JP2013182866A - 有機el発光装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】有機EL発光装置100おいて、有機ELパネル10と配線基板20を電気的に接続する端子部材30を、基端部31と突起部32の2面を有する断面略L字状の折り曲げ形状に形成するとともに、突起部32の曲げ剛性が基端部31の曲げ剛性よりも小さくなるように設計して、端子部材30の突起部32が基端部31よりも弾性変形しやすくすることで、発光装置内(例えば、配線基板20)に反りなどの変形が生じた場合でも、端子部材30の突起部32が弾性変形することで、反りなどの応力を吸収するようにして、端子部材30の電気的接続が断たれないようにした。
【選択図】図1
Description
有機ELパネルには、電気的接続を行うための電極取出部がパネルの周縁部かつ発光面とは反対側に形成されており、この部分を接点とし、端子部材等を介して有機ELパネルを配線基板に接続して電気的に駆動するようになっている。
発光装置に反りなどの変形が生じた場合、発光装置内にせん断、引張、圧縮などの応力が発生して、物理的に弱い部分に破壊が起きることがある。特に、有機ELパネルと端子部材の接合部分が損傷しやすく、この部分が剥がれるなどしてしまうと、発光不良という重大なトラブルが発生し、発光装置の機能低下を招いてしまう。
そこで、有機ELパネルの電極取出部と端子部材の接合に関する技術向上の検討がなされている。
また、有機ELパネルの電極取出部に導電可能に接続された断面L字状を呈する端子部材の係合爪を、取付け部材の挟持空間に挿入して係合させることで、所定の位置に有機ELパネルを取り付ける技術が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
また、上記特許文献2の場合、所定の位置に有機ELパネルを取り付けやすく、発光面の全てを活用できるものの、各構成の線膨張係数が異なることに起因する変形によって、有機ELパネルと端子部材の接合部分が損傷してしまうことに関しては改善されていない。
一対の電極間に介装された有機EL発光層が基板に設けられた有機ELパネルと、
前記基板の前記有機EL発光層が設けられた面に対向して設けられ、前記有機ELパネルを発光駆動させるための配線基板と、
前記有機ELパネルと前記配線基板を電気的に接続する端子部材と、を備えた有機EL発光装置であって、
前記端子部材は、前記有機ELパネルにおける前記電極の取出部に接合される基端部と、前記基端部から立設して前記配線基板の接点に接合される突起部と、を有しており、前記突起部は前記基端部よりも曲げ剛性が小さいことを特徴とする。
前記端子部材は、断面略L字状の折り曲げ形状を呈して前記基端部と前記突起部の2面を有しており、前記突起部の面積が、前記基端部の面積より小さいことを特徴とする。
前記突起部の幅が、前記基端部の幅より狭いことを特徴とする。
前記突起部の厚みが、前記基端部の厚みより薄いことを特徴とする。
前記突起部の少なくとも一部に、前記端子部材のなかで最も曲げ剛性が小さい部分が形成されていることを特徴とする。
当該有機EL発光装置は、屋外環境で使用される表示装置に配設されることを特徴とする。
一対の電極2,2間に介装された有機EL発光層3は、発光光を放出可能に透明基板1上に設けられており、一対の電極2,2はそれぞれ、封止板4の外側に引き出された端部に形成された電極取出部2a,2aを有している。
透明基板1に用いることができる樹脂材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステルや、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、アクリル、セロファン等を挙げることができる。
一対の電極2,2のうち他方の電極は、有機EL発光層3に電子を供給(注入)する陰極となる電極膜であり、仕事関数の小さい(例えば4eV以下)材料、例えば、金属、合金、電気伝導性化合物、及びこれらの混合物等の電極材料で形成される。
なお、電極2(陽極、陰極)を通じ、正孔輸送層、電子輸送層から注入されてくる正孔と電子が再結合して発光する発光層を備えている有機EL発光層3の各層の構成や機能は従来公知のものと同様であるので、ここでは詳述しない。
なお、図1で示した封止板4による、電極2,2及び有機EL発光層3の封止は「缶封止」と称される封止態様であり、封止缶としての封止板4と、陰極となる電極2との間には図示しない間隙が設けられている。このような間隙には、吸湿性化合物を含む乾燥剤を配置してもよい。
また、上記「缶封止」による封止に限らず、平板状の封止板4と、電極2,2及び有機EL発光層3の間に、接着剤層を充填するようにして封止する「固体封止」と称される封止態様であってもよい。接着剤層は、例えばUV硬化接着剤または熱硬化接着剤によって形成される。
端子部材30の突起部32は、基端部31から略垂直に立設して延在しており、この突起部32は、有機ELパネル10と配線基板20の間隙(ギャップ)に応じた高さに形成されている。
そして、端子部材30の基端部31は、例えば、Agペーストなどの導電性接着剤やACFなどの導電接着フィルムを用いてなる導電接着部40によって電極取出部2aに接合されている。
また、端子部材30の突起部32は、配線基板20の接点に、はんだ50によって接合されている。
例えば、具体的に、基端部31は、たて幅69mm、よこ幅1.2mmのサイズを有している。この基端部31における突起部32が形成されていない側の長辺縁には、12個の切欠部が5mm間隔で形成されている。切欠部の幅は0.5mmで0.6mmの切込深さを有している。
突起部32は、基端部31のたて幅方向の中央側に位置し、幅2mm、高さ3.1mmのサイズを有している。
また、突起部32の両側には、突起部32と同一面を成し、基端部31から0.8mmの高さに立ち上がっている補強部32aが形成されている。補強部32aは、長尺な基端部31が歪まないように補強する機能を有している。
なお、上記した端子部材30の形状や各部の寸法は、好ましい一実施例であり、これに限定されるものではない。
これらは、例えば、薄い金属板をL字状に折り曲げて一体的に形成することができる。
そして、端子部材30の長手方向に沿う突起部32の幅(2mm)が基端部31の幅(69mm)よりも狭く、また、突起部32の面積が基端部31の面積よりも小さく形成されていることが好ましい。
そして、端子部材30の突起部32が弾性変形することで、発光装置内に生じた応力を吸収し、その応力が端子部材30の接合部分に作用することがなくなるので、導電接着部40によって電極取出部2aに接合されている端子部材30の基端部31が剥がれてしまうようなトラブルの発生を低減することができる。
つまり、この有機EL発光装置100は、温度変化が大きな環境でも好適に使用できる優れた発光装置であるといえる。
例えば、図5に示すように、基端部31の厚さを0.2mm、突起部32(及び補強部32a)の厚さを0.05mmとするように、突起部32の厚みを、基端部31の厚みより薄く形成した端子部材30を用いて、有機ELパネル10と配線基板20を電気的に接続するようにしてもよい。
突起部32の厚みを基端部31の厚みより薄く形成した端子部材30であれば、端子部材30の突起部32は基端部31よりも弾性変形しやすく、発光装置内に生じた応力を吸収することができるので、このような端子部材30を用いた有機EL発光装置100も、温度変化が大きな環境で好適に使用することが可能になる。
基端部31から離間するほど細く形成された突起部32の先端部は、端子部材30のなかで最も曲げ剛性が小さい部分であり、その突起部32は基端部31よりも弾性変形しやすく、発光装置内に生じた応力を吸収することができるので、このような端子部材30を用いた有機EL発光装置100も、温度変化が大きな環境で好適に使用することが可能になる。
突起部32の少なくとも一部が蛇腹状に折曲された部分は、端子部材30のなかで最も曲げ剛性が小さい部分であり、その突起部32は基端部31よりも弾性変形しやすく、発光装置内に生じた応力を吸収することができるので、このような端子部材30を用いた有機EL発光装置100も、温度変化が大きな環境で好適に使用することが可能になる。
例えば、図8に示すように、配線基板20に9つの有機ELパネル10を3×3のアレイ状に配設してなる有機EL発光装置200のように、複数の有機ELパネル10を備えることで、発光装置の大型化を図ることができる。
この有機EL発光装置200は、図9に示すように、配線基板20の背面側に、アタッチメント70を介して支持体であるバックボーンユニット60が取り付けられており、大型化した発光装置を支えるように補強されている。
例えば、上記した実施の形態では、有機ELパネルに用いる基板を光が透過する透明基板としたが、これに限らず不透明な基板(金属箔等)でもよい。この場合は、有機ELパネルの配線基板側か発光光を放出するために、配線基板を透明にすることが好ましい。
2 電極
2a 電極取出部
3 有機EL発光層
4 封止板
10 有機ELパネル
20 配線基板
30 端子部材
31 基端部
32 突起部
40 導電接着部
50 はんだ
60 バックボーンユニット
70 アタッチメント
100、200 有機EL発光装置
Claims (6)
- 一対の電極間に介装された有機EL発光層が基板に設けられた有機ELパネルと、
前記基板の前記有機EL発光層が設けられた面に対向して設けられ、前記有機ELパネルを発光駆動させるための配線基板と、
前記有機ELパネルと前記配線基板を電気的に接続する端子部材と、を備えた有機EL発光装置であって、
前記端子部材は、前記有機ELパネルにおける電極の取出部に接合される基端部と、前記配線基板の接点に接合される突起部と、を有しており、前記突起部は前記基端部よりも曲げ剛性が小さいことを特徴とする有機EL発光装置。 - 前記端子部材は、断面略L字状の折り曲げ形状を呈して前記基端部と前記突起部の2面を有しており、前記突起部の面積が、前記基端部の面積より小さいことを特徴とする請求項1に記載の有機EL発光装置。
- 前記突起部の幅が、前記基端部の幅より狭いことを特徴とする請求項1又は2に記載の有機EL発光装置。
- 前記突起部の厚みが、前記基端部の厚みより薄いことを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の有機EL発光装置。
- 前記突起部の少なくとも一部に、前記端子部材のなかで最も曲げ剛性が小さい部分が形成されていることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の有機EL発光装置。
- 当該有機EL発光装置は、屋外環境で使用される表示装置に配設されることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の有機EL発光装置。
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