JP2013185521A - ガスタービンのシール装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】隣接する静翼のセグメント部材のオフセットに対応すると共に、静翼のセグメント部材間の間隙からのリークを抑制してシール性能を向上した信頼性の高いガスタービンのシール装置を提供。
【解決手段】ガスタービン静翼の円周方向に環状に複数個配置され隣接した双方の静翼体セグメントの外径側エンドウォールの各端面にタービンの略軸方向に沿った第1のシール溝と、第1のシール溝と略直交する第2のシール溝を設け、第1のシール溝及び第2のシール溝に跨るように第1のシールプレート及び第2のシールプレートを装着すると共に、これらのシールプレートをドッグボーン形状の断面形状を有するようにそれぞれ形成して隣接して配置し、第2のシールプレートに面した第1のシールプレートの長手方向の端面は、第1のシールプレートに形成したドックボーン形状の断面形状と略同一形状となる端面形状を備えるように構成した。
【選択図】図4

Description

本発明は、ガスタービンのシール装置に係り、特に、圧縮空気を燃料と共にガスタービン燃焼器で燃焼して発生した燃焼ガスのエネルギーによってタービンの回転動力を得るガスタービンの冷却翼周りの冷却空気のリークを抑制するのに好適なガスタービンのシール装置に関するものである。
ガスタービンにおいては、熱効率の向上を目的としてタービンを駆動する作動ガスの高温化が図られている。
一方、この作動ガスに曝されるタービンの静翼及び動翼が高温に耐えられるように、高温材料の適用とともに、静翼及び動翼の翼内部に冷却媒体を供給する必要がある。
一般に採用されている、この種のガスタービンの冷却は、空気冷却によるオープン冷却方式である。即ち、圧縮機から抽気した圧縮空気を冷却空気として用い、この空気をタービンケーシングや、タービン内部を径由させて、静翼及び動翼の翼内部に導き、冷却するようにしている。
そして、静翼及び動翼の翼内部を冷却した後の空気は、翼外表面に設けたフィルム冷却孔や翼の後縁冷却孔等から、ガスパス中に排出される。
また、静翼冷却用に導入された冷却空気の一部を、タービンホィールスペースのシール空気として分岐しており、この空気も主流ガスのイングレス抑制用としてガスパスに排出される。
ところで、動翼シュラウドや、静翼とエンドウォール等から成る静翼体は、それぞれ複数個のセグメントに分割されたセグメント構造として周方向に環状配置されている。
この静翼体の分割されたセグメントにおいて、隣接したセグメント間には、セグメント部材の熱伸びを考慮して、周方向に間隙を有しており、熱応力の発生防止の観点から、ガスタービンの定格運転点においてもセグメント部材同士が接触しないように設計されている。
即ち、静翼の冷却用空気として導入されるケーシング内部の外端側キャビティとガスパスは、このセグメント間に形成される間隙流路によって、半径方向に連通することになる。
従って、冷却空気の一部が、このセグメント間の間隙流路を径由して、直接、ガスパス中に漏洩する。所謂、リークが生じることになる。
同様に、静翼のダイアフラムもセグメント構造として環状に配置されており、シール空気の一部がこの静翼のセグメント構造におけるセグメント間の間隙流路を径由してガスパス中にリークすることになる。
これらの冷却空気のリークは、それ自体が損失であると共に、ガスパスの作動ガス中へ混入することによる混合損失発生や、比較的、低温であるリーク空気の希釈による作動ガスの温度低下をもたらし、総合的に、タービンの出力低下をひき起こす結果となり、作動ガスの高温化のメリットが十分に発揮できない恐れがある。
この改善策として、一般的には、周方向に隣接する静翼のセグメントの両側対向面にシール溝を形成し、そのシール溝間に平板状シールプレートを装着して、リーク空気を抑制する手法が採られている。
但し、この種のシールプレートは、近年の大型化、高温化に伴う静翼のセグメントの半径方向の熱伸び偏差等によって生じるシール溝の半径方向の位置ずれ(オフセットと呼称)に対応できなくなっている。
そこで、平板状シールプレートのシール溝との接触部分を円弧状に形成し、中央部を薄く成形したシールプレートが開発されている。その代表例が、米国特許第5158430号公報に開示されているドッグボーン型シールプレートであり、シールプレート外端部を楕円状に形成している。
このドッグボーン型シールプレートの採用によって、シール溝にオフセットが生じても、シール溝面で必ず接触点が保持できると共に、プレート中央部が薄肉化されている為、この部分がシール溝エッジ部と干渉することはない。
一方、従来型の平板状シールプレートを含めて、これらのシールプレートを単独に装着して用いることは少なく、リーク発生要因となる高圧側域と低圧側域を遮断するように、複数枚のシールプレートで領域を取り囲む形で配置するのが一般的である。
この場合、略軸方向上に装着されるシールプレートの長手方向端と、交差する隣接のシールプレートとの間で、シール面を形成する必要があるが、その例として、特開平11−117707号公報に開示されているように、井桁状に平板シールプレートを組込む等の改良がなされている。
米国特許第5158430号公報 特開平11−117707号公報
例えば、ガスタービン設備において、冷却空気がリークする可能性がある経路等にシール装置を設けることは、リーク空気の流量低減から有効な手段である。
即ち、その一環である静翼を構成するセグメント部材間に装着するシールプレート、特に、オフセットに対応可能な米国特許第5158430号公報に開示されたようなシール溝に装着するドッグボーン型シールプレートは、その開発目的から、静翼のセグメント部材の間隙からの冷却・シール空気のリークを、あらゆるガスタービンの運転状態で未然に抑制する信頼性の高いガスタービンのシール装置と言える。
しかしながら、静翼のセグメント部材間のシール溝に装着するシールプレートを複数枚のシールプレートの組合せ構造として配置した場合、その形状特性から、一方のシールプレートのプレート端部面と、隣接する他方のシールプレートとの間に空隙を生じてしまい、全体的に見れば、この空隙から冷却・シール空気のリークを増大させる恐れがある。
この複数枚配置のシールプレートの改良策として、特開平11−117707号公報に開示されたような井桁状に組込まれた平板プレートの配置では、この種の課題に対応可能であるが、逆に、プレート同士の組込による拘束から、シール溝のオフセットに対応できないという技術的な課題が生じる。
本発明の目的は、複数枚のシールプレートを隣接して配置した場合に、隣接する静翼のセグメント部材のオフセットに対応すると共に、静翼のセグメント部材間の間隙からのリークを抑制してシール性能を向上した信頼性の高いガスタービンのシール装置を提供することにある。
本発明のガスタービンのシール装置は、ガスタービン静翼の周方向に静翼体セグメントが環状に複数個配置されており、隣接配置された一方の静翼体セグメントの外径側エンドウォールの端面又は内径側エンドウォールの端面と、一方の静翼体セグメントと隣接する他方の静翼体セグメントの外径側エンドウォールの端面又は内径側エンドウォールの端面のうち、外径側又は内径側のいずれかの前記エンドウォールの端面であって、対向する双方の前記端面にタービンの略軸方向に沿って第1のシール溝をそれぞれ形成し、隣接配置された一方の静翼体セグメントの外径側エンドウォールの端面又は内径側エンドウォールの端面と、一方の静翼体セグメントと隣接する他方の静翼体セグメントの外径側エンドウォールの端面又は内径側エンドウォールの端面のうち、外径側又は内径側のいずれかの前記エンドウォールの上流側又は下流側の端面であって、対向する双方の前記端面に前記第1のシール溝と連通すると共に第1のシール溝と略直交する方向に沿って第2のシール溝をそれぞれ形成し、双方の外径側エンドウォール又は内径側エンドウォールの端面にそれぞれ形成された前記第1のシール溝に跨るように第1のシールプレートを装着し、双方の外径側エンドウォール又は内径側エンドウォールの上流側又は下流側の端面にそれぞれ形成された前記第2のシール溝に跨るように第2のシールプレートを装着し、これらの第1のシールプレート及び第2のシールプレートを隣接して配置し、前記第1のシールプレートはドッグボーン形状の断面形状を有するように形成し、前記第2のシールプレートはドッグボーン形状の断面形状を有するように形成し、前記第2のシールプレートの外面に面した前記第1のシールプレートの長手方向の端面は、前記第2のシールプレートに形成したドックボーン形状の断面形状と略同一形状となる端面形状を備えていることを特徴とする。
また本発明のガスタービンのシール装置は、ガスタービン静翼の周方向に静翼体セグメントが環状に複数個配置されており、隣接配置された一方の静翼体セグメントの外径側エンドウォールの端面又は内径側エンドウォールの端面と、一方の静翼体セグメントと隣接する他方の静翼体セグメントの外径側エンドウォールの端面又は内径側エンドウォールの端面のうち、外径側又は内径側のいずれかの前記エンドウォールの端面であって、対向する双方の前記端面にタービンの略軸方向に沿って第1のシール溝をそれぞれ形成し、隣接配置された一方の静翼体セグメントの外径側エンドウォールの端面又は内径側エンドウォールの端面と、一方の静翼体セグメントと隣接する他方の静翼体セグメントの外径側エンドウォールの端面又は内径側エンドウォールの端面のうち、外径側又は内径側のいずれかの前記エンドウォールの上流側又は下流側の端面であって、対向する双方の前記端面に前記第1のシール溝と連通すると共に第1のシール溝と略直交する方向に沿って第2のシール溝をそれぞれ形成し、双方の外径側エンドウォール又は内径側エンドウォールの端面にそれぞれ形成された前記第1のシール溝に跨るように第1のシールプレートを装着し、双方の外径側エンドウォール又は内径側エンドウォールの上流側又は下流側の端面にそれぞれ形成された前記第2のシール溝に跨るように第2のシールプレートを装着し、これらの第1のシールプレート及び第2のシールプレートを隣接して配置し、前記第1のシールプレートはドッグボーン形状の断面形状を有するように形成し、前記第2のシールプレートは矩形形状の断面形状を有するように形成し、前記第2のシールプレートの外面に面した前記第1のシールプレートの長手方向の端面は、前記第2のシールプレートに形成した矩形形状の断面形状と略同一形状となる端面形状を備えていることを特徴とする。
また本発明のガスタービンのシール装置は、圧縮機と、圧縮機で圧縮した圧縮空気を燃料と燃焼させて燃焼ガスを生成するガスタービン燃焼器と、ガスタービン燃焼器で生成した燃焼ガスによって駆動されるタービンとを備えたガスタービンであって、前記タービンはタービン静翼とタービン動翼を有しており、前記タービン静翼は周方向に環状に複数個配置され、ガスタービン静翼の周方向に静翼体セグメントが環状に複数個配置されており、隣接配置された一方の静翼体セグメントの外径側エンドウォールの端面又は内径側エンドウォールの端面と、一方の静翼体セグメントと隣接する他方の静翼体セグメントの外径側エンドウォールの端面又は内径側エンドウォールの端面のうち、外径側又は内径側のいずれかの前記エンドウォールの端面であって、対向する双方の前記端面にタービンの略軸方向に沿って第1のシール溝をそれぞれ形成し、隣接配置された一方の静翼体セグメントの外径側エンドウォールの端面又は内径側エンドウォールの端面と、一方の静翼体セグメントと隣接する他方の静翼体セグメントの外径側エンドウォールの端面又は内径側エンドウォールの端面のうち、外径側又は内径側のいずれかの前記エンドウォールの上流側又は下流側の端面であって、対向する双方の前記端面に前記第1のシール溝と連通すると共に第1のシール溝と略直交する方向に沿って第2のシール溝をそれぞれ形成し、双方の外径側エンドウォール又は内径側エンドウォールの端面にそれぞれ形成された前記第1のシール溝に跨るように第1のシールプレートを装着し、双方の外径側エンドウォール又は内径側エンドウォールの上流側又は下流側の端面にそれぞれ形成された前記第2のシール溝に跨るように第2のシールプレートを装着し、これらの第1のシールプレート及び第2のシールプレートを隣接して配置し、前記第1のシールプレートはドッグボーン形状の断面形状を有するように形成し、前記第2のシールプレートはドッグボーン形状の断面形状を有するように形成し、前記第2のシールプレートの外面に面した前記第1のシールプレートの長手方向の端面は、前記第2のシールプレートに形成したドックボーン形状の断面形状と略同一形状となる端面形状を備えていることを特徴とする。
また本発明のガスタービンのシール装置は、圧縮機と、圧縮機で圧縮した圧縮空気を燃料と燃焼させて燃焼ガスを生成するガスタービン燃焼器と、ガスタービン燃焼器で生成した燃焼ガスによって駆動されるタービンとを備えたガスタービンであって、前記タービンはタービン静翼とタービン動翼を有しており、前記タービン静翼は周方向に環状に複数個配置され、ガスタービン静翼の周方向に静翼体セグメントが環状に複数個配置されており、隣接配置された一方の静翼体セグメントの外径側エンドウォールの端面又は内径側エンドウォールの端面と、一方の静翼体セグメントと隣接する他方の静翼体セグメントの外径側エンドウォールの端面又は内径側エンドウォールの端面のうち、外径側又は内径側のいずれかの前記エンドウォールの端面であって、対向する双方の前記端面にタービンの略軸方向に沿って第1のシール溝をそれぞれ形成し、隣接配置された一方の静翼体セグメントの外径側エンドウォールの端面又は内径側エンドウォールの端面と、一方の静翼体セグメントと隣接する他方の静翼体セグメントの外径側エンドウォールの端面又は内径側エンドウォールの端面のうち、外径側又は内径側のいずれかの前記エンドウォールの上流側又は下流側の端面であって、対向する双方の前記端面に前記第1のシール溝と連通すると共に第1のシール溝と略直交する方向に沿って第2のシール溝をそれぞれ形成し、双方の外径側エンドウォール又は内径側エンドウォールの端面にそれぞれ形成された前記第1のシール溝に跨るように第1のシールプレートを装着し、双方の外径側エンドウォール又は内径側エンドウォールの上流側又は下流側の端面にそれぞれ形成された前記第2のシール溝に跨るように第2のシールプレートを装着し、これらの第1のシールプレート及び第2のシールプレートを隣接して配置し、前記第1のシールプレートはドッグボーン形状の断面形状を有するように形成し、前記第2のシールプレートは矩形形状の断面形状を有するように形成し、前記第2のシールプレートの外面に面した前記第1のシールプレートの長手方向の端面は、前記第2のシールプレートに形成した矩形形状の断面形状と略同一形状となる端面形状を備えていることを特徴とする。
本発明によれば、隣接する静翼のセグメント部材のオフセットに対応すると共に、複数枚のシールプレートを隣接して配置した場合にも静翼のセグメント部材間の間隙からのリークを抑制し、シール性能を向上した信頼性の高いガスタービンのシール装置を実現することが出来る。
本発明の実施例であるガスタービンのシール装置が適用されるガスタービンの構成を示す概念図。 図1に示したガスタービンのタービン部の詳細構造を示す断面図。 図2に示した本実施例のガスタービンのシール装置を配置する静翼体セグメントを示す概念図。 本発明の第1実施例であるガスタービンのシール装置を配置した静翼体セグメントを外形側エンドウォールの半径方向外方から見た概念図。 図4に示した本発明の第1実施例であるガスタービンのシール装置を静翼体セグメントのシール溝に隣接して配置したガスタービンのシール装置の組立時の状況を模式的に示した断面図。 図5に示した本発明の第1実施例のガスタービンのシール装置を構成するシールプレートを示す部分断面図。 図5及び図6に示した本発明の第1実施例であるガスタービンのシール装置を構成する隣接して配置されたシールプレートの組立時の状況を示す模式図。 図5及び図6に示した本発明の第1実施例であるガスタービンのシール装置を構成する隣接して配置されたシールプレーとのガスタービン運転時の状況を示す模式図。 本発明の第2実施例であるガスタービンのシール装置を構成する隣接して配置されたシールプレートの組立時の状況を示す模式図。 本発明の第2実施例であるガスタービンのシール装置を構成する隣接して配置されたシールプレートのガスタービン運転時の状況を示す模式図。
本発明の実施例であるガスタービンのシール装置について図面を参照して以下に説明する。
本発明の第1実施例のガスタービンのシール装置について、図1〜図9を用いて説明する。
図1は本発明の第1実施例のガスタービンのシール装置が適用されるガスタービンの構成を示す概念図、図2は図1に示したガスタービンのタービン部の詳細構造を示す断面図、図3は図2に示した本実施例のガスタービンのシール装置を配置する静翼体セグメントを示す概念図、図4は図2に示した本実施例のガスタービンのシール装置を配置した静翼体セグメントを外形側エンドウォールの半径方向外方から見た概念図、図5は本実施例によるシール装置を静翼体セグメントのシール溝に隣接して配置したガスタービンのシール装置の組立時の状況を示す概念断面図、図6は本実施例のガスタービンのシール装置を示す部分断面図である。
まず図1を用いて、本発明のガスタービンのシール装置が適用される本発明の実施例であるガスタービン100の全体構成を作動ガスと冷却空気の流れについて説明する。
図1において、ガスタービン100は、第1段静翼10、第2段静翼12a、第1段動翼11、及び第2段動翼13を上流側から下流側に沿って多段に配列したタービン4と、このタービン4とロータ1によって連結され燃焼用の圧縮空気を得る圧縮機2と、圧縮機2で圧縮した圧縮空気を燃料と共に燃焼させて高温高圧の燃焼ガスを生成するガスタービン燃焼器3と、ガスタービン燃焼器3で生成した燃焼ガスによって駆動されるタービン4と、このタービン4によって駆動されて発電する発電機5を備えている。
圧縮機2から抽気した冷却空気は、タービン4に配設した例えば第2段静翼12を冷却するための静翼低圧冷却空気経路6a、タービン4に配設した第1段静翼10を冷却するための静翼高圧冷却空気経路6b、第1段動翼11及び第2段動翼13を冷却するための動翼冷却空気経路7を経て、各々のタービン4の被冷却部に供給される。
このとき、圧縮機2から抽気した抽気空気圧力は、前記静翼及び動翼の各翼でのガスパス圧力に応じた値から選定しており、静翼高圧冷却空気経路6b、動翼冷却空気経路7には、圧縮機2の最終段からの抽気空気、静翼低圧冷却空気経路6aには、圧縮機2の中圧段からの抽気空気を導入するように構成されている。
そしてタービン4の被冷却部を冷却して熱交換した各冷却空気は、図示しない翼のフィルム冷却、或いは、翼後縁からの噴出し等として、タービン4のガスパス9中に排出され、作動ガスと混合して、最終的にはタービン4から排出する排気ガスとして大気に放出される。
図2は図1に示したガスタービンのタービン部の詳細構造を示す断面図であり、タービン4の2段目までの第1段静翼10、第2段静翼12a、第1段動翼11、及び、第2段動翼13を表すタービン部分断面である。
各冷却空気経路6a、6b、及び7は、それぞれの被冷却部である翼に連通するが、ここでは、本実施例によるガスタービンのシール装置を明確にするため、第2段静翼12aまわりを対象として説明する。
静翼低圧冷却空気経路6aを径由して、タービン4のケーシング14に設けた導入孔(図示せず)を介して供給された冷却空気は、ケーシング14の外端側内部にある第2段静翼供給キャビティ8を経て、周方向に環状に配置された第2段静翼12aを構成する第2段静翼体セグメント21aに供給される。
この第2段静翼体セグメント21aは、主として、外径側エンドウォール22a、第2段静翼12a、及び、内径側エンドウォール23aから構成されている。
導入された冷却空気は、第2段静翼体セグメント21aの図示しない冷却パスを通過するときに、各エンドウォール22a、23a、第2段静翼12aを冷却して熱交換することにより温度上昇して、ガスパス9に排出される。
また、第2段静翼供給キャビティ8に供給された空気の一部は、第2段静翼体セグメント21aと、第2段静翼体セグメント21aに装着されるダイアフラム16aとの間で形成されるダイアフラムキャビティ15を経て、回転体の第1段ホィール19a、スペーサー18及びダイアフラム16aで形成される第1段動翼後側ホィールスペース17aに供給された後、一部が、第1段動翼11と第2段静翼12a間のガスパスへシール空気として流れるように構成されている。
また、第2段静翼供給キャビティ8に供給された空気の他の一部が、ダイアフラム15とスペーサー18の間で協働するシールフィン29によって流量を絞られた後、回転体の第2段ホィール19b、スペーサー18及びダイアフラム16aで形成される第2段動翼前側ホィールスペース17bに分配され、第2段静翼12aと第2段動翼13間のガスパス9中へシール空気として流れるように構成されている。
図3は図2に示した本実施例のガスタービンのシール装置を配置する静翼体セグメントを示す概念図であり、周方向に複数個配置される第2段静翼体セグメント21の1つである第2段静翼12aを含む第2段静翼体セグメント21aと、前記第2段静翼体セグメント21aに取り付けられるダイアフラム16aを示したものである。
第2段静翼体セグメント21aの外径側エンドウォール22aにおいて、隣接する第2段静翼体セグメント21bの外径側エンドウォール22bと対向した前記第2段静翼体セグメント21aの外径側エンドウォール22aの端面には、タービンの略軸方向に沿って形成されたシール溝31aと、タービンの略軸方向に沿った前記シール溝31aと略直交する方向に沿って形成され、第2段静翼体セグメント21aの上流側及び下流側に位置するシール溝30a及びシール溝32aがそれぞれ設けられている。そして、これらのシール溝30a、32aは前記シール溝31aとそれぞれ連通している。
また、第2段静翼体セグメント21aの内径側エンドウォール23aにおいて、隣接する第2段静翼体セグメント21bの内径側エンドウォール23bと対向した前記第2段静翼体セグメント21aの内径側エンドウォール23aの端面には、タービンの略軸方向に沿って形成されたシール溝33aと、タービンの略軸方向に沿った前記シール溝33aと略直交する方向に沿って形成されて第2段静翼体セグメント21aの上流側及び下流側にそれぞれ位置するシール溝34a及びシール溝35aがそれぞれ設けられている。そして、これらのシール溝34a、35aは前記シール溝33aとそれぞれ連通している。
また、前記第2段静翼体セグメント21aに取り付けられるダイアフラム16aにも、タービンの略軸方向に沿って形成されてダイアフラム16aのスペーサー18側に位置するシール溝39aと、タービンの略軸方向に沿った前記シール溝39aと略直交する方向に沿って形成されて第2段静翼体セグメント21aの上流側及び下流側にそれぞれ位置するシール溝38a及びシール溝40aがそれぞれ設けられている。
前記第2段静翼体セグメント21aに取り付けられるダイアフラム16aには、更に、第2段静翼体セグメント21aの上流側及び下流側で、前記シール溝33aとシール溝39aとの半径方向の中間に位置してタービンの略軸方向に沿って形成された短いシール溝37a及び41aがそれぞれ設けられている。そして、このシール溝37aは前記シール溝34a、38aと連通し、シール溝41aは前記シール溝35a、40aと連通している。
ところで、第2段静翼体セグメント21は、周方向に複数個配置するものであり、互いのセグメント間、例えば、第2段静翼体セグメント21aと、隣接する第2段静翼体セグメント21bとの間には間隙を有する。
従って、ケーシング14の外端側内部に形成された第2段静翼供給キャビティ8と、第2段静翼12aと第2段動翼13間に形成した作動ガスが流下するガスパス9は連通しており、概念的には、図中に示す第2段静翼供給キャビティ8からガスパス9へ向かう矢印方向のリーク流路が発生することになり、第2段静翼体セグメント21aの外径側エンドウォール22aの端面に設けたシール溝30a、31a、32aが、高圧側である第2段静翼供給キャビティ8と、低圧側であるガスパス9を遮断する形で配置されている。
同様に、第2段静翼体セグメント21aの内径側エンドウォール23aやダイアフラム16aのセグメント間にもリーク流路が存在することになるが、以下、さらに、本発明の実施例の意図を明確にするため、第2段静翼体セグメント21aの外径側エンドウォール22aの端面に設けたシール溝30a、シール溝31a、及びシール溝32aと、第2段静翼体セグメント21bの外径側エンドウォール22bの端面に設けたシール溝30b、シール溝31b、及びシール溝32bと、これらの各シール溝31aと31b、30aと30b、32aと32bにそれぞれ装着されるシールプレート51、シールプレート50、及びシールプレート52とから構成されるガスタービンのシール装置を代表的な実施例に取り上げ、この実施例のガスタービンのシール装置について詳細に説明する。
図4は図2に示した本実施例のガスタービンのシール装置を配置した第2段静翼体セグメント21aと、これに隣接する第2段静翼体セグメント21bを外形側エンドウォールの半径方向外側から眺めた投影図である。
前述したとおり、第2段静翼体セグメント21は、複数個のセグメントとして環状に配置されており、代表的に隣接した2つの第2段静翼体セグメント21a、21bを示したものである。
隣接して配置されたこれらの第2段静翼体セグメント21a、21bとの間には、ガスタービンの運転停止時に両セグメント間に周方向の隣接端面間隙σc_coldを形成して、組み立てられている。
第2段静翼体セグメント21aの外径側エンドォール22aに隣接して、第2段静翼体セグメント21bの外径側エンドォール22bが配置されており、前記第2段静翼体セグメント21aの外径側エンドウォール22aの端面と、隣接した第2段静翼体セグメント21bの外径側エンドウォール22bの端面との相互に対向した位置に、タービンの略軸方向に沿ってシール溝31aと、シール溝31bがそれぞれ形成されている。
この両者のシール溝31a及び31bを跨ぐようにシールプレート51がシール溝31a及び31bの内部に装着されており、前記シールプレート51は第2段静翼体セグメント21a、21b間に形成された周方向の隣接端面間隙σc_coldを塞ぐように作用する。
前記シールプレート51をシール溝31a及び31bに装着することによって、第2段静翼供給キャビティ8からガスパス9にかけて冷却空気のリーク経路が、半径方向に遮断されることになる。
同様に、前記第2段静翼体セグメント21aの外径側エンドウォール22aの上流側の端面と、隣接した第2段静翼体セグメント21bの外径側エンドウォール22bの上流側の端面との相互に対向した位置に、タービンの略軸方向に沿って形成されたシール溝31a及びシール溝31bと連通すると共に、シール溝31a及びシール溝31bと略直交する方向に沿ってシール溝30a及びシール溝30bがそれぞれ形成されている。
そしてこの両者のシール溝30a及び30bを跨ぐようにシールプレート50がシール溝30a及び30bの内部に装着されており、このシールプレート50も第2段静翼体セグメント21a、21b間に形成された周方向の隣接端面間隙σc_coldを塞ぐように作用する。
更に、前記第2段静翼体セグメント21aの外径側エンドウォール22aの下流側の端面と、隣接した第2段静翼体セグメント21bの外径側エンドウォール22bの下流側の端面との相互に対向した位置に、タービンの略軸方向に沿って形成されたシール溝31a及びシール溝31bと連通すると共に、シール溝31a及びシール溝31bと略直交する方向に沿ってシール溝32a及びシール溝32bがそれぞれ形成されている。
そしてこの両者のシール溝32a及び32bを跨ぐようにシールプレート52がシール溝32a及び32bの内部に装着されており、このシールプレート52も第2段静翼体セグメント21a、21b間に形成された周方向の隣接端面間隙σc_coldを塞ぐように作用する。
図5は本実施例によるガスタービンのシール装置を静翼体セグメントのシール溝に隣接して配置したガスタービンのシール装置の組立時の状況を示す概念断面図であり、本実施例のガスタービンのシール装置である第2段静翼体セグメント21aの外径側エンドウォール22aのシール溝30a、31a、32aと、第2段静翼体セグメント21bの外径側エンドウォール22bのシール溝30b、31b、32bにそれぞれ跨ぐように装着したシールプレート50、51、52のうち、第2段静翼体セグメント21aの外径側エンドウォール22aのシール溝30a及び31aにシールプレート50及び51を装着した部分のみを示したガスタービンシール装置の組立時の断面を簡略して示しやものである。尚、説明を容易にするため、便宜的に、シールプレート50とシールプレート51とが直交して隣接して配置されているものとして表示した。
前記第2段静翼体セグメント21aの外径側エンドウォール22aの端面にタービンの略軸方向に沿って形成されたシール溝31aにはシールプレート51が装着され、前記第2段静翼体セグメント21aの外径側エンドウォール22aの上流側となる端面にタービンの軸方向と略直交する方向(シール溝31aの配設方向に対して略直交する方向)に沿って形成され、前記シール溝31aと連通したシール溝30aにはシールプレート50が装着されている。
前記シールプレート51及びシールプレート50の両者は、それぞれ後述するドッグボーン型の断面を有するシールプレートである。前記シールプレート51は、その一方のプレート端面24が前記シールプレート50に対向するように配置され、図示していない他方のプレート端面34は図示していないシールプレート52に対向するように配置されている。
図6は本実施例のガスタービンのシール装置を示す部分断面図であり、本実施例のガスタービンのシール装置である図5で示した第2段静翼体セグメント21aの外径側エンドウォール22aに装着したシールプレート51を、矢印26の方向から見たタービンの略軸方向に沿って配設したシールプレート51の断面を示したものであり、前述のドッグボーン型の断面を有するシールプレート51の拡大断面図である。
前記シールプレート51は、第2段静翼体セグメント21aの外径側エンドウォール22aの端面に設けたシール溝31aと、第2段静翼体セグメント21aに隣接して配置された第2段静翼体セグメント21bの外径側エンドウォール22bの端面に設けられたシール溝31bとを跨ぐように装着されている。
シールプレート51のドッグボーン型の断面形状は、シール溝31a側の第1の円弧60aと、シール溝31b側の第2の円弧60bをそれぞれ有し、第1の円弧60aの内側となる第1の内側円弧端64aと、第2の円弧60bの内側となる第2の内側円弧端64bとを結ぶ直線部61と、前記各内側円弧端64a、64bの反対側の外側となる円弧端にそれぞれ形成された側面部63a、63bから成るドッグボーン形状に形成されており、前記直線部61の中間がシールプレート51の長手方向となるタービンの略軸方向に沿って通る軸線となる線対称形で形成されている。
前記シール溝31a内及びシール溝31b内に跨ぐように装着された前記シールプレート51において、シールプレート51の第1の円弧60a及び第2の円弧60bには、シール溝31aの下側の壁面と当接する接触点62a及びシール溝31bの下側の壁面と当接する接触点62bをそれぞれ形成している。
前記シールプレート51の第1の円弧60a及び第2の円弧60bに形成された接触点62a、62bは、これらのシール溝31aの下側の壁面及びシール溝31bの下側の壁面との間でシールプレート51の長手方向に沿って連続した線接触シールを形成することになる。尚、第1の円弧60a、第2の円弧60b、及び直線部61で形成されるシールプレート51の外形状線をプレート外形状線65と称する。
また、本実施例のシールプレート51を装着した図6に示した本実施例のガスタービンのシール装置において、第2段静翼体セグメント21bの外径側エンドウォール22a、22bの半径方向外方となる第2段静翼供給キャビティ8の圧力はP1、第2段静翼体セグメント21bの外径側エンドウォール22a、22bの半径方向内方となる作動ガスが流下するガスパス9の圧力はP2として示している。
図7は本実施例のガスタービンのシール装置である図5で示した第2段静翼体セグメント21aの外径側エンドウォール22aのシール溝30aに装着したシールプレート50、シール溝31aに装着したシールプレート51、及びシール溝32aに装着したシールプレート52を矢印27の方向から見たガスタービンのシール装置の組立時の概念図である。
図7に示した本実施例のガスタービンのシール装置において、シール溝31aに装着したシールプレート51はシール溝30aに装着したシールプレート50、及びシール溝32aに装着したシールプレート52とほぼ直交して隣接配置されており、このシールプレート50に面した前記シールプレート51の一方の端面であるプレート端面24は、シールプレート50のドッグボーン形状の断面形状を有するプレート外形線状65とほぼ同一形状となる2つの円弧とその間の直線部で形成されるシールプレート51の外形線状に形成されている。
また、このシールプレート52に面した前記シールプレート51の他方の端面であるプレート端面34は、シールプレート52のドッグボーン形状の断面形状を有するプレート外形線状65とほぼ同一形状となる2つの円弧とその間の直線部で形成されるシールプレート52の外形線状に形成されている。
そして、前記形状のプレート端面24及びプレート端面34を備えたシールプレート51が第2段静翼体セグメント21a、21b間に形成された周方向の隣接端面間隙σc_coldを有した状態で第2段静翼体セグメント21aの外径側エンドウォール22aのシール溝31a内、及び隣接した第2段静翼体セグメント21bの外径側エンドウォール22bのシール溝31b内に跨って組込まれる。
尚、詳細な説明は省略したが、図7に示したように、シールプレート50の断面形状は、前記シールプレート51の断面形状と同様に、シール溝30a側の第1の円弧と、シール溝30b側の第2の円弧をそれぞれ有し、第1の円弧の内側となる第1の内側円弧端と、第2の円弧の内側となる第2の内側円弧端とを結ぶ直線部と、前記各内側円弧端の反対側の外側となる円弧端にそれぞれ形成された側面部を有するプレート外形状線65から成るドッグボーン形状に形成されており、前記直線部の中間を第2段静翼12aの翼長方向に沿って通る軸線とした線対称形で形成されている。
同様に、シールプレート52の断面形状は、前記シールプレート51の断面形状と同様に、シール溝32a側の第1の円弧と、シール溝32b側の第2の円弧をそれぞれ有し、第1の円弧の内側となる第1の内側円弧端と、第2の円弧の内側となる第2の内側円弧端とを結ぶ直線部と、前記各内側円弧端の反対側の外側となる円弧端にそれぞれ形成された側面部を有するプレート外形状線65から成るドッグボーン形状に形成されており、前記直線部の中間を第2段静翼12aの翼長方向に沿って通る軸線とした線対称形で形成されている。
そして図7に示した本実施例のガスタービンのシール装置では、このシールプレート50が第2段静翼体セグメント21a、21b間に形成された周方向の隣接端面間隙σc_coldを有した状態で第2段静翼体セグメント21aの外径側エンドウォール22aのシール溝30a内、及び隣接した第2段静翼体セグメント21bの外径側エンドウォール22bのシール溝30b内に跨くように装着されて組込まれている。
また、シールプレート52が第2段静翼体セグメント21a、21b間に形成された周方向の隣接端面間隙σc_coldを有した状態で第2段静翼体セグメント21aの外径側エンドウォール22aのシール溝32a内、及び隣接した第2段静翼体セグメント21bの外径側エンドウォール22bのシール溝32b内に跨くように装着されて組込まれている。
上記のように構成された本実施例のガスタービンのシール装置において、ガスタービン1が運転すると、ガスタービン燃焼器3で発生する高温高圧の作動ガスは、圧力が約1.6MPa、温度が1300℃程度となり、図1及び図2に示したタービン4の内部の第1段静翼10の入口に流入する。
そして第1段静翼10aの下流側に設置された第1段動翼11をはじめとする各動翼段で、流入した作動ガスの流体エネルギーをタービン4の回転エネルギーに変化させながら、作動ガスの圧力、温度を低下させ、約600℃で最終段動翼を流出後、タービン4から排気される。
そして、作動ガスによるタービン4の駆動によって、タービン4に直結した発電機5が回転して電力を得る。
タービン4の内部に設置された動翼及び静翼のタービン翼は、高温の作動ガスに晒されるため、圧縮機2で得られる高圧空気の一部を抽気して前記タービン翼の冷却空気として用いる。この冷却空気は、静翼と動翼へ区分されて供給されている。
静翼を冷却する冷却空気は圧縮機2から適正圧力で抽気されて、静翼体セグメントを構成する第2段静翼12aに、静翼低圧冷却空気経路6aを経由してタービン4のケーシング14の外端側内部に形成された第2段静翼キャビティ8に流入し、この第2段静翼キャビティ8を経由した冷却空気が第2段静翼体セグメント21a、21bに導入される。
ガスタービンの運転の経過とともに、作動ガスや冷却空気を加熱源として、各ガスタービン部材は温度上昇する。そしてガスタービン部材の一つである第2段静翼体セグメント21aと、この第2段静翼体セグメント21aと隣接した第2段静翼体セグメント21bは熱伸びが生じるが、これらの第2段静翼体セグメント21a、21bの周方向には、組立時に形成された周方向の隣接端面間隙σc_coldが、ガスタービン運転時の周方向の隣接端面間隙σc_hot(図示せず)まで熱伸びによって狭まる。
しかし、前記運転時の周方向の隣接端面間隙σc_hotは、ガスタービンの定格点運転において第2段静翼体セグメント21aと隣接した第2段静翼体セグメント21bとが接触しないような所定の間隙を確保するように設計しているため、前記運転時に前記周方向の隣接端面間隙σc_hotが零になることはない。
この場合、前記第2段静翼体セグメント21a、21bの熱伸びに連動して、第2段静翼体セグメント21a、21bの外径側エンドウォール22a、22b、さらには、第2段静翼体セグメント21a、21bの外径側エンドウォール22a、22bの端面に形成したシール溝31a、31bの位置も周方向間隙方向に向かって熱伸びによって移動するが、シール溝31a、31b内に装着された前記シールプレート51は、シール溝31a、31bの内壁下面と接するシールプレート51の接触点62a、62bでの滑りにより、シール溝31a、31bの変位に対応することができるので、シール溝31a、31b内のシールプレート51の設置位置は保持される。
一方、第2段静翼体セグメント21a、21bは、熱流動上の熱偏差に伴う半径方向の熱伸び偏差や、作動ガスの作動流体力とガスタービン部材の製作公差によってσr(図示せず)の半径方向変位が生じ、第2段静翼体セグメント21a、21bの外径側エンドウォール22a、22bの端面に形成した前記シール溝31a、31bに半径方向のオフセットが生じる。
この半径方向のオフセットの発生によって、シール溝31a、31bに跨って配設された前記シールプレート51の接触点62aと接触点62bの間で半径方向に段差を生じることになるが、この段差による変位は、前記シールプレート51に形成した第1の円弧60aと第2の円弧60bがシール溝31a、31bの壁面と接する接触点62a、62bを前記第1の円弧60a上及び第2の円弧60b上をそれぞれ移動させることによって、ガスタービンのシール装置の組立時と同様に、シールプレートの長手方向に沿った線接触シールを保持する。
更に、第2段静翼供給キャビティ8に供給される冷却空気の圧力P1は、ガスパス9の圧力P2よりも高いため、図6に示した図面の上側から下側方向に流体力(P1−P2)が作用して、前記シールプレート51に形成した第1の円弧60a上及び第2の円弧60b上をそれぞれ移動した接触点62a、62bでは押付け力が増加して、リークの遮断効果が増すことになる。
尚、図7に示したシール装置の組立時におけるガスタービンのシール装置では、シール溝31a、31bに跨って装着したシールプレート51と、シールプレート50との間の組立時の隣接端面間隙はσp_coldである。
図8は本実施例のガスタービンのシール装置である図7に示したシール装置の組立時におけるガスタービンのシール装置の概念図において、第2段静翼体セグメント21a、22bの外径側エンドウォール22a、22bのシール溝30aに装着したシールプレート50と、シール溝32aに装着したシールプレート52と、これらのシールプレート50及び52と略直交して隣接配置され、シール溝31a、31bに跨って装着したシールプレート51のガスタービン運転状態の概念図を示す。
図8に示したガスタービンのシール装置においては、シール溝31a、31bに跨って装着したシールプレート51は、ガスタービン運転状態では温度上昇によりタービンの略軸方向長手方向(シールプレート51の長手方向)への熱伸びによって、シールプレート50及び52とシールプレート51との間の組立時の隣接端面間隙σp_coldが、ガスタービン運転時の隣接端面間隙σp_hotまで縮小(σp_cold>σp_hot)することになる。
更に、前記シールプレート51は、一方のプレート端面24が前記シールプレート50に対向するように配置され、他方のプレート端面34が前記シールプレート52に対向するように配置されており、シールプレート50と面した前記シールプレート51の一方のプレート端面24は、シールプレート50のドックボーン形状の断面形状であるプレート外形状線65とほぼ同一形状となる2つの円弧とその間の直線部で形成されるシールプレート52の外形状線に倣って形成されており、また、シールプレート52と面した前記シールプレート51の他方のプレート端面34は、シールプレート52のドックボーン形状の断面形状であるプレート外形状線65とほぼ同一形状となる2つの円弧とその間の直線部で形成されるシールプレート52の外形状線に倣って形成されている。
更に、シール溝31a、31bに跨って装着したシールプレート51は、ガスタービン運転状態では温度上昇によりタービンの略軸方向長手方向(シールプレート51の長手方向)への熱伸びによって、シールプレート50とシールプレート51との間の組立時の隣接端面間隙σp_coldが、ガスタービン運転時の隣接端面間隙σp_hotまで縮小(σp_cold>σp_hot)するので、この隣接端面間隙σp_hotからリークするリーク流量を大幅に抑制できる。
即ち、第2段静翼供給キャビティ8とガスパス9の間のセグメント間隙σc_hot、及びシールプレート50とシールプレート51との間の隣接端面間隙σp_hotに起因する冷却空気連通が、第2段静翼体セグメント21a、22bの外径側エンドウォール22a、22bのシール溝30aに装着したシールプレート50、及びシール溝32aに装着したシールプレート52と、これらのシールプレート50及び52とほぼ直交して隣接配置されて外径側エンドウォール22a、22bのシール溝31a、31bに跨って装着したシールプレート51を備えると共に、このシールプレート51の一方のプレート端面24を前記シールプレート50に対向するように配置させ、このシールプレート51の他方のプレート端面34を前記シールプレート52に対向するように配置させることによって、前記した冷却空気連通がガスタービン運転中の常時に亘り、遮断、抑制されるため、第2段静翼供給キャビティ8とガスパス9の間のセグメント間隙σc_hot、及びシールプレート50とシールプレート51との間の隣接端面間隙σp_hotからのリーク流量が大幅に低減できる。
上記した本実施例のガスタービンのシール装置である各段の静翼体セグメント間に装着したガスタービンのシール装置では、隣接する2枚のドッグボーン型シールプレート50及び51において、シール溝31a及びシール溝31bを跨ぐように装着され、略水平方向線上に配置する前記シールプレート51のプレート端面24の形状を、シール溝30a及びシール溝30bを跨ぐように装着され、略垂直方向線上に配置する前記シールプレート50の第1の円弧と第2の円弧、及び、内側の円弧端を結ぶ直線で表されるドッグボーン形状の外形状線65に略同一形状に形成することによって、熱流動上の熱偏差に伴う半径方向の熱伸び偏差や、作動ガスの作動流体力とガスタービン部材の製作公差によって第2段静翼体セグメント21a、21bの外径側エンドウォール22a、22bの端面に形成した前記シール溝31a、31bに半径方向のオフセットが生じた場合にも、このオフセットに対応したリーク流量低減は勿論のこと、シールプレート50とシールプレート51とが隣接して配置された本実施例のガスタービンのシール装置において、シールプレート50に面した前記シールプレート51の略水平方向のシールプレート端面の空隙を抑制しているので、更なるリーク流量の低減が達成できる。
そして、第2段静翼体セグメント21a、21bの外径側エンドウォール22a、22bの端面に形成した前記シール溝31a、31bに半径方向のオフセットが生じた場合でも、オフセットによって起こりうるシールプレート50、51の変形、或いは、シールプレート50、51を介したシール溝エッジに作用する応力の発生を低減し、損傷破壊を未然に防ぐことのできる信頼性の高いガスタービンのシール装置を実現することができ、その効果を十分に発揮できる前記ガスタービンのシール装置を備えたガスタービンを提供できる。
上記した本実施例のガスタービンのシール装置である各段の静翼体セグメント間に装着したガスタービンのシール装置では、隣接する2枚のドッグボーン型シールプレート52及び51において、シール溝31a及びシール溝31bを跨ぐように装着され、略水平方向線上に配置する前記シールプレート51のプレート端面34の形状を、シール溝32a及びシール溝32bを跨ぐように装着され、略垂直方向線上に配置する前記シールプレート52の第1の円弧と第2の円弧、及び、内側の円弧端を結ぶ直線で表されるドッグボーン形状の外形状線65に略同一形状に形成することによって、熱流動上の熱偏差に伴う半径方向の熱伸び偏差や、作動ガスの作動流体力とガスタービン部材の製作公差によって第2段静翼体セグメント21a、21bの外径側エンドウォール22a、22bの端面に形成した前記シール溝31a、31bに半径方向のオフセットが生じた場合にも、このオフセットに対応したリーク流量低減は勿論のこと、シールプレート52とシールプレート51とが隣接して配置された本実施例のガスタービンのシール装置において、シールプレート52に面した前記シールプレート51の略水平方向のシールプレート端面の空隙を抑制しているので、更なるリーク流量の低減が達成できる。
そして、第2段静翼体セグメント21a、21bの外径側エンドウォール22a、22bの端面に形成した前記シール溝31a、31bに半径方向のオフセットが生じた場合でも、オフセットによって起こりうるシールプレート52、51の変形、或いは、シールプレート52、51を介したシール溝エッジに作用する応力の発生を低減し、損傷破壊を未然に防ぐことのできる信頼性の高いガスタービンのシール装置を実現することができ、その効果を十分に発揮できる前記ガスタービンのシール装置を備えたガスタービンを提供できる。
上記した実施例のガスタービンのシール装置においては、隣接して配置した第2段静翼体セグメント21a、21bの外径側エンドウォール22a、22bに設けた一対の対向するシール溝31a、31bに跨って装着されたシールプレート51と、隣接して配置した第2段静翼体セグメント21a、21bの外径側エンドウォール22a、22bの上流側に設けた別の一対の対向するシール溝30a、30bに跨って装着され、前記シールプレート51と隣接して配設されたシールプレート50で構成したガスタービンのシール装置を本実施例の1つの態様であるガスタービンのシール装置として説明した。
本実施例のガスタービンのシール装置の実施例の別の態様としては、隣接して配置した第2段静翼体セグメント21a、21bの外径側エンドウォール22a、22bに設けた一対の対向するシール溝31a、31bに跨って装着されたシールプレート51と、隣接して配置した第2段静翼体セグメント21a、21bの外径側エンドウォール22a、22bの下流側に設けた別の一対の対向するシール溝32a、32bに跨って装着され、前記シールプレート51と隣接して配設されたシールプレート52で構成したガスタービンのシール装置を本実施例の別の態様であるガスタービンのシール装置としても良い。
また、本実施例のガスタービンのシール装置として、隣接して配置した第2段静翼体セグメント21a、21bの外径側エンドウォール22a、22bに設けたシール溝31a、31b、30a、30b、32a、32bにそれぞれ装着したシールプレート51、50、52のみならず、図3に示した第2段静翼体セグメント21a、21bの内径側エンドウォール23a、23bにタービンの略軸方向に沿って形成されたシール溝33aと、タービンの軸方向と略直交する方向に沿って形成されて該シール溝33aと連通している第2段静翼体セグメント21aの上流側及び下流側にそれぞれ位置するシール溝34a及び35aと、これらのシール溝33a、34a、35aに装着されるそれぞれのシールプレートで構成したガスタービンのシール装置を本実施例の他の態様であるガスタービンのシール装置としても良い。
また、本実施例のガスタービンのシール装置として、前記第2段静翼体セグメント21aに取り付けられるダイアフラム16aの略軸方向に沿って形成されてダイアフラム16aのスペーサー18側に位置するシール溝39aと、タービンの軸方向と略直交する方向に沿って形成されて該シール溝39aと連通している第2段静翼体セグメント21aの上流側及び下流側にそれぞれ位置するシール溝38a及び40aと、第2段静翼体セグメント21aの上流側に位置して前記シール溝38a及び34aと連通しているシール溝37aと、第2段静翼体セグメント21aの下流側に位置して前記シール溝40a及び35aと連通しているシール溝41aと、これらのシール溝39a、38a、40a、37a、41aに装着されるそれぞれのシールプレートで構成したガスタービンのシール装置を本実施例の他の態様であるガスタービンのシール装置としても良い。
そして、前記した各態様の本実施例のガスタービンのシール装置を採用しても、これらのシール溝に装着されるシールプレートとして、本実施例のガスタービンのシール装置を構成するシールプレート51、50、或いはシールプレート51、52と同じ構成のシールプレートを適用すれば、隣接する静翼のセグメント部材のオフセットに対応すると共に、静翼のセグメント部材間の間隙からのリークを更に抑制してシール性能を向上した信頼性の高いガスタービンのシール装置が実現できるという大きな効果が期待できる。
また、本実施例のガスタービンのシール装置においては、シールプレート50に面したシールプレート51の一方のプレート端面24の形状を、シールプレート50のドッグボーン形状の断面形状を有するプレート外形状線と略同一形状に形成したが、例えば、図6に示した実施例のガスタービンのシール装置では、シールプレート50の第1の円弧60aがシール溝31aの内壁の下面と接触する接触点62aと、シールプレート50の第2の円弧60bがシール溝31bの内壁の下面と接触する接触点62bを結ぶ直線をX軸、このX軸と直交する直交線をY軸とするとき、第1の円弧60aと第2の円弧60bの最大値点を始点として、その両内径側円弧端を結ぶ直線としてシールプレート50のプレート外形状線65を定義した形状に倣うようにシールプレート51の一方のプレート端面24の形状を形成した場合でも、隣接する静翼のセグメント部材のオフセットに対応すると共に、静翼のセグメント部材間の間隙からのリークを抑制してシール性能を向上する効果は多大である。
また、本発明の主旨は、ガスタービンのシール装置を構成する隣接して配置した2枚のシールプレートの間に生じる空隙を低減させることにあることから、シールプレート51のプレート端面24の形状は、前記シールプレート50のプレート外形状線の形状に類似していれば良く、完全に一致した形状に形成する必要はない。
逆に、本実施例のガスタービンのシール装置では、ガスタービンの運転時に、隣接するシールプレート50、51の間に隣接端面間隙σp_hotを与えるようにしたが、シールプレート50のプレート外形状線と、シールプレート51の一方のプレート端面24とが接触しても構わない。
上述した理由により、シールプレート50のプレート外形状線と、シールプレート51のプレート端面24とが部分接触としたとしても、静翼のセグメント部材間の間隙からのリークを抑制するシール効果があることは明らかである。
本実施例のガスタービンのシール装置においては、説明の容易性を考慮して、便宜的に隣接するシールプレート50、51が直交する構成であるとして説明したが、前記シールプレート50、51が実際的な略水平方向、略垂直方向に傾斜して装着されていた場合であっても、略水平方向配備のシールプレート50の一方のプレート端面24の加工を、略垂直方向のシールプレート50のプレート外形状線に対して面状で略同一形状に形成していれば、本発明の主旨に合致するものとなる。
本実施例によれば、複数枚のシールプレートを隣接して配置した場合に、隣接する静翼のセグメント部材のオフセットに対応すると共に、静翼のセグメント部材間の間隙からのリークを抑制してシール性能を向上した信頼性の高いガスタービンのシール装置を提供することが出来る。
次に、本発明の第2実施例のガスタービンのシール装置について、図9及び図10を用いて説明する。
本実施例のガスタービンのシール装置は、図1〜図8に示した本発明の第1実施例のガスタービンのシール装置と基本的な構成は同じであるので、両者に共通した構成の説明は省略し、相違する部分について以下に説明する。
図9は本実施例のガスタービンのシール装置を構成する隣接して配置したシールプレート51a及びシールプレート50aについて、ガスタービンのシール装置の組立時の状況として示した概念図であり、第1実施例のガスタービンのシール装置と同様に、第2段静翼体セグメント21aの外径側エンドウォール22aのシール溝31a、シール溝30aにそれぞれ装着したシールプレート51a及びシールプレート50aの組立時の状況を簡略して示している。
図10は本実施例のガスタービンのシール装置である第2段静翼体セグメント21aの外径側エンドウォール22aのシール溝31a、30aにそれぞれ装着した、隣接して配置したシールプレート51a及びシールプレート50aのガスタービン運転時の状況を示す概念図である。
図9及び図10に示した本実施例のガスタービンのシール装置において、シールプレート51aは断面形状がドッグボーン型の形状を有するシールプレートであり、シールプレート50aに面した側の前記シールプレート51aの一方のプレート端面24aは、シールプレート51aの長手方向線に対して直角方向に直線状に加工されている。
前記シールプレート51aに隣接して配置され、第2段静翼12aの翼長方向に長手方向を有するシールプレート50aは、その長手方向断面を矩形形状とする平板である。
矩形形状の断面形状を有するシールプレート50aに面した前記シールプレート51aのプレート端面24aと、シールプレート51aに面した前記シールプレート50aのプレート対抗面25との間には、隣接端面間隙σp_coldを有した状態で、これらのシールプレート51a及びシールプレート50aが第2段静翼体セグメント21aの外径側エンドウォール22aのシール溝31a、30aに装着されている。
この場合、本実施例のガスタービンのシール装置を構成する前記シールプレート51aに設けた第1の円弧60a及び第2の円弧60bには、シール溝31a、31bの内壁の下面と接触する接触点62aと、接触点62bがそれぞれ形成されている。これらの接触点62a、62bは、シールプレート51aの長手方向に対して線接触となる。
このように構成された本実施例のガスタービンのシール装置において、ガスタービンの運転とともに、第2段静翼体セグメント21a、21bの動きに連動して、外径側エンドウォール22a、22b、さらには、シール溝31a、31bも周方向に変位するが、シールプレート51aは、シール溝31a、31bの内壁下面と接するシールプレート51aの接触点62a、62bでの滑りにより、シール溝31a、31bの変位に対応することができるので、シール溝31a、31b内のシールプレート51aの設置位置は保持される。
一方、第2段静翼体セグメント21a、21bは、熱流動上の熱偏差に伴う半径方向の熱伸び偏差や、作動流体力と部材の製作公差による間隙σrの段差が生じ、シール溝31a、31bに、第2段静翼12aの半径方向にオフセットが生じる。
このオフセットによって、シールプレート51aの接触点66aと接触点66bの間で半径方向に段差を生じることになるが、前記シールプレート51aの接触点66aと接触点66bの位置を、それぞれの円弧上で変化させながら(図示せず)吸収するため、変化後の接触点は、組立時と同様に、シールプレート51aの長手方向に線接触を保持することができる。
一方、図10で示した本実施例のガスタービンのシール装置は、図9で示した本実施例のガスタービンのシール装置を構成するシールプレート50a、51aを、矢印28の方向から見たガスタービン運転時の矢視図である。
図10に示した本実施例のガスタービンのシール装置おいて、シールプレート50aに面したシールプレート51aの一方のプレート端面24aは、シールプレート50aのプレート対抗面25と対向する直線面であり、シールプレート50aのプレート対向面25とシールプレート51aのプレート端面24aとの間に形成される隣接端面間隙は、σp_coldからσp_hotまで縮小しており、この間の空隙は減少することになる。
上述したように、第2段静翼体セグメント21a、21bの外径側エンドウォール22a、22bに設けたシール溝31a、31b、30a、30bに装着したシールプレート51a、50aを備えた本実施例のガスタービンのシール装置において、隣接した略水平方向に装着したドッグボーン型シールプレート51aとの組合せとして、略垂直方向に装着する矩形形状のシールプレート50aと前記シールプレート51aとを組み合せて構成することにより、オフセットに対応したリーク流量低減は勿論のこと、その流量低減の確実性を高めるとともに、隣接するシールプレート50a、51aとの間の端面からのリーク流量を低減することが出来、更に、オフセットによって起こりうるシールプレートの変形、或いは、シールプレートを介したシール溝エッジに作用する応力の発生を防止し、損傷破壊を未然に防ぐことのできる信頼性の高いガスタービンのシール装置を得ることができる。
尚、本実施例のガスタービンのシール装置では、第2段静翼体の外径側エンドウォールに設けた一対の隣接するシールプレート51a、50aを本発明の第2実施例であるガスタービンのシール装置として説明したが、本実施例のガスタービンのシール装置で説明したシールプレート51aにおいて、シールプレート50aに面した一方の端面となるプレート端面24aと同じ形状の端面は、シールプレート52a(図示せず)に面した前記シールプレート51aの反対側の他方の端面34aにも形成されている。
更に、隣接して配置した第2段静翼体セグメント21a、21bの外径側エンドウォール22a、22bに設けたシール溝31a、31b、30a、30bに装着したシールプレート51a、50aのみならず、図3に示した第2段静翼体セグメント21a、21bの外径側エンドウォール22a、22bに設けられ、該シール溝31a、31bと連通したシール溝32a、32b、第2段静翼体セグメント21a、21bの内径側エンドウォール23a、23bにタービンの略軸方向に沿って形成されたシール溝33a、タービンの略軸方向と直交する方向に沿って形成されて第2段静翼体セグメント21aの上流側及び下流側にそれぞれ位置する該シール溝33aと連通したシール溝34a、35a、前記第2段静翼体セグメント21aに取り付けられるダイアフラム16aの略軸方向に沿って形成されてダイアフラム16aのスペーサー18側に位置するシール溝39aと、タービンの略軸方向と直交する方向に沿って形成されて第2段静翼体セグメント21aの上流側及び下流側にそれぞれ位置する該シール溝39aと連通したシール溝38a、40a、及びタービンの略軸方向に沿って形成されて第2段静翼体セグメント21aの上流側及び下流側にそれぞれ位置する短い長さのシール溝37a、41aに対しても、これらのシール溝に装着される各シールプレートとして、本実施例のガスタービンのシール装置を構成するシールプレート50a、51aと同じ構成のシールプレートを適用すれば、隣接する静翼のセグメント部材のオフセットに対応すると共に、静翼のセグメント部材間の間隙からのリークを更に抑制してシール性能を向上した信頼性の高いガスタービンのシール装置が実現できるという大きな効果が期待できる。
本実施例によれば、複数枚のシールプレートを隣接して配置した場合に、隣接する静翼のセグメント部材のオフセットに対応すると共に、静翼のセグメント部材間の間隙からのリークを抑制してシール性能を向上した信頼性の高いガスタービンのシール装置を提供することが出来る。
本発明はガスタービンのシール装置に適用可能である。
1:ガスタービン、2:圧縮機、3:ガスタービン燃焼器、4:タービン、5:発電機、6a:静翼低圧冷却空気経路、6b:静翼高圧冷却空気経路、7:動翼冷却空気経路、8:第2段静翼供給キャビティ、9:ガスパス、10:第1段静翼、11:第1段動翼、12a:第2段静翼、12b:第2段静翼(12aに隣接)、13:第2段動翼、14:タービンケーシング、15:ダイアフラムキャビティ、16a:ダイアフラム、17a:第1段動翼後側ホィールスペース、17b:第2段動翼前側ホィールスペース、18:スペーサー、19a:第1段ホィール、19b:第2段ホィール、21a:第2段静翼体セグメント、21b:第2段静翼体セグメント(21aに隣接)、22a:外径側エンドウォール、22b:外径側エンドウォール(22aに隣接)、23a:内径側エンドウォール、23b:内径側エンドウォール、24:プレート端面、24a:プレート端面、25:プレート対抗面、26:矢印、27:矢印、28:矢印、29:シールフィン、30a、30b:シール溝、31a、31b:シール溝、32a、32b:シール溝、34:プレート端面、33a〜35a:シール溝、37a〜41a:シール溝、50、52:シールプレート、50a:シールプレート、51:シールプレート、51a:シールプレート、55:空隙、56a:空隙、56b:空隙、60a:第1の円弧、60b:第2の円弧、61:円弧端を結ぶ直線、62a:接触点(cold)、62b:接触点(cold)、63a:直線、63b:直線、64a:第1の内側円弧端、64b:第2の内側円弧端、65:プレート外形状線。

Claims (6)

  1. ガスタービン静翼の周方向に静翼体セグメントが環状に複数個配置されており、隣接配置された一方の静翼体セグメントの外径側エンドウォールの端面又は内径側エンドウォールの端面と、一方の静翼体セグメントと隣接する他方の静翼体セグメントの外径側エンドウォールの端面又は内径側エンドウォールの端面のうち、外径側又は内径側のいずれかの前記エンドウォールの端面であって、対向する双方の前記端面にタービンの略軸方向に沿って第1のシール溝をそれぞれ形成し、
    隣接配置された一方の静翼体セグメントの外径側エンドウォールの端面又は内径側エンドウォールの端面と、一方の静翼体セグメントと隣接する他方の静翼体セグメントの外径側エンドウォールの端面又は内径側エンドウォールの端面のうち、外径側又は内径側のいずれかの前記エンドウォールの上流側又は下流側の端面であって、対向する双方の前記端面に前記第1のシール溝と連通すると共に第1のシール溝と略直交する方向に沿って第2のシール溝をそれぞれ形成し、
    双方の外径側エンドウォール又は内径側エンドウォールの端面にそれぞれ形成された前記第1のシール溝に跨るように第1のシールプレートを装着し、
    双方の外径側エンドウォール又は内径側エンドウォールの上流側又は下流側の端面にそれぞれ形成された前記第2のシール溝に跨るように第2のシールプレートを装着し、
    これらの第1のシールプレート及び第2のシールプレートを隣接して配置し、
    前記第1のシールプレートはドッグボーン形状の断面形状を有するように形成し、
    前記第2のシールプレートはドッグボーン形状の断面形状を有するように形成し、
    前記第2のシールプレートの外面に面した前記第1のシールプレートの長手方向の端面は、前記第2のシールプレートに形成したドックボーン形状の断面形状と略同一形状となる端面形状を備えていることを特徴とするガスタービンのシール装置。
  2. 請求項1に記載のガスタービンのシール装置において、
    前記第1のシールプレートの長手方向の端面に備えた端面形状は、この第1のシールプレートと対面する前記第1のシールプレートの端面の範囲で、前記第2のシールプレートに形成したドックボーン形状の断面形状の輪郭線に倣った形状を備えていることを特徴とするガスタービンのシール装置。
  3. 請求項2に記載のガスタービンのシール装置において、
    前記第1のシールプレートの長手方向の端面に備えた端面形状に備えられた前記輪郭線に倣った形状は、前記第2のシールプレートの幅方向の全域に亘った輪郭線に倣った形状を備えていることを特徴とするガスタービンのシール装置。
  4. ガスタービン静翼の周方向に静翼体セグメントが環状に複数個配置されており、隣接配置された一方の静翼体セグメントの外径側エンドウォールの端面又は内径側エンドウォールの端面と、一方の静翼体セグメントと隣接する他方の静翼体セグメントの外径側エンドウォールの端面又は内径側エンドウォールの端面のうち、外径側又は内径側のいずれかの前記エンドウォールの端面であって、対向する双方の前記端面にタービンの略軸方向に沿って第1のシール溝をそれぞれ形成し、
    隣接配置された一方の静翼体セグメントの外径側エンドウォールの端面又は内径側エンドウォールの端面と、一方の静翼体セグメントと隣接する他方の静翼体セグメントの外径側エンドウォールの端面又は内径側エンドウォールの端面のうち、外径側又は内径側のいずれかの前記エンドウォールの上流側又は下流側の端面であって、対向する双方の前記端面に前記第1のシール溝と連通すると共に第1のシール溝と略直交する方向に沿って第2のシール溝をそれぞれ形成し、
    双方の外径側エンドウォール又は内径側エンドウォールの端面にそれぞれ形成された前記第1のシール溝に跨るように第1のシールプレートを装着し、
    双方の外径側エンドウォール又は内径側エンドウォールの上流側又は下流側の端面にそれぞれ形成された前記第2のシール溝に跨るように第2のシールプレートを装着し、
    これらの第1のシールプレート及び第2のシールプレートを隣接して配置し、
    前記第1のシールプレートはドッグボーン形状の断面形状を有するように形成し、
    前記第2のシールプレートは矩形形状の断面形状を有するように形成し、
    前記第2のシールプレートの外面に面した前記第1のシールプレートの長手方向の端面は、前記第2のシールプレートに形成した矩形形状の断面形状と略同一形状となる端面形状を備えていることを特徴とするガスタービンのシール装置。
  5. 圧縮機と、圧縮機で圧縮した圧縮空気を燃料と燃焼させて燃焼ガスを生成するガスタービン燃焼器と、ガスタービン燃焼器で生成した燃焼ガスによって駆動されるタービンとを備えたガスタービンであって、前記タービンはタービン静翼とタービン動翼を有しており、
    前記タービン静翼は周方向に環状に複数個配置され、
    ガスタービン静翼の周方向に静翼体セグメントが環状に複数個配置されており、隣接配置された一方の静翼体セグメントの外径側エンドウォールの端面又は内径側エンドウォールの端面と、一方の静翼体セグメントと隣接する他方の静翼体セグメントの外径側エンドウォールの端面又は内径側エンドウォールの端面のうち、外径側又は内径側のいずれかの前記エンドウォールの端面であって、対向する双方の前記端面にタービンの略軸方向に沿って第1のシール溝をそれぞれ形成し、
    隣接配置された一方の静翼体セグメントの外径側エンドウォールの端面又は内径側エンドウォールの端面と、一方の静翼体セグメントと隣接する他方の静翼体セグメントの外径側エンドウォールの端面又は内径側エンドウォールの端面のうち、外径側又は内径側のいずれかの前記エンドウォールの上流側又は下流側の端面であって、対向する双方の前記端面に前記第1のシール溝と連通すると共に第1のシール溝と略直交する方向に沿って第2のシール溝をそれぞれ形成し、
    双方の外径側エンドウォール又は内径側エンドウォールの端面にそれぞれ形成された前記第1のシール溝に跨るように第1のシールプレートを装着し、
    双方の外径側エンドウォール又は内径側エンドウォールの上流側又は下流側の端面にそれぞれ形成された前記第2のシール溝に跨るように第2のシールプレートを装着し、
    これらの第1のシールプレート及び第2のシールプレートを隣接して配置し、
    前記第1のシールプレートはドッグボーン形状の断面形状を有するように形成し、
    前記第2のシールプレートはドッグボーン形状の断面形状を有するように形成し、
    前記第2のシールプレートの外面に面した前記第1のシールプレートの長手方向の端面は、前記第2のシールプレートに形成したドックボーン形状の断面形状と略同一形状となる端面形状を備えていることを特徴とするガスタービンのシール装置。
  6. 圧縮機と、圧縮機で圧縮した圧縮空気を燃料と燃焼させて燃焼ガスを生成するガスタービン燃焼器と、ガスタービン燃焼器で生成した燃焼ガスによって駆動されるタービンとを備えたガスタービンであって、前記タービンはタービン静翼とタービン動翼を有しており、
    前記タービン静翼は周方向に環状に複数個配置され、
    ガスタービン静翼の周方向に静翼体セグメントが環状に複数個配置されており、隣接配置された一方の静翼体セグメントの外径側エンドウォールの端面又は内径側エンドウォールの端面と、一方の静翼体セグメントと隣接する他方の静翼体セグメントの外径側エンドウォールの端面又は内径側エンドウォールの端面のうち、外径側又は内径側のいずれかの前記エンドウォールの端面であって、対向する双方の前記端面にタービンの略軸方向に沿って第1のシール溝をそれぞれ形成し、
    隣接配置された一方の静翼体セグメントの外径側エンドウォールの端面又は内径側エンドウォールの端面と、一方の静翼体セグメントと隣接する他方の静翼体セグメントの外径側エンドウォールの端面又は内径側エンドウォールの端面のうち、外径側又は内径側のいずれかの前記エンドウォールの上流側又は下流側の端面であって、対向する双方の前記端面に前記第1のシール溝と連通すると共に第1のシール溝と略直交する方向に沿って第2のシール溝をそれぞれ形成し、
    双方の外径側エンドウォール又は内径側エンドウォールの端面にそれぞれ形成された前記第1のシール溝に跨るように第1のシールプレートを装着し、
    双方の外径側エンドウォール又は内径側エンドウォールの上流側又は下流側の端面にそれぞれ形成された前記第2のシール溝に跨るように第2のシールプレートを装着し、
    これらの第1のシールプレート及び第2のシールプレートを隣接して配置し、
    前記第1のシールプレートはドッグボーン形状の断面形状を有するように形成し、
    前記第2のシールプレートは矩形形状の断面形状を有するように形成し、
    前記第2のシールプレートの外面に面した前記第1のシールプレートの長手方向の端面は、前記第2のシールプレートに形成した矩形形状の断面形状と略同一形状となる端面形状を備えていることを特徴とするガスタービンのシール装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN105089713A (zh) * 2015-09-06 2015-11-25 湖南天雁机械有限责任公司 一种使用于涡轮增压器涡轮箱与轴承体之间的密封装置

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