JP4294649B2 - 二重反転式推進機 - Google Patents

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Description

本発明は、舶用の二重反転プロペラを備えた二重反転式推進機に関するものである。
従来より、舶用推進機として、二重反転プロペラを備えた二重反転式推進機が提案されている。この二重反転式推進機は、前側プロペラの旋回エネルギを後側プロペラで回収することによりエネルギ効率の向上が図れる推進機として注目されている。
一方、従来より、舶用推進機の一例として、姿勢制御用のサイドスラスタや、プロペラ部が360°旋回可能な全旋回式推進機等がある。サイドスラスタは離着岸時の補助推進機として多くの船舶に採用されている。全旋回式推進機は、プロペラ部の方向を垂直軸回りで360°旋回制御することによって推力の方向を変更することができ、ラインシャフト方式の推進機に比べて船体の運動性能が非常に高くなるため、タグボートのように高い運動性能が必要な船舶を主体に採用されている。そして、この全旋回式推進機は、その優れた運動性能から、近年、多くの船舶用推進機として採用され始めている。
また、近年の省エネルギ化への要請から、従来型よりも効率の高い全旋回式推進機の実用化への要求がある。この要求への対応策として、全旋回式推進機に前記二重反転プロペラを備えさせることが考えられている。
この種の従来技術として、垂直配置の中間軸から水平配置のプロペラ軸にベベルギヤを介して動力伝達するように構成された二重反転推進装置において、潤滑油が一箇所に滞留しないように、中間軸とプロペラ軸とに中心油穴と半径油穴とを設けて潤滑油に遠心力を作用させるようにしたものがある(例えば、特許文献1参照。)。
また、他の従来技術として、外側プロペラ軸を内側ベベルホイールと外側ベベルホイールとの間まで延し、このベベルギヤの間に外側プロペラ軸の軸受を設けたものもある(例えば、特許文献2参照。)。さらに、他の従来技術として、縦方向に設けたピニオン軸と横方向に設けたプロペラ軸との間に、これらを駆動する2対のピニオンとホイールとで構成したものや(例えば、特許文献3参照。)、旋回式推進機を二重反転式推進機として構成した例もある(例えば、特許文献4,5参照。)。
特開平9−24896号公報(第2頁、図1) 特開平9−30496号公報(第3−4頁、図1) 特開平7−267188号公報(第2−3頁、図1) 特開平8−183496号公報(第3−4頁、図1) 特開平8−207895号公報(第3頁、図2)
しかしながら、前記特許文献1の場合、ギヤケース内の軸受構成が明示されてはいるが、外軸のプロペラ側には独立した軸受を設けておらず、内軸のプロペラ側の軸受で外軸を支持している。このため、同軸受には内軸に作用する荷重と、外軸に作用する荷重とを合計した荷重が作用するため、軸受寿命が短くなってしまう。そのため、この荷重を安定して支持できるようにするためには、軸受寸法を大きくする等の対策が必要となる。
一方、運転中の作用荷重によって内軸はたわむので、このたわみの影響で外軸をたわますおそれがあり、逆に外軸がたわむことにより内軸をたわますおそれもある。また、これらの軸のたわみによる軸の変形によってベベルギヤの歯当りが変化して動力伝達に悪影響を及ぼすおそれがある。この場合には、内軸と外軸の剛性を上げるために軸径を太くする等の対策が必要となる。しかも、これらの特許文献には、各プロペラ軸やベベルギヤを組込むための具体的な構成について記載はない。また、このような課題は、前記他の特許文献2〜5も同様に有している。
そこで、本発明は、このような課題を解決すべく、重要な動力伝達部品であるべべルギヤの組込み要領について、またべべルギヤの伝達能力にとって重要である歯面の歯当りを、確実にそして簡単に行うことが可能となる二重反転式推進機を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明は、船底から下向きに設けたストラット部の下端にプロペラ部を設け、該プロペラ部の内部まで延びるピニオン軸を前記ストラット部の内部に設け、前記プロペラ部の内部の横方向に、内軸プロペラを回転させる内側プロペラ軸と外軸プロペラを回転させる外側プロペラ軸とを同心上に設け、前記ピニオン軸の下部にベベルピニオンを設け、該ベベルピニオンと噛合する内軸用ベベルホイールを前記内側プロペラ軸に設け、前記ベベルピニオンと噛合する外軸用ベベルホイールを前記外側プロペラ軸に設け、該外軸用ベベルホイールと前記内軸用ベベルホイールとの組込みと分解とを行うことができる開口部を形成する軸受ハウジングを前記ギヤケースの前後両端部に設け、前記軸受ハウジングを外軸用軸受ハウジングと内軸用軸受ハウジングとで構成し、該内軸用軸受ハウジングと前記内側プロペラ軸と内軸用ベベルホイールとを内側プロペラ軸組立体として構成し、該内側プロペラ軸組立体を前記ギヤケースの反プロペラ側の開口部から組込み可能に構成し、前記外軸用軸受ハウジングと外側プロペラ軸と外軸用ベベルホイールとを外側プロペラ軸組立体として構成し、該外側プロペラ軸組立体を前記ギヤケースのプロペラ側の開口部から組込み可能に構成している。これにより、反転させるように同軸上に設けられる内側プロペラ軸と外側プロペラ軸とを、プロペラ部の前後からベベルピニオンとベベルホイールとの歯当り調整を行いながら組込むことが安定してできる。また、内側プロペラ軸の関係と外側プロペラ軸の関係とをユニット化してギヤケースの前後から組込むことができるので、より迅速な組込み作業を行うことができる。
さらに、前記ギヤケースの前後両端部に設けた開口部の端面と、該開口部に組付ける前記内軸用軸受ハウジングと外軸用軸受ハウジングとの間の接合面に、前記ベベルピニオンと内軸用ベベルホイール及び外軸用ベベルホイールとの歯当りを調整する厚さ調整可能な歯当り調整用シムを組入れ可能に構成してもよい。これにより、歯当り調整シムの厚みを変更してベベルピニオンとベベルホイールとの歯当りを好ましい状態にすることが容易にできる。
また、前記内軸用軸受ハウジング、前記内側プロペラ軸を支持する内軸用内側軸受ハウジングと、前記ギヤケースに固定する内軸用外側軸受ハウジングとで構成し、該内軸用内側軸受ハウジングと内軸用外側軸受ハウジングとの間に前記ベベルピニオンと内軸用ベベルホイールとの歯当りを調整する厚さ調整可能な歯当り調整用シムを組入れ可能に構成してもよい。これにより、プロペラ部の前部において、ギヤケースと内軸用軸受ハウジングとの間の接合部に設ける調整シムが水と接するのを遮断することができるので、内軸用内側ハウジングの接合部における腐食等を防止することができる。
さらに、前記外軸用軸受ハウジング、前記外側プロペラ軸を支持する外軸用内側軸受ハウジングと、前記ギヤケースに固定する外軸用外側軸受ハウジングとで構成し、該外軸用内側軸受ハウジングと外軸用外側軸受ハウジングとの間に前記ベベルピニオンと外軸用ベベルホイールとの歯当りを調整する厚さ調整可能な歯当り調整用シムを組込み可能に構成してもよい。これにより、プロペラ部の後部において、ギヤケースと外軸用軸受ハウジングとの間の接合部に設ける調整シムが水と接するのを遮断することができるので、外軸用内側ハウジングの接合部における腐食等を防止することができる。
また、前記内側プロペラ軸の軸受構成を、反プロペラ側でラジアル荷重とスラスト荷重とを支持する反プロペラ側軸受と、プロペラ側でラジアル荷重を支持するプロペラ側軸受とで構成し、前記反プロペラ側軸受を前記内軸用軸受ハウジング内に組込み、該内軸用軸受ハウジングを前記ギヤケースに組付けると共に、前記プロペラ側軸受を前記外側プロペラ軸の内周部で支持するように構成してもよい。これにより、内側プロペラ軸に作用する内軸プロペラによるスラスト荷重や、内軸用ベベルホイールのトルク反力によるラジアル荷重やスラスト荷重を支持する構成を容易に組込むことができる。
さらに、前記外側プロペラ軸の軸受構成を、反プロペラ側でラジアル荷重を支持する反プロペラ側軸受と、プロペラ側でラジアル荷重とスラスト荷重とを支持するプロペラ側軸受とで構成し、該プロペラ側軸受と前記反プロペラ側軸受とを前記外軸用軸受ハウジング内に組込み、該外軸用軸受ハウジングを前記ギヤケースに取付けるように構成してもよい。これにより、外側プロペラ軸に作用する外軸プロペラによるスラスト荷重や、外軸ベベルホイールのトルク反力によるラジアル荷重やスラスト荷重を支持する構成を容易に組込むことができる。
また、前記外軸用軸受ハウジングを、反プロペラ側の軸受側ハウジングとプロペラ側の予圧調整側ハウジングとで構成し、該軸受側ハウジングに前記ラジアル荷重とスラスト荷重とを支持するプロペラ側軸受を設け、該軸受側ハウジングと前記予圧調整側ハウジングとの間に、前記プロペラ側軸受の組込み時に該プロペラ側軸受の必要予圧量の調整を可能とする厚さ調整可能な薄板の予圧調整シムを組込み可能に構成してもよい。これにより、外側プロペラ軸のラジアル荷重やスラスト荷重の合成荷重を支持する軸受の予圧調整を簡単にすることができる。
その上、これらいずれかに記載の二重反転式推進機のストラット部の上部に旋回ギヤを設け、該旋回ギヤを旋回させる旋回モータを設けて前記プロペラ部を全旋回式に構成すれば、全旋回式の二重反転式推進機として推進効率が高く運動性能も高い舶用推進機を構成することができる。
本発明は、以上説明したような手段によって、プロペラ部の内部に組込まれるベベルギヤの組込みと、その歯当り調整が容易にできる二重反転式推進機を提供することが可能となる。
以下、本発明の一実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の第1実施の形態に係る二重反転式推進機の縦断面図であり、この図に基いて二重反転式推進機の全体構成を説明する。
図示するように、二重反転式推進機1は、この二重反転式推進機全体を船体Sに固定するプラットホーム部2と、原動機(図示略)の出力軸3の動力を入力カップリング4を介して上部ベベルピニオン5の上部ピニオン軸6に受入れる上部ギヤボックス7と、この上部ギヤボックス7内で水平方向に配置された上部ピニオン軸6の上部ベベルピニオン5と噛合する上部ベベルホイール8の動力を垂直方向の下方へ伝達するピニオン軸9と、このピニオン軸9を支持する軸受10を内蔵したストラット部11と、ピニオン軸9の下部に設けられた下部ベベルピニオン12と噛合する内軸用ベベルホイール13によって動力を水平方向に配置された内側プロペラ軸14に伝達すると共に、下部ベベルピニオン12と噛合する外軸用ベベルホイール15によって動力を水平方向に配置された外側プロペラ軸16に伝達するように構成されたプロペラ部17と、この内側プロペラ軸14で駆動する内軸プロペラ18と外側プロペラ軸16で駆動する外軸プロペラ19とを備えている。
これにより、前記原動機の動力で、上部ギヤボックス7内に配置された上部ベベルピニオン5を回転させ、この上部ベベルピニオン5と噛合する上部ベベルホイール8によって回転させられる垂直方向に配置されたピニオン軸9を介して、プロペラ部17の内部に水平方向に配置された内側プロペラ軸14と外側プロペラ軸16とを反対方向に回転させる。このように、ピニオン軸9の下部ベベルピニオン12によって内軸用と外軸用の2つのベベルホイール13,15を回転させると、これらのベベルホイール13,15は逆回転し、外側プロペラ軸16と内側プロペラ軸14との端部に設けられた外軸プロペラ19と内軸プロペラ18とを逆方向に回転(反転)させ、図の右側から左側へと水流が生じてスラスト力を発生させ、船体Sを推進させる推力を得る。この構成が二重反転式であり、上流側に位置する外軸プロペラ19が回転することによって生じた旋回流の旋回エネルギを、下流側に位置する内軸プロペラ18によって回収してエネルギ効率を高めている。
一方、前記プロペラ部17には、垂直方向に配置されたピニオン軸9の下部ベベルピニオン12と噛合するように、水平方向に配置された内側プロペラ軸14の内軸用ベベルホイール13及び外側プロペラ軸16の外軸用ベベルホイール15等の組立・分解等を行うための開口部20,21が設けられている。これらの開口部20,21は、前記ストラット部11の下部に一体形成された前記プロペラ部17のギヤケース22の前部に開口部20が設けられ、後部に開口部21が設けられている。ギヤケース22の前部(図の右側)に形成される開口部20は、このギヤケース22に着脱可能な内軸用軸受ハウジング23を取付ボルト24で取付け、この内軸用軸受ハウジング23を取外すことによって、ギヤケース22の前部(反プロペラ側)に開口部20が形成されるようにしている。ギヤケース22の後部(図の左側)に形成される開口部21は、このギヤケース22に着脱可能な外軸用軸受ハウジング25を取付ボルト26で取付け、この外軸用軸受ハウジング25を取外すことによって、ギヤケース22の後部(プロペラ側)に開口部21が形成されるようにしている。このように、図示するギヤケース22の反プロペラ側に開口部20が形成され、ギヤケース22のプロペラ側に開口部21が形成されている。前部の開口部20は、主に内側プロペラ軸14に関する構成の組込みと分解とに利用され、後部の開口部21は、主に外側プロペラ軸16に関する構成の組込みと分解とに利用される。
前記プロペラ部17の内部には、前記内側プロペラ軸14と外側プロペラ軸16とを支持する軸受27,28,29,30が設けられている。内側プロペラ軸14を支持する軸受は、前記内軸用軸受ハウジング23に設けられてラジアル荷重とスラスト荷重とを支持する反プロペラ側の軸受27と、前記外側プロペラ軸16との間に設けられてラジアル荷重を支持するプロペラ側の軸受28とによって構成されている。外側プロペラ軸16を支持する軸受は、前記外軸用軸受ハウジング25に設けられてラジアル荷重を支持する反プロペラ側の軸受29と、この外軸用軸受ハウジング25のプロペラ側に設けられてラジアル荷重とスラスト荷重とを支持する軸受30とによって構成されている。このプロペラ側の軸受30は、外側プロペラ軸16と、この外側プロペラ軸16を介して内側プロペラ軸14のプロペラ側に作用する荷重を支持しているため、大荷重を支持できるように2個の軸受が並設されている。この軸受30は、ラジアル荷重とスラスト荷重とを支持することができる兼用軸受であればよい。
また、前記外軸用軸受ハウジング25と外軸プロペラ19との間には外軸軸封装置31が設けられ、内軸プロペラ18と外軸プロペラ19との間には内軸軸封装置32が設けられている。外軸軸封装置31は、固定側の外軸用軸受ハウジング25と回転側の外軸プロペラ19との間で封水できるように構成されている。内軸軸封装置32は、逆回転する外軸プロペラ19と内軸プロペラ18との間で封水できるように構成されている。これらの封水装置31,32は、前記軸受28,30側に水の侵入を防止することができる構成であればよい。
さらに、前記プラットホーム部2には旋回モータ33が設けられ、前記ストラット部11の上部には旋回ギヤ34が設けられている。旋回モータ33によって旋回ギヤ34を回転させることにより、ストラット部11と共にプロペラ部17全体を360°旋回させることが可能となっている。35は、旋回用軸受である。これにより、この実施の形態の二重反転式推進機1は、全旋回式に構成されている。
図2は、図1に示す二重反転式推進機のピニオン軸軸受ハウジングに挿入する歯当り調整用シムの組込状態を示す縦断面図である。前記した各ベベルギヤの良好な歯当りを得るには、ピニオン側、ホイール側の両方を調整する必要がある。歯当りが不適切であれば、ピッチング、スコーリングなどの歯面損傷や、歯車の損傷を生じるおそれがあるため、歯当りを最適に調整することにより、設計が意図した所定の伝達性能を確保するようにしている。この歯当り調整は微妙な位置調整が必要なため、薄板(0.1mm〜1.0mm)の黄銅板を複数枚組合わせて、歯面の歯当り状況を観察しながら位置調整している。図示するように、前記ピニオン軸9に設けられた下部ベベルピニオン12の上下方向の位置は、ストラット部11の上部とピニオン軸9の軸受10を支持するピニオン軸軸受ハウジング36との間に上部歯当り調整シム37を組入れ又は抜出しして、このピニオン軸9の下部ベベルピニオン12の歯当り調整を行うことによって決定される。
図3は、歯当り調整用シムを模式的に示す斜視図である。この歯当り調整シム37は、前記図2に示すように、ピニオン軸軸受ハウジング36とストラット部11の上部との間に隙間を設け、この隙間に所定の厚みに組合わされた歯当り調整シム37を挿入できるように、半円環状の二つ割れ形状で製作されている。37aは、ボルトの挿通孔である。この歯当り調整シム37をピニオン軸軸受ハウジング36とストラット部11との間に挿入してピニオン軸9の位置を調整し、ピニオン軸軸受ハウジング36をストラット部11に取付ボルト38で固定することにより、前記下部ベベルピニオン12の歯当り調整が行われる。39は、ピニオン軸9の軸受10を位置決めするスリーブである。
図4は、図1に示す二重反転式推進機の内側プロペラ軸組立状態を示す縦断面図である。図5(a) は、図1に示す二重反転式推進機の外側プロペラ軸組立状態を示す縦断面図であり、図5(b) は、外軸用軸受ハウジングに軸受予圧用シムを組入れる状態を示す縦断面図である。
図4に示すように、内側プロペラ軸14は、その反プロペラ側が軸受27によって支持されており、この軸受27は内軸用軸受ハウジング23に設けられている。内軸用軸受ハウジング23の反プロペラ側は、取付ボルト41によって内軸用軸受ハウジング23に固定されるキャップ40によって閉鎖されている。このように組立てられた内側プロペラ軸14と内軸用軸受ハウジング23と軸受27,28とによって、内側プロペラ軸組立体42が構成されている。この内側プロペラ軸組立体42は、図示するギヤケース22の前側開口部20からギヤケース22の内部に組込まれ、内軸用軸受ハウジング23が取付ボルト24でギヤケース22に組付けられる。この組付けられる内軸用軸受ハウジング23とギヤケース22との間には、歯当り調整シム43が組入れ又は抜出しされる。この歯当り調整シム43は、前記図3に示す歯当り調整シム37と同様に形成されているため、その詳細な説明は省略する。この歯当り調整シム43による歯当り調整手順は、後述する。
また、このように内側プロペラ軸14と内軸用軸受ハウジング23とを一体的に組立ててユニット化した内側プロペラ軸組立体42をギヤケース22に組込み、又は分解が可能となるようなユニット化しているので、組立・分解作業を簡単で確実に行うことが可能である。
図5(a) に示すように、外側プロペラ軸16は、その反プロペラ側とプロペラ側とが軸受29,30によって支持されており、これらの軸受29,30は外軸用軸受ハウジング25に設けられている。前記したように、プロペラ側に設けられた軸受30は、ラジアル荷重とスラスト荷重とを支持するように構成されており、この実施の形態では、スラスト荷重を支持できるボール軸受を逆向きに並設して軸受30を形成している。このように組立てられた外側プロペラ軸16と外軸用軸受ハウジング25と軸受29,30とを一体的に組立てて、ユニット化した外側プロペラ軸組立体44が構成されている。この外側プロペラ軸組立体44は、図示するギヤケース22の後側開口部21からギヤケース22の内部に組込まれ、外軸用軸受ハウジング25が取付ボルト26でギヤケース22に組付けられる。この組付けられる外軸用軸受ハウジング25とギヤケース22との間には、歯当り調整シム45が組入れ又は抜出しされる。この歯当り調整シム45も、前記図3に示す歯当り調整シム37と同様に形成されているため、その詳細な説明は省略する。この歯当り調整シム45による歯当り調整手順も、後述する。
ところで、前記外側プロペラ軸16を支持する軸受30には、外軸プロペラ19によるスラスト荷重が作用すると共に、外軸プロペラ19と外軸用ベベルホイール15のトルク反力によるラジアル荷重やスラスト荷重が作用するので、これら両方の合成荷重を支持できるように前記軸受30を設けている。この実施の形態では、前記したように、この軸受30として、互いにスラスト荷重を逆向きに支持するように配置したボール軸受を並設している。このような軸受30を採用した場合、合成荷重を支持するためには予圧荷重をかけておく必要がある。予圧荷重が不足すればスミアリングなどのコロの滑りによる微小焼付き等の問題が発生し、逆に過大にすれば軸受寿命の短縮につながる。このため、後述するベベルギヤの歯当りと同様に慎重な予圧調整作業が必要となる。
そこで、図5(b) に示すように、外側プロペラ軸16の外軸軸封水装置31と外軸用軸受ハウジング25との間に薄板の予圧調整用シム46を組込むことにより、軸受30の予圧調整ができるようにしている。この予圧調整は、外側プロペラ軸16の組立て時に、この外軸軸封水装置31と外軸用軸受ハウジング25との間に薄板の予圧調整用シム46を組合わせて組入れることにより、軸受30の予圧調整が簡単にできるようにしている。この予圧圧力は、軸封水装置31を外軸用軸受ハウジング25に固定する取付ボルト47を締付けることにより管理される。
さらに、前記したように、外側プロペラ軸16と外軸用軸受ハウジング25とを一体的に組立ててユニット化した外側プロペラ軸組立体44を、ギヤケース22に組込み、又は分解が可能となるように構成しているので、組立・分解作業を簡単で確実に行うことが可能である。この組立てられた外側プロペラ軸組立体44は、図示するギヤケース22の後側開口部21からギヤケース22の内部に組込まれ、外軸用軸受ハウジング25が取付ボルト26でギヤケース22に組付けられる。この組付けられる外軸用軸受ハウジング25とギヤケース22との間には、歯当り調整シム45が組入れ又は抜出しされる。この歯当り調整シム45は、前記図3に示す歯当り調整シム37と同様に形成されているため、その詳細な説明は省略する。
このように、内側プロペラ軸14と外側プロペラ軸16とは、それぞれ軸受27,28,29,30を内蔵した内軸用軸受ハウジング23と外軸用軸受ハウジング25とで支持されている。そして、これらの内軸用軸受ハウジング23と外軸用軸受ハウジング25とは、ギヤケース22に取付けて、半径方向および軸方向の荷重をギヤケース22に伝達している。
一方、図4,5に示すように、前記内軸用軸受ハウジング23及び外軸用軸受ハウジング25とギヤケース22との接合部48,55は、ギヤケース22と内軸用軸受ハウジング23及び外軸用軸受ハウジング25とに形成された凹凸状の端部を接合させる接合構造(以下、「インロー構造」という。)で組付けられている。この接合構造は、内軸用軸受ハウジング23と外軸用軸受ハウジング25とで同一であるため、前記図4に基いて、内軸用軸受ハウジング23の接合部48を例にして説明する。このインロー構造のギヤケース22側は、反プロペラ側に、半径方向内面側に円環状の内周面49が形成され、その端部に直交する接合面50が形成されている。内軸用軸受ハウジング23側は、プロペラ側に、ギヤケース22の内周面49とほぼ同径の円環状の外周面51が形成され、その端部に直交する接合面52が形成されている。これら内周面49と外周面51とは、同心上に形成されている。そして、接合面50と接合面52との間に、前記下部ベベルピニオン12と内軸用ベベルホイール13(図1参照)との歯当りを調整するための歯当り調整シム43が組入れられている。このインロー構造に形成された内軸用軸受ハウジング23の外周面51には、端面から軸方向にずれた所定の位置に溝53が設けられ、この溝53にシール材たるOリング54が設けられている。なお、前記キャップ40にも、同様に溝53とOリング54とが設けられている。
また、図5(a),(b) に示すように、外軸用軸受ハウジング25とギヤケース22との接合部55も、同様のインロー構造で組付けられている。このインロー構造は、前記内周面49と外周面51と同様であるため、その説明は省略する。このインロー構造の接合部55の外軸用軸受ハウジング25側には、端面から軸方向にずれた所定の位置に溝56が設けられ、この溝56にシール材たるOリング57が設けられている。なお、この外軸用軸受ハウジング25とギヤケース22との接合部55には、その接合面に歯当り調整シム45が組入れられている。さらに、この外軸用軸受ハウジング25と前記外軸軸封水装置との間もインロー構造で組付けられており、外軸軸封水装置31側にシール材たるOリング57が設けられている。
前記図4に示すように、ギヤケース22の接合面50と内軸用軸受ハウジング23の接合面52との間に組入れられる前記歯当り調整シム43(以下、単に「シム」という。)は、下部ベベルピニオン12に対する内軸用ベベルホイール13の歯当りを調整するために、その厚さを最適化するものである。この歯当り調整は微妙な厚み調整が必要であり、厚みの異なる薄板のシム43(例えば、0.1mm〜1.0mmの薄板黄銅板)を組合わせてギヤケース22と内軸用軸受ハウジング23との接合部48に組入れられる。このシム43も図3に示すシム37と同様に半円環状(例えば、半径400mm〜750mm)の二つ割れ形状で製作されている。このシム43を接合部48に組入れることにより、ギヤケース22に対する内軸用軸受ハウジング23の相対位置を調整して、内軸用ベベルホイール13を設けた内側プロペラ軸14を支持する軸受27を介して内軸用ベベルホイール13の歯当り調整が行われる。この歯当り調整は、歯面の歯当り状況を観察しながらシム43の厚みを決定するものであり、微妙な厚み調整が行われる。なお、外軸用軸受ハウジング25とギヤケース22との間に組入れるシム45の調整も、この内軸用ベベルホイール13とギヤケース22との間に組入れるシム43の調整と同一である。
図6(a),(b),(c) は、歯当りの状態を示す模式図であり、図7(a),(b) は、図6に示す歯当りの状態に応じた調整方法を示す側面図である。これらの図に基いて内軸用ベベルホイール13と下部ベベルピニオン12との歯当り調整に必要なシム43の調整を以下に説明する。シム43の厚み調整としては、図6(a) に示す状態の歯当たりが好ましい状態であり、歯面uの中央部同士が当る(tは、歯当り部を示す。)ような歯当りの状態になるように、前記内軸用軸受ハウジング23とギヤケース22との接合面50と接合面52との間に好ましい薄板のシム43を組入れて歯当たり調整が行われる。このシム43は、ベベルピニオン12と内軸用ベベルホイール13との歯当り位置が最適位置になるように複数枚を組合わせて抜差しを繰返して調整をしながらその厚さが決定される。
図6(b) のように、歯面uの上部同士が当たるときには、図7(a) に示すように、内軸用ベベルホイール13がベベルピニオン12に近づくように、内軸用軸受ハウジング23とギヤケース22との接合面50と接合面52との間に組入れたシム43の総厚みが薄くなるように該当するシム43を抜いてシムの枚数を減らす。これにより、内軸用ベベルホイール13を下部ベベルピニオン12に近づける方向に移動させる。
図6(c) のように、歯面uの下部同士が当るときは、図7(b) に示すように、内軸用ベベルホイール13が下部ベベルピニオン12から離れるように、内軸用軸受ハウジング23とギヤケース22との接合面50と接合面52との間に好ましい厚みのシム43を組入れる。これにより内軸用ベベルホイール13を下部ベベルピニオン12から離れる方向に移動させる。このようなシム調整は、シム43を組入れたり抜出したりしてトライアンドエラーを繰り返して行われる。
例えば、内軸用のシム43の調整は、ギヤケース22がストラット部11と一体的に構成され、このストラット部11にピニオン軸9が支持されているので、このピニオン軸9に設けられた下部ベベルピニオン12を基準として、内軸用ベベルホイール13が設けられた内軸用軸受ハウジング23を、軸受27と一体的に移動させることにより歯当り調整を行うものである。また、このシム43を組入れたり抜出す作業は、内軸用軸受ハウジング23をギヤケース22に固定している取付ボルト24を緩めて接合部48よりも抜いた状態にして、接合部48の外周側の空間からシム43の組入れや抜出し作業を行う。さらに、このような歯当り調整は、内軸用ベベルホイール13と外軸用ベベルホイール15とのそれぞれにおいて行われるが、同一の調整作業であるため、外軸用ベベルホイール15の説明は省略する。なお、歯当り調整をより簡単に行えるように、ギヤケース22内のベベルピニオン12とベベルホイール14との歯当りを外部から確認できる所(ギヤケース22)に覗き窓を設けてもよい。
以上のように構成された第1実施の形態の二重反転式推進機1によれば、ギヤケース22の前部に設けられた内軸用軸受ハウジング23を取外すことによって、このギヤケース22の前部に開口部20を形成することができるので、この開口部20から内側プロペラ軸14に関する構成の組込み等を容易に行うことができる。しかも、この内側プロペラ軸14に関する構成を内側プロペラ軸組立体42としてユニット化して組込むことにより、ギヤケース22への組込み作業をより効率良く行うことができる。また、ギヤケース22の後部に設けられた外軸用軸受ハウジング25を取外すことによって、このギヤケース22の後部に開口部21を形成することができるので、この開口部21から外側プロペラ軸16に関する構成の組込み等を容易に行うことができる。しかも、この外側プロペラ軸16に関する構成も外側プロペラ軸組立体44としてユニット化して組込むことにより、ギヤケース22への組込み作業をより効率良く行うことができる。
さらに、前記内側プロペラ軸組立体42の組込み時に内軸用軸受ハウジング23とギヤケース22との間にシム43を組入れて歯当り調整する作業も、前記した要領で安定して行うことができる。このことは、前記外側プロペラ軸組立体44の組込み時に外軸用軸受ハウジング25とギヤケース22との間にシム45を組入れて歯当り調整する作業も、同様に安定して行うことができる。
図8は、本発明の第2実施の形態に係る二重反転式推進機の縦断面図であり、図9は、図8に示す二重反転式推進機の内側プロペラ軸組立状態を示す縦断面図、図10は、図8に示す外軸用軸受ハウジングに軸受予圧用シムを組入れる状態を示す縦断面図である。この第2実施の形態は、歯当り調整用シムがプロペラ部の外面に現れないようにした例である。なお、この第2実施の形態において、前記第1実施の形態における構成と同一の構成には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図8に示すように、この第2実施の形態は、前記第1実施の形態における内軸用軸受ハウジング23を、内軸用外側軸受ハウジング61と内軸用内側軸受ハウジング62とで構成し、前記第1実施の形態における外軸用軸受ハウジング25を、外軸用外側軸受ハウジング64と外軸用内側軸受ハウジング65とで構成している。ギヤケース22の前部(図の右側)に形成される開口部20は、このギヤケース22に取付ボルト24で着脱可能な内軸用外側軸受ハウジング61を組付け、この内軸用外側軸受ハウジング61と内軸用内側軸受ハウジング62との接合部63を取付ボルト67で組付けている。そして、これらの軸受ハウジング61,62を一体的に取外すことによって、ギヤケース22の前部(反プロペラ側)に開口部20が形成されるようにしている。また、ギヤケース22の後部(図の左側)に形成される開口部21は、このギヤケース22に取付ボルト26で着脱可能な外軸用外側軸受ハウジング64を組付け、この外軸用外側軸受ハウジング64と外軸用内側軸受ハウジング65との接合部66を取付ボルト68で組付けている。そして、これらの軸受ハウジング64,65を一体的に取外すことによって、ギヤケース22の後部(プロペラ側)に開口部21が形成されるようにしている。
前記内軸用外側軸受ハウジング61を取外すことによってギヤケース22の反プロペラ側に形成される開口部20は、主に内側プロペラ軸14に関する構成の組込みと分解とに利用される。また、外軸用外側軸受ハウジング64を取外すことによってギヤケース22のプロペラ側に形成される開口部21は、主に外側プロペラ軸16に関する構成の組込みと分解とに利用される。
図9に示すように、この実施の形態における内側プロペラ軸14側は、これら内軸用外側軸受ハウジング61と内軸用内側軸受ハウジング62と軸受27,28とキャップ40とによって内側プロペラ軸組立体69が構成されている。この内軸用外側軸受ハウジング61と内軸用内側軸受ハウジング62との接合部63は、歯当り調整シム71を組入れて取付ボルト67で組込まれている。つまり、軸受27を設けた内軸用内側軸受ハウジング62をギヤケース22に固定する内軸用外側軸受ハウジング61に対して軸方向にずらすことにより、内軸用ベベルホイール13の歯当りを調整するように構成されている。また、図10に示すように、この実施の形態における外側プロペラ軸16側は、前記外軸用外側軸受ハウジング64と外軸用内側軸受ハウジング65と軸受29,30と外軸軸封水装置31とによって外側プロペラ軸組立体70が構成されている。この外軸用外側軸受ハウジング64と外軸用内側軸受ハウジング65との接合部66は、歯当り調整シム72を組入れて取付ボルト68で組込まれている。つまり、軸受30を設けた外軸用内側軸受ハウジング65を、ギヤケース22に固定する外軸用外側軸受ハウジング64に対して軸方向にずらすことにより、外軸用ベベルホイール15の歯当りを調整するように構成されている。これらの歯当り調整の詳細は、前記第1実施の形態と同様であるため、詳細な説明は省略する。
これにより、内側プロペラ軸組立体69側では、内側プロペラ軸14の組立て時に、内軸用内側軸受ハウジング62と内軸用外側軸受ハウジング61との間にシム71を組込み、内軸用ベベルホイール13の歯当りを調整することができる。また、外側プロペラ軸組立体70側では、外側プロペラ軸16の組立て時に、外軸用内側軸受ハウジング65と外軸用外側軸受ハウジング64との間にシム72を組込み、外軸用ベベルホイール15の歯当りを調整することができる。これらのシム71,72の調整は、前記図6,7に示す調整と同一であるため、その説明は省略する。
しかも、この実施の形態によれば、内軸用外側軸受ハウジング61と内軸用内側軸受ハウジング62との間に組入れたシム71と、外軸用外側軸受ハウジング64と外軸用内側軸受ハウジング65との間に組入れたシム72とは水に接することがないので、これらのシム71,72が海水等によって腐食したり、接合部63,66においてシム71,72との間で隙間腐食を生じたりすることがない構造とすることができる。
なお、この第2実施の形態では、内軸用外側軸受ハウジング61と内軸用内側軸受ハウジング62とで内軸用軸受ハウジング23を構成し、外軸用外側軸受ハウジング64と外軸用内側軸受ハウジング65とで外軸用軸受ハウジング25を構成しているが、これらの一方が前記第1実施の形態の内軸用軸受ハウジング23又は外軸用軸受ハウジング25で構成されていてもよい。
また、この第2実施の形態の内軸用外側軸受ハウジング61とギヤケース22との間と、外軸用外側軸受ハウジング64とギヤケース22との間にも、前記第1実施の形態におけるシム43,45を設けてもよい。これらは、使用条件等に応じて決定すればよい。他の構成は前記第1実施の形態の二重反転式推進機1と同一であるため、同一の符号を付して、その説明は省略する。
以上のように構成された第2実施の形態の二重反転式推進機60によれば、ギヤケース22の前部に設けられた内軸用外側軸受ハウジング61を取外すことによって、このギヤケース22の前部に開口部20を形成することができるので、この開口部20から内側プロペラ軸14に関する構成の組込み等が容易に可能となる。しかも、この内側プロペラ軸14に関する構成を内側プロペラ軸組立体69としてユニット化して組込むことにより、ギヤケース22への組込み作業をより効率良く行うことができる。また、ギヤケース22の後部に設けられた外軸用外側軸受ハウジング64を取外すことによって、このギヤケース22の後部に開口部21を形成することができるので、この開口部21から外側プロペラ軸16に関する構成の組込み等を容易に行うことができる。しかも、この外側プロペラ軸16に関する構成も外側プロペラ軸組立体70としてユニット化して組込むことにより、ギヤケース22への組込み作業をより効率良く行うことができる。
さらに、この内側プロペラ軸組立体69の組込み時に内軸用内側軸受ハウジング62と内軸用外側軸受ハウジング61との間にシム71を組入れて歯当り調整する作業も、前記した第1実施の形態と同様の要領で安定して行うことができる。しかも、この実施の形態では、このシム71が水にさらされないようにでき、軸受ハウジングの組込み状態を長期間安定して保つことができる。このことは、前記外側プロペラ軸組立体70の組込み時に、外軸用外側軸受ハウジング64と外軸用内側軸受ハウジング65との間にシム72を組入れて歯当り調整する作業も、同様に安定して行うことができる。このシム72も、水にさらされないようにでき、軸受ハウジングの組込み状態を長期間安定して保つことができ、メンテナンスの間隔を長くすることができる。
なお、前記第1実施の形態では、内軸用軸受ハウジング23で内側プロペラ軸14を、外軸用軸受ハウジング25で外側プロペラ軸16をギヤケース22に支持した例を説明し、前記第2実施の形態では、内軸用外側軸受ハウジング61と内軸用内側軸受ハウジング62とで内側プロペラ軸14を、外軸用外側軸受ハウジング64と外軸用内側軸受ハウジング65とで外側プロペラ軸16をギヤケース22に支持した例を説明したが、これらの構成を組合わせてもよい。
また、前記第1実施の形態では内軸用軸受ハウジング23とギヤケース22との間と、外軸用軸受ハウジング25とギヤケース22との間にシム43,45を組込み、第2実施の形態では内軸用外側軸受ハウジング61と内軸用内側軸受ハウジング62との間と、外軸用外側軸受ハウジング64と外軸用内側軸受ハウジング65との間にシム71,72を組込んだ例を説明したが、この第2実施の形態において第1実施の形態と同様に内軸用軸受ハウジング23とギヤケース22との間又は外軸用軸受ハウジング25とギヤケース22との間にシム43,45を設けてもよく、前記実施の形態における構成に限定されるものではない。
さらに、前記いずれの実施の形態も、二重反転式推進機の一例として全旋回式の二重反転式推進機を例に説明したが、サイドスラスタ等の旋回しない推進機であっても同様に適用可能であり、全旋回式の二重反転式推進機に限定されるものではない。
また、前述した実施の形態は一例を示しており、プロペラ部17に組込まれる二重のプロペラ軸14,16に関する構成を組込みできる開口部20,21をプロペラ部17の前後に形成していればよく、前記したこの出願の基本的な構成でも、本発明は実施可能であり、本発明の要旨を損なわない範囲での種々の構成を変更してもよく、本発明は前述した実施の形態に限定されるものではない。
本発明に係る二重反転式推進機は、推進効率の向上を図りたい船舶に搭載する推進機として利用できる。
本発明の第1実施の形態に係る二重反転式推進機の縦断面図である。 図1に示す二重反転式推進機のピニオン軸軸受ハウジングに挿入する歯当り調整用シムの組込状態を示す縦断面図である。 歯当り調整用シムを模式的に示す斜視図である。 図1に示す二重反転式推進機の内側プロペラ軸組立状態を示す縦断面図である。 (a) は図1に示す二重反転式推進機の外側プロペラ軸組立状態を示す縦断面図であり、(b) は外軸用軸受ハウジングに軸受予圧用シムを組入れる状態を示す縦断面図である。 (a),(b),(c) は、歯当りの状態を示す模式図である。 (a),(b) は、図6に示す歯当りの状態に応じた調整方法を示す側面図である。 本発明の第2実施の形態に係る二重反転式推進機の縦断面図である。 図8に示す二重反転式推進機の内側プロペラ軸組立状態を示す縦断面図である。 図8に示す外軸用軸受ハウジングに軸受予圧用シムを組入れる状態を示す縦断面図である。
符号の説明
1…二重反転式推進機(舶用スラスタ)
2…プラットホーム部
3…出力軸
4…入力カップリング
5…上部ベベルピニオン
6…上部ピニオン軸
7…上部ギヤボックス
8…上部ベベルホイール
9…ピニオン軸
10…軸受
11…ストラット部
12…下部ベベルピニオン
13…内軸用ベベルホイール
14…内側プロペラ軸
15…外軸用ベベルホイール
16…外側プロペラ軸
17…プロペラ部
18…内軸プロペラ
19…外軸プロペラ
20,21…開口部
22…ギヤケース
23…内軸用軸受ハウジング
24…取付ボルト
25…外軸用軸受ハウジング
26…取付ボルト
27〜30…軸受
31…外軸軸封水装置
32…内軸軸封水装置
33…旋回モータ
34…旋回ギヤ
35…旋回用軸受
36…ピニオン軸軸受ハウジング
37…歯当り調整シム
38…取付ボルト
39…スリーブ
40…キャップ
41…取付ボルト
42…内側プロペラ軸組立体
43…歯当り調整シム
44…外側プロペラ軸組立体
45…歯当り調整シム
46…予圧調整用シム
47…取付ボルト
48…接合部
49…内周面
50…接合面
51…外周面
52…接合面
53,56…溝
54,57…Oリング
55…接合部
60…二重反転式推進機
61…内軸用外側軸受ハウジング
62…内軸用内側軸受ハウジング
63…接合部
64…外軸用外側軸受ハウジング
65…外軸用内側軸受ハウジング
66…接合部
67…取付ボルト
68…取付ボルト
69…内側プロペラ軸組立体
70…外側プロペラ軸組立体
71…歯当り調整シム
72…歯当り調整シム

Claims (8)

  1. 船底から下向きに設けたストラット部の下端にギヤケースを有するプロペラ部を設け、該プロペラ部の内部まで延びるピニオン軸を前記ストラット部の内部に設け、前記プロペラ部の内部の横方向に、内軸プロペラを回転させる内側プロペラ軸と外軸プロペラを回転させる外側プロペラ軸とを同心上に設け、前記ピニオン軸の下部にベベルピニオンを設け、該ベベルピニオンと噛合する内軸用ベベルホイールを前記内側プロペラ軸に設け、前記ベベルピニオンと噛合する外軸用ベベルホイールを前記外側プロペラ軸に設け、該外軸用ベベルホイールと前記内軸用ベベルホイールの軸受ハウジングの組込みと分解とを行うことができる開口部を前記ギヤケースの前後両端部に設け
    記軸受ハウジングを外軸用軸受ハウジングと内軸用軸受ハウジングとで構成し、該内軸用軸受ハウジングと前記内側プロペラ軸と内軸用ベベルホイールとを内側プロペラ軸組立体として構成し、該内側プロペラ軸組立体を前記ギヤケースの反プロペラ側の開口部から組込み可能に構成し、前記外軸用軸受ハウジングと外側プロペラ軸と外軸用ベベルホイールとを外側プロペラ軸組立体として構成し、該外側プロペラ軸組立体を前記ギヤケースのプロペラ側の開口部から組込み可能に構成したことを特徴とする二重反転式推進機。
  2. 前記ギヤケースの前後両端部に設けた開口部の端面と、該開口部に組付ける前記内軸用軸受ハウジングと外軸用軸受ハウジングとの間の接合面に、前記ベベルピニオンと内軸用ベベルホイール及び外軸用ベベルホイールとの歯当りを調整する厚さ調整可能な歯当り調整用シムを組入れ可能に構成したことを特徴とする請求項に記載の二重反転式推進機。
  3. 前記内軸用軸受ハウジング、前記内側プロペラ軸を支持する内軸用内側軸受ハウジングと、前記ギヤケースに固定する内軸用外側軸受ハウジングとで構成し、該内軸用内側軸受ハウジングと内軸用外側軸受ハウジングとの間に前記ベベルピニオンと内軸用ベベルホイールとの歯当りを調整する厚さ調整可能な歯当り調整用シムを組入れ可能に構成したことを特徴とする請求項又は請求項に記載の二重反転式推進機。
  4. 前記外軸用軸受ハウジング、前記外側プロペラ軸を支持する外軸用内側軸受ハウジングと、前記ギヤケースに固定する外軸用外側軸受ハウジングとで構成し、該外軸用内側軸受ハウジングと外軸用外側軸受ハウジングとの間に前記ベベルピニオンと外軸用ベベルホイールとの歯当りを調整する厚さ調整可能な歯当り調整用シムを組込み可能に構成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の二重反転式推進機。
  5. 前記内側プロペラ軸の軸受構成を、反プロペラ側でラジアル荷重とスラスト荷重とを支持する反プロペラ側軸受と、プロペラ側でラジアル荷重を支持するプロペラ側軸受とで構成し、前記反プロペラ側軸受を前記内軸用軸受ハウジング内に組込み、該内軸用軸受ハウジングを前記ギヤケースに組付けると共に、前記プロペラ側軸受を前記外側プロペラ軸の内周部で支持するように構成したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の二重反転式推進機。
  6. 前記外側プロペラ軸の軸受構成を、反プロペラ側でラジアル荷重を支持する反プロペラ側軸受と、プロペラ側でラジアル荷重とスラスト荷重とを支持するプロペラ側軸受とで構成し、該プロペラ側軸受と前記反プロペラ側軸受とを前記外軸用軸受ハウジング内に組込み、該外軸用軸受ハウジングを前記ギヤケースに取付けるように構成したことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の二重反転式推進機。
  7. 前記外軸用軸受ハウジングを、反プロペラ側の軸受側ハウジングとプロペラ側の予圧調整側ハウジングとで構成し、該軸受側ハウジングに前記ラジアル荷重とスラスト荷重とを支持するプロペラ側軸受を設け、該軸受側ハウジングと前記予圧調整側ハウジングとの間に、前記プロペラ側軸受の組込み時に該プロペラ側軸受の必要予圧量の調整を可能とする厚さ調整可能な薄板の予圧調整シムを組込み可能に構成したことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の二重反転式推進機。
  8. 請求項1〜のいずれか1項に記載の二重反転式推進機のストラット部の上部に旋回ギヤを設け、該旋回ギヤを旋回させる旋回モータを設けて前記プロペラ部を全旋回式に構成したことを特徴とする二重反転式推進機。
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