JP2013182518A - 導電性光学素子、入力装置および表示装置 - Google Patents

導電性光学素子、入力装置および表示装置 Download PDF

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栄治 太田
Toru Abiko
透 安孫子
Shigehisa Ogawara
重久 大河原
Minoru Muramoto
穣 村本
Masaru Nagashima
勝 永島
Masayasu Kakinuma
正康 柿沼
Yuichi Arizaka
裕一 蟻坂
Jun Sasaki
純 佐々木
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Abstract

【課題】視認性の優れた光学調整機能を有する導電性光学素子を提供する。
【解決手段】導電性光学素子は、第1面および第2面を有する基体と、第1面に可視光の波長以下のピッチで設けられた複数の第1構造体と、第2面に可視光の波長以下のピッチで設けられた複数の第2構造体と、第1構造体上に設けられた透明導電層とを備える。第2構造体の高さが第1構造体の高さよりも高い。
【選択図】図1

Description

本技術は、導電性光学素子、入力装置および表示装置に関する。詳しくは、反射防止機能を有する導電性光学素子に関する。
近年、携帯電話や携帯音楽端末などのモバイル機器にタッチパネルが搭載されるケースが増えている。タッチパネルは、指やペンなどにより接触が行われた場所の位置検出を行うための入力装置である。このようなタッチパネルには、抵抗膜型や静電容量型などがあるが、モバイル機器には静電容量型が非常に多く用いられている。
タッチパネルには、透明導電層を基体の平坦面上に形成した導電性光学素子が用いられている。この導電性光学素子に使用されている透明導電層の材料としては、屈折率が約2.0程度である高屈折率材料(例えばITO(Indium Tin Oxide))が用いられている。このため、透明導電層の厚さによっては反射率が高くなってしまい、表示装置および入力装置の品質を損ねてしまうことがある。
従来、導電性光学素子の反射防止特性を向上するためには、光学多層膜を形成する技術が用いられている。例えば特許文献1では、基材と透明導電層との間に光学多層膜を設けたタッチパネル用の導電性光学素子が提案されている。
特開2003−136625号公報
しかしながら、近年では、タッチパネルを備えたモバイル機器の視認性のさらなる向上が要求されている。この要求に応えるべく、導電性光学素子自体の光学調整機能をさらに向上する要求が高まっている。
したがって、本技術の目的は、視認性の優れた光学調整機能を有する導電性光学素子、入力装置および表示装置を提供することにある。
上述の課題を解決するために、第1の技術は、
第1面および第2面を有する基体と、
第1面に可視光の波長以下のピッチで設けられた複数の第1構造体と、
第2面に可視光の波長以下のピッチで設けられた複数の第2構造体と、
第1構造体上に設けられた透明導電層と
を備え、
第2構造体の高さが第1構造体の高さよりも高い、反射防止機能を有する導電性光学素子である。
第2の技術は、
反射防止機能を有する、少なくとも1つの導電性光学素子を備え、
導電性光学素子は、
第1面および第2面を有する基体と、
第1面に可視光の波長以下のピッチで設けられた複数の第1構造体と、
第2面に可視光の波長以下のピッチで設けられた複数の第2構造体と、
第1構造体上に設けられた透明導電層と
を備え、
第2構造体の高さが第1構造体の高さよりも高い入力装置である。
第3の技術は、
表示部と、
反射防止機能を有する導電性光学素子を有する入力装置と
を備え、
導電性光学素子は、
第1面および第2面を有する基体と、
第1面に可視光の波長以下のピッチで設けられた複数の第1構造体と、
第2面に可視光の波長以下のピッチで設けられた複数の第2構造体と、
第1構造体上に設けられた透明導電層と
を備え、
表示面と入力装置との間に媒質層が設けられ、
第2構造体の高さが第1構造体の高さよりも高い表示装置である。
本技術によれば、基体の第1面に可視光の波長以下のピッチで複数の構造体を設け、基体の第2面に可視光の波長以下のピッチで複数の構造体を設けているので、基体の第1面および第2面の両方に、波長依存性が少なく、視認性の優れた光学調整機能を付与することができる。
また、第2面の構造体の高さを第1面の構造体の高さよりも高くしているので、第1面における透明導電層の表面抵抗の上昇を抑制しつつ、第2面における光学調整機能を向上することができる。
以上説明したように、本技術によれば、波長依存性が少なく、視認性の優れた光学調整機能を有する導電性光学素子を実現できる。この導電性光学素子を入力装置または表示装置に備えた場合には、入力装置または表示装置の視認性を向上することができる。
図1は、本技術の第1の実施形態に係る情報入力装置の構成の一例を示す断面図である。 図2Aは、本技術の第1の実施形態に係る導電性光学素子のX電極およびY電極の一構成例を示す平面図である。図2Bは、図2Aに示したA−A線に沿った断面図である。 図3Aは、図2Aに示した交差部Cの付近を拡大して示す平面図である。図3Bは、図3Aに示したA−A線に沿った断面図である。 図4Aは、導電性光学素子のうち電極が設けられた電極領域R1を拡大して示す断面図である。図4Bは、導電性光学素子のうち電極間に設けられた絶縁領域R2を拡大して示す断面図である。 図5Aは、光学層の表面形状の一例を示す斜視図である。図5Bは、光学層の表面に形成された複数の構造体の配列の一例を示す平面図である。 図6は、構造体4の境界が不明瞭な場合の比率Rsの算出方法について説明するための図である。 図7Aは、ロール原盤の構成の一例を示す斜視図である。図7Bは、図7Aに示したロール原盤の一部を拡大して表す平面図である。図7Cは、図7BのトラックT1、T3、・・・における断面図である。 図8は、ロール原盤を作製するためのロール原盤露光装置の構成の一例を示す概略図である。 図9A〜図9Cは、本技術の第1の実施形態に係る導電性光学素子の製造方法の一例を説明するための工程図である。 図10A〜図10Cは、本技術の第1の実施形態に係る導電性光学素子の製造方法の一例を説明するための工程図である。 図11A〜図11Cは、本技術の第1の実施形態に係る導電性光学素子の製造方法の一例を説明するための工程図である。 図12は、本技術の第1の実施形態に係る導電性光学素子の変形例を示す平面図である。 図13Aは、本技術の第1の実施形態に係る導電性光学素子の変形例を示す平面図である。図13Bは、本技術の第1の実施形態に係る導電性光学素子の変形例を示す断面図である。 図14は、本技術の第2の実施形態に係る情報入力装置の構成の一例を示す断面図である。 図15は、本技術の第2の実施形態に係る情報入力装置の構成の一例を示す分解斜視図である。 図16は、本技術の第3の実施形態に係る情報入力装置の構成の一例を示す断面図である。 図17は、本技術の第4の実施形態に係る情報入力装置の平面図である。 図18は、情報入力装置の電極群の構成を示す平面図である。 図19は、本技術の第4の実施形態に係る情報入力装置の変形例の平面図である。 図20は、本技術の第4の実施形態に係る情報入力装置の変形例の平面図である。 図21は、本技術の第4の実施形態に係る情報入力装置の変形例の平面図である。 図22は、本技術の第4の実施形態に係る情報入力装置の変形例の平面図である。 図23は、本技術の第4の実施形態に係る情報入力装置の変形例の平面図である。 図24は、本技術の第4の実施形態に係る情報入力装置の変形例の平面図である。 図25は、本技術の第4の実施形態に係る情報入力装置の変形例の平面図である。 図26は、本技術の第5の実施形態に係る情報入力装置の構成の一例を示す断面図である。 図27は、本技術の第6の実施形態に係る情報入力装置の構成の一例を示す断面図である。 図28は、本技術の第7の実施形態に係る情報入力装置の構成の一例を示す断面図である。 図29は、本技術の第8の実施形態に係る情報入力装置の構成の一例を示す断面図である。 図30は、本技術の第9の実施形態に係る情報入力装置の構成の一例を示す断面図である。 図31は、本技術の第10の実施形態に係る情報入力装置の構成の一例を示す断面図である。
本技術の実施形態について図面を参照しながら以下の順序で説明する。
(1)第1の実施形態(1つの導電性光学素子を備える情報入力装置の例)
(2)第2の実施形態(2つの導電性光学素子を備える情報入力装置の例)
(3)第3の実施形態(1つの導電性光学素子を備える情報入力装置の例)
(4)第4の実施形態(1つの導電性光学素子を備える情報入力装置の例)
(5)第5の実施形態(シールド層を設けた情報入力装置の例)
(6)第6の実施形態(シールド層を設けた情報入力装置の例)
(7)第7の実施形態(シールド層を設けた情報入力装置の例)
(8)第8の実施形態(裏面側の凹凸面にシールド層を設けた情報入力装置の例)
(9)第9の実施形態(裏面側の凹凸面にシールド層を設けた情報入力装置の例)
(10)第10の実施形態(2つの導電性光学素子を備える情報入力装置の例)
<1.第1の実施形態>
図1は、本技術の第1の実施形態に係る情報入力装置の構成の一例を示す断面図である。情報入力装置101は、図1に示すように、表示装置102の表示面S1上に設けられている。情報入力装置101と表示装置102との間には媒質層10が設けられている。
媒質層10としては、例えば、固体層、液体層または気体層を用いることができ、リワーク性の観点からすると、気体層が好ましい。ここで、リワーク性とは、情報入力装置101を表示装置102から取り外して、情報入力装置101の各部材を再利用することができる特性のことを意味する。固体層としては、例えば、粘着剤層などの貼合層を用いることができる。気体層としては、空気層を用いることができる。ここで、固体には、ゲル状などの半固体も含まれる。
情報入力装置101が適用される表示装置102は特に限定されるものではないが、例示するならば、液晶ディスプレイ、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、プラズマディスプレイ(Plasma Display Panel:PDP)、エレクトロルミネッセンス(Electro Luminescence:EL)ディスプレイ、表面伝導型電子放出素子ディスプレイ(Surface-conduction Electron-emitter Display:SED)などの各種表示装置が挙げられる。
[情報入力装置の構成]
情報入力装置101は、いわゆる投影型静電容量方式タッチパネルであり、図1に示すように、導電性光学素子1と、導電性光学素子1の表面に貼合層7を介して設けられたトッププレート6とを備える。
(導電性光学素子)
導電性光学素子1は、対向する表面(第1面)および裏面(第2面)を有する光学層2と、光学層2の表面に設けられた透明導電層3とを備える。導電性光学素子1の裏面側が表示装置102の表示面S1に対向するように、導電性光学素子1は表示装置102の表示面S1に設けられている。ここで、表面とは、情報入力装置101の入力面S2側となる面(第1面)を意味し、裏面とは、表面とは反対側となる、表示装置102の表示面S1に対向する側の面(第2面)を意味する。
光学層2の表面は、可視光の波長以下のピッチで構造体(第1構造体)4が設けられた凹凸面であり、光学層2の裏面は、可視光の波長以下のピッチで構造体(第2構造体)5が設けられた凹凸面である。このような凹凸面を光学層2の両面に設けることで、波長依存性が少なく、視認性の優れた光学調整機能を導電性光学素子1の両面に付与することができる。したがって、視認性に優れた情報入力装置101およびそれを備えた表示装置102を実現することができる。ここで、光学調整機能とは、透過特性および/または反射特性の光学調整機能を示す。透明導電層3は、光学層2の凹凸面(表面)に倣うように設けられていることが好ましい。光学層2は、例えば、可視光に対して透明性を有しており、その屈折率nは、好ましくは1.40以上2.00以下、より好ましくは1.43以上2.00以下の範囲内であることが好ましい。
(電極)
図2Aは、導電性光学素子のX電極およびY電極の一構成例を示す平面図である。図2Bは、図2Aに示したA−A線に沿った断面図である。透明導電層3は、図2Aおよび図2Bに示すように、パターニングされており、X電極(第1電極)3およびY電極(第2電極)4を構成している。ここでは、導電性光学素子1の表面の面内で互いに直交する2方向をそれぞれX軸方向、およびY軸方向とし、その表面に垂直な方向をZ軸方向と称する。
X電極3およびY電極4の形状としては、例えば、ストライプ状(直線状)、所定形状を有する複数のパッド部(単位電極体)を直線状に連結した形状などが挙げられるが、特にこれらの形状に限定されるものではない。なお、図2Aでは、X電極3およびY電極4の形状として、菱形状(ダイヤモンド形状)の複数のパッド部を直線状に連結した形状を採用した例が示されている。
X電極11は、光学層2の表面においてX軸方向(第1方向)に延在されているに対して、Y電極12は、光学層2の表面においてY軸方向(第2方向)に向かって延在されている。したがって、X電極11とY電極12とは直交するように交差している。X電極11とY電極12とが交差する交差部Cには、両電極間を絶縁するための透明絶縁層13が介在されている。X電極11およびY電極12の一端にはそれぞれ、取り出し電極14が電気的に接続され、この取り出し電極14と駆動回路(図示省略)とがFPC(Flexible Printed Circuit)15を介して接続されている。
図3Aは、図2Aに示した交差部Cの付近を拡大して示す平面図である。図3Bは、図3Aに示したA−A線に沿った断面図である。図3Aに示すように、X電極11は、複数のパッド部(第1単位電極体)11aと、複数のパッド部11a同士を連結する複数の連結部(第1連結部)11bとを備える。連結部11bは、X軸方向に延在されており、隣り合うパッド部11aの端部同士を連結する。図3Aに示すように、Y電極12は、複数のパッド部(第2単位電極体)12aと、複数のパッド部12a同士を連結する複数の連結部(第2連結部)12bとを備える。連結部12bは、Y軸方向に延在されており、隣り合うパッド部12aの端部同士を連結する。
図3Bに示すように、交差部Cでは、連結部12b、透明絶縁層13、連結部11bがこの順序で光学層2の表面に積層されている。連結部11bは、透明絶縁層13を横断して跨ぐように形成され、透明絶縁層13を跨いだ連結部11bの一端が、隣り合うパッド部11aの一方と電気的に接続され、透明絶縁層13を跨いだ連結部11bの他端が、隣り合うパッド部11aの他方と電気的に接続される。
パッド部11aと連結部11bとは、別形成されている。パッド部12aと連結部12bとは、一体的に形成されている。パッド部11a、パッド部12aおよび連結部12bは、例えば、透明導電層3からなり、連結部11bは、例えば、導電層からなる。以下、これらの透明導電層および導電層について説明する。
(透明導電層)
パッド部11aおよびパッド部12aを構成する透明導電層3は、透明導電材料を主成分としている。透明導電材料としては、導電性の観点からすると、透明酸化物半導体を用いることが好ましい。透明酸化物半導体としては、例えば、SnO2、InO2、ZnOおよびCdOなどの二元化合物、二元化合物の構成元素であるSn、In、ZnおよびCdのうちの少なくとも一つの元素を含む三元化合物、または多元系(複合)酸化物を用いることができる。透明酸化物半導体の具体例としては、例えばインジウム錫酸化物(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、アルミドープ酸化亜鉛(AZO(Al23、ZnO))、SZO、フッ素ドープ酸化錫(FTO)、酸化錫(SnO2)、ガリウムドープ酸化亜鉛(GZO)、酸化インジウム亜鉛(IZO(In23、ZnO))などが挙げられる。特に、信頼性の高さ、および抵抗率の低さなどの観点から、インジウム錫酸化物(ITO)が好ましい。透明酸化物半導体は、導電性の向上の観点からすると、アモルファスと多結晶との混合状態であることが好ましい。
パッド部11aおよびパッド部12aを形成する透明導電層3の表面抵抗は、50Ω/□以上4000Ω/□以下の範囲内であることが好ましく、より好ましくは50Ω/□以上500Ω/□以下の範囲内である。ここで、透明導電層3の表面抵抗は、4端子測定(JIS K 7194)により求めたものである。透明導電層3の比抵抗は、1×10-3Ω・cm以下であることが好ましい。1×10-3Ω・cm以下であると、上記表面抵抗範囲を実現することができるからである。
(導電層)
連結部11bを構成する導電層としては、例えば、金属層または透明導電層を用いることができる。金属層は、金属を主成分として含んでいる。金属としては、導電性の高い金属を用いるこことが好ましく、このような材料としては、例えば、Ag、Al、Cu、Ti、Nb、不純物添加Siなどが挙げられるが、導電性の高さ、ならびに成膜性および印刷性などを考慮すると、Agが好ましい。金属層の材料として導電性が高い金属を用いることにより、連結部11bの幅を狭くし、その厚さを薄くし、その長さを短くすることが好ましい。これにより視認性を向上することができる。
透明導電層は、透明導電材料を主成分として含んでいる。透明導電材料としては、パッド部11a、パッド部12aおよびパッド部12bと同様のものを用いることができる。導電層として透明導電層を用いる場合には、連結部11bが透明を有するために、導電層として金属層を用いる場合よりも連結部11bの幅を広くするようにしてもよい。
(パッド部)
パッド部11aおよびパッド部12aの形状としては、例えば、菱形、星形、矩形、および十字形などを用いることができるが、これらの形状に限定されるものではない。パッド部11aおよびパッド部12aが菱形を有する場合には、情報入力装置101を入力面(タッチ面)S2側からみると、菱形を有するパッド部11aおよびパッド部12aが敷き詰められて、最密充填された状態となっていることが好ましい。具体的には、菱形を有するパッド部11aおよびパッド部12aは、対向する2組の角部を有し、一方の組の角部がX軸方向を向き、他方の組の角部がY軸方向を向くように敷き詰められていることが好ましい。これにより、情報入力装置101の光学特性を面内でほぼ同様にすることができる。
(連結部)
連結部3aの形状としては矩形状を採用することができるが、連結部11bの形状は隣り合うパッド部11a同士を連結可能な形状であればよく特に矩形状に限定されるものではない。矩形状以外の形状の例としては、線状、長円状、三角形状、不定形状などを挙げることができる。また、隣り合うパッド部11a同士およびパッド部12a同士を、複数の連結部11bおよび連結部12bにより連結するようにしてもよい。また、連結部11bおよび連結部12bの構造をメッシュ構造とすることも可能である。
(透明絶縁層)
透明絶縁層13は、連結部11bと連結部12bとが交差する部分より大きな面積を有していることが好ましく、例えば、交差部Cに位置するパッド部11aおよびパッド部12aの先端に被さる程度の大きさを有している。
透明絶縁層13は、透明絶縁材料を主成分として含んでいる。透明絶縁材料としては、透明性を有する高分子材料を用いることが好ましく、このような材料としては、例えば、ポリメチルメタアクリレート、メチルメタクリレートと他のアルキル(メタ)アクリレート、スチレンなどといったビニルモノマーとの共重合体などの(メタ)アクリル系樹脂;ポリカーボネート、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート(CR-39)などのポリカーボネート系樹脂;(臭素化)ビスフェノールA型のジ(メタ)アクリレートの単独重合体ないし共重合体、(臭素化)ビスフェノールAモノ(メタ)アクリレートのウレタン変性モノマーの重合体及び共重合体などといった熱硬化性(メタ)アクリル系樹脂;ポリエステル特にポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートおよび不飽和ポリエステル、アクリロニトリル−スチレン共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリアリレート、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、シクロオレフィンポリマー(商品名:アートン、ゼオノア)、シクロオレフィンコポリマーなどが挙げられる。また、耐熱性を考慮したアラミド系樹脂を使用することも可能である。ここで、(メタ)アクリレートは、アクリレートまたはメタアクリレートを意味する。また、(メタ)アクリルとは、アクリル系樹脂またはメタアクリル系樹脂を意味する。
透明絶縁層13の体積抵抗率は1012Ω・cm以上であることが好ましい。透明絶縁層13の形状は、交差部CにおいてX電極11とY電極12との間に介在し、両電極の電気的接触を防ぐことが可能な形状であればよく特に限定されるものではないが、例示するならば、四角形などの多角形、楕円形、円形などを挙げることができる。四角形としては、例えば、長方形、正方形、菱形、台形、平行四辺形、角に曲率Rが付された矩形状が挙げられる。
(電極の形状)
図4Aは、導電性光学素子のうち電極が設けられた電極領域R1を拡大して示す断面図である。図4Bは、導電性光学素子のうち電極間に設けられた絶縁領域R2を拡大して示す断面図である。導電性光学素子1には、光学層2の凹凸面がX電極11およびY電極12(すなわち透明導電層3)により覆われた電極領域R1と、光学層2の凹凸面がX電極11およびY電極12(すなわち透明導電層3)により覆われず露出した絶縁領域R2とがある。絶縁領域R2は、透明導電層3により構成されるX電極11およびY電極12の間を絶縁する絶縁領域として機能する。
X電極11およびY電極12を構成する透明導電層3は、光学層2の凹凸面(表面)に倣うように設けられていることが好ましい。これにより、波長依存性が少なく、視認性に優れた光学調整機能を得ることができる。したがって、X電極11およびY電極12の視認を抑制することができる。透明絶縁層13も、光学層2の凹凸面(表面)に倣うように形成されていることが好ましい。これにより、波長依存性が少なく、視認性に優れた光学調整機能を得ることができる。したがって、透明絶縁層13の視認を抑制することができる。
交差部Cにおいて、積層された連結部12b、透明絶縁層13および連結部11bがすべて光学層2の凹凸面(表面)に倣うように形成されていることが好ましい。これにより、公差部Cにおいて、視認性に優れた光学調整機能を得ることができる。したがって、公差部Cにおいて、Y電極12、透明絶縁層13およびX電極11の視認を抑制することができる。
したがって、波長依存性が少なく、視認性に優れた光学調整機能を得る観点からすると、X電極11およびY電極12が光学層2の凹凸面(表面)に倣うように形成されていることが好ましく、X電極11、透明絶縁層13およびY電極12がすべて光学層2の凹凸面(表面)に倣うように形成されていることがより好ましい。
(光学層)
図5Aは、光学層の表面形状の一例を示す斜視図である。光学層2は、例えば、表面および裏面を有する基体21と、基体21の表面に設けられた複数の構造体4と、基体2の裏面に設けられた構造体5とを備える。裏面の構造体5の高さを表面の構造体4の高さよりも高くすることが好ましい。表面における透明導電層3の表面抵抗の上昇を抑制しつつ、裏面における光学調整機能を向上することができるからである。導電性光学素子1にカールが発生することを抑制するためには、光学層2の表面に設けられた構造体4と、裏面に設けられた構造体5とを同一またはほぼ同一の構成とすることが好ましい。
複数の構造体4は、基体21の表面において複数の列をなすように配置されている。基体21の表面側の凹凸面は、このように配列された複数の構造体4により形成されている。構造体4は、例えば、基体21の表面に対して凸状または凹状を有している。なお、図5Aでは、構造体4が、基体21の表面に対して凸状を有する例が示されている。構造体4と基体21とは、例えば、別成形または一体成形されている。
構造体4と基体21とが別成形されている場合には、図4Aおよび図4Bに示すように、必要に応じて構造体4と基体21との間に基底層22をさらに備えるようにしてもよい。基底層22は、構造体4の底面側に構造体4と一体成形される光学層(第1光学層)であり、構造体4と同様のエネルギー線硬化性樹脂組成物などを硬化してなる。
複数の構造体5は、基体21の裏面において複数の列をなすように配置されている。基体21の裏面側の凹凸面は、このように配列された複数の構造体5により形成されている。構造体5は、例えば、基体21の裏面に対して凸状または凹状を有している。なお、図5Aでは、構造体5が、基体21の表面に対して凸状を有する例が示されている。構造体4と基体21とは、例えば、別成形または一体成形されている。
構造体5と基体21とが別成形されている場合には、図4Aおよび図4Bに示すように、必要に応じて構造体5と基体21との間に基底層23をさらに備えるようにしてもよい。基底層23は、構造体5の底面側に構造体5と一体成形される光学層(第2光学層)であり、構造体5と同様のエネルギー線硬化性樹脂組成物などを硬化してなる。
光学層2が基底層22および基底層23を備える場合には、図4Aおよび図4Bに示すように、基底層22の厚さD1が基底層23の厚さD2よりも厚いことが好ましい。透明導電性素子1にカールが発生することを抑制できるからである。透明導電性素子1にカールが発生することを抑制する観点からすると、基底層22および基底層23のうち基底層22のみを光学層2に設けることが最も好ましい。
光学層2の表面側の構造体4の屈折率は、貼合層7および基体21の屈折率と同様またはほぼ同様であることが好ましい。内部反射を抑制することができ、コントラストを向上することができるからである。光学層2の裏面側の構造体5の屈折率は、媒質層10の屈折率と同様またはほぼ同様であることが好ましい。内部反射を抑制することができ、コントラストを向上することができるからである。あるいは、光学層2の裏面側の構造体5の屈折率は、基体21の屈折率と同様またはほぼ同様であることが好ましい。基体21と構造体5の屈折率差による内部反射、および構造体5の基底層23の厚みムラによる干渉ムラを抑制することができるからである。
(基体)
基体21は、例えば、透明性を有する透明基体である。基体21の材料としては、例えば、透明性を有するプラスチック材料、ガラスなどを主成分とするものが挙げられるが、これらの材料に特に限定されるものではない。
ガラスとしては、例えば、ソーダライムガラス、鉛ガラス、硬質ガラス、石英ガラス、液晶化ガラスなど(「化学便覧」基礎編、P.I-537、日本化学会編参照)が用いられる。プラスチック材料としては、透明性、屈折率、および分散などの光学特性、さらには耐衝撃性、耐熱性、および耐久性などの諸特性の観点から、ポリメチルメタアクリレート、メチルメタクリレートと他のアルキル(メタ)アクリレート、スチレンなどといったビニルモノマーとの共重合体などの(メタ)アクリル系樹脂;ポリカーボネート、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート(CR-39)などのポリカーボネート系樹脂;(臭素化)ビスフェノールA型のジ(メタ)アクリレートの単独重合体ないし共重合体、(臭素化)ビスフェノールAモノ(メタ)アクリレートのウレタン変性モノマーの重合体及び共重合体などといった熱硬化性(メタ)アクリル系樹脂;ポリエステル特にポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートおよび不飽和ポリエステル、アクリロニトリル−スチレン共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリアリレート、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、シクロオレフィンポリマー(商品名:アートン、ゼオノア)、シクロオレフィンコポリマーなどが好ましい。また、耐熱性を考慮したアラミド系樹脂の使用も可能である。ここで、(メタ)アクリレートは、アクリレートまたはメタアクリレートを意味する。また、(メタ)アクリル系樹脂とは、アクリル系樹脂またはメタアクリル系樹脂を意味する。
基体21としてプラスチック材料を用いる場合、プラスチック表面の表面エネルギー、塗布性、すべり性、平面性などをより改善するために、表面処理として下塗り層を設けるようにしてもよい。この下塗り層としては、例えば、オルガノアルコキシメタル化合物、ポリエステル、アクリル変性ポリエステル、ポリウレタンなどが挙げられる。また、下塗り層を設けるのと同様の効果を得るために、基体21の表面に対してコロナ放電、UV照射処理を行うようにしてもよい。
基体21がプラスチックフィルムである場合には、基体21は、例えば、上述の樹脂を伸延、あるいは溶剤に希釈後フィルム状に成膜して乾燥するなどの方法で得ることができる。また、基体21の厚さは、情報入力装置101の用途に応じて適宜選択することが好ましく、例えば10μm以上500μm以下程度である。
基体21の形状としては、例えば、シート状、プレート状、ブロック状を挙げることができるが、特にこれらの形状に限定されるものではない。ここで、シートにはフィルムが含まれるものと定義する。
(構造体)
図5Bは、基体21の表面に設けられた複数の構造体の配列の一例を示す平面図である。図5Bに示すように、複数の構造体4は、基体21の表面に2次元配列されている。構造体4は、反射の低減または透過の向上を目的とする光の波長帯域以下の短い平均配置ピッチで周期的に2次元配列されていることが好ましい。
図5Cは、基体21の裏面に設けられた複数の構造体の配列の一例を示す平面図である。図5Cに示すように、複数の構造体5は、基体21の裏面に2次元配列されている。構造体5は、反射の低減または透過の向上を目的とする光の波長帯域以下の短い平均配置ピッチで周期的に2次元配列されていることが好ましい。
複数の構造体4、5はそれぞれ、基体21の表面および裏面において複数列のトラックT1,T2,T3,・・・(以下総称して「トラックT」ともいう。)をなすような配置形態を有する。本技術において、トラックとは、複数の構造体4、5が列をなして連なった部分のことをいう。トラックTの形状としては、直線状、円弧状などを用いることができ、これらの形状のトラックTをウォブル(蛇行)させるようにしてもよい。このようにトラックTをウォブルさせることで、外観上のムラの発生を抑制できる。
トラックTをウォブルさせる場合には、基体21上における各トラックTのウォブルは、同期していることが好ましい。すなわち、ウォブルは、シンクロナイズドウォブルであることが好ましい。このようにウォブルを同期させることで、六方格子または準六方格子の単位格子形状を保持し、充填率を高く保つことができる。ウォブルしたトラックTの波形としては、例えば、サイン波、三角波などを挙げることができる。ウォブルしたトラックTの波形は、周期的な波形に限定されるものではなく、非周期的な波形としてもよい。ウォブルしたトラックTのウォブル振幅は、例えば±10nm程度に選択される。
構造体4、5は、例えば、隣接する2つのトラックT間において、半ピッチずれた位置に配置されている。具体的には、隣接する2つのトラックT間において、一方のトラック(例えばT1)に配列された構造体4、5の中間位置(半ピッチずれた位置)に、他方のトラック(例えばT2)の構造体4、5が配置されている。その結果、図5Bに示すように、隣接する3列のトラック(T1〜T3)間においてa1〜a7の各点に構造体4、5の中心が位置する六方格子パターンまたは準六方格子パターンを形成するように構造体4、5が配置されている。
ここで、六方格子とは、正六角形状の格子のことをいう。準六方格子とは、正六角形状の格子とは異なり、歪んだ正六角形状の格子のことをいう。例えば、構造体4、5が直線上に配置されている場合には、準六方格子とは、正六角形状の格子を直線状の配列方向(トラック方向)に引き伸ばして歪ませた六方格子のことをいう。構造体4、5が円弧状に配置されている場合には、準六方格子とは、正六角形状の格子を円弧状に歪ませた六方格子、または正六角形状の格子を配列方向(トラック方向)に引き伸ばして歪ませ、かつ、円弧状に歪ませた六方格子のことをいう。構造体4、5が蛇行して配列されている場合には、準六方格子とは、正六角形状の格子を構造体4、5の蛇行配列により歪ませた六方格子、または正六角形状の格子を配列方向(トラック方向)に引き伸ばして歪ませ、かつ、構造体4、5の蛇行配列により歪ませた六方格子のことをいう。
構造体4、5が準六方格子パターンを形成するように配置されている場合には、図5Bに示すように、同一トラック(例えばT1)内における構造体4、5の配置ピッチP1(例えばa1〜a2間距離)は、隣接する2つのトラック(例えばT1およびT2)間における構造体4、5の配置ピッチ、すなわちトラックの延在方向に対して±θ方向における構造体4、5の配置ピッチP2(例えばa1〜a7、a2〜a7間距離)よりも長くなっていることが好ましい。このように構造体4、5を配置することで、構造体4、5の充填密度の更なる向上を図れるようになる。
構造体4、5の具体的な形状としては、例えば、錐体状、柱状、針状、半球体状、半楕円体状、多角形状などが挙げられるが、これらの形状に限定されるものではなく、他の形状を採用するようにしてもよい。錐体状としては、例えば、頂部が尖った錐体形状、頂部が平坦な錐体形状、頂部に凸状または凹状の曲面を有する錐体形状が挙げられ、電気的信頼性の観点からすると、頂部に凸状の曲面を有する錐体形状が好ましいが、これらの形状に限定されるものではない。頂部に凸状の曲面を有する錐体形状としては、例えば、放物面状などの2次曲面状が挙げられる。また、錐体状の錐面を凹状または凸状に湾曲させるようにしてもよい。後述するロール原盤露光装置(図8参照)を用いてロール原盤を作製する場合には、構造体4、5の形状として、頂部に凸状の曲面を有する楕円錐形状、または頂部が平坦な楕円錐台形状を採用し、それらの底面を形成する楕円形の長軸方向をトラックTの延在方向と一致させることが好ましい。ここで、楕円、球体、楕円体などの形状には、数学的に定義される完全な楕円、球体、楕円体などの形状のみならず、多少の歪みが付与された楕円、球体、楕円体などの形状も含まれる。
光学調整機能の向上の観点からすると、頂部の傾きが緩やかで中央部から底部に徐々に急峻な傾きの錐体形状が好ましい。また、光学調整機能の向上の観点からすると、中央部の傾きが底部および頂部より急峻な錐形形状、または、頂部が平坦な錐体形状であることが好ましい。構造体4が楕円錐形状または楕円錐台形状を有する場合、その底面の長軸方向が、トラックの延在方向と平行となることが好ましい。
構造体4、5は、その底部の周縁部に、頂部から下部の方向に向かってなだらかに高さが低下する曲面部25を有することが好ましい。情報入力装置101の製造工程において光学層2を原盤などから容易に剥離することが可能になるからである。なお、曲面部235は、構造体4、5の周縁部の一部にのみ設けてもよいが、上記剥離特性の向上の観点からすると、構造体4、5の周縁部の全部に設けることが好ましい。
構造体4、5の周囲の一部または全部に突出部24を設けることが好ましい。このようにすると、構造体4、5の充填率が低い場合でも、反射率を低く抑えることができるからである。突出部24は、成形の容易さの観点からすると、隣り合う構造体4、5の間に設けることが好ましい。また、構造体4、5の周囲の一部または全部の表面を荒らし、微細の凹凸を形成するようにしてもよい。具体的には例えば、隣り合う構造体4、5の間の表面を荒らし、微細な凹凸を形成するようにしてもよい。また、構造体4、5の表面、例えば頂部に微小な穴を形成するようにしてもよい。
なお、図5A〜図5Cでは、各構造体4、5がそれぞれ同一の大きさ、形状および高さを有しているが、構造体4、5の形状はこれに限定されるものではなく、基体表面に2種以上の大きさ、形状および高さを有する構造体4、5が形成されていてもよい。
トラックの延在方向における構造体4、5の高さH1は、列方向における構造体4、5の高さH2よりも小さいことが好ましい。すなわち、構造体4、5の高さH1、H2がH1<H2の関係を満たすことが好ましい。H1≧H2の関係を満たすように構造体4、5を配列すると、トラックの延在方向の配置ピッチP1を長くする必要が生じるため、トラックの延在方向における構造体4、5の充填率が低下するためである。このように充填率が低下すると、光学調整機能の低下を招くことになる。
なお、構造体4、5のアスペクト比は全て同一である場合に限らず、各構造体4、5が一定の高さ分布をもつように構成されていてもよい。高さ分布を有する構造体4、5を設けることで、光学調整機能の波長依存性を低減することができる。したがって、優れた光学調整機能を有する情報入力装置101を実現することができる。
ここで、高さ分布とは、2種以上の高さを有する構造体4、5が基体21の表面および裏面に設けられていることを意味する。例えば、基準となる高さを有する構造体4、5と、この構造体4、5とは異なる高さを有する構造体4、5とが基体21の表面および裏面に設けるようにしてもよい。この場合、基準とは異なる高さを有する構造体4、5は、例えば基体21の表面および裏面に周期的または非周期的(ランダム)に設けられる。その周期性の方向としては、例えば、トラックの延在方向、列方向などが挙げられる。
基体21の表面に設けられた構造体4のアスペクト比(高さまたは深さH/配置ピッチP)は、好ましくは0.25以上0.98以下、より好ましくは0.44以上0.63以下の範囲内である。アスペクト比が0.25以上であると、パターン視認性と抵抗値の両立が可能となる。一方、アスペクト比が0.98以下であると、パターン視認性と抵抗値の両立が可能となる。
構造体4の配置ピッチPは、光学調整機能を目的とする光の波長帯域以下であることが好ましい。光学調整機能を目的とする光の波長帯域は、例えば、紫外光の波長帯域、可視光の波長帯域または赤外光の波長帯域である。ここで、紫外光の波長帯域とは10nm〜360nmの波長帯域、可視光の波長帯域とは360nm〜830nmの波長帯域、赤外光の波長帯域とは830nm〜1mmの波長帯域をいう。
構造体4の高さHは、好ましくは70nm以上150nm以下、より好ましくは110nm以上150nm以下の範囲内である。構造体4の高さHが70nm以上であると、パターン視認性と抵抗値の両立が可能となる。一方、構造体4の高さHが150nm以下であると、パターン視認性と抵抗値の両立が可能となる。
基体21の裏面に設けられた構造体5のアスペクト比(高さまたは深さH/配置ピッチP)は、好ましくは0.66以上1.96以下、より好ましくは0.76以上1.96以下である。アスペクト比が0.66以上であると、低反射特性が確立できる。一方、アスペクト比が1.96以下であると、離型性などを向上できる。
構造体5の配置ピッチPは、光学調整機能を目的とする光の波長帯域以下であることが好ましい。光学調整機能を目的とする光の波長帯域は、例えば、紫外光の波長帯域、可視光の波長帯域または赤外光の波長帯域である。ここで、紫外光の波長帯域とは10nm〜360nmの波長帯域、可視光の波長帯域とは360nm〜830nmの波長帯域、赤外光の波長帯域とは830nm〜1mmの波長帯域をいう。
構造体5の高さHは、好ましくは180nm以上300nm以下、より好ましくは190nm以上300nm以下である。構造体5の高さHが180nm以上であると、低反射特性が確立できる。一方、構造体5の高さHが300nm以下であると、離型性などを向上できる。
なお、本技術においてアスペクト比は、以下の式(1)により定義される。
アスペクト比=H/P・・・(1)
但し、H:構造体の高さ、P:平均配置ピッチ(平均周期)
ここで、平均配置ピッチPは以下の式(2)により定義される。
平均配置ピッチP=(P1+P2+P2)/3 ・・・(2)
但し、P1:トラックの延在方向の配置ピッチ(トラック延在方向周期)、P2:トラックの延在方向に対して±θ方向(但し、θ=60°−δ、ここで、δは、好ましくは0°<δ≦11°、より好ましくは3°≦δ≦6°)の配置ピッチ(θ方向周期)
また、構造体4、5の高さHは、構造体4、5のトラック間方向(Y方向)の高さとする。構造体4、5のトラック延在方向(X方向)の高さは、トラック間方向(Y方向)の高さよりも小さく、また、構造体4、5のトラック延在方向以外の部分における高さはトラック間方向の高さとほぼ同一であるため、構造体4、5の高さをトラック間方向の高さで代表する。但し、構造体4、5が凹部である場合、上記式(1)における構造体4、5の高さHは、構造体4、5の深さHとする。
同一トラック内における構造体4、5の配置ピッチをP1、隣接する2つのトラック間における構造体4、5の配置ピッチをP2としたとき、比率P1/P2が、1.00≦P1/P2≦1.1、または1.00<P1/P2≦1.1の関係を満たすことが好ましい。このような数値範囲にすることで、楕円錐または楕円錐台形状を有する構造体4の充填率を向上することができるので、光学調整機能を向上することができる。
基体21の表面および裏面における構造体4、5の充填率は、100%を上限として、65%以上、好ましくは73%以上、より好ましくは86%以上の範囲内である。充填率をこのような範囲にすることで、反射防止特性を向上することができる。充填率を向上させるためには、隣接する構造体4、5の下部同士を接合する、または、構造体4、5の底面の楕円率を調整などして構造体4、5に歪みを付与することが好ましい。
ここで、構造体4、5の充填率(平均充填率)は以下のようにして求めた値である。
まず、導電性光学素子1の表面を走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)を用いてTop Viewで撮影する。次に、撮影したSEM写真から無作為に単位格子Ucを選び出し、その単位格子Ucの配置ピッチP1、およびトラックピッチTpを測定する(図1B参照)。また、その単位格子Ucの中央に位置する構造体4、5の底面の面積Sを画像処理により測定する。次に、測定した配置ピッチP1、トラックピッチTp、および底面の面積Sを用いて、以下の式(3)より充填率を求める。
充填率=(S(hex.)/S(unit))×100 ・・・(3)
単位格子面積:S(unit)=P1×2Tp
単位格子内に存在する構造体4、5の底面の面積:S(hex.)=2S
上述した充填率算出の処理を、撮影したSEM写真から無作為に選び出された10箇所の単位格子について行う。そして、測定値を単純に平均(算術平均)して充填率の平均率を求め、これを基体表面における構造体4、5の充填率とする。
構造体4、5が重なっているときや、構造体4、5の間に突出部24などの副構造体があるときの充填率は、構造体4、5の高さに対して5%の高さに対応する部分を閾値として面積比を判定する方法で充填率を求めることができる。
図6は、構造体4、5の境界が不明瞭な場合の充填率の算出方法について説明するための図である。構造体4、5の境界が不明瞭な場合には、断面SEM観察により、図6に示すように、構造体4、5の高さhの5%(=(d/h)×100)に相当する部分を閾値とし、その高さdで構造体4、5の径を換算し充填率を求めるようにする。構造体4、5の底面が楕円である場合には、長軸および短軸で同様の処理を行う。
構造体4、5が、その下部同士を重ね合うようにして繋がっていることが好ましい。具体的には、隣接関係にある構造体4、5の一部または全部の下部同士が重なり合っていることが好ましく、トラック方向、θ方向、またはそれら両方向において重なり合っていることが好ましい。このように構造体4、5の下部同士を重なり合わせることで、構造体4、5の充填率を向上することができる。構造体4、5同士は、屈折率を考慮した光路長で使用環境下の光の波長帯域の最大値の1/4以下の部分で重なり合っていることが好ましい。これにより、優れた光学調整機能を得ることができるからである。
配置ピッチP1に対する径2rの比率((2r/P1)×100)が、好ましくは85%以上、より好ましくは90%以上、さらに好ましくは95%以上の範囲内である。このような範囲にすることで、構造体4、5の充填率を向上し、光学調整機能を向上できるからである。比率((2r/P1)×100)が大きくなり、構造体4、5の重なりが大きくなりすぎると光学調整機能が低減する傾向にある。したがって、屈折率を考慮した光路長で使用環境下の光の波長帯域の最大値の1/4以下の部分で構造体4、5同士が接合されるように、比率((2r/P1)×100)の上限値を設定することが好ましい。ここで、配置ピッチP1は、構造体4、5のトラック延在方向(X方向)の配置ピッチであり、径2rは、構造体4、5の底面のトラック延在方向(X方向)の径である。なお、構造体底面が円形である場合、径2rは直径となり、構造体底面が楕円形である場合、径2rは長径となる。
構造体4、5が準六方格子パターンを形成する場合には、構造体4、5の底面の楕円率eは、100%<e<150%以下であることが好ましい。この範囲にすることで、構造体4、5の充填率を向上し、優れた光学調整機能を得ることができるからである。
(トッププレート)
前面部材であるトッププレート6は、例えば、可視光に対して透明性を有する透明基体である。基体21の材料としては、例えば、上述の光学層2の基体21と同様のものを用いることができ、トッププレート6に剛性を付与する観点からすると、ガラスなどが好ましい。トッププレート6の屈折率nは、1.2以上1.7以下の範囲内であることが好ましい。
(貼合層)
貼合層7としては、例えば、粘着ペースト、粘着テープなどを用いることができる。それらの粘着剤としては、例えば、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコン系粘着剤などを用いることができるが、透明性の観点からすると、アクリル系粘着剤が好ましい。
トッププレート6および貼合層7に代えて、SiO2などのセラミックコート層(オーバーコート層)を情報入力装置101の前面に備えるようにしてもよい。
[ロール原盤の構成]
図7Aは、ロール原盤の構成の一例を示す斜視図である。図7Bは、図7Aに示したロール原盤の一部を拡大して表す平面図である。図7Cは、図7BのトラックT1、T3、・・・における断面図である。ロール原盤31は、上述した構成を有する光学層2を作製するための原盤、より具体的には、上述した基体表面に複数の構造体4、5を成形するための原盤である。ロール原盤31は、例えば、円柱状または円筒状の形状を有し、その円柱面または円筒面が基体表面に複数の構造体4、5を成形するための成形面とされる。この成形面には、例えば、複数の構造体32が2次元配列されている。構造体32は、例えば、成形面に対して凹状または凸状を有している。なお、図7Cでは、構造体32が成形面に対して凹状を有する例が示されている。ロール原盤31の材料としては、例えばガラスを用いることができるが、この材料に特に限定されるものではない。
ロール原盤31の成形面に配置された複数の構造体32と、上述の基体3の表面に配置された複数の構造体4、5とは、反転した凹凸関係にある。すなわち、ロール原盤31の構造体32の形状、配列、配置ピッチなどは、基体3の構造体4、5と同様である。
[露光装置の構成]
図8は、ロール原盤を作製するためのロール原盤露光装置の構成の一例を示す概略図である。このロール原盤露光装置は、光学ディスク記録装置をベースとして構成されている。
レーザー光源41は、記録媒体としてのロール原盤31の表面に着膜されたレジストを露光するための光源であり、例えば波長λ=266nmの記録用のレーザー光34を発振するものである。レーザー光源41から出射されたレーザー光34は、平行ビームのまま直進し、電気光学素子(EOM:Electro Optical Modulator)42へ入射する。電気光学素子42を透過したレーザー光34は、ミラー43で反射され、変調光学系45に導かれる。
ミラー43は、偏光ビームスプリッタで構成されており、一方の偏光成分を反射し他方の偏光成分を透過する機能をもつ。ミラー43を透過した偏光成分はフォトダイオード44で受光され、その受光信号に基づいて電気光学素子42を制御してレーザー光34の位相変調を行う。
変調光学系45において、レーザー光34は、集光レンズ46により、ガラス(SiO2)などからなる音響光学素子(AOM:Acousto-Optic Modulator)47に集光される。レーザー光34は、音響光学素子47により強度変調され発散した後、レンズ48によって平行ビーム化される。変調光学系45から出射されたレーザー光34は、ミラー51によって反射され、移動光学テーブル52上に水平かつ平行に導かれる。
移動光学テーブル52は、ビームエキスパンダ53、および対物レンズ54を備えている。移動光学テーブル52に導かれたレーザー光34は、ビームエキスパンダ53により所望のビーム形状に整形された後、対物レンズ54を介して、ロール原盤31上のレジスト層へ照射される。ロール原盤31は、スピンドルモータ55に接続されたターンテーブル56の上に載置されている。そして、ロール原盤31を回転させるとともに、レーザー光34をロール原盤31の高さ方向に移動させながら、レジスト層へレーザー光34を間欠的に照射することにより、レジスト層の露光工程が行われる。形成された潜像は、円周方向に長軸を有する略楕円形になる。レーザー光34の移動は、移動光学テーブル52の矢印R方向への移動によって行われる。
露光装置は、図2Cに示した六方格子または準六方格子の2次元パターンに対応する潜像をレジスト層に形成するための制御機構57を備えている。制御機構57は、フォマッター49とドライバ50とを備える。フォマッター49は、極性反転部を備え、この極性反転部が、レジスト層に対するレーザー光34の照射タイミングを制御する。ドライバ50は、極性反転部の出力を受けて、音響光学素子47を制御する。
このロール原盤露光装置では、2次元パターンが空間的にリンクするように1トラック毎に極性反転フォマッター信号と回転コントロラーを同期させて信号を発生し、音響光学素子47により強度変調している。角速度一定(CAV)で適切な回転数と適切な変調周波数と適切な送りピッチでパターニングすることにより、六方格子または準六方格子パターンを記録することができる。
[導電性光学素子の製造方法]
図9A〜図11Cは、本技術の第1の実施形態に係る導電性光学素子の製造方法の一例を説明するための工程図である。
(レジスト成膜工程)
まず、図9Aに示すように、円柱状または円筒状のロール原盤31を準備する。このロール原盤31は、例えばガラス原盤である。次に、図9Bに示すように、ロール原盤31の表面にレジスト層33を形成する。レジスト層33の材料としては、例えば有機系レジスト、および無機系レジストのいずれを用いてもよい。有機系レジストとしては、例えばノボラック系レジストや化学増幅型レジストを用いることができる。また、無機系レジストとしては、例えば、1種または2種以上含む金属化合物を用いることができる。
(露光工程)
次に、図9Cに示すように、ロール原盤31の表面に形成されたレジスト層33に、レーザー光(露光ビーム)34を照射する。具体的には、図8に示したロール原盤露光装置のターンテーブル56上に載置し、ロール原盤31を回転させると共に、レーザー光(露光ビーム)34をレジスト層33に照射する。このとき、レーザー光34をロール原盤31の高さ方向(円柱状または円筒状のロール原盤31の中心軸に平行な方向)に移動させながら、レーザー光34を間欠的に照射することで、レジスト層33を全面にわたって露光する。これにより、レーザー光34の軌跡に応じた潜像35が、例えば可視光波長と同程度のピッチでレジスト層33の全面にわたって形成される。
潜像35は、例えば、ロール原盤表面において複数列のトラックをなすように配置されるとともに、六方格子パターンまたは準六方格子パターンを形成する。潜像35は、例えば、トラックの延在方向に長軸方向を有する楕円形状である。
(現像工程)
次に、例えば、ロール原盤31を回転させながら、レジスト層33上に現像液を滴下して、レジスト層33を現像処理する。これにより、図10Aに示すように、レジスト層33に複数の開口部が形成される。レジスト層33をポジ型のレジストにより形成した場合には、レーザー光34で露光した露光部は、非露光部と比較して現像液に対する溶解速度が増すので、図9Aに示すように、潜像(露光部)16に応じたパターンがレジスト層33に形成される。開口部のパターンは、例えば六方格子パターンまたは準六方格子パターンなどの所定の格子パターンである。
(エッチング工程)
次に、ロール原盤31の上に形成されたレジスト層33のパターン(レジストパターン)をマスクとして、ロール原盤31の表面をエッチング処理する。これにより、図10Bに示すように、トラックの延在方向に長軸方向をもつ楕円錐形状または楕円錐台形状の凹部、すなわち構造体32を得ることができる。エッチングとしては、例えばドライエッチング、ウエットエッチングを用いることができる。このとき、エッチング処理とアッシング処理とを交互に行うことにより、例えば、錐体状の構造体32のパターンを形成することができる。以上により、目的とするロール原盤31が得られる。
(転写工程)
次に、図10Cに示すように、ロール原盤31と、基体21上に塗布された転写材料36とを密着させた後、紫外線などのエネルギー線をエネルギー線源37から転写材料36に照射して転写材料36を硬化させた後、硬化した転写材料36と一体となった基体21を剥離する。これにより、図11Aに示すように、複数の構造体4が基体21の表面に形成される。この際、必要に応じて、構造体4と基体21との間に基底層22をさらに形成するようにしてもよい。
次に、複数の構造体4を基体21の表面に形成したのと同様にして、図11Bに示すように、複数の構造体5を基体21の裏面に形成する。この際、必要に応じて、構造体5と基体21との間に基底層23をさらに形成するようにしてもよい。
エネルギー線源37としては、電子線、紫外線、赤外線、レーザー光線、可視光線、電離放射線(X線、α線、β線、γ線など)、マイクロ波、または高周波などエネルギー線を放出可能なものであればよく、特に限定されるものではない。
転写材料36としては、エネルギー線硬化性樹脂組成物を用いることが好ましい。エネルギー線硬化性樹脂組成物としては、紫外線硬化性樹脂組成物を用いることが好ましい。エネルギー線硬化性樹脂組成物が、必要に応じてフィラーや機能性添加剤などを含んでいてもよい。
紫外線硬化性樹脂組成物は、例えばアクリレートおよび開始剤を含んでいる。紫外線硬化性樹脂組成物は、例えば、単官能モノマー、二官能モノマー、多官能モノマーなどを含み、具体的には、以下に示す材料を単独または、複数混合したものである。
単官能モノマーとしては、例えば、カルボン酸類(アクリル酸)、ヒドロキシ類(2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート)、アルキル、脂環類(イソブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、イソボニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート)、その他機能性モノマー(2−メトキシエチルアクリレート、メトキシエチレンクリコールアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、ベンジルアクリレート、エチルカルビトールアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、N,N-ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、N−イソプロピルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、2−(パーフルオロオクチル)エチル アクリレート、3−パーフルオロヘキシル−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−パーフルオロオクチルー2−ヒドロキシプロピル アクリレート、2−(パーフルオロデシル)エチル アクリレート、2−(パーフルオロー3−メチルブチル)エチル アクリレート)、2,4,6−トリブロモフェノールアクリレート、2,4,6−トリブロモフェノールメタクリレート、2−(2,4,6−トリブロモフェノキシ)エチルアクリレート)、2−エチルヘキシルアクリレートなどを挙げることができる。
二官能モノマーとしては、例えば、トリ(プロピレングリコール)ジアクリレート、トリメチロールプロパン ジアリルエーテル、ウレタンアクリレートなどを挙げることができる。
多官能モノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ及びヘキサアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレートなどを挙げることができる。
開始剤としては、例えば、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンなどを挙げることができる。
フィラーとしては、例えば、無機微粒子および有機微粒子のいずれも用いることができる。無機微粒子としては、例えば、SiO2、TiO2、ZrO2、SnO2、Al23などの金属酸化物微粒子を挙げることができる。
機能性添加剤としては、例えば、レベリング剤、表面調整剤、消泡剤などを挙げることができる。基体21の材料としては、例えば、メチルメタクリレート(共)重合体、ポリカーボネート、スチレン(共)重合体、メチルメタクリレート−スチレン共重合体、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアセタール、ポリエーテルケトン、ポリウレタン、ガラスなどが挙げられる。
基体21の成形方法は特に限定されず、射出成形体でも押し出し成形体でも、キャスト成形体でもよい。必要に応じて、コロナ処理などの表面処理を基体表面に施すようにしてもよい。
(電極の形成工程)
まず、図11Cに示すように、複数の構造体4が形成された光学層2の表面に、透明導電層3を成膜する。透明導電層3を成膜する際に、光学層2を加熱しながら成膜を行うようにしてもよい。透明導電層3の成膜方法としては、例えば、熱CVD、プラズマCVD、光CVDなどのCVD法(Chemical Vapor Deposition(化学蒸着法):化学反応を利用して気相から薄膜を析出させる技術)のほか、真空蒸着、プラズマ援用蒸着、スパッタリング、イオンプレーティングなどのPVD法(Physical Vapor Deposition(物理蒸着法):真空中で物理的に気化させた材料を基板上に凝集させ、薄膜を形成する技術)などを用いることができる。
次に、透明導電層3をパターニングすることにより、光学層2の表面にパッド部11a、パッド部12aおよび連結部12bを形成する。パターニングの方法としては、例えば、フォトリソグラフィ(感光性の薄膜をパターン露光し、エッチングによりパターンを生成する技術)などによりエッチングを行うことでパターンを形成する方法を用いることができる。
パッド部11a、パッド部12aおよび連結部12bの形成方法は、上述の例に限定されるものではなく、透明導電層3の成膜時に形成パターン以外の部分にマスキングを行うことでパターンを形成する方法、印刷法などを用いることができる。印刷法としては、例えば、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、スクリーン印刷法、インクジェット法、ディスペンス法などを用いることができる。
(絶縁層の形成工程)
次に、Y電極12の連結部12bの表面に透明絶縁層13を形成する。透明絶縁層13の形成方法としては、例えば、透明絶縁層の成膜時に形成パターン以外の部分にマスキングを行うことでパターンを形成する方法、マスキングをせずに成膜を行い、フォトリソグラフィ(感光性の薄膜をパターン露光し、エッチングによりパターンを生成する技術)などによりエッチングを行うことでパターンを形成する方法、印刷法によりパターンを形成する方法などを用いることができる。透明導電層の成膜方法としては、例えば、熱CVD、プラズマCVD、光CVDなどのCVD法(Chemical Vapor Deposition(化学蒸着法):化学反応を利用して気相から薄膜を析出させる技術)のほか、真空蒸着、プラズマ援用蒸着、スパッタリング、イオンプレーティングなどのPVD法(Physical Vapor Deposition(物理蒸着法):真空中で物理的に気化させた材料を基板上に凝集させ、薄膜を形成する技術)などを用いることができる。印刷法としては、例えば、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、スクリーン印刷法、インクジェット法、ディスペンス法などを用いることができる。
(連結部の形成工程)
次に、透明絶縁層13を跨ぐようにして連結部11bを形成する。これにより、第1電極パッド11aの間が連結部11bにより連結される。連結部11bの形成方法としては、例えば、連結部11bの成膜時に形成パターン以外の部分にマスキングを行うことでパターンを形成する方法、マスキングをせずに成膜を行い、フォトリソグラフィ(感光性の薄膜をパターン露光し、エッチングによりパターンを生成する技術)などによりエッチングを行うことでパターンを形成する方法、印刷法によりパターンを形成する方法などを用いることができる。以上により、目的とする導電性光学素子1が得られる。
[効果]
第1の実施形態によれば、基体21の表面および裏面にそれぞれ、可視光の波長以下のピッチで複数の構造体4および構造体5を設けているので、基体21の表面および裏面の両方に、波長依存性が少なく、視認性の優れた光学調整機能を付与することができる。
また、光学層2の同一面にX電極11とY電極12とを形成しているので、導電性光学素子1を形成する光学層の層数を減らすことができる。したがって、内部反射を低減し、視認性の低下を抑制することができる。
また、可視光の波長以下のピッチで構造体4を配置することで凹凸面を形成し、この凹凸面に倣うようにX電極11およびY電極12を形成した場合には、波長依存性の少ない、視認性の優れた光学調整機能を得ることができる。したがって、X電極11およびY電極12の視認を抑制することができる。
また、導電性光学素子1の裏面を凹凸面としているので、媒質層10を気体層とした場合には、表示装置102の表示面S1の傷の発生を抑制することができる。また、導電性光学素子1の裏面を凹凸面とすることで、モアレの発生を抑制することもできる。
また、透明導電層3が設けられた光学層2の凹凸面(表面)を貼合層(光学層)7により埋めた場合には、導電性光学素子1の表面側の反射スペクトルの波長依存性を抑制し、ほぼフラットな状態とすることができる。したがって、導電性光学素子1の裏面側の反射スペクトルのみを調整することで、導電性光学素子1全体の反射スペクトルを調整可能となる。
<変形例>
(第1の変形例)
図12に示すように、光学層2の表面に設けられた複数の構造体4が、隣接する3列のトラックT間において四方格子パターンまたは準四方格子パターンをなすようにしてもよい。また、同様に、光学層2の裏面に設けられた複数の構造体5が、隣接する3列のトラックT間において四方格子パターンまたは準四方格子パターンをなすようにしてもよい。
ここで、四方格子とは、正四角形状の格子のことをいう。準四方格子とは、正四角形状の格子とは異なり、歪んだ正四角形状の格子のことをいう。例えば、構造体4、5が直線上に配置されている場合には、準四方格子とは、正四角形状の格子を直線状の配列方向(トラック方向)に引き伸ばして歪ませた四方格子のことをいう。構造体4、5が円弧状に配置されている場合には、準四方格子とは、正四角形状の格子を円弧状に歪ませた四方格子、または正四角形状の格子を配列方向(トラック方向)に引き伸ばして歪ませ、かつ、円弧状に歪ませた四方格子のことをいう。構造体4、5が蛇行して配列されている場合には、準四方格子とは、正四角形状の格子を構造体4、5の蛇行配列により歪ませた四方格子、または正四角形状の格子を配列方向(トラック方向)に引き伸ばして歪ませ、かつ、構造体4、5の蛇行配列により歪ませた四方格子のことをいう。
同一トラック内における構造体4、5の配置ピッチP1は、隣接する2つのトラック間における構造体4、5の配置ピッチP2よりも長いことが好ましい。また、同一トラック内における構造体4、5の配置ピッチをP1、隣接する2つのトラック間における構造体4、5の配置ピッチをP2としたとき、P1/P2が1.4<P1/P2≦1.5の関係を満たすことが好ましい。このような数値範囲にすることで、楕円錐または楕円錐台形状を有する構造体4、5の充填率を向上することができるので、光学調整機能を向上することができる。また、トラックに対して45度方向または約45度方向における構造体4、5の高さまたは深さは、トラックの延在方向における構造体4、5の高さまたは深さよりも小さいことが好ましい。
トラックの延在方向に対して斜となる構造体4、5の配列方向(θ方向)の高さH2は、トラックの延在方向における構造体4、5の高さH1よりも小さいことが好ましい。すなわち、構造体4、5の高さH1、H2がH1>H2の関係を満たすことが好ましい。
第1の変形例では、上述の第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第2の変形例)
図13Aに示すように、複数の構造体4を光学層2の表面にランダム(不規則)に2次元配列するようにしてもよい。また、同様に、複数の構造体5を光学層2の裏面にランダム(不規則)に2次元配列するようにしてもよい。図13Bに示すように、構造体4、5の形状、大きさおよびは高さの少なくとも1つをランダムに変化させるようにしてもよい。
上述の構造体4、5を有する光学層2を作製するための原盤の作製方法としては、例えば、アルミニウム基材などの金属基材の表面を陽極酸化する方法を用いることができるが、この方法に特に限定されるものではない。
第2の変形例では、複数の構造体4、5をランダムに2次元配列しているので、外観上のムラの発生を抑制できる。
<2.第2の実施形態>
[情報入力装置の構成]
図14は、本技術の第2の実施形態に係る情報入力装置の構成の一例を示す断面図である。情報入力装置101は、図14に示すように、第1導電性光学素子1aと、第1導電性光学素子1aの表面に設けられた第2導電性光学素子1bと、第2導電性光学素子1bの表面に設けられたトッププレート6とを備える。
第1導電性光学素子1aと第2導電性光学素子1bとの間には貼合層8が設けられ、この貼合層8を介して両者が貼り合わされている。第2導電性光学素子1bとトッププレート6との間には貼合層7が設けられ、この貼合層7を介して両者が貼り合わされる。
(第1導電性光学素子)
第1導電性光学素子1aは、対向する表面および裏面を有する光学層2と、光学層2の表面に設けられた透明導電層3aとを備える。第1導電性光学素子1aの裏面側が表示装置102の表示面S1に対向するように、第1導電性光学素子1aは表示装置102の表示面S1に設けられる。透明導電層3aは、光学層2の凹凸面(表面)に倣うように設けられていることが好ましい。
(第2導電性光学素子)
第2導電性光学素子1bは、対向する表面および裏面を有する光学層2と、光学層2の表面に設けられた透明導電層3bとを備える。第2導電性光学素子1bの裏面側が表示装置102の表示面S1に対向するように、第2導電性光学素子1bは表示装置102の表示面S1に設けられる。透明導電層3bは、光学層2の凹凸面(表面)に倣うように設けられていることが好ましい。
(電極)
図15は、本技術の第2の実施形態に係る情報入力装置の構成の一例を示す分解斜視図である。第1導電性光学素子1の透明導電層3aは、パターニングされており、X電極11を構成している。一方、第2導電性光学素子1の透明導電層3bは、パターニングされており、Y電極12を構成している。情報入力装置101を入力面側から見た場合には、パッド部11aおよびパッド部12aが重ならず情報入力装置101の一主面に敷き詰められて細密充填された状態として見えように、X電極11およびY電極12は構成されている。
Y電極12は、上述の第1の実施形態におけるY電極12と同様の構成を有している。X電極11は、X軸方向に延在されている以外のことはY電極12と同様の構成を有している。粘着層8は、粘着層7と同様の構成を有している。
第2の実施形態において、上記以外のことは第1の実施形態と同様である。
<3.第3の実施形態>
図16は、本技術の第3の実施形態に係る情報入力装置の構成の一例を示す断面図である。第1の実施形態に係る情報入力装置101は、図16に示すように、光学層2の一方の凹凸面(表面)に透明導電層3bを備え、他方の凹凸面(裏面)に透明導電層3aを備える点において、第1の実施形態に係る情報入力装置101とは異なっている。
透明導電層3aはパターニングされており、X電極を構成している。透明導電層3aもパターニングされており、Y電極を構成している。X電極およびY電極の構成はそれぞれ、上述の第2の実施形態におけるX電極およびY電極と同様である。
<4.第4の実施形態>
図17は、本技術の第4の実施形態に係る情報入力装置の構成の一例を示す平面図である。第4の実施形態に係る情報入力装置401は、幅Wおよび高さHの検出エリアSAを有する。情報入力装置401は、図17に示すように、複数の電極群4101、4102、4103、4104、・・・、410Nと、これら電極群を支持する基体414とを有する。電極群410と基体414とにより導電性光学素子が構成されている。各電極群は、基体414の表面に、Y軸方向に沿って一定のピッチで配列されている。図17では、各電極群を+Y方向(第2方向)に沿って順に電極群4101、4102、4103、4104、・・・、410Nと符示しているが、各電極群はそれぞれ同一の構成を有するため、本実施形態においては、個別に説明する場合を除き、各電極群を「電極群410」と総称する。
図17に示すように、電極群410は、幅wおよび高さhの長方形状を第1の電極411と、第2の電極412と、第3の電極413とに3分割した構造を有する。図18は、一組の電極群410を示す拡大平面図である。
第1の電極411は、X軸方向に平行な底辺411aを有し、その長さは(w)は、検出エリアSAの幅Wとほぼ同等とされている。すなわち、第1の電極411は、X軸方向に沿った検出エリアSAの幅寸法をカバーする幅寸法を有している。
第1の電極411は、+X方向に平行な幅方向に関して、+Y方向(高さ方向)に平行な高さ寸法が漸次大きくなる第1の領域511と、+X方向に関して上記高さ寸法が漸次小さくなる第2の領域512とを有する。本実施形態において、第1の電極411は、その幅方向の中央部に高さ寸法の最大値を形成する2つの斜辺411b、411cを有する略二等辺三角形で形成されている。
第2の電極412は、第1の領域511とY軸方向に対向し、+X方向(幅方向)に関して、+Y方向(高さ方向)に平行な高さ寸法が漸次小さくなるように形成されている。本実施形態において、第2の電極412は、第1の電極411の底辺411aと平行であり、その底辺411aの略半分の幅の底辺412aと、第1の電極411の斜辺411bと対向する斜辺412bと、これらに隣接する隣辺412cとを有する略直角三角形で形成されている。第1の電極411の斜辺411bと第2の電極412の斜辺412bとは、X軸に関してそれぞれ同一の傾斜角を有しており、これら2つの斜辺411b、412bとの間には、一定の大きさの間隙が設けられている。上記間隙の大きさは特に限定されず、第1の領域511と第2の電極412との間の電気的絶縁を確保できる大きさがあればよい。
第3の電極413は、第2の領域512とY軸方向に対向し、+X方向(幅方向)に関して、+Y方向(高さ方向)に平行な高さ寸法が漸次大きくなるように形成されている。本実施形態において、第3の電極413は、第1の電極411の底辺411aと平行であり、その底辺411aの略半分の幅の底辺413aと、第1の電極411の斜辺411cと対向する斜辺413bと、これらに隣接する隣辺413cとを有する略直角三角形で形成されている。第1の電極411の斜辺411cと第2の電極413の斜辺413bとは、X軸に関してそれぞれ同一の傾斜角を有しており、これら2つの斜辺411c、413bとの間には、一定の大きさの間隙が設けられている。上記間隙の大きさは特に限定されず、第2の領域512と第3の電極413との間の電気的絶縁を確保できる大きさがあればよい。
第2の電極412と第3の電極413とは、間隙を介してX軸方向に相互に対向しており、第1の電極411の中央部を通るY軸方向に平行な直線に関して対称な形状を有している。
基体414は、表示装置102の表示面S1に対向して配置される。基体414は、上述のように構成される電極群410を支持し、各電極群410がY軸方向に所定ピッチで配列された状態を維持する。基体414は、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PI(ポリイミド)、PC(ポリカーボネート)などのフレキシブルな電気絶縁性のプラスチックフィルムで形成される。なお、これ以外にも、ガラス、セラミックスなどのリジッドな材料が用いられてもよい。
電極群410(第1〜第3の電極411〜413)および基体414は、それぞれ透光性を有する材料で形成される。例えば、電極群410は、ITO(インジウム錫酸化物)、SnO、ZnOなどの透明導電酸化物で形成され、基体414は、PETやPENなどの透明樹脂フィルムで形成される。これにより、トッププレート6の表示画像が外部から視認可能とされる。
電極群410の形成方法は、特に限定されない。例えば、蒸着法、スパッタ法、CVD法などの薄膜形成手法を用いることで、電極群410を形成する導電膜が基体414上に形成される。この場合、基体414上に導電膜を形成した後、導電膜を所定形状にパターニングしてもよいし、レジストマスクが形成された基板の表面に導電膜を形成した後、レジストマスクとともに余分な導電膜を基体414から除去(リフトオフ)してもよい。
電極群410はさらに、第1〜第3の電極411〜413を駆動回路(図示省略)に接続するための信号線(取り出し電極)を有する。本実施形態では、図18に示すように、第1の電極411の幅方向の一端部に取り出し電極411sが接続され、第2の電極412および第3の電極413の検出エリアSAの外側に臨む一辺412c、413cに取り出し電極412s、413sがそれぞれ接続されている。
取り出し電極411s〜413sは、基体414上において検出エリアSAの外側の領域に引き回され、図示しないコネクタなどの外部接続端子を介して駆動回路へ接続される。また、取り出し電極411s〜413sは、各列の電極群410ごとにそれぞれ独立して形成されており、駆動回路へ共通に接続されている。
取り出し電極411s〜413sは、電極群410の構成材料によって形成されてもよい。この場合、電極群410の形成と同時に取り出し電極411s〜413sを形成することができる。一方、取り出し電極411s〜413sは、非透光性の導電材料、例えばAl(アルミニウム)、Ag(銀)、Cu(銅)などの金属配線で形成されてもよい。この場合、比抵抗の低い材料で配線層を構成できるため、電極群410の静電容量変化を高感度で検出することが可能となる。さらにこの場合、取り出し電極411s〜413sが検出エリアSAの外側に位置しているため、検出エリアSAの外側が操作画面の有効画素領域外にある場合には、画像の視認性が取り出し電極411s〜413sによって阻害されることはない。
電極群410の幅wは、検出エリアSAの幅Wに合わせて設定される。電極群410の幅wは、検出エリアSAの幅Wと同等であってもよいし、幅Wよりも大きくても小さくてもよい。要は、一つの電極群410によって、検出エリアSAの全幅をカバーできる大きさに形成され、検出エリアSAの幅方向に関して二つ以上の電極群410が並列しないように構成されている。
一方、電極群410の高さhは、検出エリアSAの高さ、検出対象の大きさ、Y軸方向の検出分解能などに応じて適宜設定される。本実施形態では、検出対象にユーザの指が想定されており、上記操作面に接触する指の大きさを考慮して例えば5mm〜10mmに設定されている。同様に、Y軸方向に沿った電極群410の配列数も特に限定されず、検出エリアSAの高さ、検出対象の大きさ、Y軸方向の検出分解能などに応じて適宜設定される。
また、図18に示すように、第1の電極411の高さ寸法と第2および第3の電極412、413の高さ寸法との総和は、+X方向に関して一定である。これにより、電極群全体の高さ寸法を一定とすることができるため、X軸方向に関する検出対象の位置に応じた検出感度のバラツキの発生を抑えることができる。
情報入力装置401は、各列の電極群410が1つの検出グループを構成する。そこで、Y軸方向の操作位置は、電極群410を構成する第1〜第3の電極411〜413の静電容量の総和あるいはその変化に基づいて検出対象の近接あるいは接触が検出される。また、X軸方向に関する操作位置の検出では、第1の電極411の静電容量の変化、第2の電極412の静電容量の変化、および、第3の電極413の静電容量の変化が参照される。
第4の実施形態において、上記以外のことは第1の実施形態と同様である。
<変形例>
(第1の変形例)
図19は、本技術の第4の実施形態に係る情報入力装置の第1の変形例を示す平面図である。本変形例の情報入力装置は、第1の電極421と、第2の電極422と、第3の電極423との3分割構造を有する電極群420が、Y軸方向に配列された構造を有する。なお、各電極群420を支持する基体の図示は省略されている。
本変形例では、第1の電極421は、+X方向に平行な幅方向に関してY軸方向に平行な高さ寸法が漸次大きくなる第1の領域521と、+X方向に関して高さ寸法が漸次小さくなる第2の領域522とを有する。第2の電極422は、第1の領域521とY軸方向に対向し、+方向に関して高さ寸法が漸次小さくなるように形成される。第3の電極423は、第2の領域522とY軸方向に対向し、第2の電極422とX軸方向に対向し、+X方向に関して高さ寸法が漸次大きくなるように形成されている。そして、第2の電極422および第3の電極423はそれぞれ対称な形状を有しており、第1の電極421は、幅方向の中央部に高さ寸法の最小値を有している。
(第2の変形例)
図20は、本技術の第4の実施形態の情報入力装置の第2の変形例を示す概略平面図である。本変形例の情報入力装置は、第1の電極431と、第2の電極432と、第3の電極433との3分割構造を有する電極群430が、Y軸方向に配列された構造を有する。なお、各電極群430を支持する基体の図示は省略されている。
本変形例では、第1の電極431は、+X方向に平行な幅方向に関してY軸方向に平行な高さ寸法が漸次大きくなる第1の領域531と、+X方向に関して高さ寸法が漸次小さくなる第2の領域532とを有する。第2の電極432は、第1の領域531とY軸方向に対向し、+方向に関して高さ寸法が漸次小さくなるように形成される。第3の電極433は、第2の領域532とY軸方向に対向し、第2の電極432とX軸方向に対向し、+X方向に関して高さ寸法が漸次大きくなるように形成されている。そして、第2の電極432および第3の電極433はそれぞれ対称な形状を有しており、第1の電極431は、幅方向の中央部に高さ寸法の最大値を有している。
さらに本変形例では、第2の電極432は、第1の領域531を挟むようにY軸方向に関して分割され、第3の電極433は、第2の領域532を挟むようにY軸方向に関して分割されている。
(他の変形例)
上述の第4の実施形態では、電極群を構成する電極各々の境界部を直線的な斜辺で形成したが、これに限られず、例えば段階的に各電極の高さ寸法が変化するようなジグザグ形状であってもよい。また、上記境界部を曲線的に傾斜させてもよく、この場合、例えば幅方向中央部側の検出分解能が外側のそれよりも高いセンサを構成することができる。
また、上述の第4の実施形態では、第1の電極の最大高さ寸法を幅方向中央部あるいは幅方向の両端部に設定する構成例を説明したが、これに限られず、機器の仕様に応じて要求される検出分解能に応じて適宜の変更が可能である。
そして、情報入力装置の各列の電極群を構成する第1〜第3の電極の形状も上述の例に限られず、それぞれが高さ方向に反転された状態で配列してもよい。あるいは、図21および図22に示すように、電極部は、高さ方向に反転した形状と反転しない形状とを交互に繰り返して配列されてもよい。図21に示す電極群440は、第1の変形例において説明した電極群(図19参照)に相当し、図22に示す電極群450は、第4の実施形態において説明した電極群(図17参照)に相当する。
図23に示す電極群460において、第1の電極461は、第2の電極462および第3の電極463を挟むようにY軸方向に2分割された構造を有する。この例では、第2の電極462を挟む第1の電極部分が第1の領域に相当し、第3の電極463を挟む第1の電極部分が第2の領域に相当する。
そして、図24に示す電極群470においては、第1の電極471は、第2の電極472と対向する第1の領域571と、第3の電極473と対向する第2の領域572とが2分割された構造を有する。
さらに、図25に示す電極群480において、第1の電極481はY軸方向に2分割された構造を有し、第2の電極482および第3の電極483もY軸方向に2分割された構造を有する。第1の電極481と第2の電極482とは相互に挟むようにY軸方向に対向し、第1の電極481と第3の電極483も同様に、相互に挟むようにY軸方向に対向している。この例においても、第2の電極482を挟む第1の電極部分が各々第1の領域に相当し、第3の電極483を挟む第1の電極部分が各々第2の領域に相当する。
<5.第5の実施形態>
図26は、本技術の第5の実施形態に係る情報入力装置の構成の一例を示す断面図である。第5の実施形態に係る情報入力装置101は、図26に示すように、電磁波をシールドするための導電性光学素子201をさらに備える点において、第1の実施形態に係る情報入力装置101と異なっている。
導電性光学素子201は、対向する表面および裏面を有する光学層201と、光学層201の表面または裏面に設けられた電磁波シールド層203とを備える。なお、図26では、光学層201の表面に電磁波シールド層203を設けた例が示されている。導電性光学素子201は、導電性光学素子1の表面および裏面のうち、表示装置102の表示面S1と対向する側の裏面に設けられる。導電性光学素子1と導電性光学素子201との間には貼合層8が設けられ、この貼合層8を介して両者が貼り合わされている。導電性光学素子201は、その裏面側が表示装置102の表示面S1に対向するように、導電性光学素子1に対して貼り合わされている。
光学層201の構成は、導電性光学素子1の光学層2と同様の構成を採用することができる。電磁波シールド層203としては、公知の電磁波シールド層を用いることができ、透明性の観点からすると、透明導電層を用いることができる。電磁波シールド層203は、光学層201の凹凸面(表面)に倣うように設けられていることが好ましい。
[効果]
第5の実施形態によれば、情報入力装置101に対して、電磁波をシールドするための導電性光学素子201をさらに設けているので、表示装置102から情報入力装置1に到達する電磁波の量を低減することができる。したがって、電磁波による情報入力装置101の動作への影響を抑制することができる。
<6.第6の実施形態>
図27は、本技術の第6の実施形態に係る情報入力装置の構成の一例を示す断面図である。第6の実施形態に係る情報入力装置101は、図27に示すように、電磁波をシールドするための導電性光学素子201をさらに備える点において、第2の実施形態に係る情報入力装置101と異なっている。
導電性光学素子201は、第1導電性光学素子1aの表面および裏面のうち、表示装置102の表示面S1と対向する側の裏面に設けられる。導電性光学素子1aと導電性光学素子201との間には貼合層9が設けられ、この貼合層9を介して両者が貼り合わされる。導電性光学素子201は、その裏面側が表示装置102の表示面S1に対向するように、第1導電性光学素子1に対して貼り合わされている。導電性光学素子201の構成は、上述の第5の実施形態における導電性光学素子201と同様である。
<7.第7の実施形態>
図28は、本技術の第7の実施形態に係る情報入力装置の構成の一例を示す断面図である。第7の実施形態に係る情報入力装置101は、図28に示すように、電磁波をシールドするための導電性光学素子201をさらに備える点において、第3の実施形態に係る情報入力装置101と異なっている。
導電性光学素子201は、第1導電性光学素子1の表面および裏面のうち、表示装置102の表示面S1と対向する側の裏面に設けられる。導電性光学素子1と導電性光学素子201との間には貼合層8が設けられ、この貼合層8を介して両者が貼り合わされる。導電性光学素子201は、その裏面側が表示装置102の表示面S1に対向するように、導電性光学素子1に対して貼り合わされている。導電性光学素子201の構成は、上述の第5の実施形態における導電性光学素子201と同様である。
<8.第8の実施形態>
図29は、本技術の第8の実施形態に係る情報入力装置の構成の一例を示す断面図である。第8の実施形態に係る情報入力装置101は、図29に示すように、電磁波をシールドするための電磁波シールド層203をさらに備える点において、第1の実施形態に係る情報入力装置101と異なっている。電磁波シールド層203は、導電性光学素子1の裏面側の凹凸面に設けられる。電磁波シールド層203は、凹凸面に倣うように設けられていることが好ましい。
[効果]
第8の実施形態によれば、導電性光学素子1の裏面側の凹凸面に電磁波シールド層203を設けているので、第3の実施形態に比して情報入力装置101の構成を簡略化および薄型化することができる。
<9.第9の実施形態>
図30は、本技術の第9の実施形態に係る情報入力装置の構成の一例を示す断面図である。第9の実施形態に係る情報入力装置101は、図30に示すように、電磁波をシールドするための電磁波シールド層203をさらに備える点において、第2の実施形態に係る情報入力装置101と異なっている。電磁波シールド層203は、第1導電性光学素子1aの裏面側の凹凸面に設けられる。電磁波シールド層203は、凹凸面に倣うように設けられていることが好ましい。
<10.第10の実施形態>
図31は、本技術の第10の実施形態に係る情報入力装置の構成の一例を示す断面図である。情報入力装置101は、いわゆる抵抗膜方式タッチパネルであり、図31に示すように、第1導電性光学素子301aと、第2導電性光学素子301bと、貼合層311とを備える。第1導電性光学素子301aと第2導電性光学素子301bとは、互いの透明導電層303aおよび透明導電層303bが対向するように所定間隔離して対向配置されている。貼合層311は、第1導電性光学素子301aおよび第2導電性光学素子301bの周縁部間に配置されて、貼合層311を介して第1導電性光学素子301aおよび第2導電性光学素子301bの対向面の周縁部が貼り合わされる。貼合層311としては、例えば、粘着ペースト、粘着テープなどが用いられる。
情報入力装置101の両主面のうち、第2導電性光学素子301bの側の主面が情報を入力するタッチ面(情報入力面)S2となる。このタッチ面S2上にハードコート層をさらに設けることが好ましい。情報入力装置101のタッチ面の耐擦傷性を向上することができるからである。
第1導電性光学素子301aは、対向する表面(第1面)および裏面(第2面)を有する光学層302aと、光学層302aの表面に設けられた透明導電層303aとを備える。光学層302aの構成としては、上述の第1の実施形態における光学層2と同様の構成を採用することができる。透明導電層303aは、光学層302aの表面のほぼ全体に渡って連続的に形成されている。
第2導電性光学素子301bは、対向する表面(第1面)および裏面(第2面)を有する光学層302bと、光学層302bの裏面に設けられた透明導電層303bとを備える。光学層302bの構成としては、上述の第1の実施形態における光学層2と同様の構成を採用することができる。透明導電層303bは、光学層302bの裏面のほぼ全体に渡って連続的に形成されている。
第1導電性光学素子301aおよび第2導電性光学素子301bの構造体4のアスペクト比は、好ましくは0.55以上1.63以下、より好ましくは0.68以上0.93以下の範囲内であることが好ましい。アスペクト比が0.55以上であると、抵抗値を確立しつつ低反射特性(1%以下)が可能となる。一方、アスペクト比が1.63以下であると、抵抗値を確立しつつ低反射特性(1%以下)が可能となる。
構造体4の配置ピッチPは、光学調整機能を目的とする光の波長帯域以下であることが好ましい。光学調整機能を目的とする光の波長帯域は、例えば、紫外光の波長帯域、可視光の波長帯域または赤外光の波長帯域である。ここで、紫外光の波長帯域とは10nm〜360nmの波長帯域、可視光の波長帯域とは360nm〜830nmの波長帯域、赤外光の波長帯域とは830nm〜1mmの波長帯域をいう。
第1導電性光学素子301aおよび第2導電性光学素子301bの構造体4の高さは、好ましくは150nm以上250nm以下、より好ましくは170nm以上250nm以下の範囲内であることが好ましい。構造体4の高さが150nm以上であると、抵抗値を確立しつつ低反射特性(1%以下)が可能となる。一方、構造体4の高さが250nm以下であると、抵抗値を確立しつつ低反射特性(1%以下)が可能となる。
第1導電性光学素子301aおよび第2導電性光学素子301bの構造体5のアスペクト比は、好ましくは0.66以上1.96以下、より好ましくは0.76以上1.96以下である。アスペクト比が0.66以上であると、低反射特性が確立できる。一方、アスペクト比が1.96以下であると、離型性などを向上できる。
構造体5の配置ピッチPは、光学調整機能を目的とする光の波長帯域以下であることが好ましい。光学調整機能を目的とする光の波長帯域は、例えば、紫外光の波長帯域、可視光の波長帯域または赤外光の波長帯域である。ここで、紫外光の波長帯域とは10nm〜360nmの波長帯域、可視光の波長帯域とは360nm〜830nmの波長帯域、赤外光の波長帯域とは830nm〜1mmの波長帯域をいう。
第1導電性光学素子301aおよび第2導電性光学素子301bの構造体5の高さは、好ましくは180nm以上300nm以下、より好ましくは190nm以上300nm以下である。構造体5の高さ高さが180nm以上であると、低反射特性が確立できる。一方、構造体5の高さ高さが300nm以下であると、離型性などを向上できる。
第10の実施形態において、上記以外のことは第1の実施形態と同様である。
以上、本技術の実施形態について具体的に説明したが、本技術は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本技術の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
例えば、上述の実施形態において挙げた構成、方法、工程、形状、材料および数値などはあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる構成、方法、工程、形状、材料および数値などを用いてもよい。
また、上述の実施形態の構成、方法、工程、形状、材料および数値などは、本技術の主旨を逸脱しない限り、互いに組み合わせることが可能である。
また、上述の実施形態では、情報入力装置が複数の導電性光学素子を備える場合、複数の導電性光学素子の全てに対して本技術を適用した場合について説明したが、複数の導電性光学素子の少なくとも1つに対して本技術を適用するようにしてもよい。
また、本技術は以下の構成を採用することもできる。
(1)
第1面および第2面を有する基体と、
上記第1面に可視光の波長以下のピッチで設けられた複数の第1構造体と、
上記第2面に可視光の波長以下のピッチで設けられた複数の第2構造体と、
上記第1構造体上に設けられた透明導電層と
を備え、
上記第2構造体の高さが上記第1構造体の高さよりも高い、反射防止機能を有する導電性光学素子。
(2)
上記第1構造体のアスペクト比が、0.25以上0.63以下であり、
上記第2構造体のアスペクト比が、0.72以上である(1)に記載の導電性光学素子。
(3)
上記第1面と上記第1構造体との間に設けられた第1光学層と、
上記第2面と上記第2構造体との間に設けられた第2光学層と
をさらに備え、
上記第1光学層の厚さが、上記第2光学層の厚さよりも厚い(1)または(2)のいずれかに記載の導電性光学素子。
(4)
反射防止機能を有する、少なくとも1つの導電性光学素子を備え、
上記導電性光学素子は、
第1面および第2面を有する基体と、
上記第1面に可視光の波長以下のピッチで設けられた複数の第1構造体と、
上記第2面に可視光の波長以下のピッチで設けられた複数の第2構造体と、
上記第1構造体上に設けられた透明導電層と
を備え、
上記第2構造体の高さが上記第1構造体の高さよりも高い入力装置。
(5)
表示部と、
反射防止機能を有する導電性光学素子を有する入力装置と
を備え、
上記導電性光学素子は、
第1面および第2面を有する基体と、
上記第1面に可視光の波長以下のピッチで設けられた複数の第1構造体と、
上記第2面に可視光の波長以下のピッチで設けられた複数の第2構造体と、
上記第1構造体上に設けられた透明導電層と
を備え、
上記表示面と上記入力装置との間に媒質層が設けられ、
上記第2構造体の高さが上記第1構造体の高さよりも高い表示装置。
(6)
上記媒質層が、気体層である(5)に記載の表示装置。
(7)
上記透明導電層が、電極パターンを構成している(5)または(6)に記載の表示装置。
(8)
電磁波シールド機能を有する導電性光学素子をさらに備える(5)から(7)のいずれかに記載の表示装置。
(9)
上記透明導電層の表面を埋める光学層をさらに備える(5)から(8)のいずれかに記載の表示装置。
1 導電性光学素子
2 光学層
3 透明導電層
4 構造体
5 構造体
6 トッププレート
7 貼合層
8 貼合層
9 貼合層
10 媒質層
11 X電極(第1電極)
11a パッド部
11b 連結部
12 Y電極(第2電極)
12a パッド部
12b 連結部
13 透明絶縁層
14 FPC
21 基体
22 基底層
23 基底層
31 ロール原盤
32 構造体
33 レジスト層
34 レーザー光
35 潜像
36 転写材料
37 エネルギー源
101 情報入力装置
102 表示装置
201 導電性光学素子
202 光学層
203 透明導電層
204 構造体
205 構造体
206 透明導電層
221 基体
222 基底層
223 基底層

Claims (12)

  1. 第1面および第2面を有する基体と、
    上記第1面に可視光の波長以下のピッチで設けられた複数の第1構造体と、
    上記第2面に可視光の波長以下のピッチで設けられた複数の第2構造体と、
    上記第1構造体上に設けられた透明導電層と
    を備え、
    上記第2構造体の高さが上記第1構造体の高さよりも高い、反射防止機能を有する導電性光学素子。
  2. 上記第1構造体のアスペクト比が、0.25以上0.98以下であり、
    上記第2構造体のアスペクト比が、0.66以上1.96以下である請求項1に記載の導電性光学素子。
  3. 上記第1構造体のアスペクト比が、0.55以上1.63以下であり、
    上記第2構造体のアスペクト比が、0.66以上1.96以下である請求項1に記載の導電性光学素子。
  4. 上記第1構造体の高さが、70nm以上であり、
    上記第2構造体の高さが、180nm以上である請求項1に記載の導電性光学素子。
  5. 上記第1構造体の高さが、150nm以上であり、
    上記第2構造体の高さが、180nm以上である請求項1に記載の導電性光学素子。
  6. 上記第1面と上記第1構造体との間に設けられた第1光学層と、
    上記第2面と上記第2構造体との間に設けられた第2光学層と
    をさらに備え、
    上記第1光学層の厚さが、上記第2光学層の厚さよりも厚い請求項1に記載の導電性光学素子。
  7. 反射防止機能を有する、少なくとも1つの導電性光学素子を備え、
    上記導電性光学素子は、
    第1面および第2面を有する基体と、
    上記第1面に可視光の波長以下のピッチで設けられた複数の第1構造体と、
    上記第2面に可視光の波長以下のピッチで設けられた複数の第2構造体と、
    上記第1構造体上に設けられた透明導電層と
    を備え、
    上記第2構造体の高さが上記第1構造体の高さよりも高い入力装置。
  8. 表示部と、
    反射防止機能を有する導電性光学素子を有する入力装置と
    を備え、
    上記導電性光学素子は、
    第1面および第2面を有する基体と、
    上記第1面に可視光の波長以下のピッチで設けられた複数の第1構造体と、
    上記第2面に可視光の波長以下のピッチで設けられた複数の第2構造体と、
    上記第1構造体上に設けられた透明導電層と
    を備え、
    上記表示面と上記入力装置との間に媒質層が設けられ、
    上記第2構造体の高さが上記第1構造体の高さよりも高い表示装置。
  9. 上記媒質層が、気体層である請求項8に記載の表示装置。
  10. 上記透明導電層が、電極パターンを構成している請求項8に記載の表示装置。
  11. 電磁波シールド機能を有する導電性光学素子をさらに備える請求項8に記載の表示装置。
  12. 上記透明導電層の表面を埋める光学層をさらに備える請求項8に記載の表示装置。
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