JP2013181450A - 圧縮機のシール構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】圧縮機のポート部からシールキャップが抜け出ることなく、かつ、確実にシールキャップをポート部に嵌合することのできる圧縮機のシール構造を提供することを目的とする。
【解決手段】外周面に配管部材6が挿入されるポート部5を有するハウジング2の前記ポート部5にシールキャップ3を圧入・嵌合する圧縮機のシール構造であって、前記ポート部5は前記シールキャップ3が圧入嵌合される大径穴部11と、小径穴部13とを備え、前記シールキャップ3は前記大径穴部11と前記小径穴部13にそれぞれ圧入・嵌合されるシール部21を備え、前記シール部21は、前記大径穴部11と前記小径穴部13にそれぞれ圧入される大径部10と小径部12とから構成されていることを特徴とする。
【選択図】図5

Description

本発明は、圧縮機に用いられるシール構造に関するものであって、特に、圧縮機の吸入口または吐出口をシールする際のシールキャップに関するものである。
従来、圧縮機を輸送する際または保管する際に、吸入口や吐出口(ポート部)から圧縮機内に異物が混入するのを防止するために、圧縮機のポート部にシールキャップを嵌合させていた。
このシールキャップは、樹脂材によって形成され、圧縮機に対してシールキャップを取り外しするための把持部と、圧縮機のポート部に嵌合する本体部とから構成されている。把持部には、圧縮機に取り付けるためのボルトが挿通されるボルト挿通孔が設けられている。
このようなシールキャップを圧縮機に取り付ける場合には、本体部を圧縮機のポート部に嵌合させるとともに、ボルト挿通孔にボルトを挿入し、圧縮機に設けられているボルト穴にボルトを螺号する。これにより圧縮機のポート部が密閉される。
このようなボルトによって、圧縮機のポート部を密閉する場合には、シールキャップをポート部に嵌合することはできるが、ボルト締め等の作業を必要とし、シールキャップの着脱作業が非常に面倒である。
そこで、特許文献1に示すように、ゴム製のシールキャップを圧縮機のポート部に圧入することでシールキャップの着脱作業を簡易にしたものが提案されている。
実開平7−35781
しかしながら、圧縮機のポート部は、冷媒が供給または吐出するための配管等が密着状体で圧入されるため、配管形状によってポート部の形状が決定され、弾性を有したゴム製のシールキャップを圧縮機のポート部に圧入すると、接触面積がとれず、圧縮機のポート部からシールキャップが抜けやすく、また確実にポート部に嵌合することが出来ない。
すなわち、ポート部の内面とシールキャップとの接触面積が小さいと、シールキャップと圧縮機のポート部との間の摩擦力が弱く、シールキャップが圧縮機のポート部にずれたり、ポート部から抜けてしまうという課題があった。
そこで、本発明は、圧縮機のポート部からシールキャップが抜け出ることなく、かつ、確実にシールキャップをポート部に嵌合することのできる圧縮機のシール構造を提供することを目的としている。
上記の課題を解決するために、本発明は、外周面に配管部材6が挿入されるポート部5を有するハウジング2の前記ポート部5にシールキャップ3を圧入・嵌合する圧縮機のシール構造であって、前記ポート部5は前記シールキャップ3が圧入嵌合される大径穴部11と、小径穴部13とを備え、前記シールキャップ3は前記大径穴部11と前記小径穴部13にそれぞれ圧入・嵌合されるシール部21を備え、前記シール部21は、前記大径穴部11と前記小径穴部13にそれぞれ圧入される大径部10と小径部12とから構成されていることを特徴とする。
また、前記大径穴部11と前記小径穴部13とが連続するポート部側段差部15と前記シールキャップ3の前記大径部10と前記小径部12とが連続するシール部側段差部14との間に隙間16が形成されるように前記シールキャップ3のポート部5への嵌合深さを規制すると共に、ポート部5の開口縁8に密着するフランジ部17を設けたことを特徴とする。
さらに、前記隙間16と前記ハウジング2内部を連通する逃がし溝18をシールキャップ3の小径穴部13またはポート部5の小径部12の少なくとも一方に設けたことを特徴とする。
また、上記の圧縮機のシール構造に用いられるシールキャップ3であって、圧縮機1のハウジング2外周に設けられたポート部5の大径穴部11と小径穴部13にそれぞれ圧入・嵌合される大径部10と小径部12とから構成されるシール部21と、前記大径部10と前記小径部12がそれぞれ前記ポート部5の大径穴部11と小径穴部13に圧入・嵌合された状態で前記ポート部5の開口縁8に密着するフランジ部17とからなることを特徴とする。
さらに、前記小径部12には、大径穴部11への大径部10の圧入時に大径部10の下部側とハウジング2の内部とを連通する逃がし溝18が設けられていることを特徴とする。
本発明は、ポート部は、シールキャップが圧入嵌合される大径穴部と、小径穴部と、備え、シールキャップは、大径穴部と小径穴部に圧入嵌合されるシール部を備え、シール部は、大径穴部と小径穴部にそれぞれ圧入嵌合される大径部と小径部とから構成されることによって、ポート部の大径穴部と小径穴部にシールキャップが圧入嵌合されるため、シールキャップとポート部との接触面積が増えて摩擦力が強くなり、シールキャップがポート部から抜け出たりずれたりすることを防止することができる。
また、大径穴部と小径穴部とを連通するポート部側段差部とシールキャップの大径部と小径部とを連通するシール部側段差部との間に隙間が形成されるように嵌合深さを規制すると共に、ポート部の開口縁に密着するフランジ部を設けたことによって、フランジ部がポート部の開口縁部に確実に密着当接するのでシールキャップを確実にポート部に嵌合させることができる。
さらに、本発明では、小径穴部または小径内壁の少なくとも一方に逃がし溝を設けることによって、シールキャップを圧縮機のポート部に圧入嵌合する際に、ポート部の大径穴部と小径穴部との間に形成されるポート部側段差部と、シール部の大径部と小径部との間に形成されるシール部側段差部との間で圧入嵌合する際に隙間に入り込んでいる空気を逃がし溝を通してハウジング内部に排出することができるので、隙間に空気が圧縮状態で貯まることがないので、シールキャップがポート部から抜け出る方向への反発力を抑えることができ、シールキャップがポート部から抜けてしまうことを防止することができる。
本発明の圧縮機の斜視図。 本発明のポート部の拡大断面図 本発明のシールキャップの斜視図。 本発明のシールキャップの断面図。 本発明のハウジングおよびシールキャップの断面図。
以下、本発明の実施の形態について、図1〜5を用いて圧縮機のシール構造について詳細に説明する。
図1に示すように、圧縮機1のシール構造は、配管部材6が挿入されるポート部5を外周面4に有するハウジング2と、このハウジング2の外周面4から突出するように設けられるポート部5に圧入嵌合されるシールキャップ3と、から構成されている。
圧縮機1は、有底筒状のハウジング2とハウジング2の開口部を閉塞する図示しない別ハウジングとから構成されている。ハウジング2の外周面4には、ハウジング2の外周面4から突出するようにポート部5が設けられている。このポート部5は、ハウジング2内で圧縮された冷媒を吐出するための吐出ポートであって、この吐出ポートには、配管部材6が挿入嵌合される嵌合穴20が設けられている。このポート部5の嵌合穴20には、圧縮機1の搬送時にハウジング2内へのゴミ等の侵入を防止するシールキャップ3が圧入・嵌合されシール状態とされる。
図2に示すように、ポート部5の嵌合穴20の内壁には、配管部材6の段部22が当接する位置決め段部7とポート部5に挿入される配管部材6とハウジング2との間をシールするためにOリング24が嵌合するOリング係合段部9と、配管部材6の先端部26が嵌合する大径穴部11と、この大径穴部11に連続して該大径穴部11よりも小径の小径穴部13と、大径穴部11と小径穴部13とが連続するポート部側段差部15とが形成されている。
上記位置決め段部7とOリング係合段部9、大径穴部11のそれぞれの内壁面は、配管部材6が密着した状態で圧入されるため面粗度が小さく、すなわち滑らかな面に加工されている。小径穴部13の内壁面は、配管部材6が嵌合されることがないため滑らかに加工する必要がなく面粗度が大径穴部11等よりも大きくなっている。
次に、ポート部5に圧入嵌合するシールキャップ3について図3および図4を用いて説明する。
図3に示すように、シールキャップ3は、ポート部5の嵌合穴に圧入・嵌合される円柱状のシール部21と、このシール部21の一側にシール部21より大径に形成され、ポート部5の嵌合穴20の開口縁8に密着するフランジ部17と、このフランジ部17の外周から延設されてシールキャップ3をハウジング2のポート部5に取り付けまたは取り外す際に把持する把持部19と、から構成されている。
上記フランジ部17は、中心に撓み用凹部23が設けられており、シールキャップ3を取り外す際に、撓み用凹部23を形成する壁部が互いに近づくように撓むことでシールキャップ3とポート部5との間に隙間ができ、シールキャップ3をポート部5から取り外しやすくしている。
把持部19は、フランジ部17の一部から延設して設けられており、表面には凹凸の滑り止め部25が設けられ、滑り止め部25の端部は、作業者が把持しやすいように突出端部27が設けられている。
シール部21は、フランジ部17の一端側から突出してポート部5の大径穴部11に嵌合する大径部10と、大径部10からハウジング内部側に突出してポート部5の小径穴部13に嵌合する小径部12と、大径部10と小径部12とを連通するシール部側段差部14と、から構成されている。
大径部10は、フランジ部17から突出する軸方向長さがポート部5の大径穴部11よりも短く設けられており、シール部21の大径部10がポート部5の大径穴部11に圧入嵌合された際に、隙間16が形成される。また、この隙間16とハウジング内部を連通する逃がし溝18をシール部21の小径部12に設けている。
なお、本実施例では、逃がし溝18をシールキャップ3に設けているが、ハウジング2側の小径穴部13に設けても良く、シールキャップ3、小径穴部13の内壁の両方に設けても良い。
次に、ポート部5にシールキャップ3を圧入嵌合する方法について説明する。
作業者がシールキャップ3の把持部19を把持し、シール部21の小径部12をポート部5の大径穴部11に挿入する。
シール部21の小径部12の先端がポート部5の小径穴部13に圧入嵌合されるのと合わせて、シール部21の大径部10の先端がポート部5の大径穴部11に圧入嵌合され、さらにシール部21をハウジング2内部に向けて圧入嵌合させる。
シールキャップ3のフランジ部17がハウジング2のポート部5の開口縁8に密着することで、シールキャップ3が所望の位置よりも過剰に圧入嵌合するのを防止し、大径穴部11と小径穴部13とを連通するポート部側段差部15とシールキャップ3の大径部10と小径部12とを連通するシール部側段差部14との間に隙間16が形成されて、図5に示すように、シールキャップ3がハウジング2に圧入嵌合が完了する。
本実施形態のシール部21の大径部10と小径部12がポート部5に圧入嵌合するする際に隙間16に入り込んだ空気を圧縮していくが、隙間16と連通する小径部12に逃がし溝18を設けているため、隙間16に入り込んだ空気が逃がし溝18を通って、ハウジング内部に空気が排出される。
このため、ポート部5は、シールキャップ3が圧入嵌合される大径穴部11と、小径穴部13と、備え、シールキャップ3は、大径穴部11と小径穴部13に圧入嵌合されるシール部21を備え、シール部21は、大径穴部11と小径穴部13にそれぞれ圧入嵌合される大径部10と小径部12とから構成されることによって、ポート部5の大径穴部11と小径穴部13にシールキャップ3が圧入嵌合されるため、シールキャップ3とポート部5との間のゴムの緊迫力を保持する接触面積が多く取れるため、シールキャップ3がポート部5から抜け出ることを防止することができる。
また、大径穴部11と小径穴部13とを連通するポート部側段差部15とシールキャップ3の大径部10と小径部12とを連通するシール部側段差部14との間に隙間16が形成されるように嵌合深さを規制すると共に、ポート部5の開口縁8に密着するフランジ部17を設けたことによって、シールキャップ3を確実にポート部5に嵌合させることができる。
さらに、シールキャップ3をハウジング2のポート部5に圧入嵌合する際に、ポート部5の大径穴部11と小径穴部13との間に形成されるポート部側段差部15と、シール部21の大径部10と小径部12との間に形成されるシール部側段差部14との間で圧入嵌合する際に隙間に入り込む空気を圧縮することがなく、シールキャップ3がポート部5から抜け出る方向への反発力を抑えることができ、シールキャップ3がポート部5より抜けてしまうことを防止することができる。
なお、本実施形態では、突出ポートのポート部について説明したが、他のポート部にシールキャップを圧入嵌合させても良い。例えば、吸入ポートのポート部にシールキャップを圧入嵌合させてももちろん良い。
本発明は、シールキャップに利用することができる。
2 ハウジング
3 シールキャップ
5 ポート部
10 大径部
11 大径穴部
12 小径部
13 小径穴部
21 シール部

Claims (5)

  1. 外周面に配管部材(6)が挿入されるポート部(5)を有するハウジング(2)の前記ポート部(5)にシールキャップ(3)を圧入・嵌合する圧縮機のシール構造であって、
    前記ポート部(5)は前記シールキャップ(3)が圧入嵌合される大径穴部(11)と、小径穴部(13)とを備え、
    前記シールキャップ(3)は前記大径穴部(11)と前記小径穴部(13)にそれぞれ圧入・嵌合されるシール部(21)を備え、
    前記シール部(21)は、前記大径穴部(11)と前記小径穴部(13)にそれぞれ圧入される大径部(10)と小径部(12)とから構成されていることを特徴とする圧縮機のシール構造。
  2. 請求項1記載の圧縮機のシール構造であって、
    前記大径穴部(11)と前記小径穴部(13)とが連続するポート部側段差部(15)と前記シールキャップ(3)の前記大径部(10)と前記小径部(12)とが連続するシール部側段差部(14)との間に隙間(16)が形成されるように前記シールキャップ(3)のポート部(5)への嵌合深さを規制すると共に、ポート部(5)の開口縁(8)に密着するフランジ部(17)を設けたことを特徴とする圧縮機のシール構造。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の圧縮機のシール構造であって、
    前記隙間(16)と前記ハウジング(2)内部を連通する逃がし溝(18)をシールキャップ(3)の小径部(12)またはポート部(5)の小径穴部(13)の内壁の少なくとも一方に設けたことを特徴とする圧縮機のシール構造。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の圧縮機のシール構造に用いられるシールキャップ(3)であって、
    圧縮機(1)のハウジング(2)外周に設けられたポート部(5)の大径穴部(11)と小径穴部(13)にそれぞれ圧入・嵌合される大径部(10)と小径部(12)とから構成されるシール部(21)と、前記大径部(10)と前記小径部(12)がそれぞれ前記ポート部(5)の大径穴部(11)と小径穴部(13)に圧入・嵌合された状態で前記ポート部(5)の開口縁(8)に密着するフランジ部(17)とからなることを特徴とするシールキャップ(3)。
  5. 請求項4記載のシールキャップ(3)であって、
    前記小径部(12)には、大径穴部(11)への大径部(10)の圧入時に大径部(10)の下部側とハウジング(2)の内部とを連通する逃がし溝(18)が設けられていることを特徴とするシールキャップ(3)。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH0744810U (ja) * 1995-03-27 1995-11-28 セイコー精機株式会社 密閉用フタを備えた圧縮機
JP2005121082A (ja) * 2003-10-15 2005-05-12 Kayaba Ind Co Ltd ポートプラグ

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