JP2013184141A - 光触媒反応装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】高い光の利用効率に基づく処理能力の高い光触媒反応ユニット及び光触媒反応装置を提供する。
【解決手段】光触媒反応ユニットは、縦軸線、及び縦軸線の回りの外周面、及び縦軸線に交差する二つの端面を有する導光体基体と、導光体基体の外周面又は外周面に設けた中間層に固定された光触媒層とを具備する導光体、並びに導光体基体の少なくとも一方の端面から導光体基体内に光が入射するように配置された光源、を具備し、処理すべき流体中に導光体が挿入され、導光体が、端面から入射された光の少なくとも一部を光触媒層側に放射するように縦軸線を中心とする複数の環状溝又は少なくとも一本のらせん状の溝を有する。
【選択図】図1
【解決手段】光触媒反応ユニットは、縦軸線、及び縦軸線の回りの外周面、及び縦軸線に交差する二つの端面を有する導光体基体と、導光体基体の外周面又は外周面に設けた中間層に固定された光触媒層とを具備する導光体、並びに導光体基体の少なくとも一方の端面から導光体基体内に光が入射するように配置された光源、を具備し、処理すべき流体中に導光体が挿入され、導光体が、端面から入射された光の少なくとも一部を光触媒層側に放射するように縦軸線を中心とする複数の環状溝又は少なくとも一本のらせん状の溝を有する。
【選択図】図1
Description
本発明は、光触媒反応を利用して流体を処理する光触媒反応装置に関するものである。
例えば廃液等の被処理流体を、光触媒反応を利用して、脱臭、殺菌、又はウイルスの不活化等を行う装置が特許文献1で知られている。特許文献1に示された装置は、光触媒の塗布された板状の複数の光導波路と、各光導波路の一端側に設けられた集光レンズと、複数の光導波路に対して共通の一つの光源とを備えており、光導波路の一端から入射されて外周面から放射される光によって光触媒反応を引き起こすものである。この装置は、光触媒が塗布された、光を放射する光導波路によって、透明度の低い被処理流体であっても光触媒反応を利用した処理を実施できる。
しかしながら、特許文献1の装置の光導波路によると、光源側の端面から入射した光のうち、外周面に関しての臨界角より大きな角度の光線は全反射をして反対側の端面から放射されて光触媒反応に殆ど寄与できず、また臨界角より小さな角度の光線は、光導波路の外周面から放射されるが、そのほとんどが入射端に近い区間から放射される。このため、特許文献1の装置の光導波路によると、そこに入射した光の一部しか利用できず、また光導波路の長さが比較的短いものしか利用できないと考えられる。
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、高い光の利用効率に基づく処理能力の高い光触媒反応ユニット及び光触媒反応装置を提供することである。
上記課題を解決するために本発明の第1の態様は、縦軸線、及び縦軸線の回りの外周面、及び縦軸線に交差する二つの端面を有する導光体基体と、導光体基体の外周面に又は外周面上に設けた中間層に固定された光触媒層と、を具備する導光体と、導光体基体の少なくとも一方の端面から導光体基体内に光が入射するように配置された光源と、を具備し、処理すべき流体中に導光体が挿入される、光触媒反応ユニットであって、導光体が、端面から入射された光の少なくとも一部を光触媒層側に放射するように縦軸線を中心とする複数の環状溝又は少なくとも一本のらせん状の溝を有する光触媒反応ユニットを提供する。
これによれば、導光体の端面から入射した光の成分のうち、従来は全反射をして反対側の端面から出射して光触媒反応にはほとんど寄与しなかった光の成分が環状溝又はらせん状の溝によって導光体の外周面から放射されるので、そのような溝を設けなかった場合に比べて光強度の増大及び分布の改善が実現され、その結果、光の利用効率及び処理能力の高い光触媒反応ユニットが実現可能にされる。
本発明の第1の態様では、中間層が光透過性のチューブであることが好適である。
本発明の第1の態様では、複数の環状溝が、導光体の縦軸線方向の一定のピッチ又は変化するピッチで配列されてよい。
本発明の第1の態様では、導光体は、光源側の端面からの、溝のない溝なし区間を有しており、溝なし区間の長さが環状溝のピッチより大であることが好適である。
本発明の第1の態様では、環状溝の断面形状が、U字状又は半円状又は半円より浅い円弧状又はV字状のいずれかであってよい。
本発明の第1の態様では、光源が導光体の端面に近接して配置されてよい。これにより、簡易な構造で、光源と導光体との間の光の結合効率を上げることが可能になる。
本発明の第1の態様では、光触媒反応ユニットは、光源と導光体との間に配置された少なくとも一つのレンズを更に具備してよい。これにより、光の結合効率をさらに高めるとともに、導光体に対する光の所望の入射角度範囲を得ることが可能になり、その結果、導光体外周面のより望ましい光の強度分布を得ることが可能になる。
本発明の第2の態様は、第1の態様の光触媒反応ユニットを複数、及び、処理すべき流体の流通路を形成するケーシングを具備する光触媒反応装置であって、複数の光触媒反応ユニットの導光体が流通路内に配置される光触媒反応装置を提供する。これによれば、細長く形成することのできる第1の態様の光触媒反応ユニットを高密度に実装することが可能にされるので、広い光触媒層の表面積を有した処理能力の高い光触媒反応装置が実現可能にされる。
本発明の第2の態様では、複数の光触媒反応ユニットの各々が、光源と導光体との間に配置された少なくとも一つのレンズを具備し、複数の光触媒反応ユニットのレンズが、複数の光触媒反応ユニット間で共通の基材に一体に形成されてよい。これにより、導光体が多数あったとしても光軸調整を簡単に行うことが可能になる。
本発明の第1の実施形態による光触媒反応ユニット1について、図1〜図3を参照して説明する。
第1の実施形態の光触媒反応ユニット1は、縦軸線Axを有する細長い円柱状の導光体基体9と、導光体基体9の外周面11に被せられた光透過性のチューブ40と、前記チューブ40の外周面に薄く均一に塗着された酸化チタンからなる光触媒層(図示せず)とを具備する導光体10、及びこの導光体10の図1の上端面の上方に配置された光源20、及び前記光源20と導光体10の上端面との間に配置されてそれらの光の結合効率を高めると共に導光体に対する望ましい光の入射角度範囲を得るレンズ群30、及びチューブ40の先端側に設けられた円柱状の封止部材50、及び前記光源20とレンズ群30を導光体10に連結する鏡筒60を有している。なお、前記チューブ40は導光体基体9と光触媒層との間の中間層である。
第1の実施形態の光触媒反応ユニット1は、縦軸線Axを有する細長い円柱状の導光体基体9と、導光体基体9の外周面11に被せられた光透過性のチューブ40と、前記チューブ40の外周面に薄く均一に塗着された酸化チタンからなる光触媒層(図示せず)とを具備する導光体10、及びこの導光体10の図1の上端面の上方に配置された光源20、及び前記光源20と導光体10の上端面との間に配置されてそれらの光の結合効率を高めると共に導光体に対する望ましい光の入射角度範囲を得るレンズ群30、及びチューブ40の先端側に設けられた円柱状の封止部材50、及び前記光源20とレンズ群30を導光体10に連結する鏡筒60を有している。なお、前記チューブ40は導光体基体9と光触媒層との間の中間層である。
光源20は、紫外線を発する発光ダイオード21を備えており、発光ダイオード21の発光部であるLEDチップ22の中心が導光体10の縦軸線Ax上に位置するように鏡筒60によって保持されている。また、光源20は、発光ダイオード21が固定される基板23とその基板23に接続されたリード線(図示せず)も備えていて、図示しない電源から電力が供給される。
レンズ群30は、本実施形態では、光源20側の両凸レンズである第1レンズ31と、半球レンズである第2レンズ32とを含んでおり、その光軸が導光体10の縦軸線Ax上に位置するように鏡筒60によって保持されている。
光透過性のチューブ40は、光源20の発する紫外線を透過するフッ素樹脂製の熱収縮タイプのものである。このチューブ40は、導光体基体9の外周面11を基端部から先端部まで覆っており、さらに導光体基体9の先端部に続いて配置された封止部材50も覆っている。チューブ40は、熱収縮タイプのものであるので、熱収縮されて導光体基体9と封止部材50に密着されている。なお、封止部材50とチューブ40の内周面との隙間から、処理すべき液体が浸入しないように、チューブ40と封止部材50は互いに溶着されている。また、本実施形態のチューブ40は、導光体基体9に被せられて、熱収縮により導光体基体9と封止部材50に密着せしめられた後に、酸化チタンが塗着されている。
封止部材50は、白色のフッ素樹脂製のものであり、その内側の端面51で光をできるだけ反射させることも意図されている。したがって、光の反射効率を高めるために、封止部材50にアルミ真空蒸着を施したり、及び/又は封止部材50の内側の端面51を円錐状の凸面として形作ってもよい。
第1の実施形態の光触媒反応ユニット1の導光体基体9は、直径約6mmで全長1mの細長い石英ガラス製のものであって、平滑な外周面11及び上端面12及び下端面13を有しており、外周面11には、上端からの一定の区間L(以後「溝なし区間」と呼ぶ)を除いて、多数の環状溝14が縦軸線Ax方向の約3mmのピッチPで先端部まで形成されている。前記溝なし区間Lは、環状溝14のピッチPよりも大きく、本実施形態では導光体基体9の直径の約2倍の長さで設けられている。また、前記導光体基体9の材質は、紫外線透過性のある、合成石英や硼珪酸ガラス、フッ素樹脂などでもよい。
複数の環状溝14は、導光体基体9の上端面12から入射した光を外周面11から放射するために形成されて配列されており、その断面形状は、本実施形態では図2の(a)に示されるU字形をしている。また、環状溝14の表面は、導光体基体9の外周面11と同程度に平滑にされている。
ところで、本実施形態では、チューブ40が導光体基体9に密着しているとはいえ、チューブ40と導光体基体9との間には空気層が存在すると考えられ、そうすると導光体基体9の外周面11で全反射の発生する約43°の臨界角が存在する。一方、フッ素樹脂製のチューブ40と導光体基体9の表面との間に空気層が存在しないと仮定したときにも、フッ素樹脂の屈折率は石英ガラスより小さいので臨界角が存在する。従って、いずれにしろ本実施形態の光触媒反応ユニット1では、導光体基体9の端面12から入射した光のうち、臨界角より小さな角度を有する光線は外周面11で全反射することなく、主に入射端に近い溝なし区間Lから大部分が放射され、臨界角より大きな角度を有する光線は、外周面11で全反射して導光体基体9の中を進むが、反対側の端面13に到達する前に、大部分の角度の光線が多数の環状溝14のどれかに当たり、その環状溝14の表面から導光体基体9の外へ放射する。これは、図3に模式的に示されるように、外周面11で全反射して進行していた光線Rが環状溝14の光源20に近い方の側面(図の右側の側面)に当たり、その側面に関する入射角が、環状溝14のU字の底部に当たった場合を除いて、臨界角よりもはるかに小さくなるからである。
環状溝14の光源20に近い方の側面から導光体基体9の外へ出射した光線Rは、直接的にあるいは環状溝14内で1回又は複数回反射してチューブ40に達し、チューブ40を透過して、チューブ40の表面に付着している光触媒層(図示せず)を照射する。このとき、環状溝14から放射された光は、チューブ40内周面との間でも複雑な反射を繰り返しつつチューブ40に入射することで光の拡散効果がおき、このため図3において破線で示す範囲へ拡散して、環状溝14の真上だけでなく溝と溝の間の中間領域でも十分な光強度を得ることができる。
また光強度の縦軸線Ax方向のマクロな分布については、一例として、直径6mm、全長1mの前述の導光体基体9に、溝幅0.25mm、溝深さ0.17mmのU字溝を3mmのピッチPで配置し、フッ素樹脂チューブ40を被せた場合、測定された光強度は、光源20のLEDが出力400mWのとき、入射端から20mmの位置で10mW/cm2、500mmの位置で13mW/cm2、700mmの位置で5.3mW/cm2、900mmの位置で2.7mW/cm2、最先端部で1.7mW/cm2であった。光強度が1mW/cm2以上あれば酸化チタンの光触媒反応には充分であることがわかっているので、本実施形態の光触媒反応ユニット1によると、直径6mmで全長1mといった非常に細長い導光体基体9を用いた場合であっても、その基端部から先端部まで必要な光強度を得られることが確認された。
ところで、本実施形態におけるフッ素樹脂製のチューブ40の主な働きとして、酸化チタンの付着強度を、石英ガラス製導光体基体9への直接塗布の場合に比べて高めること、及び導光体基体9に対する保護性を高めること、及び導光体基体9が処理液体中で破損した場合の破損導光体の回収を容易にすることが挙げられるが、さらに、環状溝付きの導光体基体9にチューブ40を被せることにより、チューブ40を被せなかった場合に比べて2倍以上光強度が増大することが、本発明の発明者らによって確認されている。
以上のように構成された、光触媒反応ユニット1は、処理すべき液体(図示せず)の外にレンズ群30及び光源20を配置して導光体10を液体中に浸漬して光源20を発光させることにより、液体中の有機物の分解、酸化還元反応等の処理を行うことができる。また、必要に応じて、細長い導光体10の破損を防ぐためにそれをサポート部材(図示せず)で支持してもよい。
次に第2の実施形態による光触媒反応ユニット2について、図4を参照して、以下に説明する。この実施形態の光触媒反応ユニット2はレンズ群30を有さないことにおいて第1の実施形態の場合と異なるが、その他の構成は同様である。光源20の発光ダイオード21は、その発光部であるLEDチップ22が、可能な限り導光体10の端面に近接するように、導光体10に結合される。また、結合には連結スリーブ160が用いられ、連結スリーブ160と、導光体10及び発光ダイオード21は接着固定されている。
このようにレンズ群30を設けないことによって、構造を簡素化して製造コストを低下することができるが、第1の実施形態の場合に比べて、光源20と導光体10との間の光の結合効率が低下するとともに、導光体10の基端部側での光の放射の割合が増加するので導光体10の可能な長さが短くなる。但し、従来は全反射をして光触媒反応にはほとんど寄与しなかった光の成分が環状溝14によって外周面11から放射されるので、環状溝14を設けなかった場合に比べて光強度の増大と分布の改善が実現される。
次に第3の実施形態による光触媒反応ユニット3について以下に説明する。この実施形態の光触媒反応ユニット3は、フッ素樹脂製のチューブ40を有さず、そのため光触媒層がチューブ40ではなく導光体基体9に塗着されることにおいて第1の実施形態のものと異なるが、その他の構成は同様である。また、このため第3の実施形態の作図は省略される。この実施形態の光触媒反応ユニット3は、前述したチューブ40による効果を示さないが、従来は全反射をして光触媒反応にはほとんど寄与しなかった光の成分が環状溝14によって外周面11から放射されるので、環状溝14を設けなかった場合に比べて光強度の増大と分布の改善が実現される。
ところで、酸化チタンの屈折率は、2.5程度であり、石英ガラスよりも大きいので、酸化チタンを石英ガラス製の導光体基体9に付着させた場合は光の全反射は起こらない。しかしながら、酸化チタンの光触媒層は、その付着強度を確保するために、バインダーを介して導光体基体9に塗着されなければならず、またそのようなバインダーは石英ガラス材料より小さな屈折率を有するので、導光体基体9の外周面11に関する全反射の臨界角は本実施形態の場合も存在する。したがって、第3の実施形態においても環状溝14が有効に作用する。
次に本発明の第4の実施形態による光触媒反応装置4について、図5〜図7を参照して説明する。この光触媒反応装置4は、第1の実施形態の光触媒反応ユニット1と同様の機能を有する光触媒反応ユニット101を、複数であって、具体的には451組と、処理すべき流体の流通路71を形成するケーシング70とを具備している。なお、図5〜図7では、分り易くするために、光触媒反応ユニット101はケーシング70に13組収納されるものとして、また導光体110の外径も太く模式的に描かれている。
ケーシング70は、流体の流通路71が形成された円筒状の本体72と、前記ユニット101の光源120及びレンズ群130が配置される光源収容部73を区画形成するキャップ74と、流通路71と光源収容部73を互いに隔離する円板状の隔離板75とを有しており、キャップ74と本体72は図示しないフランジ部においてボルト固定されている。また、キャップ74は下半分が円筒状に形成され、上半分が中空円錐台状に形成されており、電気ケーブル76が下側の円筒状部分から導出されている。
本体72には、図5の左上側に液体の流入口77が、及び右下側に流体の流出口78が設けられている。また、隔離板75は、光触媒反応ユニット101の導光体110を上部で位置決めして保持する機能も有している。流通路71内には、導光体110を流入口77と流出口78との間で支持する略円板状の10枚の支持プレート79も設けられている。これら支持プレート79は、導光体110を支持するだけでなく、流入口77から流出口78へ至る液体を蛇行させて、光触媒層との接触時間を長くする働きも有している。
本実施形態においても、複数の光触媒反応ユニット101は、その各々が光源120とレンズ群130を有していて、レンズ群130は両凸レンズである第1レンズ131と半球レンズである第2レンズ132から構成されている。但し、第1レンズ131は、このレンズと同じ材質の共通の一つの基材に複数が第1集合レンズ131aとして一体に形成されており、第2レンズ132も同様に共通の一つの基材に複数が第2集合レンズ132aとして一体に形成されている。光源120の発光ダイオード121も一つの共通の印刷基板123上に複数が実装されている。また、光源120は共通の一つの放熱フィン124も有している。
第1集合レンズ131aは、その平面図である図6に示されるとおり円板状の外形を有しており、図6では13個の第1レンズ131を含んでいることが分かる。また、その円板の外周部には、光源120及び第2レンズ132との間の距離を規定するためのリム部131bが設けられており、またキャップ74に対する位置決めを容易にする半円状の切欠131cも設けられている。
第2集合レンズ132aは、導光体110側から投影した平面図である図7に示されるとおり円板状の外形を有しており、図7では13個の第2レンズ132を含んでいることが分かる。また、その円板の外周部には、キャップ74に対する位置決めを容易にするために半円状の切欠き132cが設けられている。
光源120とレンズ群130をこのような形態とすることによって、光源120とレンズ群130とそれぞれの導光体110との間の光軸調整がほとんど不要となるので、特に451本もの多数の導光体110が実装されるこの実施形態のような場合での組立が容易にされる。
この実施形態の光触媒反応装置4によると、多数の導光体110の各々が光源120とレンズ群130を有することによって、光源120と導光体110との間の高い光の結合効率及び導光体110に対する光の望ましい入射角度範囲が得られ、さらに各導光体110が多数の環状溝14を有することによって端面から入射した光の大部分が光触媒層に放射されるとともに導光体110の有効長を長くすることが可能になる。その結果、細長い光触媒反応ユニット101を多数高密度に実装することが可能になり、光触媒層の表面積が増大されて処理能力が増大される。
その他の実施形態
前述の各実施形態における導光体の環状溝14の断面形状は図2の(a)に示されるようなU字形をしているが、環状溝14の形状は任意の様々な形状が可能であり、例えば図2の(b)の半円形、又は図2の(c)の半円以下の浅い円弧状、又は図8の(a)に示される深いV字形、又は図8の(b)のV字形、又は図8の(c)の浅いV字形等が可能である。また、環状溝は必ずしも完全に一周している必要はなく、C字形のものであってもよい。
前述の各実施形態における導光体の環状溝14の断面形状は図2の(a)に示されるようなU字形をしているが、環状溝14の形状は任意の様々な形状が可能であり、例えば図2の(b)の半円形、又は図2の(c)の半円以下の浅い円弧状、又は図8の(a)に示される深いV字形、又は図8の(b)のV字形、又は図8の(c)の浅いV字形等が可能である。また、環状溝は必ずしも完全に一周している必要はなく、C字形のものであってもよい。
前述の各実施形態における導光体の複数の環状溝14の配置間隔、すなわちピッチP、は一定であったが、望ましい光強度の分布を得るためにピッチPを変化させてもよい。
前述の各実施形態では、導光体の一端(上)側にだけ光源が設けられていたが、導光体のもう一方の端部に対しても光源を設けた実施形態も可能である。これにより、導光体の全長をほぼ2倍にすることが可能になり、液体の処理能力も倍増される。
前述の各実施形態における導光体基体は円柱状のものであったが、導光体基体の横断面の幾何学的形状は円形に限定されるものではなく任意の形状が可能であり、例えば、楕円形、及び三角形、正方形、長方形、五角形等の任意の多角形の実施形態も可能である。
前述の各実施形態における導光体基体は円柱状のものであったが、導光体基体が内周面を有するパイプ状の実施形態も可能である。その場合、環状溝は導光体基体の内周面上に形成されてもよい。内周面上に形成された環状溝は、そこに当たった光を乱反射して光触媒層側に放射することができる。
前述の各実施形態における導光体は円柱状のもので、その太さは一定であったが、複数の環状溝を形成することに加えて、更に、導光体を先端側へ先細のテーパ形状とする実施形態も可能である。このように導光体にテーパを付けることにより、導光体への入射光に平行光の成分が多い場合であってもそれら平行光を外周面から放射することが可能になり、外周面における光の強度及び分布を望ましくすることが可能になる。
前述の実施形態では導光体基体に環状溝が形成さたが、チューブ等の中間層上に環状溝が形成された実施形態も可能である。また、環状溝はチューブ上若しくは導光体基体上に光触媒層が固定された後にその光触媒層の上から形成されてもよい。
導光体が、前記複数の環状溝に替えて、少なくとも一本のらせん状の溝を有する実施形態も可能である。らせん状の溝も、環状溝と同様の光学的作用を発揮することができる。
第4の実施形態では、各光触媒反応ユニットの第1及び第2レンズが共通の第1及び第2集合レンズとして一体に形成されたが、それらレンズが第1の実施形態の場合のように別個のレンズとして形成された実施形態も可能である。
1 光触媒反応ユニット
9 導光体基体
10 導光体
11 外周面
12 端面
14 環状溝
20 光源
21 発光ダイオード
30 レンズ群
31 第1レンズ
32 第2レンズ
40 チューブ
50 封止部材
60 鏡筒
9 導光体基体
10 導光体
11 外周面
12 端面
14 環状溝
20 光源
21 発光ダイオード
30 レンズ群
31 第1レンズ
32 第2レンズ
40 チューブ
50 封止部材
60 鏡筒
Claims (9)
- 縦軸線、及び前記縦軸線の回りの外周面、及び前記縦軸線に交差する二つの端面を有する導光体基体と、前記導光体基体の前記外周面に又は前記外周面上に設けた中間層に固定された光触媒層とを具備する導光体と、
前記導光体基体の少なくとも一方の前記端面から導光体基体内に光が入射するように配置された光源と、を具備し、処理すべき流体中に前記導光体が挿入される、光触媒反応ユニットであって、
前記導光体が、前記端面から入射された光の少なくとも一部を前記光触媒層側に放射するように前記縦軸線を中心とする複数の環状溝又は少なくとも一本のらせん状の溝を有することを特徴とする、光触媒反応ユニット。 - 前記中間層が光透過性のチューブであることを特徴とする、請求項1に記載の光触媒反応ユニット。
- 前記複数の環状溝又は少なくとも一本のらせん状の溝が、導光体の前記縦軸線方向の一定のピッチ又は変化するピッチで配列されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の光触媒反応ユニット。
- 前記導光体が、前記端面からの、溝のない溝なし区間を有しており、
前記溝なし区間の長さが前記環状溝又は少なくとも一本のらせん状の溝の前記ピッチより大であることを特徴とする、請求項3に記載の光触媒反応ユニット。 - 前記環状溝又は少なくとも一本のらせん状の溝の断面形状が、U字状又は半円状又は半円より浅い円弧状又はV字状のいずれかであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の光触媒反応ユニット。
- 前記光源が前記導光体の端面に近接又は接触して配置されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の光触媒反応ユニット。
- 前記光源と前記導光体との間に配置された少なくとも一つのレンズを更に具備することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の光触媒反応ユニット。
- 請求項1〜7のいずれか一項に記載の光触媒反応ユニットを複数、及び
処理すべき流体の流通路を形成するケーシングを具備しており、
前記複数の光触媒反応ユニットの導光体が前記流通路内に配置されることを特徴とする、光触媒反応装置。 - 前記複数の光触媒反応ユニットの各々が、前記光源と前記導光体との間に配置された少なくとも一つのレンズを具備しており、
前記複数の光触媒反応ユニットのレンズが、複数の光触媒反応ユニット間で共通の基材に一体に形成されていることを特徴とする、請求項8に記載の光触媒反応装置。
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JP2012053429A JP2013184141A (ja) | 2012-03-09 | 2012-03-09 | 光触媒反応装置 |
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JP2012053429A Pending JP2013184141A (ja) | 2012-03-09 | 2012-03-09 | 光触媒反応装置 |
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WO (1) | WO2013133433A1 (ja) |
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JP2006181394A (ja) * | 2003-04-18 | 2006-07-13 | Raizaa Kogyo Kk | 光触媒モジュールとその製造方法及びこれを用いた被処理水の処理装置 |
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2012
- 2012-03-09 JP JP2012053429A patent/JP2013184141A/ja active Pending
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2013
- 2013-03-08 WO PCT/JP2013/056546 patent/WO2013133433A1/ja active Application Filing
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