JP2013185248A - 熱間プレス用鋼板およびプレス成形品、並びにプレス成形品の製造方法 - Google Patents

熱間プレス用鋼板およびプレス成形品、並びにプレス成形品の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】熱間プレス前に成形や加工が容易にでき、且つ成形品内で均一な特性が要求される場合には、高強度と伸びのバランスを高レベルで達成できる熱間プレス成形品を得ることができ、単一成形品内に耐衝撃部位とエネルギー吸収部位に相当する領域が要求される場合には、夫々の領域に応じて、高強度と伸びのバランスを高レベルで達成できる熱間プレス成形品を得る上で有用な熱間プレス用鋼板を提供する。
【解決手段】本発明の熱間プレス用鋼板は、所定の化学成分組成を有し、鋼板中に含まれるTi含有析出物のうち、円相当直径が30nm以下のものの平均円相当直径で3nm以上であると共に、鋼中の析出Ti量と全Ti量とが下記(1)式の関係を満足し、且つ、且つ、金属組織が、フェライトの分率が30面積%以上である。
析出Ti量(質量%)−3.4[N]≧0.5×[全Ti量(質量%)−3.4[N]] …(1)
((1)式中、[N]は鋼中のNの含有量(質量%)を示す)
【選択図】なし

Description

本発明は、自動車の構造部品を製造する際に用いられ、熱間プレス成形に適した熱間プレス用鋼板、およびこのような熱間プレス用鋼板から得られるプレス成形品、並びにプレス成形品の製造方法に関し、特に予め加熱された鋼板(ブランク)を所定の形状に成形加工する際に、形状付与と同時に熱処理を施して所定の強度を得る熱間プレス成形法に適用する上で有用な熱間プレス用鋼板、およびプレス成形品、並びにそのようなプレス成形品を製造するための有用な方法に関するものである。
地球環境問題に端を発する自動車の燃費向上対策の一つとして、車体の軽量化が進められており、自動車に使用される鋼板をできるだけ高強度化することが必要となる。その一方で、鋼板を高強度化すると、プレス成形時の形状精度が低下することになる。
こうしたことから、鋼板を所定の温度(例えば、オーステナイト相となる温度)に加熱して強度を下げた後、鋼板に比べて低温(例えば室温)の金型で成形することによって、形状の付与と同時に、両者の温度差を利用した急冷熱処理(焼入れ)を行って、成形後の強度を確保する熱間プレス成形法が部品製造に採用されている。尚、このような熱間プレス成形法は、ホットプレス法の他、ホットフォーミング法、ホットスタンピング法、ホットスタンプ法、ダイクエンチ法等、様々な名称で呼ばれている。
図1は、上記のような熱間プレス成形を実施するための金型構成を示す概略説明図であり、図中1はパンチ、2はダイ、3はブランクホルダー、4は鋼板(ブランク)、BHFはしわ押え力、rpはパンチ肩半径、rdはダイ肩半径、CLはパンチ/ダイ間クリアランスを夫々示している。また、これらの部品のうち、パンチ1とダイ2には冷却媒体(例えば水)を通過させることができる通路1a,2aが夫々の内部に形成されており、この通路に冷却媒体を通過させることによってこれらの部材が冷却されるように構成されている。
こうした金型を用いて熱間プレス成形(例えば、熱間深絞り加工)するに際しては、鋼板(ブランク)4を、(Ac1変態点〜Ac3変態点)の二相域温度またはAc3変態点以上の単相域温度に加熱して軟化させた状態で成形を開始する。即ち、高温状態にある鋼板4をダイ2とブランクホルダー3間に挟んだ状態で、パンチ1によってダイ2の穴内に鋼板4を押し込み、鋼板4の外径を縮めつつパンチ1の外形に対応した形状に成形する。また、成形と並行してパンチおよびダイを冷却することによって、鋼板4から金型(パンチ1およびダイ2)への抜熱を行なうと共に、成形下死点(パンチ先端が最深部に位置した時点:図1に示した状態)で更に保持冷却することによって素材の焼入れを実施する。こうした成形法を実施することによって、寸法精度の良い1500MPa級の成形品を得ることができ、しかも冷間で同じ強度クラスの部品を成形する場合に比較して、成形荷重が低減できることからプレス機の容量が小さくて済むことになる。
現在広く使用されている熱間プレス用鋼板としては、22MnB5鋼を素材とするものが知られている。この鋼板は、引張強度が1500MPaで伸びが6〜8%程度であり、耐衝撃部材(衝突時に極力変形させず、破断しない部材)に適用されている。しかしながら、エネルギー吸収部材のように変形を要する部品には、伸び(延性)が低いために適用が困難である。
良好な伸びを発揮する熱間プレス用鋼板として、例えば特許文献1〜4のような技術も提案されている。これらの技術では、鋼板中の炭素含有量を様々な範囲に設定することによって、夫々の鋼板の基本的な強度クラスを調整すると共に、変形能の高いフェライトを導入し、フェライトおよびマルテンサイトの平均粒径を小さくすることによって、伸びの向上を図っている。これらの技術は、伸びの向上には有効であるものの、鋼板の強度に応じた伸び向上の観点からすれば、依然として不十分である。例えば、引張強さTSが1470MPa以上のもので伸びELが最大で10.2%程度であり、更なる改善が求められている。
一方、これまで検討されているホットスタンプ成形品に比べて、強度クラスが低い成形品、例えば引張強さTSが980MPa級や1180MPa級についても、冷間プレスでは成形精度に問題があり、その改善策として、低強度熱間プレスに対するニーズがある。その際に、成形品におけるエネルギー吸収特性を大幅に改善する必要がある。
特に近年では、1つの部品内に強度差を付ける技術の開発が進められている。こうした技術として、変形を防止すべき部位は高強度(高強度側:耐衝撃部位側)で、エネルギー吸収が必要な箇所は低強度で且つ高延性(低強度側:エネルギー吸収部位側)とする技術が提案されている。例えば、中型以上の乗用車では、側面衝突時や後方衝突時にコンパチビィティ(小型車が衝突してきたときに相手側も守る機能)を考慮して、Bピラーやリアサイドメンバの部品内に、耐衝撃性とエネルギー吸収性の両機能部位を持たせる場合がある。こうした部品を作製するには、(a)通常の熱間プレス用鋼板に、同じ温度に加熱・金型焼入れしても低強度となる鋼板を接合する(テーラードウェルドブランク:TWB)方法、(b)金型での冷却速度に差異を付けて鋼板の領域毎に強度差を付ける方法、(c)鋼板の領域毎の加熱温度に差異を付けて強度差を付ける方法、等が提案されている。
これらの技術では、高強度側(耐衝撃部位側)で引張強さ:1500MPa級が達成されるが、低強度側(エネルギー吸収部位側)で最大引張強度:700MPa、伸びEL:17%程度であり、エネルギー吸収特性を更に高めるためには、より高強度で高延性を実現することが求められている。
また、ホットスタンプで複雑形状を実現するために、室温でプレス成形をしてある程度形を作った後にホットスタンプを行う方向への適用が求められたり、ホットスタンプのプレス成形に供する鋼板を切り出したりするために、ホットスタンプ用鋼板の強度が高くなりすぎないことも同時に求められる。
特開2010−6292号公報 特開2010−6293号公報 特開2010−6294号公報 特開2010−6295号公報
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、熱間プレス前に成形や加工が容易にでき、且つ成形品内で均一な特性が要求される場合には、高強度と伸びのバランスを高レベルで達成できるプレス成形品を得ることができ、単一成形品内に耐衝撃部位とエネルギー吸収部位に相当する領域が要求される場合には、夫々の領域に応じて、高強度と伸びのバランスを高レベルで達成できる熱間プレス成形品を得る上で有用な熱間プレス用鋼板、および上記特性を発揮するようなプレス成形品、並びにこのようなプレス成形品を製造するための有用な方法を提供することにある。
上記目的を達成することのできた本発明の熱間プレス用鋼板とは、
C :0.15〜0.5%(質量%の意味。以下、化学成分組成について同じ。)、
Si:0.2〜3%、
Mn:0.5〜3%、
P :0.05%以下(0%を含まない)、
S :0.05%以下(0%を含まない)、
Al:0.01〜1%、
B :0.0002〜0.01%、
Ti:3.4[N]+0.01%以上、3.4[N]+0.1%以下[但し、[N]はNの含有量(質量%)を示す]、および
N:0.001〜0.01%、
を夫々含有し、残部が鉄および不可避不純物からなり、
鋼板中に含まれるTi含有析出物のうち、円相当直径が30nm以下のものの平均円相当直径で3nm以上であると共に、鋼中の析出Ti量と全Ti量とが下記(1)式の関係を満足し、且つ、金属組織が、フェライトの分率が30面積%以上であることを特徴とする。尚、「円相当直径」とは、Ti含有析出物(例えばTiC)の大きさ(面積)に着目したときに、同一面積の円に換算したときの直径(「平均円相当直径」はその平均値)である。
析出Ti量(質量%)−3.4[N]≧0.5×[全Ti量(質量%)−3.4[N]] …(1)
((1)式中、[N]は鋼中のNの含有量(質量%)を示す)
本発明の熱間プレス成形用鋼板においては、必要に応じて、更に他の元素として、(a)V,NbおよびZrよりなる群から選択される1種以上を合計で0.1%以下(0%を含まない)、(b)Cu,Ni,CrおよびMoよりなる群から選択される1種以上を合計で1%以下(0%を含まない)、(c)Mg,CaおよびREMよりなる群から選択される1種以上を合計で0.01%以下(0%を含まない)、等を含有させることも有用であり、含有される元素の種類に応じて、プレス成形品の特性が更に改善される。
上記目的を達成することのできた本発明のプレス成形品の製造方法とは、上記のような本発明の熱間プレス用鋼板を、Ac1変態点+20℃以上、Ac3変態点−20℃以下の温度に加熱した後、前記鋼板のプレス成形を開始し、成形中および成形終了後は金型内で20℃/秒以上の平均冷却速度を確保しつつベイナイト変態開始温度Bsより100℃低い温度以下まで冷却することを特徴とする。
本発明のプレス成形品では、プレス鋼中の金属組織が、残留オーステナイト:3〜20面積%、フェライト:30〜80面積%、ベイニティックフェライト:30面積%未満(0面積%を含まない)、マルテンサイト:30面積%以下(0面積%を含まない)であり、プレス鋼に含まれるTi含有析出物のうち、円相当直径が30nm以下のものの平均円相当直径で3nm以上であると共に、前記残留オーステナイト中の炭素量が0.50%以上であるものとなり、プレス成形品内で高強度と伸びのバランスを高レベルで均一な特性として達成できるものとなる。
一方、上記目的を達成することのできた本発明のプレス成形品の他の製造方法とは、上記のような熱間プレス用鋼板を用い、鋼板の加熱領域を少なくとも2つの領域に分け、その一の領域をAc3変態点以上、950℃以下の温度に加熱すると共に、他の一の領域をAc1変態点+20℃以上、Ac3変態点−20℃以下の温度に加熱した後、両方の領域に対してプレス成形を開始し、成形中および成形終了後はいずれの領域でも金型内で20℃/秒以上の平均冷却速度を確保しつつマルテンサイト変態開始温度Ms以下の温度まで冷却することを特徴とする。
本発明の他のプレス成形品は、上記のような化学成分組成を有する鋼板のプレス成形品であって、前記プレス鋼は、金属組織が、残留オーステナイト:3〜20面積%、マルテンサイト:80面積%以上である第1の領域と、金属組織が、残留オーステナイト:3〜20面積%、フェライト:30〜80面積%、ベイニティックフェライト:30面積%未満(0面積%を含まない)、マルテンサイト:30面積%以下(0面積%を含まない)である第2の領域を有しており、この第2の領域における前記残留オーステナイト中の炭素量が0.50%以上であることを特徴とする。こうしたプレス成形品では、夫々の領域に応じて、高強度と伸びのバランスを高レベルで達成でき、単一成形品内に耐衝撃部位とエネルギー吸収部位に相当する領域が存在するものとなる。
本発明によれば、化学成分組成を厳密に規定すると共に、Ti含有析出物の大きさを制御し、またTiNを形成しないTiについてはその析出率を制御し、更に金属組織についてはフェライトの比率を調整した鋼板を用いているため、これを所定の条件で熱間プレスすることで、プレス成形品の強度−伸びバランスを高レベルにできる。また複数の領域で異なる条件で熱間プレスすると、単一成形品内に耐衝撃部位とエネルギー吸収部位を形成でき、夫々の部位で高強度と伸びのバランスを高レベルで達成できる。
熱間プレス成形を実施するための金型構成を示す概略説明図である。
本発明者らは、鋼板を所定の温度に加熱した後、熱間プレス成形してプレス成形品を製造するに際して、プレス成形後において高強度を確保しつつ良好な延性(伸び)をも示すようなプレス成形品が得られる熱間プレス用鋼板を実現すべく、様々な角度から検討した。
その結果、熱間プレス用鋼板の化学成分組成を厳密に規定すると共に、Ti含有析出物の大きさおよび析出Ti量の制御を図り、且つ金属組織を適正なものとすると、該鋼板を所定条件で熱間プレス成形することで、成形後に所定量の残留オーステナイトを確保して、内在する延性(残存延性)を高くしたプレス成形品が得られることを見出し、本発明を完成した。
本発明の熱間プレス用鋼板では、化学成分組成を厳密に規定する必要があるが、各化学成分の範囲限定理由は下記の通りである。
[C:0.15〜0.5%]
Cは、成形品内で均一な特性が要求される場合の高強度と伸びのバランスを高レベルで達成するために、或は単一成形品内に耐衝撃部位とエネルギー吸収部位に相当する領域が要求される場合の、特に低強度・高延性部位において残留オーステナイトを確保する上で重要な元素である。また熱間プレス成形での加熱時に、Cがオーステナイトに濃化することで、焼入れ後に残留オーステナイトを形成させることができる。更に、マルテンサイト量の増加にも寄与し、強度を上昇させる。これらの効果を発揮させるためには、C含有量は0.15%以上とする必要がある。
しかしながら、C含有量が過剰になって0.5%を超えると、二相域加熱領域が狭くなり、成形品内で均一な特性が要求される場合の高強度と伸びのバランスを高レベルで達成されないか、或は単一成形品内に耐衝撃部位とエネルギー吸収部位に相当する領域が要求される場合の、特に低強度・高延性部位において狙いとする金属組織(フェライト、ベイニティックフェライト、マルテンサイトを所定量確保した組織)に調整することが困難となる。C含有量の好ましい下限は0.17%以上(より好ましくは0.20%以上)であり、より好ましい上限は0.45%以下(更に好ましくは0.40%以下)である。
[Si:0.2〜3%]
Siは、金型焼入れの冷却中にマルテンサイトが焼戻されてセメンタイトが形成されたり、未変態のオーステナイトが分解されることを抑制することで、残留オーステナイトを形成させる効果を発揮する。こうした効果を発揮させるためには、Si含有量は0.2%以上とする必要がある。またSi含有量が過剰になって3%を超えると、固溶強化量が大きくなり過ぎ、延性が大幅に低下することになる。Si含有量の好ましい下限は0.5%以上(より好ましくは1.0%以上)であり、好ましい上限は2.5%以下(より好ましくは2.0%以下)である。
[Mn:0.5〜3%]
Mnは、焼入れ性を高め、金型焼入れの冷却中のマルテンサイト、残留オーステナイト以外の組織(フェライト、パーライト、ベイナイト等)の形成を抑制するのに有効な元素である。また、オーステナイトを安定化させる元素であり、残留オーステナイト量の増加に寄与する元素である。こうした効果を発揮させるためには、Mnは0.5%以上含有させる必要がある。特性だけを考慮した場合は、Mn含有量は多い方が好ましいが、合金添加のコストが上昇することから、3%以下とした。Mn含有量の好ましい下限は0.7%以上(より好ましくは1.0%以上)であり、好ましい上限は2.5%以下(より好ましくは2.0%以下)である。
[P:0.05%以下(0%を含まない)]
Pは、鋼中に不可避的に含まれる元素であるが、延性を劣化させるので、Pは極力低減することが好ましい。しかしながら、極端な低減は製鋼コストの増大を招き、0%とすることは製造上困難であるので、0.05%以下(0%を含まない)とした。P含有量の好ましい上限は0.045%以下(より好ましくは0.040%以下)である。
[S:0.05%以下(0%を含まない)]
SもPと同様に鋼中に不可避的に含まれる元素であり、延性を劣化させるので、Sは極力低減することが好ましい。しかしながら、極端な低減は製鋼コストの増大を招き、0%とすることは製造上困難であるので、0.05%以下(0%を含まない)とした。S含有量の好ましい上限は0.045%以下(より好ましくは0.040%以下)である。
[Al:0.01〜1%]
Alは、脱酸元素として有用であると共に、鋼中に存在する固溶NをAlNとして固定し、延性の向上に有用である。こうした効果を有効に発揮させるためには、Al含有量は0.01%以上とする必要がある。しかしながら、Al含有量が過剰になって1%を超えると、Al23が過剰に生成し、延性を劣化させる。尚、Al含有量の好ましい下限は0.02%以上(より好ましくは0.03%以上)であり、好ましい上限は0.8%以下(より好ましくは0.6%以下)である。
[B:0.0002〜0.01%]
Bは、高強度部位側でフェライト変態、パーライト変態およびベイナイト変態を抑制する作用を有するため、(Ac1変態点〜Ac3変態点)の二相域温度に加熱後の冷却中に、フェライト、パーライト、ベイナイトの形成を防止し、残留オーステナイトの確保に寄与する元素である。こうした効果を発揮させるためには、Bは0.0002%以上含有させる必要があるが、0.01%を超えて過剰に含有させても効果が飽和する。B含有量の好ましい下限は0.0003%以上(より好ましくは0.0005%以上)であり、好ましい上限は0.008%以下(更に好ましくは0.005%以下)である。
[Ti:3.4[N]+0.01%以上、3.4[N]+0.1%以下:[N]はNの含有量(質量%)]
Tiは、Nを固定し、Bを固溶状態で維持させることで焼入れ性の改善効果を発現させる。こうした効果を発揮させるためには、TiとNの化学量論比[Nの含有量の3.4倍]よりも0.01%以上多く含有させることが重要である。但し、Ti含有量が過剰になって3.4[N]+0.1%よりも多くなると、形成されるTi含有析出物(例えばTiN)は微細分散し、オーステナイト領域に加熱後の冷却中にラス状に形成されるマルテンサイトの長手方向への成長を阻害し、アスペクト比が小さなラス組織になる。逆に、析出物を十分に大きくすれば、アスペクト比の大きなマルテンサイト組織になり、残留オーステナイト中のC量が同等でも安定な残留オーステナイトが得られ、特性(伸び)が向上することになる。Ti含有量のより好ましい下限は3.4[N]+0.02%以上(更に好ましくは3.4[N]+0.05%以上)であり、より好ましい上限は3.4[N]+0.09%以下(更に好ましくは3.4[N]+0.08%以下)である。
[N:0.001〜0.01%]
Nは、BをBNとして固定することで、焼入れ性改善効果を低下させるため、できるだけ低減することが好ましいが、実プロセスの中で低減するには限界があるため、0.001%を下限とした。また、N含有量が過剰になると、歪み時効により延性が劣化したり、BNとして析出し、固溶Bによる焼入れ性改善効果を低下させるため、上限を0.01%とした。N含有量の好ましい上限は0.008%以下(より好ましくは0.006%以下)である。
本発明の熱間プレス用鋼板における基本的な化学成分は、上記の通りであり、残部は鉄、およびP,S以外の不可避不純物(例えば、O,H等)である。また本発明の熱間プレス用鋼板には、必要によって更に、(a)V,NbおよびZrよりなる群から選択される1種以上を合計で0.1%以下(0%を含まない)、(b)Cu,Ni,CrおよびMoよりなる群から選択される1種以上を合計で1%以下(0%を含まない)、(c)Mg,CaおよびREMよりなる群から選択される1種以上を合計で0.01%以下(0%を含まない)、等を含有させることも有用であり、含有される元素の種類に応じて、熱間プレス用鋼板の特性が更に改善される。これらの元素を含有するときの好ましい範囲およびその範囲限定理由は下記の通りである。
[V,NbおよびZrよりなる群から選択される1種以上を合計で0.1%以下(0%を含まない)]
V,NbおよびZrは、微細な炭化物を形成し、ピン止め効果により組織を微細にする効果がある。こうした効果を発揮させるためには、合計で0.001%以上含有させることが好ましい。しかしながら、これらの元素の含有量が過剰になると、粗大な炭化物が形成され、破壊の起点になることで逆に延性を劣化させる。こうしたことから、これらの元素は合計で0.1%以下とすることが好ましい。これらの元素の含有量のより好ましい下限は合計で0.005%以上(更に好ましくは0.008%以上)であり、より好ましい上限は合計で0.08%以下(更に好ましくは0.06%以下)である。
[Cu,Ni,CrおよびMoよりなる群から選択される1種以上:合計で1%以下(0%を含まない)]
Cu,Ni,CrおよびMoは、フェライト変態、パーライト変態およびベイナイト変態を抑制するため、加熱後の冷却中に、フェライト、パーライト、ベイナイトの形成を防止し、残留オーステナイトの確保に有効に作用する。こうした効果を発揮させるためには、合計で0.01%以上含有させることが好ましい。特性だけを考慮すると含有量は多いほうが好ましいが、合金添加のコストが上昇することから、合計で1%以下とすることが好ましい。また、オーステナイトの強度を大幅に高める作用を有するため、熱間圧延の負荷が大きくなり、鋼板の製造が困難になるため、製造性の観点からも1%以下とすることが好ましい。これらの元素含有量のより好ましい下限は合計で0.05%以上(更に好ましくは0.06%以上)であり、より好ましい上限は合計で0.5%以下(更に好ましくは0.3%以下)である。
[Mg,CaおよびREMよりなる群から選択される1種以上を合計で0.01%以下(0%を含まない)]
これらの元素は、介在物を微細化するため、延性向上に有効に作用する。こうした効果を発揮させるためには、合計で0.0001%以上含有させることが好ましい。特性だけを考慮すると含有量は多いほうが好ましいが、効果が飽和することから、合計で0.01%以下とすることが好ましい。これらの元素含有量のより好ましい下限は合計で0.0002%以上(更に好ましくは0.0005%以上)であり、より好ましい上限は合計で0.005%以下(更に好ましくは0.003%以下)である。
本発明の熱間プレス用鋼板では、(A)鋼板中に含まれるTi含有析出物のうち、円相当直径が30nm以下のものの平均円相当直径が3nm以上であること、(B)析出Ti量(質量%)−3.4[N]≧0.5×[全Ti量(質量%)−3.4[N]]の関係[前記(1)式の関係]を満足すること、(C)金属組織が、フェライトの分率が30面積%以上であることも重要な要件である。
成形品中のTi含有析出物の存在状態や(1)式の条件自体は鋼板の強度や伸びに及ぼす影響が小さいが、鋼板を熱間プレスした際に形成される組織に影響することで、最終特性成形品での伸びの向上を図るためのものである。よって成形前(熱間プレス用鋼板)の段階で既に制御しておく必要がある。成形前の鋼板中でNに対して過剰なTiが熱間プレス前の鋼板中において、微細に分散、若しくは大半が固溶状態で存在すると、熱間プレスの加熱時において微細なまま多量に存在することになる。そうすると、加熱後に、金型内での急冷中に起こるマルテンサイト変態において、マルテンサイトラスの長手方向への成長が阻害され、幅方向への成長が促進されてアスペクト比が小さくなる。その結果、マルテンサイトラスから周囲の残留オーステナイトへの炭素吐き出しが遅れ、残留オーステナイト中の炭素量が低減し、残留オーステナイトの安定性が低下するため、伸びの向上効果が十分に得られなくなる。
こうした観点から、Ti含有析出物を微細に分散させておく必要があり、そのためには鋼板中に含まれるTi含有析出物のうち、円相当直径が30nm以下のものの平均円相当直径を3nm以上とする必要がある[上記(A)の要件]。尚、ここで対象とするTi含有析出物の円相当直径を30nm以下と規定しているのは、溶製段階で粗大に形成されて、その後、組織変化や特性に影響を及ぼさないTiNを除いたTi含有析出物を制御する必要があるためである。Ti含有析出物の大きさ(平均円相当直径)は、好ましくは5nm以上であり、より好ましくは10nm以上である。また、本発明で対象とするTi含有析出物とは、TiCの他、TiVC、TiNbC、等のTiを含有する析出物をも含む趣旨である。
また、熱間プレス用鋼板においては、TiのうちNを析出固定するのに使用される以外のTiの大半を析出状態で存在させる必要がある。そのためには、TiN以外の析出物として存在するTi量(即ち析出Ti量−3.4[N])は、全TiのうちTiNを形成するTiを差し引いた残りの0.5倍以上(即ち、0.5×[全Ti量(質量%)−3.4[N]以上]とする必要がある[上記(B)の要件]。析出Ti量(質量%)−3.4[N]は、好ましくは0.6×[全Ti量(質量%)−3.4[N]]以上であり、より好ましくは0.7×[全Ti量(質量%)−3.4[N]]以上である。
また、ホットスタンプ前に必ず鋼材を加工する必要があると共に、プレス成形を施したりする場合があり、こうした場合には、軟質な組織である所定量のフェライトを確保しておく必要がある。こうした観点から、熱間プレス用鋼板中のフェライトの分率を30面積%以上とする必要がある[上記(C)の要件]。フェライトの分率は、好ましくは50面積%以上であり、より好ましくは70面積%以上である。
尚、熱間プレス用鋼板で、金属組織の残部は特に限定されないが、例えばパーライト、ベイナイト、マルテンサイトまたは残留オーステナイトの少なくともいずれかが挙げられる。
上記のような本発明の鋼板(熱間プレス用鋼板)を製造するには、上記のような化学成分組成を有する鋼材を溶製した鋳片を、加熱温度:1100℃以上(好ましくは1150℃以上)、1300℃以下(好ましくは1250℃以下)とし、仕上げ圧延温度を750℃以上(好ましくは780℃以上)、850℃以下(好ましくは830℃以下)として熱間圧延を行い、その後700〜650℃の温度域を10秒以上滞在させた後、450℃以上(好ましくは480℃以上)、650℃以下(好ましくは630℃以下)で巻取るようにすれば良い。
上記方法は、高温でフェライト変態を十分させることで、フェライト変態中に形成されるTiC等のTi含有析出物を粗大にするものである。また、巻取り温度を高温化することによって、形成されたTiC等のTi含有析出物を成長させて粗大化するものである。
上記のような化学成分組成、金属組織およびTi析出状態を有する熱間プレス用鋼板を、そのまま熱間プレスの製造に供しても良いし、酸洗後に圧下率:60%以下(好ましくは40%以下)で冷間圧延を施してから熱間プレスの製造に供しても良い。また、熱間プレス用鋼板またはその冷間圧延材を、Ti含有析出物が全量固溶しない温度範囲(例えば1000℃以下)において熱処理を施しても良い。また、本発明の熱間プレス用鋼板には、その表面(素地鋼板表面)に、Al,Zn,Mg,Siのうちの1種以上を含むメッキを施しても良い。
上記のような熱間プレス用鋼板を用い、Ac1変態点+20℃以上、Ac3変態点−20℃以下の温度に加熱した後、プレス成形を開始し、成形中および成形終了後は金型内で20℃/秒以上の平均冷却速度を確保しつつベイナイト変態開始温度Bsより100℃低い温度以下まで冷却することによって、単一特性を有するプレス成形品(以下、単一領域成形品という場合がある)で、低強度且つ高延性のものとして最適な組織に作り込むことができる。この成形法おける各要件を規定した理由は、下記の通りである。
フェライトを所定量含む鋼板では、そのフェライトを一部残存させつつ、部分的にオーステナイトに変態させるために、加熱温度は所定の範囲に制御する必要がある。鋼板の加熱温度がAc1変態点+20℃未満であると、加熱時に十分な量のオーステナイトが得られず、最終組織(成形品の組織)で所定量の残留オーステナイトを確保できない。また、鋼板の加熱温度がAc3変態点−20℃を超えると、加熱時にオーステナイトへの変態量が増加し過ぎて、最終組織(成形品の組織)で所定量のフェライトを確保できない。
上記加熱工程で形成されたオーステナイトを、フェライト若しくはパーライト等の組織の生成を阻止しつつ、所望の組織とするためには、成形中および成形後の平均冷却速度および冷却終了温度を適切に制御する必要がある。こうした観点から、成形中の平均冷却速度は20℃/秒以上とし、冷却終了温度はベイナイト変態開始温度Bsより100℃低い温度以下とする必要がある。成形中の平均冷却速度は、好ましくは30℃/秒以上(より好ましくは40℃/秒以上)である。冷却終了温度をベイナイト変態開始温度Bsより100℃低い温度以下とすることによって、フェライト若しくはパーライト等の組織の生成を阻止しつつ、加熱時に存在したオーステナイトをベイナイトやマルテンサイトに変態させることによって、ベイナイトやマルテンサイトを確保しつつ、ベイナイトやマルテンサイトのラスの間に微細なオーステナイトを残留させて所定量の残留オーステナイトを確保する。
上記冷却終了温度がベイナイト変態開始温度Bsより100℃低い温度よりも高くなったり、平均冷却速度が20℃/秒未満では、フェライトやパーライト等の組織が形成されて、所定量の残留オーステナイトが確保できず、成形品における伸び(延性)が劣化する。尚、冷却終了温度はBsより100℃低い温度以下である限り特に制限されず、例えば、マルテンサイト変態開始温度Ms以下であってもよい。
ベイナイト変態開始温度Bsより100℃低い温度以下になった段階で、平均冷却速度の制御は基本的に不要になるが、例えば1℃/秒以上、100℃/秒以下の平均冷却速度で室温まで冷却してもよい。尚、成形中および成形終了後の平均冷却速度の制御は、(a)成形金型の温度を制御する(前記図1に示した冷却媒体)、(b)金型の熱伝導率を制御する等の手段によって達成できる。
上記のような熱間プレスによって製造されるプレス成形品(単一領域成形品)では、金属組織が、残留オーステナイト:3〜20面積%、フェライト:30〜80面積%、ベイニティックフェライト:30面積%未満(0面積%を含まない)、マルテンサイト:30面積%以下(0面積%を含まない)で、且つ残留オーステナイト中の炭素量が0.50%以上のものとなり、成形品内で高強度と伸びのバランスを高レベルで均一な特性として達成できるものとなる。こうした熱間プレス成形品における各要件(基本組織)の範囲設定理由は次の通りである。
残留オーステナイトは、塑性変形中にマルテンサイトに変態することで、加工硬化率を上昇させ(変態誘起塑性)、成形品の延性を向上させる効果がある。こうした効果を発揮させるためには、残留オーステナイト分率を3面積%以上とする必要がある。延性に対しては、残留オーステナイト分率が多ければ多いほど良好になる。自動車用鋼板に用いられる組成では、確保できる残留オーステナイトは限られており、20面積%程度が上限となる。残留オーステナイトの好ましい下限は5面積%以上(より好ましくは7面積%以上)である。
主要組織を、微細で且つ延性の高いフェライトにすることで、プレス成形品の延性(伸び)を高めることができる。こうした観点から、フェライトの分率は、30面積%以上とする。しかしながら、この分率が80面積%を超えると、成形品の強度が確保できなくなる。フェライト分率の好ましい下限は35面積%以上(更に好ましくは40面積%以上)であり、より好ましい上限は75面積%以下(更に好ましくは70面積%以下)である。
ベイニティックフェライトは、成形品の強度を向上させるのには有効な組織であるが、延性にやや乏しい組織であるため、多量に存在すると伸びを劣化させる。こうした観点から、ベイニティックフェライの分率は30面積%未満とする。ベイニティックフェライの分率の好ましい上限は25面積%以下(より好ましくは20面積%以下)である。
マルテンサイト(焼入れままマルテンサイト)は、成形品の強度を向上させるのには有効な組織であるが、延性に乏しい組織であるため、多量に存在すると伸びを劣化させる。こうした観点から、マルテンサイトの分率は30面積%以下とする。マルテンサイトの分率の好ましい上限は25面積%以下(より好ましくは20面積%以下)である。
上記組織の他は特に限定されず、パーライト等を残部組織として含んでもよいが、これらの組織は強度に対する寄与や、延性に対する寄与が他の組織に比べて低く、基本的に含有しないことが好ましい(0面積%でも良い)。
残留オーステナイト中の炭素量は、引張試験等の変形時に残留オーステナイトがマルテンサイトに加工誘起変態するタイミングに影響し、炭素量が多いほど高歪域で加工誘起変態することで変態誘起塑性(TRIP)効果を大きくする。本発明のプロセスの場合、冷却中に、形成されたマルテンサイトラスから周囲のオーステナイトに炭素が吐き出される。その際に、鋼中に分散しているTi炭化物若しくは炭窒化物が、粗大に分散していると、マルテンサイトラスの長手方向への成長が阻害されずに進行するため、幅が狭く長いアスペクト比の大きなマルテンサイトラスとなる。その結果、マルテンサイトラスから幅方向に炭素が吐き出されやすくなり、残留オーステナイト中の炭素量が増加し、延性が向上する。こうした観点から、本発明のプレス成形品では、鋼中の残留オーステナイト中の炭素量は0.60%以上と規定した。尚、残留オーステナイト中の炭素量は0.70%程度まで濃化させることはできるが、1.0%程度が限界である。
本発明の熱間プレス用鋼板を用いれば、プレス成形条件(加熱温度や冷却速度)を適切に調整することによって、成形品の強度や伸び等の特性を制御することができ、しかも高延性(残存延性)のプレス成形品が得られるので、これまでのプレス成形品では適用しにくかった部位(例えば、エネルギー吸収部材)にも適用が可能となり、プレス成形品の適用範囲を拡げる上で極めて有用である。また、上述した単一領域成形品のみならず、プレス成形金型を用いて鋼板をプレス成形してプレス成形品を製造するに際して、加熱温度、および成形時の各領域の条件を適切に制御し、各領域の組織を調整すれば、各領域に応じた強度−延性バランスを発揮するプレス成形品(以下、複数領域成形品という場合がある)が得られる。
本発明の熱間プレス用鋼板を用い、上記のように複数領域成形品を製造するに当たっては、鋼板の加熱領域を少なくとも2つの領域に分け、そのうち一の領域(以下、第1の領域という)をAc3変態点以上、950℃以下の温度に加熱すると共に、他の一の領域(以下、第2の領域という)をAc1変態点+20℃以上、Ac3変態点−20℃以下の温度に加熱した後、第1および第2の両方の領域に対してプレス成形を開始し、成形中および成形終了後は第1および第2のいずれの領域でも金型内で20℃/秒以上の平均冷却速度を確保しつつマルテンサイト変態開始温度Ms以下の温度まで冷却すればよい。
上記方法では、鋼板の加熱領域を少なくとも2つの領域(高強度側領域および低強度側領域)に分け、夫々の領域に応じて製造条件を制御することによって、各領域に応じた強度−延性バランスを発揮するような成形品が得られる。2つの領域のうち第2の領域が低強度側領域に相当し、この領域における製造条件、組織および特性は基本的に上記した単一領域成形品と同じである。以下では、もう一方の第1領域(高強度側領域に相当)を形成させるための製造条件について説明する。尚、この製造方法を実施するに際しては、単一の鋼板で加熱温度の異なる領域を形成する必要が生じるが、既存の加熱炉(例えば、遠赤外線炉、電気炉+シールド)を用いることによって、温度の境界部分を50mm以下としつつ制御することは可能である。
(第1の領域・高強度側領域の製造条件)
熱間プレス成形品の組織を適切に調整するためには、加熱温度は所定の範囲に制御する必要がある。この加熱温度を適切に制御することによって、その後の冷却過程で、所定量の残留オーステナイトを確保しつつ、マルテンサイトを主体とする組織に変態させ、最終的な熱間プレス成形品の領域内で所望の組織に作り込むことができる。この領域での鋼板加熱温度がAc3変態点未満であると、加熱時に十分な量のオーステナイトが得られず、最終組織(成形品の組織)で所定量の残留オーステナイトを確保できない。また、鋼板の加熱温度が950℃を超えると、加熱時にオーステナイトの粒径が大きくなり、マルテンサイト変態開始温度(Ms点)およびマルテンサイト変態終了温度(Mf点)が上昇し、焼入れ時に残留オーステナイトを確保できず、良好な成形性が達成されない。鋼板の加熱温度は、好ましくはAc3変態点+50℃以上であり、930℃以下である。
上記加熱工程で形成されたオーステナイトを、フェライト若しくはパーライト等の組織の生成を阻止しつつ、所望の組織とするためには、成形中および成形後の平均冷却速度および冷却終了温度を適切に制御する必要がある。こうした観点から、成形中の平均冷却速度は20℃/秒以上とし、冷却終了温度はマルテンサイト変態開始温度(Ms点)以下とする必要がある。成形中の平均冷却速度は、好ましくは30℃/秒以上(より好ましくは40℃/秒以上)である。冷却終了温度をマルテンサイト変態開始温度(Ms点)以下とすることによって、フェライト若しくはパーライト等の組織の生成を阻止しつつ、加熱時に存在したオーステナイトをマルテンサイトに変態させることによって、マルテンサイトを確保する。冷却終了温度は、具体的には400℃以下であり、好ましくは300℃以下である。
こうした方法によって得られたプレス成形品では、第1領域と第2領域とで、金属組織が異なっている。第1の領域では、金属組織が、残留オーステナイト:3〜20面積%(残留オーステナイトの作用効果は上記と同じ)、マルテンサイト:80面積%以上となっている。第2領域では、上記単一領域成形品と同じ金属組織および残留オーステナイト中の炭素量を満足する。
第1の領域の主要組織を、所定量の残留オーステナイトを含む高強度のマルテンサイトにすることで、プレス成形品における特定領域の延性および高強度を確保することができる。こうした観点から、マルテンサイトの面積分率は、80面積%以上とする必要がある。マルテンサイトの分率は、好ましくは85面積%以上(より好ましくは90面積%以上)である。尚、第1領域における組織として、一部にフェライト、パーライト、ベイナイト等含んでいてもよい。
以下、本発明の効果を実施例によって更に具体的に示すが、下記実施例は本発明を限定するものではなく、前・後記の趣旨に徴して設計変更することはいずれも本発明の技術的範囲に含まれるものである。
[実施例1]
下記表1、2に示した化学成分組成を有する鋼材(鋼No.1〜31)を真空溶製し、実験用スラブとした後、熱間圧延を行って鋼板とし、その後に冷却して巻取りを模擬した処理を施した(板厚:1.6mm若しくは3.0mm)。巻取り模擬処理方法は、巻取り温度まで冷却後、巻取り温度に加熱した炉に試料を入れ、30分保持した後炉冷した。このときの鋼板製造条件を下記表3、4に示す。尚、表1、2中のAc1変態点、Ac3変態点、Ms点およびBs点は、下記の(2)式〜(5)式を用いて求めたものである(例えば、「レスリー鉄鋼材料学」丸善,(1985)参照)。また、表3の備考欄に示した処理(1)、(2)は、下記に示す各処理(圧延、冷却、合金化)を行ったものである。
Ac1変態点(℃)=723+29.1×[Si]−10.7×[Mn]+16.9×[Cr]−16.9[Ni] …(2)
Ac3変態点(℃)=910−203×[C]1/2+44.7×[Si]−30×[Mn]+700×[P]+400×[Al]+400×[Ti]+104×[V]−11×[Cr]+31.5×[Mo]−20×[Cu]−15.2×[Ni] …(3)
Ms点(℃)=550−361×[C]−39×[Mn]−10×[Cu]−17×[Ni]−20×[Cr]−5×[Mo]+30×[Al] …(4)
Bs点(℃)=830−270×[C]−90×[Mn]−37×[Ni]−70×[Cr]−83×[Mo] …(5)
但し、[C],[Si],[Mn],[P],[Al],[Ti],[V],[Cr],[Mo],[Cu]および[Ni]は、夫々C,Si,Mn,P,Al,Ti,V,Cr,Mo,CuおよびNiの含有量(質量%)を示す。また、上記(2)式〜(5)式の各項に示された元素が含まれない場合は、その項がないものとして計算する。
処理(1):熱間圧延鋼板を冷間圧延後(板厚:1.6mm)、熱処理シミュレータで連続焼鈍を模擬し、800℃に加熱した後90秒保持し、20℃/秒の平均冷却速度で500℃まで冷却し、300秒保持した。
処理(2):熱間圧延鋼板を冷間圧延後(板厚:1.6mm)、熱処理シミュレータで連続溶融亜鉛めっきラインを模擬するため860℃に加熱した後、30℃/秒の平均冷却速度で400℃まで冷却し、保持後、めっき浴への浸漬−合金化処理を模擬するために更に500℃×10秒保持後、20℃/秒の平均冷却速度で室温まで冷却した。
Figure 2013185248
Figure 2013185248
Figure 2013185248
Figure 2013185248
得られた鋼板につき、Tiの析出状態の分析、および金属組織の観察(各組織の分率)を下記要領で行った。また、各鋼板の引張強度(TS)を後述する方法で測定した。
その結果を、0.5×[全Ti量(質量%)−3.4[N]]の計算値[0.5×[全Ti量−3.4[N]と表示]と共に下記表5、6に示す。
[鋼板のTiの析出状態の分析]
抽出レプリカサンプルを作製し、透過型電子顕微鏡(TEM)にてTi含有析出物の透過型電子顕微鏡像(倍率:10万倍)を撮影した。このとき、エネルギー分散型X線分光器(EDX)により析出物の組成分析をすることによって、Ti含有析出物(円相当直径で30nm以下のもの)を特定した。少なくとも100個以上のTi含有析出物の面積を画像解析により測定し、そこから円相当直径を求め、その平均値を析出物サイズ(Ti含有析出物の平均円相当直径)とした。また、析出Ti量(質量%)−3.4[N](析出物として存在するTi量)は、メッシュ径:0.1μmのメッシュを用いて抽出残渣分析を行い(抽出処理の際に、析出物が凝集して微細な析出物も測定できる)、析出Ti量(質量%)−3.4[N](表5、6では析出Ti量−3.4[N]と表示)を求めた。尚、Ti含有析出物がVやNbを一部含有している場合は、これらの含有量についても測定した。
[金属組織の観察(各組織の分率)]
(1)鋼板中のマルテンサイト、ベイナイトの組織については、鋼板をナイタールで腐食し、SEM(倍率:1000倍または2000倍)観察により、マルテンサイト、ベイナイトを区別し、夫々の分率(面積率)を求めた。
(2)鋼板中の残留オーステナイト分率は、鋼板の1/4の厚さまで研削した後、化学研磨してからX線回折法によって測定した(例えば、ISJJ Int.Vol.33.(1933),No.7,P.776)。この際、残留オーステナイト中の炭素量についても測定した。
Figure 2013185248
Figure 2013185248
上記各鋼板(1.6mm×150mm×200mm)について(上記処理(1)、(2)以外のものについては、熱間圧延によって厚さを1.6mmに調整)、加熱炉で所定の温度に加熱した後、ハット形状の金型(前記図1)でプレス成形および冷却処理を実施し、成形品とした。プレス成形条件(プレス成形時の加熱温度、平均冷却速度、急速冷却終了温度)を下記表7に示す。
Figure 2013185248
得られた成形品につき、引張強度(TS)、伸び(全伸びEL)、金属組織の観察(各組織の分率)を下記の方法で測定すると共に、残留オーステナイト中の炭素量を前述した方法で測定した。
[引張強度(TS)、および伸び(全伸びEL)の測定]
JIS5号試験片を用いて引張試験を行い、引張強度(TS)、伸び(EL)を測定した。このとき、引張試験の歪速度:10mm/秒とした。本発明では、引張強度(TS)が980MPa以上で伸び(EL)が18%以上を満足し、強度−伸びバランス(TS×EL)が20000(MPa・%)以上のときに合格と評価した。
[金属組織の観察(各組織の分率)]
(1)鋼板中のフェライト、ベイニティックフェライトの組織については、鋼板をナイタールで腐食し、SEM(倍率:1000倍または2000倍)観察により、フェライト、ベイニティックフェライトを区別し、夫々の分率(面積率)を求めた。
(2)鋼板中の残留オーステナイト分率は、鋼板の1/4の厚さまで研削した後、化学研磨してからX線回折法によって測定した(例えば、ISJJ Int.Vol.33.(1933),No.7,P.776)。
(3)マルテンサイト(焼入れままマルテンサイト)分率については、鋼板をレペラ腐食し、白いコントラストを焼入れままマルテンサイトと残留オーステナイトの混合組織として面積率を測定し、そこからX線回折により求めた残留オーステナイト分率を差いて、マルテンサイト分率を計算した。
金属組織の観察結果(各組織の分率、残留オーステナイト中の炭素量)を、下記表8、9に示す。また、成形品の機械的特性(引張強度TS、伸びELおよびTS×EL)を下記表10に示す。
Figure 2013185248
Figure 2013185248
Figure 2013185248
これらの結果から、次のように考察できる。鋼No.1、2、4、5、8〜10、14〜16、18〜20、22〜31のものは、本発明で規定する要件を満足する実施例であり、強度−延性バランスが良好な部品が得られていることが分かる。
これに対し、鋼No.3、6、7、11〜13、17、21のものは、本発明で規定するいずれかの要件を満足しない比較例であり、いずれかの特性が劣化している。即ち、鋼No.3のものは、Si含有量が少ない鋼板を用いたものであり、成形品中の残留オーステナイト分率が確保されず、伸びがでないものとなって、強度−伸びバランスが劣化している。鋼No.6のものは、鋼板製造時における700℃〜650℃までの冷却時間が不足しており、フェライト変態が十分に進まず、鋼板でのフェライト分率が確保できず、強度が高くなってプレス成形前での成形や加工が困難になることが予想される。
鋼No.7のものは、鋼板製造時の仕上げ圧延温度が高く、熱間プレス用鋼板の(1)式の関係を満足しないものとなっており、強度−伸びバランスが劣化している。鋼No.11のものは、プレス成形時の加熱温度が高くなっており、マルテンサイトが多量に生成して強度が高くなって低い伸びELしか得られていない(強度−伸びバランス(TS×EL)も劣化)。
鋼No.12のものは、プレス成形時の冷却速度が遅くなっており、成形品の段階でファライトが多量に生成して強度が低下し、強度−伸びバランス(TS×EL)が劣化している。鋼No.13のものは、プレス成形時の急速冷却終了温度が高くなっており、成形品の段階でパーライトが多量に生成して残留オーステナイト分率が確保できず、また残留オーステナイト中の炭素量も不足しており、強度および伸びが低下し、強度−伸びバランス(TS×EL)が劣化している。
鋼No.17のものは、C含有量が過剰な鋼板を用いたものであり、鋼板のフェライト分率が低くなっており、成型品でのフェライト分率が確保できず、強度が高くなって低い伸びELしか得られていない(強度−伸びバランス(TS×EL)も劣化)。鋼No.21のものは、Ti含有量が過剰の鋼板を用いたものであり、強度−伸びバランス(TS×EL)が劣化している。
[実施例2]
下記表11に示した化学成分組成を有する鋼材(鋼No.32〜36)を真空溶製し、実験用スラブとした後、熱間圧延を行い、その後に冷却して巻取った(板厚:3.0mm)。このときの鋼板製造条件を下記表12に示す。
Figure 2013185248
Figure 2013185248
得られた鋼板につき、Ti含有析出物の析出状態の分析、金属組織の観察(各組織の分率)および引張強度を実施例1と同様にして行った。その結果を、下記表13に示す。
Figure 2013185248
上記各鋼板(3.0mm×150mm×200mm)について、加熱炉で所定の温度に加熱した後、ハット形状の金型(前記図1)でプレス成形および冷却処理を実施し、成形品とした。このとき、鋼板を赤外線炉に入れ、高強度化したい部分(第1の領域に相当する鋼板部分)は高温加熱できるように、赤外線が直接当たるようにすると共に、低強度化したい部分には(第2の領域に相当する鋼板部分)には低温加熱できるように、赤外線の一部を遮断するように覆いをかぶせることで、加熱温度差を付けた。従って、成形品は単一の部品内に強度の異なる領域を有するものとなっている。プレス成形条件(プレス成形時の各領域の加熱温度、平均冷却速度、急速冷却終了温度)を下記表14に示す。
Figure 2013185248
得られた成形品につき、各領域における引張強度(TS)、伸び(全伸びEL)、金属組織の観察(各組織の分率)、残留オーステナイト中の炭素量の測定を、実施例1と同様にして求めた。
金属組織の観察結果(各組織の分率)および残留オーステナイト中の炭素量を、下記表15に示す。また、プレス成形品の機械的特性(引張強度TS、伸びELおよびTS×EL)を下記表16に示す。尚、高強度側での引張強度(TS)は1470MPa以上で伸び(EL)が8%以上を満足し、強度−伸びバランス(TS×EL)が14000(MPa・%)以上のときに合格と評価した(低強度側の評価基準は実施例1と同じ)。
Figure 2013185248
Figure 2013185248
この結果から、次のように考察できる。鋼No.32〜35のものは、本発明で規定する要件を満足する実施例であり、各領域における強度−延性バランスの良好な部品が得られていることが分かる。これに対し、鋼No.36のものは、プレス成形時の加熱温度が低くなっており、高強度側での強度が低下している(低強度側との強度差が300MPa未満)。
1 パンチ
2 ダイ
3 ブランクホルダー
4 鋼板(ブランク)

Claims (8)

  1. C :0.15〜0.5%(質量%の意味。以下、化学成分組成について同じ。)、
    Si:0.2〜3%、
    Mn:0.5〜3%、
    P :0.05%以下(0%を含まない)、
    S :0.05%以下(0%を含まない)、
    Al:0.01〜1%、
    B :0.0002〜0.01%、
    Ti:3.4[N]+0.01%以上、3.4[N]+0.1%以下[但し、[N]はNの含有量(質量%)を示す]、および
    N:0.001〜0.01%、
    を夫々含有し、残部が鉄および不可避不純物からなり、
    鋼板中に含まれるTi含有析出物のうち、円相当直径が30nm以下のものの平均円相当直径で3nm以上であると共に、鋼中の析出Ti量と全Ti量とが下記(1)式の関係を満足し、且つ、金属組織が、フェライトの分率が30面積%以上であることを特徴とする熱間プレス用鋼板。
    析出Ti量(質量%)−3.4[N]≧0.5×[全Ti量(質量%)−3.4[N]] …(1)
    ((1)式中、[N]は鋼中のNの含有量(質量%)を示す)
  2. 更に他の元素として、V,NbおよびZrよりなる群から選択される1種以上を合計で0.1%以下(0%を含まない)含有するものである請求項1に記載の熱間プレス用鋼板。
  3. 更に他の元素として、Cu,Ni,CrおよびMoよりなる群から選択される1種以上を合計で1%以下(0%を含まない)含有するものである請求項1または2に記載の熱間プレス用鋼板。
  4. 更に他の元素として、Mg,CaおよびREMよりなる群から選択される1種以上を合計で0.01%以下(0%を含まない)含有するものである請求項1〜3のいずれかに記載の熱間プレス用鋼板。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の熱間プレス用鋼板を、Ac1変態点+20℃以上、Ac3変態点−20℃以下の温度に加熱した後、前記鋼板のプレス成形を開始し、成形中および成形終了後は金型内で20℃/秒以上の平均冷却速度を確保しつつベイナイト変態開始温度Bsより100℃低い温度以下まで冷却することを特徴とするプレス成形品の製造方法。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載の化学成分組成を有する鋼板のプレス成形品であって、プレス鋼中の金属組織が、残留オーステナイト:3〜20面積%、フェライト:30〜80面積%、ベイニティックフェライト:30面積%未満(0面積%を含まない)、マルテンサイト:30面積%以下(0面積%を含まない)であり、プレス鋼中に含まれるTi含有析出物のうち、円相当直径が30nm以下のものの平均円相当直径で3nm以上であると共に、前記残留オーステナイト中の炭素量が0.50%以上であることを特徴とするプレス成形品。
  7. 請求項1〜4のいずれかに記載の熱間プレス用鋼板を用い、鋼板の加熱領域を少なくとも2つの領域に分け、その一の領域をAc3変態点以上、950℃以下の温度に加熱すると共に、他の一の領域をAc1変態点+20℃以上、Ac3変態点−20℃以下の温度に加熱した後、両方の領域に対してプレス成形を開始し、成形中および成形終了後はいずれの領域でも金型内で20℃/秒以上の平均冷却速度を確保しつつマルテンサイト変態開始温度Ms以下の温度まで冷却することを特徴とするプレス成形品の製造方法。
  8. 請求項1〜4のいずれかに記載の化学成分組成を有する鋼板のプレス成形品であって、前記プレス鋼は、金属組織が、残留オーステナイト:3〜20面積%、マルテンサイト:80面積%以上である第1の領域と、金属組織が、残留オーステナイト:3〜20面積%、フェライト:30〜80面積%、ベイニティックフェライト:30面積%未満(0面積%を含まない)、マルテンサイト:30面積%以下(0面積%を含まない)である第2の領域を有しており、この第2の領域における前記残留オーステナイト中の炭素量が0.50%以上であることを特徴とするプレス成形品。
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