JP2013186022A - Mems封止の評価方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、評価するための、水やガスなどの媒体を使用することなく、非破壊で、簡便にMEMSの封止状態を評価することができる、評価装置を提供することにある。
【解決手段】本発明の封止状態評価装置は、空洞を有するMEMSを透過させ、テラヘルツ波を発生する発生器と、投光用光学系と、受光用光学系と、テラヘルツ波を検出する検出器と、MEMSを収納し、テラヘルツ波の光路を窒素充填状態または乾燥空気充填状態に保持する試料室と、MEMSを載置及び固定し、試料室内の任意の位置にMEMSを位置決めする試料ステージと、発生器、検出器、試料室、試料ステージを制御するシステムコントローラと、テラヘルツ波による測定データを記録するメモリを備え、MEMSの空洞部をテラヘルツ波により透過または反射測定し、測定データから空洞内の水蒸気有無を判断し、封止状態の良否をシステムコントローラにて判断する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、MEMS(密閉構造部品)の封止状態を評価するための方法およびその装置に関する。
MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)や、NEMS(Nano Electro Mechanical Systems)は、内部構造物(可動部)を外乱から守るため、空洞部に蓋をして密閉させている。この時、空洞部は真空状態にしている場合が多い。
蓋を密閉させる接合方法は、陽極接合、直接接合、プラズマ活性化接合、ハイブリッド接合、表面活性化接合、はんだ接合、融接、共晶接合、ガラスフリット接合、接着剤による間接接合、などの様々な方法がデバイスや材料に応じて選択されている。
蓋の接合部分は、弱い接合強度、異物の挟み込みなど、様々な原因で、密閉度が悪くなり、大気が内部の空洞部に侵入し、構造体を劣化させる、あるいは性能が低下するといった不具合が発生する。
従来の代表的な封止状態試験方法として、以下のような水没法やボンビング法が一般的に使われている。
特許文献1では水没法による封止状態の評価方法が開示されている。
試験液を貯留した圧力容器内の空気相に試料を配置し、圧力容器内の空気相を加圧する。試料に封止不良があれば、この不良部分から気体が空洞部分に侵入する。この状態で、試料を試験液中に浸漬した後、空気相を負圧まで減圧する。減圧状態で試験液中の試料から発生する気泡の有無により、試料の封止性を評価することができる。
特許文献2では、一般的なボンビング法(JIS Z 2331)の欠点を改善した封止状態の評価方法が開示されている。
一般的なボンビング法は、ヘリウムリークディテクタを使用したリークテストであり、真空ポンプからなる排気装置およびヘリウムボンベからなるトレーサガス源を接続した加圧用チャンバ(ボンビングタンク)内に試料を配置し、所定の真空度となるまで加圧チャンバ内を真空排気した後、トレーサガス源から加圧用チャンバ内にトレーサガスであるヘリウムガスを供給して加圧用チャンバ内の圧力を規定時間(例えば、2時間以上)だけ大気圧を超える規定圧力に維持することで、ヘリウムガスにより試料を加圧する。試料に封止不良があれば、この不良部分からヘリウムガスが試料の空洞部分に侵入する。
上述のようにして試料をヘリウムガスにより加圧した後、加圧用チャンバ内の圧力を大気圧に戻した後で、加圧用チャンバから試料を取り出し、試料の表面に空気を吹き付けた後、低真空用の真空ポンプからなる排気装置およびヘリウムリークディテクタからなるリーク検出装置が接続された測定用チャンバ内に試料を入れ、測定用チャンバ内を真空排気した後、測定用チャンバ内のヘリウムガスをリーク検出装置により測定し、閾値を超える量のヘリウムガスが検出されたときに試料を不良品と判定する。
しかし、試料の容器の材質によってはトレーサガスによる加圧時に試料外側部位にトレーサガスが付着、侵入し、当該外側部位から放出されるトレーサガスがリーク検出装置により検出されて良品が不良品と誤判定されることがあった。
特許文献2では、試料と同体積かつ同材質で内部空洞のないリファレンス品とを1つの加圧用チャンバ内で大気圧を超える圧力のトレーサガスにより加圧した後、試料およびリファレンス品それぞれを別々の測定用チャンバ内に入れて各測定用チャンバ内を真空排気し、その後、一方の測定用チャンバ内の試料から放出されるトレーサガスの量と他方の測定用チャンバ内のリファレンス品から放出されるトレーサガスの量との差に基づいて試料の良否判定を行うように改善されている。
特開2004−245752号公報 特開2007−3295号公報
前記、特許文献に開示されている方法で、封止状態の試験が可能であるが、特許文献1の方法は、試料を水に浸し、加圧と減圧を行い、気泡を目視で確認する方法であり、自動化インラインでの使用は困難である。
また、特許文献2の方法は、加圧用チャンバで試料にトレーサガスを加圧後、試料を測定用チャンバに移し変え、真空排気しながらトレーサガス量を測定するという方式であり、試験方法が煩雑で効率が悪いといった欠点がある。また、トレーサガスが試料外側部位に付着、侵入することが懸念される。
本発明の目的は、評価するための、水やガスなどの媒体を使用することなく、非破壊で、簡便にMEMSの封止状態を評価することができる、評価装置を提供することにある。
本発明のMEMS封止状態の評価装置は、空洞を有するMEMSを透過させ、かつ水蒸気の吸収に敏感な帯域のテラヘルツ波を発生する発生器と、該テラヘルツ波を部品に照射する投光用光学系と、該空洞部の情報を持ったテラヘルツ波を受けるための受光用光学系と、該テラヘルツ波を検出するための検出器と、該MEMS部品を収納し、該テラヘルツ波の光路を窒素充填状態または乾燥空気充填状態に保持する試料室と、該MEMSを載置及び固定し、試料室内の任意の位置に該MEMSを位置決めする試料ステージと、前記発生器、検出器、試料室、試料ステージを制御するシステムコントローラと、テラヘルツ波による測定データを記録するメモリを備え、MEMSの空洞部をテラヘルツ波により透過または反射測定し、該測定データから空洞内の水蒸気有無を判断し、封止状態の良否をシステムコントローラにて判断する。
本発明によれば、試料(MEMS)の封止状態を非破壊で評価可能な装置を提供することができる。
本発明の一実施例であるMEMSの封止状態評価装置の構成図。 評価対象試料となるMEMSの概要。 大気を透過したテラヘルツ波の時間波形。 時間波形をフーリエ変換して得られた、テラヘルツ帯域における水蒸気の吸収スペクトルを示すグラフ。 大気中の水蒸気量の違いによる、テラヘルツ帯域における水蒸気の吸収スペクトルを示すグラフ。 図5の0.5〜0.8THz付近の拡大図。 MEMSの封止状態評価方法の実施例(透過方式)。 MEMSの封止状態評価方法の実施例(反射方式)。
以下、図面を用いて、本発明の実施例を説明する。
テラヘルツ波とは、一般的に0.1〜100THzの電磁波をさし、適度な透過性を有しており、水素結合などによる分子間相互作用などに相当するエネルギーを有している。テラヘルツ波は、半導体材料、ガラス、樹脂系材料の他、幅広い材料を透過し、しかも水蒸気に非常に敏感であるため、MEMSの空洞部の水蒸気を検出するのに適した電磁波である。使用する周波数帯域は、MEMSの材料に合わせて選択する。
本実施例は、テラヘルツ波の発生及び検出を、テラヘルツ時間領域分光法(THz−TDS:THz Time-Domain Spectroscopy)の基本構成により実施する。
図1に本発明の実施形態の一例である、テラヘルツ時間領域分光法を用いた封止状態評価装置100の構成図を示す。
封止状態評価装置100は、MEMSである試料200の空洞部をテラヘルツ波により測定し、水蒸気による吸収スペクトルの出現有無により、封止状態を評価する装置である。封止状態評価装置100は、試料室101と、パーソナルコンピュータ(以下、PCと記す)102と、システムコントローラ103と、フェムト秒レーザ(超短パルスレーザ)104と、変調機能付きバイアス電源(以下ファンクションジェネレータと記す)105と、時間遅延ステージ(可動ミラー)106と、ロックインアンプ107と、プリアンプ108と、可動部コントローラ109と、試料室調整管理機器110を有している。
PC102は、システムコントローラ103と接続され、試料200の封止状態評価に関する命令や結果の送受信を行い、作業者に評価結果などの状態を表示する。PC102は、作業者により操作され、試料200の封止状態評価を行うが、システムコントローラ103に接続されるコンピュータはPC102である必要はなく、上位システムにより任意でかまわない。また表示部は、必ずしもPC102である必要はなく、モニタや表示パネルなど任意の機器でかまわなく、その場合はシステムコントローラ103により制御を行う。
システムコントローラ103は、封止状態評価装置100内の各ユニットである、フェムト秒レーザ104と、ファンクションジェネレータ105と、時間遅延ステージ106と、ロックインアンプ107と、可動部コントローラ109と、試料室調整管理機器110などと接続され、PC102からの命令や予め組み込まれたプログラムやトリガに応じて、試料200の封止状態評価を行うための前記各ユニットの機能を満たす制御を行う。システムコントローラ103は、テラヘルツ波により測定した封止状態の測定データを記録するメモリを備え、その測定データから水蒸気吸収スペクトルを算出、試料内部の空洞部に大気が含まれているか否かを判定し、封止状態を評価する機能を有している。システムコントローラ103は、PC102と兼用でもよいし、可動部コントローラ109と兼用でもよい。
試料室101は、テラヘルツ波発生器111と、テラヘルツ波投光用光学系112と、テラヘルツ波検出器113と、テラヘルツ波受光用光学系114と、試料ステージ115と、試料室内調整管理機器端末116と、試料室開閉機構117を有している。試料室101は密封構造で、試料室調整管理機器110、または外部装置により試料室内を窒素充填状態(窒素パージ)や乾燥空気充填状態(ドライエアーパージ)の雰囲気にされ、それを保持し、テラヘルツ波が安定するように水蒸気や温度変化などの外乱を除去することができる。
試料室内調整管理機器端末116は、試料室101の内部に設置され、例えば温度計、湿度計、ヒータ、電子冷却器、などであり、温度や湿度などの試料室内雰囲気を測定したり調整したりし、試料室101の外部に設置された、試料室調整管理機器110により監視および制御され、試料室101の状態は、システムコントローラとの電気系接続130を通じて、システムコントローラ103を介し、PC102またはモニタなどに表示される。
試料200の試料室101内部への搬送は、システムコントローラ103により、試料室調整管理機器110を介し試料室101内の雰囲気を制御しながら、可動部コントローラ109を介し、試料室開閉機構117を開閉することで行われる。
試料200は、例えば外部から自動搬送ロボット、あるいは手動で試料ステージ115に配置される。
試料ステージ115は、試料200を把持するためのチャック機構と、試料200をテラヘルツ波に照射するのに必要とされる任意の試料室101内の場所に位置決めする機構と、昇降機構などを有しており、可動部コントローラ109またはシステムコントローラ103により制御される。試料ステージ115のチャック機構は、試料200の裏面を差圧によって吸着する吸着方式や、試料200のエッジを挟む把持機構方式などにより、試料200を載置および固定する。
テラヘルツ波発生器111と、テラヘルツ波投光用光学系112と、テラヘルツ波検出器113と、テラヘルツ波受光用光学系114と、を含むテラヘルツ波光学系と、試料ステージ115は、試料200を複数個並行して測定するため、試料室101のスペースの許す限りでそれぞれ複数あっても良い。
フェムト秒レーザ104より発振されるレーザ光は、ビームスプリッタ118により、ポンプ光119とプローブ光120に分岐され、光ファイバ内を伝播する。フェムト秒レーザ光は、光ファイバ内を伝播させることで、空間に伝播させる場合と比べフェムト秒レーザの光学系のアライメントを簡略化することができ、また、装置を小型にできる。
ポンプ光119は、テラヘルツ波発生のための励起光としてテラヘルツ波発生器111内に導かれ、集光レンズ121により集光され、ファンクションジェネレータ105で変調したバイアス電圧をかけた光伝導スイッチや非線形光学結晶などのテラヘルツ波発生素子122に照射し、テラヘルツ波(テラヘルツパルス波)を発生する。
前記変調は、必ずしもファンクションジェネレータ105による必要はなく、テラヘルツ波もしくはフェムト秒レーザのポンプ光119を光チョッパにて行ってもかまわない。
発生したテラヘルツ波は、レンズ123を介し放射され、楕円面ミラーや放物面ミラーなどのテラヘルツ波投光用光学系112により集光し、試料200に入射する。試料200より透過してきたテラヘルツ波は、放物面ミラーやウィンストンコーンミラーなどのテラヘルツ波受光用光学系114により集光し、テラヘルツ波検出器113に入射する。
プローブ光120は、テラヘルツ波検出のための励起光として、時間遅延ステージ106を介し、テラヘルツ波検出器113へ導かれ、ポンプ光119と同様に、集光レンズにより集光し、プリアンプ108を介しロックインアンプ107に接続された光伝導スイッチなどのテラヘルツ波検出素子へ照射し、テラヘルツ波を検出する。
テラヘルツ波とフェムト秒レーザによってテラヘルツ波検出器113を流れる電流は、プリアンプ108により、増幅電圧変換し、S/N比を向上させるために、ファンクションジェネレータ105や光チョッパによりかけた変調との同期検波をロックインアンプ107にて行う。
時間遅延ステージ106は、直進動作125のできる可動ミラー124を有しており、プローブ光120の光路長を変化させ、プローブ光120のポンプ光119に対する時間遅延を発生させる。
テラヘルツ波検出器113は、プローブ光120があたった時のみ動作するので、プローブ光120と同時にテラヘルツ波が検出素子に到達すれば振動電場は計測され、前記時間遅延を発生させながら、繰り返し到達するテラヘルツパルス波の振動電場の測定を行うことにより、時間波形は計測される。
図2に、試料200の構造例を示す。
試料200は空洞部205を有するMEMSであり、図2の(a)に示すように、凹形のケース202の底部に、素子または微小構造部品206を収容するとともに、ケース202の開口部を蓋201で閉鎖したものや、図2(b)のように基板204の上に、素子または微小構造部品206を搭載し、その上からカバー203を被せたもの等がある。
通常、空洞部205は、素子または微小構造部品206の性能実現、あるいは経年劣化防止などの理由により真空状態で密閉されているが、蓋201とケース202、あるいはカバー203と基板204との封止部に不具合があり、密着されていないと、空洞部に大気が侵入し、真空状態が維持できなくなる。これにより、素子または微小構造部品の性能が出せない、あるいは経年劣化によって数年後に不具合が発生するといった、影響が及ぼす恐れがある。
試料200の素材は、一般的にシリコン、ガラス、樹脂であり、いずれもテラヘルツ波が透過する材料であるため、テラヘルツ波の透過測定が可能である。
図3に、テラヘルツ波検出器113で計測した、水蒸気を含む大気を透過したテラヘルツパルス波の時間波形を示す。本波形は、0.5〜3THz程度の白色光であり、フーリエ変換することにより、各周波数毎の吸収スペクトルを算出することができる。
図4は、図3の時間波形をフーリエ変換して得られた、テラヘルツ帯域における透過率を示す。下側に沈んでいる部分は透過率の低いことを示しており、水蒸気の吸収スペクトルを表している。
水蒸気の吸収スペクトルは、例えば、0.5THz付近の吸収スペクトル401、0.7THz付近の吸収スペクトル402、1.0THz付近の吸収スペクトル403、1.1THz付近の吸収スペクトル404など、複数の周波数帯域に存在し、吸収率も大小様々である。
図5に、大気中の水蒸気量の違いによる、水蒸気吸収スペクトルを示す。
水蒸気の吸収率は、水蒸気量が少ないほど小さい。
図6に、図5で示した水蒸気の吸収スペクトルの、0.5THz付近の吸収スペクトル401と0.7THz付近の吸収スペクトル402の拡大図を示す。
3本の水蒸気吸収スペクトルは、それぞれ、露点温度13℃の時の吸収スペクトル601、露点温度0℃の時の吸収スペクトル602、露点温度−30℃の時の吸収スペクトル603を示す。露点−30℃の水蒸気量は0.338g/m3であり、露点温度−30℃の時の吸収スペクトル603は真空時の吸収スペクトルに近似であると考えられる。
図7に、空洞部にテラヘルツ波を透過させ、空洞部の真空度を測定し、密閉構造が正常であるか否かを評価する方法を示す。
テラヘルツ波は、各条件にもよるが半導体、セラミックスなどの化合物は電波と同様に透過する。前記のように、試料200(MEMS)の素材は、シリコン、ガラス、樹脂が一般的であり、いずれもテラヘルツ波が透過する材料である。
密閉構造が正常で、真空状態に保たれている空洞部703は、水蒸気が含まれていないため、空洞部703を透過したテラヘルツ波701の透過率グラフ704には、前記、0.5THz付近の吸収スペクトル401や0.7THz付近の吸収スペクトル402は出現しない。
一方、密閉構造が異常で、大気が流入した空洞部706は、水蒸気が含まれているため、空洞部706を透過したテラヘルツ波701の透過率グラフ707には、前記、0.5THz付近の吸収スペクトル401や0.7THz付近の吸収スペクトル402が出現する。
これらの水蒸気の吸収スペクトルの出現を観測することにより、MEMSの封止状態を評価することができる。
図8に、空洞部にテラヘルツ波を透過させ、空洞部の底部からのテラヘルツ反射波により真空度を測定し、密閉構造が正常であるか否かを評価する方法を示す。
前記のように、試料200(MEMS)の素材は、シリコン、ガラス、樹脂が一般的であるが、その一部がテラヘルツ波を反射させる材料で構成されている場合もある。例えば、蓋803がテラヘルツ波を透過させる材料で、ケース804がテラヘルツ波を反射させる材料で構成されている場合や、カバー805がテラヘルツ波を透過させる材料で、基板806がテラヘルツ波を反射させる材料で構成されている場合である。
この場合は、空洞部に照射テラヘルツ波801を透過させ、空洞部の底部(ケース804や基板806)からの反射テラヘルツ波802により、水蒸気の吸収スペクトルの出現を観測することにより、MEMSの封止状態を評価することができる。
具体的な運用実施例は以下のとおりである。
まず、封止状態が悪いMEMS(不良品)の空洞部の水蒸気吸収スペクトルを測定する。水蒸気の吸収スペクトルは、前記のように複数の周波数帯域に出現する。MEMSの材質、構造により、水蒸気の吸収スペクトルと素材の吸収スペクトルが相互に干渉し合う周波数帯が存在する可能性があるので、複数の水蒸気吸収スペクトルの中から、最適な周波数帯域を選定して観測すると良い。
次に、封止状態が良いMEMS(良品)の空洞部の水蒸気吸収スペクトルを測定する。
前記、封止状態が悪いMEMSの水蒸気吸収スペクトル測定結果から求めた最適な周波数帯域について、封止状態が悪いMEMSと封止状態が良いMEMSとの水蒸気吸収スペクトルを比較し、その差分を基に、不良品の判別基準を決める。
PC102に、前記、封止状態が悪いMEMSの水蒸気吸収スペクトル測定結果から求めた最適な周波数帯域や、不良品の判別基準を設定することで、PC102またはシステムコントローラ103で自動的に不良品の判別をすることができる。
また、試料室開閉機構117を介して試料ステージ115に配置された試料200を、自動的に試料ステージ115によってテラヘルツ波に照射するのに必要とされる任意の試料室101内の場所に位置決めし、水蒸気吸収スペクトルを測定し、不良品を判別することにより、自動化インライン装置として使用することができる。
PC102に表示された水蒸気吸収スペクトルから、目視により作業者が判断しても良いことはもちろんである。
前記方法で試料200(MEMS)の封止状態を評価できる範囲で、本実施例の構成の限りではなく、例えば、THz波の分光法または発生及び検出をTHz−TDSの構成により実現しているが、他のTHz波分光装置の構成でも良いし、THz発生器(光源)は、パラメトリック発振器やTHz量子カスケードレーザ、後進波管、ガンダイオード、共鳴トンネルダイオード、高圧水銀灯、遠赤外ヒータ、黒体炉などでも良いし、THz検出器は、焦電センサやボロメータ、ゴーレイセル、THzカメラなどでも良い。
100 封止状態評価装置
101 試料室
102 PC
103 システムコントローラ
104 フェムト秒レーザ
105 変調機能付きバイアス電源(ファンクションジェネレータ)
106 時間遅延ステージ
107 ロックインアンプ
108 プリアンプ
109 可動部コントローラ
110 試料室調整管理機器
111 テラヘルツ波発生器
112 テラヘルツ波投光用光学系
113 テラヘルツ波検出器
114 テラヘルツ波受光用光学系
115 試料ステージ
116 試料室内調整管理機器端末
117 試料室開閉機構
118 ビームスプリッタ
119 ポンプ光
120 プローブ光
121 集光レンズ
122 テラヘルツ波発生素子
123 レンズ
124 可動ミラー
125 可動ミラーの動作方向(直進動作)
130 システムコントローラとの電気系接続
200 試料(MEMS)
201、803 蓋
202、804 ケース
203、805 カバー
204、806 基板
205、703、706 空洞部
206 素子または微小構造部品
301 大気を透過したテラヘルツ波の時間波形
401 0.5THz付近の吸収スペクトル
402 0.7THz付近の吸収スペクトル
403 1.0THz付近の吸収スペクトル
404 1.1THz付近の吸収スペクトル
601 露点温度13℃の時の吸収スペクトル
602 露点温度0℃の時の吸収スペクトル
603 露点温度−30℃の時の吸収スペクトル
701 テラヘルツ波
704 空洞部703を透過したテラヘルツ波701の透過率グラフ
707 空洞部706を透過したテラヘルツ波701の透過率グラフ
801 照射テラヘルツ波
802 反射テラヘルツ波

Claims (3)

  1. 内部に気密的な空洞を有し、テラヘルツ波が透過する材料を用いたMEMSに対し、任意の周波数帯域のテラヘルツ波により空洞部を測定し、該測定で得た測定データを元に、該MEMSの封止状態の良否を非破壊で判定することを特徴とするMEMSの封止状態評価方法。
  2. 請求項1において、
    評価対象の該空洞部は、良品では真空状態であり、封止不良があった場合に該空洞部に大気が侵入し水蒸気が含まれた状態になることから、該測定で得たテラヘルツ波の水蒸気による吸収スペクトルの有無によって、該MEMSの封止状態の良否を非破壊で判定することを特徴とする評価方法。
  3. 内部に気密的な空洞を有し、テラヘルツ波が透過する材料を用いたMEMSの封止状態評価において、該MEMSを透過する周波数帯域のテラヘルツ波を発生するテラヘルツ波発生器と、該テラヘルツ波を接合部に照射するテラヘルツ波投光用光学系と、該接合部の情報を持ったテラヘルツ波を受けるためのテラヘルツ波受光用光学系と、該テラヘルツ波を検出するためのテラヘルツ波検出器と、該MEMSを収納する、及び該テラヘルツ波光路を窒素充填状態または乾燥空気充填状態に保持する試料室と、該MEMSを載置及び固定し、試料室内の任意の位置に該MEMSを位置決めする試料ステージと、前記テラヘルツ波発生器、テラヘルツ波検出器、試料室、試料ステージを制御し、テラヘルツ波による測定データを記録するメモリを備え、測定データから水蒸気の吸収スペクトル有無を判定し、該MEMSの封止状態の良否を自動判定するシステムコントローラまたはPCとを有することを特徴とするMEMSの封止状態評価方法。
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CN107036772A (zh) * 2016-02-04 2017-08-11 昇佳电子股份有限公司 判断微机电系统装置是否气密的方法
US10473588B2 (en) 2017-11-17 2019-11-12 Hyundai Motor Company Device and method for water-proofing test

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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