JP2013181754A - トロリ線照明反射光分布マップ作成方法及びその方法によるトロリ線摩耗測定装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】照明されたトロリ線3を走査線が横切るように車両4上に設置されたラインセンサ1と、ラインセンサ1で取得された走査線の輝度信号を時系列的に並べてなるラインセンサ画像を作成するラインセンサ画像作成部と、ラインセンサ画像作成部で形成されたラインセンサ画像を画像処理してトロリ線3の摩耗幅を求めるトロリ線摩耗部幅計算部とを備えるトロリ線摩耗測定装置において、トロリ線3の摩耗幅内における画素濃淡値を求め、トロリ線3の変動範囲マップの各画素上に画素濃淡値を濃淡としてグラデーションプロットしてなる濃淡値マップを作成する濃淡値マップ作成部とを有する。
【選択図】図1
Description
トロリ線の摩耗を測定する方法のひとつとして、保守用車などで走行しながらトロリ線摩耗部の幅を計算して摩耗幅からトロリ線の厚みを換算する方法がある。
しかしながら、取得された画像では各画素[pix]においての濃淡値で照明の反射光の明暗が表現されるが、実際の座標[mm]における照明の反射光の強さは枕木方向だけでなく奥行き方向にも依存するため、使用者の経験から照明の調整の適正さを判断するしかないといった問題があった。
濃淡値に加え、分散や標準偏差等の統計的指標を用いれば、ばらつきやこれらのデータの信頼性についてもマップで表示することができる。
本発明は、画像処理によって求められたトロリ線摺動面情報を集計することによってトロリ線摺動面からの反射光が正しく返ってきているか、言い換えると、正しく照明が設置されているかを簡便に判断することを目的とする。
その構成は、例えば、図1に示すように画像の入力手段としてラインセンサ1を用い、照明には通常の白色の照明器具2を利用する。
検査車両4の車内には、計測用コンピュータ5、記録装置6が搭載され、ラインセンサ1により取得された画像は計測用コンピュータ5により画像処理され、記録装置6に記録される。
ラインセンサ画像は、図2に示すように、昼間にトロリ線の撮像を行うと背景に空Aが写ってしまう。また、通常、トロリ線側面3b,3cは錆、ススなどから黒く撮像される。そこで、トロリ線摩耗部3aは強力な照明をあてることにより側面に比べ白く撮像される。但し、照明器具2の向き、強さにより、トロリ線摩耗部3aにおいても多少の濃淡を生じてしまう。
しかし、このままだとどの白い部分がトロリ線摩耗部であるかの判断ができない。
そこで、以降に述べる昼間光計測処理、即ち、空Aの領域を白から黒へ反転処理する。
これにより、図4に示すように、空Aの領域が白から黒に反転されトロリ線摩耗部3aのみが白の領域として抽出される。
ラインセンサ画像から二値化処理により二値化ラインセンサ画像を構成した場合、そのままではトロリ線摩耗部3aの傷や背景部分の状態により細かな点々状のノイズや既存構造物が含まれる場合がある。
そこで二値化処理の膨張、収縮処理を行いこれらのノイズを除去する。
ノイズ、既存構造物を除去した二値化ラインセンサ画像上において白で表されているトロリ線摩耗部3aの両側のエッジを検出する。
これらのエッジ点は、あるラインについて左から探索した場合、背景の黒から摩耗部分の白へ変化する点が摩耗部分左側のエッジ点として、また摩耗部分の白から背景の黒へ変化する点を摩耗部分右側のエッジ点として検出することができる。
この処理を画像の上から下へライン毎に行うことで、図5に示すように、1枚の二値化ラインセンサ画像に関するトロリ線摩耗部3aのエッジ3d,3eを検出する。
二値化ラインセンサ画像から検出したトロリ線摩耗部3aの両側のエッジデータを用いて、ラインセンサの一つの走査ライン上にある両側のエッジ3d,3eの間距離をトロリ線摩耗部分の画像上の幅として計算する。
この時のラインセンサからトロリ線までの高さ、レンズ焦点距離、センサ幅、センサ画素数から1画素[pix]に対する実寸法[mm]の度合いである画像分解能[mm/pix]を計算し、トロリ線摩耗部分の画像上の幅と画像分解能の乗算を行うことでトロリ線摩耗部分の幅を計算する。
また、トロリ線の偏位は「画像処理によるトロリ線の摩耗および偏位測定装置(特開2010−127746)」(特許文献3)等から求めるものとする。即ち、トロリ線摩耗部分の両側のエッジの位置からトロリ線の重心位置を求め、トロリ線の重心位置からトロリ線の実際の偏位量を検出する方法である。
こうして求めたエッジデータ、即ち、トロリ線摩耗部幅、トロリ線高さ、トロリ線偏位と計算に用いたラインセンサ画像や対応するライン番号を指し示すデータ等を記録しておく。
「(1.3)トロリ線摩耗部のエッジ検出」より求められたエッジデータのエッジ間はトロリ線摩耗部であるため、画像上の画素であるエッジデータ[pix]とトロリ線摩耗幅[mm]及びそれに付随するトロリ線偏位[mm]、トロリ線高さ[mm]が対応付けられる。
本発明の効果として、画像上の濃淡値からの経験者の推測からでしか判断できなかった照明の反射光の適正さを、濃淡値MAPとして一目でわかりやすく表示することにより誰にでも照明の適正さを判断することが可能となり、適正な照明の調整を行うことができる。
「(1.5)トロリ線摩耗部の集計と反射光分布MAPの作成」において、濃淡値MAPの実際の座標位置に画像上のエッジデータ間の画素の濃淡値を濃淡としてグラデーションプロットする際、その座標に複数の濃淡値が存在する場合は、その濃淡値の全データに対する平均値を濃淡としてグラデーションプロットした濃淡値MAPを作成することに加え、その濃淡値の分散や標準偏差等の統計的指標を計算し、その統計的指標を濃淡としてグラデーションプロットした統計的指標MAP(以下、ばらつき・信頼性MAPという)を作成するのである。
尚、本発明としては、「(1.5)トロリ線摩耗部の集計と反射光分布MAPの作成」、「(1.6)分散(標準偏差)を計算する方法」を行うことができれば、画像処理によりトロリ線の摩耗部の幅を求めることは必ずしも必要ではない。
2値化ラインセンサ画像は、メモリ90を経てパラメータと共に空領域除去処理部30へ送られる。
空Aの部分は、トロリ線の太さ以上であるから、昼間光計測処理により、黒領域に反転される。従って、トロリ線摩耗部3aのみが白領域として抽出される。
昼間光計測処理された2値化ラインセンサ画像は、メモリ90を経てノイズ除去処理部40へ送られる。
ノイズ除去処理及び昼間光計測処理された2値化ラインセンサ画像は、メモリ90を経てパラメータと共にトロリ線摩耗部エッジ検出部50へ送られる。
トロリ線摩耗部幅計算部60は、2値化ラインセンサ画像から検出したトロリ線摩耗部分の両側のエッジデータを用いて、ラインセンサの一つの走査ライン上にある両側のエッジ3d,3eの間の距離をトロリ線摩耗部分の画像上の幅として計算する(ステップS6)。
検出されたトロリ線摩耗部の幅は、エッジデータとして、メモリ90を経てパラメータと共に濃淡値MAP(平均処理)作成部70へ送られる。
即ち、図10に示すように、先ず、対象画像データ、トロリ線磨耗部エッジデータ(画像上座標[pix])に基づいて、エッジデータ間の画素濃淡値を取得する(ステップT1)。
引き続き、ステップT2で求めた濃淡値MAPの座標値にすでにデータがあるか、つまり、一つの座標値に複数の濃淡値が存在するか否かを判定し(ステップT3)、一つの座標値に複数の濃淡値が存在するときには、同座標データ配列に濃淡値を加算し、データ個数をカウントする(ステップT4)。一方、ステップT2で求めた濃淡値MAPの座標値にすでにデータがなく、つまり、一つの座標値に一つの濃淡値のみが存在するときには、同座標データ配列に濃淡値を格納する(ステップT5)。
一方、最終データのときには、各座標データ配列をデータ個数で除算して平均値として出力し、平均値である濃淡値を濃淡としてグラデーションプロットした濃淡値MAPを作成する(ステップT7)。
濃淡値MAP(分散・標準偏差)作成部71以外については、前述した実施例1と同様であり、同一部分について同一符号を付して説明を省略する。
即ち、図13に示すフローチャートに従って、実施例1と同様にステップT1〜T7を実施した後、各座標データ配列にて、濃淡値の分散(標準偏差)を計算し、分散(標準偏差)を濃淡としてグラデーションプロットしたばらつき・信頼性MAPを作成する(ステップT8)
2 白色の照明器具
3 トロリ線
4 検査車両
5 計測用コンピュータ
6 記憶装置
10 ラインセンサ画像作成部
20 2値化処理部
30 空領域除去処理部
40 ノイズ除去処理部
50 トロリ線摩耗部エッジ検出部
60 トロリ線摩耗部幅計算部
70 濃淡値MAP(平均処理)作成部
71 濃淡値MAP(分散・標準偏差処理追加)作成部
80,90 メモリ
Claims (8)
- 照明されたトロリ線を走査線が横切るようにラインセンサを車両上に設置し、このラインセンサで取得された走査線の輝度信号を時系列的に並べてなるラインセンサ画像を取得し、形成されたラインセンサ画像中の前記トロリ線の摩耗幅内における画素濃淡値を求め、前記トロリ線の変動範囲マップの各画素上に前記画素濃淡値を濃淡としてグラデーションプロットしてなる濃淡値マップを作成することを特徴とするトロリ線照明反射光分布マップの作成方法。
- 請求項1記載のトロリ線照明反射光分布マップの作成方法において、前記トロリ線の変動範囲マップの各画素に前記画素濃淡値が複数存在する場合は、前記画素濃淡値の平均値を濃淡としてグラデーションプロットしてなる濃淡値マップを作成することを特徴とするトロリ線照明反射光分布マップの作成方法。
- 請求項2記載のトロリ線照明反射光分布マップの作成方法において、前記トロリ線の変動範囲マップの各画素に前記画素濃淡値が複数存在する場合は、前記画素濃淡値の分散、標準偏差等の統計的指標を算出し、前記統計的指標を濃淡としてグラデーションプロットしてなる統計的指標マップを作成することを特徴とするトロリ線照明反射光分布マップの作成方法。
- 請求項1記載のトロリ線照明反射光分布マップの作成方法において、前記前記トロリ線の変動範囲マップは、前記トロリ線の高さ及び偏位を横軸及び縦軸とすることを特徴とするトロリ線照明反射光分布マップの作成方法。
- 照明されたトロリ線を走査線が横切るように車両上に設置されたラインセンサと、前記ラインセンサで取得された走査線の輝度信号を時系列的に並べてなるラインセンサ画像を作成するラインセンサ画像作成部と、前記ラインセンサ画像作成部で形成されたラインセンサ画像を画像処理して前記トロリ線の摩耗幅を求めるトロリ線摩耗部幅計算部とを備えるトロリ線摩耗測定装置において、前記トロリ線の摩耗幅内における画素濃淡値を求め、前記トロリ線の変動範囲マップの各画素上に前記画素濃淡値を濃淡としてグラデーションプロットしてなる濃淡値マップを作成する濃淡値マップ作成部とを有することを特徴とするトロリ線摩耗測定装置。
- 請求項5記載のトロリ線摩耗測定装置において、前記濃淡値マップ作成部は、前記トロリ線の変動範囲マップの各画素に複数存在する前記画素濃淡値の平均値を算出し、前記平均値を濃淡としてグラデーションプロットしてなる濃淡値マップを作成することを特徴とするトロリ線摩耗測定装置。
- 請求項6記載のトロリ線摩耗測定装置において、前記濃淡値マップ作成部は、前記トロリ線の変動範囲マップの各画素に複数存在する前記画素濃淡値の分散、標準偏差等の統計的指標を算出し、前記統計的指標を濃淡としてグラデーションプロットしてなる統計的指標マップを作成することを特徴とするトロリ線摩耗測定装置。
- 請求項5記載のトロリ線摩耗測定装置において、前記前記トロリ線の変動範囲マップは、前記トロリ線の高さ及び偏位を横軸及び縦軸とすることを特徴とするトロリ線摩耗測定装置。
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