JP2013182238A - 散乱反射型表示体 - Google Patents
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Abstract
【課題】インクに対する受像性が高く、高精細なパターンをインクジェット法により印刷形成する際に隣接した画素とインクが接触することがなく、連続してカラーフィルタを印刷形成することができる膨潤型受像層付きの散乱反射型表示体を提供する。
【解決手段】印刷されたインクの溶媒分に膨潤することでインクを保持する膨潤型の受像層を有する散乱反射型表示体において、散乱反射型表示体上に設けられた膨潤型の受像層10を、ウレタン樹脂からなるプライマー層8と樹脂ビーズ層9とを積層して構成し、受像層10の内部にインク溶媒分への膨潤により膨張した体積を逃がす複数の空隙11を形成してなるものである。
【選択図】図1
【解決手段】印刷されたインクの溶媒分に膨潤することでインクを保持する膨潤型の受像層を有する散乱反射型表示体において、散乱反射型表示体上に設けられた膨潤型の受像層10を、ウレタン樹脂からなるプライマー層8と樹脂ビーズ層9とを積層して構成し、受像層10の内部にインク溶媒分への膨潤により膨張した体積を逃がす複数の空隙11を形成してなるものである。
【選択図】図1
Description
本発明は、受像層付きの散乱反射型表示体に関する。
背面にバックライトを設け、その発光を液晶パネルで制御して表示を行なう透過型LCD(Liquid Crystal Display)に対し、周囲の照明や環境光等の反射光を制御して表示を行なう反射型LCDが、低消費電力であること、また、直射日光下での視認性が良いことなどの理由から、主に携帯情報端末用に用いられるようになってきている。また、近年、LCDとは異なる表示原理を利用したディスプレイも報告されており、LCDにはない特徴を有する反射型ディスプレイとして期待されている。
LCDの表示方式として、現在、TN(Twisted Nematic)方式及びSTN(Super Twisted Nematic)方式の2方式が主に用いられており、さらにIPS(In-Plane Switching)方式、MVA(Multidomain Vertical Alignment)方式、及びOCB(Optical Compensated Birefringence)方式等も報告されている。これらいずれの表示方式も、それ自体は光の透過状態を制御するものであり、表示色を変えることはできない。したがって、色表示をするためには、カラーフィルタを使用する必要がある。
また、LCDに代わる他の表示方式として、帯電した微粒子を電場によって動かす電気泳動方式(例えば、特許文献1参照)、2色に塗り分けられた球体を電場で回転させるツイストボール方式(例えば、特許文献2参照)、樹脂中に分散した液晶の液滴内部の配向状態を電場で制御する高分子分散型液晶方式(PDLC:Polymer Dispersion Liquid Crystal)(例えば、特許文献3参照)、その樹脂成分比が小さく液晶中に高分子が網目構造を取っている高分子ネットワーク型液晶方式(PNLC:Polymer Network Liquid Crystal)(例えば、特許文献4参照)などがある。
これらの表示方式は、いずれも散乱反射状態を電場で制御するものであり、それ自体は色を表示することが困難であるので、カラー表示するためにはカラーフィルタを使用するのが現実的である。
前記カラーフィルタを用いてカラー表示化する方式としては、複数の画素に相当する電極を有する基板と、カラーフィルタを有する基板とを、設定された画素の位置とカラーフィルタの位置とを正確に位置合わせして貼り合せるのが一般的である。しかし、表示する画素が細かくなり、また、画素数が多くなればなるほど、要求される位置合わせ精度が高くなり大画面化・高精細化が困難となる。
前記カラーフィルタを用いてカラー表示化する方式としては、複数の画素に相当する電極を有する基板と、カラーフィルタを有する基板とを、設定された画素の位置とカラーフィルタの位置とを正確に位置合わせして貼り合せるのが一般的である。しかし、表示する画素が細かくなり、また、画素数が多くなればなるほど、要求される位置合わせ精度が高くなり大画面化・高精細化が困難となる。
そこで、カラーフィルタを表示媒体上に直接形成することにより、カラーフィルタを高精度に形成し、且つ、2つの基板を貼り合せる際の位置合わせを必要としない構成を有する散乱反射型カラー表示体が提案されている(例えば、特許文献5参照)。
この散乱反射型カラー表示体は、次のような手順で形成される。すなわち、まず、TFT(Thin Film Transistor)などの複数の能動素子に接続された複数の画素電極を有する第1の基板上に、電圧を印加することにより散乱反射状態が制御できる表示媒体を形成する。
この散乱反射型カラー表示体は、次のような手順で形成される。すなわち、まず、TFT(Thin Film Transistor)などの複数の能動素子に接続された複数の画素電極を有する第1の基板上に、電圧を印加することにより散乱反射状態が制御できる表示媒体を形成する。
次いで、前記表示媒体上の前記画素電極に対応する位置に、所定のパターンの複数の着色層からなるカラーフィルタを、スクリーン印刷により印刷したり、インクジェットプリンタにより印字したりすることにより形成する。前記着色層には、レッド,グリーン,ブルーの3色、またはシアン,マゼンタ,イエローの3色が用いられる。次いで、対向電極となる面状に設けられた透明電極を有する第2の基板を、前記第1の基板に貼り合せることで散乱反射型カラー表示体を得ている。
カラーフィルタは各種印刷法によって基材上に印刷形成されるが、インクの濡れ広がりなどによって矩形の画素が形成しづらい問題がある。一般的にはTFTなどの駆動電極の画素は正方形や長方形などの矩形である。このため、印刷法によって形成するカラーフィルタの画素はできるだけこの駆動電極の画素と同形状であることが求められる。これは、散乱反射型表示材が反射した、できるだけ多くの光をカラーフィルタに通過させ、表示される色域を広くする目的からである。
しかし、インクジェット印刷によってカラーフィルタを印刷形成する場合には、上記の問題が顕著となる。インクジェット印刷では、インクを微小な穴から圧電素子の変形や加熱によるインク溶媒の気化膨張による圧力によってインク粒として吐出し、基材上の所定の位置に着弾させることで印刷する。このとき、安定してインク粒を吐出するためにインクの粘度を低くする必要がある(一般的には0.005〜0.01Pa・s程度)。そこで、顔料や染料などの色材を溶媒に溶かしたインクを用いている。このため、カラーフィルタに必要な量の色材を印刷するためには、希釈した溶媒分を乾燥炉などで加熱乾燥している。
乾燥炉で加熱して溶媒分が揮発するまでの間、基材上の所定の位置にインク粒を留めておくために一般的にはインク受像層が用いられている。インク受像層としては、多孔質のシリカビーズを用いてインクを吸収することで保持する空隙型受像層や、ウレタンやアクリル樹脂にインク溶媒を吸収させる膨潤型がある。
散乱反射型カラー表示体では、カラーフィルタを通過した外光が散乱反射型表示材で反射され、再びカラーフィルタを通過して観察者の目に届くことで画像が表示される。つまり、光は同じカラーフィルタを2回通過することとなり、カラーフィルタの透過率が画像の明るさに大きな影響を及ぼす。そのため、カラーフィルタの構成材には透過率の高い材料を使用する必要がある。
インク受像層に空隙型受像層を用いた場合、多孔質のシリカビーズによる光散乱により透過率が著しく低下するため、散乱反射型カラー表示体用のカラーフィルタには膨潤型受像層が用いられている。
しかし、隣接画素間隔が狭まった高精細なカラーフィルタパターンを印刷する場合、インクの吸収による受像層の膨張で隣接画素同士が接触してしまう問題があり、隣接した画素は連続して印刷できず、一方の画素を乾燥させてから印刷する必要があった。
上記課題を解決するために、本発明は、印刷されたインクの溶媒分に膨潤することでインクを保持する被膨潤体を有する膨潤型の受像層を備えた散乱反射型表示体であって、前記受像層は、該受像層の内部に前記インク溶媒分への膨潤により膨張した前記被膨潤体の体積を逃がす複数の空隙を有することを特徴とする。
また、本発明は、請求項1記載の散乱反射型表示体において、前記被膨潤体は樹脂ビーズであり、前記受像層は、前記樹脂ビーズを複数の層に重ねてなる樹脂ビーズ層を備え、
前記空隙は、互いに隣接する樹脂ビーズ間の間隙によって形成されていることを特徴とする。
また、本発明は、請求項1記載の散乱反射型表示体において、前記被膨潤体は樹脂ビーズであり、前記受像層は、前記樹脂ビーズを複数の層に重ねてなる樹脂ビーズ層を備え、
前記空隙は、互いに隣接する樹脂ビーズ間の間隙によって形成されていることを特徴とする。
この発明によれば、インクジェットで吐出されたインクは着弾後、直ぐに受像層に形成された空隙に吸収され、その後、インク溶媒で受像層の樹脂ビーズが溶解・膨潤して色材が定着する。このため、高精細なパターンを印刷しても隣接した画素と接触することなく連続してカラーフィルタを印刷形成できる。
また、本発明の散乱反射型表示体は、樹脂ビーズがウレタン樹脂であることを特徴とする。これにより、ウレタン系樹脂は屈折率が低く、また、使用するインクの樹脂成分の屈折率と近いためカラーフィルタの発色性能の向上が期待できる。
また、本発明の散乱反射型表示体は、前記樹脂ビーズの平均粒子径が0.5μm以上2μm以下であることを特徴とする。これにより、受像層の厚みがこの範囲にあることで受像層のインク溶媒への膨潤による変形を防ぎ必要な発色性能のカラーフィルタを得ることができる。
また、本発明の散乱反射型表示体は、前記受像層の厚みが5μm以上30μm以下であることを特徴とする。これにより、樹脂ビーズの粒子径がこの範囲にあることで画素形成に必要なインク溶媒を吸収する空隙を矩形の画素の印刷性を低下させること無く得ることができる。
また、本発明の散乱反射型表示体は、複数の能動素子及びこれらに接続された複数の画素電極を有する基板と、前記基板に対向して配置された透明電極と、前記基板と前記透明電極との間に設けられた表示媒体層と、前記透明電極上に積層をされた樹脂フィルムとを備え、前記樹脂ビーズ層は、前記樹脂フィルムに設けられたプライマー層の表面を溶剤で溶かし粘着性を持たせた状態のプライマー層の表面に樹脂ビーズを落下もしくは吹き付け、その上面から押圧することで形成されていることを特徴とする。
また、本発明の散乱反射型表示体は、複数の能動素子及びこれらに接続された複数の画素電極を有する基板と、前記基板に対向して配置された透明電極と、前記基板と前記透明電極との間に設けられた表示媒体層と、前記透明電極上に積層をされた樹脂フィルムとを備え、前記樹脂ビーズ層は、乾燥した樹脂ビーズと樹脂ビーズの表面を膨潤・溶解させて粘着性を持たせたものを混ぜ合わせてなる樹脂ビーズペーストをプライマー層の表面もしくは前記樹脂フィルムの表面に塗布することで形成されていることを特徴とする。
また、本発明の散乱反射型表示体は、複数の能動素子及びこれらに接続された複数の画素電極を有する基板と、前記基板に対向して配置された透明電極と、前記基板と前記透明電極との間に設けられた表示媒体層と、前記透明電極上に積層をされた樹脂フィルムとを備え、前記樹脂ビーズ層は、乾燥した樹脂ビーズと樹脂ビーズの表面を膨潤・溶解させて粘着性を持たせたものを混ぜ合わせてなる樹脂ビーズペーストをプライマー層の表面もしくは前記樹脂フィルムの表面に塗布することで形成されていることを特徴とする。
本発明の散乱反射型表示体によれば、受像層の樹脂ビーズが酢酸2−(2エトキシエトキシ)エチルやシクロヘキサノンに溶解・膨潤するので、インクの溶媒として酢酸2−(2エトキシエトキシ)エチルやシクロヘキサノンを含むインクに対する受像性が高く、高精細なパターンをインクジェット法により印刷形成する際に、隣接した画素とインクが接触することがなく、連続してカラーフィルタを印刷形成することができる。
以下、本発明の受像層付き散乱反射型表示体の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、本発明は以下に示す構成のものに限定されるものではない。
本実施の形態における受像層付き散乱反射型表示体は、図1に示すように、TFTなどの複数の能動素子に接続された複数の画素電極2を有するTFT基板7上に、導電性接着剤層3、マイクロカプセル層(表示媒体層)4、透明電極5、PETフィルム6をこの順序で積層することで構成され、さらに、PETフィルム8上には膨潤型の受像層10が設けられている。この受像層10は、インクジェット法により印刷されたインクの溶媒分に膨潤することでインクを保持するウレタン樹脂ビーズ9aと、インク溶媒分への膨潤により膨張した体積を逃がすための空隙11を有している。
なお、図示省略したが、受像層10の上面には、インクジェット法によりカラーフィルタが形成される構成になっている。
本実施の形態における受像層付き散乱反射型表示体は、図1に示すように、TFTなどの複数の能動素子に接続された複数の画素電極2を有するTFT基板7上に、導電性接着剤層3、マイクロカプセル層(表示媒体層)4、透明電極5、PETフィルム6をこの順序で積層することで構成され、さらに、PETフィルム8上には膨潤型の受像層10が設けられている。この受像層10は、インクジェット法により印刷されたインクの溶媒分に膨潤することでインクを保持するウレタン樹脂ビーズ9aと、インク溶媒分への膨潤により膨張した体積を逃がすための空隙11を有している。
なお、図示省略したが、受像層10の上面には、インクジェット法によりカラーフィルタが形成される構成になっている。
受像層10は、PETフィルム6上に形成された厚さ1μm以上、3μm以下のプライマー層8と、このプライマー層8上に形成され、インク溶媒分に膨潤するウレタン樹脂ビーズ層9とから構成されている。また、膨潤により膨張した体積を逃がす空隙11は、ウレタン樹脂ビーズ層9の内部に、互いに隣接するウレタン樹脂ビーズ9a(請求項に記載した被膨潤体に相当する)間に生じる間隙によって形成される。
プライマー層8はこれ自身が膨潤型受像層としてインクを保持する機能があるが、本実施の形態では、PETフィルム6の表面にウレタン樹脂ビーズを接着するための樹脂層として用いた。使用する樹脂としては、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリビニルアルコール等が挙げられ、この中でもポリウレタン樹脂を好ましく挙げることができる。ウレタン系樹脂は低屈折率であり、また使用するインクの樹脂成分とも屈折率が近くカラーフィルタの発色性能を向上させる効果が得られる。
プライマー層8のPETフィルム6上への形成は、上記の材料を溶剤に溶解・分散させた塗工液を塗布し乾燥させることで形成する。塗工液に用いる溶剤は、用いる樹脂に応じて適宜選択される。この溶剤には、例えば、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール系や、アセトン、エチルメチルケトンなどのケトン系や、トルエン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサノン、水などが用いられる。
また、プライマー層8の塗工方法としてはスピンコート法、ダイコート法、ロールコート法、バーコート法、印刷法等が用いられる。
また、プライマー層8の塗工方法としてはスピンコート法、ダイコート法、ロールコート法、バーコート法、印刷法等が用いられる。
ウレタン樹脂ビーズ層9を形成するウレタン樹脂ビーズ9aは、その平均粒子径が0.5μm以上、2μm以下の範囲のものを使用することが好ましく、この範囲内にあれば、2種以上の平均粒子径の粒子を組み合わせて用いても良い。
ウレタン樹脂ビーズ9aの平均粒子径が0.5μmよりも小さい場合、粒子同士が密に詰まってしまい、インク溶媒によって膨潤したウレタン樹脂ビーズ9aの体積膨張を逃すのに必要な空隙11が得られなくなってしまう。また、樹脂粒子同士の密着性が低下し十分な厚みの層を形成するのが難しくなる。逆に、ウレタン樹脂ビーズ9aの平均粒子径が2μmより大きい場合には、粒子の凹凸によって表面が粗くなり、形成したカラーフィルタの外周が歪となるなど矩形の画素が形成しにくくなる問題が生じる。
ウレタン樹脂ビーズ9aの平均粒子径が0.5μmよりも小さい場合、粒子同士が密に詰まってしまい、インク溶媒によって膨潤したウレタン樹脂ビーズ9aの体積膨張を逃すのに必要な空隙11が得られなくなってしまう。また、樹脂粒子同士の密着性が低下し十分な厚みの層を形成するのが難しくなる。逆に、ウレタン樹脂ビーズ9aの平均粒子径が2μmより大きい場合には、粒子の凹凸によって表面が粗くなり、形成したカラーフィルタの外周が歪となるなど矩形の画素が形成しにくくなる問題が生じる。
受像層10の厚みは5μm以上、30μm以下が理想的であり、好ましくは10μmである。このとき、受像層10に含まれるウレタン樹脂ビーズの粒子径や数量を調整し、空隙率が画素内に印刷するインク量に合うようにする。例えば、画素サイズ約120μm2に対して約54plのインクを用いてインクジェット法によりカラーフィルタを印刷し形成する場合、空隙率は38%となるように調整すると良い。
また、受像層10の厚みが30μmより厚い場合、カラーフィルタの画素形成に必要なインク量以上に空隙が存在し、余った空隙による光の屈折・反射によってカラーフィルタの発色性能を低下させる問題が生じる。逆に受像層10の厚みが5μmよりも薄い場合には、吸収すべきインク溶媒量に対して十分な空隙量が無くインク溶媒に対する受像層の膨潤による画素形状の変形によって隣接した画素と接触し混色する問題が生じる。
また、受像層10の厚みが30μmより厚い場合、カラーフィルタの画素形成に必要なインク量以上に空隙が存在し、余った空隙による光の屈折・反射によってカラーフィルタの発色性能を低下させる問題が生じる。逆に受像層10の厚みが5μmよりも薄い場合には、吸収すべきインク溶媒量に対して十分な空隙量が無くインク溶媒に対する受像層の膨潤による画素形状の変形によって隣接した画素と接触し混色する問題が生じる。
ウレタン樹脂ビーズ層9の形成は、プライマー層8の表面を溶剤で溶かし粘着性を持たせた状態で、乾燥したウレタン樹脂ビーズをプライマー層8の表面に落下または吹きつけることで行なう。その後、形成されたウレタン樹脂ビーズ層9の表面をローラーなどで圧し平坦化することでプライマー層8とウレタン樹脂ビーズ層9を接着させる。
または、乾燥したウレタン樹脂ビーズとウレタン樹脂ビーズの表面を膨潤・溶解させて粘着性を持たせたものを混ぜ合わせた、ウレタン樹脂ビーズペーストをプライマー層8の表面または散乱反射型表示体のPETフィルム6の表面に塗布してウレタン樹脂ビーズ層9を形成しても良い。
または、乾燥したウレタン樹脂ビーズとウレタン樹脂ビーズの表面を膨潤・溶解させて粘着性を持たせたものを混ぜ合わせた、ウレタン樹脂ビーズペーストをプライマー層8の表面または散乱反射型表示体のPETフィルム6の表面に塗布してウレタン樹脂ビーズ層9を形成しても良い。
以下に、本発明の実施例について説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
基材として用意した散乱反射型表示体の表示面側のPETフィルム表面に、下記組成からなるプライマー層用塗工液をブレードコーターを用いて塗布・乾燥し、ウレタン樹脂からなる膜厚3μmのプライマー層を形成した。その後、プライマー層表面を下記組成からなる混合溶剤で溶かし、平均粒子径が2μmになるように分球したウレタン樹脂ビーズを散布し、表面をφ50mmのステンレスローラーでならして厚み10μmの受像層を形成した。
プライマー層用塗工液
・ウレタン樹脂 10重量%
・イソプロパノールと水とトルエンの混合溶剤(重量比56:25:19) 90重量%
基材として用意した散乱反射型表示体の表示面側のPETフィルム表面に、下記組成からなるプライマー層用塗工液をブレードコーターを用いて塗布・乾燥し、ウレタン樹脂からなる膜厚3μmのプライマー層を形成した。その後、プライマー層表面を下記組成からなる混合溶剤で溶かし、平均粒子径が2μmになるように分球したウレタン樹脂ビーズを散布し、表面をφ50mmのステンレスローラーでならして厚み10μmの受像層を形成した。
プライマー層用塗工液
・ウレタン樹脂 10重量%
・イソプロパノールと水とトルエンの混合溶剤(重量比56:25:19) 90重量%
(比較例1)
実施例1におけるプライマー層用塗工液のみを基材として用意した散乱反射型表示体の表示面側のPETフィルム表面に実施例1と同様に塗布・乾燥させてウレタン樹脂からなる膜厚10μmの受像層を形成した。
実施例1におけるプライマー層用塗工液のみを基材として用意した散乱反射型表示体の表示面側のPETフィルム表面に実施例1と同様に塗布・乾燥させてウレタン樹脂からなる膜厚10μmの受像層を形成した。
(インク受像性の評価)
前記実施例1および比較例1で得られた受像層の上に、解像度300dpiでノズルが形成されたインクジェットヘッドを用いて、カラーフィルタを印刷形成し、目視で画素形状を観察した。インクは溶媒として酢酸2−(2エトキシエトキシ)エチルおよびシクロヘキサノンを含む、レッド,グリーン,ブルーの3色を使用し、120μm2の正方形の画素形状となるように54plのインクを印刷した。この時、レッド,グリーン,ブルーの各画素は隣り合った位置に連続して印刷した。
前記実施例1および比較例1で得られた受像層の上に、解像度300dpiでノズルが形成されたインクジェットヘッドを用いて、カラーフィルタを印刷形成し、目視で画素形状を観察した。インクは溶媒として酢酸2−(2エトキシエトキシ)エチルおよびシクロヘキサノンを含む、レッド,グリーン,ブルーの3色を使用し、120μm2の正方形の画素形状となるように54plのインクを印刷した。この時、レッド,グリーン,ブルーの各画素は隣り合った位置に連続して印刷した。
その結果、実施例1の受像層では隣り合ったレッド,グリーン,ブルーの各画素が混色することなく形成された。一方、比較例1の受像層では、隣と繋がってしまった画素が見られた。
また、一色を印刷するごとに十分に乾燥させてインクの溶媒を除去した場合には、実施例1、比較例1のどちらの受像層でも隣り合った画素を混色無く形成することができた。
また、一色を印刷するごとに十分に乾燥させてインクの溶媒を除去した場合には、実施例1、比較例1のどちらの受像層でも隣り合った画素を混色無く形成することができた。
1…背面板
2…画素電極
3…導電性接着剤層
4…マイクロカプセル層(表示媒体層)
5…透明電極
6…PETフィルム
7…TFT基板
8…プライマー層
9…ウレタン樹脂ビーズ層
9a…ウレタン樹脂ビーズ
10…受像層
11…空隙
2…画素電極
3…導電性接着剤層
4…マイクロカプセル層(表示媒体層)
5…透明電極
6…PETフィルム
7…TFT基板
8…プライマー層
9…ウレタン樹脂ビーズ層
9a…ウレタン樹脂ビーズ
10…受像層
11…空隙
Claims (6)
- 印刷されたインクの溶媒分に膨潤することでインクを保持する被膨潤体を有する膨潤型の受像層を備えた散乱反射型表示体であって、
前記受像層は、該受像層の内部に前記インク溶媒分への膨潤により膨張した前記被膨潤体の体積を逃がす複数の空隙を有する、
ことを特徴とする散乱反射型表示体。 - 前記被膨潤体は樹脂ビーズであり、
前記受像層は、前記樹脂ビーズを複数の層に重ねてなる樹脂ビーズ層を備え、
前記空隙は、互いに隣接する樹脂ビーズ間の間隙によって形成されていることを特徴とする請求項1記載の散乱反射型表示体。 - 前記樹脂ビーズがウレタン樹脂であることを特徴とする請求項2記載の散乱反射型表示体。
- 前記樹脂ビーズの平均粒子径が0.5μm以上2μm以下であり、前記受像層の厚みが5μm以上30μm以下であることを特徴とする請求項2または3記載の散乱反射型表示体。
- 複数の能動素子及びこれらに接続された複数の画素電極を有する基板と、前記基板に対向して配置された透明電極と、前記基板と前記透明電極との間に設けられた表示媒体層と、前記透明電極上に積層をされた樹脂フィルムとを備え、
前記樹脂ビーズ層は、前記樹脂フィルムに設けられたプライマー層の表面を溶剤で溶かし粘着性を持たせた状態のプライマー層の表面に樹脂ビーズを落下もしくは吹き付け、その上面から押圧することで形成されていることを特徴とする請求項2乃至4に何れか1項記載の散乱反射型表示体。 - 複数の能動素子及びこれらに接続された複数の画素電極を有する基板と、前記基板に対向して配置された透明電極と、前記基板と前記透明電極との間に設けられた表示媒体層と、前記透明電極上に積層をされた樹脂フィルムとを備え、
前記樹脂ビーズ層は、乾燥した樹脂ビーズと樹脂ビーズの表面を膨潤・溶解させて粘着性を持たせたものを混ぜ合わせてなる樹脂ビーズペーストをプライマー層の表面もしくは前記樹脂フィルムの表面に塗布することで形成されていることを特徴とする請求項2乃至4に何れか1項記載の散乱反射型表示体。
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