構造および−O−Si−構造のうちの少なくとも1つを有するものが挙げられる。かかる構造は、カチオンの作用により主鎖から比較的容易に離脱し、離脱性基となり得る。
また、光異性化および光二量化は、光の照射により分子構造の一部が異性化または二量化して屈折率が変化するものである。
光異性化および光二量化するポリマーとしては、上述したポリマーの主鎖に、一部が光異性化または光二量化し得る構造を含む側鎖が付いたものが用いられる。
一部が光異性化または光二量化する化学構造としては、例えば、N=N基、C=C基、C=N基、C=O基等を含むものが挙げられる。これらの化学構造は、活性放射線の照射によりシス−トランス異性化や光Fries転位、脱炭酸(以上、光異性化)を生じたり、あるいは、隣り合って存在する二重結合同士の間に結合(以上、光二量化)が生じたりする。
液状組成物100は、前述したように、吐出ノズル92からドラム91の外周面910に供給される。これにより、液状被膜101が得られる。この際、ドラム91を固定した状態で吐出ノズル92をドラム91の周方向に移動させるようにしてもよいが、吐出ノズル92は固定した状態でドラム91を回転させつつ液状組成物100を供給するのが好ましい。これにより、液状組成物100を簡単に塗布することができ、かつ、周方向において液状被膜101の膜厚をより均一化することができる。また、ドラム91を回転させながら液状被膜101を成膜することにより、液状被膜101には膜厚方向に遠心力が働く。このため、液状被膜101が外周面910に沿って広がり難くなり、液状被膜101の形状を維持し易くなる。その結果、目的とする形状のフィルム102を製造することができる。また、膜厚が均一になることにより、周方向における液だれは生じ難くなる。
また、吐出ノズル92については、図3に示すように、ドラム91の回転軸Oと平行に移動させることにより、液状被膜101の幅を自在に広げることができ、1枚のフィルム102から得られる光導波路1の数(取り数)を多くすることができる。
ここで、図8に示す吐出ノズル92の移動パターンについて説明する。まず、液状組成物100を吐出する際には吐出ノズル92の移動を停止し、1周分の塗布を行う。この塗布が完了すると塗布幅1つ分だけ吐出ノズル92をずらし、再び移動を停止した状態で1周分の塗布を行う。これらのプロセスを繰り返すことにより、図8に示すような環状の液状被膜101が得られる。そして、1つの環状の液状被膜101が成膜されると、今度は、吐出を停止した状態で一定距離移動させる。これにより、外周面910には何も成膜されない空白の領域が形成される。その後、再び、前述したプロセスを繰り返し行う。これにより、2つ目の環状の液状被膜101が成膜される。
このように吐出ノズル92の移動パターンと吐出動作とを制御することのみで、所望の幅をもつ環状のフィルム102を複数個効率よく製造することができ、最終的には、環状の光導波路1を効率よく製造することができる。また、これらの環状の光導波路1は、製造時にすでに分離しているため、分離するための切断工程が不要である。このため、製造工程の簡略化が図られる。また、切断工程を経ないで製造された環状の光導波路1では、その縁部が滑らかなものとなる。このような光導波路1は、湾曲時に破断し難く、機械的特性に優れたものとなる。
なお、吐出ノズル92の幅を広くすれば、1周塗布するだけで目的とする環状の液状被膜101を成膜することができるので、吐出ノズル92をずらす制御が不要になる。
また、吐出ノズル92を移動させる際、常に移動させながら吐出動作も連続的に行うようにしてもよい。これにより、図9に示すような螺旋状の液状被膜101が得られる。この場合も、吐出ノズル92の位置をずらしながら繰り返し塗布を行うことにより、最終的に、所望の幅をもつ螺旋状の光導波路1を効率よく製造することができる。
このような製造方法によれば、吐出ノズル92の移動パターンと吐出動作とを制御することのみで、ドラム91の直径の3倍を超える非常に長尺のフィルム102も容易に製造することができ、最終的には、非常に長尺の光導波路1を製造することができる。そして、本発明によれば、このような非常に長尺の光導波路1を極めて省スペースで製造することができるので、製造工程の簡略化および低コスト化が図られるとともに、製造設備の簡素化および低コスト化も図られる。
なお、螺旋状の光導波路1は、その構成材料や厚さ等を調整することにより、長手方向に一定の弾性を有するものとすることができる。すなわちカールコードのように引張力に応じて自在に長さが変化し得るものとなるので、取り扱いが容易で敷設作業の効率化を高め得るものとなる。さらには、他の光導波路や電気配線等とも絡み難いものとなるため、敷設時の取り回しが容易になるという利点も有するものとなる。それに加え、螺旋状の光導波路1を引っ張ったときには、屈折し(折れ曲がり)難いあるいは破断し難いという利点もある。仮に屈折した場合には、その部位の曲率半径が著しく小さくなるため、伝送損失が著しく増加するおそれもあるが、螺旋状の光導波路1であればそのような問題の発生を抑えることができる。
一方、液状組成物100として光硬化性を有するものを用いた場合、フォトリソグラフィー(現像)法、インプリンティング法等が用いられる。これらの方法では、まずフィルム102の一部を光硬化させたり、フィルム102の一部が残存するように除去したのち光硬化させたりする(あるいはその逆の順序で行う)ことにより、コア部14を形成する。次いで、別の液状組成物を供給しコア部14の側面を覆う。別の液状組成物としては、液状組成物100よりも低屈折率のものが挙げられる。この別の液状組成物を用いて側面クラッド部15を形成することにより、結果的にフィルム102に屈折率差が形成されることとなり、コア層13が得られる。
なお、液状被膜101を乾燥する際には、ドライヤー94等を用いて液状被膜101を加熱する。これにより、液状被膜101中の溶媒を除去して乾燥が進み、フィルム102が得られる。この際、ドラム91を回転させながら加熱することにより、液状被膜101を均一に加熱することができるので、反りや歪みの少ないフィルム102が得られる。
(露光工程)
次に、フィルム102の一部を露光する。これにより、上述したような原理に基づいて屈折率差が形成され、フィルム102にはコア部14および側面クラッド部15が形成される。
図2に示す光導波路の製造装置9では、光源93からドラム91の外周面910に形成されたフィルム102に向けて光が照射される。この際、ドラム91を固定した状態で光源93をドラム91の周方向に移動させるようにしてもよいが、光源93は固定した状態でドラム91を回転させつつ露光するのが好ましい。これにより、簡単に露光を行うことができ、かつ、周方向において露光量をより均一化することができる。
また、光源93については、図10に示すように、ドラム91の回転軸Oと平行に移動させることにより、フィルム102の任意の位置を露光することができる。そして、光源93の移動パターンにより、1枚のフィルム102に形成されるコア部14の幅や数、ピッチ、取り数を自在に制御することができる。
ここで、図10に示す光源93の移動パターンについて説明する。以下の説明では、ドラム91の外周面910のほぼ全体にフィルム102が成膜されており、このフィルム102のうち、露光した領域の屈折率が相対的に低下して側面クラッド部15に転化し、露光していない領域の屈折率が相対的に上昇してコア部14に転化する場合について説明する。
まず、露光する際には光源93の移動を停止し、1周分の露光を行う。この露光が完了すると露光を停止し、コア部14同士の間隔に応じた分だけ光源93をずらす。そして、再び光源93の移動を停止した状態で1周分の露光を行う。これらのプロセスを繰り返すことにより、図10に示すような環状の露光跡が得られる。そして、露光跡は側面クラッド部15に、それ以外の箇所はコア部14となる。
このように光源93の移動パターンと露光動作とを制御することのみで、最終的に、所定の幅や数、ピッチのコア部14を備えた光導波路1を効率よく製造することができる。
なお、液状組成物100の種類によっては露光した領域がコア部14になる場合もある。露光した領域の屈折率がどのように変化するかは、屈折率変調の原理に応じて決まるため、光源93の移動パターンについては、液状組成物100における屈折率変調の原理に応じて適宜設定される。
また、光源93として指向性が低いもの(例えば紫外線ランプ等)を用いた場合、図11に示すように、光源93とドラム91との間にフォトマスク97を設けるようにしてもよい。これにより、光源93の露光動作は連続的に行いつつ、光源93を移動させることのみで、図10に示すのと同じ環状の露光跡を得ることができる。
フォトマスク97における遮蔽部や透過部のパターンは、前述したように、液状組成物100における屈折率変調の原理に応じて適宜設定される。ここでは、露光領域の屈折率が低下する場合について説明しているので、図11に示すフォトマスク97には、形成すべきコア部14に対応して遮蔽部971が形成されたものが用いられる。
また、フォトマスク97を用いた露光方式には、非接触露光であるプロキシミティ露光やプロジェクション露光が知られているが、本発明ではいずれも使用することができる。
なお、指向性が低い光源93は、反面、露光範囲を広くし易いという利点もある。したがって、ドラム91の長さと同程度の長さの紫外線ランプ等も実現可能である。このような光源93を用いれば、光源93を移動させることなく、ドラム91を回転させるのみで、所定の範囲を均一に露光することができる。そして露光にかかる時間も短縮することができる。
一方、光源93を移動させる際、常に移動させながら露光動作も連続的に行うようにしてもよい。これにより、図12に示すような螺旋状のコア部14および側面クラッド部15が得られる。このような露光方法によれば、非常に長尺の光導波路1を製造することができる。そして、本発明によれば、このような非常に長尺の光導波路1を極めて省スペースで製造することができるので、製造工程の簡略化および低コスト化が図られるとともに、製造設備の簡素化および低コスト化も図られる。
なお、露光後には必要に応じてフィルム102を加熱して硬化させる。この際にも、ドラム91を回転させながら加熱することにより、フィルム102を均一に加熱することができるので、反りや歪みの発生を抑えることができる。
また、部分的な積算光量を調整することにより、屈折率の変調幅を調整することができる。これを利用して、製造される光導波路1の屈折率分布について、ステップインデックス型、グレーデッドインデックス型のような分布を選択することができる。
積算光量を調整する際には、直描法の場合には、例えば部分的な照射時間や光強度を変えることによって調整することができ、フォトマスク97を用いる場合には、例えばフォトマスク97の透過率を部分的に変えることによって調整することができる。
(切断工程)
次に、必要に応じて、フィルム102を切断する。例えばフィルム102に複数の光導波路を形成する場合には、これらを分離するため、ドラム91の周方向に沿って切断する。具体的には、図4に示す光導波路の製造装置9を用い、図13に示すように、フィルム102中に形成した側面クラッド部15のうち、余白に相当する位置(切断線C)に切断ツール96の加工刃961を押し当て、ドラム91を回転させることにより切断する。これにより、環状のコア層13が得られる。この環状のコア層13の一部を切断し、開くことにより、帯状で長尺のコア層13が得られる。これはそのまま光導波路として用いることができる。
また、ドラム91上にフィルム102を載置した状態で切断することにより、切断線Cをコア部14に対して確実に平行にすることができる。このため、寸法のバラツキの少ない光導波路が得られる。
また、ドラム91を回転させつつ、かつ切断ツール96を回転軸Oと平行な方向に移動させつつ切断するようにしてもよい。これにより、フィルム102を螺旋状に切断することができる。
なお、必要に応じて、得られたコア層13の下側にクラッド層11を積層するとともに上側にクラッド層12を積層するようにしてもよい。これにより、図1に示す光導波路1が得られる。なお、この積層プロセスは、切断工程の前に行うようにしてもよい。すなわち、切断前のフィルム102をドラム91から取り外し、クラッド層11およびクラッド層12と積層して積層体を得る。その後、この積層体について前述した切断線Cに沿って切断すればよい。
なお、クラッド層11およびクラッド層12についても、フィルム102と同様、光導波路の製造装置9を用いて製造することができる。
≪第2実施形態≫
次に、本発明の光導波路の製造方法の第2実施形態について説明する。
図14は、本発明の光導波路の製造方法の第2実施形態を説明するための図(断面図)である。
以下、第2実施形態について説明するが、第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。
光導波路の製造方法の第2実施形態は、ドラム91の外周面910上に3層のフィルム1021、1022、1023を形成するようにした以外は、第1実施形態と同様である。
3層のフィルム1021、1022、1023のうち、中央のフィルム1022は、第1実施形態と同様、液状組成物100を塗布することにより成膜される。
一方、フィルム1021およびフィルム1023は、屈折率変調能のない光硬化性または熱硬化性の液状組成物、すなわち液状組成物100とは組成の異なる液状組成物を塗布することにより成膜される。
具体的には、まず、ドラム91の外周面910に光硬化性または熱硬化性の液状組成物を塗布する。そして、得られた液状被膜を乾燥させ、フィルム1021を形成する。
次いで、フィルム1021上に液状組成物100を塗布する。そして、得られた液状被膜を乾燥させ、第1実施形態に係るフィルム102と同様のフィルム1022を形成する。
次いで、フィルム1022上に光硬化性または熱硬化性の液状組成物を塗布する。そして、得られた液状被膜を乾燥させ、フィルム1023を形成する。
以上のようにして、図14に示す、3層のフィルム1021、1022、1023からなる積層体1020を得る。
次いで、積層体1020の一部に対して露光を行う。これにより、屈折率変調能のあるフィルム1022において屈折率差が形成され、フィルム1022中にコア部14と側面クラッド部15とが形成される。
その後、積層体1020の硬化処理を行い、光導波路1が得られる。
なお、吐出ノズル92として図7に示すようなダイコーター800を用いることにより、3層のフィルム1021、1022、1023からなる積層体1020を一括して形成することができる。これにより、上記のようにフィルム1021、1022、1023を順次形成する場合に比べて、製造工程を簡略化することができる。その結果、光導波路1の低コスト化および高品質化を図ることができる。
<電子機器>
本発明の光導波路は、光信号と電気信号の双方の信号処理を行ういかなる電子機器にも適用可能であるが、例えば、ルーター装置、WDM装置、携帯電話、ゲーム機、パソコン、テレビ、ホーム・サーバー等の電子機器への適用が好適である。これらの電子機器では、いずれも、例えばLSI等の演算装置とRAM等の記憶装置との間で、大容量のデータを高速に伝送する必要がある。したがって、このような電子機器が本発明の光導波路を備えることにより、電気配線に特有なノイズ、信号劣化等の不具合が解消されるため、その性能の飛躍的な向上が期待できる。
さらに、光導波路部分では、電気配線に比べて発熱量が大幅に削減される。このため、基板内の集積度を高めて小型化が図られるとともに、冷却に要する電力を削減することができ、電子機器全体の消費電力を削減することができる。
また、本発明の光導波路は、電気配線上に実装される用途の他、空間中に比較的中長距離(例えば数十cm以上)に敷設される用途にも好適に用いられる。このような用途には、例えば、サーバー等の基板同士を繋ぐもの、あるいは、サーバー等のラック同士を繋ぐもの等が挙げられる。なお、光導波路を用いることにより、配線の高集積化が図られるため、配線の量が減少する。このため、冷却効率が向上するという利点もある。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば光導波路あるいは光導波路の製造装置を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよく、複数の実施形態同士を組み合わせるようにしてもよい。
また、光導波路の製造方法には、任意の工程が追加されていてもよい。
次に、本発明の実施例について説明する。
1.光導波路の製造
(実施例1)
(1)離脱性基を有するポリオレフィン系樹脂の合成
水分および酸素濃度がいずれも1ppm以下に制御され、乾燥窒素で満たされたグローブボックス中において、ヘキシルノルボルネン(HxNB)7.2g(40.1mmol)、ジフェニルメチルノルボルネンメトキシシラン12.9g(40.1mmol)を500mLバイアル瓶に計量し、脱水トルエン60gと酢酸エチル11gを加え、シリコン製のシーラーを被せて上部を密栓した。
次に、100mLバイアルビン中にNi触媒1.56g(3.2mmol)と脱水トルエン10mLを計量し、スターラーチップを入れて密栓し、触媒を十分に撹拌して完全に溶解させた。
このNi触媒溶液1mLをシリンジで正確に計量し、上記2種のノルボルネンを溶解させたバイアル瓶中に定量的に注入し室温で1時間撹拌したところ、著しい粘度上昇が確認された。この時点で栓を抜き、テトラヒドロフラン(THF)60gを加えて撹拌を行い、反応溶液を得た。
100mLビーカーに無水酢酸9.5g、過酸化水素水18g(濃度30%)、イオン交換水30gを加えて撹拌し、その場で過酢酸水溶液を調製した。次にこの水溶液全量を上記反応溶液に加えて12時間撹拌してNiの還元処理を行った。
次に、処理の完了した反応溶液を分液ロートに移し替え、下部の水層を除去した後、イソプロピルアルコールの30%水溶液を100mL加えて激しく撹拌を行った。静置して完全に二層分離が行われた後で水層を除去した。この水洗プロセスを合計で3回繰り返した後、油層を大過剰のアセトン中に滴下して生成したポリマーを再沈殿させ、ろ過によりろ液と分別した後、60℃に設定した真空乾燥機中で12時間加熱乾燥を行うことにより、ポリマー#1を得た。ポリマー#1の分子量分布は、GPC測定により、Mw=10万、Mn=4万であった。また、ポリマー#1中の各構造単位のモル比は、NMRによる同定により、ヘキシルノルボルネン構造単位が50mol%、ジフェニルメチルノルボルネンメトキシシラン構造単位が50mol%であった。
(2)コア層形成用組成物の製造
精製した上記ポリマー#1 10gを100mLのガラス容器に秤量し、これにメシチレン40g、酸化防止剤Irganox1076(チバガイギー社製)0.01g、シクロヘキシルオキセタンモノマー(東亜合成製 CHOX、CAS#483303−25−9、分子量186、沸点125℃/1.33kPa)2g、重合開始剤(光酸発生剤) RhodorsilPhotoinitiator 2074(Rhodia社製、CAS# 178233−72−2)(0.025g、酢酸エチル0.1mL中)を加え均一に溶解させた後、0.2μmのPTFEフィルターによりろ過を行い、清浄なコア層形成用組成物を得た。なお、ポリマー#1は、活性放射線の照射により離脱性基が離脱する機能を有しており、いわゆるフォトブリーチング現象が生じるものである。
(3)クラッド層形成用液状組成物の調製
精製した上記ポリマー#1の各構造単位のモル比を、ヘキシルノルボルネン構造単位80mol%、ジフェニルメチルノルボルネンメトキシシラン構造単位20mol%にそれぞれ変更したものを、前記ポリマー#1に代えて用いるようにした以外はコア層形成用組成物と同様にしてクラッド層形成用組成物を得た。
(4)コア層形成用フィルムの形成
図2に示す光導波路の製造装置を用い、吐出ノズルからコア層形成用液状組成物を回転中のドラムの外周面上に吐出して液状被膜を得た。
次いで、ドラムを回転させつつ、液状被膜を50℃の温度で10分間加熱した。これにより液状被膜を乾燥させ、平均厚さ50μmのコア層形成用フィルムを得た。
なお、ドラムとしては、外径35cm、長さ50cmの円筒ドラムを使用した。また、ドラムの回転数は0.7回/分とした。
(5)露光
次いで、ドラムを回転させつつ、フォトマスクを介してコア層形成用フィルムに紫外線ランプからの紫外線を照射した。これにより、コア層形成用フィルムに屈折率差を形成した。
(6)硬化
次いで、露光工程を経たコア層形成用フィルムを150℃の温度で30分間加熱した。これにより、コア層形成用フィルムを硬化させた。硬化後のフィルムには、直線状のコア部および側面クラッド部が形成されていることが確認された。
得られたコア層形成用フィルムのうち、一部をドラムの回転軸と平行な方向に切断し、ドラムから取り外した。取り外したコア層形成用フィルムは、長さ約1m、幅約40cmの長方形をなすものであった。
(7)クラッド層形成用フィルムの形成
図2に示す光導波路の製造装置を用い、(4)と同様にして吐出ノズルからクラッド層形成用液状組成物を回転中のドラムの外周面上に吐出して液状被膜を得た。その後、コア層形成用フィルムと同様にして平均厚さ10μmのクラッド層形成用フィルムを2枚得た。
(8)積層・切断
2枚のクラッド層形成用フィルムの間にコア層形成用フィルムを挟み込み、これらを加圧・加熱することにより圧着させた。これにより積層フィルムを得た。
次いで、コア部のパターンに応じて積層フィルムを切断した。これにより、長さ約1m、幅約2cmの長尺光導波路を18本得た。
(実施例2)
以下のように変更した以外、実施例1と同様にして長尺光導波路を得た。
(1)クラッド層形成用液状組成物の調製
精製した上記ポリマー#1 10gを100mLのガラス容器に秤量し、これにメシチレン40g、酸化防止剤Irganox1076(チバガイギー社製)0.01g、シクロヘキシルオキセタンモノマー(東亜合成製 CHOX、CAS#483303−25−9、分子量186、沸点125℃/1.33kPa)2gを加え均一に溶解させた後、0.2μmのPTFEフィルターによりろ過を行い、クラッド層形成用液状組成物を得た。
(2)光導波路形成用フィルムの作成
図2に示す光導波路の製造装置を用い、吐出ノズルからクラッド層形成用液状組成物を回転中のドラムの外周面上に吐出して液状被膜を得た。次いで、ドラムを回転させつつ、液状被膜を50℃の温度で10分間加熱した。これにより液状被膜を乾燥させ、平均厚さ10μmのクラッド層形成用フィルムを形成した。
次いで、得られたクラッド層形成用フィルムの上にコア層形成用液状組成物を吐出して液状被膜を得た。次いで、ドラムを回転させつつ、液状被膜を50℃の温度で10分間加熱した。これにより液状被膜を乾燥させ、クラッド層形成用フィルム上に平均厚さ50μmのコア層形成用フィルムを形成した。
次いで、得られたコア層形成用フィルムの上にクラッド層形成用液状組成物を吐出して液状被膜を得た。次いで、ドラムを回転させつつ、液状被膜を50℃の温度で10分間加熱した。これにより液状被膜を乾燥させ、コア層形成用フィルム上に平均厚さ10μmのクラッド層形成用フィルムを形成し、積層フィルムを得た。
なお、ドラムとしては、外径35cm、長さ50cmの円筒ドラムを使用した。また、ドラムの回転数は0.7回/分とした。
(3)露光
次いで、ドラムを回転させつつ、フォトマスクを介して積層フィルムに紫外線ランプからの紫外線を照射した。これにより、コア層に屈折率差を形成した。
(4)硬化
次いで、露光工程を経た積層フィルムを150℃の温度で90分間加熱した。これにより、積層フィルムを硬化させた。硬化後の積層フィルムのコア層には、直線状のコア部および側面クラッド部が形成されていることが確認された。
得られた積層フィルムのうち、一部をドラムの回転軸と平行な方向に切断し、ドラムから取り外した。取り外した積層フィルムは、長さ約1m、幅約40cmの長方形をなすものであった。
(5)切断
コア部のパターンに応じて積層フィルムを切断した。これにより、長さ約1m、幅約2cmの長尺光導波路を18本得た。
(実施例3)
図7に示す光導波路の製造装置を用い、コア層形成用液状組成物とクラッド層形成用液状組成物とを同時に成膜し、積層フィルムを一括で形成するようにした以外は、実施例2と同様にして長尺光導波路を得た。なお、液状被膜の乾燥時間は15分とした。
(実施例4)
コア層形成用液状組成物とクラッド層形成用液状組成物として以下に示す方法で製造されたものを用いるようにした以外は、実施例1と同様にして長尺光導波路を得た。
(1)コア層形成用液状組成物の調製
エポキシ系ポリマーとして新日鐵化学(株)製のフェノキシ樹脂、YP−50S 20g、モノマーとしてダイセル化学工業(株)製のセロキサイド2021P 5g、および重合開始剤として(株)ADEKA製のアデカオプトマーSP−170 0.2gを、メチルイソブチルケトン80g中に投入し、撹拌溶解して溶液を調製した。
次いで、得られた溶液を0.2μm孔径のPTFEフィルターでろ過して清浄で無色透明なコア層形成用液状組成物を得た。なお、得られたコア層形成用液状組成物は、モノマーディフュージョンの原理により、屈折率変調を生じるものである。
(2)クラッド層形成用液状組成物の調製
ダイセル化学工業(株)製の脂環式エポキシ樹脂、セロキサイド2081 20g、(株)ADEKA製のカチオン重合開始剤、アデカオプトマーSP−170 0.6g、およびメチルイソブチルケトン80gを撹拌混合して溶液を調製した。
次いで、得られた溶液を0.2μm孔径のPTFEフィルターでろ過して清浄で無色透明なクラッド層形成用液状組成物を得た。なお、得られたクラッド層形成用液状組成物は、屈折率変調能を有しないものである。
2.光導波路の評価
850nmVCSEL(面発光レーザー)より発せられた光をコア径50μmの光ファイバーを経由して、各実施例で得られた長尺光導波路に導入し、出射した光をコア径200μmの光ファイバーで受光し、光の強度を測定した。そして、カットバック法により伝送損失を測定した。具体的には、光導波路の長手方向を横軸にとり、挿入損失を縦軸にとって測定値をプロットしたところ、測定値は直線上に並んだので、その直線の傾きから伝送損失を算出した。
測定の結果、伝送損失は0.1dB/cm以下の小さいものであった。このため、本発明によれば、小型で省スペースの製造装置であっても、伝送特性に優れた長尺の光導波路を製造し得ることが認められた。
1 光導波路
11、12 クラッド層
13 コア層
14 コア部
15 側面クラッド部
100 光導波路形成用液状組成物
101 液状被膜
102 フィルム
1020 積層体
1021、1022、1023 フィルム
800 ダイコーター(多色押出成形装置)
810 ダイヘッド
811 上リップ部
812 下リップ部
820 マニホールド
821 スリット
830 ミキシングユニット
831 第1の供給管
832 第2の供給管
835 接続部
9 光導波路の製造装置
91 ドラム
910 外周面
911 ヒーター
912 溝
92 吐出ノズル
93 光源
94 ドライヤー
95 制御部
96 切断ツール
961 加工刃
97 フォトマスク
971 遮蔽部
C 切断線
O 回転軸

Claims (16)

  1. 回転可能な回転体の外周面に光導波路形成用液状組成物を供給し、フィルムを形成するフィルム形成工程と、
    前記外周面上において前記フィルムの一部を露光する露光工程と、を有することを特徴とする光導波路の製造方法。
  2. 前記フィルム形成工程において、前記回転体を回転させつつ、前記光導波路形成用液状組成物を供給する請求項1に記載の光導波路の製造方法。
  3. 前記フィルム形成工程において、前記回転体の回転軸に平行な方向に、前記回転体に対して供給源を相対的に移動させつつ、前記供給源から前記光導波路形成用液状組成物を供給する請求項2に記載の光導波路の製造方法。
  4. 前記露光工程において、前記回転体を回転させつつ、前記露光を行う請求項1ないし3のいずれかに記載の光導波路の製造方法。
  5. 前記露光工程において、前記回転体の回転軸に平行な方向に、前記回転体に対して光源を相対的に移動させつつ、前記光源から光を照射して前記露光を行う請求項4に記載の光導波路の製造方法。
  6. 前記露光工程において、フォトマスクを介して前記露光を行う請求項1ないし5のいずれかに記載の光導波路の製造方法。
  7. 前記露光工程において、直描法により前記露光を行う請求項1ないし5のいずれかに記載の光導波路の製造方法。
  8. 前記フィルム形成工程において、前記光導波路形成用液状組成物として組成の異なるものを順次または同時に重ねて供給することにより、複数層で構成された前記フィルムを形成する請求項1ないし7のいずれかに記載の光導波路の製造方法。
  9. 前記フィルム形成工程において、前記光導波路形成用液状組成物を供給して液状被膜を形成した後、前記液状被膜に熱またはガスを供給し、前記液状被膜を乾燥させて前記フィルムを形成する請求項1ないし8のいずれかに記載の光導波路の製造方法。
  10. 前記露光工程後の前記フィルムを切断する切断工程をさらに有する請求項1ないし9のいずれかに記載の光導波路の製造方法。
  11. 回転可能な回転体と、
    前記回転体の外周面に向けて光導波路形成用液状組成物を供給する供給源と、
    前記回転体の外周面に向けて光を照射する光源と、を有することを特徴とする光導波路の製造装置。
  12. 前記供給源および前記光源の少なくとも一方は、前記回転体の回転軸に平行な方向に移動可能になっている請求項11に記載の光導波路の製造装置。
  13. さらに、前記回転体の外周面に向けて熱またはガスを供給し、前記外周面上に供給された前記光導波路形成用液状組成物を加熱する加熱手段を有する請求項11または12に記載の光導波路の製造装置。
  14. 前記加熱手段は、前記回転体に組み込まれたヒーターである請求項13に記載の光導波路の製造装置。
  15. 前記回転体は、その外周面上に設けられ、周方向に延在する溝を有している請求項11ないし14のいずれかに記載の光導波路の製造装置。
  16. 請求項1ないし10のいずれかに記載の光導波路の製造方法により製造されたことを特徴とする光導波路。
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