JP2013184327A - 記録媒体搬送機構及び画像形成装置 - Google Patents

記録媒体搬送機構及び画像形成装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2013184327A
JP2013184327A JP2012049627A JP2012049627A JP2013184327A JP 2013184327 A JP2013184327 A JP 2013184327A JP 2012049627 A JP2012049627 A JP 2012049627A JP 2012049627 A JP2012049627 A JP 2012049627A JP 2013184327 A JP2013184327 A JP 2013184327A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
recording medium
cooling
outer peripheral
peripheral surface
cooling roller
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2012049627A
Other languages
English (en)
Inventor
Yutaro Jinushi
有太朗 地主
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Corp
Original Assignee
Fujifilm Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujifilm Corp filed Critical Fujifilm Corp
Priority to JP2012049627A priority Critical patent/JP2013184327A/ja
Publication of JP2013184327A publication Critical patent/JP2013184327A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Ink Jet (AREA)

Abstract

【課題】搬送手段の搬送方向の温度ムラを抑制する。
【解決手段】外周面に記録媒体を保持して回転搬送する搬送手段48と、搬送手段48に保持された記録媒体を加熱して乾燥する乾燥手段と、搬送手段48の外周面の記録媒体搬送領域を冷却する冷却手段54と、搬送手段48の外周面に設けられた切替手段と、前記切替手段と接触又は非接触することで、冷却手段54によって搬送手段48を冷却・冷却停止させる冷却制御部材82と、を有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、記録媒体搬送機構及び画像形成装置に関する。
用紙などの記録媒体をドラムに保持させ、搬送しながらインクを吐出して画像形成を行う画像形成装置がある。この種の画像形成装置において、1枚1枚異なる画像を形成するとき、記録媒体を所定の間隔で間引き搬送(スキップ搬送)して、記録媒体に画像を形成するタイミングを合わせている。
しかし、記録媒体を間引き搬送(スキップ搬送)すると、記録媒体を搬送手段(乾燥ドラム)で乾燥させる際に、乾燥ドラムの記録媒体を保持していない領域は、記録媒体に熱を奪われないため、乾燥手段から受ける熱によって温度が上昇する。このため、乾燥ドラムの搬送方向(周方向)に温度ムラが生じる虞がある。
一方、搬送する記録媒体の幅に応じて、定着ローラに接触している金属ローラを定着ローラの軸方向に移動させ、定着ローラの記録媒体が搬送されない領域を冷却させて、定着ローラの軸方向の温度ムラを抑制する画像形成装置がある(例えば、特許文献1)。この金属ローラを上記の乾燥ドラムに適用することで、乾燥ドラムの軸方向の温度ムラを抑制することはできるが、乾燥ドラムの搬送方向(周方向)の温度ムラを抑制することはできない。
特開2002−258645号公報
本発明は上記事実を考慮し、搬送手段の搬送方向の温度ムラを抑制することを課題とする。
請求項1に記載の記録媒体搬送機構は、外周面に記録媒体を保持して回転搬送する搬送手段と、前記搬送手段に保持された前記記録媒体を加熱して乾燥する乾燥手段と、前記搬送手段の外周面の記録媒体搬送領域を冷却する冷却手段と、前記搬送手段の外周面に設けられ、前記冷却手段による冷却・冷却停止を切替える切替手段と、を有する。
請求項1に記載の記録媒体搬送機構では、搬送手段の外周面に保持された記録媒体は、乾燥手段によって加熱され乾燥される。また、搬送手段の外周面には、切替手段が設けられており、冷却制御部材が切替手段に接触又は非接触となることで、冷却手段により搬送手段を冷却・冷却停止させる。これにより、搬送手段を所定の位置で冷却させ、又は冷却停止させて搬送手段の搬送方向の温度ムラを抑制する。
請求項2に記載の記録媒体搬送機構は、請求項1に記載の記録媒体搬送機構であって、前記切替手段は、前記搬送手段の周方向の少なくとも一部に形成された溝、又は突起である。
請求項2に記載の記録媒体搬送機構では、搬送手段の外周面に形成された溝、又は突起と、冷却制御部材とが接触したり、非接触となることで、所謂メカ的な動作によって搬送手段を冷却・冷却停止させる。
請求項3に記載の記録媒体搬送機構は、請求項2に記載の記録媒体搬送機構であって、前記冷却手段は、前記搬送手段の外周面に接離可能に支持された冷却ローラであり、前記切替手段は、前記搬送手段の外周面の端部に形成され、前記搬送手段の周方向に延びる周方向溝であり、前記冷却制御部材は、前記冷却ローラの端部に形成され、前記搬送手段の外周面に接触し、又は前記周方向溝に係合して、前記冷却ローラの外周面を接離させる環状突起である。
請求項3に記載の記録媒体搬送機構では、冷却ローラの外周面に形成された環状突起が搬送手段の外周面に形成された周方向溝に係合すると、環状突起と搬送手段の外周面は非接触となり、冷却ローラの外周面と搬送手段の外周面とが接触して、冷却ローラが搬送手段を冷却する。
また、周方向溝が形成されていない記録媒体搬送領域では、環状突起が搬送手段の外周面に接触して、冷却ローラの外周面と搬送手段の外周面との間に環状突起の高さ分だけ隙間が生じる。これにより、周方向溝が形成されていない記録媒体搬送領域では搬送手段の冷却が停止する。
請求項4に記載の記録媒体搬送機構は、請求項2に記載の記録媒体搬送機構であって、前記冷却手段は、前記搬送手段の外周面に接離可能に支持された冷却ローラであり、前記切替手段は、前記搬送手段の外周面の端部に形成され、前記搬送手段の周方向に延びる周方向突起であり、前記冷却制御部材は、前記周方向突起に接触し、又は前記周方向突起と非接触となり前記搬送手段の外周面に接触して、前記冷却ローラを接離させる前記冷却ローラの端部である。
請求項4に記載の記録媒体搬送機構では、搬送手段の外周面の端部に形成された周方向突起と冷却ローラの外周面が接触している状態では、冷却ローラの外周面と搬送手段の外周面との間に周方向突起の高さ分だけ隙間が生じて、搬送手段の冷却が停止する。また、周方向突起が形成されていない記録媒体搬送領域では、冷却ローラの外周面と搬送手段の外周面が接触して、搬送手段を冷却する。
請求項5に記載の記録媒体搬送機構は、請求項3に記載の記録媒体搬送機構であって、前記冷却ローラは、前記搬送手段の周囲に複数設けられ、前記周方向溝は、前記搬送手段の回転方向に沿って複数形成されると共に、それぞれの周方向溝が前記記録媒体の搬送方向と直交する方向にずらして形成されている。
請求項5に記載の記録媒体搬送機構では、例えば、搬送手段の周囲に設けられた2つの冷却ローラのうち、一方の冷却ローラが搬送手段の外周面に形成された第1周方向溝と係合して、搬送手段の外周面の一部(A面)を冷却する。また、他方の冷却ローラが搬送手段の第2周方向溝と係合して、搬送手段のB面を冷却する。以上のようにして、搬送手段のそれぞれの面を異なる冷却ローラが冷却することで、記録媒体を保持している面と記録媒体を保持していない面との間に生じる温度差をなくして、搬送手段の搬送方向の温度ムラを抑制できる。
請求項6に記載の記録媒体搬送機構は、請求項3〜5の何れか1項に記載の記録媒体搬送機構であって、前記冷却ローラを冷却するローラ冷却手段を備えている。
請求項6に記載の記録媒体搬送機構では、ローラ冷却手段が冷却ローラを冷却するため、冷却ローラの過昇温を抑制できる。
請求項7に記載の記録媒体搬送機構は、請求項3〜6の何れか1項に記載の記録媒体搬送機構であって、前記冷却ローラを回転可能に支持し、前記搬送手段に対して接離可能にガイドされたフレームと、前記フレームを前記搬送手段へ付勢し、前記冷却ローラを前記搬送手段へ接触させる付勢手段と、を有する。
請求項7に記載の記録媒体搬送機構では、冷却ローラは、フレームに回転可能に支持されており、フレームは、搬送手段に対して接離可能にガイドされ、付勢部材で搬送側へ付勢されている。これにより、例えば、冷却ローラが搬送手段の周方向溝に係合したとき、冷却ローラの外周面と搬送手段の外周面とが接する。このようにして、冷却ローラを搬送手段の外周面に接離可能にできる。
請求項8に記載の記録媒体搬送機構は、請求項3〜7の何れか1項に記載の記録媒体搬送機構であって、前記冷却ローラの温度を測定する冷却ローラ温度センサを備え、前記冷却ローラ温度センサが測定した前記冷却ローラの温度が所定温度より高くなると、前記冷却ローラを前記搬送手段から離間させる。
請求項8に記載の記録媒体搬送機構では、冷却ローラの温度を測定する冷却ローラ温度センサが測定した冷却ローラの温度が所定温度より高くなると、冷却ローラを搬送手段から離間させる。これにより、冷却ローラが過昇温するのを抑制できる。
請求項9に記載の記録媒体搬送機構は、請求項3〜8の何れか1項に記載の記録媒体搬送機構であって、前記搬送手段の温度を測定する搬送手段温度センサを備え、前記搬送手段温度センサが測定した前記搬送手段の温度が所定温度より低くなると、前記冷却ローラを前記搬送手段から離間させる。
請求項9に記載の記録媒体搬送機構では、搬送手段の温度を測定する搬送手段温度センサが測定した搬送手段の温度が低くなると、冷却ローラを搬送手段から離間させる。これにより、搬送手段が過冷却されるのを抑制できる。
請求項10に記載の記録媒体搬送機構は、請求項1又は2に記載の記録媒体搬送機構であって、前記冷却手段は、前記搬送手段に対向配置された送風機であり、前記冷却制御部材は、前記送風機のスイッチであり、前記切替部材と前記スイッチとが接触又は非接触することで、前記送風機を駆動・駆動停止する。
請求項10に記載の記録媒体搬送機構では、切替部材が搬送手段に対向配置された送風機のスイッチに接触又は非接触となることで、送風機のスイッチをON/OFFして、搬送手段を非接触で冷却することができる。
請求項11に記載の記録媒体搬送機構は、請求項1又は2に記載の記録媒体搬送機構であって、前記冷却手段は、前記搬送手段に対向配置された送風機であり、前記冷却制御部材は、前記送風機の送風面を覆うシャッターと、前記シャッターを開閉する駆動手段と、前記駆動手段を駆動させるスイッチとで構成され、前記切替部材と前記スイッチとが接触又は非接触することで、前記駆動手段を駆動・駆動停止させ、前記シャッターを開閉する。
請求項11に記載の記録媒体搬送機構では、搬送手段を冷却する送風機の送風面を覆うシャッターが設けられており、搬送手段の外周面に設けられた切替部材が、シャッターを開閉する駆動手段のスイッチに接触又は非接触となることで、駆動手段が駆動・駆動停止して、シャッターを開閉させ搬送手段を冷却する。
請求項12に記載の記録媒体搬送機構は、請求項1〜11の何れか1項に記載の記録媒体搬送機構であって、前記搬送手段は、外周面に前記記録媒体を保持する複数の保持部材を備えた乾燥ドラムである。
請求項12に記載の記録媒体搬送機構では、乾燥ドラムの外周面に記録媒体を保持して回転搬送するため、記録媒体のシワや浮きを防止できる。
請求項13に記載の画像形成装置は、前記記録媒体へ液滴を吐出する液滴吐出ヘッドと、前記液滴吐出ヘッドによって液滴が吐出された前記記録媒体を搬送する請求項1〜12の何れか1項に記載の記録媒体搬送機構と、を有し、前記冷却手段は、前記搬送手段が一部の記録媒体搬送領域にのみ前記記録媒体を保持させて回転搬送するスキップ搬送モード時に、前記記録媒体を保持していない前記記録媒体搬送領域の冷却を行うことを特徴とする。
請求項13に記載の画像形成装置では、搬送手段が一部の記録媒体搬送領域にのみ記録媒体を保持させて回転搬送するスキップ搬送モードを有しており、冷却手段は、スキップ搬送モード時に、記録媒体を保持しない記録媒体搬送領域の冷却を行う。これにより、スキップ搬送モード時に生じる搬送手段の搬送方向の温度ムラを抑制できる。
請求項14に記載の画像形成装置は、請求項13に記載の画像形成装置であって、印刷ジョブに係る画像データをドットデータへ変換して前記液滴吐出ヘッドへ転送する制御部を有し、前記制御部は、前記ドットデータから記録媒体へ吐出する液滴量を算出し、該液滴量が所定量以下のとき、前記搬送手段の全ての前記記録媒体搬送領域を前記冷却手段で冷却させる。
請求項14に記載の画像形成装置では、制御部は、画像データから変換したドットデータに基づいて、記録媒体へ吐出する液滴量を算出し、液滴量が所定量以下のとき、搬送手段の全ての記録媒体搬送領域を冷却手段で冷却させる。記録媒体へ吐出された液滴量が少ない場合、搬送手段が記録媒体から奪われる熱量が少ないので、搬送手段の温度が十分に下がらないが、上記の構成とすることで、記録媒体へ吐出する液滴量が少ない場合であっても、搬送手段の温度上昇を抑制できる。
本発明は、上記の構成としたので、搬送手段の搬送方向の温度ムラを抑制できる。
第1実施形態に係るインクジェット記録装置の全体構成を示す模式図である。 第1実施形態に係る乾燥ドラムと冷却ローラを示す斜視図である。 第1実施形態に係る冷却ローラの環状突起が乾燥ドラムの外周面に接触している状態を示す平面図である。 第1実施形態に係る冷却ローラの環状突起が乾燥ドラムの周方向溝に係合している状態を示す平面図である。 第1実施形態に係る乾燥ドラムを冷却する手順を示すフローチャートである。 第1実施形態に係る冷却ローラの変形例を示す斜視図である。 第2実施形態に係る乾燥ドラムと冷却ローラを示す斜視図である。 第2実施形態に係る冷却ローラと乾燥ドラム示す平面図である。 第2実施形態に係る冷却ローラが乾燥ドラムを冷却するまでの手順を示すフローチャートである。 第3実施形態に係る乾燥ドラムと冷却ローラを示す斜視図である。 第4実施形態に係る乾燥ドラムと冷却ファンを示す斜視図である。 第4実施形態に係る乾燥ドラムと冷却ファンの変形例を示す斜視図である。
<インクジェット記録装置の全体構成>
以下に、図を参照して、本発明の搬送装置及び画像形成装置を実施するためのインクジェット記録装置10について説明する。図1に示すように、インクジェット記録装置10は、描画部16の圧胴(描画ドラム42)に保持された記録媒体としての用紙Pに液滴吐出ヘッドの一例としてのインクジェットヘッド44M、44K、44C、44Yから複数色のインク(液滴)を吐出して所望のカラー画像を形成する圧胴直描方式のインクジェット記録装置であり、インクの吐出前に記録媒体としての用紙P上に処理液(インク凝集処理液)を付与し、処理液とインクを反応させて用紙P上に画像形成を行なう2液反応(凝集)方式が適用されたオンデマンドタイプの画像形成装置である。
インクジェット記録装置10は、主として、給紙部12、処理液付与部14、描画部16、乾燥部18、定着部20、及び排紙部22を設けて構成されている。
給紙部12は、用紙Pを処理液付与部14に供給する機構であり、給紙部12には、枚葉紙である用紙Pが積層されている。給紙部12には、給紙トレイ24が設けられ、後述する制御部76からの命令によって、給紙トレイ24から用紙Pが一枚ずつ処理液付与部14に給紙される。インクジェット記録装置10では、用紙Pとして、紙種や大きさ(媒体サイズ)の異なる複数種類の用紙Pを使用することができる。なお、本実施形態では、用紙Pとして、枚葉紙(カット紙)を用いた場合を説明する。
処理液付与部14は、用紙Pの記録面に処理液を付与する機構である。処理液は、描画部16で付与されるインク中の色材(顔料もしくは染料)を凝集若しくは増粘させる成分を含んでおり、この処理液とインクとが接触することによって、インクは色材と溶媒との分離が促進される。
色材を凝集若しくは増粘させる方法は、具体的には、インクと反応してインク中の色材を析出あるいは不溶化させる処理液、インク中の色材を含む半固体状の物質(ゲル)を生成する処理液等が挙げられる。そして、インクと処理液との反応を引き起こす手段は、インク中のアニオン性の色材と処理液中のカチオン性の化合物を反応させる方法、互いにpHの異なるインクと処理液を混合させることでインクのpHを変化させてインク中の顔料の分散破壊を起こし顔料を凝集させる方法、処理液中の多価金属塩との反応によりインク中の顔料の分散破壊を起こし顔料を凝集させる方法、などがある。
処理液の付与方法としては、インクジェットヘッドによる打滴、ローラによる塗布、スプレーによる一様付与、等がある。
処理液付与部14は、供給胴26、処理液ドラム28、及び処理液塗布装置30を備えている。処理液ドラム28は、用紙Pを保持し、回転搬送させるドラムである。処理液ドラム28は、その外周面に保持部材としての爪形状のグリッパー32を備え、このグリッパー32と処理液ドラム28の外周面との間に用紙Pを挟み込むことによって用紙Pの先端を保持できるようにされている。
処理液ドラム28は、その外周面に吸引孔を設けるとともに、吸引孔から吸引を行う吸引手段を接続してもよい。これにより用紙Pを処理液ドラム28の周面に密着保持することができる。
処理液ドラム28の外側には、その周面に対向して処理液塗布装置30が設けられている。処理液塗布装置30は、処理液が貯留された処理液容器と、この処理液容器の処理液に一部が浸漬されたアニロックスローラと、アニロックスローラと処理液ドラム28上の用紙Pに圧接されて計量後の処理液を用紙Pに転移するゴムローラとで構成される。この処理液塗布装置30によれば、処理液を計量しながら用紙Pに塗布することができる。処理液塗布装置30よりも用紙Pの搬送方向下流側には、用紙Pに塗布された処理液を乾燥させる温風発生装置34とIR(赤外線)ヒータ36が設けられている。
色材浮遊(インク液滴が処理液の上に浮遊し、所望の位置にドットが形成されない現象)を防ぐために、処理液打滴後、温風発生装置34とIRヒータ36で処理液中の溶媒成分の乾燥を行う。
処理液付与部14で処理液が付与された用紙Pは、処理液ドラム28から中間搬送部38(渡し胴40)を介して描画部16の描画ドラム42へ受け渡される。描画部16には、用紙Pを搬送する搬送体の一例としての描画ドラム42と、描画ドラム42の外周面に対向して配置される液滴吐出ヘッドとしてのインクジェットヘッド44M、44K、44C、44Yと、が設けられている。描画ドラム42は、処理液ドラム28と同様に、その外周面に爪形状のグリッパー32を備える。描画ドラム42に保持された用紙Pは、記録面が外側を向くようにして搬送され、用紙Pの記録面にインクジェットヘッド44M、44K、44C、44Yからインクが吐出される。
インクジェットヘッド44M、44K、44C、44Yはそれぞれ、用紙Pにおける画像形成領域の最大幅に対応する長さを有するフルライン型のインクジェット方式の記録ヘッド(インクジェットヘッド)であり、そのインク吐出面には、画像形成領域の全幅にわたってインク吐出用としてのノズル(吐出口)が複数配列されたノズル列が形成されている。各インクジェットヘッド44M、44K、44C、44Yは、用紙Pの搬送方向(描画ドラム42の回転方向)と直交する方向に延在するように設置される。
描画ドラム42は、図示を省略するが、その外周面に吸引孔を備えるとともに、吸引孔から用紙Pの吸引を行う吸引装置が接続されている。これにより、用紙Pが描画ドラム42の周面に吸引され、用紙Pを描画ドラム42の周面に密着保持することができる。
描画ドラム42上に密着保持された用紙Pの記録面に向かって、画像データに応じたドットデータに基づいて、各インクジェットヘッド44M、44K、44C、44Yから、対応する色インクの液滴が吐出されることにより、処理液付与部14で予め記録面に付与された処理液にインクが接触し、インク中に分散する顔料、樹脂粒子が凝集し、凝集体が形成される。これにより、用紙P上での顔料流れなどが防止され、用紙Pの記録面に画像が形成される。
描画部16で画像が形成された用紙Pは、描画ドラム42から中間搬送部46(渡し胴40)を介して乾燥部18へ受け渡される。乾燥部18は、外周面に用紙Pを保持して回転搬送する乾燥ドラム48と、乾燥手段としての2つのIR(赤外線)ヒータ50、IRヒータ50の間に配置された温風発生装置52、及び乾燥ドラム48を冷却する冷却ローラ54とで構成されている。
乾燥ドラム48は、処理液ドラム28と同様に、その外周面に爪形状のグリッパー32を複数備え、このグリッパー32によって用紙Pの先端を保持できるようにされている。また、乾燥ドラム48の内部に設けられた図示しない加熱板により、乾燥ドラム48の表面温度は、50℃以上に設定されている。用紙Pの裏面から加熱を行なうことによって乾燥が促進され、定着時における画像破壊を防止することができる。
なお、乾燥ドラム48の表面温度の上限については、特に限定されるものではないが、乾燥ドラム48の表面に付着したインクをクリーニングするなどのメンテナンス作業の安全性(高温による火傷防止)の観点から75℃以下(より好ましくは60℃以下)に設定されることが好ましい。
乾燥ドラム48の外周面に沿って設けられた温風発生装置52、及びIRヒータ50は、用紙Pの記録面側から熱を与えて乾燥させる。ここで、用紙Pに向けて吹き付けられる温風の温度と風量、各IRヒータ50の温度は、図示しない温度センサによって検知され、制御部76に温度情報として送られる。この温度情報に基づいて制御部76が温風の温度と風量、各IRヒータ50の温度を適宜調節することにより、様々な乾燥条件が実現される。
ここで、乾燥ドラム48の表面温度が高い方が用紙Pの伸縮が少ないことが判明しているので、上記の安全性を損なわない程度に乾燥ドラム48の表面温度は高い方がカックルの影響を少なく抑えることができる。また、乾燥ドラム48の外周面に、用紙Pの記録面が外側を向くように(即ち、用紙Pの記録面が凸側となるように湾曲させた状態で)保持し、回転搬送しながら乾燥することで、用紙Pのシワや浮きの発生を防止でき、これらに起因する乾燥ムラを防止することができる。
乾燥後のインク水分の残水量は1g/m以上3.5g/m未満が好ましい。3.5g/m以上水分を残存させてしまうと、後述する定着ローラ60、62へのオフセットが発生してしまい、また、1g/m以下だと用紙Pの内部にしみ込んだ水分も蒸発させることになるので、多大なエネルギーが必要になるからである。
また、乾燥ドラム48右下方には、乾燥ドラム48の外周面に沿って冷却ローラ54が設けられている。冷却ローラ54は、乾燥ドラム48と接触することで、乾燥ドラム48を冷却させる。冷却ローラ54の詳細については後述する。
乾燥部18で乾燥処理が行なわれた用紙Pは、乾燥ドラム48から中間搬送部56を介して定着部20の定着ドラム58へ受け渡される。定着部20は、定着ドラム58、第1の定着ローラ60、第2の定着ローラ62、及びインラインセンサ64で構成されている。
定着ドラム58は、処理液ドラム28と同様に、その外周面に爪形状のグリッパー32を備え、このグリッパー32によって用紙Pの先端を保持できるようにされている。この定着ドラム58の回転により、用紙Pは記録面が外側を向くようにして搬送され、この記録面に対して第1の定着ローラ60と第2の定着ローラ62による定着処理とインラインセンサ64による検査が行なわれる。
第1の定着ローラ60及び第2の定着ローラ62は、インクを加熱加圧することによって、インク中の樹脂粒子(特に自己分散性ポリマー粒子)を溶着し、インクを皮膜化させるためのローラ部材であり、用紙Pを加熱加圧するように構成される。
具体的には、第1の定着ローラ60及び第2の定着ローラ62は、定着ドラム58に対して圧接するように配置されており、定着ドラム58との間でニップローラを構成する。これにより、用紙Pは、第1の定着ローラ60及び第2の定着ローラ62と定着ドラム58との間に挟まれ、所定のニップ圧(例えば0.3MPa)でニップされ、定着処理が行なわれる。
また、第1の定着ローラ60及び第2の定着ローラ62は、熱伝導性の良いアルミなどの金属パイプ内にハロゲンランプを組み込んだ加熱ローラによって構成され、所定の温度(例えば60〜80℃)に制御される。
これらの加熱ローラで用紙Pを加熱することによって、インクに含まれる樹脂粒子(ラテックス)のTg(ガラス転移温度)以上の熱エネルギーが付与され、樹脂粒子が溶融されることにより、用紙Pの凹凸に押し込み定着が行なわれるとともに、画像表面の凹凸がレベリングされ、光沢が得られる。
インラインセンサ64は、用紙Pに定着された画像について、チェックパターンや水分量、表面温度、光沢度などを計測するための計測手段であり、CCDラインセンサなどが適用される。
定着部20によれば、乾燥部18で形成された薄層の画像層内の樹脂粒子が定着ローラ60、62によって加熱加圧されて溶融されるので、用紙Pに定着させることができる。また、定着ドラム58の表面温度は50℃以上に設定され、定着ドラム58の外周面に保持された用紙Pを裏面から加熱することによって乾燥が促進され、定着時における画像破壊を防止することができると共に、画像温度の昇温効果によって画像強度を高めることができる。
定着部20の記録媒体搬送方向の下流側には排紙部22が設けられている。排紙部22は、排出トレイ66を備えており、この排出トレイ66と定着部20の定着ドラム58との間に、これらに対接するように渡し胴70、搬送ベルト68、張架ローラ72が設けられている。用紙Pは、渡し胴70により搬送ベルト68に送られ、排出トレイ66に排出される。
また、排出トレイ66に冷風噴出ノズル74が併設されており、冷風噴出ノズル74から冷風を送風することにより用紙Pの冷却が行なえるようにされている。
また、図1には図示しないが、インクジェット記録装置10には、上記構成の他、各インクジェットヘッド44M、44K、44C、44Yにインクを供給するインク貯留タンク、処理液付与部14に対して処理液を供給する手段を備えると共に、各インクジェットヘッド44M、44K、44C、44Yのクリーニング(ノズル面のワイピング、パージ、ノズル吸引等)を行なうヘッドメンテナンス部や、媒体搬送路上における用紙Pの位置を検出する位置検出センサ、装置各部の温度を検出する温度センサなどを備えている。
さらに、図1に示すインクジェット記録装置10では、排出トレイ66に用いるシーズニング装置を複数台備えるとともに、各シーズニング装置を排紙部22と給紙部12との間で移動できる構成としてもよい。
また、インクジェットヘッド44M、44K、44C、44Y、インラインセンサ64、及び給紙部12は、制御部76に接続されている。制御部76は、図示しないホストコンピュータに接続されており、使用者がホストコンピュータへ入力した印刷ジョブを取得して、印刷ジョブに係る画像データをドットデータに変換してインクジェットヘッド44M、44K、44C、44Yへ転送する。
ここで、用紙P上に画像を形成する際には、画像データの処理速度と用紙Pの搬送速度が釣り合っていることが好ましい。ここでいう画像データの処理速度とは、制御部76が画像データをドットデータに変換する速度と、このドットデータをインクジェットヘッド44M、44K、44C、44Yへ転送する転送速度との合計の処理速度を指す。この画像データの処理速度が遅いと、用紙Pの搬送速度も遅くしなければならず、画像形成効率が悪くなる。また、用紙Pの搬送速度は、インクジェットヘッド44M、44K、44C、44Yからのインク吐出に都合が良い周波数や、装置振動を抑制するために、固有振動数を避けるなどの対応が必要であるため、なるべく変化させない方がよい。
このため、両者の速度の違いを吸収するために、画像データの処理速度が用紙Pの搬送速度に追いつかない場合は、描画ドラム42に搬送する用紙Pを間引くなどの対応がとられる。例えば、描画ドラム42の一方の面(A面)には用紙Pを搬送し、描画ドラム42の他方の面(B面)には用紙Pを搬送しない、といったスキップ搬送モード(間引き搬送モード)で搬送が行われる。そして、描画ドラム42のA面に保持された用紙Pにのみ画像を形成する。例えば、雑誌などのカラー画像で1枚1枚の画像が異なるときに、画像データの転送速度が用紙Pの搬送速度に追いつかなくなることが多い。本実施形態では、1枚1枚異なるカラー画像を印刷する印刷ジョブが入力されると、制御部76がスキップ搬送モードで搬送を行うように制御されている。
<第1実施形態>
次に、本実施形態に係る乾燥部18の詳細を説明する。図2に示すように、乾燥ドラム48は、インクジェット記録装置10の筐体に回転可能に支持された円柱状の回転体であり、乾燥ドラム48の外周面48Aには、中心部を挟んで対向する位置に2つの凹部76が設けられている(図3参照)。
凹部76は、乾燥ドラム48の幅方向に形成されており、凹部76には、保持部材としての爪形状のグリッパー32が軸部78を中心に回転可能に取り付けられている。グリッパー32は、乾燥ドラム48の幅方向に延びており、グリッパー32と乾燥ドラム48の外周面48Aとの間に用紙Pの搬送方向前端部を挟んで、用紙Pを回転搬送する。
乾燥ドラム48の幅方向両端部には、乾燥ドラム48の周方向に延びる周方向溝48Bが形成されている。周方向溝48Bは、一方の凹部76の近傍から他方の凹部76の近傍まで延びており、乾燥ドラム48の片面(A面)にだけ形成されている。また、周方向溝48Bは、用紙Pがグリッパー32に保持される用紙搬送領域80より幅方向外側に形成されている。
乾燥ドラム48の外周面48Aに沿って設けられた冷却手段としての冷却ローラ54は、乾燥ドラム48より小径の円柱体であり、熱伝導率が高い樹脂で形成されている。冷却ローラ54の幅は、乾燥ドラム48の幅と同一の幅に形成されており、冷却ローラ54の幅方向両端部の外周面54Aには、径方向外側へ突出した冷却制御部材としての環状突起82が形成されている。なお、冷却ローラ54の表面を放熱シート等の放熱材でコーティングしてもよい。
環状突起82は、乾燥ドラム48のA面に形成された周方向溝48Bと係合する位置に形成されており、冷却ローラ54の外周面54Aから突出した環状突起82の高さは、周方向溝48Bの溝深さとほぼ同じ高さに形成されている。すなわち、環状突起82が周方向溝48Bに係合した状態では、冷却ローラ54の外周面54Aと乾燥ドラム48の外周面48Aとが接触するように構成されている。
冷却ローラ54の回転軸84は、冷却ローラ54を跨ぐU字形状のフレーム86の側壁86Bに回転可能に支持されている。フレーム86は、平板の両端部を折り曲げて、冷却ローラ54の下方に位置する下壁86Aと、下壁86Aの両端部から垂直に延びる側壁86Bとで構成されており、側壁86Bがガイドレール83に係合して上下方向にガイドされる。また、下壁86Aの両端部、及び中央部には、付勢部材としての3つの圧縮バネ88が接続されている。圧縮バネ88の他端側は、フレーム86の下方に位置する平板90の両端部、及び中央部に接続されている。この圧縮バネ88によって、冷却ローラ54が乾燥ドラム48側へ付勢されている。
平板90の下面には、電動シリンダ92のロッド92Bが接続されている。電動シリンダ92は、シリンダ本体92Aと、シリンダ本体92Aから突出したロッド92Bとで構成されている。ロッド92Bの内部には雌ネジ部が形成されており、シリンダ本体に設けれたボールネジが雌ネジ部と係合している。ここで、シリンダ本体92Aの内部のモータに電圧を印加すると、ボールネジが回転してロッド92Bを上下させ、冷却ローラ54を乾燥ドラム48へ当接させたり、冷却ローラ54を乾燥ドラム48から離間させる。なお、モータの代わりにソレノイドを設けてソレノイド駆動としてもよい。
図3に示すように、乾燥ドラム48の下方には、搬送手段温度センサとしての第1温度センサ94が設けられており、冷却ローラ54の左下方には、冷却ローラ温度センサとしての第2温度センサ96が設けられている。
第1温度センサ94及び第2温度センサ96は、赤外線温度センサであり、乾燥ドラム48の外周面48Aの温度、及び冷却ローラ54の外周面48Aの温度を非接触で測定する。また、第1温度センサ94及び第2温度センサ96は、制御部76に接続されており、制御部76は、第1温度センサ94及び第2温度センサ96が測定した乾燥ドラム48の温度及び冷却ローラ54の温度を取得する。
次に、図3、4を参照して、冷却ローラ54による乾燥ドラム48の冷却方法を説明する。なお、冷却ローラ54を支持しているフレーム60、圧縮バネ62、及び電動シリンダ92は説明の便宜上、省略している。
図3に示すように、冷却ローラ54が乾燥ドラム48のB面に対向した状態では、冷却ローラ54の環状突起82が乾燥ドラム48の外周面48Aに接触して、互いに矢印の方向に回転している。このため、乾燥ドラム48の外周面48Aと冷却ローラ54の外周面54Aとの間には、環状突起82の高さH分だけ隙間が開いており、乾燥ドラム48のB面の熱は、冷却ローラ54へ伝達されない。すなわち、乾燥ドラム48のB面は冷却ローラ54に冷却されない。なお、環状突起82の高さHは、グリッパー32の爪の厚みより高くなっているので、冷却ローラ54の外周面54Aがグリッパー32に接触することはない。
次に、図3の状態から乾燥ドラム48及び冷却ローラ54が矢印の方向に回転すると、図4に示すように、乾燥ドラム48のA面が冷却ローラ54に対向した状態となる。ここで、冷却ローラ54の環状突起82は、乾燥ドラム48の周方向溝48Bに係合し、乾燥ドラム48の外周面48Aと冷却ローラ54の外周面48Aとが接触する。これにより、乾燥ドラム48の熱が冷却ローラ54へ伝達され、乾燥ドラム48のA面が冷却される。
図4の状態から更に乾燥ドラム48が回転すると、冷却ローラ54は、グリッパー32を通過して乾燥ドラム48のB面に差し掛かる。すると、冷却ローラ54の環状突起82が乾燥ドラム48のA面の外周面48Aに乗り上げ、乾燥ドラム48の外周面48Aと冷却ローラ54の外周面48Aは離される(図3参照)。なお、本実施形態では、乾燥ドラム48の外周面に沿って冷却ローラ54を設けたが、例えば、定着ドラム58や渡し胴40の外周面に沿って、同様の冷却ローラ54を設けてもよい(図1参照)。また、ドラム搬送に限らず、例えば、ベルト搬送であっても本発明を適用できるのは勿論である。この場合、搬送ベルトの外周面に沿って冷却ローラ54を配置する。
ここで、図5のフローチャートに沿って、スキップ搬送モード時の冷却ローラ54の動作について説明する。初めに、図1のインクジェット記録装置10に対して、1枚1枚異なるカラー画像を印刷する印刷ジョブが入力されると、制御部76は、給紙部12に対して、スキップ搬送モードで搬送を行うように命令し、描画ドラム42の片面だけに用紙Pを保持させて画像を形成させる。このとき、描画ドラム42に保持された用紙Pは、乾燥ドラム48のB面の用紙搬送領域80だけに保持され、A面には用紙Pが保持されない。
次に、図5のステップ100で、冷却ローラ54が乾燥ドラム48から離間した初期位置に待機しているか否かを判断する。冷却ローラ54が乾燥ドラム48から離間していなければ、ステップ102で電動シリンダ92を駆動させて、冷却ローラ54を初期位置へ移動させる(図2参照)。
ステップ104では、制御部76は、第2温度センサ96が測定した冷却ローラ54の温度を取得する(図3参照)。その後、ステップ106では、制御部76は、冷却ローラ54の温度が所定温度より高いかどうかを判断する。本実施形態では、制御部76は、冷却ローラ54の温度が85℃より高いかどうかを判断する。
冷却ローラ54の温度が85℃より高ければ、ステップ100に戻るが、スキップ搬送モードの開始時には、冷却ローラ54の温度は常温(85℃以下)なので、ステップ108へ進む。ステップ108では、制御部76は、第1温度センサ94が測定した乾燥ドラム48の温度を取得する(図3参照)。ここで、乾燥ドラム48は、IR(赤外線)ヒータ50、及び温風発生装置52によって加熱されるが、用紙Pを保持している乾燥ドラム48のB面は、用紙Pに熱を奪われるので、温度が上昇しない。
一方、乾燥ドラム48のA面は、スキップ搬送モード時には用紙Pが保持されないので、熱が奪われず、時間の経過と共に温度が上昇する。この結果、乾燥ドラム48のA面とB面の間に温度差が生じ、乾燥ドラム48の搬送方向(周方向)に温度ムラが発生する。ここで、図5のステップ108では、制御部76は、第1温度センサ94が測定した温度を一定時間(乾燥ドラム48が1周する時間)取得して、その中の最高温度を乾燥ドラム48の温度とする。
ステップ110では、制御部76が取得した乾燥ドラム48の温度が所定温度より低いかどうかを判断する。本実施形態では、制御部76は、乾燥ドラム48の温度が60℃より低いかどうかを判断する。乾燥ドラム48の温度が60℃より高ければ、ステップ112へ進む。なお、乾燥ドラム48のA面は用紙Pに熱が奪われないため、60℃以上となっている。
ステップ112では、図2に示すように、電動シリンダ92を駆動させて、冷却ローラ54を初期位置から乾燥ドラム48に接触する位置へ移動させる。乾燥ドラム48へ接触した冷却ローラ54は、図3、4に示すように、乾燥ドラム48に従動回転して、上述したように乾燥ドラム48のA面だけを冷却する。このようにして、冷却ローラ54を乾燥ドラム48へ移動させるだけでA面だけを冷却できるので、複雑な制御を必要としない。
次に、ステップ114では、制御部76は、スキップ搬送モードが終了したかどうかを判断する。スキップ搬送モードが終了していれば、ステップ116へ進んで冷却ローラ54を乾燥ドラム48から離間して初期位置まで移動させ、乾燥ドラム48の冷却を終了する。また、スキップ搬送モードが終了していないときは、ステップ104へ戻って、再び冷却ローラ54の温度を測定する。
ここで、冷却ローラ54を乾燥ドラム48へ接触させて、一定時間が経過すると、冷却ローラ54の温度は、乾燥ドラム48から奪った熱により85℃より高くなる(過昇温)。この場合、ステップ106からステップ100へ進み、ステップ102で電動シリンダ92が冷却ローラ54を乾燥ドラム48から離間させ、初期位置に移動させる。
初期位置まで移動した冷却ローラ54は、乾燥ドラム48から伝達された熱を放熱することで、自然冷却する。冷却ローラ54の温度が85℃以下になると、図5のステップ106からステップ108へ進む。
また、IRヒータ50及び温風発生装置52が乾燥ドラム48を加熱する加熱量より、冷却ローラ54による冷却効果の方が大きい場合、乾燥ドラム48が60℃より低い温度まで過冷却される。このとき、ステップ110からステップ100へ進み、ステップ102で電動シリンダ92が駆動して、冷却ローラ54を乾燥ドラム48から離間させ、初期位置へ移動させる(図2参照)。これにより、乾燥ドラム48は再び昇温し、過冷却が抑制される。
なお、本実施形態では、冷却ローラ54の温度が85℃より高くなると、電動シリンダ92が冷却ローラ54を初期位置まで移動させ、冷却ローラ54を自然冷却させていたが、例えば、図6に示すように、冷却ローラ54を支持するフレーム87の下壁87Aにファン98を取り付けてもよい。この場合、冷却ローラ54の温度が85℃より高くなると、ファン98から送風を開始させ、冷却ローラ54を冷却することができる。また、冷却ローラ54が乾燥ドラム48に接触している状態で、ファン98から冷却ローラ54へ送付することで、冷却ローラ54の温度が上昇するのを抑制し、効率良く乾燥ドラム48を冷却することができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係る乾燥部150について説明する。なお、第1実施形態と同じ構成のものは同符号を付すると共に、適宜省略して説明する。図7に示すように、乾燥部150は、乾燥ドラム152と、乾燥ドラム152の周囲に設けられた2つの冷却ローラ154、156を備えている。
乾燥ドラム152は、インクジェット記録装置10の筐体に回転可能に支持された円柱状の回転体であり、乾燥ドラム152の外周面152Aに設けられた凹部158には、爪形状のグリッパー32が設けられている。
乾燥ドラム152の幅方向両端部には、凹部158を挟んで周方向に延びる2つの周方向溝152B、152Cが形成されている。周方向溝152B、152Cは、一方の凹部158の近傍から他方の凹部158の近傍まで延びており、乾燥ドラム152のA面には周方向溝152Bが形成され、B面には周方向溝152Cが形成されている。
また、周方向溝152Bの中心線CL1と、周方向溝152Cの中心線CL2は、乾燥ドラム152の軸方向にずらして形成されている。さらに、周方向溝152B、152Cは、同じ深さで形成されている。
冷却ローラ154の幅方向両端部の外周面154Aには、径方向外側へ突出した環状突起160が形成されている。環状突起160は、乾燥ドラム152の周方向溝152と係合する位置に形成されており、環状突起160の高さは、周方向溝152Bの溝深さとほぼ同じ高さに形成されている。また、冷却ローラ156の幅方向両端部の外周面156Aには、径方向外側へ突出した環状突起162が形成されている。環状突起162は、乾燥ドラム152の周方向溝152Cと係合する位置に形成されており、環状突起162の高さは、環状突起160の突出長さと同じ長さに形成されている。また、冷却ローラ154、156を支持するフレーム60、付勢部材としての圧縮バネ62、及び電動シリンダ92の構成は第1実施形態と同様であり、図示を省略している。
図8に示すように、乾燥ドラム152の上方には、第1実施形態と同様に、2つのIRヒータ50が設けられており、IRヒータ50間には、温風発生装置52が設けられている。また、乾燥ドラム152の下方には、第1温度センサ94が設けられており、冷却ローラ154の左下方、及び冷却ローラ156の右下方にはそれぞれ、第2温度センサ96が設けられており、乾燥ドラム152、冷却ローラ154、156の表面温度を非接触で測定する。第1温度センサ94、及び第2温度センサ96は、制御部76に接続されており、制御部76は、第1温度センサ94、及び第2温度センサ96が測定した温度を取得する。
冷却ローラ154、156は、電動シリンダ92によって乾燥ドラム152に接触、又は乾燥ドラム48から離間可能になっており、図8では、冷却ローラ154が乾燥ドラム152に接触しており、冷却ローラ156が乾燥ドラム152から離間した初期位置にある状態を示している。また、フレーム60、圧縮バネ62、及び電動シリンダ92は、説明の便宜上省略している。
ここで、冷却ローラ154は、乾燥ドラム152のA面と対向しており、周方向溝152Bと係合した状態となっている。この状態では、冷却ローラ154の外周面154Aが乾燥ドラム152の外周面152Aと接触しており、冷却ローラ154と乾燥ドラム152は互いに矢印の方向に回転する。
続いて、乾燥ドラム152が回転して、グリッパー32が冷却ローラ154を通り過ぎると、環状突起160と周方向溝152Cは係合しないため、環状突起160は、乾燥ドラム152のB面の外周面152Aに乗り上げて、環状突起160と乾燥ドラム152の外周面152Aとが接触した状態で回転する。このため、冷却ローラ154の外周面154Aは、乾燥ドラム152の外周面152Aから離され、環状突起160の突出高さHだけ隙間が開く。
また、冷却ローラ156の環状突起162は、乾燥ドラム152のB面の周方向溝152Cと係合する。このため、冷却ローラ156が乾燥ドラム152のA面に従動回転している状態では、冷却ローラ156の環状突起162は、乾燥ドラム152の外周面152Aと接触するので、冷却ローラ156の外周面156Aと乾燥ドラム152の外周面152Aとの間には隙間が開く。また、冷却ローラ156が乾燥ドラム152のB面に従動回転している状態では、冷却ローラ156の環状突起162は、周方向溝152Cと係合して、冷却ローラ156の外周面156Aと乾燥ドラム152の外周面152Aとが接触する。
次に、図9のフローチャートに沿って、本実施形態の冷却ローラ154、156が乾燥ドラム152を冷却するまでの処理について、説明する。初めに、インクジェット記録装置10に印刷ジョブが入力されると、制御部76は、入力された印刷ジョブの内容を確認する(ステップ200)。
次に、ステップ202では、制御部76は、ホストコンピュータへ入力された印刷ジョブから、スキップ搬送モードを行うかどうかを判断する。印刷ジョブが、1枚1枚異なるカラー画像を印刷する印刷ジョブであった場合、スキップ搬送を行うので、ステップ204へ進む(ここではB面だけを使用する)。また、入力された印刷ジョブが、1枚1枚異なるカラー画像を印刷する印刷ジョブではなかったときは、スキップ搬送を行わないので、乾燥ドラム152の搬送方向(周方向)に温度ムラが生じることがない。このため、図9のフローは終了する。
スキップ搬送モードでは、制御部76は、描画ドラム42の片面だけに用紙Pを保持させ、描画ドラム42の片面にだけ画像を形成させるようにインクジェットヘッド44M、44K、44C、44Yに命令する(図1参照)。画像が形成された用紙Pは、乾燥ドラム152のB面に保持されて搬送される。また、冷却ローラ154、156は、スキップ搬送の開始直後は、乾燥ドラム152から離間した初期位置に待機している。
次に、ステップ204では、制御部76は、次の印刷ジョブがスキップ搬送モードで搬送する印刷ジョブであるかを判断する。次の印刷ジョブが1枚1枚異なるカラー画像を印刷する印刷ジョブであった場合、次の印刷ジョブで乾燥ドラム152の冷却を行うので、現在の印刷ジョブでは乾燥ドラム152の冷却は行わない。
次の印刷ジョブがスキップ搬送を行わない印刷ジョブである場合、又は、次のジョブが入力されていない場合は、現在の印刷ジョブで乾燥ドラム152を冷却するため、ステップ206へ進む。ステップ206では、制御部76は、用紙Pへ吐出される1枚当たりの吐出インク量を算出し、このインク量が所定量より多いかどうかを判断する。具体的には、制御部76は、印刷ジョブに係る画像データをドットデータに変換して、このドットデータをインクジェットヘッド44M、44K、44C、44Yへ転送する際に、ドットデータに含まれるドット数と、1ドット当たりのインク量から吐出インク量を算出する。本実施形態では、一例として、用紙Pの全領域にインクを吐出した場合の吐出インク量を100とした場合に、ドットデータから算出された吐出インク量が20より多いかどうかを判断する。
吐出インク量が20より多い場合、ステップ210へ進み、図7に示すように、乾燥ドラム152のA面だけを冷却する。すなわち、冷却ローラ154側の電動シリンダ92を駆動させ、冷却ローラ154を乾燥ドラム152へ接触させる。冷却ローラ154の外周面154Aは、上述したように、乾燥ドラム152のA面の外周面152Aにだけ接触するため、用紙Pを搬送しない乾燥ドラム152のA面だけが冷却される。
吐出インク量が20以下の場合、図9のステップ212へ進み、冷却ローラ154と冷却ローラ156の両方を乾燥ドラム152へ接触させ、乾燥ドラム152の両面(A面、B面)を冷却する。これは、吐出インク量が20より少なければ、インクの気化熱によって乾燥ドラム152から奪う熱量が少ないため、用紙Pを搬送する乾燥ドラム152のB面の温度も上昇するためである(図8参照)。
乾燥ドラム152のA面及びB面を冷却する場合は、図7に示すように、冷却ローラ154、及び156の電動シリンダ92を駆動させ、冷却ローラ154、156を乾燥ドラム152へ接触させる。冷却ローラ154は、乾燥ドラム152のA面だけを冷却し、冷却ローラ156は、乾燥ドラム152のB面だけを冷却する。
以上の手順で乾燥ドラム152の冷却が開始されると、次に、第1実施形態で説明した図5のフローチャートに沿って、乾燥ドラム152の冷却を行う。すなわち、冷却ローラ154、156の温度や乾燥ドラム152の温度を測定し、それぞれの温度に応じて冷却ローラ154、156を乾燥ドラム152から離間させて初期位置へ移動させたり、初期位置の冷却ローラ154、156を乾燥ドラム152へ接触させたりする。
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態に係る乾燥部300について説明する。なお、第1実施形態と同一の構成については同一の符号を付し、説明を省略する。図10に示すように、乾燥部300は、主として円柱状の乾燥ドラム302と冷却ローラ304で構成されている。
乾燥ドラム302は、インクジェット記録装置10の筐体に軸支された円柱状の回転体であり、乾燥ドラム302の外周面302Aには、中心部を挟んで対向する位置に2つの凹部306が設けられている。
凹部306は、乾燥ドラム302の幅方向に沿って形成されており、凹部306の底部には、爪形状のグリッパー32が設けられている。また、乾燥ドラム302の幅方向両端部には、乾燥ドラム302の周方向に延びる周方向突起302Bが突設されている。周方向突起302Bは、一方の凹部306から他方の凹部306まで延びており、乾燥ドラム48の片面(B面)にだけ形成されている。また、周方向突起302Bは、用紙Pがグリッパー32に保持される用紙搬送領域54より幅方向外側に形成されており、グリッパー32より突出している。
乾燥ドラム302には、樹脂製の冷却ローラ304が接触しており、互いに矢印の方向に回転している。冷却ローラ304は、円柱状の回転体であり、乾燥ドラム302と同じ幅に形成されている。また、冷却ローラ304の外周面304Aには、溝も突起もないので、汎用のローラを用いることができる。
冷却ローラ304は、フレーム60に回転可能に支持されており、フレーム60に取り付けられた圧縮バネ62によって乾燥ドラム302側に付勢されている。また、圧縮バネ62を受ける平板64には、電動シリンダ92が接続されており、この電動シリンダ92を駆動させることで、冷却ローラ304を乾燥ドラム302から離間し、又は乾燥ドラム302側へ移動させることができる。
本実施形態に係る乾燥ドラム302のB面の両端部には、周方向突起302Bが突設されているので、冷却ローラ304は、B面に差し掛かると、周方向突起302Bの上に乗り上げて、周方向突起302Bと冷却ローラ304の両端部の外周面48Aが接触した状態で回転する。これにより、冷却ローラ304は、乾燥ドラム302の外周面302Aから離間し、周方向突起302Bの突出分だけ隙間が開く。
更に回転して、乾燥ドラム302のA面に差し掛かると、再び冷却ローラ304の外周面304Aと乾燥ドラム302の外周面Aが接触する。このようにして、冷却ローラ304は、乾燥ドラム302のA面だけを冷却できる。なお、その他の構成、及び冷却の手順については、第1実施形態と同様である。
<第4実施形態>
次に、本発明の第4実施形態に係る乾燥部320について説明する。なお、第1実施形態と同一の構成については同一の符号を付し、説明を省略する。図11に示すように、乾燥部320は、主として円柱状の乾燥ドラム322、冷却ファン324、及びスイッチユニット326で構成されている。
乾燥ドラム322の外周面322Aの凹部326には、グリッパー32が設けられており、乾燥ドラム322の幅方向端部には、乾燥ドラム322の周方向に延びる周方向溝322Bが形成されている。周方向溝322Bは、一方の凹部326から他方の凹部326まで延びており、乾燥ドラム322の片面(B面)にだけ形成されている。
乾燥ドラム322の斜め下方には、送風器としての冷却ファン324が設けられている。冷却ファン324は、送風面324Aを乾燥ドラム322へ向けて、図示しないインクジェット記録装置10の筐体に取り付けられている。また、冷却ファン324の内部には、図示しない軸流ファンが幅方向に配設されており、乾燥ドラム322の幅方向にわたって送風を行う。
乾燥ドラム322の軸方向端部の外周面322Aには、スイッチユニット326を構成するスイッチ円板328が接触している。スイッチ円板328は、導電性の軸部329に回転可能に支持されており、スイッチ円板328の厚みは、周方向溝322Bの溝幅より薄くされている。
スイッチ円板328の軸部329は、ユニット本体330の支持板330Bに形成された長孔332へ挿入されている。支持板330Bは、制御BOX330Aの両端から上方に延出しており、長孔332の下側の孔壁には、導電性のパッド333が設けられている。このパッド333は、制御BOX330A内の回路基板まで配線で接続されている。軸部329は、制御BOX330Aに一端が固定された圧縮バネ331に接続されており、上方へ付勢されている。また、冷却ファン324とスイッチユニット326は、制御部76に接続されている。
ここで、スイッチ円板328は、常に上方へ付勢されているので、スイッチ円板328が乾燥ドラム322の外周面322Aと接触している状態では、スイッチ円板328の軸部329は、長孔332を下方へ移動し、パッド333に接触している。
軸部329がパッド333に接触すると、軸部329を介してパッド間が導通し、制御BOX330A内の回路基板からスイッチONの信号が冷却ファン324へ発信される。また、軸部52がパッドから離れると、パッド間の導通が遮断され、回路基板からスイッチOFFの信号が冷却ファン324へ発信される。
次に、本実施形態に係る冷却ファン324による冷却方法について説明する。図11の状態では、乾燥ドラム322の外周面322Aにスイッチ円板328が接触して互いに矢印の方向に回転している。ここで、スイッチ円板328は、乾燥ドラム322から押圧されているので、スイッチ円板328の軸部52が下方へ移動してパッドに接触し、パッド間が導通する。これにより、冷却ファン324のスイッチがONとなり、送風が開始される。
また、乾燥ドラム322のB面に差し掛かると、スイッチ円板328は周方向溝322Bに係合して、周方向溝322Bの溝底に接触して回転する。ここで、スイッチ円板328の軸部52は、圧縮バネ331に押し上げられて、周方向溝322Bの溝深さ分だけ長孔332を上方に移動し、パッド間の導電が遮断される。このため、冷却ファン324のスイッチがOFFとなり、送風が停止する。以上のようにして、乾燥ドラム322のA面だけを冷却できる。
なお、本実施形態では、冷却ファン324のスイッチをON/OFFすることで、冷却ファンの駆動・駆動停止を行ったが、この方法に限定されない。例えば、図12に示すように、冷却ファン324の送風面324Aを覆うシャッター334を取り付けて、このシャッター334を開閉させることで、乾燥ドラム322の冷却を行ってもよい。
図12に示すように、乾燥ドラム322に対向配置された冷却ファン324には、電動シャッター334が回転可能に取り付けられており、電動シャッター334を駆動させて、冷却ファン324の送風面324Aを覆うことで、乾燥ドラム322への送風が遮られる。
また、乾燥ドラム322の幅方向端部の外周面322Aには、A面とB面の境界部分に突起322Cが形成されている。突起322Cは、乾燥ドラム322の中心部を挟んで対向する位置に2つ設けられており、2つとも乾燥ドラム322の幅方向一端側に形成されている。
さらに、乾燥ドラム322の外周面に沿って、スイッチユニット336が設けられている。スイッチユニット336は、乾燥ドラム322の一端部に対向しており、スイッチユニット336から乾燥ドラム322側へスイッチレバー338が突出している。スイッチレバー338は、スイッチユニット336に回転可能に取り付けられており、スイッチユニット336に支持されて水平になっている。また、冷却ファン324とスイッチユニット336は、制御部76に接続されている。
ここで、矢印の方向に回転している乾燥ドラム322の突起322Cがスイッチレバー338に接触すると、スイッチレバー338が跳ね上げられる。すると、スイッチユニット336から冷却ファン324へ電動シャッター334のモータを駆動させる信号が発信され、電動シャッター324が回転軸周りに正回転して開く。このとき、冷却ファン324は、乾燥ドラム322のA面と対向しているので、乾燥ドラム322のA面の外周面322Aに送風(冷却)される。また、跳ね上げられたスイッチレバー338は、自重で元の位置に戻る。
次に、乾燥ドラム322が180度回転して、突起322Dがスイッチレバー338に接触すると、スイッチレバー338が跳ね上げられる。すると、スイッチユニット336から冷却ファン324へ電動シャッター334のモータを駆動させる信号が発信され、電動シャッター324が回転軸周りに逆回転して閉じる。このとき、冷却ファン324は、乾燥ドラム322のB面と対向しているので、乾燥ドラム322のB面は送風(冷却)されない。以上のように、スイッチレバー338が跳ね上げられる度に、冷却ファン324の電動シャッター334を開閉させることで、乾燥ドラム322のA面だけを冷却できる。
なお、本実施形態では、スイッチレバー338が跳ね上げられることで、冷却ファン324へ信号を送っていたが、この構成に限定されない。例えば、図11のスイッチ円板328を用いてもよく、また、押しボタン等のスイッチを用いてもよい。
以上、本発明の第1〜第4実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に限定されるものでなく、第1〜第2実施形態を組み合わせて用いてもよいし、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。例えば、乾燥ドラム48は、1周あたり2枚の用紙Pを搬送可能な構造(2倍胴)となっているが、用紙Pを3枚搬送可能な構造(3倍胴)であってもよい。この場合、冷却ローラ54を3つ設けることで、乾燥ドラム48の各面(A面、B面、C面)だけを冷却することができる。
10 インクジェット記録装置(画像形成装置)
44 インクジェットヘッド(液滴吐出ヘッド)
48 乾燥ドラム(搬送手段)
48A 外周面(切替手段)
48B 周方向溝
50 IRヒータ(乾燥手段)
52 温風発生装置(乾燥手段)
54 冷却ローラ(冷却手段)
82 環状突起(冷却制御部材)
86 フレーム
88 圧縮バネ(付勢部材)
94 第1温度センサ(搬送手段温度センサ)
96 第2温度センサ(冷却ローラ温度センサ)
98 ファン(ローラ冷却手段)
152 乾燥ドラム(搬送手段)
152A 外周面(切替手段)
152B 周方向溝
152C 周方向溝
154 冷却ローラ(冷却手段)
156 冷却ローラ(冷却手段)
160 環状突起(冷却制御部材)
162 環状突起(冷却制御部材)
302 乾燥ドラム(搬送手段)
302A 外周面
302B 周方向突起(切替手段)
304 冷却ローラ(冷却手段)
322 乾燥ドラム(搬送手段)
322A 外周面(切替部材)
324 冷却ファン
326 スイッチユニット
336 スイッチユニット

Claims (14)

  1. 外周面に記録媒体を保持して回転搬送する搬送手段と、
    前記搬送手段に保持された前記記録媒体を加熱して乾燥する乾燥手段と、
    前記搬送手段の外周面の記録媒体搬送領域を冷却する冷却手段と、
    前記搬送手段の外周面に設けられた切替手段と、
    前記切替手段と接触又は非接触することで、前記冷却手段によって前記搬送手段を冷却・冷却停止させる冷却制御部材と、
    を有する記録媒体搬送機構。
  2. 前記切替手段は、前記搬送手段の周方向の少なくとも一部に形成された溝、又は突起である請求項1に記載の記録媒体搬送機構。
  3. 前記冷却手段は、前記搬送手段の外周面に接離可能に支持された冷却ローラであり、
    前記切替手段は、前記搬送手段の外周面の端部に形成され、前記搬送手段の周方向に延びる周方向溝であり、
    前記冷却制御部材は、前記冷却ローラの端部に形成され、前記搬送手段の外周面に接触し、又は前記周方向溝に係合して、前記冷却ローラの外周面を接離させる環状突起である請求項2に記載の記録媒体搬送機構。
  4. 前記冷却手段は、前記搬送手段の外周面に接離可能に支持された冷却ローラであり、
    前記切替手段は、前記搬送手段の外周面の端部に形成され、前記搬送手段の周方向に延びる周方向突起であり、
    前記冷却制御部材は、前記周方向突起に接触し、又は前記周方向突起と非接触となり前記搬送手段の外周面に接触して、前記冷却ローラを接離させる前記冷却ローラの端部である請求項2に記載の記録媒体搬送機構。
  5. 前記冷却ローラは、前記搬送手段の周囲に複数設けられ、
    前記周方向溝は、前記搬送手段の回転方向に沿って複数形成されると共に、それぞれの周方向溝が前記記録媒体の搬送方向と直交する方向にずらして形成されている請求項3に記載の記録媒体搬送機構。
  6. 前記冷却ローラを冷却するローラ冷却手段を備えている請求項3〜5の何れか1項に記載の記録媒体搬送機構。
  7. 前記冷却ローラを回転可能に支持し、前記搬送手段に対して接離可能にガイドされたフレームと、
    前記フレームを前記搬送手段へ付勢し、前記冷却ローラを前記搬送手段へ接触させる付勢手段と、
    を有する請求項3〜6の何れか1項に記載の記録媒体搬送機構。
  8. 前記冷却ローラの温度を測定する冷却ローラ温度センサを備え、
    前記冷却ローラ温度センサが測定した前記冷却ローラの温度が所定温度より高くなると、前記冷却ローラを前記搬送手段から離間させる請求項3〜7の何れか1項に記載の記録媒体搬送機構。
  9. 前記搬送手段の温度を測定する搬送手段温度センサを備え、
    前記搬送手段温度センサが測定した前記搬送手段の温度が所定温度より低くなると、前記冷却ローラを前記搬送手段から離間させる請求項3〜8に記載の記録媒体搬送機構。
  10. 前記冷却手段は、前記搬送手段に対向配置された送風機であり、
    前記冷却制御部材は、前記送風機のスイッチであり、
    記切替部材と前記スイッチとが接触又は非接触することで、前記送風機を駆動・駆動停止する請求項1又は2に記載の記録媒体搬送機構。
  11. 前記冷却手段は、前記搬送手段に対向配置された送風機であり、
    前記冷却制御部材は、前記送風機の送風面を覆うシャッターと、前記シャッターを開閉する駆動手段と、前記駆動手段を駆動させるスイッチと、で構成され、
    前記切替部材と前記スイッチとが接触又は非接触することで、前記駆動手段を駆動・駆動停止させ、前記シャッターを開閉する請求項1又は2に記載の記録媒体搬送機構。
  12. 前記搬送手段は、外周面に前記記録媒体を保持する複数の保持部材を備えた乾燥ドラムである請求項1〜11の何れか1項に記載の記録媒体搬送機構。
  13. 前記記録媒体へ液滴を吐出する液滴吐出ヘッドと、
    前記液滴吐出ヘッドによって液滴が吐出された前記記録媒体を搬送する請求項1〜12の何れか1項に記載の記録媒体搬送機構と、
    を有し、
    前記冷却手段は、前記搬送手段が一部の記録媒体搬送領域にのみ前記記録媒体を保持させて回転搬送するスキップ搬送モード時に、前記記録媒体を保持していない前記記録媒体搬送領域の冷却を行うことを特徴とする画像形成装置。
  14. 印刷ジョブに係る画像データをドットデータへ変換して前記液滴吐出ヘッドへ転送する制御部を有し、
    前記制御部は、前記ドットデータから記録媒体へ吐出する液滴量を算出し、該液滴量が所定量以下のとき、前記搬送手段の全ての前記記録媒体搬送領域を前記冷却手段で冷却させる請求項13に記載の画像形成装置。
JP2012049627A 2012-03-06 2012-03-06 記録媒体搬送機構及び画像形成装置 Pending JP2013184327A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012049627A JP2013184327A (ja) 2012-03-06 2012-03-06 記録媒体搬送機構及び画像形成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012049627A JP2013184327A (ja) 2012-03-06 2012-03-06 記録媒体搬送機構及び画像形成装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2013184327A true JP2013184327A (ja) 2013-09-19

Family

ID=49386210

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012049627A Pending JP2013184327A (ja) 2012-03-06 2012-03-06 記録媒体搬送機構及び画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2013184327A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016035378A1 (ja) * 2014-09-01 2016-03-10 富士フイルム株式会社 インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016035378A1 (ja) * 2014-09-01 2016-03-10 富士フイルム株式会社 インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法
JP6082168B2 (ja) * 2014-09-01 2017-02-15 富士フイルム株式会社 インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法
US9815272B2 (en) 2014-09-01 2017-11-14 Fujifilm Corporation Ink jet recording apparatus and ink jet recording method

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5260456B2 (ja) 画像記録装置
JP5335040B2 (ja) 画像形成装置および画像形成方法
US8622505B2 (en) Image forming apparatus including cooling device that cools a recording medium and image forming method including cooling a recording medium
JP5304430B2 (ja) 印刷装置
JP5430640B2 (ja) 画像形成装置
JP2013028022A (ja) 乾燥装置、およびインクジェットプリンタ
JP2012045764A (ja) 画像記録装置および乾燥制御方法
JP2009012414A (ja) 画像形成装置
JPH07304167A (ja) インクジェットプリンタ
US8714683B2 (en) Image recording apparatus and image recording method including a humidifying unit
JP5755415B2 (ja) 画像記録装置および乾燥制御方法
JP6079106B2 (ja) 液体噴射装置
JP2010228442A (ja) 液滴吐出装置
US7134750B2 (en) Ink jet printer
JP5276558B2 (ja) 画像形成装置
JP2013184327A (ja) 記録媒体搬送機構及び画像形成装置
JP4552511B2 (ja) インクジェットプリンタ
JP4896912B2 (ja) 乾燥装置及び画像形成装置
JP2004276437A (ja) 記録装置及びその制御方法
JP2011207112A (ja) 乾燥装置およびこれを備えた画像形成装置
JP2020152037A (ja) 印刷装置および印刷方法
US20210245529A1 (en) Heating roller for ink-based image forming apparatus
KR100644664B1 (ko) 잉크젯 프린터
JP2022020477A (ja) インクジェット記録装置
JP2023045297A (ja) 記録装置