JP2013177946A - 制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】点火プラグのくすぶりを適時除去し、イオン電流を参照した燃焼判定の精度を一層高める。
【解決手段】イオン電流検出用の回路を介して計測される、点火後の燃焼期間のイオン電流信号に基づいて、点火プラグのくすぶりの有無を判断するとともに、点火プラグのくすぶりを感知したことを条件として、内燃機関が出力する駆動力を伝達するトルクコンバータにおけるロックアップを禁止する。トルクコンバータにおけるロックアップを敢えて禁止することで、運転者がアクセルペダルを強く踏み込むことを促し、内燃機関を高負荷化または高回転化してくすぶりを除去する機会を増進することができる。
【選択図】図6
【解決手段】イオン電流検出用の回路を介して計測される、点火後の燃焼期間のイオン電流信号に基づいて、点火プラグのくすぶりの有無を判断するとともに、点火プラグのくすぶりを感知したことを条件として、内燃機関が出力する駆動力を伝達するトルクコンバータにおけるロックアップを禁止する。トルクコンバータにおけるロックアップを敢えて禁止することで、運転者がアクセルペダルを強く踏み込むことを促し、内燃機関を高負荷化または高回転化してくすぶりを除去する機会を増進することができる。
【選択図】図6
Description
本発明は、内燃機関及び駆動系のトルクコンバータを制御する制御装置に関する。
気筒での燃料の燃焼状態を推測する手法の一として、燃焼の際に点火プラグの電極を流れるイオン電流を検出、参照するものが知られている(例えば、下記特許文献1を参照)。オーバーリーン等の不良燃焼時には、正常燃焼時と比べてイオン電流のピークが低くなる。また、失火時には、そもそもイオン電流を検出できない。イオン電流の推移を計測し、計測値を判定のための閾値と比較することにより、気筒での燃焼が正常であるか否かの判定を下すことが可能である。
ところで、点火プラグの使用期間が長くなるにつれて、燃料成分その他のデポジットが電極に徐々に付着、堆積してゆく。とりわけ、カーボンのような導電性の物質を含むデポジットが堆積する、いわゆる点火プラグのくすぶりが発生すると、デポジットが点火プラグの中心電極と接地電極との間を短絡するように働き、電極を流れるリーク電流の量が増加する。さすれば、燃料が適正に燃焼せず、または失火して燃焼室内で相当量のイオンが発生しなかったとしても、イオン電流の計測値が判定閾値を超えてしまい、正常燃焼であると誤判定するおそれがある。
点火プラグのくすぶりは、燃焼室内の温度が高くなる、高負荷及び/または高回転の運転領域にて自然に除去されてゆく(例えば、下記特許文献2を参照)。しかし、内燃機関の運転領域は、言うまでもないことながら運転者の操作に依存する。運転者がアクセルペダルを強く踏み込むことを意図的に避けている場合等においては、内燃機関が高負荷高回転化せず、燃焼室内の温度が十分に高まらない。そのため、点火プラグのくすぶりが除去されず、気筒での燃焼状態の判定の精度が低下するきらいがあった。
本発明は、点火プラグのくすぶりを適時除去して、イオン電流を参照した燃焼状態の判定の精度をより一層高めることを所期の目的としている。
本発明では、燃焼の際に点火プラグの電極を流れるイオン電流を検出する回路を介して計測される、点火後の燃焼期間のイオン電流信号に基づいて、点火プラグのくすぶりの有無を判断するとともに、点火プラグのくすぶりを感知したことを条件として、内燃機関が出力する駆動力を伝達するトルクコンバータにおけるロックアップを禁止することを特徴とする制御装置を構成した。
つまり、点火プラグのくすぶりを検出した暁には、トルクコンバータにおけるロックアップを敢えて禁止することで、運転者がアクセルペダルをより強く踏み込むことを促し、内燃機関を高負荷化または高回転化してくすぶりを除去する機会を増進するようにしたのである。
本発明によれば、点火プラグのくすぶりを適時除去でき、イオン電流を参照したノッキング判定の精度を一層高めることが可能である。
本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。図1に、本実施形態における車両用内燃機関の概要を示す。
本実施形態における内燃機関は、火花点火式ガソリンエンジンであり、複数の気筒1(図1には、そのうち一つを図示している)を具備している。各気筒1の吸気ポート近傍には、燃料を噴射するインジェクタ11を設けている。また、各気筒1の燃焼室の天井部に、点火プラグ12を取り付けてある。
図2に、火花点火用の電気回路を示している。点火プラグ12は、点火コイル14にて発生した誘導電圧の印加を受けて、中心電極と接地電極との間で火花放電を惹起するものである。点火コイル14は、半導体スイッチング素子であるイグナイタ13とともに、コイルケースに一体的に内蔵される。
本実施形態の制御装置たるECU(Electronic Control Unit)0からの点火信号iをイグナイタ13が受けると、まずイグナイタ13が点弧して点火コイル14の一次側に電流が流れ、その直後の点火タイミングでイグナイタ13が消弧してこの電流が遮断される。すると、自己誘導作用が起こり、一次側に高電圧が発生する。そして、一次側と二次側とは磁気回路及び磁束を共有するので、二次側にさらに高い誘導電圧が発生する。この高い誘導電圧が点火プラグ12の中心電極に印加され、中心電極と接地電極との間で火花放電する。
ECU0は、燃料の爆発燃焼の際に気筒1の燃焼室内に発生するイオン電流を検出し、このイオン電流を参照して、燃焼状態の判定を行う。
図2に示すように、本実施形態では、火花点火用の電気回路に、イオン電流を検出するための回路を付加している。この検出回路は、イオン電流を効果的に検出するためのバイアス電源部15と、イオン電流の多寡に応じた検出電圧を増幅して出力する増幅部16とを備える。バイアス電源部15は、バイアス電圧を蓄えるキャパシタ151と、キャパシタ151の電圧を所定電圧まで高めるためのツェナーダイオード152と、電流阻止用のダイオード153、154と、イオン電流に応じた電圧を出力する負荷抵抗155とを含む。増幅部16は、オペアンプに代表される電圧増幅器161を含む。
点火プラグ12の中心電極と接地電極との間のアーク放電時にはキャパシタ151が充電され、その後キャパシタ151に充電されたバイアス電圧により負荷抵抗155にイオン電流が流れる。イオン電流が流れることで生じる抵抗155の両端間の電圧は、増幅部16により増幅されてイオン電流信号hとしてECU0に受信される。
図3に、正常燃焼における、イオン電流(図中実線で示す)及び気筒1内の燃焼圧力(筒内圧。図中破線で示す)のそれぞれの推移を例示している。イオン電流は、点火のための放電中は検出することができない。正常燃焼の場合のイオン電流は、火花点火の終了後、化学反応により、圧縮上死点の手前で減少した後、熱解離によって再び増加する。また、燃焼圧がピークを迎えるのとほぼ同時にイオン電流も極大となる。
吸気を供給するための吸気通路3は、外部から空気を取り入れて各気筒1の吸気ポートへと導く。吸気通路3上には、エアクリーナ31、電子スロットルバルブ32、サージタンク33、吸気マニホルド34を、上流からこの順序に配置している。
排気を排出するための排気通路4は、気筒1内で燃料を燃焼させた結果発生した排気を各気筒1の排気ポートから外部へと導く。この排気通路4上には、排気マニホルド42及び排気浄化用の三元触媒41を配置している。
図4に、内燃機関が搭載された車両が備える駆動系の例を示す。この駆動系は、内燃機関が出力する駆動力をトルクコンバータ7を介して自動変速機8、9に入力し、車軸103に伝達するようにしたものである。本実施形態では、自動変速機8、9の構成要素として、遊星歯車機構を利用した前後進切換装置8、及び無段変速機の一種であるベルト式CVT(Continuously Variable Transmission)9を採用している。
内燃機関が出力する回転トルクは、内燃機関のクランク軸からトルクコンバータ7の入力側のポンプインペラ71に入力され、出力側のタービンランナ72に伝達される。タービンランナ72の回転は、前後進切換装置8を介してCVT9の駆動軸94に伝わり、CVT9における変速を経て従動軸95を回転させる。従動軸95の回転は、出力ギア101に伝達される。出力ギア101は、デファレンシャル装置のリングギア102と噛合し、デファレンシャル装置を介して車軸103及び駆動輪(図示せず)を回転させる。
トルクコンバータ7は、ロックアップ機構を備える。ロックアップ機構は、この分野では既知のもので、トルクコンバータ7の入力側と出力側とを相対回動不能に締結するロックアップクラッチ73と、ロックアップクラッチ73を断接切換駆動するための作動液圧(油圧)を制御するロックアップソレノイドバルブ(図示せず)とを要素とする。ロックアップソレノイドバルブは、制御信号lを受けてその開度を変化させる流量制御弁である。
一般的に、ロックアップ機構は、自動変速機8、9による変速比の変更を伴わない状況において、トルクコンバータ7の入力側と出力側とを締結する。ロックアップ時、ロックアップクラッチ73はトルクコンバータカバー74に押し付けられ、トルクコンバータカバー74と一体となって回転する。ロックアップ時、トルクコンバータ7の入力側(のドライブプレート)に入力された機関のトルクは、トルクコンバータカバー74からロックアップクラッチ73を経由してトルクコンバータ7の出力側、ひいては前後進切換装置8に直接伝達される。ロックアップ時、トルクコンバータ7の出力側回転数の入力側回転数に対する比である速度比は1となる。
非ロックアップ時には、ロックアップクラッチ73がトルクコンバータカバー74から離反する。非ロックアップ時、トルクコンバータ7の入力側に入力された機関のトルクは、トルクコンバータカバー74からポンプインペラ71、タービン72へと伝わり、前後進切換装置8に伝達される。非ロックアップ時、トルクコンバータ7の速度比は1よりも小さくなる。
前後進切換装置8は、そのサンギア81がタービンランナ72と連絡し、リングギア82が駆動軸94と連絡している。プラネタリギア831を支持するプラネタリキャリア83と変速機ケースとの間には、断接切換可能な液圧クラッチたるフォワードブレーキ84を介設している。また、プラネタリキャリア83とサンギア81(または、トルクコンバータ7の出力側)との間にも、断接切換可能な液圧クラッチたるリバースクラッチ85を介設している。
走行レンジのうちのDレンジでは、フォワードブレーキ84を締結し、リバースクラッチ85を切断する。これにより、トルクコンバータ7の出力軸の回転が逆転されかつ減速されて駆動軸94に伝達され、前進走行となる。翻って、Rレンジでは、リバースクラッチ85を締結し、フォワードブレーキ84を切断する。これにより、サンギア81とプラネタリキャリア83とが一体的に回転し、トルクコンバータ7の出力軸と駆動軸94とが直結して後進走行となる。フォワードブレーキ84またはリバースクラッチ85断接切換駆動するための作動液圧を制御するソレノイドバルブ(図示せず)は、制御信号mを受けてその開度を変化させる流量制御弁である。
非走行レンジであるNレンジ、Pレンジでは、フォワードブレーキ84及びリバースクラッチ85をともに切断する。
CVT9は、駆動プーリ91及び従動プーリ92と、両プーリ91、92に巻き掛けられたベルト93とを要素とする。駆動プーリ91は、駆動軸94に固定した固定シーブ911と、駆動軸91上にローラスプラインを介して軸方向に変位可能に支持させた可動シーブ912と、可動シーブ912の後背に配設された液圧サーボ913とを有しており、液圧サーボ913を操作し可動シーブ912を変位させることを通じて変速比を無段階に変更できる。並びに、従動プーリ92は、従動軸95に固設した固定シーブ921と、従動軸95上にローラスプラインを介して軸方向に変位可能に支持させた可動シーブ922と、可動シーブ922の後背に配設された液圧サーボ923とを有しており、液圧サーボ923を操作し可動シーブ922を変位させることを通じてトルク伝達に必要なベルト推力を与える。
走行レンジを操作するべくフォワードブレーキ84またはリバースクラッチ85に供給される作動液(作動油)、また変速比を操作するべく液圧サーボ913、923に供給される作動液を吐出する液圧ポンプ(図示せず)は、内燃機関のクランクシャフトからトルクの伝達を受けて稼働する、既知の機械式(非電動式)のものである。この作動液は、トルクコンバータ7に用いられる流体と共通である。
内燃機関の運転制御を司るECU0は、プロセッサ、メモリ、入力インタフェース、出力インタフェース等を有したマイクロコンピュータシステムである。
入力インタフェースには、車両の実車速を検出する車速センサから出力される車速信号a、クランクシャフトの回転角度及びエンジン回転数を検出するエンジン回転センサから出力されるクランク角信号(N信号)b、アクセルペダルの踏込量またはスロットルバルブ32の開度をアクセル開度(いわば、要求負荷)として検出するセンサから出力されるアクセル開度信号c、ブレーキペダルの踏込量を検出するセンサから出力されるブレーキ踏量信号d、吸気通路3(特に、サージタンク33)内の吸気温及び吸気圧を検出する温度・圧力センサから出力される吸気温・吸気圧信号e、シフトレバーのレンジを知得するためのセンサ(または、シフトポジションスイッチ)から出力されるシフトレンジ信号f、吸気カムシャフトまたは排気カムシャフトの複数のカム角にてカム角センサから出力されるカム角信号(G信号)g、燃焼室内での混合気の燃焼に伴って生じるイオン電流を検出する回路から出力されるイオン電流信号h等が入力される。
出力インタフェースからは、点火プラグ12のイグナイタ13に対して点火信号i、インジェクタ11に対して燃料噴射信号j、スロットルバルブ32に対して開度操作信号k、ロックアップクラッチ73の断接切換用のロックアップソレノイドバルブに対して開度制御信号l、フォワードブレーキ84またはリバースクラッチ85の断接切換用のソレノイドバルブに対して開度制御信号m、CVT9に対して変速比制御信号n等を出力する。
ECU0のプロセッサは、予めメモリに格納されているプログラムを解釈、実行し、運転パラメータを演算して内燃機関の運転を制御する。ECU0は、内燃機関の運転制御に必要な各種情報a、b、c、d、e、f、g、hを入力インタフェースを介して取得し、エンジン回転数を知得するとともに気筒1に充填される吸気量を推算する。そして、それらエンジン回転数及び吸気量等に基づき、要求される燃料噴射量、燃料噴射タイミング(一度の燃焼に対する燃料噴射の回数を含む)、燃料噴射圧、点火タイミング、トルクコンバータ7のロックアップを行うか否か、自動変速機8、9の変速比といった各種運転パラメータを決定する。運転パラメータの決定手法自体は、既知のものを採用することが可能である。ECU0は、運転パラメータに対応した各種制御信号i、j、k、l、m、nを出力インタフェースを介して印加する。
特に、CVT9を搭載した車両においては、車速が所定値(例えば、10km/h)以上である場合、ほぼ常時トルクコンバータ7をロックアップする。
以降、イオン電流信号hを参照した燃焼状態の判定、並びにダイアグノーシスに関して詳述する。気筒1における燃焼の正否の判定は、当該気筒1の燃焼室内で膨張行程に伴い発生し、当該気筒1の点火プラグ12の電極を流れるイオン電流の検出信号hを参照して行う。即ち、図3に示しているように、ECU0は、点火後の燃焼期間において、イオン電流信号hが判定閾値を上回っている期間T(クランク角度(CA)または時間)の長さを計測し、その長さがある下限値よりも長ければ正常燃焼と判定する一方、下限値よりも短ければ不良燃焼または失火と判定する。
判定閾値の大きさは、内燃機関の運転領域、つまりエンジン回転数及び/または要求負荷(気筒1に充填される吸気量、燃料噴射量)の多寡に応じて変動し得る。例えば、ECU0のメモリには、エンジン回転数及び/または要求負荷等と、これに対応する判定閾値との関係を規定したマップデータが格納されている。ECU0は、現在のエンジン回転数及び/または要求負荷等をキーとして当該マップを検索し、対応した判定閾値を知得する。そして、その判定閾値を用い、期間Tの演算を行う。
ところが、常に図3に示したようなイオン電流信号hの波形を得られるとは限らない。点火プラグ12の電極には、その使用期間が長くなるにつれて、デポジットが徐々に付着、堆積してゆく。このデポジットには、いわゆるプラグ12のくすぶり、換言すればカーボンのような導電性の物質もあれば、燃料や潤滑油に添加された添加剤等に由来した二酸化ケイ素のような絶縁性の物質も存在する。
点火プラグ12に導電性物質を含むデポジットが多量に付着すると、点火プラグ12の中心電極と接地電極とが短絡してしまう。さすれば、気筒1の燃焼室内に燃焼に起因したイオンまたはプラズマが発生していないにもかかわらず、電極間にチャージ電流が流れるようになる。窮極的には、図5に例示するように、判定閾値を上回る電流信号hが検出され続ける「上限張り付き」の状況に陥る。但し、この「上限張り付き」は、図2に示している火花点火用の回路またはイオン電流検出用の回路が点火プラグ12の電極を迂回するように短絡した場合等にも起こる。
本実施形態のECU0は、各気筒1における燃焼状態の判定とともに、点火プラグ12のダイアグノーシスをも実施する。
図6に、本実施形態のECU0がプログラムに従い実行する、燃焼状態判定処理の手順の例を示している。図6に示す手順は、各気筒1毎に個別に実行するものである。
ECU0は、対象の気筒1の膨張行程中において、イオン電流信号hが判定閾値を上回る期間Tを計測する(ステップS1)。そして、この期間Tの長さが正常範囲内にあるか否かを判断する(ステップS2)。期間Tがある下限値以上かつある上限値以下であるならば、当該気筒1の膨張行程における燃焼は正常であったと判定される。
期間Tが下限値を超えて短い場合(ステップS3)には、当該気筒1において燃焼不良または失火が発生したと判定する(ステップS4)、燃焼不良または失火が発生したと判定した気筒1においては、失火対策として、次回以降の燃焼の点火のタイミングを従前よりも遅らせる遅角補正を行うことが通例である。
翻って、期間Tが上限時を超えて長い場合には、点火プラグ12の電極にカーボン等の導電性のデポジットが堆積した状況、即ち点火プラグ12がくすぶっている(疑いがある)と判定する(ステップS5)。そこで、ステップS6以降の、当該気筒1に付随する点火プラグ12のくすぶりを除去する清浄化のための制御を実施する。
ECU0は、点火プラグ12のくすぶりを感知した場合において、そのくすぶりを除去するべく、以後、トルクコンバータ7におけるロックアップを禁止する(ステップS7)期間を設ける。つまり、トルクコンバータ7のロックアップを禁止することにより、運転者がアクセルペダルをより強く踏み込むことを促し、内燃機関を高負荷化または高回転化しやすくして、気筒1の燃焼室内の温度を高める。
そして、ロックアップ禁止期間において、経過時間を計数する(ステップS8)とともに、ステップS1及びS2と同様の判断処理を実行して(ステップS9、S10)、当該気筒1での燃焼の際に検出されるイオン電流信号hが判定閾値を上回っている期間Tの長さが上限値以下となったか否かを反復的に確認する。なお、経過時間のカウンタは予めリセットしておく(ステップS6)。
ステップS8について補足すると、ステップS8では、現在の内燃機関の運転領域[エンジン回転数,要求負荷]に応じて重みを付けた加算値を、経過時間のカウンタに加算する。図7に、現在の運転領域と、そのときのカウンタの加算値との関係を例示する。カウンタの加算値は、点火プラグ12のくすぶりの除去されやすい領域、つまりは気筒1の燃焼室内の温度が高まる高回転域及び/または高負荷域ほど大きな値とする。ECU0は予め、図7に例示しているような二次元のマップデータをメモリに記憶保持している。ECU0は、ステップS8にて、現在の運転領域をキーとしてこのマップを検索し、加算値を知得して当該値をカウンタに加算する。
期間Tが上限値以下に低下した(ステップS10)ことは、点火プラグ12の電極に付着していた導電性のデポジット、即ちくすぶりが除去されたことを示唆する。期間Tが上限値以下となった後、ECU0は、トルクコンバータ7のロックアップの禁止を解除する(ステップS11)。
その上で、経過時間のカウンタがある判定値を上回っている場合(ステップS12)には、くすぶり除去のための清浄化制御を実施した結果異常が解消されたものと判定して(ステップS13)、その旨を出力する。具体的には、ECU0が、清浄化制御を実行した旨を示す情報をメモリに書き込み、記憶保持させる。
しかして、期間Tが上限値以下に低下しないまま、経過時間のカウンタが所定値を超えた場合(ステップS14)には、トルクコンバータ7のロックアップの禁止を解除する(ステップS15)とともに、点火プラグ12または火花点火用の回路若しくはイオン電流検出用の回路が異常であると判定して(ステップS16)、その旨を出力する。具体的には、ECU0が、くすぶり除去のための清浄化制御を実施したが異常が解消されなかった旨を示す情報をメモリに書き込み、記憶保持させて事後の修理作業における原因究明の助けとする。加えて、異常の旨をユーザの視覚または聴覚に訴えかける態様にて報知する。例えば、コックピット内に設置された警告灯を点灯させたり、ディスプレイに警告を表示させたり、ブザーまたはスピーカから警告音を音声出力させたりする。ステップS14における所定値は、ステップS12における判定値よりも大きい。
本実施形態では、燃焼の際に点火プラグ12の電極を流れるイオン電流を検出する回路を利用し、内燃機関の気筒1における燃焼状態を判定するとともに、内燃機関及び駆動系を制御するものであって、前記回路を介して計測される、点火後の燃焼期間のイオン電流信号hに基づいて、点火プラグ12のくすぶりの有無を判断するとともに、点火プラグ12のくすぶりを感知したことを条件として、内燃機関が出力する駆動力を伝達するトルクコンバータ7におけるロックアップをある期間禁止する清浄化制御を実行することを特徴とする制御装置0を構成した。
本実施形態によれば、点火プラグ12のくすぶりを適時除去でき、イオン電流を参照したノッキング判定の精度を一層高めることが可能となる。内燃機関の始動後一定期間の間に点火プラグ12のくすぶりの有無を判断するようなシステムとは異なり、運転中に随時イオン電流信号hを参照して
さらに、検出されたイオン電流信号hの波形が「上限張り付き」状態等の場合に、これが点火プラグ12のくすぶりによるものか、あるいは火花点火用回路またはイオン電流検出用回路の故障によるものかを判別することが可能となる。異常の原因を切り分けて特定できるようになることから、本来不要な、または不適当なメンテナンスを施さずに済み、運用コストの低減に寄与する。
さらに、検出されたイオン電流信号hの波形が「上限張り付き」状態等の場合に、これが点火プラグ12のくすぶりによるものか、あるいは火花点火用回路またはイオン電流検出用回路の故障によるものかを判別することが可能となる。異常の原因を切り分けて特定できるようになることから、本来不要な、または不適当なメンテナンスを施さずに済み、運用コストの低減に寄与する。
なお、本発明は以上に詳述した実施形態に限られるものではない。例えば、制御装置たるECU0が、点火プラグ12のくすぶりを感知した(ステップS5)場合において、自身のメモリに過去にくすぶりを除去するための清浄化制御を実施した旨の履歴の情報(ステップS13またはS16にてメモリに書き込まれたもの)が存在しているならば、再度の清浄化制御を実施しないようにする、ということも考えられる。トルクコンバータ7のロックアップを禁止する清浄化制御は、燃費やドライバビリティの低下を招くという点から見れば好ましくないからである。
駆動系における自動変速機は、前後進切替装置8及びベルト式CVT9の組には限定されない。既知の有段自動変速機等であってもよいことは当然である。
その他、各部の具体的構成や処理の手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
本発明は、車両等に搭載される内燃機関及び駆動系のトルクコンバータの制御に利用できる。
0…制御装置(ECU)
1…気筒
12…点火プラグ
7…トルクコンバータ
h…イオン電流信号
1…気筒
12…点火プラグ
7…トルクコンバータ
h…イオン電流信号
Claims (1)
- 燃焼の際に点火プラグの電極を流れるイオン電流を検出する回路を介して計測される、点火後の燃焼期間のイオン電流信号に基づいて、点火プラグのくすぶりの有無を判断するとともに、
点火プラグのくすぶりを感知したことを条件として、内燃機関が出力する駆動力を伝達するトルクコンバータにおけるロックアップを禁止することを特徴とする制御装置。
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JP2022076068A (ja) * | 2020-11-09 | 2022-05-19 | 三菱電機株式会社 | 内燃機関の制御装置 |
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- 2012-02-29 JP JP2012042841A patent/JP2013177946A/ja active Pending
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JP2022076068A (ja) * | 2020-11-09 | 2022-05-19 | 三菱電機株式会社 | 内燃機関の制御装置 |
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