JP2013181770A - 磁気センサの信号検出回路 - Google Patents

磁気センサの信号検出回路 Download PDF

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Abstract

【課題】少ない磁気抵抗素子を用いて磁場の大きさに応じた信号を検出する磁気センサの信号検出回路を提供すること。
【解決手段】特定方向の磁場を感知する感磁素子の第1の磁気抵抗素子201と、感磁方向の外部磁場に対して不感となる手段を用いて磁場を感知しない参照素子の第2の磁気抵抗素子202と、この第2の磁気抵抗素子202と、第1の電位を基準にした参照電圧とで参照電流を形成する参照電流生成回路220と、参照電流の複製電流を形成する複製電流生成回路230とを備え、第1及び第2の磁気抵抗素子一方の端子のそれぞれに第1の電位241が与えられ、複製電流251を第1の磁気抵抗素子201に流し、出力信号を取り出す手段を用いて、第1の磁気抵抗素子201の磁気抵抗変化率を取り出す。
【選択図】図4

Description

本発明は、磁気センサの信号検出回路に関し、より詳細には、少ない磁気抵抗素子を用いて磁場の大きさに応じた信号を検出する磁気センサの信号検出回路に関する。
一般に、磁気抵抗素子は、ある特定方向の磁場に対して反応する素子であって、特定方向から入力する磁場の大きさによってその抵抗値が変化する。磁気抵抗素子の抵抗RMRは、一般に、以下のような式(1)で表される。
MR=R+ΔR=R(1+(ΔR/R)) ・・・(1)
は磁場に依らない抵抗値、ΔRは磁場の大きさに応じて変化する抵抗値、ΔRは磁場の大きさに応じて変化する抵抗値、ΔR/Rは磁場の大きさに応じて変化する磁気抵抗変化率である。
磁気抵抗素子としては、半導体磁気抵抗素子(SMR素子),異方性磁気抵抗素子(AMR素子),巨大磁気抵抗素子(GMR素子),トンネル磁気抵抗素子(TMR素子)などがある。これらの磁気抵抗素子は、ホール素子に比べると、〜1000倍ほど感度が高い。これらの磁気抵抗素子の内、AMR素子とGMR素子は、基板上に平面状に形成され、平面に対して水平で、特定方向の磁場に感知する磁気抵抗素子である。
磁場に応じた信号を検出する場合において、上述した式(1)の磁場に依らない抵抗値Rは不必要であって、磁場の大きさに応じて変化する抵抗値ΔR、あるいは、磁気抵抗変化率ΔR/Rを取り出すことが重要である。
磁気抵抗素子を用いて、上述の磁気抵抗変化率ΔR/Rを取り出す方法として、最も利用される磁気抵抗素子の構成は、例えば、特許文献1に記載されており、この例の場合は、4つのGMR素子を組み合せたホイーストン・ブリッジを構成した磁気センサである。
図1は、特許文献1に示された磁気センサの回路構成図である。この磁気センサ100は、隣接せず対向する1対のGMR素子106,108は、2枚のNiFeからなる磁気収束板110,110の空隙に設けられ、空隙には、磁気収束板110,110で増幅された紙面横方向からの外部磁場がGMR素子106,108に入力されるため、外部磁場に応答する感磁素子となっている。もう1対のGMR素子102,104は、2枚のそれぞれの磁気収束板110,110の下に配置され、紙面横方向からの外部磁場は磁気収束板110,110に収束され、GMR素子102,104のそれぞれの位置での横方向の磁場がほとんどないため、外部磁場に影響されない参照素子となっている。
図2は、磁気センサのホイーストン・ブリッジを構成した回路構成図で、このホイーストン・ブリッジを構成する磁気センサの感磁素子であるGMR素子106,108の抵抗をR1,R3とし、参照素子であるGMR素子102,104の抵抗をR2,R4とし、ホイーストン・ブリッジの1対の対向する端子に電圧VREFを与えると、
R1=R3=R(1+(ΔR/R))、R2=R4=Rとして、もう1対の対向する端子間の出力電圧VOUTは、以下の式(2)とおりとなる。
Figure 2013181770
上記式(2)から、2>>ΔR/Rであれば、近似解として、出力電圧はVREF/2・ΔR/Rとなり、磁場の大きさに応じて変化する磁気抵抗変化率ΔR/Rに比例した出力を取り出すことができる。
なお、ホイーストン・ブリッジを構成する磁気センサについては、例えば、特許文献2に記載されている。この特許文献2に記載のものは、4つのGMR素子でホイーストン・ブリッジにして組んだ磁気センサであり、これらの内、1対のGMR素子は、外部磁場に応答する1対の感磁素子として、もう1対のGMR素子は、感磁素子から距離をとって、外部磁場に影響されない参照素子を構成している。
米国特許第7,639,005号明細書 特開2000−174358号公報
しかしながら、一般には、上述した式(2)の分母に含まれるΔR/Rは、無視することができない。したがって、出力電圧の線形性が悪くなり、磁気センサとしての精度を損なう問題がある。
また、センサの構成から明らかなように、ある特定の一方向の磁場を検出するには、磁気抵抗素子を4つ使うため、センサチップのサイズが大きくなり、高コストになる問題がある。さらには、例えば、電子コンパスのように互いに直交する3方向の磁場を検出するような用途においては、磁気抵抗素子を12個用いなければならず、センサチップの小型化が困難なうえに、さらなる高コストは必然であり、大きな問題である。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、少ない磁気抵抗素子を用いて磁場の大きさに応じた信号を検出する磁気センサの信号検出回路を提供することにある。
本発明は、このような目的を達成するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、特定方向の磁場を感知する感磁素子の第1の磁気抵抗素子と、感磁方向の外部磁場に対して不感となる手段を用いて磁場に感知しない参照素子の第2の磁気抵抗素子と、前記第2の磁気抵抗素子と第1の電位を基準にした参照電圧とで、前記第2の磁気抵抗素子の抵抗を通る参照電流を形成する参照電流生成回路と、前記参照電流の複製電流を形成する複製電流生成回路とを備え、前記第1の磁気抵抗素子の一方の端子と、前記第2の磁気抵抗素子の一方の端子とのそれぞれに前記第1の電位を与え、前記複製電流を前記第1の磁気抵抗素子に流し、出力信号を取り出す手段を用いて前記第1の磁気抵抗素子の磁気抵抗変化率を取り出すことを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記出力信号を取り出す手段は、前記第1の電位を基準にした前記第1の磁気抵抗素子の他方の端子に生じる電圧と、前記第1の電位を基準にした前記第2の磁気抵抗素子の他方の端子に生じる電圧との差分を取り出すことを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記出力信号を取り出す手段は、前記第1の電位を基準にした前記第1の磁気抵抗素子の他方の端子に生じる電圧を取り出すことを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1,2又は3に記載の発明において、前記第1及び前記第2の磁気抵抗素子は、同一基板上に形成され、平面に対して水平で、かつ前記特定方向の磁場を感知する磁気抵抗素子であることを特徴とする。
また、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、前記第1及び前記第2の磁気抵抗素子は、同一基板上に平面状に形成されることを特徴とする。
また、請求項6に記載の発明は、請求項4又は5に記載の発明において、前記感磁方向の外部磁場に対して不感となる手段は、磁気収束板を前記第2の磁気抵抗素子を覆うように平面状にして前記第2の磁気抵抗素子に近接して配置することを特徴とする。
また、請求項7に記載の発明は、請求項4又は5に記載の発明において、前記感磁方向の外部磁場に対して不感となる手段は、前記第2の磁気抵抗素子の感磁方向に磁石を前記第2の磁気抵抗素子に近接して配置することを特徴とする。
また、請求項8に記載の発明は、請求項1乃至7のいずれかに記載の発明において、前記参照電流生成回路は、反転入力端子と非反転入力端子と出力端子を有する演算増幅器と、該演算増幅器と接続されたMOSトランジスタと、該MOSトランジスタに接続された前記第2の磁気抵抗素子とで構成され、前記参照電圧が、前記演算増幅器の非反転入力端子に入力され、前記演算増幅器の出力端子が、前記MOSトランジスタのゲートに接続され、前記演算増幅器の反転入力端子が、前記MOSトランジスタのソースと、前記第2の磁気抵抗素子の他方の端子との間に接続され、前記MOSトランジスタのドレインから前記参照電流が出力されることを特徴とする。
また、請求項9に記載の発明は、請求項1乃至8のいずれかに記載の発明において、前記複製電流生成回路は、第1のMOSトランジスタと、該第1のMOSトランジスタと接続された第2のMOSトランジスタとで構成され、前記参照電流生成回路の前記参照電流を出力する出力端子が、前記第1のMOSトランジスタのゲートと、前記第2のMOSトランジスタのドレインとゲートとに接続され、前記第1のMOSトランジスタのソースと、前記第2のMOSトランジスタのソースとが結合して第2の電位が与えられ、前記第1のMOSトランジスタのドレインから前記複製電流が出力されることを特徴とする。
また、請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の発明において、前記複製電流生成回路は、さらに第3のMOSトランジスタが設けられ、前記第3のMOSトランジスタのソースが、前記第1のMOSトランジスタのドレインに接続され、前記第2の電位を基準にしたバイアス電圧が、前記第3のMOSトランジスタのゲートに与えられ、前記第3のMOSトランジスタのドレインから前記複製電流が出力されることを特徴とする。
また、請求項11に記載の発明は、請求項1乃至10のいずれかに記載の発明において、前記第1及び前記第2の磁気抵抗素子は、異方性磁気抵抗素子と巨大磁気抵抗素子のいずれかであることを特徴とする。
本発明によれば、1方向の磁場を検出するのに、磁気抵抗素子を2つ用いるだけなので、低コストなうえに、小型の磁気センサの信号検出回路をつくることができる。
また、磁気抵抗素子を2つ用いるだけで、磁気抵抗変化率ΔR/Rに比例した出力が取り出せるので、出力の線形性が向上し、また、第1の磁気抵抗素子の抵抗にみられる不要な係数が排除でき、さらには、出力にみられる温度特性が第1の磁気抵抗素子の磁気抵抗変化率ΔR/Rの温度特性だけとなるので、温度補正に対する設計がしやすく、高精度の磁気センサの信号処理回路をつくることができる。
特許文献1に示された磁気センサの回路構成図である。 磁気センサのホイーストン・ブリッジを構成した回路構成図である。 磁気センサにおける磁気抵抗素子の感磁素子と参照素子を示した図である。 本発明に係る磁気センサの信号検出回路の実施例1を説明するための回路構成図である。 図4における参照電圧VREFのつくり方の一例を示した回路図である。 本発明に係る磁気センサの信号検出回路の実施例2を説明するための回路構成図である。 基板上に形成した磁気抵抗素子の感磁素子と参照素子をy方向からみた図である。 基板上に形成した磁気抵抗素子の感磁素子と参照素子をy方向からみた別の例の図である。 スピンバルブのGMR素子の磁気抵抗変化率と磁場の関係の一例を示した図である。
以下、図面を参照して本発明の実施例について説明する。
まず、本発明に係る磁気センサの信号検出回路について説明する前に、磁気抵抗素子の感磁素子と参照素子との関係について説明する。
図3は、磁気センサにおける磁気抵抗素子の感磁素子と参照素子を示した図である。第1の磁気抵抗素子201と第2の磁気抵抗素子202とが並んで配置されている。第1の磁気抵抗素子201と第2の磁気抵抗素子202とは、お互いに磁気特性が揃っており、例えば、ともにz方向の磁場を検出することができるとする。ここで、磁気特性の揃った磁気抵抗素子とは、2つの磁気抵抗素子201,202の抵抗やその温度特性が揃ったものである。第2の磁気抵抗素子202がz方向の外部磁場に対して不感となる手段として、例えば、第2の磁気抵抗素子202を筒状の磁気収束板203の中に収納する。こうすることで、第2の磁気抵抗素子202は、z方向からの外部磁場を遮って、外部磁場に影響されない参照素子となる。一方、第1の磁気抵抗素子201は、外部磁場に応答する感磁素子となっている。
図4は、本発明に係る磁気センサの信号検出回路の実施例1を説明するための回路構成図で、図中符号220は参照電流生成回路、221は演算増幅器、222はMOSトランジスタ、230は複製電流生成回路、231は第1のMOSトランジスタ、232は第2のMOSトランジスタ、241は第1の電位、242は第2の電位、251は複製電流、252は参照電流を示している。
本発明に係る磁気センサの信号検出回路は、特定方向の磁場を感知する感磁素子の第1の磁気抵抗素子201と、感磁方向の外部磁場に対して不感となる手段を用いて磁場を感知しない参照素子の第2の磁気抵抗素子202と、第2の磁気抵抗素子202と、第1の電位241を基準にした参照電圧VREFとで参照電流252を形成する参照電流生成回路220と、参照電流252の複製電流251を形成する複製電流生成回路230とを備えている。
また、第1の磁気抵抗素子201の一方の端子と、第2の磁気抵抗素子202の一方の端子とのそれぞれに第1の電位241を与え、複製電流251を第1の磁気抵抗素子201に流し、出力信号を取り出す手段を用いて、第1の磁気抵抗素子201の磁気抵抗変化率を取り出すように構成されている。
また、出力信号を取り出す手段は、第1の電位241を基準にした第1の磁気抵抗素子201の他方の端子に生じる電圧と、第1の電位241を基準にした第2の磁気抵抗素子202の他方の端子に生じる電圧との差分を取り出すように構成されている。また、出力信号を取り出す手段は、第1の電位241を基準にした第1の磁気抵抗素子201の他方の端子に生じる電圧を取り出すように構成されている。
つまり、本発明の磁気抵抗素子の信号検出回路は、z方向の磁場を感知する第1の磁気抵抗素子201と、筒状の磁気収束板203とを用いて、磁場を感知しない第2の磁気抵抗素子202とからなる参照電流生成回路220と、複製電流生成回路230とで構成されている。
第1の磁気抵抗素子201の抵抗R1は、z方向の外部磁場に応答するので、その磁場の大きさに応じて変化する磁気抵抗変化率をΔR/Rとすると、
R1=R(1+(ΔR/R)) ・・・(3)
で表わせる。
一方、第2の磁気抵抗素子202の抵抗R2は、いずれの方向の磁場に感知しないので、
R2=R ・・・(4)
で表わせる。
第1の磁気抵抗素子201の一方の端子と第2の磁気抵抗素子202の一方の端子とはそれぞれに、第1の電位241が与えられる。第1の電位241は、電源装置のグランド電位であってもよいし、電源電位であってもよい。
参照電流生成回路220は、反転入力端子(−)と非反転入力端子(+)と出力端子とを有する演算器221と、MOSトランジスタ222と、第2の磁気抵抗素子202とで構成されている。第1の電位241を基準にした参照電圧VREFが、演算増幅器221の非反転入力端子(+)に入力される。演算増幅器221の出力端子は、MOSトランジスタ222のゲートGに接続され、演算増幅器221の反転入力端子(−)は、MOSトランジスタ222のソースSと第2の磁気抵抗素子202の他方の端子との間に接続される。このとき、第1の電位241を基準にした第2の磁気抵抗素子202の他方の端子の電圧V2は、演算増幅器221の負帰還により、VREFが生じる。
V2=VREF ・・・(5)
上記式(5)と第2の磁気抵抗素子202の抵抗Rより、第2の磁気抵抗素子202には、VREF/Rの電流が流れる。この電流が、参照電流252となり、MOSトランジスタ222のドレインDから出力される。図示では、第1の電位241が、電源装置のグランド電位で、MOSトランジスタ222が、nMOSトランジスタであるが、第1の電位241が、電源装置の電源電位の場合は、MOSトランジスタ222は、pMOSトランジスタとなる。
複製電流生成回路230は、第1のMOSトランジスタ231と第2のMOSトランジスタ232とで構成されている。参照電流生成回路220の参照電流252を出力する出力端子が、第1のMOSトランジスタ231のゲートGと第2のMOSトランジスタ232のゲートGとドレインDとに接続されている。第1のMOSトランジスタ231のソースSと第2のMOSトランジスタ232のソースSとはそれぞれに、第2の電位242が与えられる。第2の電位242は、電源装置の電源電位であってもよいし、グランド電位であってもよい。この構成は、いわゆる、カレントミラー回路であり、第2のトランジスタ232に流れる電流が、第1のトランジスタ231に流れる電流に複製される。第2のトランジスタ232に流れる電流は、参照電流生成回路220の出力の参照電流252であるので、第1のトランジスタ231には、VREF/Rの電流が流れる。この電流が、複製電流251となり、第1のトランジスタ231のドレインDから出力される。図示では、第2の電位242が、電源装置の電源電位で、MOSトランジスタ231,232が、pMOSトランジスタであるが、第2の電位242が、電源装置のグランド電位の場合は、MOSトランジスタ231,232は、nMOSトランジスタとなる。
複製電流生成回路230の出力の複製電流251は、第1の磁気抵抗素子201に流れる。このとき、第1の電位241を基準にした第1の磁気抵抗素子201の他方の端子の電圧V1は、以下の式(6)ように得られる。
Figure 2013181770
したがって、上述した式(5)と上記式(6)より、第1の電位241を基準にした第1の磁気抵抗素子201の他方の端子に生じる電圧V1と、第2の磁気抵抗素子202の他方の端子に生じる電圧V2とを比較すると、出力電圧VOUTは、
OUT=V1−V2=VREF・ΔR/R・・・(7)
が得られる。
図5は、図4における参照電圧VREFのつくり方の一例を示した回路図である。第1の電位241と第2の電位242との間に2つの抵抗301,302があり、抵抗301の一方の端子が第1の電位241に接続され、抵抗302の一方の端子が第2の電位242に接続されている。抵抗301の他方の端子と抵抗302の他方の端子とが接続され、第1の電位241を基準にした抵抗301の他方の端子に生じる電圧が参照電圧VREFである。第1の電位241を基準にした第2の電位の電圧VDDとし、抵抗301の抵抗をR11とし、抵抗302の抵抗をR22とすると、参照電圧VREFは、
REF=VDD・R11/(R11+R22) ・・・(8)
が得られる。上記式(8)から、電圧VDDが、外部電源から供給され、温度に依らなければ、温度に依らない任意の参照電圧VREFをつくることができる。また、電圧VDDはバンドギャップリファレンスの温度に不感の電圧を用いて、同様に、温度に依らない任意の参照電圧VREFをつくることができる。
上述した式(7)をみて分かるように、z方向の磁場の大きさに応じて変化する磁気抵抗変化率ΔR/Rに比例した出力が取り出せるので、従来技術に比べて、出力の線形性が向上する。また、参照電流252の分母Rを含むことから、上述した式(3)の第1の磁気抵抗素子201の抵抗R1にみられる不要な係数Rが排除できる。さらに、上述の温度に依らない参照電圧VREFをつくることができるので、出力にみられる温度特性は、回路を含まず、第1の磁気抵抗素子201の磁気抵抗変化率ΔR/Rの温度特性だけとなるので、温度補正に対する設計がしやすく、高精度の磁気センサの信号検出回路をつくることができる。
また、磁気抵抗素子は2つ用いるだけなので、低コストなうえに、小型の磁気センサの信号検出回路をつくることができる。これは、例えば、電子コンパスのように互いに直交する3方向の磁場を検出するような用途においては、磁気抵抗素子は6個で十分であり、センサ小型化のインパクトが大きく、コストも大幅に抑えることができる。
さらに、ここで挙げた参照電流生成回路220と複製電流生成回路230は、最もシンプルな回路であり、小型の磁気センサの信号検出回路をつくることができる。
出力信号を取り出す手段として、上述した式(6)のように、第1の電位241を基準にした第1の磁気抵抗素子201の他方の端子に生じる電圧V1のみを取り出してもよい。出力には、磁気抵抗変化率ΔR/Rに比例する項の他に、定数項のVREFが含まれるが、この定数項はこれより後段の回路で容易に差し引くことができる。この場合においても、z方向の磁場の大きさに応じて変化する磁気抵抗変化率ΔR/Rに比例した出力が取り出せるので、従来技術に比べて、出力の線形性が向上し、高精度の磁気センサの信号検出回路をつくることができる。
本実施例1によれば、1方向の磁場を検出するのに、磁気抵抗素子を2つ用いるだけなので、低コストなうえに、小型の磁気センサの信号検出回路をつくることができる。
また、磁気抵抗素子を2つ用いるだけで、磁気抵抗変化率ΔR/Rに比例した出力が取り出せるので、出力の線形性が向上し、また、第1の磁気抵抗素子の抵抗にみられる不要な係数が排除でき、さらには、出力にみられる温度特性が第1の磁気抵抗素子の磁気抵抗変化率ΔR/Rの温度特性だけとなるので、温度補正に対する設計がしやすく、高精度の磁気センサの信号処理回路をつくることができる。
また、第2の磁気抵抗素子に参照電圧を与えて、分母に第2の磁気抵抗素子の抵抗を含む参照電流をつくることのできる最もシンプルな参照電流生成回路であり、小型の磁気センサの信号検出回路をつくることができる。また、MOSトランジスタ2つだけで参照電流の複製電流をつくることのできる最もシンプルな複製電流生成回路であり、小型の磁気センサの信号検出回路をつくることができる。
図6は、本発明に係る磁気センサの信号検出回路の実施例2を説明するための回路構成図で、図中符号233は第3のMOSトランジスタを示している。なお、図4と同じ機能を有する構成要素には同一の符号を付してある。
本実施例2は、図4に示した複製電流生成回路230内に第3のMOSトランジスタ233をさらに設けたものである。第3のMOSトランジスタ233のソースSが、第1のMOSトランジスタ231のドレインDに接続されている。第2の電位242を基準にしたバイアス電圧VBAISが、第3のMOSトランジスタ233のゲートGに与えられて、第3のMOSトランジスタ233のドレインDから複製電流が出力される。図示では、第2の電位242が、電源装置の電源電位で、MOSトランジスタ231,232,233が、pMOSトランジスタであるが、第2の電位242が、電源装置のグランド電位の場合は、MOSトランジスタ231,232,233は、nMOSトランジスタとなる。第3のMOSトランジスタ233は、カスコード接続となり、参照電流252と複製電流251のミスマッチが小さくなり、より高精度の磁気センサの信号検出回路をつくることができる。
つまり、本実施例2においては、第3のMOSトランジスタがカスコード接続となり、参照電流と複製電流のミスマッチが小さくなり、より高精度の磁気センサの信号検出回路をつくることができる。
ここまでに述べたMOSトランジスタ222、231、232、233は、全て、或いは、一部をバイポーラトランジスタに置き換えても、同様な効果が得られるので、MOSトランジスタに限定されることなく、バイポーラトランジスタであっても良い。
図7は、基板上に形成した磁気抵抗素子の感磁素子と参照素子をy方向からみた図である。第1の磁気抵抗素子201と第2の磁気抵抗素子202とが同一基板205の上に平面状に形成される。平面に対して水平で、特定な方向を、ここで、例えば、x方向とすると、第1の磁気抵抗素子201と第2の磁気抵抗素子202とはお互いに磁気特性が揃っており、ともにx方向の磁場を検出することができるとする。ここで、磁気特性の揃った磁気抵抗素子とは、例えば、GMR素子の場合、2つの磁気抵抗素子201,202が基板上に同時に形成され、ピンド層のピンの向きが同じで、抵抗やその温度特性が揃ったものである。第2の磁気抵抗素子202がx方向の外部磁場に対して不感となる手段として、第2の磁気抵抗素子202は、平面状で、第2の磁気抵抗素子202に近接して配置した磁気収束板203に覆われている。
こうすることで、x方向からの外部磁場は、磁気収束板203に収束され、第2の磁気抵抗素子202の位置でのx方向の磁場がほとんどないため、第2の磁気抵抗素子202は、外部磁場に影響されない参照素子となる。一方、第1の磁気抵抗素子201は、外部磁場に応答する感磁素子となっている。
このように、同一基板上に、2つの磁気抵抗素子と磁気収束板を平面的に形成することができるので、磁気抵抗素子にかかる応力が変動して磁気特性が変動しても、2つが揃って変動するため、検出誤差が小さくなり、高精度で、なおかつ、さらに小型の磁気センサの信号検出回路をつくることができる。第1の磁気抵抗素子201と第2の磁気抵抗素子202にかかる応力を略同一にするためにも、第1の磁気抵抗素子201と第2の磁気抵抗素子202との距離は5.0mm以下とすることが好ましく、より好ましくは3.0mm以下、特に好ましくは1.0mm以下である。
図8は、基板上に形成した磁気抵抗素子の感磁素子と参照素子をy方向からみた別の例の図である。第1の磁気抵抗素子201と第2の磁気抵抗素子202とが同一基板205の上に平面状に形成される。平面に対して水平で、特定な方向を、ここで、例えば、x方向とすると、第1の磁気抵抗素子201と第2の磁気抵抗素子202とはお互いに磁気特性が揃っており、ともにx方向の磁場を検出することができるとする。ここで、磁気特性の揃った磁気抵抗素子とは、例えば、GMR素子の場合、2つの磁気抵抗素子201,202が基板上に同時に形成され、ピンド層のピンの向きが同じで、抵抗やその温度特性が揃ったものである。第2の磁気抵抗素子202がx方向の外部磁場に対して不感となる手段として、第2の磁気抵抗素子202は、平面状で、第2の磁気抵抗素子202に近接して配置した2枚の強磁性体による磁石206に挟まれている。
図9は、スピンバルブのGMR素子の磁気抵抗変化率と磁場の関係の一例を示した図である。この場合、±400Oeの範囲内では、磁気抵抗変化率は磁場に応じて磁気抵抗変化率が変化しているが、それ以外の範囲では、磁気抵抗変化率は磁場に影響されずほぼ一定となっている。
図8に戻って、例えば、磁石206で400Oeより大きい磁場を第2の磁気抵抗素子202に与えておけば、外部磁場が入力しても第2の磁気抵抗素子202の磁気抵抗変化率は変化しにくいため、第2の磁気抵抗素子202は、外部磁場に影響されない参照素子となる。一方、第1の磁気抵抗素子201は、外部磁場に応答する感磁素子となっている。このように、同一基板上に、2つの磁気抵抗素子と磁石を平面的に形成することができるので、磁気抵抗素子にかかる応力が変動して磁気特性が変動しても、2つが揃って変動するため、検出誤差が小さくなり、高精度で、なおかつ、さらに小型の磁気センサの信号検出回路をつくることができる。
また、基板上に平面状に形成され、平面に対して水平で、特定方向の磁場に感知する磁気抵抗素子は、異方性磁気抵抗素子と巨大磁気抵抗素子とであり、いずれの磁気抵抗素子とも、ホール素子に比べると高感度であるため、高精度の磁気センサの信号検出回路をつくることができる。
本発明は、磁気スイッチ,磁気ヘッド,電流センサなどの多くの磁気センサ用途に利用可能であり、特に、回転角センサや電子コンパスなどのように直交する2方向、或いは、3方向の磁場を検出する用途、または、磁気センサをアレー状に多数配置する用途においては、磁気抵抗素子による小型で高精度の磁気センサの信号検出回路を提供するものであり、大いに利用できる。
100 磁気センサ
102,104,106,108 GMR素子
110 磁気収束板
201 第1の磁気抵抗素子
202 第2の磁気抵抗素子
203 磁気収束板
205 基板
206 磁石
220 参照電流生成回路
221 演算増幅器
222 MOSトランジスタ
230 複製電流生成回路
231 第1のMOSトランジスタ
232 第2のMOSトランジスタ
233 第3のMOSトランジスタ
241 第1の電位
242 第2の電位
251 複製電流
252 参照電流
301,302 抵抗

Claims (11)

  1. 特定方向の磁場を感知する感磁素子の第1の磁気抵抗素子と、
    感磁方向の外部磁場に対して不感となる手段を用いて磁場に感知しない参照素子の第2の磁気抵抗素子と、
    前記第2の磁気抵抗素子と第1の電位を基準にした参照電圧とで、前記第2の磁気抵抗素子の抵抗を通る参照電流を形成する参照電流生成回路と、
    前記参照電流の複製電流を形成する複製電流生成回路とを備え、
    前記第1の磁気抵抗素子の一方の端子と、前記第2の磁気抵抗素子の一方の端子とのそれぞれに前記第1の電位を与え、前記複製電流を前記第1の磁気抵抗素子に流し、出力信号を取り出す手段を用いて前記第1の磁気抵抗素子の磁気抵抗変化率を取り出すことを特徴とする磁気センサの信号検出回路。
  2. 前記出力信号を取り出す手段は、前記第1の電位を基準にした前記第1の磁気抵抗素子の他方の端子に生じる電圧と、前記第1の電位を基準にした前記第2の磁気抵抗素子の他方の端子に生じる電圧との差分を取り出すことを特徴とする請求項1に記載の磁気センサの信号検出回路。
  3. 前記出力信号を取り出す手段は、前記第1の電位を基準にした前記第1の磁気抵抗素子の他方の端子に生じる電圧を取り出すことを特徴とする請求項1に記載の磁気センサの信号検出回路。
  4. 前記第1及び前記第2の磁気抵抗素子は、同一基板上に形成され、平面に対して水平で、かつ前記特定方向の磁場を感知する磁気抵抗素子であることを特徴とする請求項1,2又は3に記載の磁気センサの信号処理回路。
  5. 前記第1及び前記第2の磁気抵抗素子は、同一基板上に平面状に形成されることを特徴とする請求項4に記載の磁気センサの信号処理回路。
  6. 前記感磁方向の外部磁場に対して不感となる手段は、磁気収束板を前記第2の磁気抵抗素子を覆うように前記第2の磁気抵抗素子に近接して配置することを特徴とする請求項4又は5に記載の磁気センサの信号検出回路。
  7. 前記感磁方向の外部磁場に対して不感となる手段は、前記第2の磁気抵抗素子の感磁方向に磁石を前記第2の磁気抵抗素子に近接して配置することを特徴とする請求項4又は5に記載に記載の磁気センサの信号検出回路。
  8. 前記参照電流生成回路は、反転入力端子と非反転入力端子と出力端子を有する演算増幅器と、該演算増幅器と接続されたMOSトランジスタと、該MOSトランジスタに接続された前記第2の磁気抵抗素子とで構成され、
    前記参照電圧が、前記演算増幅器の非反転入力端子に入力され、
    前記演算増幅器の出力端子が、前記MOSトランジスタのゲートに接続され、
    前記演算増幅器の反転入力端子が、前記MOSトランジスタのソースと、前記第2の磁気抵抗素子の他方の端子との間に接続され、
    前記MOSトランジスタのドレインから前記参照電流が出力されることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の磁気センサの信号検出回路。
  9. 前記複製電流生成回路は、第1のMOSトランジスタと、該第1のMOSトランジスタと接続された第2のMOSトランジスタとで構成され、
    前記参照電流生成回路の前記参照電流を出力する出力端子が、前記第1のMOSトランジスタのゲートと、前記第2のMOSトランジスタのドレインとゲートとに接続され、
    前記第1のMOSトランジスタのソースと、前記第2のMOSトランジスタのソースとがそれぞれに第2の電位が与えられ、
    前記第1のMOSトランジスタのドレインから前記複製電流が出力されることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の磁気センサの信号検出回路。
  10. 前記複製電流生成回路は、さらに第3のMOSトランジスタが設けられ、
    前記第3のMOSトランジスタのソースが、前記第1のMOSトランジスタのドレインに接続され、
    前記第2の電位を基準にしたバイアス電圧が、前記第3のMOSトランジスタのゲートに与えられ、
    前記第3のMOSトランジスタのドレインから前記複製電流が出力されることを特徴とする請求項9に記載の磁気センサの信号検出回路。
  11. 前記第1及び前記第2の磁気抵抗素子は、異方性磁気抵抗素子と巨大磁気抵抗素子のいずれかであることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の磁気センサの信号検出回路。
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