以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳述する。図1〜図8は本発明をパチンコ機に採用した一実施形態を例示している。図1において、遊技機本体1は、矩形状の外枠2と、この外枠2の前側に開閉自在に枢着された前枠3とを備えている。前枠3の前側には、ガラス扉4と前面板5とが上下に配置され、このガラス扉4と前面板5とが前枠3に開閉自在に枢支されている。
前面板5には、その前側に、発射手段(図示省略)に供給するための遊技球を貯留する貯留皿6、発射手段を作動させるための発射ハンドル7等が設けられている。
ガラス扉4に設けられた窓孔8には例えば2枚のガラス板9(図5参照:透明板)が嵌め込まれ、その後側には遊技盤11が前枠3に対して例えば前側から着脱自在に装着されている。遊技盤11の前面側には、発射手段から発射された遊技球を案内するガイドレール12が環状に装着されると共に、そのガイドレール12の内側の遊技領域13に、センターケース14、普通図柄始動手段15、特別図柄始動手段16、大入賞手段17、普通入賞手段18等の各種遊技部品が配置されている。なお、ガラス扉4の閉状態では、ガラス板9は、遊技盤11の遊技領域13に対して遊技球が流下可能な間隔(遊技球の直径よりも大きく遊技球2個分よりも小さい間隔)を空けて位置している。
センターケース14は、図2に示すように、遊技盤11の前後方向に開口した装着孔11a(貫通部)に対して前側から着脱自在に装着される前構造体21と、液晶式その他の画像表示手段22(図1、図5参照)が装着され且つ前構造体21に対応して遊技盤11の裏側に着脱自在に装着される後構造体23とを備えている。
前構造体21は、図1,図2に示すように、装着孔11aに沿って配置され且つ当該装着孔11aに対応する開口部24aを有する装飾枠24と、この装飾枠24の下部側に沿って左右方向に配置され且つ入球口25に入球してワープ通路25aを通って案内された遊技球を自由に転動させて前側に落下させるステージ26(転動部)とを備えている。また、装飾枠24の上部箇所には、図1に示すように普通図柄表示手段27、特別図柄表示手段28、普通保留個数表示手段29等が設けられている。なお、普通図柄表示手段27、特別図柄表示手段28又は普通保留個数表示手段29の少なくとも一つを、装飾枠24ではなく、画像表示手段22において画像表示するようにしてもよいし、遊技領域13外の所定箇所に設けるようにしてもよい。
また、後構造体23は、図2,図5に示すように、その後側に装着される画像表示手段22の表示画面22aに対応する例えば矩形状の表示窓31が形成された背壁部32と、この背壁部32の外縁側から前向きに延設された周壁部33とを一体に備えている。なお、画像表示手段22は、図1に示すように演出図柄表示手段35と特別保留個数表示手段36とを備えている。この特別保留個数表示手段36を装飾枠24に設けるようにしてもよいし、遊技領域13外の所定箇所に設けるようにしてもよい。
後構造体23は、図2,図5に示すように、表示窓31よりも前方位置で且つ前構造体21よりも後方位置に画面用透明板30が取り付けられている。画像表示手段22は、その表示画面22aが画面用透明板30を介して視認可能に配設されている。図5に示すように、画面用透明板30と画像表示手段22の表示画面22aとの間には、開口空間23a(つまり、後構造体23によって装着孔11a後方に位置する開口空間23a)が形成されている。
この画面用透明板30は、正面視で横長で前構造体21の開口部24aに略対応するような形状としており、後構造体23にネジ止めされている。具体的には、画面用透明板30の四隅箇所に形成された貫通孔(図示省略)に挿入したネジを後構造体23の背壁部32の対応箇所に形成されたネジ孔(図示省略)に螺入することで当該画面用透明板30が後構造体23にネジ止めされている。図2に示すように、画面用透明板30は、遊技盤11の正面視で表示画面22aの略全体(図5に示すように表示画面22aの下部箇所を除く箇所)を覆うように配設されている。なお、後構造体23のネジ孔(図示省略)に替えて、後構造体23に装着された各種の装着部品(図示省略)に対してネジ止めしてもよい。
図1に示すように、普通図柄表示手段27は、普通図柄を変動表示するためのもので、例えば「○」「×」の2種類の普通図柄に対応する2個の発光体(例えばLED)により構成されており、通過ゲート等よりなる普通図柄始動手段15が遊技球を検出することを条件にそれら2つの発光体が所定時間交互に点滅して、普通図柄始動手段15による遊技球検出時に取得された当たり判定乱数値が予め定められた当たり判定値と一致する場合には当たり態様に対応する「○」側の発光体が発光した状態で、それ以外の場合には外れ態様に対応する「×」側の発光体が発光した状態で、点滅が終了するようになっている。
また、普通図柄表示手段27の変動表示中、又は後述する普通利益状態中に普通図柄始動手段15が遊技球を検出した場合には、その検出時に取得された当たり判定乱数値が予め定められた上限保留個数、例えば4個を限度として記憶されると共に、例えば上限保留個数と同数の発光体よりなる普通保留個数表示手段29がその発光個数により当たり判定乱数値の記憶個数(以下、普通保留個数という)を表示して、その時点での普通保留個数を遊技者に報知するようになっている。
特別図柄始動手段16は、特別図柄表示手段28による図柄変動を開始させるためのもので、例えば上下2つの特別始動口16a,16bを備え、センターケース14の下側等に配置されている。上側の特別始動口16aは開閉手段等を有しない非作動式入賞口、下側の特別始動口16bは開閉手段38により開閉可能な作動式入賞口で、普通図柄表示手段27の変動後の停止図柄が当たり態様となって普通利益状態が発生したときに、開閉手段38が所定時間、所定回数だけ閉状態から開状態に変化するように構成されている。
特別図柄表示手段28は、1個又は複数個、例えば1個の特別図柄(遊技図柄)を変動表示可能な7セグメント式等の表示手段により構成されており、特別図柄始動手段16の特別始動口16a,16bの何れかに遊技球が入賞することを条件に特別図柄を所定時間変動表示して、特別始動口16a,16bへの入賞時に取得された大当たり判定乱数値が予め定められた大当たり判定値と一致する場合には所定の大当たり態様で、それ以外の場合には外れ態様で停止するようになっている。
特別図柄には、例えば大当たり態様及び外れ態様が夫々1又は複数種類ずつ設けられている。なお、それら各態様には夫々数字図柄等を割り当ててもよいし、遊技者がその特別図柄の種類を容易に区別できないように、任意の線や点の組み合わせのような特別な意味を持たない図柄を割り当ててもよい。
また、特別図柄の変動表示中、又は後述する特別利益状態中に特別始動口16a,16bに遊技球が入賞した場合には、その入賞時に取得された大当たり判定乱数値等が夫々所定の上限保留個数、例えば各4個を限度として記憶されると共に、特別保留個数表示手段36が大当たり判定乱数値の記憶個数 (以下、特別保留個数という)を表示して、その時点での特別保留個数を遊技者に報知するようになっている。
演出図柄表示手段35は、例えば特別図柄表示手段28による特別図柄の変動表示と並行して演出図柄を変動表示するもので、1個又は複数個、例えば左右方向に3個の演出図柄を例えば各種の演出画像と共に画像表示手段22の表示画面22aに変動表示可能に構成されており、特別図柄始動手段16の特別始動口16a,16bの何れかに遊技球が入賞することを条件に特別図柄の変動開始と同時に所定の変動パターンに従って演出図柄の変動を開始すると共に、特別図柄の変動停止と同時に最終停止するように、演出図柄を左、右、中等の所定の順序で停止させるようになっている。
特別保留個数表示手段36は、特別保留個数を報知するもので、表示画面22a上の所定箇所に特別保留個数分のシンボルを表示するようになっている。
大入賞手段17は、遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能な閉状態とに切り換え可能な開閉板39を備えた作動式入賞手段で、特別図柄表示手段28の変動後の特別図柄が大当たり態様となることに基づいて特別利益状態が発生したときに、開閉板39が所定の開放パターンに従って前側に開放して、その上に落下した遊技球を内部へと入賞させるようになっている。
後構造体23は、図3,図5に示すように、その前面側(遊技盤11側)下部箇所に、役物(図7に示す球運搬役物48)を可動する可動役物装置40(可動役物ユニット)が配設されている。具体的には、可動役物装置40の正面視で四隅に形成された貫通孔40a(図4参照)に挿入したネジ40bを、後構造体23の前面側においてこの貫通孔40aに対応する箇所に形成された取付穴部23bに螺入することで可動役物装置40が後構造体23に取り付けられている。
可動役物装置40は、図4に示すように、球運搬役物48を可動する可動役物構成部41と、この可動役物構成部41を保護するカバー部材42(保護カバー)とを備えている。以下、カバー部材42と可動役物構成部41との構造等について説明する。
このカバー部材42は、図4、図5に示すように、可動役物構成部41の前面側箇所及び上部前側箇所を覆う形状としている。図4に示すように、カバー部材42は、可動役物構成部41に対してネジ止め固定されている。具体的には、図4に示すように、カバー部材42の左右端の合計5箇所に形成された各貫通孔42aに挿入したネジ42bを、可動役物構成部41のユニットベース49に形成されたネジ孔49aに螺入することで、カバー部材42が可動役物構成部41にネジ止め固定される。このカバー部材42は、例えば透明の樹脂成型品としている。なお、カバー部材42は、半透明、有色透明、有色半透明などとしてもよい。
前構造体21は、図5に示すように、正面視で下部箇所に、遊技盤11の装着孔11aに挿入される挿入領域部20を備えている。この挿入領域部20は、遊技球が転動するステージ26と、そのステージ26の奥側に立設され且つ当該ステージ26を転動する遊技球が接触可能な装飾板部21bとを備えている。また、装飾板部21bは、例えば透明の樹脂成型品であり、ステージ26に沿って略一定高さ(例えば、遊技球の半径以上で直径以下の高さ)としている。なお、装飾板部21bは、半透明、有色透明、有色半透明などとしてもよい。
また、カバー部材42は、図2、図5に示すように、前構造体21と後構造体23の遊技盤11への取り付け状態において、前構造体21の装着孔11aに挿入された挿入領域部20とそれよりも奥側箇所とを区画する区画壁部43を備えている。この区画壁部43は、ステージ26又は後述する装飾部品60の方に飛び込んできた遊技球がステージ26よりも奥側に進入することを防止している。前構造体21の装飾板部21bは、カバー部材42の区画壁部43の高さよりも低くなっている。
図5に示すように、前構造体21の装飾板部21bとカバー部材42の区画壁部43とは、遊技球の通過が不可な程度に近接配置されている。具体的には、装飾板部21bとカバー部材42の区画壁部43との間隔は、例えば1〜2ミリ程度としている。
また、カバー部材42は、図6に示すように、装飾板部21b及びステージ26に対応する箇所(例えば図6に二点鎖線で示す領域箇所)に光拡散部44を備えている。この光拡散部44は、例えば、カバー部材42の当該箇所の表面(前面、裏面又は両面)に微小凹凸を形成したものである。また、可動役物構成部41は光拡散部44に光を照射するLED53a(発光ダイオード:図6、図7参照)を備えている。このLED53aから入射された光がカバー部材42の光拡散部44で拡散して出射されて、装飾板部21b、ステージ26及び装飾枠24が発光し、これらが発光装飾されると共に、ステージ26を揺動する遊技球(ステージ球)が照らされて見易くなる。なお、光拡散部44は、微小凹部又は微小凸部の何れかを形成したものとしてもよいし、光拡散シートを貼り付けたり、光拡散塗料を塗布したり、光拡散粒子を含有させたりしてもよい。
また、カバー部材42は、図3、図4に示すように、その前面箇所に前方に突出した装飾部品60を備えている。装飾板部21bは、図1、図2及び図5に示すように、その端部箇所のうちで装飾部品60に対向する端部形状を、装飾部品60に対して所定の隙間(例えば、遊技球の直径以下の隙間)を空ける形状としている。つまり、図1、図2に示すように、装飾板部21bと装飾部品60との間に隙間部45aが形成されている。
カバー部材42の区画壁部43は、図2〜図5に示すように、遊技盤11の正面視において装着孔11aに位置する上端箇所が奥側に向けて屈折した屈折壁46を備えている。この屈折壁46の下方には、図5に示すように、可動役物構成部41の上部前側箇所が位置している。また、この屈折壁46の上方近傍箇所には、前述の画面用透明板30の下端部が遊技球の直径以下の間隔で近接しているため、屈折壁46と画面用透明板30との間に向けて遊技球が飛び込んできたとしてもこの隙間から遊技球が進入することがない。
屈折壁46は、例えば、カバー部材42の上端部で装飾部品60の上辺に沿って且つ当該上辺よりも長い範囲箇所にわたって形成されている。カバー部材42に屈折壁46を採用することで、カバー部材42の強度を向上させることができ、当該カバー部材42の前側に装飾部品60を取り付けた場合でも、カバー部材42の変形を低減できる。また、カバー部材42に屈折壁46を設けることで、カバー部材42で覆われた可動役物構成部41やカバー部材42の背後側の他の構成物に不正行為者が不正具を進入させ難くできる。
続いて、可動役物構成部41について説明する。図3、図4に示すように、この可動役物構成部41は、その正面視で右角部箇所に、封入球が供給される供給通路部47を備えている。封入球とは、パチンコ機内に封入して当該パチンコ機内部で循環させる循環球が挙げられ、発射装置(図示省略)から打ち出されて遊技領域13を流下する遊技球とは区別されている。
具体的には、供給通路部47には、本実施形態のパチンコ機に内蔵された図14に示す封入球循環装置78(本実施形態では、その循環経路の図示を省略している)から封入球が供給されるようになっている。この封入球循環装置78は、図1に示す遊技盤11の背面側で装着孔11aの周囲箇所に封入球の環状循環経路を形成するものが挙げられる。図3に示すように、供給通路部47は、前方に開口した封入球用開口47aに封入球が供給され、図7に示すように封入球通過検出センサ47bで封入球が通過検出され、排出口47cから球運搬役物48に排出される。この封入球通過検出センサ47bにより、球運搬役物48に封入球が供給されたことが検出される。
この球運搬役物48は、図7〜図9に示すように、供給通路部47からの封入球が受け入れ可能な容器形状とした容器部48aを備えている。本実施形態では、この球運搬役物48の容器部48aは、図9に示すように、1個の封入球を支持可能な大きさであり、封入球を支持する容器内側形状が縦断面視でレの字溝(V溝)形状としている。また、容器部48aの開口横幅は、図7に示すように、供給通路部47の排出口47cよりも大きくなっているので、球運搬役物48が後述する外的衝撃で原点位置P0からずれたとしても供給通路部47からの封入球を受け入れることができる。
可動役物構成部41は、図4、図7に示すように、球運搬役物48を横方向に往復移動可能な往復移動機構50と、球運搬役物48を起立姿勢と傾斜姿勢とに姿勢変更可能な姿勢変更機構56と、これらの往復移動機構50及び姿勢変更機構56が配設される正面視で横長薄板形状のユニットベース49と、を備えている。これらの構成について以下に説明する。
往復移動機構50は、図7に示すように、球運搬役物48を、最右端の原点位置P0から往路方向Fに各移動先位置P1〜P6を経て最左端の移動先位置P7に移動(往路方向移動)させた後に、復路方向Rに移動させて最終的に原点位置P0に戻す移動(復路方向移動)を行うように変位駆動するものである。本実施形態では、球運搬役物48を、原点位置P0から各移動先位置P1〜P6を経て最左端の移動先位置P7に移動させ、最左端の移動先位置P7と最右端の移動先位置P1との間を往復移動させる際にそれらのうちの何れかの移動先位置(例えば遊技者から指示された場合はその指示に応じた移動先位置、指示がないときには無指示の場合の移動先位置など)で一時的に停止させた後に、最終的に原点位置P0に戻るという変動態様が挙げられる。
具体的には、往復移動機構50は、図7に示すように、ユニットベース49の前面左端下部の背面箇所に配設されたステッピングモータ50aと、このステッピングモータ50aの回転軸に連結し且つユニットベース49の前面左端下部箇所で回動可能に設けられたモータギア50bと、このモータギア50bと歯合するアイドルギア50cと、このアイドルギア50cと歯合するプーリー減速ギア50dと、このプーリー減速ギア50dの前側に一体形成され且つ当該プーリー減速ギア50dの回転軸と同一軸心で回転する駆動側プーリー50eと、ユニットベース49の前面右端箇所に配設されたアイドルプーリー50fと、駆動側プーリー50eとアイドルプーリー50fとに掛けられた歯付きベルト50gと、この歯付きベルト50gの上方に平行配置された2本のスライドシャフト50hと、ユニットベース49の前面両端箇所で駆動側プーリー50e及びアイドルプーリー50fよりも上方箇所にそれぞれに配設されて2本のスライドシャフト50hの両端をそれぞれ支持する各シャフト押え部51と、歯付きベルト50gの一部箇所を挟持する挟持部52aが下部箇所に形成され且つ2本のスライドシャフト50hが挿入される案内部52bが中部箇所に形成されると共に上部箇所に球運搬役物48が位置する球横行ベース52と、を備えている。
なお、図7に示すように、ユニットベース49の前面右側箇所には、前方に突出形成された支持板部49bを備え、この支持板部49bの右面箇所には挿入突起部49cが突出形成されている。この挿入突起部49cがテンションスプリング49d(コイルバネ)の左端側に挿入され、プーリースライダー49eの基端部に形成された基端突起部49fがテンションスプリング49dの右端側に挿入され、このプーリースライダー49eの背面箇所に突出形成されたスライド部49g(図8参照)がユニットベース49の長孔49h(図8参照)にスライド自在に係止され、このプーリースライダー49eの他端側にアイドルプーリー50fが回転可能に軸支されている。このようにプーリースライダー49eがテンションスプリング49dを介して支持され且つアイドルプーリー50fがプーリースライダー49eに回動可能に軸支されているので、歯付きベルト50gに適切なテンションをかけることができ、上部に球運搬役物48を有する球横行ベース52を安定的に横方向に往復移動させることができる。
ステッピングモータ50aの回転力が、モータギア50b、アイドルギア50c及びプーリー減速ギア50dを経て駆動側プーリー50eに伝達されて歯付きベルト50gが駆動されると共に、アイドルプーリー50fが従動することで、歯付きベルト50gに取り付けられた球横行ベース52が2本のスライドシャフト50hによって案内されながら横方向にスライド移動する。モータギア50b及びアイドルギア50cに掛けられた歯付きベルト50gの下側ベルト、つまり、球横行ベース52の挟持部52aに挟持された下側ベルトが右方向に移動すれば球横行ベース52が右方向に移動し、左方向に移動すれば左方向に移動する。よって、球横行ベース52の上部に配設された球運搬役物48が横方向に移動する。
また、ユニットベース49は、図4,図7に示すように、プリント配線基板53を備えている。このプリント配線基板53は、図7に示すように、前面上部箇所に横並びに7個のLED53aが実装されると共に、前面下部箇所に横並びに7個の移動先位置検出センサ54と、この一群の移動先位置検出センサ54のうち右端の移動先位置検出センサ54の右斜め上箇所に1個の原点位置検出センサ55とが実装されている。この移動先位置検出センサ54及び原点位置検出センサ55は、例えば、同一タイプ(規格)の検出センサであり、透過型フォトインタラプタを採用している。透過型フォトインタラプタは、対向配置された発光部及び受光部を備え、この発光部と受光部との間に後述する検出片(原点検出片55aや移動先検出片54a)が位置すると発光部からの光が遮られて受光部での受光量が低減することに基づいて、球運搬役物48がセンサ位置にあることを検出する。
具体的には、原点位置検出センサ55は、球運搬役物48が原点位置P0に位置することを検出するものである。また、7個の移動先位置検出センサ54は、球運搬役物48が7箇所の移動先位置P1〜P7にそれぞれ位置することを検出するものである。
球横行ベース52は、図5、図7及び図11に示すように、その背面下部箇所に、原点位置検出センサ55で検出される原点検出片55a(第1検出片)と、移動先位置検出センサ54で検出される移動先検出片54a(第2検出片)とを備えている。図11に示すように、原点検出片55aの検出対象幅W1は、移動先検出片54aの検出対象幅W2よりも広くなっている。
なお、図11は、球運搬役物48が原点位置P0にある状態(原点検出片55aが原点位置検出センサ55に位置している状態)を示すものであり、移動先検出片54aの箇所に二点鎖線で示す移動先位置検出センサ54については説明の便宜のために図示したに過ぎない。つまり、図7に示すように球運搬役物48が原点位置P0にある状態では、原点検出片55aが原点位置検出センサ55に位置し、移動先検出片54aは一群の移動先位置検出センサ54から右側に外れた位置にあり、移動先検出片54aは何れの移動先位置検出センサ54にも位置しない。また、球運搬役物48が何れかの移動先位置P1〜P7にある状態では、それに対応する移動先位置検出センサ54に移動先検出片54aが位置し、原点検出片55aが原点位置検出センサ55から外れた位置にある。すなわち、原点位置検出センサ55による原点検出片55aの検出と移動先位置検出センサ54による移動先検出片54aの検出とが同時に検出されることはない。
次に、姿勢変更機構56について説明する。姿勢変更機構56は、球運搬役物48を、図10(a)に示す起立姿勢(封入球を保持する姿勢)と、それよりも後方に傾斜させた図10(b)に示す傾斜姿勢(封入球を排出する姿勢)と、に姿勢変更駆動するものである。
具体的には、姿勢変更機構56は、図4及び図7に示すように、2本のスライドシャフト50hの上方に平行配置され且つ各シャフト押え部51によって両端がそれぞれ回動可能に横向き支持された回動棒部材56aと、ユニットベース49の前面左端箇所に下向き配設されて回動棒部材56aを回動させるためのソレノイド57と、このソレノイド57のプランジャー57aの先端に取り付けられた逆L字状のヘッド部57b(図8参照)と、このヘッド部57bの回動棒部材56a側に形成された挿入孔57c(図8参照)に挿入され且つ当該回動棒部材56aの左端面の偏心位置に形成された偏心突起部57d(図8参照)と、球横行ベース52の上側箇所に横向きに貫通形成され且つ回動棒部材56aが挿入される横孔部57e(図5参照)と、この球横行ベース52の横孔部57eよりも上方箇所に配設され且つ球運搬役物48を回動可能に軸支する軸支部57fと、球運搬役物48の下部箇所に下向き突出した突出片48b(図9参照)と、回動棒部材56aの上側箇所に形成され且つ球運搬役物48の突出片48bを挟持可能な排出カム部58と、を備えている。
また、球運搬役物48は、図9、図10(a)に示すように、封入球を保持可能な起立姿勢(通常姿勢)となるように、引張りばね48cによって付勢されている。具体的には、球運搬役物48の容器部48aの下部前側箇所に形成された被係止部48dと、球横行ベース52の案内部52bに形成された被係止部52cとに引張りばね48cが掛けられており、引張りばね48cのばね力で球運搬役物48が起立姿勢に付勢されている。この起立姿勢の球運搬役物48は、図4に示すように、当該球運搬役物48の容器部48aの底面両端箇所48eが球横行ベース52の一対の立設板52dの上辺箇所に当接した状態となっており、それ以上回動しないように規制されている。
排出カム部58は、図7,図9に示すように、正面視で回動棒部材56aの上側箇所に長手方向に略全体にわたって形成された長板部58aと、この長板部58aよりも奥側箇所で且つ回動棒部材56aの長手方向に離間形成された8個の延出片58bとを備えている。図9に示すように、回動棒部材56aの回動軸視で長板部58aと延出片58bとの間隔は、球運搬役物48の突出片48bが介装可能な間隔としている。
例えば、図7、図8に二点鎖線で示すように球運搬役物48が最左端の移動先位置P7に位置している場合(他の移動先位置P1〜P6に位置している場合も同じ)には、図10(a)に示すように、球運搬役物48の突出片48bが、排出カム部58の長板部58aといずれかの延出片58bとの間に位置している。この状態においてソレノイド57を通電するとそのプランジャー57aが当該ソレノイド57内に吸引されて当該プランジャー57a先端のヘッド部57bが上昇する。これによって、回動棒部材56aの図8に示す偏心突起部57dが、図10(b)に示すように、右側面視で反時計回りに回動して回動棒部材56a自体も反時計回りに回動し、引張りばね48cのばね力に抗して球運搬役物48の突出片48bが回動棒部材56aの延出片58bによって押され、球運搬役物48が球横行ベース52の軸支部57fを軸心として右側面視で時計回りに回動して背後側に傾斜した傾斜姿勢となり、傾斜姿勢の球運搬役物48から封入球が背後側に排出される。
球横行ベース52は、図5、図8、図9及び図10に示すように、その背面側箇所に、傾斜姿勢の球運搬役物48からの封入球が入力される背後通路部59を備えている。この背後通路部59は、図10(a)に示すように、上側に形成されて封入球が入力される球入口59aと、下側に形成されて入力された封入球を出力する球出口59bと、を備え、球横行ベース52にネジ止めされている。また、図5及び図10に示すように、後構造体23は、背後通路部59の近傍箇所に位置する案内壁23cを備えている。図10(b)に示すように、傾斜姿勢の球運搬役物48から排出された封入球は、後構造体23の案内壁23cに接触して背後通路部59の球入口59aに案内される。なお本実施形態では、後構造体23は案内壁23を備えているが、後構造体23と可動役物装置40との間に図示省略の後側可動装置(装飾装置などであってもよい)を配設し、この後側可動装置に案内壁23を備えるようにしてもよい。また、球運搬役物48からの封入球を背後通路部59に直接に供給するのであれば、案内壁23を設けなくてもよい。
また、ユニットベース49は、図5、図8及び図10に示すように、その背面箇所で且つ球横行ベース52の移動範囲(正確には球運搬役物48の原点位置P0を除く球横行ベース52の移動範囲)に対応するように横長形状とした球支持板部49kを備えている。この球支持板部49kは、図10(a)に示すように、背後通路部59の球出口59bに近傍対向しており、図10(b)に示すように、背後通路部59内の封入球を支持する。
さらに、ユニットベース49は、図8に示すように、背面視で、球運搬役物48が原点位置P0に位置するときの背後通路部59の下方箇所から右端箇所まで右斜め下り傾斜する傾斜案内通路部49iを備えている。傾斜案内通路部49iは、ユニットベース49の背面視で、その左端上側に球入力開口49jを備え、その右端箇所に封入球の通過を検出する封入球排出検出センサ47dを備えている。この封入球排出検出センサ47dにより、可動役物装置40から封入球が排出されたことが検出される。
図10(b)に示すように、球横行ベース52が原点位置P0に戻るまでは、ユニットベース49の球支持板部49kに封入球が支持された状態となっており、図9に示すように球横行ベース52が原点位置P0に位置すると、背後通路部59の球出口59b箇所に球支持板部49kが存在せず、背後通路部59内の封入球が傾斜案内通路部49iの球入力開口49jに落下して当該傾斜案内通路部49iを通じて右端側に案内される。なお、傾斜案内通路部49iで案内された封入球は、前述した封入球循環装置78によって可動役物装置40の供給通路部47に供給可能となっている。この傾斜案内通路部49iは、前述した封入球循環装置78の構成の一部に該当する。
これとは逆に、ソレノイド57を非通電とするとそのプランジャー57aが当該ソレノイド57のばね(図示省略)のばね力で下方向に進出して当該プランジャー57a先端のヘッド部57bが下降する。これによって、右側面視において回動棒部材56aの図8に示す偏心突起部57dが、図10(a)に示すように、時計回りに回動して当該回動棒部材56a自体も時計回りに回動し、回動棒部材56aの延出片58bによる球運搬役物48の突出片48bへの押し力が解消され、引張りばね48cのばね力によって球運搬役物48が球横行ベース52の軸支部57fを軸心として右側面視で反時計回りに回動して起立姿勢に戻される。
本実施形態では、球運搬役物48(役物)は封入球を運搬するものとしているが、遊技領域13を流下する遊技球を運搬するものとしてもよい。また、この球運搬役物48は、球(封入球、遊技球などの各種の球を含む。以下同じ。)1個のみを運搬可能な構成としているが、複数個の球を運搬可能な構成としてもよいし、その容器構成は本実施形態以外の構成を採用してもよい。
本実施形態では、球運搬役物48の原点位置検出のために、球横行ベース52に原点検出片55aを設け、プリント配線基板53に原点位置検出センサ55を設けているが、球横行ベース52に原点位置検出センサ55を設け、プリント配線基板53に原点検出片55aを設けるようにしてもよい。なお、移動先位置を単一とする場合には、球横行ベース52に移動先位置検出センサ54を設け、プリント配線基板53に移動先検出片54aを設けるようにしてもよい。
ここで、カバー部材42の装飾部品60について説明する。装飾部品60は、図5、図12に示すように、内部に収納空間を形成する外形ケース61と、前記収納空間に収納される、LED65(発光ダイオード65)を実装したLED実装基板64と、外形ケース61の前面側に取り付けられた前面カバー66(前面側発光領域部)と、を備えている。LED実装基板64のLED65からの光が前面カバー66の背面から入射されて、当該前面カバー66が発光する。このLED65は、複数色発光タイプのものが挙げられるが、単色タイプを採用してもよい。
具体的には、外形ケース61は、図12に示すように、前後面が略逆台形開口とした短筒形状で光透過性の枠ケース62と、この枠ケース62の前側に嵌合する光透過性の前面カバー66とを備えている。以下により、前面カバー66が枠ケース62に固定される。つまり、枠ケース62の挿入穴62aに前面カバー66のボス66aを挿入するようにして前面カバー66を枠ケース62の前側に取り付けた状態とし、枠ケース62の挿入穴62aの中心に形成された貫通穴(図示省略)に挿入したネジ62bを前面カバー66のボス66aの先端に形成されたネジ穴(図示省略)に螺入することで、前面カバー66が枠ケース62に固定される。なお、枠ケース62は、有色の樹脂成型部品であり、非光透過性としてもよいし、前面カバー66の光透過性と異なるものとしてもよい。また、前面カバー66は、有色の樹脂成型部品であり、枠ケース62と異なる色としてもよい。
カバー部材42は、正面視で基板取付領域42cにおける左上及び右下の両箇所にピン42dが形成され、LED実装基板64は、カバー部材42のピン42dに対応する箇所(正面視で左上及び右下箇所)にピン孔64aが形成されている。LED実装基板64のピン孔64aにカバー部材42のピン42dを挿入してLED実装基板64をカバー部材42の基板取付領域42cに位置させて、LED実装基板64の前側から当該LED実装基板64の貫通孔64bにネジ64cを挿入してカバー部材42のネジ孔42eに螺入することで、LED実装基板64がカバー部材42にネジ止め固定されている。
図12に示すように、カバー部材42は、その基板取付領域42cに、例えば1ミリ程度前方に突出した当接部42f(当接凸部)が形成されている。この当接部42fは、基板取付領域42cの周縁部と、カバー部材42のピン42d及びネジ孔の周囲箇所と、ピン42d及びネジ孔を結ぶ箇所と、に形成されている。LED実装基板64がカバー部材42にネジ止めされた状態では、LED実装基板64の半田面64dにおける半田付け箇所以外の箇所が当接部42fに当接し、LED実装基板64の半田面64dにおける半田付け箇所がカバー部材42に直当たりしないように所定間隔(例えば1ミリ程度)を空けた状態となっている。このようにすることで、LED実装基板64の半田付け箇所にカバー部材42が当たること等で半田付け箇所が損傷することを低減でき、またLED実装基板64の絶縁性もより確保されている。
なお、カバー部材42の当接部42fに替えて、カバー部材42の基板取付領域42cに柔軟性のある絶縁シートを位置させるようにしてもよい。この場合も、半田付け箇所が損傷することを低減でき、LED実装基板64の絶縁性を確保できる。
そして、LED実装基板64をカバー部材42の前面側にネジ止め固定した後に、前面カバー66を取り付けた枠ケース62によってLED実装基板64を覆うようにして当該枠ケース62をカバー部材42に取り付ける。具体的には、カバー部材42の背後から当該カバー部材42の貫通孔42jにネジ42kを挿入し、このネジ42kを枠ケース62のボス62cに螺入することで、装飾部品60がカバー部材42の前側に固定される。
また、前面カバー66はその前面側全体が発光しており、前面カバー66の前面側全体が前面側発光領域部としているが、前面側の一部(前面側全体のうちの一部領域や、所定の文字が形成された文字部分、所定の図形や絵が形成された絵柄部分)を前面側発光領域部としてもよい。
また、図5に示すように、装飾部品60の上面60aは、前方に下り傾斜した傾斜面としている。よって、装飾部品60の上面60aに遊技球が乗った場合でも、当該上面60aが前方に下り傾斜した傾斜面であるため、当該上面60aに乗った遊技球は傾斜面によって下り排出され、装飾部品60の上面60aに遊技球が残留することを低減できる。
本実施形態のパチンコ機は、図14に示すように、遊技機を統括制御する主制御基板72と、この主制御基板72からのコマンドに基づいて表示演出や音声制御する演出制御基板73とを備え、画像表示手段22は演出制御基板73からのコマンドに基づいて画像表示を行う。例えば、画像表示手段22に所定表示演出がされる場合にLED実装基板64のLED65を発光制御する。ここで、この所定表示演出は、例えば特別保留個数が1以上の場合にその各保留記憶の内容、即ち大当たり態様に対応するものであるか否か等を報知する演出、保留記憶中に大当たり態様に対応するものが存在するか否かを複数回の特別図柄変動にわたる連続予告により報知する演出、特別なリーチ演出を出現させる演出等、どのようなものでもよい。また、後述するように装飾枠24(センターケース)への入球に基づいて発光制御してもよい。また、この表示演出の場合と、装飾枠24への入球の場合とで、LED65の発光態様(発光色、発光強度、点滅パターンの少なくとも一つ)を異ならせるようにし、表示演出と装飾枠24への入球との違いを遊技者に示唆することができる。
また、図5に示すように装飾部品60の下面60bからステージ26までの距離は、遊技球の直径よりも大きくしているので、装飾部品60とステージ26との間を遊技球が転動することができ、装飾部品60によってステージ26の転動範囲が狭くなることを防止できる。
また、図12に示すように、LED実装基板64の右端側箇所には、横向きにコネクタ部64eが形成されており、LED実装基板64のコネクタ部64eに接続された配線67は、カバー部材42の基板取付領域42c内であってコネクタ部64eに近い箇所に前後に貫通した配線口42gを通してカバー部材42の背面に案内され、カバー部材42の背後の配線案内部(図示省略)に敷設されて配線用係止爪42iにより当該配線案内部に保持されている。また、装飾枠24におけるステージ26の左右端の前側箇所に遊技球の落下防止壁26aが立設されており、この落下防止壁26aによってカバー部材42における装飾部品60の左右箇所が隠れているために、装飾部品60の配線67が遊技盤11の正面視で遊技者から見えないようになっており、装飾部品60の美感を害することがない。また、配線67が必要な装飾部品60を、後構造体23側に取り付けられたカバー部材42に取り付けているので、前構造体21側に配線67を通さなくて済み、前構造体21のデザインを変更してリユース(再利用)する際に、前構造体21を容易に取り外すことができる。
このように、後構造体23に配設された可動役物装置40のカバー部材42は、その前面に突出する装飾部品60を備えているので、前後方向に奥行き感のある装飾部品60によってカバー部材42の装飾性を高めることができる。このカバー部材42は、遊技盤11の正面視で、遊技者が注視するステージ26の上方近傍箇所に位置している関係上、装飾部品60による装飾美によって遊技者の興趣性を向上させることができる。
なお、装飾部品60をカバー部材42の前側に取り付ける構成(取付部)として、前述したネジ止め以外に、係止固定、嵌合固定、スライド固定などを採用してもよい。例えば、係止固定では、枠ケース62又はカバー部材42の一方に係止部を設け、その他方に被係止部を設け、被係止部に係止部を係止させて装飾部品60をカバー部材42に固定することが挙げられる。また、嵌合固定では、枠ケース62又はカバー部材42の一方に嵌合ピンを設け、その他方に被嵌合部を設け、被嵌合部に嵌合ピンを嵌合させて装飾部品60をカバー部材42に固定することが挙げられる。また、スライド固定では、枠ケース62又はカバー部材42の一方に凸部を設け、その他方に枠ケース62又はカバー部材42の相対移動方向に形成された凹部を設け、凹部に凸部をスライド挿入させて装飾部品60をカバー部材42に固定することが挙げられる。
また、図1に示すように、装飾枠24は、遊技球が入球する入球口25と、この入球口25に入球した遊技球をステージ26に案内するワープ通路25aと、入球口25に入球した遊技球を検出する入球検出センサ25b(入球検出手段)と、を備えている。そして、入球検出センサ25bによる入球検出は、例えば演出制御基板73に入力され、この演出制御基板73は、入球検出センサ25bでの入球検出に基づいてLED実装基板64のLED65を発光制御する。この場合には、装飾枠24のステージ26上の遊技球が装飾部品60の下面60bつまり外形ケース61の下部面(下面側発光領域部)から出射される光で照らされ、ステージ26上の遊技球に注意を喚起できると共にそのステージ球が見易くなり、そのステージ球が特別図柄始動手段16に向けて排出されるか否かを遊技者は楽しむことができる。また、前述の演出制御基板73に替えて、主制御基板72や他の制御基板によってLED実装基板64のLED65の発光制御を行うようにしてよい。
また、図2に示すように、装飾部品60の上面60aは、飛び込んできた遊技球が転動可能な転動領域が形成された上側転動部となり得る。例えば、上側転動部は、図2に示すようにその断面視で両端側が高く且つ中央箇所がそれよりも低くなった略円弧状としている。また、波形などに形成してもよい。また、上側転動部は、当該上側転動部を転動する遊技球を遊技盤11に配設された特別図柄始動手段16(図1参照)の方に向けて排出する排出用案内窪み(図示省略)を備えるようにしてもよい。この場合には、カバー部材42の前側箇所で且つステージ26よりも遊技球直径以上の高さ箇所に取り付けられた装飾部品60の上面60aに遊技球が飛び込んできた場合であっても、この飛び込み球を当該上面60aである上側転動部において転動させることができ、飛び込み球の転動態様を遊技者に見せることができる。また、装飾部品60の上面60aに飛び込んできた飛び込み球が当該上面60a(上側転動部)を転動して排出用案内窪みに捕らえられると、遊技領域13の特別図柄始動手段16の方に向けて排出されるので、遊技者は、特別図柄始動手段16への入賞の期待感を持って飛び込み球の流下を楽しむことができる。また、外形ケース61が光透過性であるため、装飾部品60の上面60a(上側転動部)を発光させることができ、装飾部品60の上面60aに飛び込んできて転動する飛び込み球を照らすことができる。
さらに、装飾部品60の上面60a(上側転動部)は、排出用案内窪み以外の箇所に、特別図柄始動手段16以外に向けて遊技球を排出する他の排出用窪みを形成してもよい。この場合は、装飾部品60の上面60aへの飛び込み球についても、特別図柄始動手段16に向けて排出されるか又はそれ以外に向けて排出されるかを楽しむことができる。
また、図13に示すような装飾部品80を採用してもよい。この装飾部品80の外形ケース81は、前面側に所定の表示形状(例えば英字「V」)に象られた開口部83aを有する前飾りカバー83(前側部材に相当)と、この開口部83aと嵌合する正面視でV字状に象られた突起部84aが前面側に形成され且つ当該突起部84aを開口部83aに嵌合するようにして前飾りカバー83の後側に組み合わされる箱ケース84(後側部材に相当)とを備えている。前飾りカバー83は、その背面側のうち周縁部を除く箇所が前側に窪んだ窪み部83bが形成された略皿状部材であり、箱ケース84は、その前面側に、前飾りカバー83の窪み部83bと嵌合する嵌合突出部84bが形成されている。前記の英字 「V」の開口部83a,突起部84aに替えて、「ツモ牌」等の文字の開口部,突起部を採用してもよい。
前飾りカバー83の背面側の窪み部83bに箱ケース84の嵌合突出部84bを嵌合させて、前飾りカバー83の窪み部83bに形成されたボス83cを箱ケース84の嵌合突出部84bに形成された挿入穴84cに挿入し、箱ケース84の背後側から挿入穴84cの底面に形成された図示省略の貫通孔 (ネジ頭よりも小さい穴径である)にネジ85を挿入して前飾りカバー83のボス83cの先端面のネジ穴83dに螺入することで、前飾りカバー83を箱ケース84の前側に固定する。前飾りカバー83と箱ケース84との境界箇所に段差がなく、装飾部品60の上面60a、両側面及び下面60bは面一となっている。
この場合には、前飾りカバー83の開口部83aに箱ケース84の突起部84aを嵌合させることで、装飾部品60の前面側に所定の表示形状を形成することができ、装飾性に優れる。また、例えば装飾部品60の前面に装飾シールを貼り付けた場合には、装飾部品60の前面への遊技球の衝突に起因して、装飾シール自体が剥がれてきたり、装飾シールの表示が褪せてきたりすることが懸念されるが、前飾りカバー83の開口部83aに箱ケース84の突起部84aを嵌合させることで、装飾部品60の前面側に所定の表示形状を形成しているので、前記の懸念を解消できる。
ところで、不正行為者がガラス板9の所望箇所(例えばステージ26に対応する箇所など)に磁気発生源(磁石など)を近接させて、遊技球や封入球を不正操作(例えば遊技球を不正操作して特別図柄始動手段16、普通入賞手段18等に不正入賞させる操作など)したり、特別図柄始動手段16などを誤動作(不正な入賞検出を発生させるなど)させたりすることで不正な利益を得る不正行為を排除する必要がある。さらに、カバー部材42は、図3、図4及び図6に示すように、不正行為者が例えば磁気発生源(磁石など)を近接させた場合などの磁気検出する磁気センサ68を備えている。
具体的には、カバー部材42は、図6に示すように、その正面視で左端下部箇所、中央下部箇所及びその右斜め下近傍箇所に第1〜第3のセンサ取付部45bを備えている。第1〜第3のセンサ取付部45bには磁気センサ68が装着されている。なお、第1〜第3のセンサ取付部45bの各磁気センサ68を適宜に第1〜第3の磁気センサ68と呼ぶ。第1の磁気センサ68は、姿勢変更機構56、普通入賞手段18、ステージ球、特に左端側数個の移動先位置検出センサ54などへの磁気検出が可能である。第2の磁気センサ68は、特別図柄始動手段16、ステージ球、特に中央側数個の移動先位置検出センサ54などへの磁気検出が可能である。第3の磁気センサ68は、大入賞手段17、右側の普通入賞手段18、ステージ球、特に左端側数個の移動先位置検出センサ54などへの磁気検出が可能である。第1〜第3の磁気センサ68の検出信号は例えば主制御基板72に出力される。
例えば不正行為者がガラス板9のステージ26に近い箇所に磁石を近づけた場合には、ステージ26近くの第1〜第3の磁気センサ68によって磁気検出され、主制御基板72に検出信号が出力される。
図14に示すように、主制御基板72は、第1〜第3の磁気センサ68の何れかによる磁気検出に基づいて、演出制御基板73にコマンド(例えば報知コマンド)を送信し、演出制御基板73は前枠3の報知ランプ19bを点灯させたり、スピーカ19aから報知音を出力させたりする。このような報知を行うことで、不正行為の低減を図っている。また、主制御基板72は、遊技ホールのホールコンピュータ(図示省略)にコマンド(例えば通報コマンド)を送信し、かかる不正行為を遊技ホール関係者に通報してもよい。また、主制御基板72は、かかる磁気検出に基づいて特別利益状態を発生不可としたり、遊技球を発射不可としたりすること等で不正行為の低減をさらに図るようにしてもよい。
ここで、演出制御基板73における可動役物装置40の制御構成について説明する。前述したように、往復移動機構50は、図7に示すように、球運搬役物48を、原点位置P0から往路方向Fに各移動先位置P1〜P6を経て最左端の移動先位置P7まで移動(往路方向移動)させた後、最左端の移動先位置P7と最右端の移動先位置P1との間を往復移動させる際に何れかの移動先位置P1〜P7(例えば遊技者から指示された場合はその指示に応じた移動先位置、指示がない場合には無指示の場合の移動先位置など)で一時的に停止させた後に、復路方向Rに移動させて最終的に原点位置P0に戻る(復路方向移動)という一連の変位駆動を行うものである。
演出制御基板73は、図14に示すように、往復移動機構50を制御する往復移動制御部74を備えている。この往復移動制御部74は、図14に示すように、原点位置検出センサ55により球運搬役物48の原点位置P0を検出して当該球運搬役物48を原点位置P0で停止させた後から次回の一連の変位駆動開始までに、当該原点位置検出センサ55で当該球運搬役物48が非検出状態となったこと(事後的原点ズレ)を検出する事後的原点ズレ判定手段74aと、この事後的原点ズレ判定手段74aで事後的原点ズレが検出された場合には次回の一連の変位駆動を行う際に球運搬役物48を往路方向Fに移動させる原点ズレ移動規制手段74bと、を備えている。
図1に示すように、前面板5は、その貯留皿6の前面周壁部の箇所に、遊技者による球運搬役物48の移動停止指示を受ける演出ボタン10(停止指示操作部)を備えている。この演出ボタン10は、球運搬役物48が最左端の移動先位置P7と最右端の移動先位置P1との間を往復移動する期間において、その操作が有効となっている。具体的には、図14に示すように、演出ボタン10の操作信号は演出制御基板73に入力され、演出制御基板73は、演出ボタン10の操作が有効か否かを判定する操作有効判定手段75を備えている。この操作有効判定手段75は、有効期間(球運搬役物48が最左端の移動先位置P7と最右端の移動先位置P1との間を往復移動する期間)における操作であれば有効と判定し、そうでなければ無効と判定する。操作有効判定手段75で演出ボタン10の操作が有効と判定された場合には、演出制御基板73は、演出ボタン10の操作に対応する何れかの移動先位置P1〜P7で球運搬役物48を停止させるように往復移動機構50を制御する。
さらに、この往復移動制御部74は、図14に示すように、球運搬役物48が最左端の移動先位置P7と最右端の移動先位置P1との間を往復移動する期間において演出ボタン10の操作が操作された場合に、演出ボタン10の操作に対応する何れかの移動先位置P1〜P7で球運搬役物48を停止させ、当該移動先位置の移動先位置検出センサ54で球運搬役物48が検出された後から次の移動開始までに当該移動先位置検出センサ54で当該球運搬役物48が非検出状態となったこと(事後的移動先ズレ)を検出する事後的移動先ズレ判定手段74cと、この事後的移動先ズレ判定手段74cで事後的移動先ズレが検出された場合には球運搬役物48を復路方向Rに移動させる移動先ズレ移動規制手段74dと、を備えている。
さらに、演出制御基板73は、図14に示すように、封入球通過検出センサ47b及び封入球排出検出センサ47dが接続され、可動役物装置40の可動演出準備が完了しているか否かを判定する可動役物準備判定手段76を備えている。
可動役物準備判定手段76は、封入球排出検出センサ47dからの検出信号(球運搬役物48から封入球が排出されたこと)に基づいて、封入球有りフラグを「1」から「0」に変更して記憶する記憶部76aを備え、記憶部76aの封入球有りフラグが「0」であることに基づいて、次回の可動演出のための封入球が受け入れ可能であると判定する。そして、演出制御基板73は、可動役物準備判定手段76の封入球有りフラグが「0」であることに基づいて、可動役物装置40の供給通路部47に封入球を1個供給するように封入球循環装置78(図14参照)を制御する。可動役物準備判定手段76は、封入球通過検出センサ47bからの検出信号(球運搬役物48に封入球が供給されたこと)に基づいて、記憶部76aの封入球有りフラグを「0」から「1」に変更して記憶し、可動役物装置40の可動演出準備が完了していると判定する。なお、封入球循環装置78への封入球供給指示後の一定期間内において封入球通過検出センサ47bで封入球の通過検出がされない場合には、演出制御基板73は前枠3の報知ランプ19bを点灯させることで、封入球供給エラーを報知する。
このように、可動役物準備判定手段76は封入球有りフラグの値を記憶部76aに記憶しているので、例えばパチンコ機が停電又は瞬電した場合であっても、当該パチンコ機の復電時に封入球有りフラグに基づいて球運搬役物48に適切に封入球を供給できる。つまり、当該パチンコ機の復電時において、演出制御基板73は、封入球有りフラグが「0」であれば(球運搬役物48に封入球が無い状態)、球運搬役物48に封入球を供給するように封入球循環装置78を制御し、封入球有りフラグが「1」であれば(球運搬役物48に封入球がある状態)、球運搬役物48への封入球の供給を行わない。
ここで、可動役物装置40の可動演出について説明する。
演出制御基板73は、主制御基板72からの変動パターン指定コマンド及び特別図柄指定コマンドを受信した場合に、その変動パターン指定コマンドに対応する変動パターンに基づいて画像表示手段22の表示画面22a上で演出図柄の変動を開始させると共に演出図柄の変動後の停止図柄を抽選により決定する。その後に、演出制御基板73は、主制御基板72からの変動停止コマンドを受信したときに、抽選により決定した停止図柄で演出図柄の変動を停止させ、またその演出図柄の変動表示に合わせてスピーカ19a(図1、図14参照)から所定の効果音を出力し、図1に示す前枠3の電飾手段3aやセンターケース14の電飾手段14a(例えば、可動役物装置40のLED53aなどを含む)を所定のパターンで発光させる。
この変動パターン指定コマンドとしては、大当たり変動パターン、リーチ外れ変動パターン及び単なる外れ変動パターンを示す各変動パターン指定コマンドが挙げられる。大当たり変動パターンは、演出図柄が大当たりを示す態様(例えば同一の演出図柄で揃った態様)で停止する変動パターンである。リーチ外れ変動パターンは、演出図柄がリーチ外れを示す態様(大当たりの期待度が高い順位に、スペシャルリーチ、スーパーリーチ、ノーマルリーチ)で停止する変動パターンである。単なる外れ変動パターンは、演出図柄がリーチ状態にもならずに完全に外れた態様で停止する変動パターンである。
さらに、演出制御基板73は、主制御基板72からの変動パターン指定コマンドが例えばスーパーリーチの変動パターンである場合には、画像表示手段22の表示画面22aに演出図柄が変動表示されるスーパーリーチ変動表示に合わせて、可動役物装置40の可動演出を行うように当該可動役物装置40を制御する。
可動役物装置40の往復移動機構50は、演出制御基板73からの指示に基づいて、図7に示すように球運搬役物48を原点位置P0から往路方向Fに向けて移動させ、最左端の移動先位置P7の移動先位置検出センサ54で球横行ベース52の移動先検出片54aが検出されると、当該最左端の移動先位置P7で球運搬役物48が一旦停止する。なお、前述したように図14に示す可動役物準備判定手段76によって、球運搬役物48は封入球を保持している(図9参照)。
そして、画像表示手段22は、演出制御基板73からの指示に基づいて、表示画面22aに、演出ボタン10の操作を促す示唆演出を表示する。例えば、遊技者が演出ボタン10を操作することで、各移動先位置P1〜P7のうちで特定の移動先位置に球運搬役物48が停止することが遊技者にとって好ましい(例えば大当たり状態その他の利益付与状態)ことを示唆する示唆演出が挙げられる。ここでは、例えば「己の力で、当り牌で止めろ!」との示唆演出(演出ボタン10を押して、左から3番目の移動先位置P5で停止させろとの意味合いの示唆演出)が表示画面22aに表示されたとし、左から3番目以外の移動先位置P1〜P4、P6、P7で停止しても遊技者にとって利益が無いものとする。なお、遊技者による演出ボタン10の操作で、左端から3番目の移動先位置P5で球運搬役物48が停止することが最も好ましく、それ以外の移動先位置P1〜P4、P6、P7で停止した場合には、3番目の移動先位置P5で停止する場合よりも劣る利益が付与されるとしてもよい。
続いて、往復移動機構50は、演出制御基板73からの指示に基づいて、図7に示すように球運搬役物48を最左端の移動先位置P7と最右端の移動先位置P1との間を例えば等速度で数回往復移動させる。遊技者は、この球運搬役物48の往復移動期間において、球運搬役物48を3番目の移動先位置P5で停止させるタイミングで演出ボタン10を押下するように試みる。
演出制御基板73は、遊技者による演出ボタン10の押下タイミングが、球運搬役物48を3番目の移動先位置P5で停止させる許容範囲内であった場合には、球運搬役物48が3番目の移動先位置P5の移動先位置検出センサ54で検出された時点で球運搬役物48を停止させる。
当該許容範囲としては、例えば、球運搬役物48が復路方向Rに移動する際に左端から2番目の移動先検出センサで位置検出された後から3番目の移動先検出センサで位置検出されるまでに演出ボタン10が押下された場合や、球運搬役物48が往路方向Fに移動する際に左端から4番目の移動先検出センサで位置検出された後から3番目の移動先検出センサで位置検出されるまでに演出ボタン10が押下された場合が好ましいが、それ以外範囲としてもよい。
また、球運搬役物48の往復移動中に遊技者が演出ボタン10を押しさえすれば、必ず3番目の移動先位置P5で球運搬役物48が停止するようにしてもよい。この場合には、演出ボタン10の操作が苦手な遊技者や演出ボタン10の操作に不慣れな遊技者に対しても、可動役物装置40による可動演出を面白みのあるものとすることができる。
当該3番目の移動先位置P5で停止した後に、姿勢変更機構56は、演出制御基板73からの指示に基づいて、球運搬役物48を図10(a)に示す起立姿勢から図10(b)に示す傾斜姿勢に変更し、この球運搬役物48の封入球を背後通路部59に排出する。図10(b)に示すように、この背後通路部59内の封入球は、ユニットベース49の球支持板部49kで支持され落下しないようになっている。そして、姿勢変更機構56は、図10(b)に示す傾斜姿勢の球運搬役物48を、図10(a)に示す起立姿勢に戻す。
なお、球運搬役物48が3番目以外の移動先位置P1〜P4、P6、P7で停止した場合も上記と同様に姿勢変更機構56によって球運搬役物48が傾斜姿勢(図10(b)参照)に変更され、球運搬役物48の封入球が背後通路部59に排出され、ユニットベース49の球支持板部49kで支持され、球運搬役物48が起立姿勢に戻る(図10(a)参照)。
そして、画像表示手段22は、その表示画面22aに、球運搬役物48が3番目の移動先位置P5で停止したことに関する表示演出を表示する。なお、球運搬役物48が3番目以外の移動先位置P1〜P4、P6、P7で停止した場合にはそれに関する表示演出を表示する。
演出制御基板73は、図7に示すように、球運搬役物48を復路方向Rに向けて移動させて原点位置P0に停止させるように往復移動機構50を制御する。原点検出片55aが原点位置検出センサ55で検出された時点で球運搬役物48が停止し、可動役物装置40による可動演出が終了する。
例えば、図11に示すように球運搬役物48が原点位置P0に停止した後に、例えば遊技者がパチンコ機を強く叩くことによる外的衝撃によって、原点位置P0の球横行ベース52が往路方向F又は復路方向Rにずれたとしても、この原点検出片55aの検出対象幅W1が広いことから当該原点検出片55aが原点位置検出センサ55で検出される状態を維持し易い。また、それ以上の外的衝撃を受けて原点検出片55aが原点位置検出センサ55で非検出状態となったとしても、球運搬役物48の原点復帰処理を行わず、原点ズレ移動規制手段74bは、次回の一連の変位駆動を行う際に球運搬役物48を往路方向Fに移動させることができ、球運搬役物48を原点位置P0から移動先位置側とは反対側に向けて移動させることを防止できる。
また、球運搬役物48が移動先位置P1〜P7に一時的停止しているとき、例えば遊技者がパチンコ機を強く叩くことによる外的衝撃によって、その移動先位置の球横行ベース52が往路方向F又は復路方向Rにずれて、この移動先検出片54aが移動先位置検出センサ54で非検出状態となったとしても、球運搬役物48の移動先位置復帰処理を行わず、移動先ズレ移動規制手段74dは、球運搬役物48を復路方向Rに移動させて原点位置P0に戻すことができる。
なお前述した可動役物装置40の可動演出は、例えばスーパーリーチの変動パターンコマンドの場合に実行しているが、他の変動パターンコマンド(大当たり変動パターンやスペシャルリーチなど)の場合や、特別保留個数表示手段36の特別保留個数が1個以上の場合や、特別保留個数が1個以上でその各保留記憶の内容に大当たり態様に対応するものである場合や、保留記憶中に大当たり態様に対応するものが存在するか否かを複数回の特別図柄変動にわたる連続予告により報知する演出を行う場合等、どのようなものでもよい。
上述したようにこの実施形態のパチンコ機では、遊技球が流下する遊技領域13の面とその背面とにわたる装着孔11aを有する遊技盤11と、一部が装着孔11a内に位置するように遊技領域13の面に装着される前構造体21と、遊技盤11の背面における装着孔11aの少なくとも一部を含む箇所に装着される後構造体23と、この後構造体23の遊技盤11側に配設される可動役物構成部41と、後構造体23に配設された可動役物構成部41を覆うカバー部材42と、を備え、カバー部材42は、前構造体21及び後構造体23の遊技盤11への取り付け状態において、前構造体21の装着孔11aに挿入された挿入領域部20とそれよりも奥側箇所とを区画する区画壁部43を備えている。
したがって、後構造体23の可動役物構成部41を覆うカバー部材42を備えるので、遊技領域13の面に前構造体21を取り付けた遊技盤11の背面に後構造体23を取り付ける際、又はそれとは逆に、背面に後構造体23を取り付けた遊技盤11の遊技領域13の面に前構造体21を取り付ける際において、後構造体23側の可動役物構成部41をカバー部材42によって保護することができ、可動役物構成部41の損傷を低減できる。また、当該取り付け作業を過剰に注意する必要がないため、遊技盤11の生産性を向上させることができる。
また、後構造体23のカバー部材42は、前構造体21及び後構造体23の遊技盤11への取り付け状態において前構造体21の装着孔11aに挿入された挿入領域部20とそれよりも奥側箇所とを区画する区画壁部43を備えるので、前構造体21及び後構造体23の遊技盤11への取り付け状態において後構造体23のカバー部材42における区画壁部43が前構造体21の挿入領域部20のための区画位置に位置し、当該区画壁部43によって前構造体21の挿入領域部20とそれよりも奥側箇所とを区画することができる。つまり、後構造体23側のカバー部材42を、その被覆機能の他に、前構造体21の区画部材としての機能も持たせることができる。言い換えれば、前構造体21の区画部材を後構造体23のカバー部材42に変更活用すると共に、当該カバー部材42の区画壁部43が前構造体21の挿入領域部20のための区画機能を具備しているので、部品点数を増加させることなく可動役物構成部41の損傷低減及び区画機能の確保をすることができ、遊技盤11の生産性を向上させることができる。
また、ステージ26を転動する遊技球が接触可能な装飾板部21bを備えるので、ステージ球の奥側位置を安定して規制することができる。つまり、前構造体21とは別体である後構造体23のカバー部材42の区画壁部43にステージ球が接触することでステージ球の奥側位置が規制される構成とした場合には、前構造体21及び後構造体23の遊技盤11への取り付け状態つまり前構造体21及び後構造体23の相対位置関係によって前構造体21のステージ26と後構造体23の区画壁部43との間隔にバラツキが生じ、ステージ球の奥側位置が当該ステージ26の位置によって異なり、ステージ球が想定外の転動態様となる問題が懸念される。これに対して、前構造体21のステージ26に装飾板部21bを備えているので、前構造体21及び後構造体23の相対位置関係による影響を受けること無く、ステージ球の奥側位置を安定して規制することができる。
また、ステージ26の装飾板部21bを超えて飛び込んでくる遊技球については、区画壁部43によって後構造体23側への進入を排除でき、かかる飛び込み球をステージ26や遊技領域13に返すことができる。
また、装飾板部21bと区画壁部43とは、遊技球の通過が不可な程度に近接配置しているので、後構造体23のカバー部材42における区画壁部43を前構造体21に対して非接触とすることができ、前構造体21及び後構造体23の遊技盤11への取り付けの際に後構造体23のカバー部材42の区画壁部43の損傷を低減できる。また、装飾板部21bと区画壁部43との隙間から遊技球が進入することもない。
なお、装飾板部21bと区画壁部43との近接配置については、例えば、装飾板部21bと区画壁部43との最短距離が遊技球の直径以下とすることが好ましい。さらに、遊技球の半径以下とすることが好ましい。
また、区画壁部43は、その端部のうちで遊技領域13の面を見た状態において装着孔11aに位置する端部が奥側に向けて屈折した屈折壁46を備えている。この屈折壁46によって可動役物構成部41の該当箇所がさらに覆われるので、可動役物構成部41をさらに保護できる。また、屈折壁46により、区画壁部43が前後方向に撓むことを低減できる。
また、カバー部材42は、装飾板部21bの所定箇所に対応する箇所に光拡散部44を備え、可動役物構成部41は光拡散部44に光を照射するLED53aを実装したプリント配線基板53を備え、装飾板部21bは光透過性であるとしている。したがって、可動役物構成部41のプリント配線基板53のLED53aからカバー部材42の光拡散部44に光照射すると、当該光拡散部44で拡散されてステージ26の装飾板部21bに出射され、当該装飾板部21bが発光するので、ステージ球を照らして見易くなる。また、カバー部材42の光拡散部44によって、その背後のプリント配線基板53などを隠すことができる。
また、カバー部材42は、区画壁部43の前構造体21側に突出した装飾部品60を、当該区画壁部43の前構造体21側で装飾板部21bの対応する箇所以外の箇所に備えているので、装飾部品60により区画壁部43の装飾性を向上させることができる。また、区画壁部43の装飾部品60は、図5に示すようにその背後に位置する可動役物構成部41の該当箇所(例えば回動棒部材56aの両端を除く中央部分など)を隠すことができる。
また、装飾板部21bは、その壁端部形状を装飾部品60に対して所定の隙間(例えば、遊技球の直径以下の隙間)を空ける形状としているので、前構造体21の装飾板部21bと後構造体23の区画壁部43の装飾部品60とが離間し、遊技盤11への前構造体21及び後構造体23の取り付けの際に、後構造体23の区画壁部43の装飾部品60と前構造体21の装飾板部21bとが当たることを低減できる。
なお、この隙間は、例えば、遊技盤11に対する前構造体21及び後構造体23の取り付け許容範囲以上の隙間とすることが挙げられる。遊技盤11への前構造体21及び後構造体23の取り付けの際に、遊技盤11に対して前構造体21及び後構造体23の取り付け位置を調整しても、前構造体21の装飾板部21bと後構造体23の区画壁部43の装飾部品60とが当たることが低減できる。
また、この実施形態のパチンコ機では、球運搬役物48を原点位置P0から移動先位置(移動先位置P1〜P7のうちの少なくとも何れか一つの位置)に移動させた後に原点位置P0に戻すように変位駆動する往復移動機構50と、球運搬役物48が原点位置P0に位置することを検出する原点検出片55a及び原点位置検出センサ55と、球運搬役物48が移動先位置に位置することを検出する移動先検出片54a及び移動先位置検出センサ54と、を備え、原点検出片55aはその位置検出範囲が移動先検出片54aのそれよりも広いものとしている。したがって、球運搬役物48が原点位置P0にある状態において例えば遊技者がパチンコ機を強く叩いて当該パチンコ機に外的衝撃が加えられたとしても、原点検出片55aはその位置検出範囲が移動先検出片54aのそれよりも広いので、原点位置P0の球運搬役物48がその原点位置検出範囲から外れることを低減でき、外的衝撃による球運搬役物48の原点位置不検出を低減でき、原点位置不検出による球運搬役物48の原点復帰処理を低減できるパチンコ機を提供することができる。
また、球運搬役物48は、ユニットベース49に対して変位可能であり、球運搬役物48を有する球横行ベース52は、原点検出片55aと移動先検出片54aとを備え、ユニットベース49は、原点検出片55aを検出する原点位置検出センサ55と、移動先検出片54aを検出する移動先位置検出センサ54とを備え、原点検出片55aの検出対象幅が移動先検出片54aのそれよりも広くしているので、球運搬役物48が原点位置P0にある状態では、移動先検出片54aよりも幅広の原点検出片55aが検出部に位置しており、外的衝撃を受けても原点検出片55aが検出部から外れることを低減でき、外的衝撃による球運搬役物48の原点位置不検出を低減でき、原点位置不検出による球運搬役物48の原点復帰処理を低減できるパチンコ機を提供することができる。
例えば遊技者がパチンコ機を強く叩いて当該パチンコ機に外的衝撃が加えられたことによって、元々原点位置P0にあった球運搬役物48がずれてしまい、原点検出片55aが原点位置検出センサ55で検出されない状態となった場合であっても、原点ズレ移動規制手段74bは、球運搬役物48の移動開始方向を移動先位置P1に向かう往路方向Fに規制する。したがって、当該外的衝撃で位置ずれした球運搬役物48を、次回の一連の変位駆動開始の際に確実に移動先位置P1の方に向けて移動させることができ、球運搬役物48が移動先位置P1に位置した時点で移動先検出片54a及び移動先位置検出センサ54によって位置検出され、球運搬役物48の位置が把握でき、一連の変位駆動を継続でき、原点復帰処理も不必要とすることができる。具体的には、原点位置P0にあった球運搬役物48が外的要因で移動先位置側にずれた場合では、次回の一連の変位駆動開始の際に当該球運搬役物48をそのまま移動先位置P1に向けて移動させることができる。またそれとは逆に、原点位置P0にあった球運搬役物48が外的要因で移動先位置側とは反対側(原点離脱側)にずれた場合では、次回の一連の変位駆動開始の際に、球運搬役物48を、原点位置P0を通過させて移動先位置P1の方に向かわせることができ、球運搬役物48の原点離脱側への移動を防止できる。つまり、外的衝撃で位置ずれした球運搬役物48を、特段の原点復帰処理を行うことなく一連の変位駆動の範囲内に戻して遂行することができる。
また、球運搬役物48の移動先位置(移動先位置P1〜P7の何れかの位置)に停止した後に、例えば遊技者がパチンコ機を強く叩いて当該パチンコ機に外的衝撃が加えられたことによって当該球運搬役物48がその移動先位置からずれてしまい、移動先検出片54aが移動先位置検出センサ54で検出されない状態となった場合であっても、移動先ズレ移動規制手段74dは、球運搬役物48の移動終了方向を原点位置P0に向かう復路方向Rに規制する。したがって、当該外的衝撃で位置ずれした球運搬役物48を一連の変位駆動中において確実に原点位置P0の方に向けて移動させることができ、球運搬役物48が原点位置P0に位置した時点で原点検出片55a及び原点位置検出センサ55によって球運搬役物48が原点位置検出され、球運搬役物48が原点位置P0に位置することを把握でき、一連の変位駆動を終了でき、移動先位置検出確認処理も不必要とすることができる。具体的には、移動先位置で停止した球運搬役物48が外的要因で原点位置側にずれた場合では、一連の変位駆動中において当該球運搬役物48をそのまま原点位置P0に向けて移動させることができる。またそれとは逆に、移動先位置で停止した球運搬役物48が外的要因で原点位置側とは反対側(移動先離脱側)にずれた場合では、一連の変位駆動中において、球運搬役物48を、移動先位置を通過させて原点位置P0の方に向かわせることができ、球運搬役物48の移動先離脱側への移動を防止できる。つまり、外的衝撃で位置ずれした球運搬役物48を、特段の移動先位置検出確認処理を行うことなく一連の変位駆動の範囲内に戻して終了することができる。
また、遊技者による演出ボタン10への操作に対応した移動先位置(移動先位置P1〜P7の何れかの位置)に停止した球運搬役物48が、例えば遊技者がパチンコ機を強く叩いて当該パチンコ機に外的衝撃が加えられたことによってずれてしまい、移動先検出片54aが移動先位置検出センサ54で検出されない状態となった場合であっても、移動先ズレ移動規制手段74dは、球運搬役物48の移動終了方向を原点位置P0に向かう復路方向Rに規制するので、当該位置ずれした球運搬役物48を確実に原点位置P0の方に向けて移動させることができ、球運搬役物48が移動先位置又は原点位置P0で位置検出され、球運搬役物48の位置が把握でき、球運搬役物48を原点位置P0に位置させて一連の変位駆動を終了でき、移動先位置検出確認処理も不必要とすることができる。具体的には、例えば移動先位置P5で停止した球運搬役物48が外的要因で原点位置側にずれた場合では、当該球運搬役物48をそのまま原点位置P0に向けて移動させることができる。またそれとは逆に、移動先位置P5で停止した球運搬役物48が外的要因で原点位置側とは反対側(移動先離脱側)にずれた場合では、球運搬役物48を、移動先位置P5を通過させて原点位置P0の方に向かわせることができ、球運搬役物48の移動先離脱側への移動を防止できる。つまり、外的衝撃で位置ずれした球運搬役物48を、特段の移動先位置検出確認処理を行うことなく一連の変位駆動の範囲内に戻して終了することができる。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
前述した実施形態では、球運搬役物48を所定の移動先位置(例えば移動先位置P1〜P7の何れかの移動先位置)に移動させる場合には、対応する移動先位置検出センサ54で移動先検出片54aが検出されると演出制御基板73はステッピングモータ50aの回動を停止させる。この移動先位置の停止状態では、図11(b)に示すように、例えば移動先検出片54aの検出対象幅W2の中央位置WC1が移動先位置検出センサ54の中央位置SC1と一致している。
これに対して、図11(b)に示すように、原点検出片55aの検出対象幅W1は移動先検出片54aの検出対象幅W2に比べて広いので、移動先位置の球運搬役物48を原点位置に戻す場合には、原点位置検出センサ55で原点検出片55aが検出されてステッピングモータ50aの回動を停止させると、原点検出片55aの中央位置WC1が原点位置検出センサ55の中央位置SC1に届いていない状態となる。そこで、以下に示すように、演出制御基板73は、原点検出片55aの中央位置WC1を原点位置検出センサ55の中央位置SC1に一致させる中央調整手段77(図14参照)を備えるようにしてもよい。
具体的には、中央調整手段77は、図11(c)に示すように、球運搬役物48が原点位置P0に停止したときの原点検出片55aの中央位置WC1(図11(c)の左側位置で細線の「×」)から原点位置検出センサ55の中央位置SC1(図11(c)の右側位置で太線の「×」)までの距離分に対応する送りステップSSの分だけステッピングモータ50aを回動させるものである。
送りステップSSは、パチンコ機の製造時において演出制御基板73の例えばRAM(図示省略)に予め記憶済みであり、球運搬役物48を復路方向Rに移動させて原点位置P0に戻す際において、原点位置検出センサ55が原点検出片55aを検出した際に、送りステップSSの分だけステッピングモータ50aを回動させて停止させることで、図11(c)に示すように、原点検出片55aの中央位置WC1を原点位置検出センサ55の中央位置SC1に一致させることができる。したがって、原点検出片55aが原点位置検出センサ55に中央揃えとなっているので、原点検出片55aの中央両側原点位置P0の球横行ベース52に対して外的衝撃による往路方向F又は復路方向Rの力が加えられたとしても、原点検出片55aが原点位置検出センサ55で非検出となることを低減できる。
また、前述した実施形態では、カバー部材42は、図4に示すように可動役物構成部41に対してネジ止め固定しているが、後構造体23に可動役物構成部41を取り付けた後に当該可動役物構成部41を覆う状態でカバー部材42を後構造体23又は可動役物構成部41に対して取り付けるようにしてもよい。また、カバー部材42、可動役物構成部41及び可動役物装置40の取り付け手段としてネジ止め固定を例に挙げて説明したが、それ以外の手段(係止、掛止、嵌合、遊嵌、接着、かしめ、締結など)で固定してもよい。
また、前述した実施形態では、遊技盤11の貫通部として、図2に示すように遊技盤11の中央箇所を前後方向に貫通した装着孔11a(貫通孔)を例に挙げて説明しているが、遊技盤11の一部に形成された切欠部等としてもよい。なお、この切欠部は、遊技盤11を実際に切り欠いて形成した切欠部であってもよいし、遊技盤11の製造時に形成される切欠部(例えば、遊技盤11を構成する複数個の構成基体を組み付けることで形成される切欠部)などであってもよい。
また、前述した実施形態では、配設部材として、可動役物構成部41を例に挙げて説明しているが、各種の可動部材、装飾部材などが挙げられる。可動部材としては、遊技演出に連動又は非連動で動作する可動部材や、遊技球(循環球を含む)に接触して動作する或いは当該遊技球に関連性を持たせた動作をする可動部材や、これらに以下の装飾を施したものなどが挙げられる。また、装飾部材としては、当該遊技機のキャラクタ、名称、遊技特徴、モチーフ等を表す種々の装飾的要素としての形状、模様、色彩、発光又はこれらを組み合わせた装飾部材などが挙げられる。
また、前述した実施形態では、図5に示すように、屈折壁46は、その上面前側箇所が手前側に向けて下り傾斜とした湾曲面を備えているが、その上面が手前側に向けて下り傾斜とした傾斜面を備えるようにしてもよい。この場合にも、区画壁部43の屈折壁46に乗り上げた遊技球をステージ26又は遊技領域13へ戻すことができ、屈折壁46上に遊技球が停留することを低減できる。
なお、前述した実施形態では、例えば遊技者がパチンコ機を強く叩くことによる外的衝撃によって、原点位置P0の球横行ベース52が移動先位置側とは反対側にずれて非検出状態となることがある。これを解消するために、球運搬役物48が原点位置P0から移動先位置側とは反対側にずれて非検出状態となることを阻止する阻止手段を備えるようにしてもよい。この構成としては、右側のシャフト押え部51と原点位置P0の球横行ベース52との間隔を、原点検出片55aの検出対象幅W1の半分よりも小さくすることが挙げられる。この場合には、パチンコ機が外的衝撃を受けて原点位置P0の球横行ベース52に復路方向Rへの移動力が生じたとしても、当該球横行ベース52がシャフト押え部51に当接してそれ以上移動できなくなり、原点検出片55aが原点位置検出センサ55で検出状態のままである。
また、前述の実施形態では、原点位置検出手段の位置検出範囲が移動先位置検出手段のそれよりも広い構成として、原点検出片55aの検出対象幅W1が移動先検出片54aの検出対象幅W2よりも広いこと(第1構成例)を例に挙げて説明しているが、原点位置検出手段の検出部の検出対象範囲が移動先位置検出手段の検出部のそれよりも広くする構成(第2構成例)としてもよい。例えば、透過型フォトインタラプタにおける一対の発光部及び受光部の投光幅(スリット幅)を検出片の移動方向に拡張したものが挙げられ、検出片の非検出時の全受光量に比べて、検出片が発光部の一部を遮光して受光量が減少したことや、受光区間のうち一部の区間に遮光区間が検出されたことをもって、検出片の検出とするものである。また、透過型フォトインタラプタにおける一対の発光部及び受光部を検出片の移動方向に複数並設したものが挙げられ、複数の発光部及び受光部のうちの何れかに検出片が位置したことをもって、検出片の検出とするものである。この場合においても、前述の実施形態と同様の効果を奏する。
また、前述の実施形態では、可動物としては、封入球(遊技球などであってもよい)を運ぶ球運搬役物48を例に挙げて説明しているが、各種の移動物や、図柄変動表示手段の表示画面と重なる第1位置である開始位置(表示画面とは重ならない外部位置を開始位置とするものを含む)から当該表示画面の他の所定位置(複数位置としてもよい)に重なる位置である移動先位置(前記のように複数位置の場合には複数の移動先位置)に移動可能な移動物などが挙げられる。また、遊技者による演出ボタン10への操作に応じた位置で前記移動物が停止するものとしてもよい。
また、前述の実施形態では、図14に示すように演出制御基板73は往復移動制御部74を備えているが、主制御基板72やその他の制御基板が往復移動制御部74を備えるようにしてもよい。また、磁気センサ68は主制御基板72と接続されているが、演出制御基板73やその他の制御基板と接続されるようにしてもよく、この演出制御基板73やその他の制御基板で磁石等による不正操作を検出するようにしてもよい。また、演出ボタン10は演出制御基板73と接続され、この演出制御基板73は操作有効判定手段75を備えているが、演出ボタン10が主制御基板72やその他の制御基板と接続され、この主制御基板72やその他の制御基板が操作有効判定手段75を備えるようにしてもよい。
また、上述した複数の実施形態のうちいくつかを組み合わせた構成としてもよいし、ある実施形態の一部の手段等(手段、構成、装置、部品、機能、要素、処理ステップ、工程又はこれらの結合)を他の実施形態(いくつかの実施形態を組み合わせたものを含む)に組み合わせた構成としてもよいし、ある実施形態の一部の手段等と他の実施形態における一部の手段等とを組み合わせた構成としてもよいし、ある実施形態の一部の手段等を削除した構成としてもよい。
また本発明は、アレンジボール機、雀球遊技機等の他の弾球遊技機においても同様に実施することが可能である。