JP2013176680A - 衛生マスク - Google Patents

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Abstract

【課題】覆い部および一対の耳掛部を含むマスクを改善する。
【解決手段】通気性を有する素材から成って人の口と鼻とを覆う覆い部10と、耳に掛けられる耳掛け部12とを含む衛生マスクにおいて、覆い部10を左右方向の中央において、顔に接する側を内側にして二つ折りにし、その二つ折り部の下端部に面取りを施すとともにその面取部の縁を互いに接合して接合部62とする一方、上端部に左右方向に延びる長手形状の塑性変形部材70を配設する。接合部62の形成により覆い部10の中央下端部が外向きに凸の立体形状となり、ここを顎に掛けて上方へのずれを防止する一方、塑性変形部材70を鼻梁の側面に沿って塑性変形させることにより、鼻脇に生じ易い隙間を埋めつつ中央上端部が下方へずれることを防止し得る。
【選択図】図1

Description

本発明は、花粉,ほこり等の吸引防止、風邪の感染防止等の目的で使用される衛生マスク(以下、マスクと略称する)に関するものである。
マスクには、覆い部と、覆い部の両側部から延び出して人の耳または後頭部に掛けられる複数の掛部とを含み、覆い部によって口および鼻を覆い、掛け部が耳または後頭部に掛けられて使用されるものがある。この種のマスクにおいては、装着状態において、覆い部の周縁部を装着者の顔表面にいかに隙間なく密着させ得るかが重要であり、本願の原出願である下記特許文献1に記載のものはそのための改良案を提案したものである。
特開2012−105872号公報
上記提案のマスクの特徴の1つは、覆い部が横方向に延びる複数の横ヒダが形成されたヒダ形成部を含み、その覆い部の側縁部において上下方向に延び、横ヒダの側壁部を互いに接合して横ヒダが延びることを阻止する接合線が形成されるとともに、その接合線が、覆い部の上下方向の中間部において左右方向の中央に向かって曲げ込まれた曲込部を有することである。この特徴によって、覆い部の側縁部が顔の表面から浮き上がることが良好に防止されるという効果が得られる。
上記提案のマスクのもう1つの特徴は、覆い部が左右方向の中央において、顔に接する側を内側にして二つ折りにされ、その二つ折り部の上端部と下端部とに面取りが施されるとともにその面取部の縁が互いに接合されていることである。この特徴によって、提案マスクは、装着された場合に、覆い部が、それの中央部が外向きに凸の形状となって顔の表面から離れる一方、上端部と下端部とが顔の表面に押し付けられた状態となる。
これら2つの特徴によって、覆い部の中央部が顔の表面から浮き上がる一方、全周縁部が顔の表面に良好に密着する装着状態が実現される。
上記原出願の明細書には、上記とは別の改良案も記載されていた。本願はその改良案を出願発明とするものである。
本願発明によって、(a)通気性を有する素材から成り、横方向に延びる複数の横ヒダが形成されたヒダ形成部を含み、人の口と鼻とを覆う覆い部と、(b)耳または後頭部に掛けられる2つの掛部とを含む衛生マスクであって、前記覆い部が、左右方向の中央において、顔に接する側を内側にして二つ折りにされ、その二つ折り部の下端部に面取りが施されるとともにその面取部の縁が互いに接合される一方、上端部に左右方向に延びる長手形状の塑性変形部材が配設されたことを特徴とする衛生マスクが得られる。
覆い部を上記構成とすれば、二つ折り部が拡げられたとき、覆い部の下部が外向きに凸の立体形状となり、その部分が顎に掛かって、覆い部の下端部が上方にずれることが良好に防止される一方、塑性変形部材が鼻梁の側面に沿って塑性変形させられることにより、鼻に係合させられて覆い部の上端部が下方にずれることが良好に防止される。
発明の態様
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、「請求可能発明」という場合がある。請求可能発明は、特許請求の範囲に記載された発明である本願発明の下位概念発明や、本願発明の上位概念あるいは別概念の発明を含むことがある。)の態様をいくつか例示し、それらについて説明する。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも請求可能発明の理解を容易にするためであり、請求可能発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載,実施形態の記載,従来技術,技術常識等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要素を付加した態様も、また、各項の態様から構成要素を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得るのである。
(1)口と鼻とを覆う覆い部と、耳または後頭部に掛けられる2つの掛部とを含み、覆い部が横方向に延びる複数の横ヒダが形成されたヒダ形成部を含む横ヒダ型衛生マスクであって、
前記覆い部の側縁部において上下方向に延び、横ヒダの側壁部を互いに接合して横ヒダが延びることを阻止する接合線が、前記覆い部の上下方向の中間部において左右方向の中央に向かって曲げ込まれた曲込部を有することを特徴とする横ヒダ型衛生マスク。
(2)前記覆い部の上下方向の中間部に、互いに隣接する上向きのヒダおよび下向きのヒダを含む箱ヒダが形成され、その箱ヒダの上下方向の中央部において前記接合線が最も深く左右方向の中央部に向かって曲げ込まれた(1)項に記載の横ヒダ型衛生マスク。
(3)前記箱ヒダ部の下側に下向きの車ヒダが形成される一方、上側にはヒダが形成されていない(2)項に記載の横ヒダ型衛生マスク。
(4)前記下向きの車ヒダが1つ形成された(3)項に記載の横ヒダ型衛生マスク。
(5)前記接合線の曲込部が、前記左右方向の中央部に向かって最も深く曲げ込まれた部分において、左右方向の中央部に向かって尖る状態に屈曲させられた(2)項ないし(4)項のいずれかに記載の横ヒダ型衛生マスク。
(6)前記曲込部が、前記屈曲させられた部分の両側において、左右方向の側方に凸に湾曲させられた湾曲部を含む(5)項に記載の横ヒダ型衛生マスク。
(7)前記接合線が、前記覆い部の上部と下部とにおいてそれぞれ左右方向の側方へ凸に湾曲した2つの凸曲部を含み、それら2つの凸曲部の互いに隣接する部分によって前記曲込部が形成された(6)項に記載の横ヒダ型衛生マスク。
上記2つの円弧は、接合線の中間部に曲込部を形成して覆い部の顔の肌への密着度を向上させる効果を奏する上に、見た目が優雅であるため、衛生マスクの美観を向上させる効果も奏する。下記の円弧とすれば一層美観が向上する。
(8)前記2つの凸曲部の各々が、それぞれ一円弧により形成された(7)項に記載の横ヒ
ダ型衛生マスク。
(9)前記覆い部が、互いに重ねあわされた複数枚のシートにより形成され、前記接合線が、それら複数枚のシートがスポット状に溶着された溶着点の集合により形成された(1)
項ないし(8)項のいずれかに記載の横ヒダ型衛生マスク。
(10)前記接合線が、前記覆い部の両側縁部にそれぞれ1本ずつ形成された(1)項ない
し(9)項のいずれかに記載の横ヒダ型衛生マスク。
覆い部の上下方向の中間部に曲込部を有する接合線を1本とすれば、上記の各効果が得られる上、素材20がそれの表面に沿って曲がることを妨げることが少ないため、装着時に覆い部10の両側縁部が肌から浮き上がることを良好に回避し得る。従来は、接合線が複数本平行に形成されて、帯状の接合部が形成されることが多かったのであるが、その場合に比較して、覆い部10の両側縁部の変形の自由度が大きく、肌に密着し易いのである。
この観点からすれば、覆い部の両側縁部の接合線を1本とすることは、後述の態様におけるように、接合線が上下方向の中間部に曲込部を有しないものである場合にも有効である。
(11)前記覆い部が左右方向の中央において、顔に接する側を内側にして二つ折りにされ、その二つ折り部の上端部と下端部とに面取りが施されるとともにその面取部の縁が互いに接合された(1)項ないし(10)項のいずれかに記載の横ヒダ型衛生マスク。
二つ折り部の上端部と下端部との両方に面取りが施され、それら面取部の縁が互いに接合されることにより、二つ折り部が拡げられたとき、覆い部が外向きに凸の立体形状となり、その部分が鼻と顎とに掛かって、覆い部の上端部が下方にずれることと下端部が上方にずれることとが良好に防止される。覆い部の上下方向の寸法が小さいにもかかわらず、安定した装着状態が維持されるのであり、その結果、覆い部の周縁部が顔の肌から浮き上がることを良好に防止することが容易となる。
特に、覆い部の両側縁部の上下方向の寸法を小さくすることができ、両側縁部が肌から浮き上がることを良好に防止することができる。
その上さらに、次項の特徴と組み合わせて採用すれば、両側縁部が肌から浮き上がることを一層良好に防止することが可能となる。
(12)前記2つの掛部が、左右の耳に掛けられる2つの耳掛部であり、各耳掛部の前記覆い部への2つの接合部の上下方向の間隔が、耳の付け根部の上下方向の寸法と等しくされた(1)項ないし(11)項のいずれかに記載の横ヒダ型衛生マスク。
衛生マスクは、使用者の顔の大きさに見合ったものが選択され、使用されるのが普通であり、耳の付け根部の大きさは個人差はあるものの、概ね顔の大きさに見合っているため、各種サイズの衛生マスクにおいて、2つの接合部の上下方向の間隔を耳の付け根部の上下方向の寸法と等しくすることが可能である。
覆い部の側縁部が顔の肌に密着するようにするという観点からは、2つの接合部の上下方向の間隔を耳の付け根部の上下方向の寸法より小さくすることが望ましい。しかし、その場合には、耳が縮められる感じとなって、装着感がやや悪くなる。密着性と装着感とのいずれを重視するかによって、2つの接合部の上下方向の間隔を選定すべきである。
本項の構成によれば密着性と装着感との両方においてほぼ満足な衛生マスクが得られる。
その上、覆い部への2つの接合部が覆い部の上端角と下端角に設けられること、換言すれば、覆い部の両側縁部の上下方向の寸法が、装着者の耳の付け根の上下方向の寸法と等しいか、それより小さくされることが、覆い部の周縁部全体が肌に密着するという観点から望ましい。
(13)口と鼻とを覆う覆い部と、耳に掛けられる2つの耳掛部とを含み、覆い部が横方向に延びる複数の横ヒダが形成されたヒダ形成部を含む横ヒダ型衛生マスクであって、
前記耳掛部の、前記覆い部への2つの接合部の上下方向の間隔が、耳の付け根部の上下方向の寸法と等しくされたことを特徴とする横ヒダ型衛生マスク。
(14)口と鼻とを覆う覆い部と、耳または後頭部に掛けられる2つの掛部とを含み、覆い部が横方向に延びる複数の横ヒダが形成されたヒダ形成部を含む横ヒダ型衛生マスクで
あって、
前記覆い部の側縁部において上下方向に延び、横ヒダの側壁部を互いに接合して横ヒダが延びることを阻止する接合線が、前記覆い部の両側縁部にそれぞれ1本ずつ形成されたことを特徴とする横ヒダ型衛生マスク。
上記接合線は、(1)項に記載の要件を含むものとすることも、含まないもの例えば直線
とすることも可能である。後者の場合には、接合線全体を、生産技術上あるいは美観上許される範囲で、できる限り覆い部の両側端に近い位置に形成することが、両側端部を肌に密着させる上で望ましい。具体的には、側端から8mm以下とされることが望ましく、6mm以下、5mm以下とされることがさらに望ましい。
(15)口と鼻とを覆う覆い部と、耳または後頭部に掛けられる2つの掛部とを含み、覆い部が横方向に延びる複数の横ヒダが形成されたヒダ形成部を含む横ヒダ型衛生マスクであって、
前記覆い部が左右方向の中央において、顔に接する側を内側にして二つ折りにされ、その二つ折り部の上端部と下端部とに面取りが施されるとともにその面取部の縁が互いに接合されたことを特徴とする横ヒダ型衛生マスク。
上記(13)項ないし(15)項の各々に記載の特徴はそれぞれ単独で採用しても有効なものであるが、これらの特徴を複数組み合わせて採用すれば一層有効であり、すべてを併せて採用すれば、非常に密着性に優れ、かつ装着感も良い横ヒダ型衛生マスクが得られる。
また、(1)項ないし(12)項の各々に記載の特徴は、(13)項ないし(15)項の各々に記載の発明にも適用可能である。
請求可能発明の一実施形態である衛生マスクが二つ折りにされた状態を示す正面図である。 上記衛生マスクが、覆い部を膨らますことなく、左右に拡げられた状態を示す正面図である。 図2に示す状態の衛生マスクの背面図である。 図2に示す状態の衛生マスクの平面図である。 上記衛生マスクの装着状態を示す側面図である。
以下、請求可能発明の一実施例を、図を参照しつつ詳しく説明する。なお、請求可能発明は、下記実施例の他、上記〔発明の態様〕の項に記載された態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更を施した態様で実施することができる。
図1ないし図5に、請求可能発明の一実施例としての衛生マスク(以下、マスクと略称する)を示す。本マスクは、図5に示すように、装着者の口,鼻およびそれらの周辺を覆う覆い部10と、その覆い部10の両側部から延び出して耳に掛けられる耳掛部12とを含む。覆い部10は、通気性を有するシートが複数枚、本マスクでは、3枚のシートが重ね合わされて通気性を有する素材から成る。3枚のシートは、熱可塑性合成繊維から成る不織布である。
覆い部10は、図1ないし図3に示すように、ヒダ形成部20を含む。ヒダ形成部20は、横方向に延びる複数のヒダ、図示のマスクでは1つの箱ヒダ22および1つの車ヒダ24を含む。箱ヒダ22は、図2および図3から明らかなように、互いに隣接する上向きのヒダ26および下向きのヒダ28を含み、箱ヒダ22の上方にはヒダが形成されず、下方にのみ車ヒダ(下向きのヒダ)24が形成されている。なお、「車ヒダ」なる用語は、通常、複数連続して形成される場合の呼称であるが、本発明においては複数のヒダを含む文字どおりの車ヒダを形成する態様も含むため、下向きのヒダが1つのみ形成される場合は、車ヒダの極限の形態であると考えて、1つのヒダのみが形成される場合も「車ヒダ」と称することとする。結局、ヒダ形成部20には、上向きのヒダ26が1つ、下向きのヒダ28,24が2つ形成されているのであり、ヒダ24,26,28が上下非対称に形成されている。
これらヒダヒダ24,26,28はそれぞれ、山折り部と谷折り部とを1つずつ含み、側壁を3つずつ含む。ヒダ24,26,28は、折り畳まれた状態における上下方向の寸法が同じであって、各側壁の寸法が互いに同じである。そのため、ヒダ24,26,28の形成が容易である。これら箱ヒダ22のヒダ26,28および車ヒダ24はそれぞれ、各両端部において3つの側壁同士が加圧,加熱されて溶着され、図1,図2に示すように、上下方向に連続し、伸びない側縁部32とされている。
上記3つの側壁同士の溶着は、図1,図2に示すように、点状の溶着部である溶着点34が等間隔にかつ1列に形成されて、それら溶着点34の列により1本の接合線36が形成されている。この接合線36は、上下方向に並んだ2つの円弧部40,42から成り、その結果、覆い部10の上下方向の中間部(図示の例では中央)において左右方向の中央に向かって曲げ込まれた曲込部48が形成されている。前記箱ヒダ22は、覆い部10の上下方向の中間部(図示の例では中央)に形成されており、前記接合線36の最も深く左右方向の中央部に向かって曲げ込まれ、尖った部分の位置が、箱ヒダ22の上下方向の中央と一致させられている。その理由は後に説明する。
覆い部10は前述のように3枚のシートから成っているが、一番内側、すなわち顔の肌に接するシートの上下方向の寸法が他の2枚のシートより大きくされ、それら2枚のより上下に突出した上端部および下端部がそれぞれ外側へ折り返されて、2枚のシートの上端部および下端部を覆う折返し部50,52とされており、溶着点54の1本ずつの列から成る各接合線56,58により、一番内側のシート自体を含む前記3枚のシートと接合されている。
覆い部10は、通常、図1に示すように、左右方向の中央において、顔に接する側を内側にして二つ折りにされている。その二つ折り部の下端部に面取りが施されるとともにその面取部60の縁が互いに溶着により接合されて、接合部62が形成されている。この二つ折りにされた状態における覆い部10の左右方向の寸法が上下方向の寸法の1.2倍とされており、接合部62が形成される前に左右方向に拡げた状態では、左右方向の寸法(横寸法)が上下方向の寸法(縦寸法)の2.4倍とされている。覆い部10の縦横比が2倍以上とされているのであり、通常の横ヒダ型衛生マスクにおいては、この縦横比が2倍より小さくされているのと対照的である。これは、覆い部10の縦寸法が小さくされたためであり、本マスクの特徴の一つとなっているが、これは上記接合部62と下記の塑性変形部材70の配設とによって、覆い部10のずれが良好に防止できることによって可能になったことである。
塑性変形部材70は、上記二つ折り状態における覆い部10の左右方向の寸法より短い長さの帯状を成し、前記折返し部50の内側に配設されている。折返し部50と3枚のシートのうちの一番外側のシートとの間に配設され、前記接合線56とそれに平行に形成された接合線72とにより形成された筒状の空間内に位置する状態とされているのである。塑性変形部材70は、例えば、添加物が添加されたポリエチレンにより形成され、塑性変形可能な公知の材料から成る長手形状の扁平な部材である。図5に示す装着状態において、鼻梁の両側面に沿う形状に塑性変形させられることにより、鼻の両脇に生じる隙間を埋めて外気の侵入を防止するとともに、鼻に係合して覆い部10の上端部が下方へ移動することを防止する機能を果たす。
覆い部10の両側端部の上角部と下角部とに、それぞれ耳掛部12の両端部が接合されている。各耳掛部12は熱可塑性合成樹脂材料により伸縮性の良い紐状に形成され、溶着により覆い部10に接合されている。各耳掛部12の両端部の接合部80,82の上下方向の間隔は、図5に示すように、耳掛部12が掛けられる耳の付け根の上下方向の寸法と等しくされ、装着状態で耳掛部12に加えられる張力が、覆い部10の両側縁部32に、各側縁部32を上下方向において縮める向きの力の成分を発生させることがないようにされている。しかも、両接合部80,82はそれぞれ覆い部10の上角部と下角部とにあり、耳掛部12の張力は覆い部10の上端縁部と下端縁部とに伝達され、それら上端縁部と下端縁部とを肌に密着させる機能を果たす。この際、前述のように、覆い部10の左右方向の中央下部には接合62が形成され、中央上部には塑性変形部材70が配設されているため、上記上端縁部と下端縁部とに伝達される張力により、上端縁部と下端縁部とが真っ直ぐに引き延ばされてしまうことがなく、図5に示すように、覆い部10の左右方向の中央部の外向きに凸の3次元形状が良好に維持され、覆い部10の内面と装着者の鼻と口との間に十分な隙間が形成され、呼吸が妨げられることが少なく、良好な装着感が得られるとともに、装着者が女性の場合に口紅が覆い部10の内面に付着することが良好に回避される。
その上、本マスクにおいては、前述のように、覆い部10の両側縁部32に形成された接合線36が、上下方向の中央に曲込部48を有するため、装着状態において、図5に示すように、箱ヒダ22の中央部が屈曲する。その際、箱ヒダ22の中央部は外向きに膨らみ、突部86を形成するため、一見、肌との密着性が悪いように見えるが、実際には、接合線36が形成されている部分においては肌に密着し、その上、接合線36の外側においては、図5に示すように、上向きのヒダ26と下向きのヒダ28との谷折り部の近傍部同士が部分的に重なり合い、これらヒダ26,28と肌との間に隙間ができることが良好に防止される。また、見映えを良くすることを希望する装着者は、86を下向きに押せば、つぶれて目立たなくなり、美観が改善される。
本マスクは、予め、覆い部10の左右方向の中央部を上下いっぱいに延ばして外向きに凸の三次元形状に膨らませた状態としてから装着することが推奨される。この膨らませた状態では、覆い部10の中央の膨らみに沿った長さが、側縁部32の長さの2倍となる。装着後、覆い部10の中央部の上端部を上方に引き上げるとともに、塑性変形部材70を鼻梁の側面に沿った形状に塑性変形させ、かつ、下端部を下方に引き下げれば、塑性変形部材70に対応する部分が鼻の表面に密着する一方、接合部62に隣接する部分より形成された水平横断面形状がV字形の部分が顎の面に沿って十分に広がり、覆い部10の全周縁部が顔の肌に密着する一方、覆い部10の中央部は鼻や口から十分に隔たり、十分な空間が形成される。
10:覆い部 12:耳掛け部 20:ヒダ形成部 22:箱ヒダ 24:車ヒダ 32:側縁部 36:接合線 40,42:円弧 48::曲込部 60:面取部 62:接合部 70:塑性変形可能部材

Claims (7)

  1. 通気性を有する素材から成り、横方向に延びる複数の横ヒダが形成されたヒダ形成部を含み、人の口と鼻とを覆う覆い部と、
    耳または後頭部に掛けられる2つの掛部と
    を含む衛生マスクであって、前記覆い部が、左右方向の中央において、顔に接する側を内側にして二つ折りにされ、その二つ折り部の下端部に面取りが施されるとともにその面取部の縁が互いに接合される一方、上端部に左右方向に延びる長手形状の塑性変形部材が配設されたことを特徴とする衛生マスク。
  2. 前記覆い部の側縁部において上下方向に延び、前記複数の横ヒダの側壁部を互いに接合してそれら横ヒダが延びることを阻止する接合線を有する請求項1に記載の衛生マスク。
  3. 前記接合線が1本であり、その1本の接合線が上下方向の中央部において最も深く左右方向の中央部に向かって曲げ込まれた曲込部を有する請求項2に記載の衛生マスク。
  4. 前記接合線の曲込部が、前記左右方向の中央部に向かって最も深く曲げ込まれた部分において、左右方向の中央部に向かって尖る状態に屈曲させられた屈曲部をを含み、その屈曲部の上下両側において、左右方向の側方に凸に湾曲させられた2つの湾曲部を含む請求項3に記載の衛生マスク。
  5. 前記複数の横ヒダが、(a)互いに隣接する上向きのヒダおよび下向きのヒダを含む箱ヒダと、(bその箱ヒダの下方に形成された下向きのヒダとを含む請求項2ないし4のいずれかに記載の衛生マスク。
  6. 前記覆い部が、互いに重ねられた3枚のシートから成る請求項2ないし5のいずれかに記載の衛生マスク。
  7. 前記覆い部が、左右方向の中央において、顔に接する側を内側にして二つ折りにされた状態で提供される請求項2ないし6のいずれかに記載の衛生マスク。
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