JP2013177139A - 舶用減速逆転機 - Google Patents

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Abstract

【課題】船内電力供給を行う発電機を備える舶用減速逆転機において、エンジンからの動力が入力される入力軸、入力軸からの動力が伝達されて発電機に出力するPTO出力軸、入力軸からの動力を逆転して出力軸に伝達する中間軸を容易にハウジングケース内に組み付けることができるようにする。
【解決手段】PTO出力軸10と入力軸1と中間軸12は、平行に配置されており、ハウジングケース7は、前記PTO出力軸10と入力軸1と中間軸12の各軸心を結ぶ面を分割面として上下方向に分割されており、前記ハウジングケース7の分割面に、前記PTO出力軸10と入力軸1と中間軸12が回転可能に支持されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、船内電力供給を行う発電機に動力を伝達可能とした舶用減速逆転機に関する。
従来、船舶の推進装置は、エンジン、及び、動力伝達のための減速逆転機等によって構成され、エンジンの駆動力を減速逆転機により減速した後に、減速逆転機に連結されるスクリューを駆動する構成となっている。このような、エンジンによってスクリューを駆動させて航走する船舶では、最高船速時を除く各回転数域にて、エンジンの出力が、船舶の負荷に比べて余剰出力を有しているため、エンジンの出力の一部を推進装置に設けられる発電機によって電力に変換し、船内電力等に用いたり、バッテリに充電したりすることが行われている(例えば、特許文献1参照)。前記特許文献1に記載のような発電機を減速逆転機に設ける場合、その容量は比較的消費電力の大きなサイドスラスターやアンカー巻上ウインチ等の駆動電力に対応するよう選定される。従って、比較的消費電力の小さな船内の照明や操作機器類の操作電源等として電力を前記発電機によって供給することは、非効率的であった。
特開2008−30749号公報
そこで、本発明が解決しようとする課題は、船内電力供給を行う発電機を備える舶用減速逆転機において、ハウジングケースのコンパクト化を図るとともに、エンジンからの動力が入力される入力軸、入力軸からの動力が伝達されて発電機に出力するPTO出力軸、入力軸からの動力を逆転して出力軸に伝達する中間軸を容易にハウジングケース内に組み付けることができるようにする。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
請求項1においては、エンジンからの動力が入力される入力軸(1)と、前記入力軸(1)からの動力が減速、逆転して伝達され、この減速、逆転して伝達された動力をスクリュー(102)に伝達する出力軸(5)と、前記入力軸(1)からの動力を逆転して出力軸(5)に伝達する中間軸(12)と、前記入力軸(1)からの動力が伝達されて発電機(8)に出力するPTO出力軸(10)と、前記入力軸(1)、出力軸(5)、中間軸(12)、PTO出力軸(10)を支持するハウジングケース(7)とを備えている舶用減速逆転機において、前記PTO出力軸(10)と入力軸(1)と中間軸(12)は、平行に配置されており、前記ハウジングケース(7)は、前記PTO出力軸(10)と入力軸(1)と中間軸(12)の各軸心を結ぶ面を分割面として上下方向に分割されており、前記ハウジングケース(7)の分割面に、前記PTO出力軸(10)と入力軸(1)と中間軸(12)が回転可能に支持されているものである。
請求項2においては、前記PTO出力軸(10)と入力軸(1)と中間軸(12)とを中間軸(12)側が低くなる同一傾斜面上に配設したものである。
本発明は、次のとおり顕著な効果を奏する。
請求項1においては、ハウジングケースのコンパクト化を図ることができる。PTO出力軸、入力軸、中間軸を容易にハウジングケース内に組み付けることができので、組立工数の削減からコストの低減化を図ることができる。
請求項2においては、さらにハウジングケースのコンパクト化を図ることができる。
舶用減速逆転機の斜視図。 同じく後面図。 同じく図2の矢視Bから見た側面断面図。 舶用減速逆転機のギア構成を示した平面断面図。 同じく斜視図。 第二PTO出力軸の近傍を示した斜視図。 同じく平面図。 第二PTO出力軸の断面構造を示した図であり、(a)(b)(c)(d)は各々図7に示す矢視c、矢視d、矢視e、矢視fから見た断面図。 第二PTO出力軸と中間軸との取り合い関係を示した図であり、(a)は1500回転仕様時、(b)は1800回転仕様時を示した後面断面図。 点検窓を設けた舶用減速機の斜視図。 同じく(a)は平面図であり、(b)は背面図。 点検窓の斜視図。
次に、発明の実施の形態を説明する。
[舶用減速逆転機100]
先ず、舶用減速逆転機100の全体構成について、図1、乃至、図5を用いて説明する。なお、図1、及び、図3、乃至、図5に示す矢印Aの向きを前方として、以下左右方向を規定する。
舶用減速逆転機100は、エンジン101の出力軸と連結され、エンジン101の駆動力を入力する入力軸1や、入力された駆動力を減速・逆転するギア機構や、スクリュー102に動力を伝達する出力軸5や、主発電機8に駆動力を伝達する第一PTO出力軸10や、補助発電機9に駆動力を伝達する第二PTO出力軸11や、入力軸1と第二PTO出力軸11の間に配置する中間軸12や、これら入力軸1や、出力軸5や、第一PTO出力軸10や、第二PTO出力軸11や、中間軸12等を図示しない軸受を介して回転自在に支持するハウジングケース7等によって構成される。
[ハウジングケース7]
ここで、舶用減速逆転機100のハウジングケース7の構成について、図1、及び、図2を用いて説明する。
図2に示すように、ハウジングケース7には、入力軸1、出力軸5、第一PTO出力軸10、第二PTO出力軸11、中間軸12がそれぞれ前後方向に回転自在に支持されている。そして、ハウジングケース7は、上下方向に三分割に構成され、上方より順に、上部ハウジングケース31、中央部ハウジングケース32、下部ハウジングケース33を備える。
上部ハウジングケース31と中央部ハウジングケース32との分割面は、右下がりの傾斜状に形成され、この分割面に、左から第一PTO出力軸10、入力軸1、中間軸12が軸受を介して回転自在に支持されている。つまり、第一PTO出力軸10と入力軸1と中間軸12の各々が互いに平行に配置されて、その軸心は分割面上に位置している。入力軸1は、ハウジングケース7の左右中央に配置され、その下方に出力軸5が入力軸1と平行に配設されている。
前記出力軸5は、中央部ハウジングケース32と下部ハウジングケース33との分割面に配置され、左右中央で前後水平方向にハウジングケース7に軸受を介して回転自在に支持されている。
前記上部ハウジングケース31の右側部に第二PTOハウジングケース51が配設され、該上部ハウジングケース31と第二PTOハウジングケース51との分割面に第二PTO出力軸11が軸受を介して回転自在に支持されている。
[ギア構成]
次に、ハウジングケース7内に収納されるギア機構について、図3、乃至、図5を用いて説明する。
前記入力軸1はハウジングケース7より前方に突出され、エンジンの出力軸と連結される。該ハウジングケース7内の入力軸1上には、前から順に、PTO出力用ギア17、前進用ギア2が固設され、その後部に前進用ピニオンギア3が遊嵌されている。前記PTO出力用ギア17は左斜上方の第一PTO出力軸10に固設された第一PTOギア18と噛合され、前進用ギア2は右斜下方の中間軸12上に固設された逆転ギア27と噛合されている。該逆転ギア27は右斜上方の第二PTO出力軸11上に固設した第二PTOギア30と噛合されている。
前記入力軸1上の前進用ギア2と、前進用ピニオンギア3と、の間には油圧クラッチ4が配設されている。前記中間軸12上に固設した逆転ギア27の後部には、逆転ピニオンギア29が遊嵌されている。該逆転ギア27と、逆転ピニオンギア29と、の間には油圧クラッチ25が配設されている。また、前記第一PTO出力軸10上に固設された第一PTOギア18の後部には、油圧クラッチ28が配設されている。
そして、前記前進用ピニオンギア3と逆転ピニオンギア29は、下方の出力軸5上に固設した出力ギア6と噛合されている。該出力軸5はハウジングケース7より後方に突出され、スクリュー102と連結されている。
また、第一PTO出力軸10の後部は、ハウジングケース7より後方に突出されて、主発電機8と連結されている。
第二PTOギア30には、第二PTO出力軸11が貫設されており、また、当該第二PTO出力軸11には、前記第二PTOギア30の対向側の端部において、補助発電機9と連結されている。なお、第二PTO出力軸11は、後述の通り、ハウジングケース7に対して着脱自在に構成される。
このようなギア構成において、油圧クラッチ4を「接」とし、且つ、油圧クラッチ25を「断」とすると、エンジン101の駆動力は、入力軸1から前進用ピニオンギア3を介して出力ギヤ6へと伝動され、出力軸5へは入力軸1の回転と反対方向に逆回転駆動される。
また、油圧クラッチ4を「断」とし、且つ、油圧クラッチ25を「接」とすると、エンジン101の駆動力は、入力軸1上の前進用ギア2から逆転ギア27へと伝達され、中間軸12上の逆転ピニオンギア29から出力ギア6に伝達され、出力軸5は入力軸1と同一方向に回転駆動される。
一方、第一PTOギア18は、PTO出力用ギア17を介して常にエンジン101からの駆動力が伝達されており、油圧クラッチ28を「接」とすると、前記駆動力は第一PTO出力軸10に連結した主発電機8へと伝達され、油圧クラッチ28を「断」とすると、主発電機8には前記駆動力が伝達されない。
なお、第一PTO出力軸10には、本実施例のように常に油圧クラッチ28が設けられ、主発電機8への駆動伝達の「断」「接」を切換え可能とする構造に限定されるものではい。即ち、第一PTO出力軸10には油圧クラッチ28を設けず、常に主発電機8へ駆動を伝達する構造であってもよい。
また、第二PTOギア30には、エンジン101からの駆動力が前進用ギア2、逆転ギア27を介して伝達され、第二PTO出力軸11によって補助発電機9が駆動される。
[第二PTOハウジングケース51]
次に、第二PTOギア30、及び、第二PTO出力軸11を収納する第二PTOハウジングケース51について、図6乃至図9を用いて説明する。なお、図6、及び、図7に示す矢印Aの向きを前方として、以下左右方向を規定する。
前述した上部ハウジングケース31の右側部の、中間軸12の略上方の位置には、前後方向に長い矩形状の開口部31a(図7を参照。)が形成されており、該開口部31aは、第二PTOハウジングケース51によって閉じられている。
即ち、前記第二PTOハウジングケース51は、上部ハウジングケース31に対して着脱可能に固定されており、該第二PTOハウジングケース51に第二PTO出力軸11が軸受を介して回転自在に支持され、該第二PTO出力軸11上に第二PTOギア30が固設され、前記中間軸12上の逆転ギア27と噛合されている。
第二PTOハウジングケース51は、主に、本体部となるケース部材52、該ケース部材52の前後両端部に設けられる前蓋部材53、及び、後蓋部材54等によって形成される。
ケース部材52は、前後方向を長手方向とする矩形状からなるベース部52aと、当該ベース部52aの平面中央部において、長手方向に沿って延出して形成される軸カバー部52bと、により一体的に形成される。
前記軸カバー部52bは、筒状部材を軸心に沿って半割にした形状からなり、その前端部、及び、後端部には、軸受19・19を固定保持するべく各々ホルダー部52c・52dが形成されている。
即ち、図8(a)に示すように、前記ホルダー部52dは、正面視にて軸受19の外形寸法と略同一寸法からなる半円形の内周面52fと、後述する後蓋部材54の外形寸法と略同一寸法からなる半円形の外周面52gと、を同心状に設けた略半ドーナツ状に形成され、その後面には、複数の螺孔が内周面52f、及び、外周面52gの間に同心状に設けられ、前記螺孔を介して、後蓋部材54はケース部材52の後部に取り付けられる。
また、図8(b)に示すように、軸カバー部52bは、ベース部52aの上下方向中央部において、第二PTO出力軸11の断面寸法に比べて、やや大きな内径寸法からなる断面視半円形の隆起状にて形成され、その前部には、図8(c)に示すように、断面視にて多角形状に大きく外側に張り出した膨張部52eを形成し、第二PTOギア30と干渉しないようになっている。
更に、膨張部52eの前端面には、図8(d)に示すホルダー部52cが設けられ、当該ホルダー部52cは、正面視にて軸受19の外形寸法と略同一寸法からなる半円形の内周面52hと、後述する前蓋部材53の外形寸法に比べて略同一寸法からなる半円形の外周面52iと、を同心状に設けた略半ドーナツ状に形成される。なお、ホルダー部52cの前面には、複数の螺孔が内周面52h、及び、外周面52iの間に同心状に設けられ、前記螺孔を介して、前蓋部材53はケース部材52の前部に取り付けられる。
一方、上部ハウジングケース31の開口部31aにおいて、その前後両部には、正面視にて軸受19の外形寸法と略同一寸法からなる半円形の凹部31b・31cが各々設けられており、ケース部材52が開口部31aを塞ぐようにして組み付けられることで、前記凹部31b・31cは前後両ホルダー部52c・52dに設けられる内周面52h・52fと合わさり、円形の貫通孔が構成される。
前蓋部材53は円板部材からなり、その後面には、図7に示すように、僅かに突出する筒状の突出部53aが設けられ、突出部53aの外周寸法は、軸受19の外周寸法に比べて略同等に形成されている。
また、前蓋部材53には、円周状に一定の間隔をもって複数の貫通孔が設けられており、ボルト等による締結部材によって、当該貫通孔を介して、前蓋部材53はケース部材52の前部に着脱自在に取り付けられるとともに、突出部53aがホルダー部52cの内周面52hに嵌挿され、軸受19の軸心方向への移動が規制される。
後蓋部材54は円板部材からなり、その中央部には第二PTO出力軸11の外形寸法と略同一の貫通孔54aが設けられる。後蓋部材54の後面には僅かに突出する筒状の突出部54bが設けられ、突出部54bの外周寸法は、軸受19の外周寸法と略同等に形成されている。
また、後蓋部材54には、円周状に一定の間隔をもって複数の貫通孔が設けられ、ボルト等による締結部材によって、当該貫通孔を介して、後蓋部材54はケース部材52の後部に着脱自在に取り付けられるとともに、突出部54bがホルダー部52dの内周面52fに嵌挿され、軸受19の軸心方向への移動が規制される。
このような構成からなる第二PTOハウジングケース51によって、第二PTO出力軸11は上部ハウジングケース31の右側面部に着脱自在に固設され、開口部31aを介して、第二PTOギア30と、逆転ギア27と、が噛合される。
即ち、第二PTO出力軸11には、予め軸受19・19、及び、第二PTOギア30を固設しておき、第二PTOハウジングケース51の前後両ホルダー部52c・52dに設けられる内周面52h・52fと、開口部31aに設けられる凹部31b・31cと、によって、前記軸受19・19を挟持することで、第二PTO出力軸11は、上部ハウジングケース31に回動自在に軸支される。
そして、その後、前後両蓋部材53・54を組付けることで前後方向の組付け位置が規制され、第二PTOギア30は確実に逆転ギア27と噛合されるのである。
なお、本実施例においては、回転数の大きい補助発電機9を駆動する仕様に容易に変更可能としている。例えば、本実施例で主に示す1500rpm仕様の補助発電機9を駆動する構成(図9(a)を参照)から1800rpm仕様の補助発電機9を駆動する構成(図9(b)を参照)とすることも可能である。
即ち、回転数を大きくする場合には、第二PTOギア30の歯数は少なくなるため、半径が小さくなり、逆転ギア27と噛合させるために、第二PTO出力軸11を中間軸12側に接近させて支持される。
つまり、第二PTO出力軸11の軸心方向への位置決めをする前後両蓋部材53・54を、貫通穴54aと突出部54bの軸心を中間軸12側に寄せた前蓋部材53、及び、突出部53aの軸心が中間軸12側に寄せた後蓋部材54とに各々交換し、歯数の少ない第二PTOギア30を固設した第二PTO出力軸11を、第二PTOハウジングケース51に支持させて上部ハウジングケース31に固定すればよいことになる。
このような場合でも、ケース部材52の外形は変更を要することもなく、単にホルダー部52c・52d、及び、上部ハウジングケース31に設けられる内周面52f・52h、及び、凹部31b・31cの加工位置、及び、加工寸法等を変更することで、容易に対応することが可能なのである。
なお、後蓋部材54の貫通孔54aにはシール部材55が設けられ、当該貫通孔54aを介して第二PTO出力軸11は後方へと延設され、その端部において、補助発電機9の入力軸1と連結されることとなる。
このように、エンジン101の駆動力を入力する入力軸1と、該駆動力を減速、逆転してスクリュー102に伝達する出力軸5と、主発電機8に連結され、該主発電機8に前記駆動力を出力する第一PTO出力軸10と、前記駆動力を逆転して前記出力軸5に伝達する中間軸12と、これら入力軸1や、出力軸5や、第一PTO出力軸10や、中間軸12を支持するハウジングケース7と、を備える舶用減速逆転機100において、前記第一PTO出力軸10と中間軸12との間に入力軸1を平行に配置し、前記ハウジングケース7の中間軸12の外側側部に第二PTO出力軸11を平行に設け、該第二PTO出力軸11に小電力用の補助発電機9を連結したことにより、別途発電用設備等を設けることもなく、船舶に使用される電力を、その使用目的に応じて効率的に供給することができ、経済性が向上する。
即ち、従来のように、船舶に用いられる全ての電力供給を主発電機8によって行う場合、当該主発電機8の発電容量は消費電力の大きなサイドスラスターや、アンカー巻上ウインチ等の駆動電力に対応するよう選定されているため、比較的消費電力の小さな船内の照明や、操作機器類の操作電源等に関する電力供給についても前記主発電機8によって対応することは、非効率的である。
従って、小電力供給用として発電容量が若干小さな補助発電機9を別途設け、使用目的に応じてこれら発電機8・9の稼働を適宜切替えることで、効率的に電力供給を行うことが可能となる。
また、前記補助発電機9は、主発電機8に連結される舶用減速逆転機100に連結されるため、動力源となるエンジン101を共通にすることができ、補助発電機9の動力源として、別途発電用のエンジン等を含む発電用設備を設けることもないのである。
そして、前記ハウジングケース7の中間軸12の外側側面に開口部31aを設け、前記第二PTO出力軸11を支持する第二PTOハウジングケース51を前記開口部31aに着脱可能に構成し、前記第二PTO出力軸11と前記中間軸12とをギア(第二PTOギア30、及び、逆転ギア27)を介して連動連結するように構成したため、大掛かりな設計変更を伴うこともなく、容易に舶用減速逆転機100に補助発電機9用の第二PTO出力軸11を設けることができる。
また、前記第一PTO出力軸10と、入力軸1と、中間軸12とを、該中間軸12側が低くなる同一傾斜面上に配設し、前記第二PTO出力軸11を、前記中間軸12の斜上方位置に配設したことで、第二PTO出力軸11は、ハウジングケース7の左右方向の横幅内に配設することが可能となり、舶用減速逆転機100に新たな突出部が形成されることもなく、前記ハウジングケース7のコンパクト化を図ることができる。
更に、前記ハウジングケース7は、前記第一PTO出力軸10と、入力軸1と、中間軸12の各軸心を結ぶ面を分割面として上下方向に分割し、前記分割面に、前記第一PTO出力軸10と、入力軸1と、中間軸12と、を回転可能に支持した構成としたことで、これら第一PTO出力軸10や、入力軸1や、中間軸12を容易にハウジングケース7内に組付けることができ、組立工数の削減からコスト低減化を図ることができる。
[点検窓61]
次に、点検窓61の構成について、図10、乃至、図12を用いて説明する。なお、図10、乃至、図12に示す矢印Aの向きを前方として、以下左右方向を規定する。
点検窓61は、オペレータの希望により補助発電機9を設けない場合等に、開口部31aを利用して構成されるものであり、主に、ベース部材62や、蓋部材63・63等によって形成される。
ベース部材62は、前後方向を長手方向とする板部材から形成され、その中央部には、矩形状に段部62aが設けられ、更に、段部62aの表面には正方形状の開口部62b・62bが、長手方向に沿って二個形成され、点検窓61が構成されている。
そして、前記開口部62b・62bは、矩形状の板部材からなる蓋部材63・63が、ボルト等による締結部材によって固定される。
このような構成からなる点検窓61を設けることで、日常点検や、不意の故障時による舶用減速逆転機100内部の確認等を行う際には、蓋部材63・63を取外すことで、容易に対応することが可能となり、また、上部ハウジングケース31の開口部31aにベース部材62を設けることで、当該開口部31a周囲の剛性を高めることができる。
なお、スライド方式による蓋部材64を設けることも可能である。即ち、図12に示すように、ベース部材62の段部62a表面の上下両側において、断面視逆L字状の矩形部材65・65を、互いに凹部が対向するようにして、前後方向に延出して固設し、当該両凹部内を前後摺動自在となるようにして、矩形状の蓋部材64を設ける。
このような構成とすれば、オペレータが舶用減速逆転機100内を点検等する場合に、蓋部材64を脱着するために複数のボルト等を緩める煩わしさもなく、メンテナンス性を向上することができるのである。
1 入力軸
5 出力軸
7 ハウジングケース
8 主発電機
10 第一PTO出力軸
12 中間軸
100 舶用減速逆転機
101 エンジン
102 スクリュー

Claims (2)

  1. エンジンからの動力が入力される入力軸(1)と、
    前記入力軸(1)からの動力が減速、逆転して伝達され、この減速、逆転して伝達された動力をスクリュー(102)に伝達する出力軸(5)と、
    前記入力軸(1)からの動力を逆転して出力軸(5)に伝達する中間軸(12)と、
    前記入力軸(1)からの動力が伝達されて発電機(8)に出力するPTO出力軸(10)と、
    前記入力軸(1)、出力軸(5)、中間軸(12)、PTO出力軸(10)を支持するハウジングケース(7)とを備えている舶用減速逆転機において、
    前記PTO出力軸(10)と入力軸(1)と中間軸(12)は、平行に配置されており、
    前記ハウジングケース(7)は、前記PTO出力軸(10)と入力軸(1)と中間軸(12)の各軸心を結ぶ面を分割面として上下方向に分割されており、
    前記ハウジングケース(7)の分割面に、前記PTO出力軸(10)と入力軸(1)と中間軸(12)が回転可能に支持されている
    ことを特徴とする舶用減速逆転機。
  2. 前記PTO出力軸(10)と入力軸(1)と中間軸(12)とを中間軸(12)側が低くなる同一傾斜面上に配設した
    ことを特徴とする請求項1記載の舶用減速逆転機。
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