JP2013177506A - 樹脂封止シート - Google Patents

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健志 湯川
Ryuhei Masuda
隆平 増田
Koichi Hasebe
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Abstract

【課題】本発明の目的は、モジュール化工程での隙間埋め性、モジュール化後の耐クリープ性を維持したまま、モジュール化工程でのセルずれ等の不具合を防止する太陽電池用樹脂封止シートを提供することである。
【解決手段】本発明の太陽電池用樹脂封止シートは、樹脂を軟化させて密着させる太陽電池用樹脂封止シートであって、前記樹脂封止シートが、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸共重合体およびエチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種類の電離性放射線架橋型樹脂を含み、前記電離性放射線架橋型樹脂に電離性放射線を照射することによりゲル分率を2〜65質量%とし、90℃での熱収縮率が15%以下である。
【選択図】なし

Description

本発明は、太陽電池用樹脂封止シートに関する。
近年、世界的な温暖化現象により環境に対する意識が高まり、炭酸ガス等の温暖化ガスを発生しない新しいエネルギーシステムが関心を集めている。例えば、太陽電池発電システムや風力発電システム等の環境にやさしい再生可能なエネルギーシステムは炭酸ガス等の温暖化を誘発するといわれているガスを排出しないため、クリーンなエネルギーシステムとして研究開発が盛んに行われている。なかでも安全性や扱いやすさの観点より太陽電池発電システムが家庭用エネルギー源だけでなく、産業用エネルギー源となるシステムとして注目を浴びている。資源に乏しい日本では、各家庭において、屋根に太陽電池発電システムを設置して電気を発電し、得られた電力を家庭用電力として消費したり、余剰の電力を売電したりすることが近年、盛んになってきている。なかでもドイツを中心としたヨーロッパでは、家庭用のみならず、広大な敷地に太陽電池を配して大規模発電をしており、太陽電池発電システムは、産業用電力としても、投資の対象としても注目されている。
この様に注目されている太陽電池には、いろいろな発電方式がある。代表的な発電方法としては、単結晶もしくは多結晶のシリコンセル(結晶系シリコンセル)を用いたものやアモルファスシリコンを用いたものや化合物半導体を用いたもの(薄膜系セル)等が挙げられる。いずれの発電方法を用いても、かなりの長期間、屋外で風雨にさらされるため、発電部分を長期にわたって保護する目的でガラス板やバックシート等で貼り合せをしてモジュール化している。こうすることによって、外部より水分の流入を防止し、発電部分の保護、漏電防止等の対策を施して、長期にわたって安定したモジュールの保護を達成している。長期間、発電部分を保護する構造は、一般的に発電面には発電に必要な光源を透過する必要があるため、透明なガラスや透明樹脂を使用し、非発電面はバックシートといわれるアルミ箔、フッ化ポリビニル樹脂(PVF)、ポリエチレンテレフタレート(PET)やそのシリカ等のバリアーコート加工の積層シートを使用する。モジュール化とは、発電部分を樹脂封止シートで挟んだ後、ガラスやバックシートでさらに外部を被覆して樹脂封止シートを高温にすることで樹脂封止シートを溶融し、すべてを一体化封止(モジュール化)することである。
このような樹脂封止シートは、<1>ガラス、発電部分、バックシートとの接着性、<2>高温状態での樹脂封止シートの溶融に起因する発電部分の流動防止(耐クリープ性)、<3>太陽光を阻害しない透明性等が要求特性として挙げられる。通常、樹脂封止シートは、エチレン−酢酸ビニル共重合体(以下「EVA」とも記す。)に、紫外線劣化対策として耐光剤や紫外線吸収材、ガラスとの接着性向上のためカップリング剤、架橋のため有機過酸化物等の添加剤を配合したものを、カレンダー成形やTダイキャストにより製膜して製造される。単結晶や多結晶シリコンセルを用いた太陽電池モジュールは、ガラス/樹脂封止シート/結晶系シリコンセル等の発電部分/樹脂封止シート/バックシートの順で重ね合わせ、ガラス面を下にして専用の太陽電池真空ラミネーターを用いて、用いられる樹脂の溶融温度以上(EVAの場合は150℃の温度条件)で余熱工程とプレス工程とを経て、樹脂封止シートを溶融させることにより各部材を貼り合わせて製造することができる。この際、最初の余熱工程で樹脂封止シートの樹脂が溶融し、プレス工程で溶融した樹脂に接着する部材が接触して真空ラミネートされるのである。ラミネート工程では(i)樹脂封止シートに含有している有機過酸化物がその温度によって分解し、EVAの架橋を促進させ、(ii)樹脂封止シートに含有しているカップリング剤が接触している部材と共有結合して部材との接着性を向上させている。こうすることで、高温状態での樹脂封止シートの溶融に起因する発電部分の流動を防止(耐クリープ性)し、ガラス、発電部分、バックシートとの接着性を向上させているのである。また、樹脂封止シートは長期によって太陽光に暴露するため、樹脂の劣化による光学特性の低下を防止する観点で耐光剤等の添加剤を配合する。これによって長期にわたる太陽光を阻害しないレベルの透明性を維持できるのである。
例えば、特許文献1には電子線照射によって架橋された有機高分子樹脂封止シートがアモルファスシリコン太陽電池に積層したモジュールが開示されている。この有機高分子樹脂封止シートを形成する樹脂としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)やエチレン−メチルアクリレート(EMA)等が挙げられる。これらの有機高分子樹脂封止シートは、さらに酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、シランカップリング剤を配合している。そして、特許文献1では、スリットから押出成形にてシーティングした樹脂封止シートを用いて発電部分やバックシートと150℃にて真空ラミネートし、モジュールを作製している。また、特許文献1には、モジュールの受光面より加速電圧500kVで照射線量300kGyにて照射して架橋処理を行ったり、予め電子線照射して架橋処理した樹脂封止シートを用いて180℃で真空ラミネートにてモジュールを作製し、耐クリープ性および耐候性に優れた太陽電池モジュールを提供できると記載されている。
特許文献2には、電子線照射を施したエチレン共重合体からなる太陽電池素子封止材料が開示されている。エチレン共重合体の代表としてエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)やエチレン−不飽和カルボン酸エステル共重合体およびエチレン−不飽和カルボン酸共重合体から選ばれた樹脂を用いている。また、特許文献2には、架橋ゲル化率65%以上の高い架橋度で封止材料が流動したり、変形したりすることのない耐クリープ性を有する太陽電池素子封止材料を提供できると記載されている。
特許文献3には、電離性放射線架橋型樹脂に電離性放射線を照射した樹脂封止シートに関する技術が開示されている。
特許文献4には、特定のゲル分率で60℃での熱収縮率が特定の範囲にある樹脂封止シートに関する技術が開示されている。
特開平6−334207号公報 特開2001−119047号公報 特開2009−249556号公報 特開2010−226054号公報
上記特許文献には、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)に代表されるエチレンビニル共重合体に電子線照射することによって樹脂を架橋させて耐熱性を付与した樹脂封止シートが開示されている。このような樹脂封止シートを太陽電池モジュールに適用することにより、夏場の太陽にさらされた太陽電池モジュールが高温状態になった場合に樹脂封止シートが流動することを防止(耐クリープ性)ことができる。
しかしながら、従来技術の樹脂封止シートでは、樹脂中のゲル分率が高いため、予め電子線を用いて架橋すると、集光特性や密着性を良くするために太陽電池用ガラス自身に形成された凹凸や、配線もしくは発電セルの厚さから生じる凹凸を確実に隙間なく封止することができない場合がある。その隙間に残存した空気が気温変化等の温度変化により繰り返し膨張/収縮をするため、樹脂封止シートが剥離するおそれがある。また、その隙間に水分等が流入し、発電部分まで侵攻して漏電の危険性を高めたりするおそれがある。さらに、予め電子線を用いて架橋した樹脂封止シートでは、架橋により応力の緩和速度が遅くなるため熱固定等による熱収縮低減が困難な場合がある。
特に、特許文献1に記載の実施例では、300〜500kV、300kGy条件においても樹脂封止シートの電子線照射処理が受光面側より行われるため、発電部分が結晶系シリコンセルの裏面まで到達できず、樹脂封止シートが架橋されない場所ができてしまう。その結果、モジュール内の樹脂封止シートのゲル分率が部分的に不均一となるため、高温環境においては安定して結晶系シリコンセルの保持をすることが不可能な場合があり、肝心な発電部分が流動してしまう問題が残されている。また、真空ラミネートする前にこのような照射条件で電子線照射処理をした樹脂封止シートを使用した場合、太陽電池用ガラス自身に作製された凹凸や、配線もしくは発電セルの厚さから生じる凹凸を樹脂封止シートで確実に隙間なく封止することができない。結果として太陽電池モジュールを製造する際のラミネート条件を変更する必要がある。多くの場合、ラミネート温度を約30℃高くする必要があり、発電部分に過剰なダメージを与え、発電効率が低下する等の不具合を生じる場合がある。また、特許文献1に記載の実施例には、シートの製造方法について、プレス成型する技術だけが開示されているが、この方法では生産性が極めて低いため商業的な生産には適用できない。
特許文献2には、ゲル化率が高い樹脂封止シートの方が耐熱性に優れることが記載されている。しかしながら、ゲル化率が高い樹脂封止シートを予め電子線架橋すると、特許文献1と同様、太陽電池用ガラス自身に形成された凹凸や、配線もしくは発電セルの厚さから生じる凹凸を樹脂封止シートで確実に隙間なく封止することができない。結果として太陽電池モジュールを製造する際のラミネート条件を変更する必要がある。多くの場合、ラミネート温度を約30℃高くする必要があり、発電部分に過剰なダメージを与え発電効率が低下する場合がある。また、特許文献2には、樹脂封止シートの製造方法についてはスリットから押し出したこと以外は開示が無い。
特許文献3には、樹脂封止シートの製造方法について、押出はTダイ法、サーキュラーダイ(環状ダイ)法等を用いることができ、多層の場合、好ましくはサーキュラーダイ(環状ダイ)法が良い、と記載されており、実施例ではすべて環状ダイ(サーキュラーダイ)法が使用されている。
特許文献4には、60℃の熱収縮率が特定の範囲にある樹脂封止シートが開示されており、また、特許文献4の実施例ではすべて環状ダイ(サーキュラーダイ)が使用されている。しかしながら、特許文献4では、太陽電池モジュールを製造する際のラミネート工程の余熱工程での樹脂封止シートの温度(通常60℃よりも高い)や、シート原料である樹脂の融点(60℃より高い)以上であるより高い温度での熱収縮率については検討されていない。太陽電池に用いる樹脂封止シートとしては、シート原料である樹脂の融点以上であるより高い温度、例えば90℃での熱収縮率が低い樹脂封止シートの開発が望まれている。
以上のことから、モジュール化工程での隙間埋め性、モジュール化後の耐クリープ性を維持したまま、より高温(例えば、90℃)での熱収縮率を低くすることにより、モジュール化工程でのセルずれ等の不具合を防止することができる樹脂封止シートの開発が望まれている。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、モジュール化工程での隙間埋め性、モジュール化後の耐クリープ性を維持したまま、モジュール化工程でのセルずれ等の不具合を防止する太陽電池用樹脂封止シートを提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、本発明の目的を達成する樹脂封止シートを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は下記の通りである。
[1]
樹脂を軟化させて密着させる太陽電池用樹脂封止シートであって、
前記樹脂封止シートが、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸共重合体およびエチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種類の電離性放射線架橋型樹脂を含み、
前記電離性放射線架橋型樹脂に電離性放射線を照射することによりゲル分率を2〜65質量%とし、
90℃での熱収縮率が15%以下である、太陽電池用樹脂封止シート。
[2]
前記樹脂封止シートが有機過酸化物を含まない、[1]に記載の太陽電池用樹脂封止シート。
[3]
前記樹脂封止シートが、0.01〜5質量%のカップリング剤をさらに含む、[1]または[2]に記載の太陽電池用樹脂封止シート。
[4]
前記樹脂封止シートが、酸化防止剤、光安定剤および紫外線吸収剤からなる群より選ばれる少なくとも1種類の添加剤をさらに含む、[1]〜[3]のいずれかに記載の太陽電池用樹脂封止シート。
本発明によれば、モジュール化工程での隙間埋め性、モジュール化後の耐クリープ性に優れ、モジュール化工程でのセルずれ等の不具合を防止することが可能な太陽電池用樹脂封止シートを提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
≪太陽電池用樹脂封止シート≫
本実施形態の太陽電池用樹脂封止シート(以下、単に「樹脂封止シート」とも記す。)は、樹脂を軟化させて密着させる太陽電池用樹脂封止シートであって、前記樹脂封止シートが、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸共重合体およびエチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種類の電離性放射線架橋型樹脂を含み、前記電離性放射線架橋型樹脂に電離性放射線を照射することによりゲル分率を2〜65質量%とし、90℃での熱収縮率が15%以下である。
本実施形態の樹脂封止シートは、特定の電離性放射線架橋型樹脂に電離性放射線を照射してゲル分率を2〜65質量%としていることにより、太陽電池モジュールを作成する際に、太陽電池用ガラスや配線や発電セルの厚さ等の凹凸を確実に隙間なく封止することができ、かつ、得られた太陽電池モジュールは耐クリープ性に優れる。また、本実施形態の樹脂封止シートは、電離性放射線照射により特定の樹脂が予め架橋されているので、太陽電池モジュールを製造する際、ラミネート後の硬化工程が不要のため、太陽電池モジュールを生産性よく製造することができる。更に、本実施形態の樹脂封止シートは、90℃での熱収縮率が15%以下と低いので、モジュール化工程でのセルずれ等の不具合を大幅に改善できる。
〈封止方法〉
本実施形態の樹脂封止シートは、太陽電池に用いる樹脂封止シートであって、例えば、ガラス、発電部分およびバックシートから構成される太陽電池モジュールを作成する際、各構成部材の封止に用いられる。該封止方法としては、例えば、樹脂封止シートにおける樹脂を軟化させて各構成部材に密着させる方法が挙げられる。
本実施形態において「軟化」について説明する。本実施形態において「軟化」とは樹脂に熱等のエネルギーを与え、樹脂を軟化状態にすることを意味する。そのときのエネルギーは熱が簡便であるため好ましいが、これに限るものではない。また、樹脂への熱等のエネルギーの与え方は、直接電熱線等で加熱する方法、輻射熱等の間接的な加熱方法、樹脂の分子鎖を振動させて樹脂自身を分子運動させて発熱させる方法等、いかなる方法を用いてもよい。本実施形態に用いる封止方法としては、具体的には、軟化した樹脂を被封止材料に密着させて、樹脂を固化することによって固定する方法等が挙げられる。長期耐久性が必要な場合は安定して固定するため、樹脂と被封止材料との間に隙間がなく密着して固定することが好ましく、通常、真空ラミネート方法等の空気を排除した方法が用いられるが、これに限られるものではない。
〈電離性放射線架橋型樹脂〉
本実施形態の樹脂封止シートに含まれる電離性放射線架橋型樹脂としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸共重合体およびエチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種類の樹脂(以下「エチレン系重合体」とも記す。)である。
本実施形態の樹脂封止シートが単層構造の場合、上記エチレン系重合体単独の樹脂から構成されていてもよく、上記2種以上の上記エチレン系重合体同士、または上記エチレン系重合体と他の樹脂とを混合することにより得られる樹脂から構成されていてもよい。また、本実施形態の樹脂封止シートが多層構成の場合、表面層に使用される樹脂は被接着物との接着性の観点より、少なくとも上記エチレン系重合体を含む樹脂であることが好ましい。さらに、共重合で用いられるモノマーの極性基による分極によって、ガラス等の被接着体との付着性機能が発揮することができたり、樹脂封止シートの透明性を確保したり、極性基を有するポリマーは添加剤等を含有しやすくする観点より、例えば、表面層が上記エチレン系重合体単独の樹脂からなることが好ましい。
また、電離性放射線を照射して架橋させる場合では、極性基を有する樹脂の方が架橋されやすいことから、本実施形態に用いる電離性放射線架橋型樹脂としては、上記エチレン系重合体が用いられ、特にエチレン−酢酸ビニル共重合体(以下「EVA」とも記す。)が好ましい。
本実施形態に用いるエチレン−酢酸ビニル共重合体とは、エチレンモノマーと、酢酸ビニルとの共重合により得られたポリマーを示す。また、本実施形態に用いるエチレン−脂肪族不飽和カルボン酸共重合体とは、エチレンモノマーと、脂肪族不飽和カルボン酸との共重合により得られたポリマーを示す。さらに、本実施形態に用いるエチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体とは、エチレンモノマーと、脂肪族不飽和カルボン酸エステルとの共重合により得られたポリマーを示す。
上記エチレン系重合体の共重合の時の重合方法は、高圧法、溶融法等いずれの公知の方法でもよく、さらにマルチサイト触媒やシングルサイト触媒による方法でも支障はない。また、各モノマーの重合時の接合形状は、ランダム結合、ブロック結合等であっても支障はない。本実施形態に用いる電離性放射線架橋型樹脂としては、光学特性の観点より、高圧法を用いてランダム結合により重合した上記エチレン系重合体が好ましく、特に高圧法を用いてランダム結合により重合したエチレン−酢酸ビニル共重合体が好ましい。
また、本実施形態に用いるエチレン−酢酸ビニル共重合体において、共重合体全体に対する酢酸ビニルの割合は、光学特性と接着性と柔軟性との観点より、2〜65質量%が好ましく、より好ましくは5〜55質量%、さらに好ましくは5〜40質量%である。本実施形態に用いるエチレン−脂肪族不飽和カルボン酸共重合体において、共重合体全体に対する脂肪族不飽和カルボン酸の割合は、光学特性と接着性と柔軟性との観点より、3〜35質量%が好ましく、より好ましくは10〜33質量%、さらに好ましくは15〜30質量%である。本実施形態に用いるエチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体において、共重合体全体に対する脂肪族不飽和カルボン酸エステルの割合は、光学特性と接着性と柔軟性との観点より、3〜35質量%が好ましく、より好ましくは10〜33質量%、さらに好ましくは15〜30質量%である。
さらに樹脂封止シート加工性の観点より、本実施形態に用いる電離性放射線架橋型樹脂のMFR(190℃、2.16kg)は、0.3〜40g/10分であることが好ましく、より好ましくは0.5〜35g/10分、さらに好ましくは0.8〜30g/10分である。
上記エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸共重合体、エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体は、エチレン−酢酸ビニル共重合体と同様な役割をもつが、その具体例としては、エチレン−アクリル酸共重合体(以下「EAA」とも記す。)、エチレン−メタクリル酸共重合体(以下「EMAA」とも記す。)、エチレン−アクリル酸エステル(メチル、エチル、プロピル、ブチル等の炭素数1〜8のアルコールの成分より選ばれる。)共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル(メチル、エチル、プロピル、ブチル等の炭素数1〜8のアルコールの成分より選ばれる。)共重合体等が挙げられる。これらは更にその他の成分を加えた3成分以上の多元共重合体(例えば、エチレンと脂肪族不飽和カルボン酸および同エステルより適宜選ばれる3元以上の共重合体等)であってもよい。
本実施形態の樹脂封止シートが多層構成の場合、上記エチレン系重合体を含む層を表面層に使用することができ、内層として上記エチレン系重合体を含む層を用いてもよく、いかなる他の樹脂を含む層を用いてもよい。本実施形態の太陽電池用樹脂封止シートにおいて、内層にはさらに新たな層として単一樹脂層または樹脂同士の混合物や樹脂と添加物との混合物の樹脂層を導入してもよい。新たにクッション性を向上する目的で導入される新たな層として熱可塑性樹脂を含む層が挙げられる。熱可塑性樹脂とは、常温でゴム弾性を示し、かつ熱可塑性を有するものであり、共重合体ゴムと重合体とが任意の重量比で配合されたものをいう。共重合体ゴムは、熱可塑性樹脂中において未架橋、部分架橋、全体架橋などの状態で存在することができる。
このような熱可塑性樹脂としては、オレフィン系、スチレン系、塩ビ系、ポリエステル系、ウレタン系、塩素系エチレンポリマー系、ポリアミド系等が挙げられ、生分解性を有したもの、または植物由来原料系のもの等も含まれる。本実施形態において、熱可塑性樹脂としては、結晶性ポリプロピレン系樹脂との相溶性がよく、透明性が良好な水素添加ブロック共重合体樹脂、プロピレン系共重合樹脂、エチレン系共重合体樹脂が好ましく、より好ましくは水素添加ブロック共重合体樹脂、プロピレン系共重合樹脂である。水素添加ブロック共重合体樹脂としては、ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンとのブロック共重合体が好ましい。ビニル芳香族炭化水素としては、スチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、1,3−ジメチルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、1,1−ジフェニルエチレン、N,N−ジメチル−p−アミノエチルスチレン、N,N−ジエチル−p−アミノエチルスチレン等が挙げられ、特にスチレンが好ましい。これらは1種または2種以上混合してもよい。共役ジエンとは、1対の共役二重結合を有するジオレフィンであり、例えば、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン等が挙げられる。これらは1種または2種以上混合してもよい。プロピレン系共重合体樹脂としては、プロピレンと、エチレンまたは炭素原子数4〜20のα−オレフィンとから得られる共重合体が好ましい。そのエチレンまたは炭素原子数4〜20のα−オレフィンの含有量としては6〜30重量%が好ましい。ここで炭素原子数4〜20のα−オレフィンとしては、1−ブテン、1−ペンテン、1−へキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコサン等が挙げられる。プロピレン系共重合体樹脂は、マルチサイト系触媒、シングルサイト系触媒、その他、いずれの触媒を用いて重合されたものでもよい。さらにポリマーの結晶/非晶構造(モルフォロジー)をナノオーダーで制御したプロピレン系共重合体を使用することもできる。エチレン系共重合体樹脂は、マルチサイト系触媒、シングルサイト系触媒、その他、いずれの触媒で重合されたものでもよい。また、ポリマーの結晶/非晶構造(モルフォロジー)をナノオーダーで制御したエチレン系共重合体を使用することもできる。上記の樹脂以外にもアイオノマー等の公知の樹脂を単層または混合して導入しても支障はない。
〈添加剤〉
本実施形態の樹脂封止シートには、その本来の特性を損なわない範囲で、カップリング剤、防曇剤、可塑剤、酸化防止剤、界面活性剤、着色剤、光安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、結晶核剤、滑剤、アンチブロッキング剤、無機フィラー、架橋調整剤等を添加してもよい。こられの添加剤の添加の方法は、該添加剤を含む溶液として溶融樹脂に添加する方法、直接対象樹脂層に練り込み添加する方法、製膜後に塗布する方法等、添加剤の効果が発揮できるような方法であれば、いずれの公知の方法を用いることができる。
本実施形態の樹脂封止シートには、安定した接着性を確保する目的でカップリング剤を添加してもよい。本実施形態の樹脂封止シートにおいて、カップリング剤の含有量は、所望の接着性の度合いや被接着物の種類によるが、0.01〜5質量%が好ましく、より好ましくは0.03〜4質量%、さらに好ましくは0.05〜3質量%である。カップリング剤は、上記エチレン系共重合体の太陽電池セルやガラス等への良好な接着性を付与する物質が好ましい。カップリング剤としては、例えば、有機シラン化合物、有機シラン過酸化物、有機チタネート化合物が挙げられる。また、これらのカップリング剤の添加方法は、押出機内にて上記エチレン系重合体に注入混合する方法、押出機ホッパー内に混合して上記エチレン系重合体に導入する方法、事前にマスターバッチ化して混合して添加する方法等、カップリング剤の効果が発揮できるような方法であれば、いずれの公知の添加方法を用いることができる。しかしながら、押出機を経由する添加方法の場合、押出機内の熱や圧力などにより、カップリング剤の本来の機能を阻害されるおそれがあり、カップリング剤の種類によっては添加量を増減しなければならない場合がある。また、カップリング剤の種類は、上記エチレン系重合体と混合した場合、上記エチレン系重合体の透明性や分散具合、押出機への腐食性や押出安定性の観点から適宜選択すればよい。好ましいカップリング剤としては不飽和基やエポキシ基を有するものが挙げられ、具体的にはビニルトリクロルシラン、ビニルトリス(βメトキシエトキシ)シラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシランが挙げられる。
これらのカップリング剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
本実施形態の樹脂封止シートは、安定性を増大させるため、酸化防止剤、光安定剤および紫外線吸収剤からなる群より選ばれる少なくとも1種類の添加剤が含まれることが好ましい。
本実施形態の樹脂封止シートには、高温下での安定性を付与するために、熱酸化防止剤を添加することが好ましい。本実施形態の樹脂封止シートにおいて、酸化防止剤の添加量は、上記エチレン系重合体100重量部に対して、0.1〜1重量部が好ましい。酸化防止剤の化学構造としてはモノフェノール系、ビスフェノール系、高分子型フェノール系、硫黄系、燐酸系が好ましい。モノフェノール系酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニゾール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、n−オクタデシル−(4−ヒドロキシ−3,5−ジターシャリブチルフェニル)プロピオネートが挙げられる。ビスフェノール系酸化防止剤としては、例えば、2,2′−メチレン−ビス−(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2′−メチレン−ビス−(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4′−チオビス−(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4′−ブチリデン−ビス−(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、3,9−ビス〔{1,1−ジメチル−2−{β−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エチル}2,4,8,10−テトラオキサスピロ〕5,5−ウンデカンが拳げられる。高分子フェノール系酸化防止剤としては、例えば、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−{メチレン−3−(3′,5′−ジ−tert−ブチル−4′−ヒドロキスフェニル)プロピオネート}メタン、ビス{(3,3′−ビス−4′−ヒドロキシ−3′−tert−ブチルフェニル)ブチリックアシッド}グルコールエステル、1,3,5−トリス(3′,5′−ジ−tert−ブチル−4′−ヒドロキシベンジル)−s−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)トリオン、トリフェノール(ビタミンE)が挙げられる。硫黄系酸化防止剤としては、例えば、ジラウリルチオジプロピオネート、ジミリスチルチオジプロピオネート、ジステアリルチオプロピオネートが挙げられる。燐酸系酸化防止剤としては、例えば、トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、4,4′−ブチリデン−ビス−(3−メチル−6−tert−ブチルフェニル−ジ−トリデシル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(オクタデシルホスファイト)、トリス(モノおよび/またはジ)フェニルホスファイト、ジイソデシルペンタエリスリトールジホスファイト、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナスレン−10−オキサイド、10−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン−10−オキサイド、10−デシロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,6−ジ−tert−メチルフェニル)ホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイトが挙げられる。
これらの酸化防止剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
さらに、本実施形態の樹脂封止シートには、上記エチレン系重合体の光劣化を抑え耐候性を向上させるために、あるいは上記エチレン系重合体を含む層の下層を保護するために、紫外線吸収剤を添加することが好ましい。本実施形態の樹脂封止シートにおいて、紫外線吸収剤の添加量は、上記エチレン系重合体100重量部に対して0.1〜0.5重量部であることが好ましい。紫外線吸収剤としては、公知の化合物が用いられる。紫外線吸収剤の化学構造としては、例えば、サリチル酸系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系に大別される。サリチル酸系紫外線吸収剤としては、例えば、フェニルサリシレート、p−tert−ブチルフェニルサリシレート、p−オクチルフェニルサリシレートが挙げられる。ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4,4′−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン、ビス(2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾフェノン)メタンが挙げられる。ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、例えば、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−tert−ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−{2′−ヒドロキシ−3′−(3″,4″,5″,6″−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5′−メチルフェニル}ベンゾトリアゾール、2,2−メチレンビス{4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール}が挙げられる。シアノアクリレート系紫外線吸収剤としては、例えば、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3′−ジフェニルアクリレート、エチル−2−シアノ−3,3′−ジフェニルアクリレート等が挙げられる。そして上記紫外線吸収剤を少なくとも1種以上添加することが好ましい。
本実施形態の樹脂封止シートには、上記紫外線吸収剤以外に耐候性を付与できる添加剤として、光安定化剤、例えばヒンダードアミン系光安定化剤を添加することができる。光安定化剤、例えばヒンダードアミン系光安定化剤は、紫外線吸収剤のようには紫外線を吸収しないが、紫外線吸収剤と併用することによって著しい相乗効果を示す。本実施形態の樹脂封止シートにおいて、光安定化剤の添加量は、上記エチレン系重合体100重量部に対して0.1〜0.3重量部が好ましい。もちろんヒンダードアミン系以外にも光安定化剤として機能するものはあるが、着色している場合が多く本実施形態の樹脂封止シートに透明性を確保する観点から、ヒンダードアミン系光安定化剤が好ましい。
ヒンダードアミン系光安定化剤としては、例えば、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{{2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]、N,N′−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン−2,4−ビス[N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ]−6−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セパレート、2−(3,5−ジ−tert−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート等が挙げられる。
なお、太陽電池モジュールの使用環境を考慮して、低揮発性の紫外線吸収剤、光安定化剤および熱酸化防止剤を用いることが好ましい。
本実施形態の樹脂封止シートが上記エチレン系共重合体を含む層以外の他の樹脂層を含む多層構成である場合、上述した紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定化剤等の添加剤は、上記エチレン系共重合体を含む層だけではなく他の樹脂層にも添加してよい。この場合、本実施形態の樹脂封止シートにおいて、添加剤の添加量は、他の樹脂層を構成する樹脂に対して、好ましくは0〜10質量%、より好ましくは0〜5質量%である。他の樹脂層を構成する樹脂がエチレン系樹脂の場合、シラノール基を有する樹脂をマスターバッチ化して混合して、さらに接着性を付与することもできる。
〈架橋〉
本実施形態でいう架橋とは、樹脂封止シートにα線、β線、γ線、中性子線、電子線等の電離性放射線を照射し、シートを構成するポリマーを架橋させることである。本実施形態の樹脂封止シートは、上記電離性放射線架橋型樹脂に、α線、β線、γ線、中性子線、電子線等の電離性放射線を照射して上記電離性放射線架橋型樹脂を架橋することで、該樹脂の側鎖部分の脱離による有機酸やパーオキサイド等の未反応成分を樹脂中に残留させることを防止し、未反応成分による太陽電池セルや導電性機能層または配線への悪影響を防止することができる。好ましくは樹脂封止シートに含まれる電離性放射線架橋型樹脂にα線、β線、γ線、中性子線、電子線等の電離性放射線を照射する方が好ましい。
電子線等の電離性放射線の加速電圧は、架橋処理を施す樹脂封止シートの厚さによって適宜選択すればよいが、例えば、樹脂封止シートが500μmの厚さの場合、全層に架橋処理を施すためには300kV以上の加速電圧が必要である。
電子線等の電離性放射線の照射線量は、3〜500kGyが好ましい。電離性放射線の照射線量が前記範囲内であると、均一な架橋樹脂封止シートが得られ、また、樹脂封止シートのゲル分率が大きくなりすぎず、太陽電池セルのあるところとないところの段差を埋める性能が向上する傾向にある。
電離性放射線の加速電圧や照射線量は、所望のゲル分率やゲル分布を達成するため、適宜変化させてもよい。電離性放射線の加速電圧や照射線量によって発生する架橋度はゲル分率によって示される。本実施形態の樹脂封止シートのゲル分率は、2〜65質量%であり、好ましくは2〜60質量%、より好ましくは3〜57質量%である。前記範囲のゲル分率を有する樹脂封止シートを得る方法として、電離性放射線の加速電圧や照射線量を適宜調整する方法が挙げられる。また、同じ照射線量であっても、電離性放射線架橋型樹脂の種類による架橋具合の違いや転移化剤による架橋促進や架橋抑制による架橋具合の違いを利用しても前記範囲のゲル分率を有する樹脂封止シートを得ることができる。
前記範囲のゲル分率を有する樹脂封止シートを得る方法として、電離性放射線架橋型樹脂の種類による架橋具合の違いや添加剤による架橋促進や架橋抑制による架橋具合の違いを利用する方法について以下詳細に説明する。例えば、エチレンモノマーと、酢酸ビニル、脂肪族不飽和カルボン酸、脂肪族不飽和カルボン酸エステル等の極性基とを有する樹脂を表面層に配し、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、線状超低密度ポリエチレン(「VLDPE」、「ULDPE」と呼ばれているもの)樹脂を内層に配した場合は、全層透過するに十分な加速電圧であっても表面層のゲル分率は高く、内層は低いゲル分率にすることができる。さらに加速電圧を調整することによって、内層の線状低密度密度ポリエチレン(LLDPE)、線状超低密度ポリエチレン(「VLDPE」、「ULDPE」と呼ばれているもの)樹脂層を架橋しない未架橋層として構築しつつ、電子線照射による架橋加工処理をすることができるのである。また、内層としてポリプロピレン系樹脂を配した場合は、ポリプロピレン系樹脂は電子線等によって架橋しないため、未架橋層を構築することができるのである。
なお、本実施形態において、ゲル分率は、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
本実施形態の樹脂封止シートは、架橋反応を誘発する有機過酸化物を含有していないことが好ましい。有機過酸化物を含有しないことにより、樹脂封止シートの流通段階で有機過酸化物の分解の恐れがなく、シート成形時の温度条件も広範囲に設定することができる。また、有機過酸化物を含有しない樹脂封止シートは、透明性、接着性、耐クリープ性を維持したまま、架橋反応を誘発する有機過酸化物やその分解による太陽電池セル等の他の部材に対する悪影響を排除し、従来難しかった架橋工程の排除による工程の高速化を実現し、太陽電池用ガラスや配線や発電セルの厚さ等の凹凸を樹脂封止シートで確実に隙間なく封止することができる。
≪樹脂封止シートの特性≫
本実施形態の樹脂封止シートは、90℃での熱収縮率が15%以下であり、10%以下であることが好ましく、7%以下であることがさらに好ましい。90℃は封止シートの原料であるポリマーの融点以上であり、なおかつラミネート工程での余熱時の温度であるため、ラミネート工程における樹脂封止シートの特性を評価する上で、きわめて有効な温度である。本実施形態の樹脂封止シートは、ラミネート工程における余熱時のセルの配列ずれ、モジュール端部の隙間防止の観点から、90℃での熱収縮率は15%以下である。
本実施形態の樹脂封止シートは、該封止シートの原料であるポリマーの融点未満である60℃での熱収縮率は5%以下であっても5%より大きくても差し支えないが、5%以下であることが好ましい。
なお、本実施形態において、熱収縮率は、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
90℃での熱収縮率が前記範囲内である樹脂封止シートは、例えば、後述の製造方法により得ることができる。
次に、本実施形態の樹脂封止シートの光学特性について説明する。本実施形態の樹脂封止シートのヘイズは、光学測定機械を使用して測定される値である。該ヘイズは、詳細には、後述の実施例に記載の方法で測定される値である。該ヘイズが10.0%以下であると被包装物を目で見て確認できるため安心感が得られるため、好ましい。10.0%を超えると太陽電池の発電効率が低下する場合がある。該ヘイズは、より好ましくは9.5%以下、さらに好ましくは9.0%以下である。本実施形態の樹脂封止シートの全光線透過率は、85%以上が好ましく、より好ましくは87%以上、さらに好ましくは88%以上である。該全光線透過率は、後述の実施例に記載の方法で測定される値である。
本実施形態の樹脂封止シートの厚みは、50〜1500μmが好ましく、より好ましくは100〜1000μm、さらに好ましくは150〜800μmの薄肉の領域である。本実施形態の樹脂封止シートの厚みが前記範囲内であると、樹脂封止シートのクッション性が向上し、作業性が良好となり、また太陽電池のモジュールの生産性が向上し、被封止物への密着性が向上する。
≪樹脂封止シートの製造方法≫
次に、本実施形態の樹脂封止シートの製造方法について述べる。
本実施形態の樹脂封止シートの製造方法は、例えば、上記エチレン系重合体等の原料樹脂を押出機でシート状に溶融押出する方法が挙げられる。
本実施形態の樹脂封止シートの製造方法においては、原料の樹脂の押出し速度とシートの巻き取り速度との比を、下記一般式1を満たす範囲に制御することが好ましい。
Figure 2013177506
本実施形態においては、シートの巻き取り速度(m/分)は、単位時間当たりにシートが巻き取られる長さであり、樹脂の押出し速度は、ダイからの樹脂の吐出量(kg/分)を樹脂の密度(kg/m3)で除し、得られた値をダイの開口面積(m2)で除すことにより算出される値である。樹脂の押出し速度とシートの巻き取り速度との比が前記範囲内であると、シート成形する際に張力をかけながら成型する必要がなく、また、シートのMD方向の配向の増大を抑制できるため、得られるシートの熱収縮率を低くすることができ、90℃での熱収縮率を15%以下に制御することができる。
本実施形態においては、シート成形温度は適宜設定できるが、得られるシートの熱収縮率の観点から、90〜170℃が好ましい。原料樹脂中に有機過酸化物を含有していない場合は、シート成形温度を高くすることができるので、好ましい。
本実施形態の樹脂封止シートの製造方法は、例えば、原料樹脂を押出機で溶融してダイより共押出し急冷固化して、原反を得る工程を含むことが好ましい。この際、押出はTダイ法、サーキュラーダイ(環状ダイ)法等を用いることができ、Tダイ法が好ましい。
本実施形態の樹脂封の処理止シートの製造方法は、上述のようにして得た該原反を用い、樹脂封止シート表面にエンボス加工処理する工程を含んでいてもよい。両面エンボス処理の場合は2本の加熱エンボスロール間を、片面エンボス処理の場合は片方のみ加熱及びエンボス加工されたロール間を通過させることで樹脂封止シート表面にエンボス加工処理を施すことができる。
樹脂封止シートが多層構造の場合、多層Tダイ法、多層サーキュラーダイ(環状ダイ)法を使用してもよく、公知のラミネート方法によって多層構造をなしてもよいが、多層Tダイ法が好ましい。
本実施形態の樹脂封止シートの製造方法は、後処理工程を含んでいてもよい。後処理としては、例えばコロナ処理、プラズマ処理の他、他種樹脂封止シート等とのラミネーション等が挙げられる。
更に、本実施形態の樹脂封止シートの製造方法は、樹脂封止シートの少なくとも一つの層を電離性放射線(電子線、γ線、紫外線等)の照射により架橋する工程を含む。樹脂封止シートが2層以上の層からなる場合、電離性放射線(電子線、γ線、紫外線等)を照射した層以外にパーオキサイドの利用等の従来公知の方法で架橋した層を含んでもよい。該架橋処理工程は、上述したエンボス加工処理工程の前後どちらでもよい。
また、従来、予め電子線を用いて架橋した樹脂封止シートでは、架橋により樹脂封止シートの熱収縮はある程度まで低減できるが、架橋後に残った熱収縮については、架橋のために応力の緩和速度が遅くなるため熱固定等による更なる熱収縮低減が困難であった。しかしながら、本実施形態の樹脂封止シートは、上述の方法により製造することにより、樹脂封止シートのMD方向の配向を抑制することができ、更なる熱収縮低減ができると考えられる。その結果、モジュール製造工程内のラミネーション工程におけるセルずれ等の不具合を解消し太陽電池モジュールの生産効率を改善できる。
本実施形態の樹脂封止シートは、有機過酸化物を含まない場合、太陽電池のモジュールを構成する樹脂封止シートとして使用すると、従来の樹脂封止シートの特徴である透明性、接着性、耐クリープ特性を維持したまま、架橋反応を誘発する有機過酸化物やその分解による太陽電池セル等の他の部材に対する悪影響を排除することができる。本実施形態の樹脂封止シートは、予め電離性放射線を照射することにより架橋処理を行っているので、従来難しかった架橋工程の排除により太陽電池のモジュールの製造工程を高速化し、太陽電池用ガラスや配線や発電セルの厚さ等の凹凸を樹脂封止シートで確実に隙間なく封止することができ、廃棄の際にはガラスやシリコンセル等を剥離分別できるリサイクル性を有する。
以下に実施例、比較例に基づき本発明を詳細に説明するが、本発明は、その主旨を超えない限り本実施例に限定されるものではない。なお、本実施例で用いる評価方法等は下記の通りである。また、本実施例中の部および%は、特に断らない限り重量基準である。
<エチレン系重合体の密度>
JIS―K−7112に準拠して測定した。
<エチレン系重合体のMFR>
JIS―K−7210に準拠して測定した。
<ゲル分率>
沸騰p−キシレン中で試料(樹脂封止シート)を12時間抽出し、不溶解部分の割合を、ゲル分率として次式により算出した。該ゲル分率を樹脂封止シートの架橋度の尺度として用いた。
Figure 2013177506
<熱収縮率>
実施例および比較例で得られたシートをMD方向10cm×TD方向10cmの正方形に切削して試験片を得た。得られた試験片を60℃および90℃の温水に5分間浸漬し、該浸漬後のMD方向の試験片の長さを測定した。得られた浸漬後の試験片の長さと浸漬前の試験片の長さから下記式にしたがって熱収縮率を算出した。
Figure 2013177506
<ヘイズおよび全光線透過率>
ASTM D−1003に準拠して測定した。測定用サンプルとして、太陽電池用ガラス板(AGC社製白板ガラス5cmX10cm角:厚さ3mm)/樹脂封止シート/太陽電池用ガラス板の順に重ね、LM50型真空ラミネート装置(NPC社)を用いて真空ラミネートしたものを使用した。
<ガラスとの剥離強度>
測定用サンプルとして、太陽電池用ガラス板(AGC社製白板ガラス5cmX10cm角:厚さ3mm)/樹脂封止シート/太陽電池用ガラス板の順に重ね、LM50型真空ラミネート装置(NPC社)を用いて150℃にて真空ラミネートしたものを使用した。該ラミネート後のサンプルにおいて、2枚の太陽電池用ガラス板を手で剥がして、該ガラスと樹脂封止シートとの剥離強度の評価を以下のとおり行った。
(剥離強度の評価基準)
○:強固に接着して手で剥離しない(良好)。
×:手で剥離する(不良)。
<太陽電池発電部分の隙間埋め性評価>
太陽電池用ガラス板(AGC社製白板ガラス5cmX10cm角:厚さ3mm)/樹脂封止シート/発電部分(単結晶シリコンセル(厚さ250μm))/樹脂封止シート/太陽電池用ガラス板の順に重ね、LM50型真空ラミネート装置(NPC社)を用いて150℃にて真空ラミネートした。該ラミネート後、発電部分の単結晶シリコンセルと樹脂封止シートとの接触状況を目視にて確認し、以下のとおり発電部分の隙間埋め性を評価した。
(隙間埋め性の評価基準)
○:単結晶シリコンセルと樹脂封止シートとの接触部分がすべて隙間なし(良好)。
×:単結晶シリコンセルと樹脂封止シートとの接触部分に隙間が生じた(不良)。
<耐クリープ性評価>
太陽電池用ガラス板(AGC社製白板ガラス5cmX10cm角:厚さ3mm)/樹脂封止シート/発電部分(単結晶シリコンセル(厚さ250μm))/樹脂封止シート/太陽電池用ガラス板の順に重ね、LM50型真空ラミネート装置(NPC社)を用いて真空ラミネートした。該ラミネート後、積層した太陽電池の一方のガラス板を85℃に設定した恒温槽の壁面に固定し、24時間放置し、他方のガラス板とのズレを測定し、以下のおおり耐クリープ性を評価した。
(耐クリープ性の評価基準)
○:ガラス板のズレが3mm未満(良好)。
×:ガラス板のズレが3mm以上(不良)。
[実施例1]
表層、内層および表層の順に積層された三層のシートを以下のとおり作成した。なお、表層、内層および表層の厚みの比は、順に1:8:1とした。表層および内層には、下記樹脂および下記添加剤からなる樹脂組成物を用いた。
まず、二台の押出機を用いて、上記表層用の樹脂組成物と上記内層用の樹脂組成物との二種類を溶融した。そして、押出機に接続されたTダイから、上記二種類の樹脂組成物をシート状に溶融押出し、冷却ロールを用いて急冷し、厚み600μmの二種三層のシートを作成した。シートの巻き取り速度は5m/分とした。押出し時の樹脂の押出し速度とシートの巻き取り速度との比(シートの巻き取り速度/樹脂の押出し速度)は1.2であった。
〔内層および表層における樹脂〕
エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)(MFR=25g/10分、酢酸ビニル(VA)濃度=28質量%、密度=0.956g/cm3)。
〔表層における添加剤〕
γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン0.5質量%、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン0.2質量%、n−オクタデシル−(4−ヒドロキシ−3,5−ジターシャリブチルフェニル)プロピオネート0.1質量%、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート0.1質量%。
〔内層における添加剤〕
2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン0.2質量%、n−オクタデシル−(4−ヒドロキシ−3,5−ジターシャリブチルフェニル)プロピオネート0.1質量%、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート0.1質量%。
この得られたシートに対してEPS−800(日新ハイボルテージ社製)を用いて加速電圧750kV、照射密度59kGyで電子線架橋処理を行い、樹脂封止シートを得た。
得られた樹脂封止シートについて、各特性を上記のとおり評価した。この評価結果を表1に示す。
この樹脂封止シートの全光線透過率は89%、ヘイズは12%であった。
この樹脂封止シートの剥離強度は○であり、良好だった。
この樹脂封止シートの隙間埋め性は○であり、隙間は無かった。
この樹脂封止シートの耐クリープ性は○であり、ガラス板のズレはほぼなかった。
この樹脂封止シートの熱収縮率は60℃では3.0%であり、90℃では3.5%であり、十分に低かった。
この樹脂封止シートのゲル分率は43%であった。
表1の結果より、実施例1で得られた樹脂封止シートは優れた特性を有し、非常に良いものであった。
[実施例2]
シートの巻き取り速度を10m/分とした以外は、実施例1と同様に樹脂封止シートを作成し、各特性を評価した。この樹脂封止シートの特性を表1に示す。この樹脂封止シートの熱収縮率は60℃では6.5%、90℃では8.2%であり、十分に低かった。
[比較例1]
Tダイに代えて、円筒ダイを用いた以外は実施例1と同様に樹脂封止シートを作成し、各特性を評価した。評価結果を表1に示す。この樹脂封止シートの熱収縮率は60℃では4.2%、90℃では17.4%であった。
比較例1のように円筒ダイを用いた方法(環状ダイ法)で製造されたシートは、配向が残るため、より高い温度(90℃等)でのシートの熱収縮率が高くなることがわかった。
Figure 2013177506

Claims (4)

  1. 樹脂を軟化させて密着させる太陽電池用樹脂封止シートであって、
    前記樹脂封止シートが、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸共重合体およびエチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種類の電離性放射線架橋型樹脂を含み、
    前記電離性放射線架橋型樹脂に電離性放射線を照射することによりゲル分率を2〜65質量%とし、
    90℃での熱収縮率が15%以下である、太陽電池用樹脂封止シート。
  2. 前記樹脂封止シートが有機過酸化物を含まない、請求項1に記載の太陽電池用樹脂封止シート。
  3. 前記樹脂封止シートが、0.01〜5質量%のカップリング剤をさらに含む、請求項1または2に記載の太陽電池用樹脂封止シート。
  4. 前記樹脂封止シートが、酸化防止剤、光安定剤および紫外線吸収剤からなる群より選ばれる少なくとも1種類の添加剤をさらに含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の太陽電池用樹脂封止シート。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017512846A (ja) * 2014-02-24 2017-05-25 上海海▲優▼威新材料股▲ふん▼有限公司Shanghai HIUV New Materials Co., Ltd. 放射線照射前架橋ポリオレフィン粘着フィルム及び作製方法並びにパッケージ用の方法及びアセンブリ
KR20220056213A (ko) 2019-08-30 2022-05-04 미츠이·다우 폴리케미칼 가부시키가이샤 태양 전지 봉지재용 수지 조성물, 태양 전지 봉지재, 태양 전지 봉지재의 제조 방법 및 태양 전지 모듈

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