JP2013181891A - 放射性ヨウ素の除去方法及び放射性ヨウ素除去用の親水性樹脂 - Google Patents

放射性ヨウ素の除去方法及び放射性ヨウ素除去用の親水性樹脂 Download PDF

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Abstract

【課題】簡単かつ低コストで、更には電力等のエネルギー源を必要とせず、しかも、除去した放射性ヨウ素を固体内部に取り込んで安定的に固定化することができ、必要に応じて放射性廃棄物の減容化も可能な、新規な放射性ヨウ素の除去技術の提供。
【解決手段】放射性廃液及び/又は放射性固形物中の放射性ヨウ素を吸着する親水性樹脂を用いる放射性ヨウ素の除去方法であって、該親水性樹脂が、親水性セグメントを有し、且つ、構造中の主鎖及び/又は側鎖に第3級アミノ基とポリシロキサンセグメントとを有する、親水性ポリウレタン樹脂、親水性ポリウレア樹脂、親水性ポリウレタン−ポリウレア樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする放射性ヨウ素の除去方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、原子力発電プラントや使用済核燃料施設から生ずる放射性廃液及び/又は放射性固形物中に存在する放射性ヨウ素の除去方法、及び該方法に好適な放射性ヨウ素を固定化する機能を示す親水性樹脂に関する。
現在、広く普及している原子炉発電プラントにおいては、原子炉中での核分裂により相当な量の放射性副産物の生成を伴うが、中でも放射性ヨウ素は184℃で気体になるため、燃料の検査や交換の際に、更には、燃料取扱い時の事故や原子炉暴走事故等の不慮の事由によって、非常に放出されやすい、という危険性がある。その際に対象となる放射性ヨウ素としては、長半減期のヨウ素129(半減期:1.57年×107)と、短半減期のヨウ素131(半減期:8.05日)が主なものである。ここで、普通のヨウ素は、人体における必須微量元素であり、咽喉の近くの甲状腺に集められ、成長ホルモンの成分になる。このため、人が呼吸や水・食物を通して放射性ヨウ素を取りこむと、普通のヨウ素と同じように甲状腺に集められ、内部放射能被曝を増大させるため、特に厳格な放出放射能量の低減対策が施されなければならない。
このような事態に対し、原子炉中等で生成された放射性ヨウ素の処理方法として、洗浄処理方式、繊維状の活性炭等を用いた固体吸着剤充填による物理・化学的処理方式(特許文献1、2参照)、イオン交換剤による処理(特許文献3参照)などが検討されており、生成した放射性ヨウ素に対する放出対策に利用さている。
しかしながら、上記したいずれの方法も課題があり、これらの課題が解決された放射性ヨウ素の除去方法の開発が望まれている。まず、洗浄処理方式で実用化されているものとしてはアルカリ洗浄法などがあるが、液体吸着剤による洗浄処理方式で処理し、これを液体のまま長期間貯蔵するのには、量的にも、また安全上も問題が多い。また、固体吸着剤充填による物理・化学的処理方式では、補足されたヨウ素は、他のガスとの交換の可能性に常に晒されており、また温度が上昇すると容易に吸着物を放出するという難点がある。更に、イオン交換剤による処理方式では、イオン交換剤の耐熱温度は100℃程度までで、これより高温では十分な性能を発揮し得ないという課題がある。
更に、上述の処理方法は、いずれも循環ポンプや浄化槽、更には各吸着剤を内蔵した充填槽などの大掛かりな設備を必要とし、そして、それらを稼働させるための多大なエネルギーを必要とする。更には、2011年3月11日に発生した日本国の福島第一原発事故のように、電源が断たれたような場合にはこれらの設備は稼働できなくなるので、この場合には、放射性ヨウ素による汚染の危険度が増大する。そして、原子炉の暴走事故により周辺地域へ拡散した放射性ヨウ素に対しての除去方法が極めて困難な状況に陥り、放射能汚染を拡大しかねない状況となることが懸念される。したがって、電源が断たれたような事態が生じた場合においても対応が可能な放射性ヨウ素の除去技術の開発が急務である。
特公昭62−44239号公報 特開2008−116280号公報 特開2005−37133号公報
したがって、本発明の目的は、放射性ヨウ素を除去するにあたり従来技術の問題点を解決し、簡単かつ低コストで、更には電力等のエネルギー源を必要とせず、しかも、除去した放射性ヨウ素を固体内部に取り込んで定着し、更に安定的に固定化することができ、必要に応じて放射性廃棄物の減容化も可能な、新規な放射性ヨウ素の除去技術を提供することにある。本発明は、特に、上記した放射性ヨウ素の除去を実現できる親水性樹脂を提供することにある。
上記目的は以下の本発明によって達成される。すなわち、本発明は、放射性廃液及び/又は放射性固形物中の放射性ヨウ素を吸着する親水性樹脂を用いる放射性ヨウ素の除去方法であって、該親水性樹脂が、親水性セグメントを有し、且つ、構造中の主鎖及び/又は側鎖に、第3級アミノ基とポリシロキサンセグメントとを有する、親水性ポリウレタン樹脂、親水性ポリウレア樹脂及び親水性ポリウレタン−ポリウレア樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする放射性ヨウ素の除去方法を提供する。
本発明の好ましい形態としては、下記のことが挙げられる。上記親水性樹脂が、少なくとも1個の第3級アミノ基を有するポリオール又は少なくとも1個の第3級アミノ基を有するポリアミンと、少なくとも1個の活性水素含有基とポリシロキサンセグメントとを同一分子内に有する化合物とを、原料の一部として形成された樹脂であること;上記親水性セグメントが、ポリエチレンオキサイドセグメントであること、が挙げられる。
本発明は、別の実施形態として、液中及び/又は固形物中の放射性ヨウ素を固定化する機能を有する親水性樹脂であって、少なくとも1個の第3級アミノ基を有するポリオール又は少なくとも1個の第3級アミノ基を有するポリアミンと、少なくとも1個の活性水素含有基とポリシロキサンセグメントとを同一分子内に有する化合物とを反応させて得られた、親水性セグメントと、分子鎖中に第3級アミノ基とポリシロキサンセグメントとを有してなる、水及び温水に不溶解性の樹脂であることを特徴とする放射性ヨウ素除去用の親水性樹脂を提供する。
また、本発明では、別の実施形態として、液中及び/又は固形物中の放射性ヨウ素を固定化する機能を有する親水性樹脂であって、有機ポリイソシアネートと、親水性成分である高分子量の親水性ポリオール及び/又はポリアミンと、少なくとも1個の活性水素含有基と少なくとも1個の第3級アミノ基とを同一分子内に有する化合物と、少なくとも1個の活性水素含有基とポリシロキサンセグメントとを同一分子内に有する化合物とを反応させて得られた、親水性ポリウレタン樹脂、親水性ポリウレア樹脂及び親水性ポリウレタン−ポリウレア樹脂からなる群から選ばれるいずれかであることを特徴とする放射性ヨウ素除去用の親水性樹脂を提供する。
上記した放射性ヨウ素除去用の親水性樹脂のいずれにおいても、上記の親水性樹脂の親水性セグメントが、ポリエチレンオキサイドセグメントであることが、その好ましい形態として挙げられる。
本発明によれば、放射性ヨウ素を除去するにあたり、簡便に且つ低コストで、更には電力等のエネルギー源を必要とせず、しかも、除去した放射性ヨウ素を固体内部に取り組んで定着し、更に安定的に固定化することができ、必要に応じて放射性廃棄物の減容化も可能である、新規な放射性ヨウ素の除去技術が提供される。本発明は、上記した放射性ヨウ素の除去方法を実現可能とする、その構造中に、親水性セグメントと、少なくとも1個の第3級アミノ基とポリシロキサンセグメントとを分子鎖中に有している親水性樹脂と、これを用いた放射性ヨウ素の除去方法を提供する。より具体的には、本発明によれば、有機ポリイソシアネートと、高分子量の親水性ポリオール及び/又はポリアミン(以下「親水性成分」という)と、少なくとも1個の活性水素含有基と少なくとも1個の第3級アミノ基とを同一分子内に有する化合物と、少なくとも1個の活性水素含有基とポリシロキサンセグメントとを同一分子内に有する化合物とを反応させて得られた、放射性廃液や放射性固形物中の放射性ヨウ素を定着して固定化する機能を有する、放射性ヨウ素の除去に極めて有用な、親水性ポリウレタン樹脂、親水性ポリウレア樹脂、親水性ポリウレタン−ポリウレア樹脂から選ばれる親水性樹脂が提供される。
水溶液中のヨウ素濃度と、実施例1〜3の親水性樹脂からなるフィルムの浸漬時間との関係を示す図である。 水溶液中のヨウ素濃度と、比較例1〜3の樹脂からなるフィルムの浸漬時間との関係を示す図である。
次に好ましい実施の形態を挙げて本発明を更に詳しく説明する。
本発明で使用する親水性樹脂は、親水性セグメントと、構造中の主鎖及び/又は側鎖に、第3級アミノ基とポリシロキサンセグメントとを有していることを特徴とする。すなわち、本発明で使用する親水性樹脂は、その構造中に、親水性成分を構成単位とする親水性セグメントと、少なくとも1個の第3級アミノ基を有する成分を構成単位とする第3級アミノ基含有セグメントと、ポリシロキサンセグメントとを有しているものであればよい。これらのセグメントは、親水性樹脂の合成時に、鎖延長剤を使用しない場合は、それぞれランダムに、ウレタン結合、ウレア結合又はウレタン−ウレア結合等で結合されている。親水性樹脂の合成時に、鎖延長剤を使用する場合には、上記の結合とともに、これらの結合の間に鎖延長剤の残基である短鎖が存在する。
本発明における「親水性樹脂」とは、その分子中に親水性基を有しているが、水や温水等には不溶解性である樹脂を意味し、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、セルロース誘導体等の水溶性樹脂とは区別されるものである。
本発明の親水性樹脂を用いることで、放射性ヨウ素の簡便な除去ができた理由について、本発明者らは下記のように考えている。本発明で使用する親水性樹脂は、その構造中の親水性セグメントによって優れた吸水性を示し、更に、その構造中に第3級アミノ基が導入されていることによって、イオン化した放射性ヨウ素との間にイオン結合が形成され、この結果、樹脂中に放射性ヨウ素が定着されるものと考えられる。
しかし、水分の存在下では上記の如きイオン性結合は解離し易く、一定時間経過すれば再び放射性ヨウ素は樹脂から放出されると考えられ、本発明者らは、樹脂中における放射性ヨウ素の定着状態を固定化することは難しいものと予想していた。しかし、この予想に反し、実際には、イオン結合した放射性ヨウ素は長時間経っても樹脂中に定着されたままであることを見出した。この理由は定かではないが、本発明者らは、本発明において用いる特定の構造を有してなる親水性樹脂は、その分子内に疎水性部分も存在しており、該樹脂中の第3級アミノ基と放射性ヨウ素との間にイオン結合が形成された後、この疎水性部分が親水性部分(親水セグメント)及び第3級アミノ基によって形成されたイオン結合部分の周りを取り囲むようになるためではないかと推定している。
更に、本発明で用いる親水性樹脂は、その構造中にポリシロキサンセグメントを有するものであることを要する。ここで、樹脂分子中に導入させるポリシロキサンセグメントは、本来、疎水性(撥水性)であるが、特定範囲の量のポリシロキサンセグメントを構造中に導入させた場合、その樹脂は「環境応答性」があるものになることが知られている(高分子論文集、第48巻[第4号]、227(1991)参照)。すなわち、上記論文でいう、樹脂に「環境応答性」があるとは、乾燥した状態では、樹脂表面は完全にポリシロキサンセグメントで覆われるが、樹脂を水中に浸漬した状態では、ポリシロキサンセグメントが樹脂中に埋没してしまう現象のことである。
本発明は、ポリシロキサンセグメントを導入することで樹脂に表れるこの「環境応答性」の現象を、ヨウ素の除去処理に利用したものである。先述したように、本発明で用いる親水性樹脂中に導入されている第3級アミノ基と、処理対象の放射性ヨウ素との間にイオン結合が形成されると、該樹脂は更に親水度が増加し、このことによって、逆に下記の問題を生じる恐れがある。すなわち、本発明の放射性ヨウ素の除去方法では、後述するように、放射性ヨウ素を固定して除去処理するために、例えば、フィルム状等の形態で親水性樹脂を用いるが、その場合に、処理する放射性ヨウ素の量が多量であると、樹脂に要求される耐水性に支障をきたす恐れがある。これに対し、本発明では、本発明で使用する親水性樹脂の分子中(構造中)に、更にポリシロキサンセグメントを導入することによって、上記したような場合であっても、使用する樹脂が十分な耐水性能を示し、処理が有効に行われる樹脂構成を実現させている。すなわち、本発明を特徴づける親水性樹脂は、その構造中に導入した、親水性セグメントによる吸水性能と、第3級アミノ基による放射性ヨウ素に対する定着性能に加え、更にポリシロキサンゼクメントを導入することにより、当該樹脂の耐水性や表面の耐ブロッキング性能(耐くっつき性)を実現したことで、ヨウ素の除去処理に用いた場合により有用なものになる。
次に、上記性能を実現した本発明を特徴づける親水性樹脂を形成するための原料について説明する。本発明で使用する親水性樹脂は、その構造中に、親水性セグメントと、第3級アミノ基と、ポリシロキサンセグメントとを有することを特徴とする。そのため、本発明の親水性樹脂を得るには、少なくとも1個の第3級アミノ基を有するポリオール又は少なくとも1個の第3級アミノ基を有するポリアミンと、少なくとも1個の活性水素含有基とポリシロキサンセグメントとを同一分子内に有する化合物とを原料の一部とすることが好ましい。本発明の親水性樹脂の製造の際に用いる親水性樹脂中に第3級アミノ基を導入するための化合物には、下記に挙げるような第3級アミノ基含有化合物を用いることが好ましい。すなわち、分子中に少なくとも1個の活性水素含有基(以下、反応性基と記載する場合がある)として、例えば、アミノ基、エポキシ基、水酸基、メルカプト基、酸ハライド基、カルボキシエステル基、酸無水物基等を有し、且つ分子鎖中に第3級アミノ基を有する化合物を用いる。
上記の如き反応性基を有する第3級アミノ基含有化合物の好ましい例としては、例えば、下記一般式(1)〜(3)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2013181891
[式(1)中の、R1は、炭素数20以下のアルキル基、脂環族基、又は芳香族基(ハロゲン、アルキル基で置換されていてもよい)であり、R2及びR3はそれぞれ独立に、−O−、−CO−、−COO−、−NHCO−、−S−、−SO−、−SO2−等で連結されていてもよい低級アルキレン基であり、X及びYは、―OH、−COOH、−NH2、−NHR1(R1は上記と同じ定義である)、−SH等の反応性基であり、X及びYは、同一でも異なってもよい。また、X及びYは、上記の反応性基に誘導できるエポキシ基、アルコキシ基、酸ハライド基、酸無水物基、又はカルボキシルエステル基でもよい。]
Figure 2013181891
[式(2)中の、R1、R2、R3、X及びYは前記(1)におけるものと同じ定義であるが、但し、2つのR1同士は環状構造を形成するものであってもよい。R4は―(CH2n−、(nは0〜20の整数)である。]
Figure 2013181891
(式(3)中の、X及びYは、前記(1)におけるものの定義と同じであり、Wは、窒素含有複素環、窒素と酸素含有複素環、又は窒素と硫黄含有複素環を表す。)
上記の一般式(1)、(2)及び(3)で表される化合物の具体例としては、以下のものが挙げられる。例えば、N,N−ジヒドロキシエチル−メチルアミン、N,N−ジヒドロキシエチル−エチルアミン、N,N−ジヒドロキシエチル−イソプロピルアミン、N,N−ジヒドロキシエチル−n−ブチルアミン、N,N−ジヒドロキシエチル−t−ブチルアミン、メチルイミノビスプロピルアミン、N,N−ジヒドロキシエチルアニリン、N,N−ジヒドロキシエチル−m−トルイジン、N,N−ジヒドロキシエチル−p−トルイジン、N,N−ジヒドロキシエチル−m−クロロアニリン、N,N−ジヒドロキシエチルベンジルアミン、N,N−ジメチル−N’,N’−ジヒドロキシエチル−1,3−ジアミノプロパン、N,N−ジエチル−N’,N’−ジヒドロキシエチル−1,3−ジアミノプロパン、N−ヒドロキシエチル−ピペラジン、N,N−ジヒドロキシエチル−ピペラジン、N−ヒドロキシエトキシエチル−ピペラジン、1,4−ビスアミノプロピル−ピペラジン、N−アミノプロピル−ピペラジン、ジピコリン酸、2,3−ジアミノピリジン、2,5−ジアミノピリジン、2,6−ジアミノ−4−メチルピリジン、2,6−ジヒドロキシピリジン、2,6−ピリジン−ジメタノール、2−(4−ピリジル)−4,6−ジヒドロキシピリミジン、2,6−ジアミノトリアジン、2,5−ジアミノトリアゾール、2,5−ジアミノオキサゾール等が挙げられる。
また、これら第3級アミノ化合物のエチレンオキサイド付加物やプロピレンオキサイド付加物等も本発明に使用できる。その付加物としては、例えば、下記構造式で表される化合物が挙げられる。なお、下記式中のmは1〜60の整数を、nは1〜6の整数を表す。
Figure 2013181891
Figure 2013181891
Figure 2013181891
Figure 2013181891
Figure 2013181891
Figure 2013181891
Figure 2013181891
また、本発明に用いる親水性樹脂は、その構造中にポリシロキサンセグメントを有することを要する。親水性樹脂分子中にポリシロキサンセグメントを導入するために使用可能なポリシロキサン化合物としては、例えば、分子中に1個又は2個以上の反応性基、例えば、アミノ基、エポキシ基、水酸基、メルカプト基、カルボキシル基等を有する化合物が挙げられる。上記のような反応性基を有するポリシロキサン化合物の好ましい例としては、例えば、下記の如き化合物が挙げられる。
アミノ変性ポリシロキサン化合物
Figure 2013181891
エポキシ変性ポリシロキサン化合物
Figure 2013181891
アルコール変性ポリシロキサン化合物
Figure 2013181891
Figure 2013181891
メルカプト変性ポリシロキサン化合物
Figure 2013181891
カルボキシル変性ポリシロキサン化合物
Figure 2013181891
以上のような活性水素含有基を有するポリシロキサン化合物中では、特にポリシロキサンポリオール及びポリシロキサンポリアミンが有用である。なお、列記した化合物は、いずれも本発明において使用する好ましい化合物であって、本発明はこれらの例示の化合物に限定されるものではない。従って、上述の例示の化合物のみならず、その他現在市販されており、市場から容易に入手し得る化合物は、いずれも本発明において使用することができる。
本発明を特徴づける親水性樹脂の合成に使用する有機ポリイソシアネートとしては、従来のポリウレタン樹脂の合成における公知のものがいずれも使用でき、特に制限されない。好ましいものとしては、例えば、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(以下、MDIと略記)、水素添加MDI、イソホロンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート等、或いはこれらの有機ポリイソシアネートと低分子量のポリオールやポリアミンを末端イソシアネートとなるように反応させて得られるポリウレタンプレポリマー等も使用することができる。
上記した有機ポリイソシアネートとともに、本発明を特徴づける親水性樹脂の合成に用いられる親水性成分としては、水酸基、アミノ基、カルボキシル基等を有する重量平均分子量が400〜8,000の範囲の親水性を有する化合物が好ましい。末端が水酸基で、親水性を有するポリオールとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコール/ポリテトラメチレングリコール共重合ポリオール、ポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコール共重合ポリオール、ポリエチレングリコールアジペートポリオール、ポリエチレングリコールサクシネートポリオール、ポリエチレングリコール/ポリε−ラクトン共重合ポリオール、ポリエチレングリコール/ポリバレロラクトン共重合ポリオール等が挙げられる。
末端がアミノ基で、親水性を有するポリアミンとしては、例えば、ポリエチレンオキサイドジアミン、ポリエチレンオキサイドプロピレンオキサイドジアミン、ポリエチレンオキサイドトリアミン、ポリエチレンオキサイドプロピレンオキサイドトリアミン等が挙げられる。その他、カルボキシル基やビニル基を有するエチレンオキサイド付加物等が挙げられる。
本発明においては、親水性樹脂に耐水性を付与するため、上記の親水性成分とともに、親水鎖を有しない他のポリオール、ポリアミン、ポリカルボン酸等を併用することも可能である。
本発明を特徴づける親水性樹脂の合成の際に、必要に応じて使用される鎖延長剤としては、例えば、低分子ジオールやジアミン等の従来公知の鎖延長剤がいずれも使用でき、特に限定されない。例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等が挙げられる。
以上の原料成分を用いて得られる親水性セグメントと、第3級アミノ基と、ポリシロキサンセグメントとを分子鎖中に有する親水性樹脂は、重量平均分子量(GPCで測定した標準ポリスチレン換算)は、3,000〜800,000の範囲が好ましい。更に好ましい重量平均分子量は5,000〜500,000の範囲である。
本発明の放射性ヨウ素の除去方法に使用するのに特に好適な親水性樹脂中の第3級アミノ基の含有量は、0.1〜50eq(当量)/kgの範囲が好ましく、更に好ましくは0.5〜20eq/kgである。第3級アミノ基の含有量が0.1eq/kg未満、すなわち分子量10,000当たり1個未満では、本発明の所期の目的である放射性ヨウ素の除去性の発現が不十分となり、一方、第3級アミノ基の含有量が50eq/kg超、すなわち分子量10,000当たり500個超では樹脂中の親水性部分の減少による疎水性が強くなり、吸水性能に劣るようになるので好ましくない。
また、本発明の放射性ヨウ素の除去方法に特に好適な親水性樹脂のポリシロキサンセグメントの含有量は、0.1〜12質量%の範囲、特に0.5〜10質量%の範囲が好ましい。ポリシロキサンセグメントの含有量が0.1質量%未満では本発明の目的である耐水性や表面の耐ブロッキング性の発現が不十分となり、一方12質量%を超えるとポリシロキサンセグメントによる撥水性が強くなり、吸水性能を低下させ放射性ヨウ素の吸着性を阻害するので好ましくない。
また、本発明の放射性ヨウ素の除去方法に特に好適な親水性樹脂の親水性セグメントの含有量は、30〜80質量%の範囲が好ましく、更に好ましくは50〜75質量%の範囲である。親水性セグメントの含有量が30質量%未満では、吸水性能に劣り放射性ヨウ素の除去性が低下する。一方、80質量%を超えると、耐水性に劣るようになるので好ましくない。
本発明の放射性セシウムの除去方法においては、上記した構成からなる本発明の親水性樹脂を下記のような形態で使用することが好ましい。すなわち、親水性樹脂の溶液を、離型紙や離型フィルム等に乾燥後の厚みが5〜100μm、好ましくは10〜50μmとなるように塗布し、乾燥炉で乾燥させて得られるフィルム状のものが挙げられる。この場合、使用時に離型紙・フィルム等から剥離し、放射性ヨウ素の除去フィルムとして使用する。また、その他、各種基材に、先に説明した原料から得られる樹脂溶液を塗布又は含浸して使用してもよい。この場合の基材としては、金属、ガラス、木材、繊維、各種プラスチック等が使用できる。
上記のようにして得られた、本発明を特徴づける親水性樹脂製のフィルム又は各種基材に塗布したシートを、放射性廃液や、放射性固形物をあらかじめ水で除染した廃液などに浸漬することにより、放射性ヨウ素を選択的に除去することができる。また放射能で汚染された固形物などに対しては、本発明の親水性樹脂のフィルムやシートで覆うことによって、放射性ヨウ素の拡散を防ぐことができる。
本発明の親水性樹脂製のフィルムやシートは水には溶けないため、除染後に、容易にその廃液から取りだすことができる。このように、放射性ヨウ素を除去するのに特別な設備も電力も必要とせず簡単にかつ低コストで除染ができる。更には、吸水した水分を乾燥させ100〜150℃に加熱すれば、樹脂が軟化して体積の収縮が起こり放射性廃棄物低減効果も期待できる。
次に、具体的な実施例及び比較例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、以下の各例における「部」及び「%」は特に断りのない限り質量基準である。
[実施例1](第3級アミノ基とポリシロキサンセグメントとを有する親水性ポリウレタン樹脂の合成)
撹拌機、温度計、ガス導入管及び還流冷却器を備えた反応容器を窒素置換し、該容器内で、下記構造のポリジメチルシロキサンポリオール(分子量3,200)8部、ポリエチレングリコール(分子量2,040)142部、N−メチルジエタノールアミン20部及びジエチレングリコール5部を、100部のメチルエチルケトンと200部のジメチルホルムアミドとの混合溶剤に溶解した。そして、60℃でよく撹拌しながら、73部の水素添加MDIを100部のメチルエチルケトンに溶解した溶液を徐々に滴下した。滴下終了後、80℃で6時間反応させた後、60部のメチルエチルケトンを加え、本発明で規定する構造を有する親水性ポリウレタン樹脂溶液を得た。
Figure 2013181891
上記で得た樹脂溶液は、固形分35%で330dPa・s(25℃)の粘度を有していた。また、この溶液から形成した親水性樹脂フィルムは、破断強度20.5MPa、破断伸度が400%であり、熱軟化温度は103℃であった。
[実施例2](第3級アミノ基とポリシロキサンセグメントとを有する親水性ポリウレア樹脂の合成)
実施例1で使用したと同様の反応容器中に、下記構造のポリジメチルシロキサンジアミン(分子量3,880)5部、ポリエチレンオキサイドジアミン(「ジェファーミンED」(商品名)、ハンツマン社製;分子量2,000)145部、メチルイミノビスプロピルアミン25部及び1,4−ジアミノブタン5部を、ジメチルホルムアミド250部に溶解し、内温を20〜30℃でよく撹拌した。そして、撹拌しながら、75部の水素添加MDIを100部のジメチルホルムアミドに溶解した溶液を徐々に滴下して反応させた。滴下終了後、次第に内温を上昇させ、50℃に達したところで更に6時間反応させた後、124部のジメチルホルムアミドを加え、本発明で用いる樹脂溶液を得た。
Figure 2013181891
上記で得た樹脂溶液は、固形分35%で、315dPa・s(25℃)の粘度を有していた。また、この樹脂溶液から形成したフィルムは、破断強度が31.3MPa、破断伸度が370%であり、熱軟化温度は147℃であった。
[実施例3](第3級アミノ基とポリシロキサンセグメントとを有する親水性ポリウレタン−ポリウレア樹脂の合成)
実施例1で使用したと同様の反応容器中に、下記構造のエチレンオキサイド付加型ポリジメチルシロキサン(分子量4,500)5部、ポリエチレンオキサイドジアミン(「ジェファーミンED」(商品名)、ハンツマン社製;分子量2,000)145部、及びN,N−ジメチル−N’,N’−ジヒドロキシエチル−1,3−ジアミノプロパン30部及び1,4−ジアミノブタン5部を、メチルエチルケトン150部と150部のジメチルホルムアミドとの混合溶剤中に溶解し、内温を20〜30℃でよく撹拌した。そして、撹拌しながら、72部の水素添加MDIを100部のメチルエチルケトンに溶解した溶液を徐々に滴下した。滴下終了後、80℃で6時間反応させ、反応終了後、メチルエチルケトン75部を加え、本発明で用いる樹脂溶液を得た。
Figure 2013181891
上記で得た樹脂溶液は、固形分35%で、390dPa・s(25℃)の粘度を有していた。また、この樹脂溶液から形成したフィルムは破断強度が22.7MPa、破断伸度が450%であり、熱軟化温度は127℃であった。
[比較例1](第3級アミノ基もポリシロキサンセグメントも含有しない親水性ポリウレタン樹脂の合成)
ポリジメチルシロキサンポリオール及びN−メチルジエタノールアミンを使用しない以外は、実施例1と同じ原料成分と処方によりポリウレタン樹脂の溶液を得た。この樹脂溶液は固形分が35%で、500dPa・s(25℃)の粘度を有していた。また、この樹脂溶液から形成した樹脂フィルムは、破断強度が21.5MPa、破断伸度が400%であり、熱軟化温度は102℃であった。
[比較例2](第3級アミノ基もポリシロキサンセグメントも含有しない非親水性ポリウレタン樹脂の合成)
実施例1で使用したと同様の反応容器を窒素置換し、平均分子量約2,000のポリブチレンアジペート150部と1,4−ブタンジオール15部とを、250部のジメチルホルムアミド中に溶解し、60℃でよく撹拌した。そして撹拌しながら62部の水素添加MDIを171部のジメチルホルムアミドに溶解したものを徐々に滴下した。滴下終了後、80℃で6時間反応させることにより、比較例の樹脂溶液を得た。この樹脂溶液は、固形分35%で3.2MPa・s(25℃)の粘度を有していた。また、この溶液から得られたフィルムは破断強度45MPaで破断伸度480%を有し、熱軟化温度は110℃であった。
[比較例3](第3級アミノ基を含有し、ポリシロキサンセグメントを含有しない非親水性ポリウレタン樹脂の合成)
実施例1で使用したと同様に反応容器を窒素置換し、平均分子量約2,000のポリブチレンアジペート150部とN−メチルジエタノールアミン20部とジエチレングリコール5部とを、200部のメチルエチルケトンと150部のジメチルホルムアミドとの混合溶剤中に溶解し、60℃でよく撹拌した。そして、撹拌しながら、74部の水素添加MDIを112部のメチルエチルケトンに溶解した溶液を徐々に滴下した。滴下終了後、80℃で6時間反応させることにより、比較例の樹脂溶液を得た。この樹脂溶液は、固形分35%で510dPa・s(25℃)の粘度を有していた。また、この樹脂溶液から形成したフィルムは、破断強度23.5MPa、破断伸度が470%であり、熱軟化温度は110℃であった。
上記で得られた実施例1〜3と比較例1〜3の各樹脂の重量平均分子量、及び第3級アミノ基、ポリシロキサンセグメント含有量は表1の通りであった。
Figure 2013181891
[評価]
上記で得た実施例1〜3と比較例1〜3の各樹脂溶液をそれぞれに用い、離型紙上に塗布し、120℃で1分加熱乾燥して溶剤を乾燥させて、約20μmの厚さの透明フィルムをそれぞれ形成した。このようにして得た実施例1〜3と比較例1〜3の透明樹脂フィルムを用い、以下の項目について試験を行い、それぞれ評価した。
<耐ブロッキング性(耐くっつき性)>
実施例及び比較例の各樹脂フィルムについて、フィルムの面同士を重ね合わせ、0.29MPaの荷重を掛け、40℃で1日放置した。その後、重ね合わせたフィルム同士のブロッキング性を目視で観察し、以下の基準で評価した。その結果を表2に示した。
○:ブロッキング性なし
△:僅かにブロッキング性あり
×:ブロッキング性あり
<耐水性>
実施例及び比較例の各樹脂フィルムをそれぞれ、厚さ20μm、縦5cm×横1cmの形状に切り、25℃の水中に12時間浸漬し、浸漬試験後におけるフィルムの縦の長さを測定し、浸漬フィルムの縦方向の膨張係数(%)を下記の式を用いて算出した。そして、得られた膨張係数が200%以下のフィルムを○と評価し、200%以上になったフィルムを×として評価した。その結果を表2に示した。
膨張係数(%)=(試験後の長さ/元の長さ)×100
Figure 2013181891
<ヨウ素イオン除去に対する効果>
実施例及び比較例の各透明樹脂フィルムを用い、下記の方法で、ヨウ素イオンの除去に対する効果を評価した。
(試験用のヨウ素溶液の調製)
評価試験に使用するヨウ素溶液には、イオン交換処理した純水に、ヨウ化カリウムを、ヨウ素イオン濃度が100mg/L(100ppm)となるよう溶解し、調製したものを用いた。なお、ヨウ素イオンが除去できれば、当然に放射性ヨウ素の除去ができる。
(実施例1の樹脂についての評価結果)
実施例1の樹脂フィルム10gを、上記ヨウ素溶液100ml中に24時間静置浸漬し(25℃)、経過時間毎に、溶液中のヨウ素イオン濃度をイオンクロマトグラフ(東ソー製;IC2001)で測定した。そして、溶液中のヨウ素イオンの除去率を求めた。その結果を、表3と図1に示した。
Figure 2013181891
(実施例2の樹脂についての評価結果)
実施例2の樹脂フィルム10gを用いた以外は、実施例1の樹脂フィルムを用いた場合と同様にして、溶液中のヨウ素イオンの濃度を測定し、その除去率を求めた。その結果を表4と図1に示した。
Figure 2013181891
(実施例3の樹脂についての評価結果)
実施例3の樹脂フィルム10gを用いた以外は、実施例1の樹脂フィルムを用いた場合と同様にして、溶液中のヨウ素イオンの濃度を測定し、その除去率を求めた。結果を表5と図1に示した。
Figure 2013181891
(比較例1の樹脂についての評価結果)
比較例1の樹脂フィルム10gを用いた以外は、実施例1の樹脂フィルムを用いて試験した場合と同様にして、溶液中のヨウ素イオンの濃度を測定し、その除去率を求めた。結果を表6と図2に示した。
Figure 2013181891
(比較例2の樹脂についての評価結果)
比較例2の樹脂フィルム10gを用いた以外は、実施例1の樹脂フィルムを用いて試験した場合と同様にして、溶液中のヨウ素イオンの濃度を測定し、その除去率を求めた。結果を表7と図2に示した。
Figure 2013181891
(比較例3の樹脂についての評価結果)
比較例3の樹脂フィルム10gを用いた以外は、実施例1の樹脂フィルムを用いて試験した場合と同様にして、溶液中のヨウ素イオンの濃度を測定し、その除去率を求めた。結果を表8と図2に示した。
Figure 2013181891
本発明によれば、放射性廃液や放射性固形物中の放射性ヨウ素を、簡単且つ低コストで、更には電力等のエネルギー源を必要としない新しい放射性ヨウ素の除去方法で簡便に除去することが可能になる。更に、本発明では、親水性セグメントを有する親水性樹脂の構造中に、放射性ヨウ素とイオン結合する第3級アミノ基に加えて、更にポリシロキサンゼクメントを導入することで、該ポリシロキサンセグメントの存在によってもたらされる耐水性や表面の耐ブロッキング性能(耐くっつき性)を実現した放射性ヨウ素の除去処理により有用な優れた親水性樹脂を提供できるので、除去した放射性ヨウ素を取り込んでより安定的に固定化することができるようになる。更に樹脂であることから、必要に応じて放射性廃棄物の減容化も可能であるので、処理後に生じる放射性廃棄物における問題も軽減でき、その利用が期待される。

Claims (6)

  1. 放射性廃液及び/又は放射性固形物中の放射性ヨウ素を吸着する親水性樹脂を用いる放射性ヨウ素の除去方法であって、該親水性樹脂が、親水性セグメントを有し、且つ、構造中の主鎖及び/又は側鎖に、第3級アミノ基とポリシロキサンセグメントとを有する、親水性ポリウレタン樹脂、親水性ポリウレア樹脂及び親水性ポリウレタン−ポリウレア樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする放射性ヨウ素の除去方法。
  2. 前記親水性樹脂が、少なくとも1個の第3級アミノ基を有するポリオール又は少なくとも1個の第3級アミノ基を有するポリアミンと、少なくとも1個の活性水素含有基とポリシロキサンセグメントとを同一分子内に有する化合物とを、原料の一部として形成された樹脂である請求項1に記載の放射性ヨウ素の除去方法。
  3. 前記親水性セグメントが、ポリエチレンオキサイドセグメントである請求項1又は2に記載の放射性ヨウ素の除去方法。
  4. 液中及び/又は固形物中の放射性ヨウ素を固定化する機能を有する親水性樹脂であって、少なくとも1個の第3級アミノ基を有するポリオール又は少なくとも1個の第3級アミノ基を有するポリアミンと、少なくとも1個の活性水素含有基とポリシロキサンセグメントとを同一分子内に有する化合物とを反応させて得られた、親水性セグメントと、分子鎖中に第3級アミノ基とポリシロキサンセグメントとを有してなる、水及び温水に不溶解性の樹脂であることを特徴とする放射性ヨウ素除去用の親水性樹脂。
  5. 液中及び/又は固形物中の放射性ヨウ素を固定化する機能を有する親水性樹脂であって、有機ポリイソシアネートと、親水性成分である高分子量の親水性ポリオール及び/又はポリアミンと、少なくとも1個の活性水素含有基と少なくとも1個の第3級アミノ基とを同一分子内に有する化合物と、少なくとも1個の活性水素含有基とポリシロキサンセグメントとを同一分子内に有する化合物とを反応させて得られた、親水性ポリウレタン樹脂、親水性ポリウレア樹脂及び親水性ポリウレタン−ポリウレア樹脂からなる群から選ばれるいずれかであることを特徴とする放射性ヨウ素除去用の親水性樹脂。
  6. 前記親水性樹脂の親水性セグメントが、ポリエチレンオキサイドセグメントである請求項4又は5に記載の放射性ヨウ素除去用の親水性樹脂。
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