JP2013186005A - 現場見取図作成システムおよびレーザ計測装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】現場での測量作業の省力化とともに、計測結果から現場見取図を作成する作業の省力化を可能とする現場見取図作成システムを提供する。
【解決手段】現場見取図作成システムSは、レーザ計測装置10と、PC20と、現場見取図を作成する現場見取図作成装置30とを備え、レーザ計測装置10は、方位情報を検出するジャイロ11、位置情報を検出するGPS12、カメラ13、レーザ距離センサ14、処理部16、および回転台17を備える。PC20は、レーザ計測装置10が設置された計測地点を中心に計測された点群の画像を表示部24に表示する際に、複数の計測地点からの計測データがある場合、同一画像上にそれぞれの位置情報に基づく計測地点と、予め設定されているレーザ距離センサ14の計測範囲とを表示し、複数の計測範囲が重畳しない場合、表示部24に計測漏れが発生している旨を通知する。
【選択図】図1

Description

本発明は、交通事故現場、犯罪現場、道路工事現場等に関する報告書作成において必要となる現場見取図作成システムおよびレーザ計測装置に関し、特に、現場での測量作業の省力化とともに、計測結果から現場見取図を作成する作業の省力化を可能とする現場見取図作成システムおよびレーザ計測装置に関する。
交通事故現場の場合、警察官が実況検分を行って調書を作成し、衝突地点とスリップ痕等の対象物間との距離や信号機等の固定物からの位置関係等を記載した現場見取図を作成する必要がある。
この現場見取図を作成する場合、従来は調査する警察官が、巻尺等を用いて各々対象物の距離を直接現場路上で計測し、その計測結果から平面図を作成している。この巻尺による現場路上での計測は、人手により1点1点計測するため、計測作業に時間がかかり、長時間の交通遮断さらには交通渋滞を発生させてしまうという問題点がある。また、計測作業中の警察官が他の通行車両に衝突される等の受傷事故の危険性もあるため、現場での作業時間を極力短時間にする必要がある。
さらに、巻尺による現場での計測においては、図面作成に必要となる距離全てを計測する必要があるが、人間の計測であるため現場見取図作成に必要な計測にモレが発生する可能性もあるため、人手ではなく自動的に必要な距離を全て計測可能にしたいとの要望も出されている。
特許文献1は、前記現場見取図作成の問題点を改善するため、計測する所定位置にターゲットを配置し、所定位置に対する所望の位置の座標を検出する位置検出手段と、所望の位置が含まれる範囲を撮影する撮影手段と、該撮影手段によって撮影される画像を表示する撮影画像表示手段と、位置検出手段で得られた座標を記録するとともに表示する見取図表示手段と、これらを制御する制御手段とを備えている。撮影手段で所望の位置を撮影するとともに、撮影画像表示手段上で当該位置を制御手段によって指示することにより位置検出手段で所望の位置の座標を検出し、該検出された座標に基づいて見取図表示手段上で見取図を作成するようにしている。
特開平2−281380号公報
特許文献1においては、ターゲットを持った警察官が、計測する各々の位置に移動し、そのターゲットを配置して順次計測する必要があり、計測時間の大幅な短縮や、計測モレに対する対策とはなっていない。また、ターゲットを持って、現場内の各々の計測対象物の場所を移動すると、受傷事故にあう可能性は高まると考えられる。
本発明は、前記の課題を解決するための発明であって、現場での測量作業の省力化とともに、計測結果から現場見取図を作成する作業の省力化を可能とする現場見取図作成システムおよびレーザ計測装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、本発明の現場見取図作成システムは、物体との距離情報を計測するレーザ距離センサおよび物体の色情報を計測する撮像装置(例えば、カメラ13)を有する計測装置(例えば、レーザ計測装置10)と、該計測装置により計測された計測データを処理する処理端末(例えば、PC20)と、計測データにより現場見取図を作成する現場見取図作成装置とを備える現場見取図作成システムであって、計測装置は、該計測装置の方位情報を検出する方位情報検出装置(例えば、ジャイロ11)と、該計測装置の位置情報を検出する位置情報検出装置(例えば、GPS12)と、該計測装置が設置される計測地点を中心にして該計測装置を回転させる回転台とを備え、処理端末は、計測装置で計測された計測データに基づいて計測地点を中心に計測された点群の画像を表示部(例えば、表示部24)に表示する際に、該画像上に位置情報に基づく計測地点と、予め設定されているレーザ距離センサの計測範囲とを表示する処理部(例えば、処理部21)を備え、処理部は、複数の計測地点からの計測データがある場合、複数の計測地点での位置情報および方位情報との関係に基づいて、同一画像上にそれぞれの位置情報に基づく計測地点と、レーザ距離センサの計測範囲とを表示し、複数の計測範囲が重畳しない場合、表示部に計測漏れが発生している旨を通知することを特徴とする。
本発明によれば、現場での測量作業の省力化とともに、計測結果から現場見取図を作成する作業の省力化が可能となる。
本発明に係る実施形態の現場見取図作成システムを示す構成図である。 レーザ計測装置を示す外観図である。 現場見取図作成の作成手順を示すフローチャートである。 現場での計測手順を示すフローチャートである。 スライス処理を示す説明図である。 寸法線作画後の自動寸法の表示を示す説明図である。 現場見取図作成対象の範囲の例を示す説明図である。 オルソ補正による真上からの表示を示す説明図である。 道路面を抽出後の表示画面を示す説明図である。 現場見取図に現場画像を重畳した場合の表示画面を示す説明図である。 現場見取図における道路輪郭および寸法表示をほどこした場合の表示画面を示す説明図である。 現場見取図作成システムが作成した現場見取図の完成画面を示す説明図である。 レーザ計測範囲を示す説明図である。 複数のレーザ計測範囲を示す説明図である。 樹木の削除前、樹木の削除後の表示画面を示す説明図である。 レーザの反射強度を色調変更した場合の画像例を示す説明図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明に係る実施形態の現場見取図作成システムを示す構成図である。現場見取図作成システムSは、現場状況を撮影するカメラ13(撮像装置)と該カメラで撮影した物体に対してその距離を測定するレーザ距離センサ14とを組み合わせた3D(3次元)のレーザ計測装置10、該レーザ計測装置用の制御端末であるPC(Personal Computer)20(処理端末)と、該レーザ計測装置10で取得した計測データに基づき現場見取図を作成する現場見取図作成装置30とを含んで構成される。
レーザ計測装置10は、前記したカメラ13、レーザ距離センサ14を含み、該レーザ計測装置10の方位センサであるジャイロ11、該レーザ計測装置10の設置位置を測定するGPS(Global Positioning System)12、該レーザ距離センサ14等を回転するための回転台17を有するとともに、回転台17、カメラ13、およびレーザ距離センサ14を制御処理するための処理部16、および、PC20と通信するための通信部15を有している。なお、通信は、有線通信でも、無線通信でもよい。
PC20は、処理部21、計測データ等を記憶する記憶部22、入力部23、表示部24、通信部25を有している。処理部21は、レーザ計測装置10で測定された計測データに基づく画像処理、計測した計測範囲の確認処理、カメラ13、レーザ距離センサ14、および回転台17の制御処理等を行う。PC20は、具体的には、タブレットPC等を用いるとよい。
現場見取図作成装置30は、処理部31、記憶部32、入力部33、表示部34、通信部35を有している。処理部31は、レーザ計測装置10で測定された計測データに基づく画像処理、現場見取図作成処理等を行う。
図2は、レーザ計測装置を示す外観図である。レーザ計測装置10は、三脚18上に設置されている。現場において、レーザ計測装置10を複数の地点に配置し、全方位の距離計測をする。
レーザ計測装置10は、レーザ距離センサ14の走査(スキャン)と、回転台17との
回転により、例えば、水平方向360度、垂直方向270度の広範囲を測定することができる。また、三脚に設置方向を変更する変更器具を装着することにより、全方位の距離計測が可能である。
また、処理部16により、レーザ距離センサ14およびカメラ13によって、物体の距離情報および色情報が独立に計測され、必要に応じて、レーザ距離センサ14とカメラ13との相対位置および相対姿勢が構成される。
具体的には、処理部16は、レーザ距離センサ14により物体の距離を計測し、および、カメラ13により物体の色情報の計測を並行して行い、その結果得られる、物体の色情報(R,G,B)、距離情報Z0および方位情報が、処理部16内の補助記憶のバッファに記録される。
すなわち、レーザ距離センサ14は、カメラで撮影した範囲を含む領域を走査する。この間、レーザ距離センサ14によってカメラ13の視野内の物体までの距離情報Z0および物体の方位情報が計測されるとともに、カメラ13によって、その物体の色情報(R,G,B)が計測される。これにより得られた色情報および距離情報は、例えば、物体画像の画像データとして補助記憶のバッファに記録される。この画像データには、画素ごとに、色情報(R,G,B)、距離情報Z0および方位情報が含まれている。距離情報Z0および方位情報により、レーザ計測装置10を原点として、計測した各点は、(X,Y,Z)の座標に変換することができる。最終的には、計測した各点は、(X,Y,Z)の座標と、さらに各点に該当する画素の色(R,G,B)のデータを関連付けて保持することができる。
また、レーザ計測装置10には、ジャイロ11と、GPS12とを有しており、ジャイロ11による方位情報と、GPS12による位置情報とにより、レーザ計測装置10の基準点を把握することができる。
事故現場等で計測する場合の課題としては、
(1)計測モレがないか:計測忘れ等で計測モレがあっても、事故現場では再度の計測ができない場合があり、事故現場で、全ての計測ができたかを確認できる必要がある。
(2)計測時の安全性が確保できているか:事故現場で計測する際に、一般の通行人等に支障がないか、すなわち、レーザ計測を用いる際には、レーザ安全クラスが1である必要がある。距離精度の高いレーザは、レーザ安全クラスが2等になり、安全性の問題がでるとともに、高価なレーザ装置を必要とする場合が多い。このため、比較的低価格で、安全性を確保できるレーザ装置で実現する必要がある。
前記(1),(2)の課題を解決する方法として、レーザ計測装置10の測定について、設置位置を変更して何度か行う。詳細については後記する。
図3は、現場見取図作成の作成手順を示すフローチャートである。適宜図1、図2を参照して説明する。現場見取図作成の作成手順は、現場計測処理(ステップS1)、計測データに基づく真上からの表示処理(ステップS2)、道路面抽出処理(ステップS3)、現場見取図に現場画像をレイヤとして挿入する挿入処理(ステップS4)、道路輪郭および寸法表示処理(ステップS5)、現場見取図の現場画像のレイヤを非表示にして保存する保存処理(ステップS6)からなる。以下、各ステップの詳細について説明する。
なお、図3中には、各ステップの代表的な図番を記載している。ステップS1については、図4、図7、図13、図14を参照する。ステップS2については、図8を参照する。ステップS3については、図5、図9、図15、図16を参照する。ステップS4については、図10を参照する。ステップS5については、図6、図11を参照する。ステップS6については、図12を参照する。
(ステップS1)
図3のステップS1の現場計測処理において、レーザ計測装置10が所定の地点(例えば、図7のA地点)に配置され、測定開始指示があると、レーザ距離センサ14による3Dレーザ計測と、カメラ13による写真撮影が実施される。計測した各点は、前記したように(X、Y,Z)の座標と、各点に該当する画素の色(R,G,B)を保持する、図7を参照して現場見取図作成対象の範囲を説明する。
図7は、現場見取図作成対象の範囲の例を示す説明図である。図7に示す現場見取図作成対象の範囲は、レーザ計測装置10により、前記課題の(1)および(2)を解決する方法として何回かに分けて計測される。現場での計測手順について、図13、図14を参照して詳細に説明する。
図13は、レーザ計測範囲を示す説明図である。適宜図1を参照して説明する。まず、例えば、事故現場の交差点等の中心付近等を第一の計測地点と決めて計測し、図13に示すように、計測データをPC20の表示部24上に表示する。基本的には、計測データの中心(座標X=0,Y=0)が計測装置を配置した位置となり、その位置に、[計測1]というマーカーを表示する。また、レーザ距離センサ14の精度限界の円を表示する(例えば、半径20m等)。このとき、計測と同時に、GPS12にて計測1の緯度経度を測位し、さらにジャイロ11にて方位情報(北からの角度))を取得し、記憶する。なお、レーザ計測装置10は、点群の計測データと、GPS12による緯度経度と、ジャイロ11による方位情報とを関連付けて、補助記憶のバッファに一時記憶するとともに、通信部15を介してPC20に送信するとよい。
精度限界のレーザ計測範囲は、現場見取図で要求される精度と、レーザ計測センサ14の分解能とで決定されるので、予め決定しておくのがよい。決定された範囲は、レーザ計測装置10の補助記憶装置内に記憶しておきPC20側に送信される。また、レーザ計測装置10側の分解能が変更された場合、処理部16は変更を検知すると変更された計測範囲の情報をPC20側に送信するとよい。
図14は、複数のレーザ計測範囲を示す説明図である。次の計測位置に、レーザ計測装置10を移動するたびに、GPS12からの緯度経度情報から、[計測1]を表示した画面上に、移動したレーザ計測装置10の位置を図14に示すように表示する。なお、計測2地点は、[計測1]の方位情報と、現在のレーザ計測装置の緯度経度から算出可能である。また、[計測1]と[計測2]の距離が、精度限界を超えた場合は、PC20にてブザーを鳴らす等を行い、計測範囲が離れすぎていることを操作者に教えることも可能とする。
これにより、[計測1]と[計測2]との計測終了後は、[計測1]で計測した点群と、[計測2]で計測した点群をマージ(点群統合)してPC20上の表示部24に表示する。すなわち、点群をマージすることで、点群の表示範囲が広がることになる。
この計測操作を、全ての現場見取図作成の対象範囲を計測するまで行う。全ての計測完了後、一つにマージした点群データと、保存しておいた計測地点ごとの点群データ・緯度経度・方位情報を一つの事故現場の計測データ一式として管理し、事務所に戻ったあと、事故現場見取図データを保存する現場見取図作成装置30にアップロードする。PC20での処理内容を、図4を参照して説明する。
図4は、現場での計測手順を示すフローチャートである。PC20の処理部21は、表示部24に計測範囲を表示し(ステップS11)、次の計測データがあるか否かを判定する(ステップS12)。処理部21は、次の計測データがあった場合(ステップS12,Yes)、次の計測範囲を表示し(ステップS13)、計測範囲に重畳部分があるか否かを判定する(ステップS14)。処理部21は、重畳部分があった場合(ステップS14,Yes)、ステップS12に戻り、重畳部分がなかった場合(ステップS14,No)、重畳部分がない旨の警告し(ステップS15)、ステップS12に戻る。なお、警告は、表示部24に重畳部分がない旨の表示をするとともに、警告音を発生してもよい。
ステップS12において、次の計測データがない場合(ステップS12,No)、処理部21は、処理終了か否かを判定する(ステップS16)。処理部21は、入力部23から処理終了の旨の通知を受領できない場合、処理S12に戻る。ステップS16において、処理終了の旨の通知を受領した場合、処理部21は、これまでに計測した計測データをマージ処理し(ステップS17)、マージした計測データを記憶部22に保存して処理を終了する。
(ステップS2)
図8は、オルソ補正による真上からの表示を示す説明図である。PC20の処理部21は、ステップS1での計測データの各点を、真上から表示(オルソ補正)すると、図8に示す表示となる。各点(X,Y,Z)のZを0にして2次元として表示している。図8に示す表示の場合、計測時に道路上に存在していた樹木の葉や看板等が、そのまま道路に覆いかぶさって表示される。このため、不要な物体である樹木等を除去するスライス処理が必要となる。
(ステップS3)
図9は、道路面を抽出後の表示画面を示す説明図である。PC20の処理部21は、スライス処理の指示により、ステップS3の各点の(X,Y,Z)のデータを基に、道路面を判断(図5、図15参照)し、その道路面から、例えば+10cmより上の点データを削除後、真上からの表示(オルソ補正)をすると、図9に示す表示となる。本表示の場合、道路に覆いかぶさっていたものが削除されて表示されるため、道路境界線を判断しやすくなっている。図5および図15を参照して、スライス処理(スライス補正)について説明する。
図5は、スライス処理を示す説明図である。図5(a)は、地表面が平面の場合のレーザ計測装置10による計測データと樹木との関係を示す図であり、図5(b)は、地表面が坂道である場合のレーザ計測装置10による計測データと樹木との関係を示す図である。現場見取図では道路面が重要であり、ある高さ以上の点群を削除すると、道路の上に存在する樹木や看板等の障害物を削除すること(スライス処理をすること)ができる。
レーザ計測した各点群は、(X,Y,Z)の座標を保持しているので、図5(a)に示すような平面な道路(地表面)であれば、点の座標(X,Y,Z)のZ(高さ)の値を適当な閾値で削除(例えば、地表から10cm等)すれば、樹木を削除することができる。具体的には、スライス処理により、B点、C点、D点は削除されるが、A点は削除されずに残ることになる。
しかし、坂道等が含まれる場合は、単純なZの一律の閾値では、図5(b)に示すように道路面を削除してしまうため道路面の認識(抽出)が必要である。具体的には、スライス処理により、A点、B点、C点、D点の全てが削除されてしまう。このため、閾値をどの程度にするのがよいかを判定することが重要となる。
図15は、樹木の削除前、樹木の削除後の表示画面を示す説明図である。図15(a)は、樹木の削除前の表示画面を示す図であり、図15(b)は、樹木の削除後の表示画面を示す図である。図15(a)では、楕円で囲む部分に樹木があり、道路面が見えていない。しかし、スライス処理することにより、図15(b)に示すように、図15(a)に示す楕円部分の樹木を削除でき、樹木の下の道路面が見えることになる。
スライス処理をする際の閾値は、図15(b)の長楕円部分のスライダを上下に動かすことで、変更可能である。これにより、適切な閾値を設定することが可能となる。スライダによる調節でも道路面が把握できない場合、図16に示す道路面の抽出処理を適用する。
図16は、レーザの反射強度を色調変更した場合の画像例を示す説明図である。図16に示す画像例は、レーザ反射強度の強弱で色を変えて表示している。道路面と道路以外の例えば土の面等は、あきらかにレーザ反射強度が異なるため、この情報を用い、おおよそどのあたりに道路面が存在するかを判定することができる。その後、その道路面の高低差に対して、閾値10cmでスライスすること(図5(b)参照)で、坂道の場合でも道路面の上にかぶさっている邪魔な点群を削除することが可能となる。
(ステップS4)
図10は、現場見取図に現場画像を重畳した場合の表示画面を示す説明図である。計測された計測データは、PC20の通信部25から現場見取図作成装置30の通信部35を介して、記憶部32に格納されている。現場見取図作成者は、現場見取図作成装置30の現場見取図作成用CADソフトウェアを立ち上げて、交通事故の場合、「交通事故現場見取図」の雛形表を表示部34に表示するとともに、ステップS3でスライス処理された、真上からの表示データを画像として、CADの背面レイヤとして挿入する。なお、ステップS2のオルソ補正、ステップS3のスライス処理が、処理部31において、同様に処理される。
(ステップS5)
図11は、現場見取図における道路輪郭および寸法表示した場合の表示画面を示す説明図である。現場見取図作成用CADでは、道路輪郭抽出処理または背景レイヤの画像をなぞる等の操作で、道路輪郭を作成し、寸法表示処理を行っている。寸法の表示処理は、各画素には(X,Y,Z)の座標を保持しているので、道路幅やスリップ痕の寸法線を記載する場合に、通常は距離の値を数値入力する必要がある。しかしながら、本CADでは、画像の2点を指定するだけで、正確な距離を取得することが可能であり、寸法線を記載すると同時に距離値も表示可能となる。詳細については、図6を参照して説明する。
図6は、寸法線作画後の自動寸法の表示を示す説明図である。本実施形態では、現場見取図での寸法線作画の効率向上を自動寸法値算出により行うことができる。まず、既存のCADソフトウェアの場合を説明する。
既存のCAD操作の場合、[寸法線](不図示)というメニューをクリックし、図面中の寸法線を描画したい位置の始点をマウス等でクリックし、その後終点をクリックする。そして、始点と終点とを結ぶ両矢印の線を描画する。最後に、寸法の数値を入力するダイアログを表示し、キーボードから数値を入力し、[OK]をクリックすると、両矢印の線の中央付近に入力した数値を表示することができる。この際に、現場見取図作成者が数値を算出する必要があり、算出した値もケアレスミス等があると精度が高いとは必ずしも言えなかった。
本実施形態の事故現場見取図用CADの場合は、あらかじめ(X,Y,Z)の座標を保持した計測データを背景に表示しているため、寸法の値を入力する手間がいらなくなる。すなわち、図面中の寸法線を描画したい位置の始点をマウス等でクリックし、その後終点をクリックする。そして、始点と終点とを結ぶ両矢印の線を描画すると、始点および終点の点の座標から自動的に始点と終点との距離を算出し、両矢印の線の中央付近に算出した数値を表示することができる。
(ステップS6)
図12は、現場見取図作成システムが作成した現場見取図の完成画面を示す説明図である。図12に示す図は、現場見取図作成者が、ステップS5で処理した「交通事故現場見取図」のCADデータにおいて、背面レイヤを非表示にし、現場見取図CADファイルとして保存した図である。
本実施形態の現場見取図作成システムSは、レーザ計測装置10と、PC20と、現場見取図を作成する現場見取図作成装置30とを備え、レーザ計測装置10は、方位情報を検出するジャイロ11、位置情報を検出するGPS12、カメラ13、レーザ距離センサ14、処理部16、および回転台17を備える。PC20は、レーザ計測装置10が設置された計測地点を中心に計測された点群の画像を表示部24に表示する際に、複数の計測地点からの計測データがある場合、同一画像上にそれぞれの位置情報に基づく計測地点と、予め設定されているレーザ距離センサ14の計測範囲とを表示し、複数の計測範囲が重畳しない場合、表示部24に計測漏れが発生している旨を通知することができる。
本実施形態の現場見取図作成システムSは、レーザ計測装置10、PC20、現場見取図作成装置30の構成として説明したが、これに限定されるものではない。例えば、PC20の処理機能を、レーザ計測装置10に含めスタンドアロン型としてもよい。
具体的には、レーザ計測装置10は、物体との距離情報を計測するレーザ距離センサ114および物体の色情報を計測するカメラ13とを有する計測部と、計測部で計測された計測データを処理する処理部16と、記憶部と、表示部と、計測部を回転させる回転台17、該計測部の方位情報を検出する方位情報検出部(例えば、ジャイロ11)と、該計測部の位置情報を検出する位置情報検出部(例えば、GPS12)とを備える。
レーザ計測装置10の処理部16は、計測部で計測された計測データに基づいて計測部が設置される計測地点を中心に計測された点群の画像を表示部に表示する際に、該画像上の位置情報に基づく計測地点と、予め設定されているレーザ距離センサの計測範囲とを表示し、複数の計測地点からの計測データがある場合には、複数の計測地点での位置情報および方位情報との関係に基づいて、同一画像上にそれぞれの位置情報に基づく計測地点と、レーザ距離センサの計測範囲とを表示し、複数の計測範囲が重畳しない場合、表示部に計測漏れが発生している旨を通知することができる。
本実施形態の現場見取図作成システムSは、まず警察での交通事故現場見取図作成への適用が考えられる。現状の交通事故現場見取図の作成は、重要事故の場合は、ステレオカメラを利用した高精度な事故現場図として作成している。しかしながら、交通事故の中の大半である一般的な事故の場合は、巻尺および手作業による事故見取図作成となっており、システム化が望まれている。
今回のレーザ距離センサ14による計測という分野は、近年低価格化および高精度化、高速化が進んでおり、十分実運用可能な環境が整いつつある。交通事故現場見取図以外としては、犯罪の現場見取図(この場合、現場は道路のみでではなく、室内である可能性もある)や工事現場見取図等への適用も考えられる。
10 レーザ計測装置(計測装置)
11 ジャイロ
12 GPS
13 カメラ(撮像装置)
14 レーザ距離センサ
15 通信部
16 処理部
17 回転台
20 PC
21 処理部
22 記憶部
23 入力部
24 表示部
25,35 通信部
30 現場見取図作成装置
31 処理部(作成装置処理部)
32 記憶部(作成装置記憶部)
33 入力部(作成装置入力部)
34 表示部(作成装置表示部)

Claims (5)

  1. 物体との距離情報を計測するレーザ距離センサおよび前記物体の色情報を計測する撮像装置を有する計測装置と、該計測装置により計測された計測データを処理する処理端末と、前記計測データにより現場見取図を作成する現場見取図作成装置とを備える現場見取図作成システムであって、
    前記計測装置は、
    該計測装置の方位情報を検出する方位情報検出装置と、
    該計測装置の位置情報を検出する位置情報検出装置と、
    該計測装置が設置される計測地点を中心にして該計測装置を回転させる回転台とを備え、
    前記処理端末は、
    前記計測装置で計測された計測データに基づいて前記計測地点を中心に計測された点群の画像を表示部に表示する際に、該画像上に前記位置情報に基づく計測地点と、予め設定されている前記レーザ距離センサの計測範囲とを表示する処理部を備え、
    前記処理部は、
    複数の前記計測地点からの計測データがある場合、前記複数の計測地点での前記位置情報および前記方位情報との関係に基づいて、同一画像上にそれぞれの前記位置情報に基づく計測地点と、前記レーザ距離センサの計測範囲とを表示し、前記複数の計測範囲が重畳しない場合、前記表示部に計測漏れが発生している旨を通知する
    ことを特徴とする現場見取図作成システム。
  2. 前記処理部は、前記計測装置で計測された計測データに基づいて前記計測地点を中心に計測された点群の画像を、オルソ補正して地表面を真上から見た画像として前記表示部に表示する際に、
    前記表示部の表示画面には、前記地表面から任意の距離である閾値を設定できるスライダを備え、
    前記処理部は、前記スライダにより閾値が選択された場合、前記地表面から前記閾値までの点群の画像を残し、それ以外の点群の画像を削除する
    ことを特徴とする請求項1に記載の現場見取図作成システム。
  3. 前記現場見取図作成装置は、作成装置処理部、作成装置記憶部、作成装置表示部、作成装置入力部を備え、
    前記作成装置記憶部に前記計測装置で計測された計測データが記憶されており、
    前記作成装置処理部は、
    前記計測データに基づいて前記計測地点を中心に計測された点群の画像を、オルソ補正して地表面を真上から見た画像として前記作成装置表示部に表示する際に、前記作成装置入力部により該画像中の寸法線を描画したい位置の始点がクリックされ、その後終点がクリックされた場合、前記始点および前記終点を結ぶ前記寸法線を描画するとともに、前記始点および前記終点の座標から前記始点と前記終点との距離を算出し、前記寸法線の中央付近に算出した数値を表示する
    ことを特徴とする請求項1に記載の現場見取図作成システム。
  4. 前記現場見取図作成装置は、作成装置処理部、作成装置記憶部、作成装置表示部、作成装置入力部を備え、
    前記作成装置記憶部に前記計測装置で計測された計測データが記憶されているとともに、現場見取図の雛形表が格納されており、
    前記作成装置処理部は、
    前記計測データに基づいて前記計測地点を中心に計測された点群の画像を、オルソ補正して地表面を真上から見た画像として前記作成装置表示部に表示する際に、前記作成装置入力部により前記画像挿入の指示がなされた場合、前記現場見取図の雛形表を表示されたレイヤに対する背面のレイヤとして挿入する
    ことを特徴とする請求項1に記載の現場見取図作成システム。
  5. 物体との距離情報を計測するレーザ距離センサおよび前記物体の色情報を計測する撮像部とを有する計測部と、前記計測部で計測された計測データを処理する処理部と、記憶部と、表示部と、前記計測部を回転させる回転台とを備えるレーザ計測装置であって、
    前記計測部は、
    該計測部の方位情報を検出する方位情報検出部と、
    該計測部の位置情報を検出する位置情報検出部と、を備え、
    前記処理部は、
    前記計測部で計測された計測データに基づいて前記計測部が設置される計測地点を中心に計測された点群の画像を前記表示部に表示する際に、該画像上に前記位置情報に基づく計測地点と、予め設定されている前記レーザ距離センサの計測範囲とを表示し、
    前記複数の前記計測地点からの計測データがある場合、前記複数の計測地点での前記位置情報および前記方位情報との関係に基づいて、同一画像上にそれぞれの位置情報に基づく計測地点と、前記レーザ距離センサの計測範囲とを表示し、前記複数の計測範囲が重畳しない場合、前記表示部に計測漏れが発生している旨を通知する
    ことを特徴とするレーザ計測装置。
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