JP2013181528A - 原子炉冷却材ポンプ - Google Patents

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Abstract

【課題】異常時における高温高圧の加圧水の流通を規制することができる原子炉冷却材ポンプを提供する。
【解決手段】軸線回りに回転する回転軸1と、回転軸1を取り囲むハウジングと、回転軸1とハウジングとの間隙を軸線方向に区画するように設けられ、異常時における高温加圧水の軸線方向一方側から他方側への流通を規制する漏洩防止シール30と、を備え、該漏洩防止シール30は、該回転軸1の径方向外側に配置されて環状をなす外側シールリング31と、該外側シールリング31と回転軸1との間にこれらと間隔をあけて配置されて周方向に延在する内側シールリング32とを備え、高温加圧水の到達時に、内側シールリング32が軸線方向他方側に移動しながら縮径する。
【選択図】図2

Description

本発明は、原子炉冷却材ポンプに関し、特に、異常時における高温加圧水の漏洩を回避することが可能な原子炉冷却材ポンプに関する。
原子炉一次冷却材ポンプは、上下方向に延びる軸線回りに回転する回転軸と、該回転軸を取り囲むハウジングとを備えている。この回転軸とハウジングとの間の空間には、上下方向に離間して配置された複数段の軸シールを備えている。そして、これら複数段のシールにより、下方側の高圧の加圧水が上方側においては大気圧となるように減圧が行われている(例えば特許文献1参照)。
実開昭63−22397号公報
ところで、原子炉一次冷却材ポンプにおいては、全交流電源喪失(SBO:Station Black Out)等の異常時に、通常運転時では例えば70℃の加圧水が300℃まで上昇することが予想される。この際、高温高圧の加圧水(以下、高温加圧水と称する。)が、複数の軸シールのうち最下方に位置する軸シールを突破し、最下方から2番目の軸シールに到達することも考えられる。
ここで、最下方から2番目の軸シール装置は、上記高温加圧水に耐え得るように設計することはできるものの、当該軸シール装置の周囲に配置された耐熱Oリングが高温加圧水により損傷を受けた場合、一次冷却材が外部に漏洩してしまうおそれがある。
したがって、全交流電源喪失時における最下方から2番目の軸シール装置への高温加圧水の到達を回避すべく、各シール装置の間における回転軸とハウジングとの間隙に、異常時の高温加圧水の流通を規制することができる構成を備えることが好ましい。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであって、異常時における高温高圧の加圧水の流通を規制することができる原子炉冷却材ポンプを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は以下の手段を提供している。
即ち、本発明に係る原子炉冷却材ポンプは、軸線回りに回転する回転軸と、前記回転軸を取り囲むハウジングと、前記回転軸と前記ハウジングとの間隙を前記軸線方向に区画するように設けられ、異常時における高温加圧水の前記軸線方向一方側から他方側への流通を規制する漏洩防止シールと、を備え、該漏洩防止シールは、該回転軸の径方向外側に配置されて環状をなす外側シールリングと、該外側シールリングと前記回転軸との間にこれらと間隔をあけて配置されて周方向に延在する内側シールリングとを備え、前記高温加圧水の到達時に、前記内側シールリングが軸線方向他方側に移動しながら縮径することを特徴とする。
このような特徴の原子炉冷却材ポンプによれば、異常時に高温加圧水が漏洩防止シールまで到達した際には、漏洩防止シールの内側シールリングが軸線方向他方側に移動しながら縮径する。これによって、内側シールリングと回転軸との間隙が周方向にわたって縮小し、あるいは内側シールリングが周方向にわたって回転軸に密着する。
また、本発明に係る原子炉冷却材ポンプは、前記外側シールリングと前記内側シールリングとを互いに接続するバイメタル部材を備え、前記バイメタル部材は、前記高温加圧水による加熱によって変形することにより、前記外側シールリングに対して前記内側シールリングを前記軸線方向他方側に移動させることが好ましい。
高温加圧水が到達した際に該高温加圧水の加熱によってバイメタル部材が変形することにより、内側シールリングを確実に軸線方向他方側に移動させることができる。
さらに、本発明に係る原子炉冷却材ポンプは、前記漏洩防止シールが、前記高温加圧水を熱源として駆動するサーモアクチュエータと、該サーモアクチュエータの駆動によって前記外側シールリングと前記内側シールリングとの間の間隙を閉塞する閉塞板と、を有するものであってもよい。
異常時に高温加圧水が漏洩防止シールまで到達した際に、サーモアクチュエータが駆動することで内側シールリングと外側シールリングとの間の間隙が閉塞される。これにより、高温加圧水の流路が絞られることで、内側シールリングに対して一方側から作用する高温加圧水の圧力が増大する。この高温加圧水の圧力の増大により内側シールリングを軸線方向他方側へと移動させることができる。
また、本発明に係る原子炉冷却材ポンプは、前記外側シールリングに対して該軸線方向他方側に移動される前記内側シールリングを径方向内側に向かって案内するテーパ部をさらに備え、前記内側シールリングが前記テーパ部による径方向内側への案内によって縮径可能な軟質材から形成されていることが好ましい。
軟質材からなる内側シールリングをテーパ部によって径方向内側へと案内することで、該内側シールリングを確実に縮径させることができる。これにより、内側シールリングと回転軸との間隙を周方向にわたって縮小させることができ、あるいは内側シールリングが周方向にわたって回転軸に密着させることができる。
さらに、本発明に係る原子炉冷却材ポンプは、前記内側シールリングに、該内側シールリングを周方向に分断する切り込み部が形成され、前記バイメタル部材の変形によって前記内側シールリングが前記軸線方向他方側に移動する際に、前記切り込み部において互いに対向する端部同士が近接することで、前記内側シールリングが縮径するものであってもよい。
内側シールリングが軸線方向他方側に移動する際に切り込み部における一対の端部同士が近接することで、内側シールリングと回転軸との間隙を周方向にわたって縮小させることができ、あるいは内側シールリングが周方向にわたって回転軸に密着させることができる。
また、本発明に係る原子炉冷却材ポンプは、前記内側シールリングは、互いに独立した一対の端部を有するC字状をなし、該内側シールリングに、前記一対の端部を互いに近接させる付勢力が付与されており、前記内側シールリングと前記外側シールリングとを互いに接続するようにこれら内側シールリング及び外側シールリングに回動可能に取り付けられ、周方向に間隔をあけて複数設けられた複数のリンク部材と、前記高温加圧水を熱源として駆動するサーモアクチュエータと、前記付勢力に抗して前記内側シールリングの一対の端部の間に挟持されており、前記サーモアクチュエータの駆動によって、前記一対の端部の間から引き抜かれるストッパ部材とを有し、前記ストッパ部材が前記一対の端部の間から引き抜かれた際に、前記内側シールリングが前記付勢力によって縮径することで、前記リンク部材が前記内側シールリングを前記外側シールリングに対して軸線方向他方側に移動させるものであってもよい。
高温加圧水の到達によってサーモアクチュエータが駆動すると、ストッパ部材が引き抜かれることにより、内側シールリングは付勢力に従って縮径しようとする。この際、内側シールリングの縮径による該内側シールリングと外側シールリングとの間隔の広がりに起因して、リンク部材が内側シールリングを外側シールリングから立ち上げるように径方向他方側へと向かって移動させる。これにより、内側シール部材は縮径しながら軸線方向他方側に移動するため、内側シールリングと回転軸との間隙が周方向にわたって縮小し、あるいは内側シールリングが周方向にわたって回転軸に密着する。
本発明の原子炉冷却材ポンプによれば、異常時に内側シールリングが軸線方向他方側に移動しながら縮径するため、内側シールリングと回転軸との間隙が周方向にわたって縮小し、あるいは内側シールリングが周方向にわたって回転軸に密着する。これによって、異常時における高温加圧水の流通を規制することが可能となる。
本発明の第一実施形態に係る原子炉冷却材ポンプの縦断面図及びその系統図を示す図である。 本発明の第一実施形態に係る原子炉冷却材ポンプにおける漏洩防止シールを回転軸の軸線方向から見た図である。 図2のA−A断面図である。 本発明の第一実施形態に係る原子炉冷却材ポンプにおける通常時の漏洩防止シールの模式図であって、(a)は軸線方向から見た平面図、(b)は斜視図である。 本発明の第一実施形態に係る原子炉冷却材ポンプにおける異常時の漏洩防止シールの模式図であって、(a)は軸線方向から見た平面図、(b)は斜視図である。 図2のA−A断面図に対応する図であって、異常時において内側シールが移動した後の状態を示す図である。 本発明の第二実施形態に係る原子炉冷却材ポンプにおける通常時の漏洩防止シールの模式図であって、(a)は軸線方向から見た平面図、(b)は斜視図である。 本発明の第二実施形態に係る原子炉冷却材ポンプにおける異常時の漏洩防止シールの模式図であって、(a)は軸線方向から見た平面図、(b)は斜視図である。 本発明の第三実施形態に係る原子炉冷却材ポンプにおける異常時の漏洩防止シールの模式図であって、(a)は軸線方向から見た平面図、(b)は斜視図である。 本発明の第三実施形態に係る原子炉冷却材ポンプにおける異常時の漏洩防止シールの模式図であって、(a)は軸線方向から見た平面図、(b)は斜視図である。 本発明の第四実施形態に係る原子炉冷却材ポンプにおける通常時の漏洩防止シールの縦断面図である。 本発明の第四実施形態に係る原子炉冷却材ポンプにおける異常時の漏洩防止シールの縦断面図である。 本発明の第五実施形態に係る原子炉冷却材ポンプにおける異常時の漏洩防止シールの模式図であって、(a)は軸線方向から見た平面図、(b)は斜視図である。 本発明の第五実施形態に係る原子炉冷却材ポンプにおける異常時の漏洩防止シールの模式図であって、(a)は軸線方向から見た平面図、(b)は斜視図である。
以下、本発明の第一実施形態について、図1から図6を参照して詳細に説明する。
まず、第一実施形態に係る原子炉冷却材ポンプ100の全体構成について説明する。図1に示すように、原子炉冷却材ポンプ100は、上下方向に延びる軸線O回りに回転可能に配置された回転軸1と、該回転軸1を取り囲むように配置されたハウジング2とを備えている。そして、回転軸1とハウジング2との間の空間に、軸線O方向に離間して配置された複数の軸シール10が設けられている。
本実施形態においては、3組の軸シール10が設けられており、これら軸シール10は、下方から上方に向かって第一軸シール10A、第二軸シール10B、第三軸シール10Cとされている。なお、第一軸シール10Aは漏洩制限型シールとされており、第二軸シール10B及び第三軸シール10Cはメカニカルシールとされている。
第一軸シール10Aは、回転軸1の外周面に一体に固定されて径方向外側に張り出す円盤状をなす第一ランナ11Aと、ハウジング2に固定されたリング状をなして第一ランナ11Aとの間で僅かな間隙を形成する第一リング12Aとを備えている。第一リング12Aとハウジング2との間には、図示しない第一セカンダリシールが設けられている。
また、第二軸シール10Bは、第一軸シール10Aよりも上方に設けられており、回転軸1の外周面に一体に固定されて、径方向外側に張り出す円盤状をなす第二ランナ11Bと、ハウジング2に固定されたリング状をなして第二ランナ11Bと摺接する第二リング12Bとを備えている。第二リング12Bとハウジング2との間には、図示しない第二セカンダリシールが設けられている。
さらに、第三軸シール10Cは、第二軸シール10Bよりも上方に設けられており、回転軸1の外周面に一体に固定されて、径方向外側に張り出す円盤状をなす第三ランナ11Cと、ハウジング2に固定されたリング状をなして第三ランナ11Cと摺接する間隙を形成する第二リング12Bとを備えている。第三リング12Cとハウジング2との間には、図示しない第三セカンダリシールが設けられている。
原子炉一次冷却材は、200〜300℃の高温水であり、この高温水がハウジング2内を上昇しないように、第一軸シール10Aの下部には充填材ポンプ15により高圧の加圧水(シール水)が供給されている。この加圧水は、体積制御タンク16より供給される。なお、第一軸シール10Aを漏洩して第二軸シール10Bの下方に至った加圧水は、遮蔽弁17及び流量計18を経て体積制御タンク16に戻されるようになっている。
第三軸シール10Cの下方の空間、即ち、第三軸シール10Cと第二軸シール10Bとの間の空間には、パージ水と称される純水が供給されている。このパージ水は高所に設けられたパージ水ヘッドタンク19から図示しない絞り及び流量計20を経て供給される。なお、パージ水ヘッドタンク19へは、純水メークアップタンク21で準備された純水が純水ポンプ22及び補給弁23を経て供給される。この補給弁23は、パージ水ヘッドタンク19中の純水の水頭高さを検出するレベルコントロール装置24によって制御されており、これによりパージ水ヘッドタンク19の水頭高さは所定の値に維持されている。
また、上記パージ水は、第二軸シール10B及び第三軸シール10Cの潤滑と冷却をし、流量計25及びスタンドパイプ26を経てドレンタンク27に回収される。
なお、第一軸シール10Aの下方の加圧水の温度は70℃でその圧力は約15.5MPaとされている。第一軸シール10Aでは、この加圧水が約0.3MPaまで減圧され、即ち、第二軸シール10Bの下方の空間の加圧水の圧力は約0.3MPaとなる。そして、第二軸シール10Bでは、この約0.3MPaの圧力が約0.03MPaまで減圧され、さらに第三軸シール10Cでは、大気圧まで減圧されるようになっている。
ここで、全交流電源喪失時には、第一軸シール10Aの下方における通常運転時70℃の加圧水が、原子炉一次冷却材により加熱されることで300℃程度まで上昇することが想定される。このような高温の加圧水(以下、高温加圧水と称する。)によって第一軸シール10Aが突破された場合、該高温加圧水が第二軸シール10Bに至り、高温加圧水の漏出を招くおそれがある。これに対して本実施形態では、例えば温度が300℃、圧力が約19MPaの高温加圧水の第二軸シール10Bへの到達を回避すべく、漏洩防止シール30が設けられている。
この漏洩防止シール30は、第一軸シール10Aと第二軸シール10Bとの間におけるハウジング2と回転軸1との間隙に設けられており、本実施形態では、図3に示すように、ハウジング2に設けられた環状溝3に収容されるように設けられている。
この環状溝3は、ハウジング2の内周面2aから回転軸1の径方向(以下、単に径方向と称する)外側に凹むように形成されており、軸線Оを中心として回転軸1の周方向(以下、単に周方向と称する)に延在する円環状をなしている。また、環状溝3は、下方(軸線О方向一方側)を向く上側内壁面4と、該上側内壁面4に対向して上方(軸線О方向他方側)を向く下側内壁面5と、径方向内側を向き上側内壁面4及び下側内壁面5に接続された底壁面6とを有している。
また、本実施形態では、ハウジング2にテーパ部7が一体に設けられている。即ち、ハウジング2の環状溝3における上側内壁面4と該ハウジング2の内周面2aの間には、径方向内側に向かうに連れて上方へ向かって傾斜するテーパ面状をなすテーパ部7が形成されている。このテーパ部7は軸線Oを中心とした環状をなしており、上側内壁面4と内周面2aとに接続されている。
本実施形態の漏洩防止シール30は、図2から図6に示すように、外側シールリング31と、内側シールリング32と、複数のバイメタル部材40とから構成されている。
外側シールリング31は、図2及び図3に示すように、回転軸1を周囲から取り囲むように、該回転軸1の周方向に延在している。即ち、この外側シールリング31は軸線Oを中心とした円環状をなしている。この外側シールリング31は、例えばステンレス等の金属から構成されており、環状溝内に収容されるように設けられている。
内側シールリング32は、図2及び図3に示すように、外側シールリング31の径方向内側において、回転軸1を周囲から取り囲むように該回転軸1の周方向に延在している。本実施形態では、内側シールリング32は軸線Oを中心とした円環状をなしている。この内側シールリング32は、外側シールリング31よりも小径の環状をなしており、これにより外側シールリング31の内側で環状溝内に収容されるように配置されている。
なお、通常時、即ち、漏洩防止シール30に高温加圧水が到達してない状態(以下、初期状態と称する。)においては、内側シールリング32の内周面は、ハウジング2の内周面2aと同一の径方向位置に配置され、または、ハウジング2の内周面2aよりも径方向外側に配置されている。
また、本実施形態では、内側シールリング32は、例えば回転軸1やハウジング2、外側シールリング31等の金属部材よりも軟質である樹脂や軟質金属等の軟質材から形成されている。即ち、内側シールリング32は、後述するようにテーパ部7による径方向内側への案内によって、縮径可能な軟質材から形成されている
このような軟質材としては、例えばポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、ポリオキシエチレン、UHMPE(超高分子量ポリエチレン)、ポリテトラフロロエチレン、テトラフロロエチレン・パーフロロアリキルビニルエーテル共重合体、テトラフロロエチレン・ヘキサフロロプロピレン共重合体樹脂、テトラフロロエチレン・ポリエチレン共重合体を用いることができる。このような材料を用いて内側シールリング32を構成した場合、約300℃の高温加圧水に耐えることができ、また、耐放射線性が優れているため、内側シールリング32の材料として好適である。
さらに、本実施形態では、内側シールリング32はその延在方向に直交する断面形状が三角形状をなしており、径方向外側を向く面が径方向内側に向かうに連れて上方に向かって傾斜する傾斜面33とされた直角三角形状をなしている。なお、当該内側シールリング32の断面形状における傾斜面33の傾斜角度は、ハウジング2におけるテーパ部7のテーパ角度と同一とされることが好ましい。
この内側シールリング32は、外側シールリング31と径方向に間隔をあけた状態で、初期状態においては、該外側シールリング31と同一平面、即ち、同一の軸線Oに直交する平面上に配置されている。
バイメタル部材40は、図4及び図5に示すように、外側シールリング31と内側シールリング32とを接続する棒状の部材であって、外側シールリング31と内側シールリング32との間において、周方向に間隔をあけて複数(本実施形態では4つ)が設けられている。
このバイメタル部材40は、線膨脹係数の異なる二つの金属を互いに張り合わせることによって構成された棒状をなしている。このバイメタル部材40は、常温である初期状態においては直線状に延在する一方、高温状態に曝された際には、一方の金属が他方の金属よりもより大きく熱膨張することで反り上がるように変形するようになっている。
バイメタル部材40の一端、即ち、回転軸1の径方向外側の端部は、外側継手41を介して外側シールリング31に接続されている。この外側継手41としては、例えばナックル継手が採用されており、これによってバイメタルの一端は外側シールリング31に対して三次元方向に任意に回動可能とされている。
また、バイメタル部材40の他端、即ち、回転軸1の径方向内側の端部は、内側継手42を介して内側シールリング32に接続されている。この内側継手42としては、外側継手41同様、例えばナックル継手が採用されており、これによってバイメタルの一端は外側シールリング31に対して三次元方向に任意に回動可能とされている。
このようなバイメタル部材40は、初期状態においては図4に示すように、内側シールリング32に対して該内側シールリング32の接線方向に延在するように接続されるとともに、外側シールに対して径方向から傾斜して延在するように接続されており、即ち、周方向に捻じれるように配置されている。これによって、バイメタル部材40は、外側シールリング31と内側シールリング32とを同一平面上に配置させるようにこれら外側シールリング31及び内側シールリング32を接続している。
そして、このようなバイメタル部材40が、異常時に高温加圧水に曝されると、図5に示すように、該バイメタルの一端(径方向外側の端部)に対して他端側(径方向内側の端部側)が上方に向かって反り上がるように該バイメタル部材40が変形する。これによって、内側シールリング32は、外側リングシールに対して上方に向かって相対移動させられ、これと同時に内側シールリング32が外側シールリング31に対してバイメタル部材40の捻じれを是正する方向に軸線O回りに回転させられる。その結果、各バイメタル部材40は、回転軸1の径方向に沿って延在し、かつ、径方向内側に向かうに従って上方に向かって傾斜した状態となる。
次に以上のような構成の原子炉冷却材ポンプ100における漏洩防止シール30の作用について説明する。
第一軸シール10Aの下方の加圧水が加熱されて高温加圧水となった際に、該高温加圧水が第一軸シール10Aを突破して漏洩防止シール30に到達すると、該漏洩防止シール30が高温加圧水によって加熱される。
これにより、バイメタル部材40が所定の温度に達すると、該バイメタル部材40を構成する二つの金属の熱膨張差に従ってバイメタル部材40が反り上がるように変形する。すると、上述したように、内側シールリング32は外側シールリング31に対して周方向に回転しながら上方に向かって相対移動させられる(図5参照)。このように内側シールリング32が上方に向かって移動すると、断面三角形状をなす内側シールリング32の傾斜面33がテーパ部7に当接する。
そして、バイメタル部材40のさらなる変形によって内側シールリング32がさらに上方に向かって移動させられると、内側シールリング32はテーパ部7に従って径方向内側へと向かって案内されていく。この際、内側シールリング32は軟質材から構成されているため、テーパ部7の案内によって内側シールリング32は縮径する。その結果、図6に示すように、内側該シールリングと回転軸1との間隙が縮小し、あるいは、内側シールリング32の内周面が回転軸1の外周面に密着する。これによって、高温加圧水の下方から上方に向かっての流通が規制される。
以上のように、本実施形態の原子炉冷却材ポンプ100によれば、異常時に高温加圧水が漏洩防止シール30まで到達した際には、バイメタル部材40の変形により内側シールリング32が外側シールリング31に対して上方に向かって相対移動させられる。これによって軟質材からなる内側シールリング32は、テーパ部7によって径方向内側へと案内されることで縮径していく。即ち、本実施形態では、異常時に高温加圧水が漏洩防止シール30まで到達した際には、漏洩防止シール30の内側シールリング32が上方に移動しながら縮径する
この内側シールリング32の縮径により、内側シールリング32と回転軸1との間隙が周方向にわたって縮小し、あるいは内側シールリング32が周方向にわたって回転軸1に密着する。したがって、異常時における高温高圧の加圧水の流通を規制することが可能となり、例えば特に全交流電源損失の最大継続時間と想定される72時間以内に一次冷却材が外部に漏洩することを回避できる。
また、内側シールリング32は、軟質材から形成されているため、テーパ部7により案内によって容易に縮径することができるとともに、回転軸1への密着性を担保することができる。
次に本発明の第二実施形態について図7及び図8を参照して説明する。第二実施形態については、第一実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
この第二実施形態においては、漏洩防止シール30の内側シールリング32の構成、及び、テーパ部7を有していない点で第一実施形態と相違する。
即ち、図7に示すように、第二実施形態における内側シールリング32には、該シールリングを周方向に分断する切り込み部51が形成されている。本実施形態では一の切り込み部51が形成されており、この切り込み部51により内側シールリング32は互いに周方向に対向する第一端部52及び第二端部53を有するC字状をなしている。
このような漏洩防止シール30では、初期状態においては、第一実施形態同様、図7に示すように、外側シールリング31と内側シールリング32とが同一平面上に配置されるように複数のバイメタル部材40によって接続されている。この際、内側シールリング32の第一端部52と第二端部53とは互いに周方向に離間した状態とされている。
そして、第一実施形態同様、漏洩防止シール30に高温加圧水が到達してバイメタル部材40が高温状態に曝されると、該バイメタル部材40が反り上げるように変形する。これにより、内側シールリング32はバイメタル部材40の他端(径方向内側の端部)に押し上げられ、かつ、バイメタル部材40の捩じりを是正する方向に力が作用することで、周方向に回転しながら上方に向かって移動させられる。
ここで、本実施形態では、このようなバイメタル部材40の変形による移動の際、内側シールリング32には、バイメタル部材40から径方向内側に向かっての押圧力が作用し、これによって内側シールリング32は第一端部52と第二端部53とを近接させるようにして縮径していく。その結果、最終的には、内側シールリング32の第一端部52と第二端部53とが互いに当接し、内側シールリング32は初期状態よりも縮径する。
そして、この内側シールリング32の縮径により、内側シールリング32と回転軸1との間隙が周方向にわたって縮小し、あるいは内側シールリング32が周方向にわたって回転軸1に密着する。したがって、第一実施形態同様、異常時における高温高圧の加圧水の流通を規制することが可能となり、
次に本発明の第三実施形態について図9及び図10を参照して説明する。第三実施形態については、第一実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
この第三実施形態においては、漏洩防止シール30の内側シールリング32の構成、及び、テーパ部7を有していない点で第一実施形態と相違する。
即ち、図9に示すように、第三実施形態における内側シールリング32には、該シールリングを周方向に分断する切り込み部51が形成されている。本実施形態では複数(3つ)の切り込み部51が形成されており、この切り込み部51により内側シールリング32は周方向に複数(3つ)に分断されている。これによって内側シールリング32は、複数のリング片60から構成されている。これらリング片60は、それぞれ回転軸1の周方向に沿って配置されており、その周方向の端部61は隣り合うリング片60同士で互いに周方向に対向している。
また、外側シールリング31と内側シールリング32とを接続するバイメタル部材40は、各リング片60に一対一の関係で設けられており、即ち、各リング片60と外側シールリング31とを接続するようにリング片60と同数が設けられている。
このような漏洩防止シール30では、初期状態においては、第一実施形態同様、図9に示すように、外側シールリング31と内側シールリング32とが同一平面上に配置されるように、即ち、外側シールリング31と各リング片60とが同一平面上に配置されるようにバイメタル部材40によって接続されている。この際、周方向に隣り合うリング片60の端部61同士は、互いに周方向に離間した状態とされている。
そして、第一実施形態同様、漏洩防止シール30に高温加圧水が到達してバイメタル部材40が高温状態に曝されると、該バイメタル部材40が反り上げるように変形する。これにより、各リング片60はバイメタル部材40の他端(径方向内側の端部)に押し上げられ、かつ、バイメタル部材40の捩じりを是正する方向に力が作用することで、周方向に回転しながら上方に向かって移動させられる。また、このようなバイメタルによる押し上げによって、各リング片60には径方向内側へと向かって押圧力が作用し、これによってこれらリング片60はそれぞれ径方向内側へと向かって移動させられる。
その結果、各リング片60からなる内側シールリング32は全体として縮径し、最終的には図10に示すように、各リング片60の端部同士が互いに当接してリング状となる。即ち、本実施形態では、バイメタル部材40の変形によって複数のリング片60に移動する際に、切り込み部51において互いに対向する端部61同士が近接することで、内側シールリング32が全体として縮径する。
このような内側シールリング32の縮径により、内側シールリング32と回転軸1との間隙が周方向にわたって縮小し、あるいは内側シールリング32が周方向にわたって回転軸1に密着する。したがって、第一実施形態同様、異常時における高温高圧の加圧水の流通を規制することが可能となり、
次に本発明の第四実施形態について図11及び図12を参照して説明する。第四実施形態については、第一実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
第四実施形態は、第一実施形態と同様の外側シールリング31、内側シールリング32及びテーパ部7を備えており、さらに、閉塞板70及びサーモアクチュエータ80を備えている。
第四実施形態の内側シールリング32は、第一実施形態同様、断面三角形をなしていてもよいが、図11では、断面四角形状をなしている。また、この内側シールリング32は第一実施形態と同様の軟質材から形成されていることが好ましい。このような内側シールリング32は外側シールリング31の径方向内側において該外側シールリング31と径方向に間隔をあけて配置されている。
これによって、内側シールリング32と外側シールリング31との間には、周方向に環状に延在する第一流路85(間隙)が形成されている。また、内側シールリング32と回転軸1との間には、第一流路85と同様に周方向に環状に延在する第二流路86が形成されている。これら第一流路85及び第二流路86は、高温加圧水が下方から上方に向かって流通可能とされている。
閉塞板70は、外側シールリング31及び内側シールリング32同様、ハウジング2の環状溝3内に収容されており、本実施形態では外側シールリング31の上側に配置されている。この閉塞板70は、例えば周方向に延在する円弧板状をなしており、周方向に複数が配置されている。これら複数の閉塞板70は、それぞれ第一流路85よりも径方向外側に位置する開放位置と、第一流路85を閉塞する閉塞位置との間で径方向に移動可能とされている。即ち、閉塞板70は、開放位置においては径方向内側の面が外側シールリング31の内周面よりも径方向外側に位置することにより、第一流路85内の高温加圧水の流通を許容する。一方、閉塞板70は、閉塞位置においては、径方向内側の面が内側シールリング32の外周面よりも径方向内側に位置することにより、第一流路85内の高温加圧水の流通を禁止する。
サーモアクチュエータ80は、高温加圧水を熱源として駆動可能に構成されたアクチュエータであって、図11に示すように、シリンダ81と、ロッド82とを備えている。
シリンダ81は、外形円筒形状をなす部材であって、その内部には設定温度に達することで膨張するワックスが封止されている。本実施形態では、高温加圧水の温度、例えば200℃〜300℃でワックスが膨張するように構成されている。
ロッド82は、シリンダ81の内部のワックスが膨張した際に、これに伴って円柱状をなすシリンダ81の端面から突出するように構成されている。したがって、サーモアクチュエータ80に高温加圧水が到達した際には、該高温加圧水を熱源としてワックスが膨張し、該サーモアクチュエータ80のロッド82が突出する。換言すれば、本実施形態のサーモアクチュエータ80は、高温加圧水を熱源として駆動されることで、ロッド82が突出する構成とされている。
このようなサーモアクチュエータ80は閉塞板70と一対一の関係で複数が設けられている。このシリンダ81におけるロッド82の反対側の端部は、ハウジング2の環状溝における底壁面に固定されており、ロッド82は径方向に沿って進退可能とされている。また、このロッド82の先端はそれぞれ閉塞板70に接続されている。これによって、通常時においてロッド82が突出していない状態においては、該ロッド82に接続された閉塞板70を開放位置に位置させる一方、異常時にロッド82が突出した際には、閉塞板70を閉塞位置に移動させる。
このような漏洩防止シール30では、初期状態においては、図11に示すように、外側シールリング31と内側シールリング32とが同一平面上に配置されている。また、サーモアクチュエータ80は高温加圧水に曝されておらず、ロッド82は突出していないため、該ロッド82に接続された閉塞板70は開放位置に位置している。
そして、第一実施形態同様、漏洩防止シール30に高温加圧水が到達すると、該高温加圧水は、第一流路85及び第二流路86を通過して漏洩防止シール30の上側へと移動していく。そして、高温加圧水による加熱によってサーモアクチュエータ80所定温度に到達して該サーモアクチュエータ80が作動すると、図12に示すように、ロッド82が突出して、該ロッド82に接続された閉塞板70が開放位置から閉塞位置に移動する。このような閉塞板70の移動によって第一流路85が閉塞される。
これにより、高温加圧水の流通経路が第二流路86のみに絞られることで、内側シールリング32に対して下方から上方に向かって作用する高温加圧水の圧力が増大する。この高温加圧水の圧力の増大により内側シールリング32は上方側へと移動させられる。
これによって軟質材からなる内側シールリング32は、テーパ部7によって径方向内側へと案内されることで縮径していく。即ち、本実施形態でも他の実施形態同様、異常時に高温加圧水が漏洩防止シール30まで到達した際には、漏洩防止シール30の内側シールリング32が上方に移動しながら縮径する。
この内側シールリング32の縮径により、内側シールリング32と回転軸1との間隙が周方向にわたって縮小し、あるいは内側シールリング32が周方向にわたって回転軸1に密着する。したがって、異常時における高温高圧の加圧水の流通を規制することができる。
次に本発明の第五実施形態について図13及び図14を参照して説明する。第五実施形態については、第一実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
この第五実施形態においては、漏洩防止シール30の内側シールリング32の構成、及び、テーパ部7を有していない点、バイメタル部材40に代えてリンク部材95を備える点、ストッパ部材90及びサーモアクチュエータ80を備える点で第一実施形態と相違する。
即ち、図13に示すように、第五実施形態における内側シールリング32には、第二実施形態同様、シールリングを周方向に分断する切り込み部51が形成されている。本実施形態では一の切り込み部51が形成されており、この切り込み部51により内側シールリング32は互いに周方向に対向する第一端部52及び第二端部53を有するC字状をなしている。このような内側シールリング32には、該内側シールリング32を縮径させる付勢力が作用している。本実施形態では、内側シールリング32がC字バネとして機能することで、第一端部52と第二端部53とが互いに近接する方向に向かって付勢されており、即ち、内側シールリング32が縮径する方向に付勢されている。
このような内側シールリング32と外側シールリング31とは、周方向に間隔をあけて複数が設けられたリンク部材95によって接続されている。これらリンク部材95は棒状をなしており、その一端(径方向外側の端部)が例えばナックル継手等を介して外側シールリング31に三次元方向に回動可能に接続されており、その他端(径方向内側の端部)が例えばナックル継手等を介して内側シールリング32に三次元方向に回動可能に接続されている。
ストッパ部材90は、内側シールリング32の切り込み部51における内側シールリング32の第一端部52及び第二端部53(一対の端部)の間に挟持されている。これによって、内側シールリング32を縮径させる付勢力に抗して内側シールリング32の第一端部52と第二端部53との近接を規制している。
サーモアクチュエータ80は、第四実施形態同様のシリンダ81及びロッド82を備えている。このサーモアクチュエータ80では、高温加圧水の加熱によって駆動することでロッド82が後退するように構成されている。このロッド82の先端はストッパ部材90に接続されており、即ち、ロッド82の後退によってストッパ部材90を移動可能に構成されている。
このような漏洩防止シール30では、初期状態においては、図13に示すように、内側シールリング32の第一端部52と第二端部53との間にストッパ部材90が挟持されており、これによって。外側シールリング31と内側シールリング32とが同一平面上に配置されている。
そして、漏洩防止シール30に高温加圧水が到達するとサーモアクチュエータ80が当該高温加圧水によって加熱される。そして、サーモアクチュエータ80が所定温度に達すると該サーモアクチュエータ80が作動することによりロッド82が後退する。これによって、ストパが内側シールリング32の第一端部52と第二端部53との間から抜き取られる。
このようにストッパ部材90が引き抜かれると、内側シールリング32は付勢力に従って縮径しようとする。この際、内側シールリング32の縮径による該内側シールリング32と外側シールリング31との間隔の広がりに起因して、リンク部材95が内側シールリング32を外側シールリング31から立ち上げるように径方向他方側へと向かって移動させる。これにより、内側シール部材は縮径しながら上方に移動するため、内側シールリング32と回転軸1との間隙が周方向にわたって縮小し、あるいは内側シールリング32が周方向にわたって回転軸1に密着する。これによって、他の実施形態同様、異常時における高温高圧の加圧水の流通を規制することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定されることなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えばバイメタル部材40の他端、即ち、径方向内側の端部は、内側シールリング32に対して周方向にスライド可能に接続されていてもよい。これによって、バイメタル部材40が高温加圧水の加熱によって変形する際に、より円滑に内側シールリング32を外側シールリング31に対して上方に相対移動させることが可能となる。
また、第一〜第四実施形態においては、第五実施形態で説明したリンク部材95を設けてもよい。これによって、外側シールリング31と内側シールリング32をより確実に接続しながら、内側シールリング32が外側シールリング31の上方に向かって移動した際に、これら外側シールリング31と内側シールリング32の中心を一致させることができる。これによって、内側シールリング32と回転軸1とを周方向にわたって均一に近接させ、あるいは接触させることができる。
1 回転軸
2 ハウジング
2a 内周面
3 環状溝
4 上側内壁面
5 下側内壁面
6 底壁面
7 テーパ部
10 軸シール
10A 第一軸シール
11A 第一ランナ
12A 第一リング
10B 第二軸シール
11B 第二ランナ
12B 第二リング
10C 第三軸シール
11C 第三ランナ
12C 第三リング
15 充填材ポンプ
16 体積制御タンク
17 遮蔽弁
18 流量計
19 パージ水ヘッドタンク
20 流量計
21 純水メークアップタンク
22 純水ポンプ
23 補給弁
24 レベルコントロール装置
25 流量計
26 スタンドパイプ
27 ドレンタンク
30 漏洩防止シール
31 外側シールリング
32 内側シールリング
33 傾斜面
40 バイメタル部材
41 外側継手
42 内側継手
51 切り込み部
52 第一端部
53 第二端部
60 リング片
61 端部
70 閉塞板
80 サーモアクチュエータ
81 シリンダ
82 ロッド
85 第一流路
86 第二流路
90 ストッパ部材
95 リンク部材
100 原子炉冷却材ポンプ
O 軸線

Claims (6)

  1. 軸線回りに回転する回転軸と、
    前記回転軸を取り囲むハウジングと、
    前記回転軸と前記ハウジングとの間隙を前記軸線方向に区画するように設けられ、異常時における高温加圧水の前記軸線方向一方側から他方側への流通を規制する漏洩防止シールと、を備え、
    該漏洩防止シールは、
    該回転軸の径方向外側に配置されて環状をなす外側シールリングと、
    該外側シールリングと前記回転軸との間にこれらと間隔をあけて配置されて周方向に延在する内側シールリングとを備え、
    前記高温加圧水の到達時に、前記内側シールリングが軸線方向他方側に移動しながら縮径することを特徴とする原子炉冷却材ポンプ。
  2. 前記外側シールリングと前記内側シールリングとを互いに接続するバイメタル部材を備え、
    前記バイメタル部材は、前記高温加圧水による加熱によって変形することにより、前記外側シールリングに対して前記内側シールリングを前記軸線方向他方側に移動させることを特徴とする請求項1に記載の原子炉冷却材ポンプ。
  3. 前記漏洩防止シールが、
    前記高温加圧水を熱源として駆動するサーモアクチュエータと、
    該サーモアクチュエータの駆動によって前記外側シールリングと前記内側シールリングとの間の間隙を閉塞する閉塞板と、を有することを特徴とする請求項1に記載の原子炉冷却材ポンプ。
  4. 前記外側シールリングに対して該軸線方向他方側に移動される前記内側シールリングを径方向内側に向かって案内するテーパ部をさらに備え、
    前記内側シールリングが前記テーパ部による径方向内側への案内によって縮径可能な軟質材から形成されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の原子炉冷却材ポンプ。
  5. 前記内側シールリングに、該内側シールリングを周方向に分断する切り込み部が形成され、
    前記バイメタル部材の変形によって前記内側シールリングが前記軸線方向他方側に移動する際に、前記切り込み部において互いに対向する前記内側シールリングの端部同士が近接することで、前記内側シールリングが縮径することを特徴とする請求項2に記載の原子炉冷却材ポンプ。
  6. 前記内側シールリングは、互いに独立した一対の端部を有するC字状をなし、
    該内側シールリングに、前記一対の端部を互いに近接させる付勢力が付与されており、
    前記内側シールリングと前記外側シールリングとを互いに接続するようにこれら内側シールリング及び外側シールリングに回動可能に取り付けられ、周方向に間隔をあけて複数設けられた複数のリンク部材と、
    前記高温加圧水を熱源として駆動するサーモアクチュエータと、
    前記付勢力に抗して前記内側シールリングの一対の端部の間に挟持されており、前記サーモアクチュエータの駆動によって、前記一対の端部の間から引き抜かれるストッパ部材とを有し、
    前記ストッパ部材が前記一対の端部の間から引き抜かれた際に、前記内側シールリングが前記付勢力によって縮径することで、前記リンク部材が前記内側シールリングを前記外側シールリングに対して軸線方向他方側に移動させることを特徴とする請求項1に記載の原子炉冷却材ポンプ。
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