JP2013175491A - 高圧放電ランプ点灯装置、それを用いた高圧放電ランプ装置、その高圧放電ランプ装置を用いたプロジェクタ、および高圧放電ランプの点灯方法 - Google Patents

高圧放電ランプ点灯装置、それを用いた高圧放電ランプ装置、その高圧放電ランプ装置を用いたプロジェクタ、および高圧放電ランプの点灯方法 Download PDF

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Abstract

【課題】アークジャンプの発生を十分に抑制する。
【解決手段】
略矩形波の交流電流において、デューティ比が50[%]を超え100[%]未満である期間をA期間とし、デューティ比が0[%]を超え50[%]未満である期間をB期間とし、デューティ比が50[%]である期間をC期間とする。C期間における交流1周期はA期間およびB期間のいずれの交流1周期よりも小さく、A期間に含まれる各周期のデューティ比の平均とB期間に含まれる各周期のデューティ比の平均との和は100[%]に等しく、A期間の長さとB期間の長さとが等しい。定常点灯状態において、A,C,B,Cの順に期間を遷移させ、かつ、これを繰り返す。
【選択図】図6

Description

本発明は、高圧放電ランプ点灯装置、それを用いた高圧放電ランプ装置、その高圧放電ランプ装置を用いたプロジェクタ、および高圧放電ランプの点灯方法に関する。
近時、プロジェクタは、会議等でのプレゼンテーションにパーソナルコンピュータとともに多く利用されている。また、一般家庭においてもホームシアターの用途としてプロジェクタが利用されている。
このようなプロジェクタは、光源からの射出光を画像情報に応じて変調し、その光学像を拡大投射するものであって、その光源として点光源により近く、高輝度で高演色な例えば高圧水銀ランプ(以下、単に「ランプ」という)が使用されている。
具体的にそのようなランプは、内部に発光物質として水銀が例えば200[mg/cm3]以上封入され、かつタングステン製の一対の電極が互いに略対向するように配置された発光管を備えている。また、この発光管内には水銀の他に、いわゆるハロゲンサイクル作用を利用し、点灯中、電極の構成材料であるタングステンが飛散して発光管の内面に付着して黒化するのを防止するべく、ハロゲン物質も封入されている。
上記ハロゲンサイクル作用によって、発光管の内面が黒化するのを防止することができるとともに、電極から飛散したタングステンが再び電極に戻って付着し、その堆積物として突起部が自然発生的に形成されることが知られている。このような突起部が電極の先端部に適正に形成されると、その突起部の電極対向部がアークの輝点となるために安定したアークが得られ、アークの輝点が移動するいわゆるアークジャンプの発生を抑制することができる点で有用である。そして、このようなアークジャンプはプロジェクタの投射映像のちらつきにつながるために極力抑制されるべきものである。したがって、ランプの寿命中、電極に適正な突起部を形成、維持し続けることが重要となる。
ところで、従来、点灯方法の観点からアークジャンプの発生を抑制させる方法として、ランプに対して供給される交流電流の極性反転動作をパルス幅変調させる方法が提案されている(例えば特許文献1)。
特表2004−525496号公報
本発明者らは、実際に電極の先端部に突起部を有する公知のランプに対して、その供給される交流電流の極性反転動作をパルス幅変調で点灯させる実験を試みた。まず数時間の点灯実験を行ったところ、アークジャンプが発生することはなかった。実験後のランプの電極状態を観察した結果、電極先端部に丸みを帯びた略円錐体状の突起部が形成されていた。アークジャンプの発生を確実に抑制するためには、経験上、突起部の先端は理想的には三角錐形状、望ましくは曲面状である必要があることがわかっている。したがって、この実験では、適正な突起部が形成されたことでアークジャンプの発生が抑制されたと考えられる。つまり、前記パルス幅変調は適正な突起部を形成するのに有用な働きをする可能性があることがわかった。
そこで、前記パルス幅変調の電極へ与える作用をさらに詳しく調べるために、点灯中のランプの電極温度を観測したところ、前記パルス幅変調のデューティ比の変化に合わせて電極温度が変化していることがわかった。
ここで言う「デューティ比」とは、交流電流において、どちらか一方の電流方向を正方向とし、交流1周期に占める正方向電流の持続時間の比率を表す。
具体的に、デューティ比が50[%]を超えている期間では、正方向電流通電時の陽極側電極の温度は平均温度を上回って上昇し、陰極側電極の温度は平均温度を下回って低下していた。また、デューティ比が50[%]を下回っている期間では、前述と逆の現象が起こっていた。陽極状態にある電極は電子の衝突により温度上昇し、陰極状態にある電極は陽極状態より温度低下することは一般的に知られているが、デューティ比が50%である場合は、温度上昇と温度低下とが交互にほぼ等しい時間で現れるために電極温度の変化は小さい。しかし、デューティ比が50%を超えてさらにその状態が継続すると、その間、正方向電流通電時の陽極側電極の温度は上昇し続け、陰極側電極の温度は低下し続けることになる。したがって、前記パルス幅変調での点灯でデューティ比の変化速度に合わせて電極温度が大きく上下したのは当然の結果といえる。これらのことから、パルス幅変調で適正な突起部が形成されたのは、電極温度が大きく上下したことにその要因があるということが推察された。
次に、本発明者らは、寿命試験的に長時間のパルス幅変調の点灯実験を試みた。その結果、数10時間以上経過した段階においてアークジャンプを発生するランプがあることがわかった。アークジャンプが発生したランプの電極状態を観察したところ、突起部の先端部が平坦化しており、全体的に太径化した略円錐台状に変形していた。これは最初の数時間の点灯段階では丸みを帯びた略円錐体状であったものである。したがって、この平坦化がアークの熱電子放出点の位置を不安定にし、アークジャンプを引き起こしたと考えられる。
そして、本発明者らは、実験を積み重ねていった結果、次のような場合に「平坦化」が起きることがわかった。すなわち、(1)寿命の初期段階(累積点灯時間が約20時間以上500時間以内)の場合、(2)プロジェクタの静音化使用状況に応じてランプ電力を定格電力に対して段階的に低減変化させる調光点灯させた場合である。
つまり、特許文献1のように、極性反転動作をパルス幅変調のみで点灯させた場合は、基本的には適正な突起部が形成され、かつそれが維持されるものの、ランプの寿命全般やあらゆる使用形態を考慮すると、適正な突起部が得られず、アークジャンプの発生を抑制するという効果が十分に発揮できない場合があることを見出した。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、ランプ寿命中、パルス幅変調の効果を十分に発揮できる、すなわち電極の突起部を適正に形成、維持して、特に「平坦化」を抑え、アークジャンプの発生を十分に抑制することができる高圧放電ランプ点灯装置、それを用いた高圧放電ランプ装置、その高圧放電ランプ装置を用いたプロジェクタ、および高圧放電ランプの点灯方法を提供することを目的としている。
本発明者らは、前記平坦化の発生要因について検討した結果、次のように考察した。
すなわち、(1)寿命の初期段階では、ハロゲンサイクルが十分に作用しているが故に、ちょうど累積点灯時間が20時間以上500時間以内あたりでタングステンの堆積が最も過剰になり、突起部の太径化が進行しすぎて平坦化を引き起こしたと考えられる。一方、(2)調光点灯による低電力点灯の場合、電極の温度が定格電力点灯時に比して低くなるために、電極先端部におけるタングステンの堆積範囲が広がり、それが突起部の太径化を進行させ、平坦化を引き起こしたと考えられる。
そこで、本発明は、これら考察を踏まえ当該目的を達成すべく、以下のとおりの特徴を備えている。
本発明に係る高圧放電ランプ点灯装置は、内部に、ハロゲン物質が封入され、かつ先端部に突起部が形成されている一対の電極が配置されている発光管を有する高圧放電ランプに対して、略矩形波の交流電流を供給して点灯させる高圧放電ランプ点灯装置であって、前記高圧放電ランプに供給される略矩形波の交流電流を生成する交流電流生成回路と、前記交流電流生成回路を制御する制御回路とを備え、前記制御回路は、前記交流電流において、どちらか一方の電流方向を正方向とし、交流1周期に占める正方向電流の持続時間の比率をデューティ比で表したとき、前記デューティ比が50[%]を超え100[%]未満である期間をA期間とし、前記デューティ比が0[%]を超え50[%]未満である期間をB期間とし、前記デューティ比が50[%]である期間をC期間とした場合、前記C期間における交流1周期は、前記A期間および前記B期間のいずれの交流1周期よりも小さく、前記A期間に含まれる各周期のデューティ比の平均と前記B期間に含まれる各周期のデューティ比の平均との和は100[%]に等しく、前記A期間の長さと前記B期間の長さとが等しく設定されており、定常点灯状態において、前記A期間、前記C期間、前記B期間、前記C期間の順に期間を遷移させ、かつ、これを繰り返すように前記交流電流生成回路を制御する。
ここで、「略矩形波」の交流電流とは、完全な矩形波をなす電流はもちろんのこと、極性反転直後のオーバーシュートやアンダーシュート等によって若干の歪を有する矩形波も含むものとする。また、アークジャンプを抑制する点灯方法として、従来から矩形波の半周期毎の極性反転前にパルス電流を重畳したり、矩形波の半周期毎において時間とともに電流値が増大するように傾斜をつけたり、矩形波の半周期毎の極性反転直前または直後に高周波が1周期付加され、かつ付加した波形の後半の半周期のランプ電流のみに、付加する直前の電流値より高くする交流波形が知られている。ここでは、このような基本となる矩形波に何らかの成分を重畳して変形したものも「略矩形波」に含まれるものとする。なお、このように変形された矩形波の交流1周期とは、基本にしたとみなされる矩形波の交流1周期を指す。
また、「定常点灯状態」とは、高圧放電ランプに一定の電力が供給されることにより、高圧放電ランプ内のガス圧がその電力に応じた圧力に安定している状態を言うものとする。
また、「前記制御回路」による「前記A期間、前記C期間、前記B期間、前記C期間の順に期間を遷移させ、かつ、これを繰り返す」制御は、必ず前記A期間から始まることを意味するものではなく、繰り返しにおいてこの順序に従うことを意味するので、前記B期間や、前記C期間から始まることも含むものとする。
また、本発明に係る高圧放電ランプ装置は、内部に、ハロゲン物質が封入され、かつ先端部に突起部が形成されている一対の電極が配置されている発光管を有する高圧放電ランプと、前記高圧放電ランプを点灯させる上述の高圧放電ランプ点灯装置とを備える。
また、本発明に係るプロジェクタは、上述の高圧放電ランプ装置を備える。
また、本発明に係る高圧放電ランプの点灯方法は、内部に、ハロゲン物質が封入され、かつ先端部に突起部が形成されている一対の電極が配置されている発光管を有する高圧放電ランプに対して、略矩形波の交流電流を供給して点灯させる点灯方法であって、前記交流電流において、どちらか一方の電流方向を正方向とし、交流1周期に占める正方向電流の持続時間の比率をデューティ比で表したとき、前記デューティ比が50[%]を超え100[%]未満である期間をA期間とし、前記デューティ比が0[%]を超え50[%]未満である期間をB期間とし、前記デューティ比が50[%]である期間をC期間とした場合、前記C期間における交流1周期は、前記A期間および前記B期間のいずれの交流1周期よりも小さく、前記A期間に含まれる各周期のデューティ比の平均と前記B期間に含まれる各周期のデューティ比の平均との和は100[%]に等しく、前記A期間の長さと前記B期間の長さとが等しく設定されており、定常点灯状態において、前記A期間、前記C期間、前記B期間、前記C期間の順に期間を遷移させ、かつ、これを繰り返す。
上記高圧放電ランプ点灯装置の構成によれば、交流電流において、デューティ比が50[%]を超えているA期間では、正方向電流通電時の陽極側電極の温度は平均温度を上回って上昇し、デューティ比が50[%]を下回っているB期間ではその温度は平均温度を下回って低下するために、パルス幅変調での点灯でデューティ比の変化速度に合わせて電極温度が大きく上下し、それが突起部を積極的にかつ確実に形成する作用を生じて突起部を消失することなく維持することができる。とりわけ、前記A期間に含まれる各周期のデューティ比の平均と前記B期間に含まれる各周期のデューティ比の平均との和は100[%]に等しく、前記A期間の長さと前記B期間の長さとが等しいので、交流点灯型のランプでは同様の設計がなされている一対の電極の双方に対して、平均的に同等の温度変化の作用を生じさせることができるため、一対の電極の双方に同形状の突起を形成することができる。
ただし、A期間とB期間とを交互に遷移させただけでは、長時間経過すると突起部が太径化するように成長してしまう。過度な太径化は突起部の先端部の平坦化を進行させる。
そこで、A期間とB期間との間にデューティ比が50[%]であり、かつその1周期がA期間およびB期間のいずれの1周期よりも小さいC期間を存在させることにより、つまり一定期間、高周波の交流電流で点灯させることにより、突起部の先端部の平坦化を抑えることができる。すなわち、このC期間では、電極の温度変化が小さくなるためタングステンの堆積が突起部の先端部だけに制限され、その結果、細径でしかも先の尖った突起部を形成する消極的な作用を奏する。
このように、A期間、C期間、B期間、C期間の順に期間を遷移させ、かつこれを繰り返すことにより、突起部の形成において、太径化を促す積極的な形成作用と細径化を促す消極的な形成作用とがバランス化し、その相互作用の結果としてランプの寿命中に亘って適正な突起部の形成、維持を図ることができ、アークジャンプの発生を十分に抑制することができる。
なお、ここでの「適正な突起部」とは具体的な特定形状のみを示すものではなく、アークジャンプの発生を十分に抑制することができる形状であれば特に限定されない。ただし、本発明者らの実験によると、先端部が丸みを帯びた略円錐体状の突起部は適正な突起部の形状の一つであることを確認した。
また、前記C期間の交流1周期は1[ms]以上4[ms]以下の範囲内にあり、かつ前記C期間の挿入1回当たりの繰り返し周期は5周期以上200周期以下の範囲内に設定されていることとしてもよい。かかる構成によれば、細径で、かつ先の尖った突起部を形成する消極的作用がより効果的に加わり、結果として突起部全体として、先端が丸みを帯びた略円錐体状になる。
また、前記A期間と前記B期間との各々の交流1周期は一定で等しく、かつ前記A期間の交流1周期内の正方向電流の持続時間と、前記B期間の交流1周期内の負方向電流の持続時間とは一定で等しく設定されていることとしてもよい。ここで、「一定」とは、A期間またはB期間が繰り返し現れる場合において、どの繰り返し周期においても等しいことを意図している。かかる構成によれば、交流点灯型のランプにおける同様の設計がなされた一対の電極の双方に対して、デューティ比が50[%]からずれることによって瞬時的にはアンバランスな通電状態であっても、長期的にはA期間とB期間が複数回現れ、それらを平均的に見れば、バランスの取れた通電状態となり、一対の電極のそれぞれに同等の温度変化を生じさせることができる。その結果、一対の電極の各々に略同等形状の突起部を形成させることができ、形状的な対称性を確保することができる。したがって、所望とするランプ特性を安定化させることができる。
また、前記A期間の交流1周期内の負方向電流の持続時間と、前記B期間の交流1周期内の正方向電流の持続時間と、前記C期間の交流1周期の半周期とが互いに等しく設定されていることとしてもよい。かかる構成によれば、交流電流の極性反転動作のタイミングにおいて、極性反転するまでの時間が、2種類の時間に制限されることになり、交流反転動作の周期で決まる点灯装置の電子部品からの発生音の音声周波数も2種類に制限されるために、点灯装置からの騒音を最も目立たなくさせることができる。
また、さらに、前記高圧放電ランプのランプ電圧を検出するランプ電圧検出部を備え、前記制御回路は、定常点灯状態において、検出された前記ランプ電圧が予め設定された第一の値よりも高い第二の値以上である場合、前記A期間、前記C期間、前記B期間、前記C期間の順に期間を遷移させ、かつ、これを繰り返す制御を行い、検出された前記ランプ電圧が予め設定された第一の値以下である場合、前記制御を行わずに前記C期間を維持する制御を行い、検出された前記ランプ電圧が前記第一の値と前記第二の値との間にあるとき、前記第二の値を通って前記ランプ電圧に低下した場合は、前記第二の値以上である場合と同じ制御を行い、前記第一の値を通って前記ランプ電圧に上昇した場合は、前記第一の値以下である場合と同じ制御を行うこととしてもよい。かかる構成によれば、ランプの点灯中に、何らかの原因によって電極の突起部が伸び過ぎ、電極間距離が短縮し過ぎるのを抑制することができる。電極間距離の短縮はランプ電圧の低下を引き起こし、それが過剰低下であった場合には、点灯装置の制御特性上、定電力制御の範囲を外れてしまうために投入電力の低下につながり、その結果、ランプの温度が適正状態から外れ、ランプの劣化につながる。したがって、電極間距離の過剰な短縮は抑制する必要がある。ところで、突起部の形成という点では、前記A期間、前記C期間、前記B期間、前記C期間の順に期間を遷移させ、かつ、これを繰り返す制御は、突起部を積極的に形成する動作であると言えるが、C期間を維持する制御は、消極的な動作である。したがって、電極間距離が過剰に短縮するような場合は、このC期間を維持する制御を行うことによって突起部の形成を抑制することができ、電極間距離の過剰な短縮を解消することができる。
なお、電極間距離はランプ電圧として検出できるので、ランプ電圧を検出するランプ電圧検出部により、あらかじめ設定したランプ電圧に対して、上記のように交流電流の時間的な動作を変化させることで電極間距離の過剰な短縮を抑制することができる。なお、定電力制御で点灯している時は、電極間距離はランプ電流として検出してもよい。
ここで、「検出された前記ランプ電圧が、前記第一の値と前記第二の値の間にあるとき、前記第二の値を通って前記ランプ電圧に低下した場合は、前記第二の値以上である場合と同じ制御を行い、前記第一の値を通って前記ランプ電圧に上昇した場合は、前記第一の値以下である場合と同じ制御を行う」とし、制御の切り替えが高圧放電ランプのランプ電圧の変化の仕方に対して、いわゆるヒステリシス的な切り替えにしている理由は次のとおりである。
ヒステリシス的な動作を設けず、1つの閾値を境に制御を切り替えた場合、その閾値を頻繁に通りすぎるように電極間距離が変化してしまうため、制御の切り替えが頻繁に起こり、点灯装置に動作上の負担が増加し、点灯装置に異常が生じる場合があるためである。
また、さらに、前記高圧放電ランプのランプ電圧を検出するランプ電圧検出部を備え、前記制御回路は、前記交流電流において、前記デューティ比が50[%]であり、かつ交流1周期が前記C期間の交流1周期よりも短く、かつその交流1周期が1[ms]以上3[ms]以下の範囲内である期間をD期間とした場合、定常点灯状態において、検出された前記ランプ電圧が予め設定された第一の値よりも高い第二の値以上である場合、前記A期間、前記C期間、前記B期間、前記C期間の順に期間を遷移させ、かつ、これを繰り返す制御を行い、検出された前記ランプ電圧が予め設定された第一の値以下である場合、前記制御を行わずに前記D期間を維持する制御を行い、検出された前記ランプ電圧が前記第一の値と前記第二の値との間にあるとき、前記第二の値を通って前記ランプ電圧に低下した場合は、前記第二の値以上である場合と同じ制御を行い、前記第一の値を通って前記ランプ電圧に上昇した場合は、前記第一の値以下である場合と同じ制御を行うこととしてもよい。かかる構成によれば、ランプの点灯中に、何らかの原因によって電極の突起部が伸び過ぎ、電極間距離が短縮し過ぎるのを一層効果的に抑制することができる。すなわち、デューティ比が50[%]であり、かつ交流1周期がC期間の1周期よりも短く、かつその交流1周期が1[ms]以上3[ms]以下の範囲内であるD期間を採用することにより、その期間中、一層速いサイクルで交流点灯をさせることになり、突起部の形成作用をより一層消極的に傾けることができ、電極間の過剰な短縮を確実に解消することができる。
なお、交流1周期を1[ms]以上としているのは、これより短いとランプのもつ音響共鳴周波数帯に合致するおそれがあり、その結果として生じるアークの不安定化を避けるためである。
また、ここでもいわゆるヒステリシス的な動作にしている理由は前述と同様の理由によるものである。
また、前記点灯電圧の第一の値と第二の値との差は2[V]以上10[V]以下の範囲内に設定されることとしてもよい。かかる構成によれば、上記の電極間距離の過剰な短縮を抑制するという効果を得られるとともに、上記のヒステリシスの効果を確実に発揮させることができる。ランプ電圧が低下して第一の値になるとC期間を維持する制御またはD期間を維持する制御となり、その後ランプ電圧が上昇に転じる。このとき、ランプ電圧が第一の値を超えてもランプ電圧がさらに上昇し第二の値に到達するまではC期間を維持する制御またはD期間を維持する制御を継続するため、頻繁に制御が切り替わることがない。
また、前記制御回路は、前記交流電流において、前記デューティ比が50[%]であり、かつ交流1周期が5[ms]以上20[ms]以下の範囲内である期間をE期間とした場合、前記高圧放電ランプの始動動作後から60[s]以上300[s]以下の範囲内から選択される所定時間までの間は、前記制御を行わずに前記E期間を維持する制御を行うこととしてもよい。始動動作の後からランプが立ち上がるまでのランプ電圧が低い状態、言い換えればランプ電流が高い状態において、高圧放電ランプ点灯装置の電子部品などから耳障りな騒音が発生する。これを搭載するプロジェクタにおいては、ランプの始動動作後からすぐに映像を投射し始める用途が多いために、快適な視聴環境を実現するためには前記点灯装置からの騒音を可及的に抑制する必要がある。特に、A期間およびB期間においては異なる二つの周波数を半周期毎に切り替えるのと同じ動作をしていることになり、この周波数の切り替えが断続的な騒音または音感の異なる騒音の発生を引き起こし、連続的に発生する同一音感の騒音に比して非常に耳障りに感じる。また、C期間やD期間は単一周波数であるので連続的に発生する同一音感であるが、人間の耳に対して可聴感度の高い周波数帯域であるので多少耳障りな騒音に感じる。
しかし、かかる構成によれば、始動動作の後からランプが立ち上がるまでに相当する始動動作後から60[s]以上300[s]以下の範囲内から選択される所定時間までの間は、可聴感度の低い周波数としたE期間を維持する制御としているので、騒音の発生を防止することができ、静音を実現することができる。もっとも、この間は交流電流の周波数をパルス幅変調しなくても突起部の制御にはさほど寄与しないことが実験的にわかっており、突起部がもたらす効果に悪影響を及ぼさない。そして、これら一定期間の経過後には交流電流の周波数のパルス幅変調制御を行うことによって突起部の適正な成長、維持を図ることができ、アークジャンプの発生を十分に抑制することができる。
また、上記高圧放電ランプ装置の構成によれば、高圧放電ランプからの射出光にちらつきのない高品質な光源を実現することができる。
また、上記プロジェクタの構成によれば、スクリーン等への投射映像のちらつきを防止することができる高品質なプロジェクタを実現することができる。
また、上記高圧放電ランプの点灯方法の構成によれば、上記高圧放電ランプ点灯装置と同様の効果を得ることができる。
本発明は、ランプの寿命中、電極の突起部を適正に形成、維持して、特に「平坦化」を抑え、アークジャンプの発生を十分に抑制することができる高圧放電ランプ点灯装置、それを用いた高圧放電ランプ装置、その高圧放電ランプ装置を用いたプロジェクタ、および高圧放電ランプの点灯方法を実現することができるものである。
本発明の第1の実施形態に係る高圧放電ランプ装置の構成を示すブロック図 本発明の第1の実施形態に係る高圧水銀ランプの発光管の断面図 本発明の第1の実施形態に係る高圧水銀ランプの電極の構成を示す図 本発明の第1の実施形態に係るランプユニットの構成を示す一部切欠斜視図 本発明の第1の実施形態に係る高圧放電ランプ点灯装置の動作を示すフローチャート 本発明の第1の実施形態に係る高圧水銀ランプの定常点灯状態における電流波形の一例を示す図 実施例および比較例における電極の先端部の形状を説明するための図 本発明の第2の実施形態に係る高圧放電ランプ装置の構成を示すブロック図 本発明の第2の実施形態に係る高圧放電ランプ点灯装置の動作を示すフローチャート 本発明の第2の実施形態に係る高圧水銀ランプの定常点灯状態における電流波形の一例を示す図 本発明の第2の実施形態に係る高圧水銀ランプの定常点灯状態における電流波形の一例を示す図 本発明の第3の実施形態に係るプロジェクタとしてフロントプロジェクタの構成を示す一部切欠斜視図 本発明の第3の実施形態に係るプロジェクタとしてリアプロジェクタの構成を示す斜視図
本発明を実施するための最良の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
以下、本発明の最良な実施の形態を、図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
<構成>
図1は、本発明の第1の実施形態である高圧放電ランプ装置1のブロック図を示す。
図1に示すように、高圧放電ランプ装置1は、外部の交流電源(AC100[V])に接続されるDC電源回路2から高圧放電ランプ点灯装置3(電子安定器)を介して高圧放電ランプ、例えば高圧水銀ランプ4に接続された構成からなる。
DC電源回路2は、例えば整流回路(図示せず)を有しており、家庭用の交流電圧(100[V])から一定の直流電圧を生成し、高圧放電ランプ点灯装置3に供給する。
高圧放電ランプ点灯装置3は、主にDC/DCコンバータ5、DC/ACインバータ6、高電圧発生部7、ランプ電流検出部8、ランプ電圧検出部9、制御回路10から構成されている。
DC/DCコンバータ5は、制御回路10からのPWM(Pulse Width Modulation)制御信号を受けて所定の大きさの直流電流をDC/ACインバータ6に供給する。すなわち、安定点灯時(定常点灯時)において高圧水銀ランプ4の光出力を一定に保つべくランプ電力を一定にする制御(定電力制御)を行う必要があるが、制御回路10はそのためにランプ電流検出部8で検出したランプ電流、およびランプ電圧検出部9で検出したランプ電圧にそれぞれ基づいてマイコン11によってランプ電力を演算し、それを一定にするようなPWM制御信号をPWM制御回路12からDC/DCコンバータ5に送る。DC/DCコンバータ5は、それを受けてDC電源回路2からの直流電圧を所定の大きさの直流電流に変換する。ただし、制御回路10は、ランプの始動動作後からランプが立ち上がるまでのランプ電圧が低い状態、言い換えればランプ電流が高い状態においては定電流制御するようにPWM制御信号をDC/DCコンバータ5に送る。
ここで、始動動作後の「定電流制御」とは、電流値を一定にする制御だけを指すのではなく、ランプが立ち上がるまでのランプ電圧が低い状態においてランプに過電流が流れるのを防ぐために電流に制限をかけた制御全般を示す。したがって、電流値が一定でない場合も含む。ただし、ランプが立ち上がった後に行う定電力制御も定電流制御の一つと解される場合があるが、ここでは定電力制御を定電流制御の一つとして含めない。
DC/ACインバータ6は、高圧水銀ランプ4に供給される略矩形波の交流電流を生成する交流電流生成回路として機能する。具体的には、DC/DCコンバータ5から出力された直流電流を略矩形波の交流電流に変換している。略矩形波の特性(1周期の長さおよびデューティ比)は、制御回路10から入力される制御信号に基づいて決定される。
高電圧発生部7は、例えばトランス(図示せず)を有しており、高圧水銀ランプ4の電極19間での絶縁破壊を促し、高圧水銀ランプ4を始動させるべく高電圧を発生させて高圧水銀ランプ4に印加する。
ランプ電流検出部8は、DC/DCコンバータ5とDC/ACインバータ6とを結ぶ配線に流れる電流(ランプ電流に相当する)を検出し、ランプ電流の大きさを示す信号を出力する。
ランプ電圧検出部9は、DC/DCコンバータ5の出力電圧を検出し、ランプ電圧のレベルを示す信号を出力する。ここでDC/DCコンバータ5の出力電圧は、ランプ電圧以外にDC/ACインバータ6や高電圧発生部7や回路配線などで生じる電圧降下を含むため正確にはランプ電圧と等価ではないが、前記ランプ電圧以外の電圧降下分を差し引く補正をすることにより、DC/DCコンバータ5の出力電圧を制御処理上ランプ電圧として扱うことができる。
制御回路10は、マイコン11、PWM制御回路12、点灯判別回路13、タイマー14を備える。マイコン11は、ランプ電流検出部8の出力信号、ランプ電圧検出部9の出力信号、タイマー14の出力信号を受けて、DC/DCコンバータ5およびDC/ACインバータ6を制御する。PWM制御回路12は、マイコン11からのPWM制御信号を受けて、DC/DCコンバータ5をPWM制御する。点灯判別回路13は、ランプの点灯を検知する。タイマー14はランプの点灯が検知されたときカウントをスタートする。制御回路10の動作については後に詳述する。
次に、一例として定格電力180[W]の高圧水銀ランプ4の概略構成について図2を参照して説明する。
図2に示すように、高圧水銀ランプ4の発光管は、その容囲器の構成材料が例えば石英ガラスからなり、管中央部の略回転楕円体形状の発光部16と、この両側からそれぞれ外方向に延在するように連接された略円柱体形状の封止部17とを有する。
発光部16の内部(放電空間18)には、発光物質である水銀(Hg)と、始動補助用の希ガスとして例えばアルゴンガス(Ar)、クリプトンガス(Kr)、あるいはキセノンガス(Xe)またはそれら2種以上の混合ガスと、ハロゲンサイクル作用のためのヨウ素(I)あるいは臭素(Br)、またはそれらの混合物とがそれぞれ所定量封入されている。一例として、水銀の封入量は150[mg/cm3]以上390[mg/cm3]の範囲内で、アルゴンガスの封入量(25℃)は0.01[MPa]以上1[MPa]以下の範囲内で、臭素の封入量は1×10-10[mol/cm3]以上1×10-4[mol/cm3]の範囲内で、好ましくは1×10-9[mol/cm3]以上1×10-5[mol/cm3]の範囲内でそれぞれ設定されている。
また、発光部16内には、一対のタングステン(W)製の電極19の一端部側がそれぞれ互いに略対向するように配置されている。一例として、この一対の電極19間の距離L(図2参照)は、0.5[mm]以上2.0[mm]以下の範囲内で設定される。
電極19は、図3に示すように、電極棒20とその一端部に取り付けられた電極コイル21とからなる。特に電極19の先端部22(一端部)は、電極棒20の一部と電極コイル21の一部とがそれぞれ一体的に溶融されて例えば略半球状、略球状または略円錐状等の形状に加工されている。また、この電極19の先端部22には、点灯中のハロゲンサイクル作用によって、電極19の構成材料であるタングステンが蒸発した後、ハロゲンによって再び電極19、特にその先端部22の頂点部に戻って堆積し、その堆積物からなる突起部23が機械的加工を行うことなく自己形成される。ここで示す突起部23は製造工程の点灯工程中に形成させたもので、製品完成時には既に形成された状態にある。前記電極19間の距離Lは、具体的にはこれら突起部23間の距離を示す。
なお、電極19の先端部を例えば略半球状、略球状または略円錐状等の形状に形成するに当たり、電極棒20の一部と電極コイル21の一部とをそれぞれ溶融させて形成する以外に、予め略半球状、略球状または略円錐状に削り出したもの、またはそのような形状で焼結したもの電極棒20の先端部に取り付けてもよい。
図2に戻り、電極19の他端部は、封止部17に気密に封着されたモリブデン製の金属箔24を介して外部リード線25の一端部に接続されている。外部リード線25の他端部は封止部17の端面から外部に突出し、図示していない電力供給線または口金等に接続される。
そして、このような高圧水銀ランプ4は、図4に示すように、反射鏡26内に組み込まれてランプユニット27を構成する。
すなわち、ランプユニット27は、図4に示すように、上記した高圧水銀ランプ4と、内面が凹面の反射面28を有する基体がガラスまたは金属からなる反射鏡26とを備えており、この反射鏡26内に高圧水銀ランプ4がその長手方向の中心軸Xと反射鏡26の光軸Yとが略一致するように組み込まれ、高圧水銀ランプ4からの射出光が反射面28により反射されるように構成されている。
高圧水銀ランプ4には、発光管の一方の封止部17に、電源接続用端子29が付設された円筒形の口金30が装着されている。一方の封止部17から外部に導出した外部リード線25が電源接続用端子29に接続されている。他方の外部リード線25には電力供給線31が接続されている。
そして、この高圧水銀ランプ4は、口金30が反射鏡26のネック部32内に挿入され、かつ接着剤33を介して固着されている。このとき、電力供給線31は、反射鏡26に設けられた貫通孔34に挿通される。
なお、反射面28は、例えば回転楕円体面や回転放物体面からなり、多層干渉膜等が蒸着されている。
<動作>
次に、本実施形態に係る高圧放電ランプ点灯装置3の動作例について図1、図2および図5のフローチャートを参照して説明する。図5は、高圧放電ランプ点灯装置3における交流電流の変調制御を示すフローチャートである。ただし、図5のフローチャートにおいて後述する始動動作は省略している(以下、後述するその他のフローチャートについても同じである)。
(1)まず、高圧水銀ランプ4を放電開始させるための点灯スイッチ(図示せず)がオンされると、制御回路10は、高電圧発生部7に例えば3[kV]、100[kHz]の高周波電圧を発生させる。発生された高周波電圧は高圧水銀ランプ4に印加される。
(2)高圧水銀ランプ4における電極19間において絶縁破壊が起こると電極19間に高周波のアーク放電電流が通電し始める。すなわち、高圧水銀ランプ4は放電を開始する。放電開始後も一定期間、高周波電圧が高圧水銀ランプ4に印加され続ける。
その後、さらに放電を安定させるべく電極19のウォームアップ期間として、例えば2[s]間、10[kHz]以上500[kHz]以下の範囲内から選択される高周波の定電流制御が行われる。このウォームアップ期間の2[s]を経過すると、いわゆる始動動作が完了する。
なお、上記始動動作において、高圧水銀ランプ4を放電開始させるための高電圧発生部7からの出力は高周波の高電圧に限定されるものでなく、これに代えて公知の間欠発振型の高電圧パルスを用いてもよい。また、放電開始後のアーク放電を安定させる方法についても当該高周波動作に限るものでなく、これに代えて公知の直流動作または20[Hz]未満の低周波電流による定電流制御の動作を用いてもよい。
(3)始動動作後、略矩形波の交流電流による定電流制御(例えば3[A]一定)の点灯に移行する。
(4)制御回路10は、水銀の蒸発に伴ってランプ電圧が上昇して所定の電圧(例えば60[V])に到達するまで定電流制御で高圧水銀ランプ4を点灯させる。その一方で、制御回路10は、ランプ電流検出部8の出力信号に基づき点灯開始したか否かを判別する。そして、図5に示すように点灯開始すれば、制御回路10は、タイマー14のカウントを開始させ(S11)、DC/ACインバータ6に制御信号Eを入力する(S12)。制御信号Eは、E期間における略矩形波の特性を特定するための信号である。DC/ACインバータ6は、制御信号Eから略矩形波の特性(1周期の長さおよびデューティ比)を特定し、当該特性に応じた交流電流の極性反転動作を実行する。これにより、制御信号Eにより特定される略矩形波の交流電流がDC/ACインバータ6から出力され、高圧水銀ランプ4に供給される。なお、E期間における交流電流の1周期は、5[ms]以上20[ms]以下の範囲内から選択され(例えば、10[ms])、1周期のデューティ比は50[%]である。
(5)タイマー14の設定時間は、60[s]以上300[s]以下の範囲内から選択されており、本実施形態では100[s]が選択されている。制御回路10は、点灯開始から100[s]を経過するまで、DC/ACインバータ6への制御信号Eの入力を維持する(S13:NO)。点灯開始から100[s]を経過すれば、制御回路10は、略矩形波の交流電流の変調制御を実行する(S13:YES)。
(6)制御回路10は、点灯開始から100[s]を経過すれば、DC/ACインバータ6に制御信号Aを入力する(S14)。制御信号Aは、A期間における略矩形波の特性を特定するための信号である。これにより、制御信号Aにより特定される略矩形波の交流電流がDC/ACインバータ6から出力され、高圧水銀ランプ4に供給される。
(7)制御回路10は、所定時間Aが経過するまでDC/ACインバータ6への制御信号Aの入力を維持し(S15:NO)、所定時間Aを経過すれば(S15:YES)、制御信号Aから制御信号Cに切り替える(S16)。制御信号Cは、C期間における略矩形波の特性を特定するための信号である。これにより制御信号Cにより特定される略矩形波の交流電流がDC/ACインバータ6から出力され、高圧水銀ランプ4に供給される。
(8)制御回路10は、所定時間Cが経過するまでDC/ACインバータ6への制御信号Cの入力を維持し(S17:NO)、所定時間Cが経過すれば(S17:YES)、制御信号Cから制御信号Bに切り替える(S18)。制御信号Bは、B期間における略矩形波の特性を特定するための信号である。これにより制御信号Bにより特定される略矩形波の交流電流がDC/ACインバータ6から出力され、高圧水銀ランプ4に供給される。
(9)制御回路10は、所定時間Bが経過するまでDC/ACインバータ6への制御信号Bの入力を維持し(S19:NO)、所定時間Bが経過すれば(S19:YES)、制御信号Bから制御信号Cに切り替える(S20)。これにより制御信号Cにより特定される略矩形波の交流電流がDC/ACインバータ6から出力され、高圧水銀ランプ4に供給される。
(10)制御回路10は、所定時間Cが経過するまでDC/ACインバータ6への制御信号Cの入力を維持し(S21:NO)、所定時間Cが経過すれば(S21:YES)、制御信号Cから制御信号Aに切り替える(S14)。これにより制御信号Aにより特定される略矩形波の交流電流がDC/ACインバータ6から出力され、高圧水銀ランプ4に供給される。
(11)制御回路10は、以降、点灯スイッチがオフされるまで、S14〜S21の一連のステップを繰り返す。
上記動作によれば、A期間、C期間、B期間、C期間の順で期間を遷移させ、かつこれを繰り返す制御が実現される。上記動作により得られる略矩形波の交流電流の波形の一例を図6に示す。なお、A期間、B期間、C期間における略矩形波の特性は、次のように設定される。
A期間では、略矩形波の1周期の長さが2[ms]以上20[ms]以下の範囲内から選択され、1周期のデューティ比が50[%]を超え100[%]未満の範囲内から選択され、繰り返し周期が2周期以上200周期以下の範囲内から選択される。
B期間では、略矩形波の1周期の長さが2[ms]以上20[ms]以下の範囲内から選択され、1周期のデューティ比が0[%]を超え50[%]未満の範囲内から選択され、繰り返し周期が2周期以上200周期以下の範囲内から選択される。
A、Bの両期間における1周期の長さ、1周期のデューティ比および繰り返し周期は、A期間における各周期のデューティ比の平均とB期間における各周期のデューティ比の平均との和が100[%]となり、かつA期間の長さとB期間の長さとが等しくなるように選択される。
C期間では、略矩形波の1周期の長さが1[ms]以上4[ms]以下の範囲内から選択され、1周期のデューティ比は50[%]であり、繰り返し周期が5周期以上200周期以下の範囲内から選択される。なお、C期間における略矩形波の1周期の長さは、A期間における略矩形波の1周期の長さおよびB期間における略矩形波の1周期の長さの何れよりも短くなるように選択される。
所定期間A,B,Cのそれぞれの長さは、各期間における略矩形波の1周期の長さと繰り返し周期とが選択されれば必然的に決まる。
図6の例では、A期間における1周期の長さとして7[ms]が選択され、1周期のデューティ比として80[%]が選択され、繰り返し周期として10周期が選択されている。さらに、A期間に含まれる何れの周期も1周期の長さが7[ms]で等しく、デューティ比が80[%]で等しい。
また、B期間における1周期の長さとして7[ms]が選択され、1周期のデューティ比として20[%]が選択され、繰り返し周期として10周期が選択されている。さらに、B期間に含まれる何れの周期も1周期の長さが7[ms]で等しく、デューティ比が20[%]で等しい。
また、C期間における1周期の長さとして2.8[ms]が選択され、繰り返し周期として20周期が選択されている。
上記動作によれば、A期間とB期間とを交互に繰り返すことにより、電極温度を周期的に大きく上下させ、これにより電極先端部の突起部を積極的にかつ確実に形成する作用を生じさせて、突起部を消失することなく長時間維持させることができる。とりわけ、A期間におけるデューティ比の平均とB期間におけるデューティ比の平均との和を100[%]とし、かつA期間の長さとB期間の長さとを等しくしているので、一対の電極の双方に対して平均的に同等の温度変化の作用を生じさせることができる、その結果、一対の電極の双方に同形状の突起部を形成することができる。
ただし、A期間とB期間とを交互に繰り返すだけでは、長時間経過したときに突起部が太径化するように成長してしまう。過度な太径化は突起部の先端部の平坦化を進行させる(図7(b)参照)。
そこで、A期間とB期間との間にデューティ比が50[%]であり、かつその1周期がA期間およびB期間のいずれの1周期よりも小さいC期間を挿入することにより、突起部の先端部の平坦化を抑えることとしている。C期間では、電極の温度変化が小さくなり、細径でしかも先の尖った突起部を形成する消極的な作用が働く。そのため、A期間とB期間とが交互に現れる間にC期間を挿入することで、太径化を促す積極的な形成作用と細径化を促す消極的な形成作用とがバランスし、その相互作用の結果としてランプの寿命中に亘って適正な突起部の形成、維持を図ることができる(図7(a)参照)。
なお、図6の例では、A期間の1周期における負方向電流の持続時間、B期間の1周期における正方向電流の持続期間、およびC期間の1周期における半周期は、何れも1.4[ms]であり等しい。このようにすることで、極性反転してから次に極性反転するまでの時間を2種類の時間(この例では、5.6[ms]と1.4[ms])に制限することができ、交流反転動作の周期で決まる点灯装置の電子部品からの発生音の音声周波数も2種類に制限することができる。その結果、点灯装置からの騒音を最も目立たなくさせることができる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態は、定常点灯状態において、ランプ電圧が高ければ第1の実施形態と同様の制御を行い、ランプ電圧が低ければ単一周波数の交流電流を供給する制御を行う。これ以外の点については、第1実施形態と同様なので説明を省略する。
<構成>
図8は、本発明の第2の実施形態である高圧放電ランプ装置1のブロック図を示す。
図8に示すように、第2の実施形態では、第1の実施形態の構成にシュミットトリガ回路15を加えた構成となっている。
シュミットトリガ回路15は、ランプ電圧検出部9の出力信号に応じて、ランプ電圧が第二の値以上であればHレベルを出力し、ランプ電圧が第二の値よりも低い第一の値以下であればLレベルを出力する。また、ランプ電圧が第一の値と第二の値との中間の場合、第二の値を超えてその値になったときにはHレベルを出力し、第一の値を超えてその値になったときにはLレベルを出力する。第一の値と第二の値との差は2[V]以上10[V]以下の範囲内から選択され、本実施形態では、5[V]が設定されているものとする。
マイコン11は、シュミットトリガ回路15の出力信号に基づいて、第1の実施形態と同様の制御を行うか、単一周波数の交流電流を供給する制御を行うかを決定する。
<動作>
次に、本実施形態に係る高圧放電ランプ点灯装置3の動作例について説明する。図9は、高圧放電ランプ点灯装置3における交流電流の変調制御を示すフローチャートである。
第2の実施形態では、高圧水銀ランプ4の始動動作は第1の実施形態と同様であり、また、その後の点灯開始から100[s]経過するまでのE期間の動作(S31〜S33)も第1の実施形態と同様である。
制御回路10は、点灯開始から100[s]を経過すれば、シュミットトリガ回路15の出力信号を確認する。
シュミットトリガ回路15の出力信号がLレベルであれば(S34:NO)、制御回路10は、シュミットトリガ回路15の出力信号がHレベルになるまでDC/ACインバータ6に制御信号Cを入力する(S35)。これにより制御信号Cにより特定される略矩形波の交流電流がDC/ACインバータ6から出力され、高圧水銀ランプ4に供給される。
一方、シュミットトリガ回路15の出力信号がHレベルであれば(S34:YES)、制御回路10は、シュミットトリガ回路15の出力信号がLレベルになるまでDC/ACインバータ6に制御信号A,C,B,Cの順に切り替え、かつこれを繰り返すように入力する(S36〜S43)。第2の実施形態におけるステップS36〜S43は、第1の実施形態におけるステップS14〜S21と同様である。すなわち、第1の実施形態と同様の制御により得られる交流電流が高圧水銀ランプ4に供給される。
上記動作により得られる略矩形波の交流電流の波形の一例を図10に示す。図10(a)は、ステップS36〜S43の実行により得られる波形を示し、図10(b)は、ステップS35の実行により得られる波形を示す。
ランプの点灯中に、何らかの原因により電極の突起部が伸び過ぎた場合、電極間距離が短縮するのでランプ電圧が低下する。そこで、高圧水銀ランプ4に供給する交流電流の周波数が高いほど電極の突起部を細らせる作用があることを利用し、ランプ電圧が第一の値よりも低い場合に高周波の交流電流を供給することとしている。そうすることで、電極の突起部を適正な大きさまで減退させて、適正に維持させることができる。
なお、上記の例では、ステップS35ではC期間としているが、これに代えてD期間としてもよい(図11参照)。D期間では、略矩形波の1周期の長さが1[ms]以上3[ms]以下の範囲内から選択され、1周期のデューティ比は50[%]である。なお、D期間における略矩形波の1周期の長さは、C期間における略矩形波の1周期の長さよりも短くなるように選択される。図11の例では、D期間における交流電流の1周期の長さとして2[ms]が設定されている。このように、C期間よりも高周波の交流電流を供給することにより、電極の突起部を減退させる作用を高めることができ、突起部が伸び過ぎた場合に迅速に適正な大きさまで戻すことができる。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態であるプロジェクタについて、図12および図13を参照して説明する。
図12は、第1の実施形態である高圧放電ランプ装置1が用いられたプロジェクタの一例として、フロントプロジェクタ35の概略構成を示す。フロントプロジェクタ35は、その前方に設置したスクリーン(図示せず)に向けて画像を投影するタイプのプロジェクタである。
なお、図12は、後述する筐体36の天板を取り除いた状態を示している。
フロントプロジェクタ35は、筐体36に収納された、光源であるランプユニット27、光学ユニット37、制御ユニット38、投射レンズ39、冷却ファンユニット40、および電源ユニット41等から構成されている。光学ユニット37は、入射光を変調して画像を形成する画像形成ユニット、およびランプユニット27からの照明光をその画像形成ユニットに照射する照明ユニット(いずれも図示せず)を有している。照明ユニットは、3色のカラーフィルタからなるカラーホイール等(図示せず)を有し、照明光を3原色に分解して画像形成ユニットに照射する。制御ユニット38は、画像形成ユニット等を駆動制御する。投射レンズ39は、画像形成ユニットにより変調されて形成された光学像を拡大投射する。電源ユニット41は、上記した高圧放電ランプ点灯装置3を含み、商用電源から供給される電力を、制御ユニット38やランプユニット27に適した電力に変換してそれぞれ供給する。
また、第1の実施形態である高圧放電ランプ装置1は、図13に示す投射型画像表示装置の一例であるリアプロジェクタ42の光源としても用いることができる。リアプロジェクタ42は、ランプユニット27、光学ユニット、投射レンズ、ミラーおよび高圧放電ランプ点灯装置(いずれも図示せず)等が筐体43内に収納された構成を有している。投射レンズから投射されミラーで反射された画像が、透過式スクリーン44の裏側から投影されて画像表示される。
かかる構成によれば、電極の突起部を適正に形成、維持して、ちらつきの少ないプロジェクタを実現することができる。
以上、第1〜第3の実施形態を説明したが、本発明はこれらの実施形態に限られない。例えば、以下のような変形例が考えられる。
(1)上記実施形態では、A,B期間の何れの期間においても、ひとつの期間中に含まれる各周期のデューティ比は一定である。しかしながら、本発明では、A期間に含まれる各周期のデューティ比の平均とB期間に含まれる各周期のデューティ比の平均との和が100[%]であり、かつA期間の長さとB期間の長さとが等しければ、ひとつの期間中に含まれる各周期のデューティ比が変化しても構わない。
(2)上記実施形態では、制御の切り替えを安定させるため、シュミットトリガ回路を用いているが、ヒステリシス特性をもたせることができれば、本発明はこれに限らない。例えば、マイコンにランプ電圧の推移を記憶させておき、検出されたランプ電圧が第一の値と第二の値との間にある場合に、ランプ電圧の推移を見て判断させることとしてもよい。
(3)上記第3の実施形態では、高圧放電ランプ装置として第1の実施形態の高圧放電ランプ装置1を用いた場合について説明したが、もちろん第2の実施形態の高圧放電ランプ装置1を用いた場合でも上記と同様の作用効果を得ることができる。
(4)上記各実施形態では、高圧水銀ランプとして定格電力180[W]の高圧水銀ランプ4を用いた場合について説明したが、これに限らず定格電力が例えば80[W]以上1000[W]以下の範囲内の高圧水銀ランプを用いた場合でも上記と同様の作用効果を得ることができる。その場合、定電流制御時のランプ電流の値は3[A]に限定されるものではなく、高圧水銀ランプの設計の応じて種々に決定される。また定電力制御に移行するときのランプ電圧は上記したように60[V]ではなく、その種々の定電流制御時のランプ電流と定電力の値に応じて決定される。
(5)上記各実施形態では、高圧放電ランプとして具体的に高圧水銀ランプ4を用いた場合について説明したが、これに限らず公知のシュートアーク型のメタルハライドランプ等を用いた場合でも上記と同様の作用効果を得ることができる。
(6)近時、この種の高圧放電ランプ装置1には、使用する空間の大きさ等に応じて段階的にランプ電力を切り替える調光機能が付与されているものがある。つまり、通常モードではランプ電力を定格電力(例えば180[W])に一定にして定電力制御を行うが、調光モードではランプ電力を切り替えて例えば100[W]に一定にして定電力制御を行うというものである。各実施形態にかかる高圧放電ランプ装置1がこのように調光機能を有する場合、上記した「定電力」とは通常モードに設定されているときはその通常モードの定電力を、調光モードに設定されているときはその調光モードの定電力をそれぞれ示す。
(7)上記実施形態では、A期間とB期間の1周期の長さ(7[ms])、デューティ比の平均(A期間では80[%]、B期間では20[%])、期間の長さ(70[ms])、C期間の1周期の長さ(2.8[ms])、期間の長さ(56[ms])の設定が固定されているが、本発明はこれに限られない。例えば、ランプの累積点灯時間の増加に伴う特性パラメータ(ランプ電圧やランプ電流など)の変化に応じて、これらのうちの少なくとも1つの設定を変化させることとしてもよい。高圧放電ランプにおいては累積点灯時間の増加に伴いランプ電圧等の特性パラメータが変化することが知られている。この変化に応じて適宜上記設定を変化させることにより、突起部形状の維持に貢献することができる。
本発明は、プロジェクタ等に広く利用することができる。
1 高圧放電ランプ装置
2 DC電源回路
3 高圧放電ランプ点灯装置
4 高圧水銀ランプ
5 DC/DCコンバータ
6 DC/ACインバータ
7 高電圧発生部
8 ランプ電流検出部
9 ランプ電圧検出部
10 制御回路
11 マイコン
12 PWM制御回路
13 点灯判別回路
14 タイマー
15 シュミットトリガ回路
16 発光部
17 封止部
18 放電空間
19 電極
20 電極棒
21 電極コイル
22 先端部
23 突起部
24 金属箔
25 外部リード線
26 反射鏡
27 ランプユニット
28 反射面
29 電源接続用端子
30 口金
31 電力供給線
32 ネック部
33 接着剤
34 貫通孔
35 フロントプロジェクタ
36 筐体
37 光学ユニット
38 制御ユニット
39 投射レンズ
40 冷却ファンユニット
41 電源ユニット
42 リアプロジェクタ
43 筐体
44 透過式スクリーン

Claims (18)

  1. 内部に、ハロゲン物質が封入され、かつ先端部に突起部が形成されている一対の電極が配置されている発光管を有する高圧放電ランプに対して、略矩形波の交流電流を供給して点灯させる高圧放電ランプ点灯装置であって、
    前記高圧放電ランプに供給される略矩形波の交流電流を生成する交流電流生成回路と、
    前記交流電流生成回路を制御する制御回路と、
    前記高圧放電ランプのランプ電圧を検出するランプ電圧検出部とを備え、
    前記制御回路は、
    前記交流電流において、どちらか一方の電流方向を正方向とし、交流1周期に占める正方向電流の持続時間の比率をデューティ比で表したとき、前記デューティ比が50[%]を超え100[%]未満である期間をA期間とし、前記デューティ比が0[%]を超え50[%]未満である期間をB期間とし、前記デューティ比が50[%]である期間をC期間とし、前記デューティ比が50[%]であり、かつ交流1周期が前記C期間の交流1周期よりも短く、かつその交流1周期が1[ms]以上3[ms]以下の範囲内である期間をD期間とした場合、
    前記C期間の交流1周期は、前記A期間および前記B期間のいずれの交流1周期よりも小さく、前記A期間に含まれる各周期のデューティ比の平均と前記B期間に含まれる各周期のデューティ比の平均との和は100[%]に等しく、前記A期間の長さと前記B期間の長さとが等しく設定されており、
    定常点灯状態において、
    検出された前記ランプ電圧が予め設定された第一の値よりも高い第二の値以上である場合、前記A期間、前記C期間、前記B期間、前記C期間の順に期間を遷移させ、かつ、これを繰り返す制御を行い、
    検出された前記ランプ電圧が予め設定された第一の値以下である場合、前記制御を行わずに前記D期間を維持する制御を行い、
    検出された前記ランプ電圧が前記第一の値と前記第二の値との間にあるとき、前記第二の値を通って前記ランプ電圧に低下した場合は、前記第二の値以上である場合と同じ制御を行い、前記第一の値を通って前記ランプ電圧に上昇した場合は、前記第一の値以下である場合と同じ制御を行うように、
    前記交流電流生成回路を制御すること
    を特徴とする高圧放電ランプ点灯装置。
  2. 前記A期間の交流1周期の繰り返し周期が2周期以上200周期以下の範囲内に設定され、
    前記B期間の交流1周期の繰り返し周期が2周期以上200周期以下の範囲内に設定されていること
    を特徴とする請求項1に記載の高圧放電ランプ点灯装置。
  3. 前記C期間の交流1周期は1[ms]以上4[ms]以下の範囲内にあり、
    かつ前記C期間の挿入1回当たりの繰り返し周期は5周期以上200周期以下の範囲内に設定されていること
    を特徴とする請求項1または2に記載の高圧放電ランプ点灯装置。
  4. 前記A期間と前記B期間の各々の交流1周期は一定で等しく、
    かつ各々に含まれる各周期のデューティ比は一定に設定されていること
    を特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の高圧放電ランプ点灯装置。
  5. 前記A期間の交流1周期内の負方向電流の持続時間と、前記B期間の交流1周期内の正方向電流の持続時間と、前記C期間の交流1周期の半周期とが互いに等しく設定されていること
    を特徴とする請求項4に記載の高圧放電ランプ点灯装置。
  6. 前記点灯電圧の第一の値と第二の値との差は2[V]以上10[V]以下の範囲内に設定されていること
    を特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の高圧放電ランプ点灯装置。
  7. 前記制御回路は、
    前記交流電流において、前記デューティ比が50[%]であり、かつ交流1周期が5[ms]以上20[ms]以下の範囲内である期間をE期間とした場合、
    前記高圧放電ランプの始動動作後から60[s]以上300[s]以下の範囲内から選択される所定時間までの間は、前記制御を行わずに前記E期間を維持する制御を行うこと
    を特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の高圧放電ランプ点灯装置。
  8. 前記ランプの累積点灯時間の増加に伴う特性パラメータの変化に応じて、前記A期間と前記B期間の1周期の長さ、デューティ比の平均、期間の長さ、前記C期間の1周期の長さ、期間の長さの、少なくともどれか1つの設定を変化させること
    を特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の高圧放電ランプ点灯装置。
  9. 内部に、ハロゲン物質が封入され、かつ先端部に突起部が形成されている一対の電極が配置されている発光管を有する高圧放電ランプと、
    前記高圧放電ランプを点灯させる請求項1〜8のいずれか1項に記載された高圧放電ランプ点灯装置と、を備えたことを特徴とする高圧放電ランプ装置。
  10. 請求項9に記載された高圧放電ランプ装置を備えたことを特徴とするプロジェクタ。
  11. 内部に、ハロゲン物質が封入され、かつ先端部に突起部が形成されている一対の電極が配置されている発光管を有する高圧放電ランプに対して、略矩形波の交流電流を供給して点灯させる点灯方法であって、
    前記交流電流において、どちらか一方の電流方向を正方向とし、交流1周期に占める正方向電流の持続時間の比率をデューティ比で表したとき、前記デューティ比が50[%]を超え100[%]未満である期間をA期間とし、前記デューティ比が0[%]を超え50[%]未満である期間をB期間とし、前記デューティ比が50[%]である期間をC期間とし、前記デューティ比が50[%]であり、かつ交流1周期が前記C期間の交流1周期よりも短く、かつその交流1周期が1[ms]以上3[ms]以下の範囲内である期間をD期間とした場合、
    前記C期間の交流1周期は、前記A期間および前記B期間のいずれの交流1周期よりも小さく、前記A期間に含まれる各周期のデューティ比の平均と前記B期間に含まれる各周期のデューティ比の平均との和は100[%]に等しく、前記A期間の長さと前記B期間の長さとが等しく設定されており、
    定常点灯状態において、
    前記高圧放電ランプのランプ電圧を検出し、
    検出された前記ランプ電圧が予め設定された第一の値よりも高い第二の値以上である場合、前記A期間、前記C期間、前記B期間、前記C期間の順に期間を遷移させ、かつ、これを繰り返す制御を行い、
    検出された前記ランプ電圧が予め設定された第一の値以下である場合、前記制御を行わずに前記D期間を維持する制御を行い、
    検出された前記ランプ電圧が前記第一の値と前記第二の値との間にあるとき、前記第二の値を通って前記ランプ電圧に低下した場合は、前記第二の値以上である場合と同じ制御を行い、前記第一の値を通って前記ランプ電圧に上昇した場合は、前記第一の値以下である場合と同じ制御を行うこと
    を特徴とする高圧放電ランプの点灯方法。
  12. 前記A期間の交流1周期の繰り返し周期が2周期以上200周期以下の範囲内に設定され、
    前記B期間の交流1周期の繰り返し周期が2周期以上200周期以下の範囲内に設定されていること
    を特徴とする請求項11に記載の高圧放電ランプの点灯方法。
  13. 前記C期間の交流1周期は1[ms]以上4[ms]以下の範囲内にあり、
    かつ前記C期間の挿入1回当たりの繰り返し周期は5周期以上200周期以下の範囲内に設定されていること
    を特徴とする請求項11または12に記載の高圧放電ランプの点灯方法。
  14. 前記A期間と前記B期間の各々の交流1周期は一定で等しく、
    かつ各々に含まれる各周期のデューティ比は一定に設定されていること
    を特徴とする請求項11〜13のいずれか1項に記載の高圧放電ランプの点灯方法。
  15. 前記A期間の交流1周期内の負方向電流の持続時間と、前記B期間の交流1周期内の正方向電流の持続時間と、前記C期間の交流1周期の半周期とが互いに等しく設定されていること
    を特徴とする請求項14に記載の高圧放電ランプの点灯方法。
  16. 前記点灯電圧の第一の値と第二の値との差は2[V]以上10[V]以下の範囲内に設定されていること
    を特徴とする請求項11〜15のいずれか1項に記載の高圧放電ランプの点灯方法。
  17. 前記交流電流において、前記デューティ比が50[%]であり、かつ交流1周期が5[ms]以上20[ms]以下の範囲内である期間をE期間とした場合、
    前記高圧放電ランプの始動動作後から60[s]以上300[s]以下の範囲内から選択される所定時間までの間は、前記制御を行わずに前記E期間を維持する制御を行うこと
    を特徴とする請求項11〜16のいずれか1項に記載の高圧放電ランプの点灯方法。
  18. 前記ランプの累積点灯時間の増加に伴う特性パラメータの変化に応じて、前記A期間と前記B期間の1周期の長さ、デューティ比の平均、期間の長さ、前記C期間の1周期の長さ、期間の長さの、少なくともどれか1つの設定を変化させること
    を特徴とする請求項11〜17のいずれか1項に記載の高圧放電ランプの点灯方法。
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