JP2013184290A - レーザー溶接用ラミネート金属箔 - Google Patents

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Abstract

【課題】高いガスバリア性を実現する接合部を構成しうる金属箔を提供する。
【解決手段】金属箔を構成する金属の融点がヒートシール用樹脂の熱分解温度より300℃以上高く、前記金属箔を構成する金属の比重が5以上であるレーザー溶接用ラミネート金属箔を提供する。これは、金属箔をステンレス箔とし、前記ヒートシール用樹脂がポリプロピレンを主とする樹脂とすることなどにより実現することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、ヒートシール後に、ヒートシールした部分の一部をレーザーで溶接することができる、ヒートシール用樹脂をラミネートした金属箔であって、特に蓄電素子ケース用途として用いられるものである。
蓄電池やキャパシターなどの蓄電素子のケースは主に、金属板材を使用して、プレス加工や、捲き締めにより、円筒型や直方体の缶を形成する形式のものと、金属箔をガスバリア層として有する樹脂フィルムを用いて、ヒートシールによりケース(この場合は柔らかいので、袋体ともいう)を形成するパウチ形式のものと、2種類に大別される。
パウチ形式の電池は、ヒートシール用樹脂をラミネートした金属箔(ラミネート金属箔)で包装し、ヒートシール用樹脂同士をヒートシールすることにより蓄電素子部と外界とを遮断した状態で使用される。これは、電池の電解液が外部に遺漏したり、水蒸気が環境から混入したりすることは電池の寿命に致命的であるからである。
従来の、ラミネート金属箔をヒートシールのみで接合した電池セルの場合、ヒートシール部分は電池内部の電解液の漏洩パス、あるいは外環境から内部へ水蒸気などが混入する侵入パスになり、ヒートシール部の経路長さが電池セルの寿命を決めることになる。そのため、電池セルの寿命を長くするにはヒートシール部の経路長を長くすることが有効となるが、一方、ヒートシール部はセル容量とは関係ないため、ヒートシール部の経路長を長くすると、無駄な空間が増え、空間あたりのセル容量が小さくなる。したがって、ヒートシールにより接合するラミネートパックの電池セルには、単位空間あたりのセル容量と電池の寿命というトレードオフの関係がある。
なお、これまで、パウチ型電池ケースに用いられるラミネート金属箔としては、ラミネートアルミニウム箔が使用されてきた。これは、薄い金属箔が得易い、というアルミニウムの特徴と共に、パウチ型ケースが、食品包装用の樹脂パウチ袋体から発展した経緯と関係している。つまり、食品包装パウチ袋では、食品の寿命延長のためにガスバリア性を持たせるべく、アルミニウムがバリア層として蒸着されていた。これを、軽量かつ、ヒートシールにより簡易接合できる電池容器として適用する場合、特に非水電解質を使用するリチウムイオン電池などに於いては、食品よりも格段に厳しいガスバリア性が求められるため、ガスバリア層の信頼性を向上させる必要がある。このため、ガスバリア層のアルミニウムの厚みを厚くした結果、アルミニウム蒸着膜からアルミニウム箔の適用に至ったという経緯による。
例えば、特許文献1には、リチウムイオン電池本体、キャパシタ、電気二重層キャパシタ等の電気化学セル本体を密封収納する外装体、電池外装用包装材として、「基材層と、表面に化成処理が施された金属箔層と、酸変性ポリオレフィン層と、熱接着性樹脂層とを、少なくとも順次積層して構成される電気化学セル用包装材料」が開示されている。ここでは、あくまで「基材層」は樹脂フィルムであり、この表現だけでも、金属箔層が付随的な役割にあることが分かる。実際に明細書内部でも、「金属箔層12は、外部からリチウムイオン電池の内部に水蒸気が浸入することを防止するための層」とされている。
特許文献2には、ポリマー電池用包装材料として、「最外層/バリア層/中間層/最内層からなるポリマー電池用包装材料・・・」と、さらに明らかに、金属箔層(アルミニウム箔層)がバリア層であることが明示されている。
また、特開2000−153577号公報にはヒートシール用積層体の金属箔として実施例として開示されているアルミニウム箔のほか、ステンレス箔を用いることができると記載している。
特開2010−86744号公報 特開2000−340187号公報 特開2000−153577号公報
しかしながら、ラミネートされた樹脂によりヒートシールした接合部は、ヒートシール部は金属により構成されたものではなく樹脂のみで接合部が構成されており、金属層をバリア層として持つ他の部分や、溶接金属缶などの、金属により構成された接合部程のガスバリア性を有しておらず、高いガスバリア性が要求される電池においては十分なガスバリア性を発揮できないという問題がある。
本発明の目的は、高いガスバリア性を実現する接合部を構成しうるラミネート金属箔を提供することにある。
発明者らは、ラミネートされた樹脂により構成されるヒートシール部に、さらにレーザー溶接を併用することで、高いガスバリア性を実現しうることを見出した。
しかし一般に、亜鉛めっき鋼板や、樹脂被覆金属板など、被覆物質(亜鉛や樹脂)の沸点や熱分解温度が、基材(鋼板や金属板)の融点より低い物質を被覆した材料は、レーザー溶接時に、そのような被覆物質がガス化して溶融状態にある溶接金属を吹き飛ばし、健全な溶接接合部を安定的に形成させることが非常に困難である。
さらに、ラミネート金属箔に於いては、金属厚みが薄く、かつ、ヒートシール樹脂の厚みと金属箔の厚みが同程度になることが多いため、溶接時に溶融される金属の割合が少ない上に、溶接で接合されるべき金属間の距離が比較的大きい、という条件となり、さらに溶接が難しい。
このような困難な課題に対して、発明者らは鋭意研究開発を行ったところ、金属箔を構成する金属の融点が、ヒートシールに用いられるラミネート樹脂の熱分解温度より十分に高く、かつ、金属箔を構成する金属の比重がヒートシールに用いられるラミネート樹脂の比重より、十分に大きければ、ヒートシールした接合部をレーザー溶接可能であることを見出した。
本発明は、以上の様な知見によりなされたもので、その要旨は以下の通りである。
(1)少なくとも片面にヒートシール用樹脂をラミネートした金属箔であって、前記金属箔を構成する金属の融点が、前記ヒートシール用樹脂の熱分解温度より300℃以上高く、前記金属箔を構成する金属の比重が、5以上であることを特徴とするレーザー溶接用ラミネート金属箔。
(2)前記金属箔がステンレス箔であり、前記ヒートシール用樹脂がポリプロピレンを主とする樹脂であることを特徴とする上記(1)に記載のレーザー溶接用ラミネート金属箔。
(3)前記金属箔が15〜150μmの厚さであり、前記ヒートシール用樹脂が10〜200μmの厚さであることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載のレーザー溶接用ラミネート金属箔。
本発明のレーザー溶接用ラミネート金属箔によれば、ラミネートされた樹脂により構成されるヒートシール部と共に金属による構成されるレーザー溶接部を併用することができ、電解液やガスに対するバリア性が金属により構成されたシール部により飛躍的に高められるという顕著な効果を奏し、ヒートシール部の周長を90%以上溶接出来ればその寿命が10倍以上となるという顕著な効果を奏する。
本発明のラミネート金属箔の模式断面図である。 従来の、ヒートシールで外装した蓄電素子の構造模式図である。 図3(a)は本発明のラミネート金属箔により外装した蓄電素子の外観模式図、図3(b)はその上面図である。 図3(b)のA−A‘断面図である。 図4の溶接部近傍の断面写真である。 ヒートシール部とレーザー溶接のレーザー照射方向の関係を示す図である。 図3(b)のB―B‘断面図である。
[第1の実施形態]
第1の実施形態は、少なくとも片面にヒートシール用樹脂をラミネートした金属箔であって、前記金属箔を構成する金属の融点が、前記ヒートシール用樹脂の熱分解温度より300℃以上高く、前記金属箔を構成する金属の比重が5以上であることを特徴とするレーザー溶接用ラミネート金属箔である。
例えば、前記金属箔をステンレス箔とし、前記ヒートシール用樹脂がポリプロピレンを主とする樹脂とすることにより、第1の実施形態を実現することができる。
図1に本発明のレーザー溶接用ラミネート金属箔1の構造例を示す。溶接用金属箔2にヒートシール用樹脂3がラミネートされている。
(レーザー溶接部)
レーザー溶接を行う上での課題は、ヒートシールにより電池セルを形成した後、ヒートシールにより構成された樹脂による容器構造を破壊せずに、その外部で金属を溶接して電池セルを構成することである。
しかしながら、従来から用いられてきたアルミラミネート箔は、溶接により健全な溶接ビードを得ることが出来なかった。
この原因を解析したところ、レーザー照射によりアルミニウムを溶融させる時に、ラミネート樹脂が同時に蒸発し、この樹脂の蒸発ガスにより、溶融したアルミニウムが吹き飛ばされ(以下、「爆飛」という。)、健全な溶接ビードを形成できないことが判明した。
爆飛の形態としては、激しいブローホールが口を開けた穴だらけのビードを形成したり、ステッチ状の不連続ビードを形成したり、ひどい場合には、溶接するつもりが、溶融金属がほとんど吹き飛ばされ、切断している状態になってしまったりすることさえある。
爆飛は、一般に、亜鉛めっき鋼板や、樹脂被覆金属板など、被覆物質(亜鉛や樹脂)の沸点や熱分解温度が、基材(鋼板や金属板)の融点より低い物質を被覆した材料において、溶接時に、ガス化した被覆物質が、溶融状態にある溶接金属を吹き飛ばし、発生する。
亜鉛めっき鋼板のレーザー溶接の場合の最も有効な爆飛回避方法は、合わせ溶接される鋼板の間に、一定の隙間を設けて、ガスの逃げ場を設けてやることである。しかし、この方法は、ヒートシールにより密着したラミネート金属箔の合わせ部には適用できない。
発明者らは、ラミネート金属箔のレーザー溶接法を詳細に検討した結果、めっき鋼板とラミネート金属箔で、爆飛させる原因物質の性質が異なることを利用して、ラミネート金属箔の爆飛を回避する方法に思い至り、実験・検討の結果、本発明に至った。
樹脂の熱分解によるガスを起因とする爆飛が発生しない条件を検討したところ、金属箔を構成する金属の融点が、ヒートシール用樹脂の分解温度より300℃以上高いこと、金属箔を構成する金属の比重が、5以上であれば、爆飛が生じにくいことを見出した。その原理は、正確にはさらなる解析が必要であるが、金属の融点と樹脂の分解温度が離れている程、樹脂が分解してガスが発生してから、金属が溶融するまでのタイムラグが大きいこと、金属が溶融している時にガスが発生しても、金属の比重が大きければ、ガスの影響を受けにくいことが、定性的には推定される。
また、そうした金属箔として、金属箔がステンレス箔であり、ヒートシール用樹脂がポリプロピレンを主とする樹脂である場合にはこの条件を満足することを見出し、工業的に活用性の高いことを見出した。ここでポリプロピレンを主とする樹脂とは、ポリプロピレンを50%以上含有する樹脂をいい、ポリプロピレン純粋樹脂の他に、合計が50質量%未満の割合で低密度ポリエチレンや高密度ポリエチレンなど各種ポリエチレン、ポリブテン、ポリペンテン等のポリオレフィンを重合した樹脂などを挙げることができる。また、金属箔との密着性を向上させるために酸変性ポリオレフィンとしたものでも良い。ブロック共重合体でも、ランダム共重合体でも、また、重合するポリプロピレン以外のオレフィンが1種類でも2種類以上でも、主となるポリプロピレンが50質量%以上、好ましくは70質量%以上、90質量%以上となっていれば良い。好ましくは、重合されるものは、ポリプロピレン単独の時よりも分解温度を低下させるものの方が好ましく、ポリエチレン系の樹脂が特に好適である。
一方、アルミニウムラミネート箔の場合には、アルミニウムの比重が2.7程度、融点は660℃と、汎用金属の中では比較的軽量、低融点であることを確認した。つまり、ラミネート金属箔がアルミラミネート箔の場合、アルミラミネート箔はレーザー溶接により健全な溶接部を形成することが出来なかったが、そもそも、ラミネートアルミ箔は、溶接などに依らず、ヒートシールにより簡便に接合できることが利点であり、また、元々が樹脂フィルムに金属をガスバリア層として蒸着していたものが出発点であったため、金属材料のように、溶接を適用する、ニーズも、方法も検討されなかったことが考えられる。
本発明の溶接用金属箔に適した金属の例としては、ステンレス鋼のほか、純鉄、炭素鋼、低合金鋼、銅、ニッケル、ジルコニウム、バナジウム、アルミ鉄合金、亜鉛銅合金、などがある。
(ヒートシール用樹脂の熱分解温度)
金属箔を構成する金属の融点をヒートシール用樹脂の熱分解温度より300℃以上高くする必要がある理由は、ヒートシール用樹脂の熱分解温度と、金属箔を構成する金属の融点との差が300℃未満であると、爆飛の頻度が高くなるという問題が生じるからである。その原理は、正確にはさらなる解析が必要であるが、金属の融点と樹脂の分解温度が離れている程、溶接の過程で溶接部近傍で温度が上昇する時に、樹脂が分解してガスが発生してから、金属が溶融するまでのタイムラグが大きいことにより、爆飛の原因となる樹脂の分解ガスを金属が溶融する前に十分に放散できるからではないかと、発明者らは推定している。そのため、金属の融点と樹脂の分解温度の差は、ある程度までは離れている方が望ましく、より望ましくは、ヒートシール用樹脂の熱分解温度より、金属箔を構成する金属の融点の方が400℃以上、さらに望ましくは、ヒートシール用樹脂の熱分解温度よりも金属箔を構成する金属の融点の方が500℃以上高い方が、健全な溶接部の形成に好適である。
一方、現実的な側面から、ヒートシール用樹脂の熱分解温度に対して、金属箔を構成する金属の融点が2000℃以上高温であると、金属を溶融するための熱量が膨大になり、その熱量で、ヒートシール樹脂が過大に熱分解して、樹脂による電池ケースの構成が損なわれる場合があるので、ヒートシール用樹脂の熱分解温度と金属箔を構成する金属の融点の差は、2000℃以下であることが望ましい。過大な熱履歴は、例え樹脂が残存したとしても、樹脂にダメージを与えるので、残存した樹脂に与えるダメージの観点からも、より望ましくは、ヒートシール用樹脂の熱分解温度と金属箔を構成する金属の融点の差は、1200℃以下であることが望ましい。
このように金属の融点をヒートシール用樹脂の熱分解温度より300℃以上高くするヒートシール樹脂として好適に用いることができる樹脂の例としては、従来からヒートシール用に用いられている樹脂から金属箔の融点との関係で熱分解温度を考慮して選択すればよいが、たとえば、ポリプロピレン、ポリエチレン、これらの共重合体などの樹脂、及びこれらを主とする樹脂を挙げることができる。ポリプロピレンの熱分解温度は、430℃、ポリエチレンの熱分解温度は450℃で、これらの共重合体では、これらの中間程度の値を示す。なお、ここで分解温度は、10%の重量変化が生じた温度を言う。
(金属の比重)
金属箔を構成する金属の比重を5以上とする必要がある理由は、金属箔を構成する金属の比重が5未満であると爆飛の頻度が高くなるという問題が生じるからである。その原理は、正確にはさらなる解析が必要であるが、金属が溶融している時に爆飛の原因となるガスが発生しても、金属の比重が大きければ、ガスの圧力に負けずに吹き飛ばないでとどまる確率が高くなり、ガスの影響を受けにくいことが、定性的には推定される。望ましくは、金属箔を構成する金属の比重が6以上、さらに望ましくは金属箔を構成する金属の比重が7以上であることが好適である。
(金属箔とラミネート樹脂の厚さ)
金属箔の厚さは15〜150μmが好ましく、さらに40〜120μmがより好ましい。金属箔が薄いと溶接金属を形成するための金属量が不足し、溶接欠陥が発生しやすくなり、また金属の変形も生じやすく、溶接の制御が困難になる。一方、厚すぎると、そもそも容器としての重量が増すため、ラミネート金属箔を用いる利点が少なくなる。また、ヒートシール用のラミネート樹脂の厚さは10〜200μmが好ましく、15〜100μmがより好ましい。ラミネート樹脂が薄いとヒートシール時に溶融する樹脂が少なくなり過ぎ、金属箔間に樹脂の存在しないシールの欠陥が発生し始める。一方、厚すぎると、溶接時に溶融金属を吹き飛ばして溶接欠陥を生じさせる原因となる分解ガスを多く発生するようになり、良好な溶接部を形成するための溶接条件範囲が極端に狭くなる上に、溶接されるべき金属箔と金属箔の間の距離が広くなり過ぎて、溶融金属が分離し、溶接が成り立たなくなる。
上述のように、金属箔が厚い程、ヒートシール用樹脂の分解ガスに対する抵抗は増し、またヒートシール樹脂が薄い程、分解ガスの発生は少ない傾向となるので、金属箔の厚みとヒートシール樹脂の厚みの比、つまり、(金属箔の厚み)/(ヒートシール樹脂の厚み)が大きい程、溶接性は良好となる。その比は0.7以上が好ましく、1.2以上あればさらに好適である。
(寿命延長効果)
背景技術で述べたように、ラミネート金属箔をヒートシールのみで接合した電池セルの場合、ヒートシール部分は電池内部の電解液の漏洩パス、あるいは外環境から内部へ水蒸気などが混入する侵入パスになり、ヒートシール部の経路長さが電池セルの寿命を決めることになる。また、周囲をヒートシールした構造では周長に比例してガス侵入経路の断面積が増えるため、ヒートシールの周長が長い程侵入ガスの流量が増え、寿命が短くなる。
これに対して、レーザー溶接した部分は、金属によりガスのバリアが形成されるため、溶接部分では樹脂と比較して、無視できる量のガスしか侵入しない。つまり、溶接によりシールした周辺長さの割合だけ、電池セルの寿命が延ばせることになる。概略、侵入するガスの流量と寿命短縮効果が比例し、侵入するガス流量は、溶接していない周辺長さに比例するため、周辺長さの半分を溶接出来れば、溶接を全くしていないヒートシールのみの場合に対して、侵入ガスは半減し、寿命は倍となる。周辺長さの90%以上を溶接出来れば、侵入ガス量は10分の1以下となり、寿命は10倍以上となる。電池セルの全周辺を溶接すればガス漏れは完全に防げる筈であるが、電極タブの部分は溶接できないので、その部分は樹脂シール(ヒートシール)になる。
本発明のラミネート金属箔は、ヒートシール樹脂を被覆していない側の面、つまり、通常は容器の外面となる側の面、については、金属箔の表面そのままでも、酸化物形成やめっき被覆、あるいは種々の樹脂ラミネートを施していても良い。特に、ヒートシール樹脂よりも薄い被覆が施されている場合は、溶接に影響は無く、絶縁性や、放熱性などの機能を持たせるために外面側を被覆したラミネート金属箔も本発明の範疇である。特に30μm以下の厚みの樹脂フィルムを外面に被覆して絶縁性を与えることは、経済的にも、エンボス加工時の加工性の観点からも好適である。
また、内面側のヒートシール樹脂は、単層である必要はなく、金属との密着性を向上させるために酸変性させたポリプロピレン層を金属層に接する側にラミネートし、ヒートシール性を向上させたポリプロピレン層をその外層にラミネートするなど、複層の樹脂ラミネートを施すことも可能である。
さらに、内面側は、蓄電ケースなどに使用する場合、耐電解液性を向上させるために、金属面に表面処理を施すことが可能であり、電解クロメート、樹脂クロメート等各種クロメート処理や、その他のクロメートフリー化成処理を施しても良い。
(電池ケースの構造とその製造方法)
図2に、従来の外装された蓄電素子の構造を示すが、電池やキャパシタなどの蓄電素子4をラミネート金属箔1をエンボス加工して覆い、蓄電素子4の周囲6はヒートシール6’されている。ラミネート金属箔1は金属箔2とヒートシール樹脂3がラミネートされて成り、ヒートシール長さ(経路長)は12で表わされる。
図3(a)は本発明により外装された蓄電素子の斜視図であるが、従来の外装された蓄電素子の外観もほぼ同様であり、エンボス加工部5とヒートシール部6を有し、一端から蓄電素子に接続された電極タブ10が引き出されている。
図3(b)は、図3(a)の外装された蓄電素子の上面図であり、エンボス加工部5と、ヒートシール部6と、電極タブ10が見られる。この図に示した電極タブを通らないA−A’の断面線に沿った断面図を図4に示す。図4は図2と同様にラミネート金属箔1をエンボス加工して蓄電素子4を覆い、蓄電素子4の周囲6はヒートシール6’されている。本発明の外装された蓄電素子は、さらに、蓄電素子4の周囲の外装用のラミネート金属箔1の側面端部がレーザー溶接されており、レーザー溶接部7が形成されている点で従来の外装された蓄電素子と異なる。
図5に実際にヒートシール及びレーザー溶接した外装蓄電素子のヒートシール部6及びレーザー溶接部7の断面写真を示す。上下2枚の金属箔(光反射するので白く見える)2が側面端部で溶接7されている。レーザー溶接部7の内部にヒートシールされた樹脂6’が見える。金属箔2の外側の樹脂9は外面樹脂フィルムである。なお、13は写真撮影用の埋め込み樹脂である。
このレーザー溶接部7を形成するには、好適には、図6に示すように、ヒートシールをした後に、ラミネート金属箔2の側面の端面に外側からレーザー光8を照射すればよい。ただし、本発明においては、レーザーの照射方法は限定されるものではない。
レーザー溶接の方法は公知の方法でよい。たとえば、炭酸ガスレーザーや、半導体レーザー等を線源として使用することができ、またファイバーを通したレーザー光でも、レンズで収束したレーザー光でも、反射鏡を使用して反射させたレーザー光を使用しても良い。
図7に、図3の電極タブを通るB−B’断面線に沿った断面を示す。電極タブ10の表面には電極タブシール材11が形成されており、この電極タブシール材9に対してラミネート金属箔のヒートシール用樹脂6”がヒートシールされている。この電極タブ10のある箇所では、金属箔をレーザー溶接することができないので、レーザー溶接部7は存在せず、ヒートシール6”のみの構造である。本発明では、電極タブ以外の部分はすべてレーザー溶接することが好ましい。
金属箔の比重と融点の、ヒートシール後レーザー溶接性に与える影響を調べるために、表1に示す種々の金属箔を準備し、片面あるいは両面にラミネートを施し、レーザー溶接による溶接ビード形成を調査した。
用いたヒートシール樹脂は、下記のものである。
PET12、PET38は、それぞれ厚み12μm、38μmの2軸延伸PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムで、ユニチカ株式会社製エンブレットPETを用いた。
PBT20は、厚み20μmの2軸延伸PBT(ポリブチレンテレフタレート)フィルムである。
上下外面樹脂は、金属箔表面にウレタン系接着剤(東亜合成株式会社製アロンマイティPU7000D)を塗布し、外面側樹脂を重ねて、0.1MPa、25℃、90分の硬化条件で圧着した。
ヒートシール用樹脂である内面側の樹脂は、原料樹脂を、Tダイスを装着した押出成形機にて250℃の押し出し温度でフィルム形状(幅300mm)に無延伸成形して作製したフィルムを使用した。
原料樹脂の日本ポリプロ株式会社製ノバテックPP EA7Aを25μm厚みのフィルムにしたものを内面用フィルム(1)、原料樹脂の三井化学東セロ株式会社製アドマーQE060を25μm厚みのフィルムにしたものを内面用フィルム(2)、同三井化学東セロ株式会社製アドマーQE060を50μm厚みのフィルムにしたものを内面y0王フィルム(3)とし、内面用フィルム(1)と(2)を重ねて、内面用フィルム(2)を金属箔側になるように貼ったものを内面樹脂A、内面用フィルム(3)を単独で貼ったものを内面樹脂Bとした。内面樹脂Aも、内面樹脂Bも、熱分解温度は430℃である。
金属箔は、主に圧延箔を用いたが、一部、圧延による箔製造が難しい金属種は、所定組成合金の真空溶解後、単ロール法により箔リボンとして箔形状に製造し、熱処理により結晶化させて用いた。圧延箔は100×100mmサイズを使用し、単ロール箔は100×30mmサイズを使用した。厚みは100μmに統一した。
各金属箔に、表1に示す所定の樹脂フィルムを重ねて、200℃、1MPa、1分の条件でホットプレスし、ラミネート金属箔を製造した。
各樹脂は金属箔より大きなサイズで金属箔より樹脂がはみ出す形で貼り、貼り付けた後に金属箔形状にカッターで切断してサンプル形状を整えた。
2枚の同じラミネート金属箔の端面を5mm幅でヒートシールし、端面ヒートシールサンプルを製造した。ヒートシールは、アルミのヒートシールバーを持つヒートシールテスターを用いて、設定温度190℃、圧力0.5MPaで5秒保持後に空冷した。
溶接部健全性の評価には100mm長の辺を端面としてヒートシール・溶接し、溶接後の樹脂健全性の評価のためには、15mm×50mmのラミネート金属箔サンプルを別途製造し、15mm長の辺を端面としてヒートシール・溶接した。
ヒートシールした端面に対して、対向する方向からレーザーを照射して端面を拝み溶接した。レーザーは、光源として日鉄テクノリサーチ社のISL−1000Fを使用し、純Arガスをシールガスに用い、180Wの出力で走査速度2m/分で照射した。レーザー光は溶接部で0.5mm径となるように集光した。
溶接端面の外観より、健全溶接長さを測定し、溶接性の評点として、溶接実施長に対する健全溶接長さの割合が、20%未満を評点1、20%以上50%未満を評点2、50%以上90%未満を評点3、90%以上99%未満を評点4、99%以上を評点5とした。評点3以上を合格とした。
また、溶接後樹脂健全性評価サンプルは、15mm幅端面ヒートシール・溶接サンプルを、溶接部と逆側で開いてTピール試験を実施し、溶接部手前のヒートシール樹脂の密着性を調べ、溶接を実施しないサンプルと比較して90%以上のヒートシール強度を維持していたものを樹脂健全性◎、70%以上90%未満のものを○、70%未満のものを×として評価した。
表1に示すように比重5以上、融点がヒートシール樹脂の分解温度より300℃以上高い金属箔を用いた本発明ラミネート金属箔は、溶接性が良好で、樹脂も健全であった。
1 レーザー溶接用ラミネート金属箔
2 金属箔
3 ラミネート樹脂
4 蓄電素子
5 エンボス加工部
6 ヒートシール部
7 レーザー溶接部
8 レーザー光
9 外面樹脂フィルム
10 電極タブ
11 電極タブシール材
12 ヒートシール長
13 埋め込み樹脂

Claims (3)

  1. 少なくとも片面にヒートシール用樹脂をラミネートした金属箔であって、
    前記金属箔を構成する金属の融点が、前記ヒートシール用樹脂の熱分解温度より300℃以上高く、
    前記金属箔を構成する金属の比重が5以上であることを特徴とするレーザー溶接用ラミネート金属箔。
  2. 前記金属箔がステンレス箔であり、前記ヒートシール用樹脂がポリプロピレンを主とする樹脂であることを特徴とする請求項1に記載のレーザー溶接用ラミネート金属箔。
  3. 前記金属箔が15〜150μmの厚さであり、前記ヒートシール用樹脂が10〜200μmの厚さであることを特徴とする請求項1又は2に記載のレーザー溶接用ラミネート金属箔。
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