JP2013185578A - 真空ポンプ - Google Patents
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Abstract
【課題】ロータの回転方向を容易に検出することができる真空ポンプの提供。
【解決手段】真空ポンプにおいて、振れ回り演算部425Aは、ラジアル変位センサおよび回転センサ33の各検出値に基づいて正回転方向の振れ回り量Gを演算し、振れ回り演算部425Bは、ラジアル変位センサおよび回転センサ33の各検出値に基づいて逆回転方向の振れ回り量Grを演算する。そして、主制御部40は、これらの振れ回り量G,Grに基づいて、すなわち振れ回り量G,Grと閾値A,Bとの大小関係を比較することにより、ロータ30の回転方向を判定する。
【選択図】図2
【解決手段】真空ポンプにおいて、振れ回り演算部425Aは、ラジアル変位センサおよび回転センサ33の各検出値に基づいて正回転方向の振れ回り量Gを演算し、振れ回り演算部425Bは、ラジアル変位センサおよび回転センサ33の各検出値に基づいて逆回転方向の振れ回り量Grを演算する。そして、主制御部40は、これらの振れ回り量G,Grに基づいて、すなわち振れ回り量G,Grと閾値A,Bとの大小関係を比較することにより、ロータ30の回転方向を判定する。
【選択図】図2
Description
本発明は、磁気浮上式の真空ポンプに関する。
半導体装置などに用いられる真空ポンプの一つとしてターボ分子ポンプがあるが、ターボ分子ポンプでは回転翼が形成されたロータをモータで回転駆動し、この回転翼を固定翼に対して高速回転させることにより気体分子を排気している。このターボ分子ポンプのモータとしてDCブラシレスモータを使用し、ギャップセンサによりロータ回転を検出してモータの回転制御をするものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載のターボ分子ポンプでは、ロータには段差が形成されたディスクがギャップセンサと対向するように設けられ、ディスクの回転に伴うギャップの変化をギャップセンサで検出している。そして、そのギャップ変化からHigh-Low信号を生成し、そのHigh-Low信号に基づいてモータコイルの励磁パターンを生成してモータを回転駆動制御している。
しかしながら、段差形状のターゲットをギャップセンサで検出して生成された回転信号で励磁パターンを形成した場合、回転方向の特定をすることは困難である。回転制御上の工夫により、正常に組み立てられたポンプが逆方向に駆動してしまうことは無くすことができるが、正常でないポンプ、例えばモータ配線が間違っているなど、を駆動させたときに逆回転を起こしてしまう可能性が考えられる。また、ポンプが外的要因、例えばガスの逆流などにより、強制的に逆回転方向へ回ってしまう状況が起こった時に逆回転を起こしてしまう可能性が考えられる。上記のような原因によってポンプが逆回転をしてしまう状況が発生したときに、逆回転を検出することが困難であった。
請求項1の発明に係る真空ポンプは、排気機能部が形成されたロータと、ロータを非接触支持する磁気軸受と、ロータのラジアル方向の変位を検出するラジアル変位センサと、ロータを回転駆動するモータと、ロータの回転数を検出する回転センサと、ラジアル変位センサの検出値および回転センサの検出値に基づいて、ロータの正回転方向の振れ回り量を演算する第1の演算部と、ラジアル変位センサの検出値および回転センサの検出値に基づいて、ロータの逆回転方向の振れ回り量を演算する第2の演算部と、正回転方向の振れ回り量および逆回転方向の振れ回り量に基づいてロータの回転方向を判定する判定部と、を備えている。
請求項2の発明は、請求項1に記載の真空ポンプにおいて、判定部は、正回転方向の振れ回り量が所定の正回転閾値より小さく、逆回転方向の振れ回り量が所定の逆回転閾値以上である場合には、ロータの回転方向を逆回転と判定する。
請求項3の発明は、請求項1または2に記載の真空ポンプにおいて、判定部は、正回転方向の振れ回り量が所定の正回転閾値以上であって、逆回転方向の振れ回り量が所定の逆回転閾値以上である場合には、ポンプに異常が生じていると判定する。
請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の真空ポンプにおいて、回転センサと対向するようにロータに設けられ、該ロータの回転に伴って回転センサとのギャップ寸法が変化するセンサターゲットを備え、回転センサは、センサターゲット面とのギャップの変化を検出するギャップセンサであることを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の真空ポンプにおいて、第1の演算部は、磁気軸受のABS(Auto-Balancing System)制御に用いられる振れ回り量演算部であって、振れ回り量演算部は、演算パラメータを変更することにより逆回転方向の振れ回り量を演算する第2の演算部の機能も兼ね備えていることを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載の真空ポンプにおいて、判定部は、正回転方向の振れ回り量が所定の正回転閾値より小さく、逆回転方向の振れ回り量が所定の逆回転閾値以上である場合には、ロータの回転方向を逆回転と判定する。
請求項3の発明は、請求項1または2に記載の真空ポンプにおいて、判定部は、正回転方向の振れ回り量が所定の正回転閾値以上であって、逆回転方向の振れ回り量が所定の逆回転閾値以上である場合には、ポンプに異常が生じていると判定する。
請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の真空ポンプにおいて、回転センサと対向するようにロータに設けられ、該ロータの回転に伴って回転センサとのギャップ寸法が変化するセンサターゲットを備え、回転センサは、センサターゲット面とのギャップの変化を検出するギャップセンサであることを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の真空ポンプにおいて、第1の演算部は、磁気軸受のABS(Auto-Balancing System)制御に用いられる振れ回り量演算部であって、振れ回り量演算部は、演算パラメータを変更することにより逆回転方向の振れ回り量を演算する第2の演算部の機能も兼ね備えていることを特徴とする。
本発明によれば、ロータの回転方向を容易に検出することができる。
以下、図を参照して本発明を実施するための形態について説明する。図1は本発明による真空ポンプの一実施の形態を示す図であり、磁気浮上式ターボ分子ポンプの概略構成を示す。ターボ分子ポンプは、ポンプ本体1と電源装置4とにより構成されている。ポンプ本体1は断面で示し、電源装置4に関しては要部を示すブロック図とした。
ロータ30は、ラジアル方向の磁気軸受37,38およびアキシャル方向の磁気軸受39によって非接触支持される。磁気軸受39は、ロータシャフト30aの下部に固定されたスラストディスク35を軸方向に挟むように配置されている。ロータ30の浮上位置は、ラジアル変位センサ27,28およびアキシャル変位センサ29によって検出される。磁気軸受によって回転自在に磁気浮上されたロータ30は、モータ36により回転駆動される。
ロータ30の回転は、センサターゲット34とのギャップの変化を検出する回転センサ33によって検出される。センサターゲット34は、モータ36によって回転駆動されるロータシャフト30aの下端に設けられており、ロータシャフト30aと一体に回転する。26a,26bは非常用のメカニカルベアリングであり、磁気軸受が作動していない時にはこれらのメカニカルベアリング26a,26bによりロータ30(ロータシャフト30a)は支持される。
ロータ30には、回転側排気機能部を構成する複数段の回転翼32と円筒状のネジロータ31とが形成されている。一方、固定側には、固定側排気機能部である固定翼22とネジステータ24とが設けられている。複数段の固定翼22は、軸方向に対して回転翼32と交互に配置されている。ネジステータ24は、ネジロータ31の外周側に所定のギャップで設けられている。
各固定翼22は、スペーサリング23を介してベース20上に載置される。ポンプケーシング21の固定フランジ21cをボルトによりベース20に固定すると、積層されたスペーサリング23がベース20とポンプケーシング21との間に挟持され、固定翼22が位置決めされる。ベース20には排気ポート25が設けられ、この排気ポート25にバックポンプが接続される。ロータ30を磁気浮上させつつモータ36により高速回転駆動することにより、吸気口21a側の気体分子は排気ポート25側へと排気される。
電源装置4はポンプ本体1を駆動制御する装置であって、CPU、ROM、RAM、その他の周辺回路を含んで構成される。電源装置4には、モータ制御部41、磁気軸受制御部42および警報部43を備えている。モータ制御部41は、回転センサ33の出力信号に基づいてモータ36を駆動制御する。磁気軸受制御部42は、ラジアル変位センサ27,28およびアキシャル変位センサ29の出力信号に基づいて磁気軸受37〜39の励磁電流を制御し、ロータ30を所定位置に磁気浮上させる。
図2〜4は、本実施の形態における回転方向判定動作を説明する図である。図2は、回転方向判定に必要な正回転振れ回り量Gと逆回転振れ回り量Grの計算に関係する構成を示すブロック図である。図1に示した磁気軸受制御部42は信号制御系回路部と電力系回路部とで構成されており、以下に説明する演算処理は信号制御系回路部によって実行される。
磁気軸受によって非接触支持されたロータ30が高速回転されると、ロータ30のアンバランス量に起因する振れ回り量が発生する。そのため、本実施形態における磁気軸受制御部42には、振れ回り動作の影響を低減するためのAuto-Balancing System(ABS)という制御が組み込まれている。ABS制御では、ラジアル変位センサ27,28の検出信号および回転センサ33の検出信号からフィルタ演算により生成した正弦波信号(sin信号およびcos信号)により、ロータの振れ回り量(後述する正回転方向の振れ回り量G)を計算する。そして、その振れ回り量に応じたフィードバック制御を行うことにより、振れ回り動作に起因する発生振動を低減するようにしている。なお、ABSの詳細については、特開昭62−124319号公報等に開示されており、ここでは詳細な説明は省略する。
ABSにおける振れ回り量G,Grの計算は、図1に示したラジアル変位センサ27,28および回転センサ33の検出信号に基づいて行われる。なお、ラジアル変位センサ信号については、ラジアル変位センサ27,28のいずれか一方の検出信号が用いられる。
上述したように、回転センサ33はセンサターゲット34との間のギャップ変化を検出するセンサであって、例えばインダクタンス式のギャップセンサが用いられる。もちろん、ギャップ変化を検出するセンサであれば、インダクタンス式に限定されない。回転センサ33が対向するセンサターゲット34の底面は段差構造を有しており、高さの異なる面34a,34bが形成されている。
図3は、センサターゲット34を回転センサ33側から見た図である。センサターゲット34はロータシャフト30aの下端に固定されており、矢印で示すようにロータシャフト30aと一体に反時計回りに回転する。面34a,34bは半円形状を成しており、回転方向の角度に関してそれぞれ180degに設定されている。符号34cで示す面は段差の垂直面である。
図2に示すように、回転センサ33からの出力された信号は、図1のセンサ回路に入力される。検出信号はセンサ回路421によりフィルタ処理され、図2に示すような矩形波信号がセンサ回路421から出力される。シャフト30aと共にセンサターゲット34が回転し、面34aが回転センサ33に対向すると矩形波信号のhighレベルおよびLowレベルの一方が出力され、面34bが回転センサ33に対向すると他方が出力される。この信号レベルの変化から、段差の境界である面34cの位置を検出することができる。
フィルタ演算部422では、入力された信号をフィルタ処理することにより面34cの位置(図3に示す角度θ)を算出し、2つの正弦波信号(sinθおよびcosθ)を一次変換部423A,423Bに入力する。角度θは、基準と定めたXY座標(例えば、ラジアル変位センサの変位検出方向X,Y)のX軸から面34cの位置までの回転方向角度である。
磁気軸受制御部42の下側に示す構成(一次変換部423A,ローパスフィルタ(LPF)424a,424bおよび振れ回り演算部425A)はロータ30の正回転方向の振れ回り量Gに関するものであり、上側に示す構成(一次変換部423B,ローパスフィルタ(LPF)424c,424dおよび振れ回り演算部425B)は逆回転方向の振れ回り量Grに関するものである。このように、処理としては2種類の処理があるが、後述する式(1)、(3)からも分かるように、角度θを−θで置き換えることにより、同一の演算部によって処理することができる。
一次変換部423A,423Bには、上述した正弦波信号(sinθおよびcosθ)と、ラジアル変位センサ信号X,Yとがそれぞれ入力される。一次変換部423Aは次式(1)の演算を行う。θは図3に示した回転方向の角度θである。
a1=X・cosθ+Ysinθ
b1=−X・sinθ+Y・cosθ …(1)
a1=X・cosθ+Ysinθ
b1=−X・sinθ+Y・cosθ …(1)
一次変換結果a1を、ロータ30の回転周波数以上の周波数をカットするローパスフィルタ424aに通し、回転の周波数成分a2を取り出す。同様に、一次変換結果b1を、ロータ30の回転周波数以上の周波数をカットするローパスフィルタ424bに通し、回転の周波数成分b2を取り出す。振れ回り演算部425Aは、周波数成分a2,b2を用いて、次式(2)によりロータ30の正回転方向の振れ回り量Gを計算する。
G=√(a22+b22) …(2)
G=√(a22+b22) …(2)
一方、一次変換部423Bは、次式(3)の演算を行う。式(3)の変換式は式(1)においてθを−θで置き換えたものであり、これにより、ラジアル変位センサ信号X,Yにおける逆回転方向の成分を抽出することができる。
c2=X・cosθ−Ysinθ
d2=X・sinθ+Y・cosθ …(3)
c2=X・cosθ−Ysinθ
d2=X・sinθ+Y・cosθ …(3)
一次変換結果c2を、ロータ30の回転周波数以上の周波数をカットするローパスフィルタ424cに通し、回転の周波数成分c2を取り出す。同様に、一次変換結果d1を、ロータ30の回転周波数以上の周波数をカットするローパスフィルタ424dに通し、回転の周波数成分d2を取り出す。振れ回り演算部425Bは、周波数成分c2,d2を用いて、次式(4)によりロータ30の逆回転方向の振れ回り量Grを計算する。
Gr=√(c22+d22) …(4)
Gr=√(c22+d22) …(4)
このようにして正回転方向の振れ回り量Gと逆回転方向の振れ回り量Grとが取得されたならば、図1の主制御部40は、振れ回り量G,Grに基づいて図4に示すフローチャートの処理を行い、回転方向を判定する。図4に示す一連の処理は、ロータ30が回転している間(加速中、減速中、定格回転中)は常に繰り返し行われている。例えば、100msecとか1secとかの間隔で繰り返し実行される。なお、ここでは判定処理を主制御部40で行うようにしたが、磁気軸受制御部42信号制御系回路部によって実行しても良い。
ステップS1は回転方向が正回転か否かを判定する処理であり、振れ回り演算部425Aで算出された正回転方向の振れ回り量Gが所定の閾値Aよりも大きいか否かを判定する。閾値Aとしては、ロータシャフト30aがメカニカルベアリング26a,26bに当たる振れ回り量のレベルを100%としたとき、3%程度が選ばれる。通常,ロータ30は組み付ける前にバランス取りが行われ,回転時の振れ回りを小さくする対応がなされている。振れ回り量は常に大きいわけではない。しかし,回転数によっては振れ回りが大きくなる回転数も存在する。よって,ステップS1は後述のステップS7の異常を判定するために存在している。また、ロータ30が逆回転している場合には、正回転方向の振れ回り量は理論上ゼロであるが、計算誤差等により計算結果Grは1%程度の振れ回り量となる可能性がある。そのため、閾値Aを3%程度に設定すれば、誤差等による誤判定を防止することができる。
ステップS1でG<Aと判定されるとステップS2へ進み、そうでない場合(G≧A)にはステップS5へ進む。ステップS2では、振れ回り演算部425Bで算出された逆回転方向の振れ回り量Grが所定の閾値Bよりも大きいか否かを判定する。閾値Bの場合は、閾値Aと異なり、正回転時には理論上ゼロとなるはずなので、計算誤差を考慮して3%程度に設定される。ステップS2でGr>Bと判定された場合は、振れ回り量に関してG<A、Gr≧Bとなっているので、ステップS3に進んでロータ30の回転方向は逆回転であると判断する。その後、ステップS4に進んで保護動作の信号を図1の警報部43に出力する。警報部43では、異常を示す警報(例えば、表示や信号)を発生する。また、警報部43による警報と同時に、安全のためにロータ30の回転制御を停止させるようにしても良い。電源装置4としては,正回転方向に制御しているつもりで、逆回転の判定が出たことになるので、ロータ30の停止制御を試みても正常に停止が行われない可能性がある。よって、モータの電流制御をやめるフリーラン処理として、ロータ30が回転による摩擦力で減衰することを待つこととなる。
一方、ステップS2で振れ回り量Grが閾値B以下と判定された場合、すなわち、G<A、Gr<Bの場合にはステップS6に進んで回転方向は正常(正回転)であると判断する。正常と判断された場合には、運転が継続される。G<A、Gr<Bである場合、数値的には正回転も逆回転も可能性があるが、基本的にモータ制御部41は正回転方向の制御を行っているので正回転であると判定する。この場合、正回転なのでGr<Bであって、ロータバランスが非常に良いためG<Aとなっていると考えられる。
次に、ステップS1でG≧Aと判定されてステップS5に進んだ場合について説明する。ステップS5では、逆回転方向の振れ回り量GrがGr≧Bか否かを判定する。ステップS5でGr<Bと判定された場合、G≧AおよびGr<Bなので、ステップS6へ進んで回転方向は正常(正回転)であると判断する。
一方、ステップS5でGr≧Bと判定されると、ステップS7に進む。この場合、G≧AおよびGr≧Bであって、このような結果の原因としては、回転方向とは関係のない他の影響が考えられる。例えば、演算系の故障やセンサ系の故障などが考えられる。そのため、ステップS7では異常と判断し、続くステップS8において保護動作を行う。ステップS8における保護動作の内容については、ステップS4の動作と同一としても良いし、異なっていても良い。例えば、ステップS4における警報信号の場合には、警報部43に逆転を示す表示を行い、ステップS8における警報信号の場合には、警報部43に回転方向でなく装置異常を示す表示を行う。
なお、図2に示したセンサターゲット34では、底面に段差面34a,43bを形成してギャップ変化をアキシャル方向に配置した回転センサ33で検出したが、図5に示すようにセンサターゲット34の側面に段差面34d,34eを形成して、ラジアル方向に配置した回転センサ33でギャップ変化を検出するような構成でも良い。
以上説明したように、本実施の形態では、振れ回り演算部425Aは、ラジアル変位センサ27,28および回転センサ33の各検出値に基づいて正回転方向の振れ回り量Gを演算し、振れ回り演算部425Bは、ラジアル変位センサ27,28および回転センサ33の各検出値に基づいて逆回転方向の振れ回り量Grを演算する。そして、主制御部40は、これらの振れ回り量G,Grに基づいて、すなわち振れ回り量G,Grと閾値A,Bとの大小関係を比較することにより、ロータ30の回転方向を判定する。
このように、従来から設けられているABSの演算機能を利用することにより、従来の正回転方向の振れ回り量Gに加えて逆回転方向の振れ回り量Grを計算し、回転センサ33だけでは検出するのが困難なロータ回転方向を容易に判定することができる。また、従来のポンプ本体1の機械構成または電源装置4の回路構成を変更する必要がないのでコストアップが抑えられ、わずかな演算処理の追加によってロータ30の逆回転を検出することが可能となる。
従来は、始動制御を工夫して逆方向に回転始動したとしても、回転センサ33では回転方向が検出できないため、始動後に外的要因(例えば、モータコイルの結線ミスやポンプに加わるガス負荷の影響など)によって逆回転が発生した場合には、電源装置4側で逆回転を検知することができない。しかし、本実施の形態では、そのような場合であっても、確実に逆回転を検出することができ、適切に対処することが可能となる。
主制御部40は、正回転方向の振れ回り量Gが所定の正回転閾値A以上であって、逆回転方向の振れ回り量Grが所定の逆回転閾値B以上である場合には、ポンプ本体1または電源装置4に異常(例えば、モータコイル結線ミス、回転センサ33の故障、ABS制御を行っている制御ICの故障など)が生じていると判定する。このように、逆回転の判定に加えて、ポンプ異常を判定することができる。さらに、警報部43により異常を報知する場合に、回転方向の異常(逆回転)なのかその他の異常なのかを報知の形態(例えば表示形態)を異ならせることにより、オペレータは異常に対する対処を容易かつ適切に行うことができる。
なお、以上の説明はあくまでも一例であり、発明を解釈する際、上記実施の形態の記載事項と特許請求の範囲の記載事項の対応関係に何ら限定も拘束もされない。例えば、上述した実施の形態では、ターボ分子ポンプを例に説明したが、これに限らず、磁気軸受式真空ポンプであれば、例えば、全翼タイプのターボ分子ポンプや、回転翼の無いドラッグポンプ等に対しても本発明は適用することができる。
1:ポンプ本体、4:電源装置、22:固定翼、27,28:ラジアル変位センサ、29:アキシャル変位センサ、30:ロータ、32:回転翼、33:回転センサ、34:センサターゲット、36:モータ、37〜39:磁気軸受、40:主制御部、41:モータ制御部、42:磁気軸受制御部、43:警報部、421:センサ回路、422:フィルタ演算部、423A,423B:一次変換部、424a〜424d:ローパスフィルタ、425A,425B:振れ回り演算部、G,Gr:振れ回り量
Claims (5)
- 排気機能部が形成されたロータと、
前記ロータを非接触支持する磁気軸受と、
前記ロータのラジアル方向の変位を検出するラジアル変位センサと、
前記ロータを回転駆動するモータと、
前記ロータの回転数を検出する回転センサと、
前記ラジアル変位センサの検出値および前記回転センサの検出値に基づいて、前記ロータの正回転方向の振れ回り量を演算する第1の演算部と、
前記ラジアル変位センサの検出値および前記回転センサの検出値に基づいて、前記ロータの逆回転方向の振れ回り量を演算する第2の演算部と、
前記正回転方向の振れ回り量および前記逆回転方向の振れ回り量に基づいて前記ロータの回転方向を判定する判定部と、を備えた真空ポンプ。 - 請求項1に記載の真空ポンプにおいて、
前記判定部は、前記正回転方向の振れ回り量が所定の正回転閾値より小さく、前記逆回転方向の振れ回り量が所定の逆回転閾値以上である場合には、前記ロータの回転方向を逆回転と判定することを特徴とする真空ポンプ。 - 請求項1または2に記載の真空ポンプにおいて、
前記判定部は、前記正回転方向の振れ回り量が所定の正回転閾値以上であって、前記逆回転方向の振れ回り量が所定の逆回転閾値以上である場合には、ポンプに異常が生じていると判定することを特徴とする真空ポンプ。 - 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の真空ポンプにおいて、
前記回転センサと対向するように前記ロータに設けられ、該ロータの回転に伴って前記回転センサとのギャップ寸法が変化するセンサターゲットを備え、
前記回転センサは、センサターゲット面とのギャップの変化を検出するギャップセンサであることを特徴とする真空ポンプ。 - 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の真空ポンプにおいて、
前記第1の演算部は、前記磁気軸受のABS(Auto-Balancing System)制御に用いられる振れ回り量演算部であって、
前記振れ回り量演算部は、演算パラメータを変更することにより前記逆回転方向の振れ回り量を演算する前記第2の演算部の機能も兼ね備えていることを特徴とする真空ポンプ。
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