JP2013178068A - 冷凍装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】冷凍装置において、運転開始時に圧縮機において液圧縮が発生することを抑える。
【解決手段】冷凍装置(1)は、圧縮機(21)と、ガスクーラ(22)と、膨張機構(23)と、蒸発器(24)とが順次接続された冷媒回路(10)を有する。ガスクーラ(22)には、ガスクーラファン(36)によって冷却源としての空気が供給されるようになっている。ガスクーラ(22)の出口と膨張機構(23)との間には、蒸発器(24)の出口と圧縮機(21)の吸入側との間を流れる冷媒によって、ガスクーラ(22)の出口と膨張機構(23)との間を流れる冷媒を冷却する液ガス熱交換器(28)がさらに設けられている。冷凍装置(1)では、運転開始時に、ガスクーラファン(36)を停止させた状態で圧縮機(21)を起動する第1制御を含む起動制御を行う。
【選択図】図7
【解決手段】冷凍装置(1)は、圧縮機(21)と、ガスクーラ(22)と、膨張機構(23)と、蒸発器(24)とが順次接続された冷媒回路(10)を有する。ガスクーラ(22)には、ガスクーラファン(36)によって冷却源としての空気が供給されるようになっている。ガスクーラ(22)の出口と膨張機構(23)との間には、蒸発器(24)の出口と圧縮機(21)の吸入側との間を流れる冷媒によって、ガスクーラ(22)の出口と膨張機構(23)との間を流れる冷媒を冷却する液ガス熱交換器(28)がさらに設けられている。冷凍装置(1)では、運転開始時に、ガスクーラファン(36)を停止させた状態で圧縮機(21)を起動する第1制御を含む起動制御を行う。
【選択図】図7
Description
本発明は、冷凍装置、特に、冷凍装置の運転開始時の起動制御に関する。
従来の冷凍装置として、特許文献1(特開2011−112270号公報)に示すように、圧縮機と凝縮器と膨張機構と蒸発器とが順次接続された冷媒回路を有するコンテナ用冷凍装置がある。
上記の冷凍装置において、蒸発器に液状態の冷媒が寝込んでいる状態で運転を開始すると、蒸発器に寝込んだ液状態の冷媒が圧縮機に急激に戻り、圧縮機において液圧縮が発生しやすくなる。特に、コンテナ用冷凍装置のように、蒸発器が配置される空間(ここでは、コンテナの庫内側空間)の温度が非常に低くなる冷凍装置では、蒸発器に寝込む冷媒量が多くなりやすいため、圧縮機において液圧縮が発生するおそれが非常に高くなる。このため、圧縮機の信頼性が損なわれるおそれがある。
本発明の課題は、冷凍装置において、運転開始時に圧縮機において液圧縮が発生することを抑えることにある。
第1の観点にかかる冷凍装置は、圧縮機と、ガスクーラと、膨張機構と、蒸発器とが順次接続された冷媒回路を有している。ガスクーラには、ガスクーラファンによって冷却源としての空気が供給されるようになっている。ガスクーラの出口と膨張機構との間には、蒸発器の出口と圧縮機の吸入側との間を流れる冷媒によって、ガスクーラの出口と膨張機構との間を流れる冷媒を冷却する液ガス熱交換器がさらに設けられている。そして、この冷凍装置では、運転開始時に、ガスクーラファンを停止させた状態で圧縮機を起動する第1制御を含む起動制御を行う。
蒸発器に寝込んだ液状態の冷媒が圧縮機に戻ることを防ぐためには、蒸発器の出口と圧縮機の吸入側との間を流れる冷媒を加熱する加熱器を設けて、圧縮機に戻る前に冷媒を蒸発させることが考えられる。
そこで、この冷凍装置では、まず、ガスクーラの出口と膨張機構との間に、蒸発器の出口と圧縮機の吸入側との間を流れる冷媒によって、ガスクーラの出口と膨張機構との間を流れる冷媒を冷却する液ガス熱交換器をさらに設けるようにしている。
これにより、蒸発器に寝込んだ液状態の冷媒は、液ガス熱交換器において、ガスクーラの出口と膨張機構との間を流れる冷媒を冷却することによって加熱されるため、圧縮機に液状態の冷媒がかなり戻りにくくなる。
しかし、ガスクーラの出口と膨張機構との間を流れる冷媒は、圧縮機から吐出された後にガスクーラにおいて冷却されているため、液ガス熱交換器に流入する際には、冷媒の温度がかなり低くなってしまう。このため、液ガス熱交換器において、ガスクーラの出口と膨張機構との間を流れる冷媒と蒸発器に寝込んだ液状態の冷媒との温度差が小さくなり、蒸発器に寝込んだ液状態の冷媒を十分に加熱することができない場合がある。そうすると、液ガス熱交換器を設けるだけでは、圧縮機に液状態の冷媒が戻ることを抑える効果が十分に得られないおそれが残る。
そこで、この冷凍装置では、液ガス熱交換器を設けるとともに、運転開始時にガスクーラファンを停止させた状態で圧縮機を起動する第1制御を含む起動制御を行うようにしている。
これにより、圧縮機から吐出された冷媒がガスクーラにおいて冷却されにくくなり、ガスクーラの出口と膨張機構との間を流れる冷媒の温度が低くなりにくくなる。このため、液ガス熱交換器において、ガスクーラの出口と膨張機構との間を流れる冷媒と蒸発器に寝込んだ液状態の冷媒との温度差が大きくなり、蒸発器に寝込んだ液状態の冷媒を十分に加熱することができるようになる。その結果、液ガス熱交換器を設けるだけの場合に比べて、圧縮機に液状態の冷媒が戻ることを抑える効果が十分に得られるようになり、運転開始時に圧縮機において液圧縮が発生することを抑えることができる。
このように、この冷凍装置では、液ガス熱交換器を設けるとともに、運転開始時にガスクーラファンを停止させた状態で圧縮機を起動する第1制御を含む起動制御を行うことによって、液ガス熱交換器において、運転開始時に蒸発器に寝込んだ液状態の冷媒を十分に加熱することができるようにしている。これにより、この冷凍装置では、運転開始時に圧縮機において液圧縮が発生することを抑えることができる。
第2の観点にかかる冷凍装置は、第1の観点にかかる冷凍装置において、起動制御が、圧縮機の吐出圧力が所定の起動制御終了判定圧力に達した後、圧縮機の吐出温度が所定の起動制御終了判定温度に達した後、又は、運転開始からの経過時間が所定の起動制御終了判定時間に達した後に終了する。
この冷凍装置では、起動制御の終了条件として、圧縮機の吐出圧力、圧縮機の吐出温度、又は、運転開始からの経過時間を使用しているため、起動制御を適切に終了させることができる。
第3の観点にかかる冷凍装置は、第1又は第2の観点にかかる冷凍装置において、起動制御において、液ガス熱交換器の出口と圧縮機の吸入側との間を流れる冷媒の過熱度が所定のファン起動閾過熱度に達した後に、ガスクーラファンを起動する第2制御を行う。
蒸発器に寝込んだ液状態の冷媒が存在しなくなると、液ガス熱交換器の出口と圧縮機の吸入側との間を流れる冷媒の過熱度が大きくなる。そして、蒸発器に寝込んでいた液状態の冷媒が存在しなくなれば、ガスクーラファンを停止させておく必要がなくなる。
そこで、この冷凍装置では、液ガス熱交換器の出口と圧縮機の吸入側との間を流れる冷媒の過熱度がファン起動閾過熱度に達した後に、ガスクーラファンを起動する第2制御を行うようにしている。
これにより、この冷凍装置では、蒸発器に寝込んだ液状態の冷媒が存在しない状態を適切に判断して、ガスクーラファンを速やかに起動することができる。
第4の観点にかかる冷凍装置は、第1〜第3の観点のいずれかにかかる冷凍装置において、冷媒回路には、ガスクーラの出口と液ガス熱交換器の入口との間を流れる冷媒の一部を分岐して圧縮機の圧縮過程の途中に戻す中間圧インジェクション管と、中間圧インジェクション管を流れる冷媒によってガスクーラの出口と液ガス熱交換器の入口との間を流れる冷媒を冷却するエコノマイザ熱交換器とがさらに設けられている。そして、この冷凍装置では、起動制御において、中間圧インジェクション管が、ガスクーラの出口と液ガス熱交換器の入口との間を流れる冷媒を分岐しないように制御される。
この冷凍装置では、上記のように、ガスクーラの出口と液ガス熱交換器の入口との間に中間圧インジェクション管及びエコノマイザ熱交換器が設けられている。このため、起動制御において、ガスクーラの出口と液ガス熱交換器の入口との間を流れる冷媒を分岐するように中間圧インジェクション管を制御すると、中間圧インジェクション管による冷媒の分岐及びエコノマイザ熱交換器による冷媒の冷却によって液ガス熱交換器に流入する冷媒の温度が低下してしまう。また、中間圧インジェクション管から圧縮機の圧縮過程の途中に冷媒が戻ることによって、圧縮機から吐出される冷媒の温度が低下して、ガスクーラの出口における冷媒の温度も低下することになる。そうすると、液ガス熱交換器において、ガスクーラの出口と膨張機構との間を流れる冷媒と蒸発器に寝込んだ液状態の冷媒との温度差が小さくなり、蒸発器に寝込んだ液状態の冷媒の加熱が不十分になるおそれがある。
そこで、この冷凍装置では、起動制御において、ガスクーラの出口と液ガス熱交換器の入口との間を流れる冷媒を分岐しないように中間圧インジェクション管を制御するようにしている。
これにより、この冷凍装置では、起動制御において、中間圧インジェクション管による冷媒の分岐及びエコノマイザ熱交換器による冷媒の冷却によって液ガス熱交換器に流入する冷媒の温度が低下することを防ぎ、圧縮機に液状態の冷媒が戻ることを抑える効果を十分に発揮させることができる。
第5の観点にかかる冷凍装置は、第1〜第4の観点のいずれかにかかる冷凍装置において、蒸発器が、冷却対象物が収容されるコンテナの庫内側空間に配置されており、圧縮機が、コンテナの庫外側空間において、蒸発器の略真下に配置されている。
この冷凍装置は、いわゆるコンテナ用冷凍装置であり、蒸発器が配置されるコンテナの庫内側空間の温度が非常に低くなるため、蒸発器に寝込む冷媒量が多くなりやすい。また、圧縮機が蒸発器の略真下に配置されていることから液状態の冷媒が圧縮機に流れ込みやすく、また、蒸発器と圧縮機とを接続する冷媒管が、概ね下向きで長さも短いため、運転を開始すると、蒸発器に寝込んだ液状態の冷媒が圧縮機に急激に戻るおそれが高い。
しかし、この冷凍装置では、上記のように、液ガス熱交換器を設けるとともに、運転開始時にガスクーラファンを停止させた状態で圧縮機を起動する第1制御を含む起動制御を行うようにしているため、液ガス熱交換器において十分に加熱し、蒸発器に寝込んだ液状態の冷媒が圧縮機に戻らないようにすることができる。
第6の観点にかかる冷凍装置は、第1〜第4の観点のいずれかにかかる冷凍装置において、冷媒回路が、冷媒として二酸化炭素を使用しており、圧縮機から吐出される冷媒の圧力が冷媒の臨界圧力を超える圧力になる超臨界冷凍サイクルを行う。
この冷凍装置では、冷媒として二酸化炭素を使用しているため、冷凍機油として、ポリアルキレングリコール(PAG)等の相溶性の小さい冷凍機油が使用されている。このため、圧縮機の吸入側における冷媒と冷凍機油との二層分離が発生することを防ぐという観点から、圧縮機の吸入側には、冷媒を一時的に溜めるアキュムレータを設けることが難しく、蒸発器に寝込んだ液状態の冷媒が圧縮機に急激に戻るおそれが高い。
しかし、この冷凍装置では、上記のように、液ガス熱交換器を設けるとともに、運転開始時にガスクーラファンを停止させた状態で圧縮機を起動する第1制御を含む起動制御を行うようにしているため、液ガス熱交換器において十分に加熱し、蒸発器に寝込んだ液状態の冷媒が圧縮機に戻らないようにすることができる。
以上の説明に述べたように、本発明によれば、以下の効果が得られる。
第1の観点にかかる冷凍装置では、運転開始時に圧縮機において液圧縮が発生することを抑えることができる。
第2の観点にかかる冷凍装置では、起動制御を適切に終了させることができる。
第3の観点にかかる冷凍装置では、蒸発器に寝込んだ液状態の冷媒が存在しない状態を適切に判断して、ガスクーラファンを速やかに起動することができる。
第4の観点にかかる冷凍装置では、起動制御において、中間圧インジェクション管による冷媒の分岐及びエコノマイザ熱交換器による冷媒の冷却によって液ガス熱交換器に流入する冷媒の温度が低下することを防ぎ、圧縮機に液状態の冷媒が戻ることを抑える効果を十分に発揮させることができる。
第5の観点にかかる冷凍装置では、コンテナ用冷凍装置であるにもかかわらず、液ガス熱交換器において十分に加熱し、蒸発器に寝込んだ液状態の冷媒が圧縮機に戻らないようにすることができる。
第6の観点にかかる冷凍装置では、冷媒として二酸化炭素を使用するにもかかわらず、液ガス熱交換器において十分に加熱し、蒸発器に寝込んだ液状態の冷媒が圧縮機に戻らないようにすることができる。
以下、本発明の冷凍装置の実施形態について、図面に基づいて説明する。尚、本発明の冷凍装置の具体的な構成は、下記の実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
(1)コンテナ用冷凍装置の構成
図1〜図5は、本発明の冷凍装置の一実施形態にかかるコンテナ用冷凍装置1を示している。ここで、図1は、コンテナ用冷凍装置1が設けられたコンテナ2の外観を示す分解斜視図である。図2は、コンテナ用冷凍装置1の概略正面図である。図3は、コンテナ用冷凍装置1の概略側面図である。図4は、コンテナ用冷凍装置1の概略冷媒回路図である。図5は、コンテナ用冷凍装置1の制御ブロック図である。
図1〜図5は、本発明の冷凍装置の一実施形態にかかるコンテナ用冷凍装置1を示している。ここで、図1は、コンテナ用冷凍装置1が設けられたコンテナ2の外観を示す分解斜視図である。図2は、コンテナ用冷凍装置1の概略正面図である。図3は、コンテナ用冷凍装置1の概略側面図である。図4は、コンテナ用冷凍装置1の概略冷媒回路図である。図5は、コンテナ用冷凍装置1の制御ブロック図である。
コンテナ用冷凍装置1は、海上コンテナや陸上コンテナとして取り扱われるコンテナ2の開口面2aに装着されており、蒸気圧縮式の冷凍サイクル運転を行うことによって、冷却対象物が収容されたコンテナ2の庫内ISを−20℃〜−30℃程度の低温まで冷却する装置である。コンテナ用冷凍装置1は、主として、コンテナ2の開口面2aを覆うフレーム3と、冷媒回路10と、庫外ファン36と、庫内ファン37とを有している。
フレーム3は、その下部がコンテナ2の庫内IS側に向かって突出した形状を有しており、フレーム3の庫外OS側の下部には、ガスクーラファンとしての庫外ファン36、冷媒回路10を構成する圧縮機21やガスクーラ22等が配置される庫外側空間S1を形成している。また、フレーム3の庫内IS側には、フレーム3と間隔を空けて仕切板4が配置されている。この仕切板4は、サポート(図示せず)を介してフレーム3に装着されている。そして、フレーム3と仕切板4との間には、庫内ファン37、冷媒回路10を構成する蒸発器23等が配置される庫内側空間S2を形成している。また、仕切板4の上部には、コンテナ2の庫内ISの空気を庫内側空間S2に吸入するための吸入口4aが形成されており、仕切板4の下部には、庫内側空間S2の空気を庫内ISに吹き出すための吹出口4bが形成されている。
冷媒回路10は、主として、圧縮機21と、ガスクーラ22と、膨張機構23と、蒸発器24とを有しており、これらの機器21〜24等が順次接続されることによって構成されている。そして、冷媒回路10は、冷媒として二酸化炭素を使用しており、圧縮機21から吐出される冷媒の圧力(すなわち、冷凍サイクルにおける高圧)が冷媒の臨界圧力を超える圧力になる超臨界冷凍サイクルを行うものである。また、冷媒として二酸化炭素を使用しているため、冷凍機油として、ポリアルキレングリコール(PAG)等の相溶性の小さい冷凍機油が使用されている。このため、圧縮機21の吸入側における冷媒と冷凍機油との二層分離が発生することを防ぐという観点から、圧縮機21の吸入側には、冷媒を一時的に溜めるアキュムレータを設けない構成を採用している。
圧縮機21は、冷媒を圧縮(ここでは、冷媒の臨界圧力を超える圧力になるまで圧縮)する機器であり、庫外側空間S1に配置されている。圧縮機21は、主として、低段側圧縮機21aと、高段側圧縮機21bとを有している。低段側圧縮機21aは、ロータリ式やスクロール式等の容積式の圧縮要素(図示せず)を低段側圧縮機モータ31aによって回転駆動する密閉式構造となっている。また、高段側圧縮機21bは、ロータリ式やスクロール式等の容積式の圧縮要素(図示せず)を高段側圧縮機モータ31bによって回転駆動する密閉式構造となっている。ここでは、圧縮機モータ31a、31bとして、インバータにより制御される回転数(周波数)可変式のモータが使用されている。低段側圧縮機21aは、吸入側に吸入冷媒管32が接続されており、吐出側に中間冷媒管33が接続されている。高段側圧縮機21bは、吸入側に中間冷媒管33が接続されており、吐出側に吐出冷媒管34が接続されている。これにより、低段側圧縮機21aと高段側圧縮機21bとは、直列に接続されており、冷媒を順次圧縮する多段(ここでは、2段)圧縮機を構成している。また、中間冷媒管33には、低段側逆止機構33aが設けられており、吐出冷媒管34には、高段側逆止機構34aが設けられている。低段側逆止機構33aは、低段側圧縮機21aの吐出側から高段側圧縮機21bの吸入側への冷媒の流れを許容し、かつ、高段側圧縮機21bの吸入側から低段側圧縮機21aの吐出側への冷媒の逆流れを遮断するための機構である。高段側逆止機構34aは、高段側圧縮機21bの吐出側からガスクーラ22の入口側への冷媒の流れを許容し、かつ、ガスクーラ22の入口側から高段側圧縮機21aの吐出側への冷媒の逆流れを遮断するための機構である。ここでは、逆止機構33a、34aとして、逆止弁が使用されている。尚、ここでは、圧縮機21として、2段圧縮機を採用しているが、3段以上の多段圧縮機であってもよいし、中間圧の冷媒を圧縮過程の途中に導入することが可能な中間圧ポートを有する単段圧縮機であってもよい。また、ここでは、1つの圧縮要素に1つの駆動モータが連結された2つの圧縮機21a、21bを直列接続することによって多段圧縮機を構成しているが、複数の圧縮要素を共通の駆動モータによって連結することによって多段圧縮機を構成してもよい。
ガスクーラ22は、圧縮機21において圧縮された高圧の冷媒の放熱を行う機器であり、庫外側空間S1に配置されている。ガスクーラ22は、ここでは、伝熱管と多数のフィンとにより構成されたクロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器であり、庫外空気を冷却源として高圧の冷媒の放熱を行うようになっている。ガスクーラ22は、入口が吐出冷媒管34に接続されており、出口が液冷媒管35に接続されている。そして、ガスクーラ22の冷却源としての庫外空気は、庫外ファン36によって供給されるようになっている。庫外ファン36は、庫外側空間S1に配置されており、ここでは、プロペラファンが使用されている。庫外ファン36は、庫外ファンモータ36aによって回転駆動されるようになっている。尚、ここでは、ガスクーラ22として、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器を採用しているが、他の型式の熱交換器であってもよい。
膨張機構23は、ガスクーラ22において放熱した高圧の冷媒を冷凍サイクルにおける低圧になるまで減圧するための機構であり、庫内側空間S2に配置されている。膨張機構23は、液冷媒管35に設けられており、主として、冷媒を減圧する上流側膨張機構25と、上流側膨張機構25において減圧された冷媒を減圧する下流側膨張機構26とを有している。具体的には、上流側膨張機構25は、ガスクーラ22において放熱した後の高圧の冷媒を冷凍サイクルにおける中間圧になるまで減圧するための機構である。下流側膨張機構26は、上流側膨張機構25において減圧された後の中間圧の冷媒を低圧になるまで減圧するための機構である。ここでは、膨張機構25、26として、電動膨張弁が使用されている。
また、液冷媒管35には、上流側膨張機構25と下流側膨張機構26との間の部分に、上流側膨張機構25において減圧された冷媒を貯留する中間圧レシーバ27が設けられている。中間圧レシーバ27は、ここでは、円筒形状の容器であり、庫内側空間S2に配置されている。中間圧レシーバ27に流入する中間圧の冷媒は、上流側膨張機構25において冷媒の臨界圧力以下の圧力まで減圧されて飽和状態又は気液二相状態になっているため、液状態で中間圧レシーバ27に貯留されることになる。
また、液冷媒管35及び吸入冷媒管32には、ガスクーラ22の出口と膨張機構23(ここでは、上流側膨張機構25)との間の部分に、蒸発器24の出口と圧縮機21の吸入側との間を流れる冷媒(すなわち、低圧側冷媒)によって、ガスクーラ22の出口から上流側膨張機構25に至るまでの間を流れる冷媒(すなわち、高圧側冷媒)を冷却する液ガス熱交換器28が設けられている。液ガス熱交換器28は、庫内側空間S2に配置されている。液ガス熱交換器28は、ここでは、プレート型熱交換器であり、高圧側流路28aを流れる冷媒と低圧側流路28bを流れる冷媒とが熱交換するようになっている。高圧側流路28aには、液冷媒管35のガスクーラ22の出口側と上流側膨張機構25との間の部分を流れる高圧の冷媒(すなわち、高圧側冷媒)が流れるようになっている。低圧圧側流路28bには、吸入冷媒管32の蒸発器24の出口と圧縮機21の吸入側との間の部分を流れる低圧の冷媒(すなわち、低圧側冷媒)が流れるようになっている。尚、ここでは、液ガス熱交換器28として、プレート型熱交換器を採用しているが、他の型式の熱交換器であってもよい。
蒸発器24は、膨張機構23において減圧された低圧の冷媒の蒸発を行う機器であり、庫内側空間S2に配置されている。そして、圧縮機21は、庫外側空間S1において、蒸発器24の略真下側に配置されている。蒸発器24は、ここでは、伝熱管と多数のフィンとにより構成されたクロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器であり、庫内空気を加熱源として低圧の冷媒の蒸発を行い、これにより、庫内空気を冷却するようになっている。蒸発器24は、入口が液冷媒管35に接続されており、出口が吸入冷媒管32に接続されている。そして、蒸発器24の加熱源としての庫内空気は、庫内ファン37によって供給されるようになっている。庫内ファン37は、庫内側空間S2に配置されており、ここでは、2つのプロペラファンが使用されている。庫内ファン37は、庫内ファンモータ37aによって回転駆動されるようになっている。尚、ここでは、蒸発器24として、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器を採用しているが、他の型式の熱交換器であってもよい。
また、中間冷媒管33には、低段側圧縮機21aから吐出された冷媒の放熱を行うインタークーラ38が設けられている。インタークーラ38は、庫外側空間S1に配置されている。インタークーラ38は、ここでは、伝熱管と多数のフィンとにより構成されたクロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器であり、庫外空気を冷却源として低段側圧縮機21aから吐出された冷媒の放熱を行うようになっている。また、ここでは、インタークーラ38は、ガスクーラ22と一体化している。そして、インタークーラ38の冷却源としての庫外空気は、ガスクーラ22と同様に、庫外ファン36によって供給されるようになっている。尚、ここでは、インタークーラ38として、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器を採用しているが、他の型式の熱交換器であってもよい。
また、液冷媒管35には、ガスクーラ22の出口と液ガス熱交換器28の入口との間の部分に、ガスクーラ22の出口から膨張機構23(ここでは、上流側膨張機構25)に至るまでの間を流れる冷媒を冷却するエコノマイザ熱交換器39が設けられている。エコノマイザ熱交換器39は、庫外側空間S1に配置されている。エコノマイザ熱交換器39は、ここでは、プレート型熱交換器であり、高圧側流路39aを流れる冷媒と中間圧側流路39bを流れる冷媒とが熱交換するようになっている。高圧側流路39aには、液冷媒管35のガスクーラ22の出口側と液ガス熱交換器28の入口側との間の部分を流れる高圧の冷媒(すなわち、高圧側冷媒)が流れるようになっている。中間圧側流路39bには、液冷媒管35のガスクーラ22の出口側と液ガス熱交換器28の入口側との間の部分から分岐された中間圧インジェクション管40を流れる中間圧の冷媒(すなわち、中間圧側冷媒)が流れるようになっている。すなわち、エコノマイザ熱交換器39は、中間圧インジェクション管40を流れる中間圧側冷媒によってガスクーラ22の出口と液ガス熱交換器28の入口との間を流れる高圧側冷媒を冷却する熱交換器となっている。中間圧インジェクション管40は、ここでは、液冷媒管35のガスクーラ22の出口側とエコノマイザ熱交換器39の高圧側流路39aとの間の部分から分岐している。尚、中間圧インジェクション管40は、エコノマイザ熱交換器39の高圧側流路39aの出口と液ガス熱交換器28の高圧側流路28aの入口との間の部分から分岐していてもよい。また、中間圧インジェクション管40は、中間冷媒管33のインタークーラ38の出口側と圧縮機21の圧縮過程の途中である高段側圧縮機21bの吸入との間の部分に合流している。そして、中間圧インジェクション管40には、中間圧側流路39bの入口側の部分に、中間圧戻し膨張機構41が設けられている。中間圧戻し膨張機構41は、中間圧インジェクション管40に分岐された高圧の冷媒を中間圧になるまで減圧するための機構であり、庫外側空間S1に配置されている。ここでは、中間圧戻し膨張機構41として、電動膨張弁が使用されている。尚、ここでは、エコノマイザ熱交換器39として、プレート型熱交換器を採用しているが、他の型式の熱交換器であってもよい。
また、吐出冷媒管34には、高段側逆止機構34aとガスクーラ22の入口との間の部分に、蒸発器24の除霜運転等の際に開閉又は開度調節される吐出流量調整機構42が設けられている。吐出流量調整機構42は、庫外側空間S1に配置されている。ここでは、吐出流量調整機構42として、電動膨張弁が使用されている。また、吐出冷媒管34には、高段側逆止機構34aと吐出流量調整機構42との間の部分から、加熱用冷媒管43が分岐されている。加熱用冷媒管43は、液冷媒管35の下流側膨張機構26と蒸発器24との間の部分に合流している。加熱用冷媒管43には、電磁弁からなる除霜側開閉機構44が設けられている。これにより、吐出流量調整機構42を閉止し、かつ、除霜側開閉機構44を開けることによって、圧縮機21から吐出された高圧の冷媒を、蒸発器24に直接的に供給して、蒸発器24の除霜運転を行うことができる。尚、ここでは、蒸発器24の除霜運転等のために、加熱用冷媒管43及び吐出流量調整機構42を冷媒回路10に設けるようにしているが、除霜運転等のための構成はこれに限定されるものではなく、他の構成よって除霜運転等を行うようにしてもよい。
また、コンテナ用冷凍装置1には、各種のセンサやスイッチが設けられている。具体的には、吸入冷媒管32には、圧縮機21(低段側圧縮機21a)に吸入される低圧の冷媒の圧力Psを検出する吸入圧力センサ51が設けられている。ここで、吸入圧力センサ51によって検出される低圧の冷媒の圧力Psを冷媒の飽和温度に換算することによって、冷媒回路10の蒸発温度Teが得られる。また、吸入冷媒管32には、圧縮機21(低段側圧縮機21a)に吸入される低圧の冷媒の温度Tsを検出する吸入温度センサ52が設けられている。また、蒸発器24には、蒸発器24の入口における低圧の冷媒の温度を検出する蒸発器入口温度センサ53が設けられている。この温度は、冷媒回路10の蒸発温度Teに相当する。ここで、温度Tsから蒸発温度Teを減算することによって、圧縮機21の吸入側、すなわち、液ガス熱交換器28の低圧側流路28b側の出口と圧縮機21の吸入側との間を流れる低圧の冷媒の過熱度SHが得られる。吐出冷媒管34には、圧縮機21(高段側圧縮機21b)から吐出される高圧の冷媒の圧力Pdを検出する吐出圧力センサ54が設けられている。また、吐出冷媒管34には、圧縮機21(高段側圧縮機21b)から吐出される高圧の冷媒の温度Tdを検出する吐出温度センサ55が設けられている。また、吐出冷媒管34には、圧縮機21(高段側圧縮機21b)から吐出される高圧の冷媒の異常高圧を検出して圧縮機21を停止させる吐出圧力スイッチ56が設けられている。また、液冷媒管35又はガスクーラ22には、ガスクーラ22の出口における冷媒の温度Tcoを検出するガスクーラ出口温度センサ57が設けられている。また、庫外ファン36の近傍には、庫外温度Taを検出する庫外温度センサ58が設けられており、庫内ファン37の近傍(例えば、仕切板4の吸入口4aの近傍)には、庫内温度Trを検出する庫内温度センサ59が設けられている。
また、コンテナ用冷凍装置1は、コンテナ用冷凍装置1を構成する圧縮機21、ファン36、37、膨張機構23等の各部の動作を制御するための制御部6を有している。制御部6は、マイクロコンピュータやメモリ等を有しており、各種運転設定や各種センサの検出値等に基づいて、コンテナ用冷凍装置1を構成する各部の動作を制御するようになっている。
(2)コンテナ用冷凍装置の通常運転時の動作
次に、図4及び図6を用いて、コンテナ用冷凍装置1の通常運転時の動作について説明する。ここで、図6は、通常運転時の冷凍サイクルが図示された圧力−エンタルピ線図である。
次に、図4及び図6を用いて、コンテナ用冷凍装置1の通常運転時の動作について説明する。ここで、図6は、通常運転時の冷凍サイクルが図示された圧力−エンタルピ線図である。
通常運転は、冷媒回路10が、吐出流量調整機構42が全開、そして、除霜側開閉機構44が全閉の状態で行われる。
このような冷媒回路10の状態において、低圧の冷媒(図4及び図6の点A参照)は、吸入冷媒管32から圧縮機21に吸入され、まず、低段側圧縮機21aによって中間圧まで圧縮された後に、中間冷媒管33に吐出される(図4及び図6の点B参照)。
この低段側圧縮機21aから吐出された中間圧の冷媒は、低段側逆止機構33aを通じて、インタークーラ38に送られる。このインタークーラ38に送られた中間圧の冷媒は、インタークーラ38において、庫外ファン36によって供給される庫外空気と熱交換を行って放熱する(図4及び図6の点C参照)。
このインタークーラ38において放熱した中間圧の冷媒は、中間圧インジェクション管40から中間冷媒管33に戻される冷媒(図4及び図6の点M参照)と合流することによって、さらに冷却される(図4及び図6の点D参照)。
この中間圧インジェクション管40から戻る冷媒と合流した中間圧の冷媒は、高段側圧縮機21bに吸入されてさらに圧縮されて、圧縮機21から吐出冷媒管34に吐出される(図4及び図6の点E参照)。ここで、圧縮機21から吐出された高圧の冷媒は、圧縮機21a、21bによる二段圧縮動作によって、冷媒の臨界圧力(図6の圧力Pcp参照)を超える圧力まで圧縮されている。
この圧縮機21から吐出された高圧の冷媒は、吐出流量調整機構42を通じて、ガスクーラ22に送られる。
このガスクーラ22に送られた高圧の冷媒は、ガスクーラ22において、庫外ファン36によって供給される庫外空気と熱交換を行って放熱し、液冷媒管35に送られる(図4及び図6の点F参照)。
このガスクーラ22において放熱した高圧の冷媒は、一部が中間圧インジェクション管40に分岐され、残りがエコノマイザ熱交換器39の高圧側流路39aに送られる。そして、中間圧インジェクション管40を流れる高圧の冷媒は、中間圧戻し膨張機構41において、中間圧になるまで減圧される(図4及び図6の点L参照)。この中間圧戻し膨張機構41において減圧された中間圧の冷媒は、エコノマイザ熱交換器39の中間圧側流路39bに送られる。そして、エコノマイザ熱交換器39の高圧側流路39aに送られた高圧の冷媒は、エコノマイザ熱交換器39の中間圧側流路39bに送られた中間圧の冷媒と熱交換を行って冷却されて(図4及び図6の点G参照)、液ガス熱交換器28に送られる。このとき、エコノマイザ熱交換器39の中間圧側流路39bに送られた中間圧の冷媒は、エコノマイザ熱交換器39の高圧側流路39aに送られた高圧の冷媒との熱交換によって加熱され(図4及び図6の点M参照)、中間冷媒管33を流れる冷媒に合流する。
このエコノマイザ熱交換器39において冷却された高圧の冷媒は、液ガス熱交換器28の高圧側流路28aに送られる。そして、高圧側流路28aを流れる高圧の冷媒は、液ガス熱交換器28の低圧側流路28bを流れる低圧の冷媒と熱交換を行ってさらに冷却される(図4及び図6の点H参照)。ここで、液ガス熱交換器28の低圧側流路28bを流れる低圧の冷媒は、蒸発器24の出口から圧縮機21の吸入に向かう吸入冷媒管32を流れる低圧の冷媒であり、この低圧の冷媒が液ガス熱交換器28の冷却源となっている。
この液ガス熱交換器28において冷却された高圧の冷媒は、上流側膨張機構25において、中間圧になるまで減圧されて、飽和状態又は気液二相状態になり、中間圧レシーバ27に流入して、中間圧レシーバ27に液状態で一時的に貯留される(図4及び図6の点I参照)。
この中間圧レシーバ27に一時的に貯留された中間圧の冷媒は、下流側膨張機構26に送られて、低圧になるまで減圧される(図4及び図6の点J参照)。
この下流側膨張機構26において減圧された低圧の冷媒は、蒸発器24に送られて、庫内ファン37によって供給される庫内空気と熱交換を行って蒸発し、吸入冷媒管32に送られる(図4及び図6の点K参照)。
この吸入冷媒管32に送られた低圧の冷媒は、上記のように、液ガス熱交換器28の低圧側流路28bに送られて、液ガス熱交換器28の高圧側流路28aを流れる高圧の冷媒と熱交換を行って加熱され、再び、圧縮機21に吸入される(図4及び図6の点A参照)。
このような通常運転において、制御部6は、庫内温度Trを設定された目標温度Trsに近づけるように、各部の動作を制御している。ここでは、制御部6は、主として、庫内温度Trと目標温度Trsとの温度差(すなわち、蒸発器24において要求される冷凍負荷)に基づいて、各部の動作を制御している。
具体的には、まず、制御部6は、庫内温度Trと目標温度Trsとの温度差から、冷媒回路10の低圧Psの目標値Pss(蒸発温度Teを使用する場合には、目標値Tes)を決定している。
そして、制御部6は、冷媒回路10の蒸発温度Te又は低圧Psが目標蒸発温度値Tes又は目標低圧値Pssで一定になるように、圧縮機21の圧縮機モータ31a、31bの回転数(周波数)を制御している(低圧制御)。すなわち、蒸発温度Te又は低圧Psが目標蒸発温度値Tes又は目標低圧値Pssよりも高い場合には、圧縮機21の圧縮機モータ31a、31bの回転数(周波数)を大きくする制御を行っている。逆に、蒸発温度Te又は低圧Psが目標蒸発温度値Tes又は目標低圧値Pssよりも低い場合には、圧縮機21の圧縮機モータ31a、31bの回転数(周波数)を小さくする制御を行っている。尚、目標温度Trsは、−20℃〜−30℃程度の低温に設定されるため、目標蒸発温度値Tes(又は、目標低圧値Pss)も目標温度Trsに応じて、−20℃〜−35℃程度の低温(又は、これに対応する飽和圧力)に設定されることになる。
また、ここでは、制御部6は、冷媒回路10の高圧Pdが高圧目標値Pdsで一定になるように、上流側膨張機構25の開度を制御している(高圧制御)。すなわち、高圧Pdが高圧目標値Pdsよりも高い場合には、上流側膨張機構25の開度を大きくする制御を行っている。逆に、高圧Pdが高圧目標値Pdsよりも低い場合には、上流側膨張機構25の開度を小さくする制御を行っている。
また、ここでは、制御部6は、中間圧インジェクション管40を流れる冷媒の流量が適切な流量になるように中間圧戻し膨張機構41の開度を制御している(インジェクション制御)。例えば、制御部6は、冷媒回路10を循環する冷媒の流量の程度を示す指標である圧縮機モータ31a、31bの回転数(周波数)に応じて、中間圧戻し膨張機構41の開度を制御している。すなわち、圧縮機モータ31a、31bの回転数(周波数)が大きい場合には、中間圧膨張機構41の開度を大きくし、圧縮機モータ31a、31bの回転数(周波数)が小さい場合には、中間圧膨張機構41の開度を小さくする制御を行っている。
また、ここでは、制御部6は、液ガス熱交換器28の低圧側流路28b側の出口と圧縮機21の吸入側との間を流れる低圧の冷媒の過熱度SHが過熱度目標値SHsで一定になるように、下流側膨張機構26の開度を制御している(過熱度制御)。すなわち、過熱度SHが過熱度目標値SHsよりも高い場合には、下流側膨張機構26の開度を大きくする制御を行っている。逆に、過熱度SHが過熱度目標値SHsよりも小さい場合には、下流側膨張機構26の開度を小さくする制御を行っている。
(3)コンテナ用冷凍装置の運転開始時の動作
コンテナ用冷凍装置1では、蒸発器24に液状態の冷媒が寝込んでいる状態で運転を開始することがある。ここで、コンテナ用冷凍装置1では、蒸発器24が配置される庫内側空間S2の庫内温度Trが非常に低くなるため、蒸発器24に寝込む冷媒量が多くなりやすい。このため、運転開始時に、蒸発器24に寝込んだ液状態の冷媒が圧縮機21に急激に戻り、圧縮機21において液圧縮が発生して、圧縮機21の信頼性が損なわれるおそれがある。また、コンテナ用冷凍装置1では、圧縮機21が蒸発器24の略真下に配置されていることから液状態の冷媒が圧縮機21に流れ込みやすく、また、蒸発器24と圧縮機21とを接続する吸入冷媒管32が、概ね下向きで長さも短いため、運転を開始すると、蒸発器24に寝込んだ液状態の冷媒が圧縮機21に急激に戻るおそれが高い。また、コンテナ用冷凍装置1では、冷媒と冷凍機油との相溶性を考慮して圧縮機21の吸入側にアキュムレータが設けられていないため、蒸発器24に寝込んだ液状態の冷媒が圧縮機21に急激に戻るおそれが高い。
コンテナ用冷凍装置1では、蒸発器24に液状態の冷媒が寝込んでいる状態で運転を開始することがある。ここで、コンテナ用冷凍装置1では、蒸発器24が配置される庫内側空間S2の庫内温度Trが非常に低くなるため、蒸発器24に寝込む冷媒量が多くなりやすい。このため、運転開始時に、蒸発器24に寝込んだ液状態の冷媒が圧縮機21に急激に戻り、圧縮機21において液圧縮が発生して、圧縮機21の信頼性が損なわれるおそれがある。また、コンテナ用冷凍装置1では、圧縮機21が蒸発器24の略真下に配置されていることから液状態の冷媒が圧縮機21に流れ込みやすく、また、蒸発器24と圧縮機21とを接続する吸入冷媒管32が、概ね下向きで長さも短いため、運転を開始すると、蒸発器24に寝込んだ液状態の冷媒が圧縮機21に急激に戻るおそれが高い。また、コンテナ用冷凍装置1では、冷媒と冷凍機油との相溶性を考慮して圧縮機21の吸入側にアキュムレータが設けられていないため、蒸発器24に寝込んだ液状態の冷媒が圧縮機21に急激に戻るおそれが高い。
これに対して、コンテナ用冷凍装置1では、上記のように、ガスクーラ22の出口と膨張機構23(ここでは、上流側膨張機構25)との間に、蒸発器24の出口と圧縮機21の吸入側との間を流れる低圧の冷媒によって、ガスクーラ22の出口と上流側膨張機構25との間を流れる冷媒を冷却する液ガス熱交換器28を設けるようにしている。すなわち、液ガス熱交換器28を蒸発器24の出口と圧縮機21の吸入側との間を流れる低圧の冷媒を加熱する加熱器として機能させることによって、圧縮機21に戻る前に冷媒を蒸発させて、蒸発器24に寝込んだ液状態の冷媒が圧縮機21に戻ることを防ぐのである。
これにより、蒸発器24に寝込んだ液状態の冷媒は、液ガス熱交換器28において、ガスクーラ22の出口と上流側膨張機構25との間を流れる冷媒を冷却することによって加熱されるため、圧縮機21に液状態の冷媒がかなり戻りにくくすることができる。
しかし、ガスクーラ22の出口と上流側膨張機構25との間を流れる冷媒は、圧縮機21から吐出された後にガスクーラ22において冷却されているため、液ガス熱交換器28に流入する際には、冷媒の温度がかなり低くなってしまう。このため、液ガス熱交換器28において、ガスクーラ22の出口と上流側膨張機構25との間を流れる冷媒と蒸発器24に寝込んだ液状態の冷媒との温度差が小さくなり、蒸発器24に寝込んだ液状態の冷媒を十分に加熱することができない場合がある。そうすると、液ガス熱交換器28を設けるだけでは、圧縮機21に液状態の冷媒が戻ることを抑える効果が十分に得られないおそれが残る。
そこで、コンテナ用冷凍装置1では、液ガス熱交換器28を設けるとともに、運転開始時に、図7のフローチャートに示す起動制御を行うようにしている。
<ステップST1>
制御部6は、停止中のコンテナ用冷凍装置1に運転指令がなされて運転が開始されると、まず、ステップST1において、第1制御を行う。
制御部6は、停止中のコンテナ用冷凍装置1に運転指令がなされて運転が開始されると、まず、ステップST1において、第1制御を行う。
具体的には、第1制御では、まず、ガスクーラファンとしての庫外ファン36を停止させた状態で圧縮機21を起動する。すなわち、ガスクーラ22に冷却源としての庫外空気が供給されないようにした状態で運転を開始するのである。
これにより、圧縮機21から吐出された冷媒がガスクーラ22において冷却されにくくなり、ガスクーラ22の出口と上流側膨張機構25との間を流れる冷媒の温度が低くなりにくくなる。すなわち、図8の運転開始時の冷凍サイクルに示すように、ガスクーラ22における交換熱量(点E、F間のエンタルピ差)が小さくなり、液ガス熱交換器28の高圧側流路28aに流入する高圧の冷媒の温度が低くなることが抑えられる。このため、液ガス熱交換器28において、ガスクーラ22の出口と上流側膨張機構25との間を流れる冷媒(すなわち、高圧側流路28aを流れる高圧の冷媒)と蒸発器24に寝込んだ液状態の冷媒(すなわち、低圧側流路28bを流れる低圧の冷媒)との温度差が大きくなる。そうすると、蒸発器24に寝込んだ液状態の冷媒を十分に加熱することができるようになる。すなわち、図8に示すように、液ガス熱交換器28における交換熱量(点K、A間のエンタルピ差)が大きくなり、液ガス熱交換器28bから流出する低圧の冷媒が液状態のままで流出することが抑えられる。その結果、液ガス熱交換器28を設けるだけの場合に比べて、圧縮機21に液状態の冷媒が戻ることを抑える効果が十分に得られるようになり、運転開始時に圧縮機21において液圧縮が発生することを抑えることができる。
また、コンテナ用冷凍装置1では、庫外ファン36がガスクーラ22及びインタークーラ38に共通に設けられているため、庫外ファン36を停止させると、インタークーラ38にも冷却源としての庫外空気が供給されないようになる。
これにより、低段側圧縮機21aから吐出された中間圧の冷媒がインタークーラ38において冷却されにくくなり、高段側圧縮機21bに吸入される中間圧の冷媒の温度が低くなりにくくなる。すなわち、図8に示すように、インタークーラ38における交換熱量(点B、C間のエンタルピ差)が小さくなり、高段側圧縮機21bに吸入される中間圧の冷媒の温度が低くなることが抑えられる。このため、高段側圧縮機21b(すなわち、圧縮機21)から吐出される高圧の冷媒の温度が高くなりやすくなり、ガスクーラ22に流入する高圧の冷媒の温度が高くなる。そうすると、ガスクーラ22の出口と上流側膨張機構25との間を流れる冷媒(すなわち、高圧側流路28aを流れる高圧の冷媒)の温度がさらに低くなりにくくなる。すなわち、図8に示すように、ガスクーラ22の入口及び出口における冷媒の温度(点E、F)が高エンタルピ側にシフトし、液ガス熱交換器28における交換熱量(点K、A間のエンタルピ差)がさらに大きくなる。その結果、圧縮機21に液状態の冷媒が戻ることを抑える効果をさらに高めることができる。
また、コンテナ用冷凍装置1では、上記のように、ガスクーラ22の出口と液ガス熱交換器28の高圧側流路28aの入口との間に中間圧インジェクション管40及びエコノマイザ熱交換器39が設けられている。このため、起動制御において、通常運転時と同様に、ガスクーラ22の出口と液ガス熱交換器28の高圧側流路28aの入口との間を流れる冷媒を分岐するように中間圧インジェクション管40を制御すると、中間圧インジェクション管40による冷媒の分岐及びエコノマイザ熱交換器39による冷媒の冷却によって液ガス熱交換器28に流入する冷媒の温度が低下してしまう(図6の点F、G参照)。また、中間圧インジェクション管40から圧縮機21の圧縮過程の途中(ここでは、高段側圧縮機21bの吸入側)に冷媒が戻ることによって、圧縮機21から吐出される高圧の冷媒の温度が低下して、ガスクーラ22の出口における冷媒の温度も低下することになる(図6の点L、M、C、D、E参照)。そうすると、液ガス熱交換器28において、ガスクーラ22の出口と上流側膨張機構25との間を流れる冷媒と蒸発器24に寝込んだ液状態の冷媒との温度差が小さくなり、蒸発器24に寝込んだ液状態の冷媒の加熱が不十分になるおそれがある。
そこで、第1制御では、庫外ファン36を停止させた状態にするとともに、ガスクーラ22の出口と液ガス熱交換器28の高圧側流路28aの入口との間を流れる冷媒を分岐しないように中間圧インジェクション管40を制御するようにしている。すなわち、中間圧戻し膨張機構41を閉止して中間圧インジェクション管40及びエコノマイザ熱交換器39による中間圧インジェクションを行わない状態で運転を開始するのである。
これにより、中間圧インジェクション管40による冷媒の分岐及びエコノマイザ熱交換器39による冷媒の冷却によって液ガス熱交換器28の高圧側流路28aに流入する冷媒の温度が低下することを防ぐことができるようになる。すなわち、図8に示すように、エコノマイザ熱交換器39における熱交換がなくなり(点F、G参照)、液ガス熱交換器28の高圧側流路28aに流入する高圧の冷媒の温度の低下が抑えられる。また、中間圧インジェクション管40から圧縮機21の圧縮過程の途中(ここでは、高段側圧縮機21bの吸入側)に冷媒が戻らなくなるため、圧縮機21から吐出される高圧の冷媒の温度の低下が抑えられて、ガスクーラ22の出口における冷媒の温度の低下も抑えられることになる(図8の点C、D、E、F参照)。その結果、圧縮機21に液状態の冷媒が戻ることを抑える効果を十分に発揮させることができる。
尚、第1制御では、圧縮機21が起動制御用に設定された起動制御用回転数になるように制御される。ここで、起動制御用回転数は、運転開始時は、所定の起動初期回転数に設定され、起動制御が進むにつれて、起動初期回転数から所定の起動目標回転数まで徐々に上昇するように設定されている。また、膨張機構23(すなわち、上流側膨張機構25及び下流側膨張機構26)も起動制御用に設定された起動制御用開度になるように制御される。ここで、起動制御用開度も、運転開始時は、所定の起動初期開度に設定され、起動制御が進むにつれて、起動初期開度から所定の起動目標開度まで徐々に開度が大きくなるように設定されている。また、吐出流量調整機構42及び除霜側開閉機構44については、通常運転時と同様に、吐出流量調整機構42が全開、そして、除霜側開閉機構44が全閉の状態になっている。
<ステップST2、ST3、ST4>
次に、制御部6は、ステップST2において、液ガス熱交換器28の低圧側流路28bの出口と圧縮機21の吸入側との間を流れる冷媒の過熱度SHが所定のファン起動閾過熱度SHiに達したかどうかを判定する。
次に、制御部6は、ステップST2において、液ガス熱交換器28の低圧側流路28bの出口と圧縮機21の吸入側との間を流れる冷媒の過熱度SHが所定のファン起動閾過熱度SHiに達したかどうかを判定する。
ここで、ステップST2の判定を行うのは、ステップST1の第1制御によって、蒸発器24に寝込んだ液状態の冷媒が存在しなくなると、液ガス熱交換器22の低圧側流路28bの出口と圧縮機21の吸入側との間を流れる冷媒の過熱度SHが大きくなる。そして、蒸発器24に寝込んでいた液状態の冷媒が存在しなくなれば、庫外ファン36を停止させておく必要がなくなるからである。このため、ファン起動閾過熱度SHiは、蒸発器24に寝込んでいた液状態の冷媒が存在しないとみなせる程度の過熱度値に設定されている。
そして、ステップST2において、過熱度SHがファン起動閾過熱度SHiに達したと判定された場合には、制御部6は、ステップST3、ST4において、庫外ファン36を起動する第2制御を行う。このように、ステップST2において、蒸発器24に寝込んだ液状態の冷媒が存在しない状態を適切に判断し、庫外ファン36を速やかに起動することができるようになっている。
尚、ステップST4の第2制御においては、第1制御と同様に、ガスクーラ22の出口と液ガス熱交換器28の高圧側流路28aの入口との間を流れる冷媒を分岐しないように中間圧インジェクション管40を制御するようにしている。すなわち、第2制御において、中間圧戻し膨張機構41を閉止して中間圧インジェクション管40及びエコノマイザ熱交換器39による中間圧インジェクションを行わない状態での運転については、継続したままにしている。
これは、庫外ファン36を起動するとともに、中間圧戻し膨張機構41を開けて液ガス熱交換器28の高圧側流路28aの入口との間を流れる冷媒を分岐させるように中間圧インジェクション管40を制御すると、液ガス熱交換器28の高圧側流路28aに流入する高圧の冷媒の温度が急激に低下するおそれがあり、このような急激な温度の低下を避けるためである。すなわち、庫外ファン36を起動すると、ガスクーラ22においては、高圧の冷媒の冷却が促進され、また、インタークーラ38においては、中間圧の冷媒の冷却が促進されるようになる。また、中間圧戻し膨張機構41を開けると、エコノマイザ熱交換器39においては、高圧の冷媒の冷却がなされるようになり、また、圧縮機21の圧縮過程の途中(ここでは、高段側圧縮機21bの吸入側)の中間圧の冷媒の冷却が促進されるようになる。そして、庫外ファン36の起動と中間圧戻し膨張機構41の開操作とを同時に行うと、液ガス熱交換器28の高圧側流路28aに流入する高圧の冷媒の温度が急激に低下するおそれがあるため、まずは、庫外ファン36の起動だけを行うものである。
これにより、液ガス熱交換器28の高圧側流路28aに流入する高圧の冷媒の温度が低下したとしても、ガスクーラ22やインタークーラ38における冷媒の冷却促進による温度低下だけに抑えることができる。
<ステップST5、ST6、ST7>
次に、制御部6は、ステップST5、ST6、ST7において、起動制御を終了して通常運転に移行してよいかどうかを判定する。
次に、制御部6は、ステップST5、ST6、ST7において、起動制御を終了して通常運転に移行してよいかどうかを判定する。
具体的には、ステップST5では、圧縮機21の吐出圧力Pdが所定の起動制御終了判定圧力Pdiに達したかどうかを判定する。
ここで、ステップST5の判定を行うのは、ステップST1〜ST4の起動制御によって、蒸発器24に寝込んだ液状態の冷媒が存在しない状態で冷媒回路10の運転状態が安定すると、圧縮機21の吐出圧力Pdが十分に上昇するからである。このため、起動制御終了判定圧力Pdiは、冷媒回路10の運転状態が安定したとみなせる程度の圧力値に設定されている。
また、ステップST6では、圧縮機21の吐出温度Tdが所定の起動制御終了判定温度Tdiに達したかどうかを判定する。
ここで、ステップST6の判定を行うのは、ステップST1〜ST4の起動制御によって、蒸発器24に寝込んだ液状態の冷媒が存在しない状態で冷媒回路10の運転状態が安定すると、圧縮機21の吐出温度Tdが十分に上昇するからである。起動制御終了判定温度Tdiは、冷媒回路10の運転状態が安定したとみなせる程度の温度値に設定されている。
また、ステップST7では、運転開始からの経過時間tが所定の起動制御終了判定時間tiに達して、起動制御のシーケンスが終了したかどうかを判定する。
ここで、ステップST7の判定を行うのは、ステップST5、ST6の吐出圧力や吐出温度の判定条件を満たさない場合であっても、運転開始からの経過時間tが十分に経過した後は、蒸発器24に寝込んだ液状態の冷媒が存在しない状態で冷媒回路10の運転状態が安定したものと見なせるからである。このため、起動制御終了判定時間tiは、冷媒回路10の運転状態が安定したとみなせる程度の時間値に設定されている。
そして、ステップST5、ST6、ST7において、これらのステップのいずれかの条件を満たしたと判定された場合には、制御部6は、起動制御を終了して、中間圧戻し膨張機構41の開操作を行い、上記の庫内温度Trを目標温度Trsに近づけるための各種制御を含む通常運転に移行する。このように、ステップST5、ST6、ST7において、起動制御の終了条件として、圧縮機21の吐出圧力Pd、圧縮機21の吐出温度Td、又は、運転開始からの経過時間tを使用して、起動制御を適切に終了させることができるようになっている。
<ステップST8、ST9、ST10、ST11>
上記のステップST2において過熱度SHがファン起動閾過熱度SHiに達していないと判定された場合には、制御部6は、ステップST8、ST9、ST10に移行する。
上記のステップST2において過熱度SHがファン起動閾過熱度SHiに達していないと判定された場合には、制御部6は、ステップST8、ST9、ST10に移行する。
ここで、ステップST8、ST9、ST10は、ステップST5、ST6、ST7と同じく、起動制御を終了して通常運転に移行してよいかどうかを判定する内容である。すなわち、ステップST5では、圧縮機21の吐出圧力Pdが所定の起動制御終了判定圧力Pdiに達したかどうかを判定する。また、ステップST6では、圧縮機21の吐出温度Tdが所定の起動制御終了判定温度Tdiに達したかどうかを判定する。また、ステップST7では、運転開始からの経過時間tが所定の起動制御終了判定時間tiに達して、起動制御のシーケンスが終了したかどうかを判定する。
但し、ステップST5、ST6、ST7は、庫外ファン36を起動した後の第2制御時に行われる判定であるのに対して、ステップST8、ST9、ST10は、庫外ファン36を起動する前の第1制御時に行われる判定である点が異なっている。すなわち、ステップST8、ST9、ST10は、過熱度SHがファン起動閾過熱度SHiに達しているとは判定されていないものの、冷媒回路10の運転状態が安定したとみなせる程度の吐出圧力、吐出温度又は経過時間に達している場合には、起動制御を終了して通常運転に移行させる判定である。このため、ステップST8、ST9、ST10において、起動制御を終了して通常運転に移行してよいと判定された場合には、制御部6は、ステップS11において、庫外ファン36を起動させ、その後に、中間圧戻し膨張機構41の開操作を行い、上記の庫内温度Trを目標温度Trsに近づけるための各種制御を含む通常運転に移行する。このように、ステップST2において過熱度SHがファン起動閾過熱度SHiに達していないと判定された場合であっても、ステップST8、ST9、ST10において、圧縮機21の吐出圧力Pd、圧縮機21の吐出温度Td、又は、運転開始からの経過時間tを使用して、起動制御を適切に終了させることができるようになっている。
本発明は、冷凍装置の運転開始時の起動制御に対して、広く適用可能である。
1 コンテナ用冷凍装置(冷凍装置)
2 コンテナ
10 冷媒回路
21 圧縮機
22 ガスクーラ
23 膨張機構
24 蒸発器
28 液ガス熱交換器
36 庫外ファン(ガスクーラファン)
39 エコノマイザ熱交換器
40 中間圧インジェクション管
2 コンテナ
10 冷媒回路
21 圧縮機
22 ガスクーラ
23 膨張機構
24 蒸発器
28 液ガス熱交換器
36 庫外ファン(ガスクーラファン)
39 エコノマイザ熱交換器
40 中間圧インジェクション管
Claims (6)
- 圧縮機(21)と、ガスクーラ(22)と、膨張機構(23)と、蒸発器(24)とが順次接続された冷媒回路(10)を有する冷凍装置において、
前記ガスクーラには、ガスクーラファン(36)によって冷却源としての空気が供給されるようになっており、
前記ガスクーラの出口と前記膨張機構との間には、前記蒸発器の出口と前記圧縮機の吸入側との間を流れる冷媒によって、前記ガスクーラの出口と前記膨張機構との間を流れる冷媒を冷却する液ガス熱交換器(28)がさらに設けられており、
運転開始時に、前記ガスクーラファンを停止させた状態で前記圧縮機を起動する第1制御を含む起動制御を行う、
冷凍装置(1)。 - 前記起動制御は、前記圧縮機(21)の吐出圧力が所定の起動制御終了判定圧力に達した後、前記圧縮機の吐出温度が所定の起動制御終了判定温度に達した後、又は、前記運転開始からの経過時間が所定の起動制御終了判定時間に達した後に終了する、
請求項1に記載の冷凍装置(1)。 - 前記起動制御において、前記液ガス熱交換器(28)の出口と前記圧縮機(21)の吸入側との間を流れる冷媒の過熱度が所定のファン起動閾過熱度に達した後に、前記ガスクーラファン(36)を起動する第2制御を行う、
請求項1又は2に記載の冷凍装置(1)。 - 前記冷媒回路(10)には、前記ガスクーラ(22)の出口と前記液ガス熱交換器(28)の入口との間を流れる冷媒の一部を分岐して前記圧縮機(21)の圧縮過程の途中に戻す中間圧インジェクション管(40)と、前記中間圧インジェクション管を流れる冷媒によって前記ガスクーラの出口と前記液ガス熱交換器の入口との間を流れる冷媒を冷却するエコノマイザ熱交換器(39)とがさらに設けられており、
前記起動制御において、前記中間圧インジェクション管は、前記ガスクーラの出口と前記液ガス熱交換器の入口との間を流れる冷媒を分岐しないように制御される、
請求項1〜3のいずれか1項に記載の冷凍装置(1)。 - 前記蒸発器(24)は、冷却対象物が収容されるコンテナ(2)の庫内側空間に配置されており、
前記圧縮機(21)は、前記コンテナの庫外側空間において、前記蒸発器の略真下に配置されている、
請求項1〜4のいずれか1項に記載の冷凍装置(1)。 - 前記冷媒回路(10)は、冷媒として二酸化炭素を使用しており、前記圧縮機(21)から吐出される冷媒の圧力が冷媒の臨界圧力を超える圧力になる超臨界冷凍サイクルを行う、
請求項1〜5のいずれか1項に記載の冷凍装置(1)。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012043327A JP2013178068A (ja) | 2012-02-29 | 2012-02-29 | 冷凍装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2012043327A JP2013178068A (ja) | 2012-02-29 | 2012-02-29 | 冷凍装置 |
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JP2013178068A true JP2013178068A (ja) | 2013-09-09 |
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ID=49269857
Family Applications (1)
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JP2012043327A Pending JP2013178068A (ja) | 2012-02-29 | 2012-02-29 | 冷凍装置 |
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JP (1) | JP2013178068A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017194180A (ja) * | 2016-04-18 | 2017-10-26 | 株式会社デンソー | 冷凍サイクル装置 |
-
2012
- 2012-02-29 JP JP2012043327A patent/JP2013178068A/ja active Pending
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JP2017194180A (ja) * | 2016-04-18 | 2017-10-26 | 株式会社デンソー | 冷凍サイクル装置 |
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