JP2013181592A - Rotary damper - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、ロータリダンパの改良に関する。 The present invention relates to an improvement of a rotary damper.
従来、ロータリダンパにあっては、シャフトと、上記シャフトを周方向への回転を許容しつつ軸支する一対のサイドパネルと、これらのサイドパネルで挟持されて内部に作動室を形成するケースと、上記シャフトに設けられて上記作動室を一方室と他方室とに区画するベーンとを備えて構成されている。 Conventionally, in a rotary damper, a shaft, a pair of side panels that pivotally support the shaft while allowing rotation in the circumferential direction, and a case that is sandwiched between these side panels to form a working chamber inside. The vane is provided on the shaft and divides the working chamber into one chamber and the other chamber.
そして、ロータリダンパは、たとえば、シャフトに外部から回転力が加わると、シャフトの回転に伴ってベーンが作動室内で移動して一方室を縮小し、他方室を拡大するよう動作し、縮小される一方室から拡大される他方室へ移動する油の流れに減衰弁で抵抗を与えることで、シャフトの回転を抑制する減衰力を発揮するようになっている(特許文献1参照)。 Then, for example, when a rotational force is applied to the shaft from the outside, the rotary damper operates to reduce the one chamber while the vane moves in the working chamber as the shaft rotates, and to reduce the other chamber. A damping force that suppresses the rotation of the shaft is exhibited by applying resistance to the flow of oil moving from the one chamber to the other chamber with a damping valve (see Patent Document 1).
このようなロータリダンパを車両のサスペンションに組み込んで使用する場合を考えると、たとえば、ロータリダンパのケースを車体へ固定し、ロータリダンパのシャフトを車体に揺動可能に取り付けられて車輪を保持するサスペンションアームに連結することにより、ロータリダンパをサスペンションへ組み込むことになる。より具体的には、シャフトの回転方向をサスペンションアームの揺動方向に一致させて、シャフトとサスペンションアームとを連結することになる。 Considering the case where such a rotary damper is incorporated into a vehicle suspension, for example, the rotary damper case is fixed to the vehicle body, and the rotary damper shaft is swingably attached to the vehicle body to hold the wheel. By connecting to the arm, the rotary damper is incorporated into the suspension. More specifically, the shaft and the suspension arm are connected with the rotation direction of the shaft coincident with the swinging direction of the suspension arm.
ここで、特に、四輪車のサスペンションにロータリダンパを用いる場合、重い車体の振動を減衰させるために大きな減衰力を発生する必要があり、作動室内の圧力が非常に高くなる。作動室内が非常に高圧となると、ケースを挟持するサイドパネルが作動室内の内圧で撓み、ベーンとサイドパネルとの間に隙間が生じて、一方室と他方室とが当該隙間を介して連通してしまう。 Here, in particular, when a rotary damper is used for a suspension of a four-wheel vehicle, it is necessary to generate a large damping force in order to attenuate the vibration of the heavy vehicle body, and the pressure in the working chamber becomes very high. When the working chamber becomes extremely high in pressure, the side panel holding the case is bent by the internal pressure in the working chamber, a gap is created between the vane and the side panel, and the one chamber communicates with the other chamber through the gap. End up.
すると、作動室内の油が減衰弁を迂回して隙間をも介して一方室と他方室とを行き来することが可能なって、狙い通りの減衰力を発揮できなくなる可能性がある。 Then, the oil in the working chamber can bypass the damping valve and go back and forth between the one chamber and the other chamber through the gap, and the damping force as intended may not be exhibited.
そこで、本発明は、上記した不具合を改善するために創案されたものであって、その目的とするところは、作動室内が高圧となっても狙い通りの減衰力を発揮することができるロータリダンパを提供することである。 Accordingly, the present invention has been developed to improve the above-described problems, and the object of the present invention is to provide a rotary damper that can exhibit a desired damping force even when the working chamber has a high pressure. Is to provide.
上記した課題を解決するために、本発明の課題解決手段は、シャフトと、上記シャフトを周方向への回転を許容しつつ軸支する一対のサイドパネルと、これらのサイドパネル間に設けられて内部に作動室を形成するケースと、上記シャフトに設けられて先端が上記ケースの内周に摺接して上記作動室を一方室と他方室とに区画するベーンとを備えたロータリダンパにおいて、上記ケースと上記各サイドパネルとの間のそれぞれに介装されて上記ベーンが摺接するプレートと、当該プレートと上記ベーン側へ向けて附勢する附勢手段とを備えたことを特徴とする。 In order to solve the above-described problems, the problem-solving means of the present invention is provided between a shaft, a pair of side panels that pivotally support the shaft while allowing the shaft to rotate in the circumferential direction, and the side panels. In a rotary damper comprising: a case that forms a working chamber therein; and a vane that is provided on the shaft and has a tip that slides into the inner periphery of the case and divides the working chamber into one chamber and the other chamber. It is characterized by comprising a plate interposed between the case and each of the side panels and in contact with the vane, and an urging means for urging the plate and the vane side.
この附勢手段によって、プレートがベーン側へ附勢されるので、作動室内の圧力が高圧となっても、プレートがベーンと接触状態に保たれ、一方室と他方室とがベーン周りを介して連通することがなくなる。 Since the plate is urged to the vane side by this urging means, even if the pressure in the working chamber becomes high, the plate is kept in contact with the vane, and the one chamber and the other chamber are placed around the vane. There is no communication.
本発明のロータリダンパによれば、作動室内が高圧となっても狙い通りの減衰力を発揮することができる。 According to the rotary damper of the present invention, a desired damping force can be exhibited even when the working chamber is at a high pressure.
以下、図に示した実施の形態に基づき、本発明を説明する。図1および図2に示すように、一実施の形態におけるロータリダンパDは、シャフト1と、上記シャフト1を周方向への回転を許容しつつ軸支する一対のサイドパネル2,3と、これらのサイドパネル2,3間に設けられて内部に作動室Rを形成するケース4と、上記シャフト1に設けられて先端が上記ケース4の内周に摺接して上記作動室Rを一方室R1と他方室R2とに区画するベーン5と、上記ベーン5と各サイドパネル2,3との間に介装されるプレート6,7と、プレート6,7をベーン5側へ向けて附勢する附勢手段とを備えて構成されている。そして、このロータリダンパDは、シャフト1をケース4に対して周方向へ回転させると、このシャフト1の回転を抑制する減衰力を発揮する。
The present invention will be described below based on the embodiments shown in the drawings. As shown in FIGS. 1 and 2, the rotary damper D in one embodiment includes a
以下、このロータリダンパDの各部について詳細に説明する。まず、シャフト1は、先端に設けられて図示しない継手等への連結を可能とするセレーション1aと、途中に設けた他部よりも大径な拡径部1bと、当該拡径部1bの外周であって周方向に180度の位相をもって設けた一対のベーン5,5と、拡径部1bのベーン5,5間の側部から開口して反対側のベーン5,5間へ通じるとともに互いに軸方向へずれて交わらない二つの連通孔8,9とを備えている。なお、上記したところでは、図外の継手等への連結のためにセレーション1aを設けているが、接続方法はこれに限定されない。
Hereinafter, each part of the rotary damper D will be described in detail. First, the
ベーン5は、この実施の形態では、先端に円弧状面を備えており、サイドパネル2側となる図1中上端、先端およびサイドパネル3側となる図1中下端にかけて、コ字状のシール10が装着されており、このシール10は、ケース4、プレート6,7に摺接してベーン5、ケース4とプレート6,7の間をシールしている。
In this embodiment, the
サイドパネル2は、この実施の形態の場合、筒状でシャフト1の図1中上端が挿通されるシャフト保持部2aと、シャフト保持部2aの図1中下端外周に設けたフランジ状のキャップ部2bと、キャップ部2bに同一円周上に間隔を開けて設けた複数のボルト挿通孔2cとを備えている。また、シャフト保持部2aの内周には、シャフト1の図1中上方側に摺接する筒状のベアリング11が装着され、同じくシャフト保持部2aの内周であってこのベアリング11よりも図1中上方となる反ケース4側にはシャフト1の外周に摺接する環状のUパッキン13と環状のダストシール14とがそれぞれ装着されている。
In the case of this embodiment, the
Uパッキン13は、シャフト1の外周に密着してシャフト1とサイドパネル2との間をシールし、図1中最上方となる最外方に設けたダストシール14は、シャフト1とサイドパネル2との間へ外方からの塵や埃の侵入を防止している。さらに、キャップ部2bのケース4側には、Oリング15が装着されており、このOリング15は、サイドパネル2とプレート6との間をシールしている。
The
他方、サイドパネル3は、この実施の形態の場合、有底筒状であってシャフト1の図1中下端が挿入されるシャフト保持部3aと、シャフト保持部3aの図1中上端外周に設けたフランジ状のキャップ部3bと、キャップ部3bに同一円周上に間隔を開けて設けた複数のボルト挿通孔3cとを備えている。また、シャフト保持部3aの内周には、シャフト1の図1中下端外周に摺接する筒状のベアリング16が装着され、同じくシャフト保持部3aの内周であってこのベアリング16よりも図1中下方となる反ケース4側にはシャフト1の外周に摺接する環状のUパッキン18が装着されている。なお、サイドパネル3は、シャフト保持部3aにおける底部が閉塞されているので、ダストシールは設けられていないが、シャフト保持部3aの底部を塞がずにシャフト1の下端を外方へ突出させるのであれば、ダストシールを設けることもできる。さらに、キャップ部3bのケース4側には、Oリング19が装着されており、このOリング19は、サイドパネル3とプレート7との間をシールしている。これらサイドパネル2,3は、たとえば、アルミニウムといった軽量な材料で形成されており、ロータリダンパDの全体重量を軽減している。
On the other hand, in the case of this embodiment, the
プレート6,7は、サイドパネル2,3よりも薄肉の円板状とされていて、中央にシャフト1の挿通を許容するシャフト挿通孔6a,7aと、サイドパネル2,3の各ボルト挿通孔2c,3cに符合する位置に設けた複数のボルト挿通孔6b,7bと、サイドパネル2,3側に設けた環状凹部6c,7cとを備えて構成されている。そして、サイドパネル2にプレート6を積層すると、サイドパネル2とプレート6との間に環状凹部6cで形成される環状の空間ができ、当該空間で圧力室P1が形成される。同じく、サイドパネル3にプレート7を積層すると、サイドパネル3とプレート7との間に環状凹部7cで形成される環状の空間ができ、当該空間で圧力室P2が形成される。このように圧力室P1,P2が環状となっているので、内部の圧力でプレート6,7を周方向に途切れることなくベーン5側へ向けて附勢することができるので、均一にプレート6,7を附勢することができる。
The
なお、プレート6,7のベーン5側面にはベーン5が摺動するので耐摩耗性の観点から、プレート6,7のベーン5側面を耐摩耗性に優れる材料で作るとよく、具体的には、たとえば、プレート6,7の全体を高硬度の材料で形成してもよいし、プレート6,7のベーン5と接触する表面(摺動面)にメッキや、ダイヤモンドライクカーボン皮膜を形成したり、表面にガス軟窒化処理、熱処理やシリコン添付処理を施して、表面の耐摩耗性を高くするようにしてもよい。また、この場合、プレート6,7に環状凹部6c,7cを設けているが、サイドパネル2,3のプレート6,7側に対向する面に環状凹部を設けて圧力室P1,P2を設けるようにしてもよい。
In addition, since the
ケース4は、作動室Rを形成する中空部21を備えた本体20と、本体20の側部に設けたバルブブロック22と、本体20の図1中上端側にサイドパネル2の各ボルト挿通孔2cに符合する位置に設けた複数の螺子孔23と、本体20の図1中下端側にサイドパネル3の各ボルト挿通孔3cに符合する位置に設けた複数の螺子孔24とを備えて構成されている。
The case 4 includes a
ケース4の図1中上方には、順に、プレート6、サイドパネル2が積層されて、ボルト挿通孔2c,6bに通したボルト25を螺子孔23に螺着することで、これらが一体化される。また、ケース4の図1中下方には、順に、プレート7、サイドパネル3が積層されて、ボルト挿通孔3c,7bに通したボルト26を螺子孔24に螺着することで、これらが一体化される。なお、ボルト25,26は、強度上要求される数を用いればよく、ボルト25,26の数に対応する数のボルト挿通孔2c,3c,6b,7bおよび螺子孔23,24を設ければよい。
The
そして、中空部21にシャフト1を挿通しつつ、ケース4に上述のようにしてプレート6,7、サイドパネル2,3を取り付けると、中空部21は密閉されて二つの扇状の作動室Rを形成する。これら二つの作動室Rは、シャフト1に設けたベーン5によって、それぞれ、空間L1と空間L2とに区画され、たとえば、作動油等の流体が封入される。なお、ケース4の本体20の図1中上下端には、中空部21の外周を取り巻くOリング27,28が装着されていて、ケース4とプレート6,7との間がシールされ、作動室Rが密閉される。
When the
空間L1は、図2では、シャフト1の軸から見てベーン5の右側に区画され、空間L2は、シャフト1の軸から見てベーン5の左側に区画されており、シャフト1が図2中で時計回りに回転する場合、ベーン5によって各空間L2が拡大されるとともに各空間L1が縮小され、反対に、シャフト1が図2中で反時計回りに回転する場合、ベーン5によって各空間L2が縮小されるとともに各空間L1が拡大されるようになっている。
In FIG. 2, the space L1 is defined on the right side of the
そして、シャフト1の回転に伴って容積がともに拡大或いは縮小される空間L1同士をシャフト1の連通孔8によって連通してこれを一方室R1とし、同じく、シャフト1の回転に伴って容積がともに拡大或いは縮小される空間L2同士をシャフト1の連通孔9によって連通してこれを他方室R2としてあり、これら一方室R1と他方室R2は上述したところから理解できるように、ベーン5によって区画される。また、連通孔8の開口位置は、シャフト1が回転しても一方室R1同士が連通孔8によって連通状態に維持されようベーン5の付根に設けてあり、連通孔9の開口位置もまた、シャフト1が回転しても他方室R2同士が連通孔9によって連通状態に維持されるようベーン5の付根に設けてある。
Then, the spaces L1 in which the volumes are both expanded or reduced with the rotation of the
戻って、ケース4の本体20からバルブブロック22へかけて一方室R1と他方室R2とを連通する減衰通路30が設けられており、バルブブロック22には、減衰通路30の途中に配置されて一方室R1から他方室R2へ向かう流体の流れのみを許容しつつ当該流れに抵抗与える減衰弁32と、減衰弁32に並列して減衰通路30に配置され他方室R2から一方室R1へ向かう流体の流れのみを許容するチェック弁33と、減衰通路30の途中であって減衰弁32に対しては直列に配置されて他方室R2から一方室R1へ向かう流体の流れのみを許容しつつ当該流れに抵抗与える減衰弁34と、減衰弁34に並列して減衰通路30に配置され一方室R1から他方室R2へ向かう流体の流れのみを許容するチェック弁35と、減衰通路30の途中であって減衰弁32と減衰弁34の間に接続されるアキュムレータ36とが設けられている。
Returning, a damping
したがって、シャフト1が時計回りに回転して、ベーン5が一方室R1を圧縮すると、一方室R1から押し出された流体は、減衰弁32およびチェック弁35を通過し減衰通路30を通じて、拡大する他方室R2へ移動することになり、この流体の流れに減衰弁32が抵抗を与えることで、一方室R1と他方室R2とに差圧を生じせしめて、上記シャフト1の回転を抑制する減衰力を発揮する。
Therefore, when the
他方、シャフト1が反時計回りに回転して、ベーン5が他方室R2を圧縮すると、他方室R2から押し出された流体は、減衰弁34およびチェック弁33を通過し減衰通路30を通じて、拡大する一方室R1へ移動することになり、この流体の流れに減衰弁34が抵抗を与えることで、他方室R2と一方室R1とに差圧を生じせしめて、上記シャフト1の回転を抑制する減衰力を発揮する。
On the other hand, when the
このロータリダンパDでは、シャフト1の回転による一方室R1の拡大或いは縮小分の容積は、他方室R2の縮小或いは拡大分の容積に等しくなるので、シリンダとピストンとピストンロッドとで構成される直動片ロッド型のダンパのようにシリンダ内容積変化を補償する必要はないが、温度変化による流体の体積変化、この場合、流体の体積変化を補償する必要があるので、アキュムレータ36を設置して上記流体の温度変化による体積変化を補償するようにしている。また、アキュムレータ36は、封入される流体に所定圧の圧力を作用させていて、流体の見掛け上の剛性を高めて減衰力発生応答性を向上させる。
In this rotary damper D, the volume of the expansion or contraction of the one chamber R1 due to the rotation of the
なお、ケース4の本体20の内周であってシャフト1の拡径部1bの外周に摺接する部位と本体20の上下端にかけてコ字状のシール29が装着されている。また、プレート6の内周には、シャフト挿通孔6aの側壁とシャフト1の拡径部1bの双方に摺接して、プレート6とシャフト1との間をシールするサイドシール12が設けられており、さらに、プレート7の内周には、シャフト挿通孔7aの側壁とシャフト1の拡径部1bの双方に摺接して、プレート7とシャフト1との間をシールするサイドシール17が設けられている。そして、シール29、ベーン5に設けたシール10、プレート6,7の内周に装着されるサイドシール12,17、Oリング27,28とで、一方室R1と他方室R2との減衰通路30以外で連通しないようになっている。
In addition, a
サイドシール12は、プレート6のシャフト挿通孔6aの内壁とシャフト1の拡径部1bとに摺接する環状のシールリング40と、シールリング40よりも反ケース本体側に設けた環状のテーパリング41と、テーパリング41をシールリング40側へ向けて押圧するばね部材としての皿ばね42とで構成されている。シールリング40は、テーパリング側端に内周がテーパリング41に向かって徐々に内径が大きくなるテーパ面40aを備えており、テーパリング41は、シールリング側端に外周がシールリング40に向かって徐々に小さくなるテーパ面41aを備えており、これらをテーパ面40a,41a同士を対面させて摺動自在に当接させている。
The
さらに、テーパリング41の反シールリング側端とサイドパネル2との間には、皿ばね42が介装されており、この皿ばね42でテーパリング41をシールリング40側へ押圧している。
Further, a
この皿ばね42の附勢力は、シールリング40のテーパ面40aとテーパリング41のテーパ面41aとが当接しているので、シールリング40をプレート6のシャフト挿通孔6aの側壁へ押しつける方向と、拡径部1bの上端面へ押しつける方向へ作用している。また、サイドシール12が収容されるプレート6のシャフト挿通孔6aは圧力室P1に連通しているので、シールリング40には、圧力室P1内の圧力が作用し、シールリング40は、この圧力室P1の圧力によってもシャフト挿通孔6aとシャフト1の拡径部1bへ向けて押しつけられている。これによって、シャフト1の周囲が密にシールされ、シャフト1の周囲を介して一方室R1と他方室R2との連通が阻止される。
The biasing force of the
そして、一方室R1或いは他方室R2の圧力が圧力室P1より大きくなり皿ばね42の附勢力に抗してシールリング40が図1中上方側へ後退すると、シールリング40と拡径部1bとの間に隙間が生じて、圧力室P1が一方室R1或いは他方室R2へ連通されて、圧力室P1内に一方室R1と他方室R2のうち高圧側の圧力が導かれるようになっている。
Then, when the pressure in the one chamber R1 or the other chamber R2 becomes larger than the pressure chamber P1 and the
このように圧力室P1内に一方室R1と他方室R2のうち高圧側の圧力が導かれると、この背圧(圧力室P1内の圧力)によってプレート6がベーン5へ向けて附勢される。
Thus, when the pressure on the high pressure side of the one chamber R1 and the other chamber R2 is introduced into the pressure chamber P1, the
サイドシール17は、サイドシール12と同様に、プレート7のシャフト挿通孔7aの内壁とシャフト1の拡径部1bとに摺接する環状のシールリング43と、シールリング43よりも反ケース本体側に設けた環状のテーパリング44と、テーパリング44をシールリング43側へ向けて押圧するばね部材としての皿ばね45とで構成されている。シールリング43は、テーパリング側端に内周がテーパリング44に向かって徐々に内径が大きくなるテーパ面43aを備えており、テーパリング44は、シールリング側端に外周がシールリング43に向かって徐々に小さくなるテーパ面44aを備えており、これらをテーパ面43a,44a同士を対面させて摺動自在に当接させている。
As with the
さらに、テーパリング44の反シールリング側端とサイドパネル3との間には、皿ばね45が介装されており、この皿ばね45でテーパリング44をシールリング43側へ押圧している。
Further, a
この皿ばね45の附勢力は、シールリング43のテーパ面43aとテーパリング44のテーパ面44aとが当接しているので、シールリング43をプレート7のシャフト挿通孔7aの側壁へ押しつける方向と、拡径部1bの下端面へ押しつける方向へ作用している。また、サイドシール17が収容されるプレート7のシャフト挿通孔7aは圧力室P2に連通しているので、シールリング43には、圧力室P2内の圧力が作用し、シールリング43は、この圧力室P2の圧力によってもシャフト挿通孔7aとシャフト1の拡径部1bへ向けて押しつけられている。これによって、シャフト1の周囲が密にシールされ、シャフト1の周囲を介して一方室R1と他方室R2との連通が阻止される。そして、一方室R1或いは他方室R2の圧力が圧力室P2より大きくなり皿ばね45の附勢力に抗してシールリング43が図1中下方側へ後退すると、シールリング43と拡径部1bとの間に隙間が生じて、圧力室P2が一方室R1或いは他方室R2へ連通されて、圧力室P2内に一方室R1と他方室R2のうち高圧側の圧力が導かれるようになっている。
The biasing force of the
このように圧力室P2内に一方室R1と他方室R2のうち高圧側の圧力が導かれると、この背圧(圧力室P2内の圧力)によってプレート7がベーン5へ向けて附勢される。
Thus, when the pressure on the high pressure side of the one chamber R1 and the other chamber R2 is introduced into the pressure chamber P2, the
なお、テーパリング41,44と皿ばね42,45は、予め、シールリング40,43の位置決めと予圧を与えるために設けられており、ロータリダンパDの回転速度が遅くともロータリダンパDの動作初期からシャフト1回りをシールして一方室R1と他方室R2の連通を確実に阻止することができるが、圧力室P1,P2の圧力によってシールリング40,43に与圧を与えることができるので、これらを省略することも可能であり、その場合は、シールリング40,43にテーパ面40a,43aを設けなくともよい。また、皿ばね42,45の代わりに、ウェーブワッシャその他のばねや弾性体を使用することができる。
The taper rings 41 and 44 and the disc springs 42 and 45 are provided in advance for positioning and preloading the seal rings 40 and 43, so that even if the rotational speed of the rotary damper D is low, the rotary damper D is operated from the initial operation. Sealing around the
したがって、附勢手段は、この場合、プレート6,7とサイドパネル2,3との間に設けられて内部の圧力で当該プレート6,7をベーン5側へ向けて附勢する圧力室P1,P2を備えて構成されており、また、一方室R1と他方室R2のうち高圧側の圧力を圧力室P1,P2へ導く弁要素は、シールリング40,43にて構成されている。
Therefore, in this case, the urging means is provided between the
以上のように構成されたロータリダンパDにあっては、ベーン5とサイドパネル2,3との間に、プレート6,7を介装し、このプレート6,7をベーン5側へ向けて附勢する附勢手段を設けている。
In the rotary damper D configured as described above, the
この附勢手段によって、プレート6,7がベーン5側へ附勢されるので、作動室R内の圧力が高圧となっても、プレート6,7がベーン5と接触状態に保たれて、一方室R1と他方室R2とがベーン5周りを介して連通してしまって減衰弁32,34を迂回して一方室R1と他方室R2とを行き来することがなくなるから、ロータリダンパDは狙い通りの減衰力を発揮することができる。このように、ロータリダンパDは、作動室R内の圧力が高圧となっても狙い通りの減衰力を発揮することができるので、四輪車の車体の振動を抑制するサスペンション用途への使用に適する。
Since the
なお、附勢手段としては、プレート6,7をベーン5側へ向けて附勢することができればよいので、上記した具体的な構成に限定されるものではなく、弾性体をプレート6,7とサイドパネル2,3との間に介装することで附勢手段を構成することもできる。
The urging means is not limited to the above-described specific configuration as long as the
また、本実施の形態のロータリダンパDのように、附勢手段が、プレート6,7とサイドパネル2,3との間に設けられて内部の圧力で当該プレート6,7をベーン5側へ向けて附勢する圧力室P1,P2である場合には、特に、プレート6,7を附勢する附勢力を発揮する部材をプレート6,7とサイドパネル2,3との間に設けずともプレート6,7を附勢することができ、部品点数が削減できるとともに、附勢力を発揮する部材を設けるスペースが不要となるのでロータリダンパDを小型にすることができる。
Further, as in the rotary damper D of the present embodiment, the urging means is provided between the
さらに、附勢手段が一方室R1と他方室R2のうち高圧側の圧力を圧力室P1,P2へ導く弁要素を備える場合には、ロータリダンパDが作動する、つまり、ロータリダンパDのシャフト1がケース4に対して回動して一方室R1或いは他方室R2が圧縮される際に、圧縮側の室の圧力が圧力室P1,P2内の圧力よりも高圧となるとこの圧力が自動的に圧力室P1,P2へ導かれるので、プレート6,7を附勢する附勢力が作動室R内の圧力状況に応じて高まって、附勢力が不足することも大きすぎることもなく、ベーン5とプレート6,7との間の流体漏れを確実に阻止することができ、ベーン5の摺動性を著しく阻害することもない。
Further, when the urging means includes a valve element for guiding the pressure on the high pressure side of the one chamber R1 and the other chamber R2 to the pressure chambers P1 and P2, the rotary damper D operates, that is, the
また、本実施の形態のロータリダンパDのように、弁要素が、プレート6,7のシャフト挿通孔6a,7aの内周とシャフト5の外周との間をシールするシールリング40,43である場合には、もともとシャフト5とプレート6,7との間をシールするシールリング40,43を弁要素として利用することで、別途、ロータリダンパDに弁要素として機能する部材を追加する必要がないから、ロータリダンパDの部品点数の削減およびコスト低減を図ることができる。また、シールリング40,43の背面側にそれぞれ対応する圧力室P1,P2内の圧力を作用させることで、シールリング40,43をシャフト5とプレート6,7へ押圧してシャフト5とプレート6,7との間を密にシールすることができる利点もある。
Further, like the rotary damper D of the present embodiment, the valve elements are
なお、弁要素は、圧力室P1,P2に一方室R1と他方室R2のうち高圧を導くことができればよいので、圧力室P1を一方室R1へ連通する通路、圧力室P1を他方室R2へ連通する通路、圧力室P2を一方室R1へ連通する通路および圧力室P2を他方室R2へ連通する通路を設けて、各通路に圧力室P1,P2から一方室R1(他方室R2)へ向く流体の流れを阻止する逆止弁を設けて、これら逆止弁を弁要素としてもよく、これら逆止弁と通路は、プレート6,7に設けてもよいし、ケース4に設けるようにしてもよい。
The valve element only needs to be able to guide the high pressure of the one chamber R1 and the other chamber R2 to the pressure chambers P1 and P2, so that the pressure chamber P1 is connected to the one chamber R1, and the pressure chamber P1 is connected to the other chamber R2. A passage that communicates, a passage that communicates the pressure chamber P2 to the one chamber R1, and a passage that communicates the pressure chamber P2 to the other chamber R2, are provided from each of the pressure chambers P1 and P2 toward the one chamber R1 (the other chamber R2). Check valves that block the flow of fluid may be provided, and these check valves may be used as valve elements. These check valves and passages may be provided in the
また、圧力室P1,P2の圧力が異常高圧となると、圧力を作動室Rへ解放するリリーフ弁を設けるようにしてもよい。このようにリリーフ弁を設けることで、圧力室P1,P2内の圧籠りを回避することができ、ベーン5の摺動性の悪化を阻止することができる。なお、リリーフ弁は、圧力室P1,P2をそれぞれ一方室R1或いは他方室R2へ連通する通路を設けておき、当該通路に設けるようにすればよく、圧力室P1,P2内の圧力が所定圧以上となると一方室R1或いは他方室R2へ開放するように設定されればよい。この場合、圧力室P1,P2を一方室R1と他方室R2へそれぞれ連通する通路を設けて、これら通路にリリーフ弁を設けるようにしてもよいし、圧力室P1と圧力室P2の一方を一方室R1へ連通する通路と圧力室P1と圧力室P2の他方を他方室R2へ連通する通路とを設けてこれら通路にリリーフ弁を設けるようにしてもよい。リリーフ弁と通路は、プレート6,7に設けるようにしてもよいし、ケース4に設けるようにしてもよい。
Further, a relief valve for releasing the pressure to the working chamber R when the pressure in the pressure chambers P1 and P2 becomes an abnormally high pressure may be provided. By providing the relief valve in this manner, the pressure crushing in the pressure chambers P1 and P2 can be avoided, and deterioration of the slidability of the
なお、上記したところでは、ケース4にバルブブロック22を設けて、減衰弁32,34をバルブブロック22に設けているが、減衰通路、チェック弁、減衰弁をベーン5に設け、アキュムレータをシャフト1内に設ける等して、バルブブロックを廃止することも可能であり、シャフト1の回転方向にて減衰特性(シャフト1の回転速度に対する減衰力の特性)を違える必要がない場合には、一つの減衰弁で減衰力を発揮するようにしてもよい。
In the above description, the
さらに、上記したところでは、ベーン5を二つ設けているが、設置数は、単数であっても三つ以上であってもよく、ロータリダンパDの仕様に適当な数だけ設置すればよい。また、本実施の形態では、ケース4は、単一の部品で形成されているが、複数の部品で構成されてもよい。
Further, although two
以上で、本発明の実施の形態についての説明を終えるが、本発明の範囲は図示されまたは説明された詳細そのものには限定されないことは勿論である。 This is the end of the description of the embodiment of the present invention, but the scope of the present invention is of course not limited to the details shown or described.
本発明は、種々の用途のロータリダンパに利用でき、たとえば、車両のサスペンションに使用されるロータリダンパに利用することができる。 The present invention can be used for a rotary damper for various applications, for example, a rotary damper used for a suspension of a vehicle.
1 シャフト
2,3 サイドパネル
4 ケース
5 ベーン
6,7 プレート
6a,7a シャフト挿通孔
40,43 シールリング
D ロータリダンパ
P1,P2 圧力室
R 作動室
R1 一方室
R2 他方室
1
Claims (5)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012045034A JP2013181592A (en) | 2012-03-01 | 2012-03-01 | Rotary damper |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|---|---|
JP2012045034A JP2013181592A (en) | 2012-03-01 | 2012-03-01 | Rotary damper |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2013181592A true JP2013181592A (en) | 2013-09-12 |
Family
ID=49272400
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2012045034A Pending JP2013181592A (en) | 2012-03-01 | 2012-03-01 | Rotary damper |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2013181592A (en) |
-
2012
- 2012-03-01 JP JP2012045034A patent/JP2013181592A/en active Pending
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