JP2013174602A - 累積型化学・物理現象検出装置及びその制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】累積型化学・物理現象検出装置の感度を向上させる。
【解決手段】累積型化学・物理現象検出装置のセンシング部に連続して除去井戸50を設け、センシング部の電荷をフローティングディフュージョン部へ移送する前に、センシング部と電荷注入調節部2との間に形成されるポテンシャルのこぶ51,52により該センシング部に残存する電荷をセンシング部から除去井戸へ逃がし、検出対象である化学・物理現象と無関係にセンシング部に蓄積される電荷を除去することにより感度を向上させる。
【選択図】図10

Description

本発明は累積型化学・物理現象検出装置及びその制御方法の改良に関する。
累積型化学・物理現象検出装置として特許文献1及び特許文献2等に記載のものが知られている。
例えばイオン濃度を測定するためにこの累積型化学・物理現象検出装置を利用する例を図1に示す。
シリコン基板10にはn型ドープ領域11、13とp型ドープ領域15が形成されている。p型ドープ領域15にはゲート絶縁膜としてシリコン酸化膜19が積層されている。このシリコン酸化膜19の上に2つのゲート電極22及び24が設けられている。図中の符号23はシリコン窒化膜である。シリコン窒化膜23の上に液槽31が設けられ、その中にイオン濃度(pH)の測定対象となる水溶液32が充填される。符号26は参照電極であり、一定の電位に保たれている。
基板のn領域11、ゲート電極22、ゲート電極24及びn領域13はそれぞれ、端子ID、ICG、TG及びFDに接続され、所定の電位が所定のタイミングで印加される。その結果、基板のn領域11が電荷供給部1となり、ゲート電極22に対応する部分が電荷注入調節部2となり、シリコン窒化膜23に対応する部分がセンシング部3となり、ゲート電極24に対応する部分が障壁部4となり、n型領域13がフローティングディフュージョン部5となる。
このように構成された従来例の累積型化学・物理現象検出装置の理論上の動作を図2に示す。
スタンバイ状態S1においてフローティングディフュージョン部5には電荷が蓄積されている。この電荷は前回までの単位検出動作により蓄積されたものである。このとき、溶液32のイオン濃度に対応してセンシング部3のポテンシャルが変化している。
次に、電荷供給部1に印加する電位を下げることによってセンシング部3へ電荷をチャージする(ステップ3)。その後、電荷供給部1の電位を上げることによって、電荷注入調節部2によりすり切られた電荷がセンシング部3に残される(ステップ5)。そして、ステップ7においてこの残された電荷をフローティングディフュージョン部5へ蓄積する。
ステップ1〜ステップ7で示される単位検出動作を繰返すことによりフローティングディフュージョン部5に電荷が累積される。これにより、図3に示すように、検出の感度が高くなる。
特開平10−332423号公報 特開2002−98667号公報
本発明者らの検討によれば、図1に示した装置を用いて単位検出動作を繰返しても、図3に示すように、感度を増大させることが困難であった。
実際のセンサ出力特性は図4Aに示すものであった。なお、図4Bは理論上のセンサ出力特性を示す。当該図4Aのように出力曲線の屈曲点があいまいになると、正確な測定が不可能になる。即ち充分な感度を得られなくなる。
本発明者らは当該感度低下の原因を突き止めるべく鋭意検討を重ねてきた結果、検出対象である化学・物理現象と無関係にセンシング部へ微量の電荷が蓄積されることが当該感度低下の原因になることが判明した。
センシング部に電荷が残留する原因の1つとして、図5に示すように、電荷注入調節部2とセンシング部3との間に形成される小さなポテンシャルのこぶ(バリア)40がある。このこぶ40が存在することにより、ステップ5において本来蓄積されるべきではない電荷がセンシング部3に残存し、これからフローティングディフュージョン部5へと移送される(図6参照)。
第2の原因として、センシング部3の界面準位に電荷がとらわれることがある。当該残留電荷もフローティングディフュージョン部へ移送されて感度低下の原因となる(図7参照)。
かかる感度の低下を防止する対策が特願2005―69501号において提案されている(詳細は後述する)。
その結果、センサの出力特性は図4Bに示す理想形となった。実施例としてのpHセンサの出力特性が図18に示されている。
かかる出力特性を有するpHセンサの出力に基づき検出対象溶液のpHは次のようにして求められる。
先ず、所定のpHの溶液(例えばpH=7の標準溶液)を液層31に充填して、参照電圧Vrefを掃引し、図8の関係を得る。なお、センシング部からフローティングディフュージョン部への電荷の累積度数は1である。
図8において得られたグラフにおいてその傾きの中央部分の参照電圧Vref1を特定する。傾きの中央部分の参照電圧を採用する理由は当該参照電圧Vref1を採用することにより、pH=7を中心としてその前後のpHの値を幅広く測定できるからである。測定対象によってpH=7以下があり得ない場合は、傾斜部分の低い側に参照電圧Vrefを設定可能である。
次に、参照電圧の電圧を上記で特定されたVref1に固定して、異なる標準溶液の測定を行なう。図9の例では、3種類の標準溶液(左から、pH=4,7,9である)の出力を求める。図9の結果から、pHと出力信号との関係が下記の一次関数
G(V)=F(x)=ax+b
で表されることがわかる。
ここで、Vは出力信号(電圧)であり、この場合はリセット電圧と出力電圧との差分値G(V)を用いている。換言すれば、当該差分値は出力信号の関数G(V)で表される。
かかる一次関数は、pHセンサの検量線を構成する。
このようにして得られた図9の検量線はセンシング部からフローティングディフュージョン部への電荷の累積度数が1の場合である。
ここで、図18の関係を検証すると、累積度数が4以上となると、傾きが大きくなりすぎて、図9の検量線を実測により求めることができない。例えば、pH=7の標準溶液について図8の関係からVref1を定めたとしても、pH=4及びpH=9の標準溶液はその測定範囲を超えているので、図9の検量線を得ることができない。
仮に、pHが僅かに異なる溶液に基づき検量線が得られたとしても、累積度数ごとに検量線を求める作業が要求され、煩雑なものとなる。
そこでこの発明は、上記タイプの検出装置において容易に検量線を得る方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討を重ねたところ、図9に示した実測により得ることのできる検量線(標準関係)の右辺を累積度数(n)に対応してn倍することにより、当該累積度数(n)に対応する検量線を得ることができた。
このように簡単な演算を実行することにより実測により得ることのできない検量線が得られるのは、ポテンシャルのこぶに起因してセンシング部に残存する電荷が確実に除去されるからである。
即ち、この発明の累積型化学・物理現象検出方法は次のように規定される。即ち、
化学・物理現象に対応してポテンシャルが変化するセンシング部と、
前記センシング部へ電荷を供給する電荷供給部と、
前記センシング部と前記電荷供給部との間に存在する電荷注入調節部と、
前記センシング部から移送された電荷を蓄積するフローティングディフュージョン部とを備え、
前記電荷供給部の電位を下げて前記センシング部へ電荷を供給する状態から前記電荷供給部の電位を上げることによって前記センシング部の電荷がすり切られるセンサであって、
前記電荷注入調節部と前記センシングとの間に形成されるポテンシャルのこぶにより前記該センシング部に残存する電荷を前記センシング部に連続して形成される除去井戸へ逃がすため、前記電荷供給部とセンシング部との間に前記電荷注入調節部に対応する第1の電荷制御電極と前記除去井戸のポテンシャルを制御する第2の電荷制御電極が設けられて、前記第1の電荷制御電極と前記第2の電荷制御電極とが独立して制御されるセンサを用い、
前記フローティングディフュージョン部に蓄積された電荷に基づく出力信号から化学・物理量を特定する累積型化学・物理現象検出方法であって、
前記センシング部の参照電圧を第1の参照電圧Vref1としたとき、
(a) 標準化学量若しくは標準物理量と前記出力信号との関係を示す標準関係(式(1))を予め保存し、
G(v)=mF(x) 式(1)
但し、vは前記出力信号でありG(v)はその関数、mはフローティングディフュージョン部への累積度数、xは標準化学量若しくは標準物理量を示す、
(b) 前記センシング部と電荷注入調節部との間に形成されるポテンシャルのこぶにより該センシング部に残存する電荷を該センシング部から除去するステップと、
(c) 前記センシング部から前記フローティングディフュージョン部への電荷の累積が任意の累積度数nのときに、式(2)で示される検量関係を生成するステップ、
G(V)=n/m × F(X) 式(2)
但し、Vは前記センシング部から前記フローティングディフュージョン部へn回の累積を行なったときに得られる出力信号でありG(V)はその関数、Xは検出対象の化学量若しくは物理量である、
(d) 前記出力信号Vを前記式(2)に照らして、前記検出対象の化学量若しくは物理量Xを特定するステップ、
を含むことを特徴とする累積型化学・物理現象検出方法。
このように規定された累積型化学・物理現象検出方法によれば、先ず式(1)の標準関係を実測により求める。このときの累積度数mは、標準化学量若しくは標準物理量に対して実測できる値とする。既述のpH測定においては、m=1若しくは2となる。
式(2)で示される検量関係は、実測に基づく式(1)の右辺を累積度数に応じて倍数したものである。従って、標準関係の式(1)が得られれば、各累積度数に応じた検量関係を簡単な演算により得ることができる。例えば、標準溶液を実測することにより累積度数1のときの検量線(標準検量線)を得、当該検量線の関係v=1×F(X)の右辺をn倍し(n=累積度数)、V=n(1×F(X))なる検量線の関係を得る。
標準関係に基づき、このように簡単な演算により累積度数の異なる場合の検量線が求められるのは、センシング部と電荷注入調節部との間に形成されるポテンシャルのこぶにより該センシング部に残存する電荷を該センシング部より除去することができるからである。
他方、上記コブによりセンシング部に残存する電荷を除去できないときは、図4Aに示すように、当該残存電荷がノイズとなっているので、図9に示す一次関数を作成できないか、もしくは作成できたとしてもその信頼性に問題がのこる。更には、累積度数が大きくなるにつれ、ノイズも累積されることとなる。
換言すれば、センシング部と電荷注入調節部との間に形成されるポテンシャルのこぶにより該センシング部に残存する電荷を該センシング部より除去することにより、実測により得ることのできない累積度数の大きい(即ち、感度の高い)ときの検量線を、実測することのできる累積度数の小さなときの検量線(標準検量線)に基づき、簡単な演算で求めることができる。
以下、センシング部と電荷注入調節部との間に形成されるポテンシャルのこぶにより該センシング部に残存する電荷を該センシング部より除去する手段について詳述する。
除去手段として、センシング部に連続する除去井戸を設け、この除去井戸に残存する電荷を一次的に避難させることができる。除去井戸は電極(第2の電荷制御電極)を配置するという簡易な構成により設けることができるので、装置が複雑化することを防止することができる。よって、安価な装置の提供が可能となる。
この除去井戸50を形成した例を図10に示す。図10において、電荷供給部1とセンシング部3との間に電荷注入調節部2と除去井戸50とが形成される。電荷注入調節部2のポテンシャルは第1の電荷制御電極ICG1で制御され、除去井戸50のポテンシャルは第2の電荷制御電極ICG2で制御される。第1の電荷制御電極ICG1と第2の電荷制御電極ICG2とはシリコン窒化膜23で絶縁されるため、両者は独立して制御される。
本発明者らの検討によれば、除去井戸50の底部の電位が一定であると、新たなこぶ51が形成されて、このこぶ51により電荷のすり切りが不十分となってセンシング部に電荷が残留することとなる(図10(B)参照)。
そこで、除去井戸のポテンシャル井戸の深さを変化させる。より具体的には、図11に示すように、除去井戸50のポテンシャルを下げて井戸を深くすることによりセンシング部3の電荷を除去井戸50の中へ吸い込む。このとき、センシング部3に存在したこぶ52は、除去井戸50を形成する電界によりフリンジングフィールド(縁電界)が形成され消滅する。そのため、センシング部3に存在する電荷を吸い込むことができる。
この例では、1つの除去井戸の電位に変化を与えることにより除去井戸のポテンシャル井戸の深さに変化を与えたが、新たな除去井戸を形成することによってもセンシング部の残留電荷を吸い込むことができる。
このように除去井戸に吸い込まれた電荷は、除去井戸から除去することが好ましい。この例では、電荷注入調節部の電位を除去井戸より高くし、除去井戸の電荷を電荷供給部へ流し込んでいる。
電荷がセンシング部3に対応するシリコン基板とシリコン酸化膜との間にある界面準位にトラップされて除去井戸又はフローティングディフュージョン部へ完全に吸い込まれるまでに長い時間がかかる場合がある。この課題を解決するため、センシング部において電荷の存在する位置を基板表面から離すことが好ましい。より具体的には、センシング部を構成するp型領域の表面にn型不純物をドープすることにより、電荷の存在位置を基板表面からその内部へ移行させることができる(図12参照)。
これにより、センシング部3の電荷がその界面準位にトラップされることを防止できる。
図1は従来例の累積型化学・物理現象検出装置の構成を示す断面図である。 図2は累積型化学・物理現象検出装置の理論上の動作を示す。 図3は累積型化学・物理現象検出装置の理論上の出力特性を示す。 図4(A)は従来例の累積型化学・物理現象検出装置の出力特性を示し、図4(B)は理論上の出力特性を示す。 図5は従来例の累積型化学・物理現象検出装置の偽信号発生メカニズムを説明する図である。 図6はセンシング部に電荷が残存する従来例の累積型化学・物理現象検出装置の動作を示す。 図7はセンシング部の基板表面にトラップされる電荷の影響を説明する図である。 図8は参照電圧Vref1の特定方法を説明するための図である。 図9は参照電圧をVref1に固定したときのpH値と出力電圧との関係(標準検量線)を示す。 図10はこの発明の累積型化学・物理現象検出装置の構成を模式的に示す。 図11はこの発明の累積型化学・物理現象検出装置の除去井戸の動作を示す模式図である。 図12はこの発明の累積型化学・物理現象検出装置におけるセンシング部の基板表面の状態を説明する模式図である。 図13はこの発明の実施例の累積型化学・物理現象検出装置を示す模式図である。 図14は実施例の累積型化学・物理現象検出装置の動作を示す。 図15は実施例の累積型化学・物理現象検出装置の他の動作例を示す。 図16(A)は実施例の累積型化学・物理現象検出装置を構成する各要素のレイアウトを示し、図16(B)は同平面図である。 図17は実施例の累積型化学・物理現象検出装置の出力特性を示す。 図18は実施例の累積型化学・物理現象検出装置の累積出力特性を示す。 図19は従来例の累積型化学・物理現象検出装置の累積出力特性を示す。 図20は標準検量線と実測に用いる検量線との関係を示す。 図21は実施例の累積型化学・物理現象検出装置において累積度数が1及び2のときの掃引された参照電圧と出力電圧との関係を示す。 図22は実施例の累積型化学・物理現象検出装置をアレイ化したセンサチップを示す平面図である。 図23は実施例のpH測定システムの構成を示す。 図24は標準検量線を得る方法を示すフローチャートである。 図25はpH値を求める方法を示すフローチャートである。 図26はディスプレイの表示例を示す。 図27は実施例の累積型化学・物理現象検出装置を集積した他のセンサチップの例を示す。 図28は他の実施例の累積型化学・物理現象検出装置の構成を示す。 図29は他の実施例の累積型化学・物理現象検出装置の構成を示す。
1 電荷供給部
2 電荷注入制御部
3 センシング部
4 障壁部
5 フローティングディフュージョン部
10 基板
11、13 n領域
15 p領域
19 シリコン酸化膜
22、24、62 電極
23 シリコン窒化膜
26 参照電極
32 水溶液
40、51、52 ポテンシャルのこぶ
50 除去井戸
60 センサ
100 センサチップ
101、301,401 検出装置
110 演算部
120 pH演算部
130 検量線作成部
140 標準検量線作成部
200 ディスプレイ
次にこの発明の実施例を説明する。
実施例のセンサ60を図13に示す。なお、図13において図1と同一の動作を行う要素には同一の符号を付してその説明を省略する。
実施例のセンサ60では、電荷供給部1とセンシング部3との間にゲート電極(第1の電荷制御電極)22、除去電極(第2の電荷制御電極)62が設けられている。除去電極62は除去井戸50のポテンシャルを制御するものである。また、p型領域15の表面がシリコンによりn型化されている。これにより、センシング部3の表面準位に電荷がトラップされることが防止される。
次に、この実施例のセンサ60の動作を説明する(図14参照)。
ステップ1はスタンバイ状態を示している。このスタンバイ状態において、図10で説明したように、センシング部には電荷が残存している。
ステップ3では電荷供給部1の電位を下げてセンシング部3へ電荷をチャージする。その後、電荷供給部1の電位を上げることによって、電荷注入調節部2によりすり切られた電荷がセンシング部3に残される(ステップ5)。このとき、センシング部3に信号が溜まらない状態のときにも、図10で説明したように、信号が残存している。
その後、除去井戸50の電位を上げて除去井戸50を深くすることにより、センシング部3の当該残存電荷を除去井戸50内へ吸い込む。また、センシング部3に対応する基板表面がn型にドープされているため当該表面において電荷がトラップされることがない。よって、短時間においてセンシング部3から電荷を除去することができる。
センシング部3に信号が溜まるときにおいても、除去井戸50に吸い込まれることとなるが、その量は常に同じであるため、出力には影響を及ぼさない。
なお、この実施例では、スタンバイ状態において除去電極62の電位を高くして除去井戸50のポテンシャルをセンシング部3の電位より深くしているが、これをセンシング部3と同じポテンシャルとし、ステップ6においてその部分のポテンシャルを深くするようにしてもよい。
ステップ7では、障壁部4の電位を上げてセンシング部3の電荷をフローティングディフュージョン部5へ移送する。このとき、センシング部3にはポテンシャルのこぶに起因する電荷が残存していないので、当該残存電荷がフローティングディフュージョン部5に蓄積されることがなくなる。また、センシング部3の基板表面がn型にドープされているためそこに電荷がトラップされないので、信号が溜まるときにおいても、センシング部3に溜められた電荷の全部を短時間でかつ完全にフローティングディフュージョン部5へ移送できる。
ステップ9では、除去井戸50のポテンシャルをスタンバイ状態に戻す。
なお、ステップ9を実行する前に、除去井戸50内に蓄積された電荷をディスチャージすることが好ましい。そのため、例えば図15のステップ8に示すように、電荷注入調節部2のポテンシャルを高くして除去井戸50内の電荷を電荷供給部1へ戻すことが好ましい。
実施例のセンサのレイアウト図を図16Aに示す。図16Bはその顕微鏡写真図である。
センシング部3の面積は10000μm、フローティングディフュージョン部5の面積は1500μmとした。また、ポテンシャルのこぶの原因となるシリコン窒化膜23の膜厚は0.1μmである。
かかるセンサの性能をpH標準液32で検定した。一度の単位検出動作を行ったときの結果を図17に示す。従来例のセンサ(除去井戸を持たないタイプ、図1参照)では参照電極26とゲート電極22との電位差がゼロ(信号が溜まらない状態)においても信号が出ている。他方、この実施例のセンサ60では理想的な特性を示している。
この実施例のセンサ60において各累積度数における出力電圧の変化を図18に示す。他方従来例のセンサにおいて同様に単位検出動作を繰返したときの出力変化を図19に示す。図18と図19との結果は、標準溶液(pH=7)を液槽に充填しておいて、参照電圧Vrefを掃引したときの出力電圧の変化を示している。
図18において累積度数が1回のデータに基づき、図9の検量線を作成したところ、下記の関係式(標準検量線)が得られた。このとき、標準電圧Vref1は2.4Vとしている。
出力電圧とリセット電圧の差G(V)=−0.229x−2.900
また、累積度数(n)に対応して当該式の右辺をn倍したものを検量線として資料のpHを測定した結果を以下に示す(図20参照)。

注) 市販のpHセンサには、(株)堀場製作所製の製品名O−52を用いた。
上記表1の結果より、この発明で提案する検量線を用いることにより、pHの測定が確実におこなわれることがわかる。
以上、参照電圧をVref1に固定したときの例を説明してきたが、当該参照電圧Vref1で測定可能なpHの範囲限定されている。そこで測定範囲を拡大するため、第2の参照電圧Vref2についても同様に検量線を求めておいて、測定対象のpHに応じて参照電圧を選択できるようにすることが好ましい。
ここに、第2の参照電圧Vref2は次のようにして定めることができる。
pH=7の標準溶液に対して累積度数nを2回として参照電圧を掃引して図21の関係を得る。そして実線の傾きにおいて中央部分の参照電圧Vref2を特定する。
このVref2を固定して複数の標準溶液を測定し、図20と同様な検量線を得る。
他の方法として、ゲート電圧ICGを制御することにより、累積度数1のときの点線のグラフを図21において左右にシフトさせることにより、Vref2を求めることもできる。具体的には、点線のグラフを得たときのゲート電圧(ICG1)を下げることにより、点線のグラフは左方へシフトする。従って、ゲート電圧を制御してVref2が点線の傾き部分の中央に位置するようにする。そのときのゲート電圧をICG2とする。
その後の処理(pHの求め方)は図8、図9において説明したとおりである。即ち、参照電圧Vref1で測定を実行するときゲート電圧はICG1とし、参照電圧Vref2で測定を実行するときのゲート電圧はICG2とする。
図22は図13に示すpH検出装置を縦10個、横10個並べてなるセンサチップ100を示す。
このセンサチップにおいて各pH検出装置はその液槽31と参照電極26とを表出させている。これにより、センサチップ100を検出対象水溶液へ接触させたとき、検出対象水溶液のpH変化を二次元的に検出することが可能となる。
この実施例では、各pH検出装置に参照電極26を設けたが、当該参照電極を1つに集約してこれを共用することもできる。
図23は当該センサチップ100を用いたpH検出装置101の構成を示す。
このシステム101は、センサチップ100、演算部110、感度入力部150及びディスプレイ200を備えてなる。
演算部110はpH演算部120、検量線作成部130及び標準検量線作成部140を備えてなる。検量線作成部130は検量線演算部131、累積度数設定部132及び標準検量線保存部133を備えている。また、標準検量線作成部140は各センサ60の参照電圧Vref(n)を求めるVref(n)作成部141、参照電圧Vref(n)の平均値を演算してVref1を作成するVref1作成部142、標準検量線演算部143を備えている。符号144は参照電圧Vrefの掃引を行なうVref掃引部である。
かかる演算部部110は汎用的なコンピュータシステムを用いて構成することができる。
ディスプレイ200は10×10のピクセル260を有し、各ピクセル260はセンサチップ100のセンサ60に対応している。
次に、このpH測定システム101の動作について説明する。
まず、センサチップ100を構成する100個のセンサ60の各々について標準検量線作成部140を動作させて標準検量線を準備する必要がある(図24参照)。
先ずは、Vref(n)作成部141により、センサチップ100をpH=7の標準溶液へ浸して、参照電圧を掃引し、センサ60ごとに図8に示す特性を保存する(ステップ1)。そして、センサ60ごとに得られた図8に示す特性の傾き中央の参照電圧Vref(n)を特定する(ステップ3)。
ステップ5ではVref1作成部142を動作させて、この参照電圧Vref(n)の平均値を演算してこれを参照電圧Vref1とする(図8、図9参照)。このように平均化処理をするのは、センサチップ100では各センサ60が1つの参照電極を共用しているからである。換言すれば、センサ60ごとに参照電極の電圧を独立して制御可能であれば、当該平均化処理は不要となる。
ステップ7では、参照電圧をVref1として、センサチップ100を複数種類の標準溶液に浸す。この例では、図9に準じて、3種類(pH=4,7,9)の標準溶液へセンサチップ100を浸す。そして、標準検量線演算部143により、図9の関係、即ち標準検量線を得る。
得られた標準検量線はセンサ60ごとに標準検量線保存部133に保存される。
以上により、このpH測定システム101のセットアップが完了する。
pH測定システム101の測定動作は図25のフローチャートに示される。
ステップ11では、入力部150より所望の感度を入力する。当該感度を達成するのに必要な累積度数が累積度数設定部132により設定される。
ステップ13では、標準検量線保存部133に保存されている標準検量線(G(V)=ax+b)と累積度数設定部132により設定された累積度数nより、pH測定システム101で測定を行なう際に用いる検量線(G(V)=n(ax+b))を演算する。この演算は検量線演算部131により行なわれる。
ステップ15において、pH演算部120は、センサチップ101のセンサ60ごとに得られた出力電圧をステップ13で得られた検量線に代入し、x(即ちpHの値)を求める。
ステップ17では、センサ60ごとに求められたpH値をセンサ置60に対応したディスプレイ200の各ピクセルに表示する。pH値の表示の形態は任意に選択できるものであるが、この実施例ではpH値を色に対応させている。その他、pH値を輝度に対応させることもできる。
図26にディスプレイの表示例を示す。図26(a)は当初の酸性溶液を示し、この溶液へアルカリ溶液を添加した後の溶液全体のpH変化を図26(b)及び図26(c)に示す。
また、図27には実施例のセンサを縦32個、横32個並べ、かつ縦方向及び横方向にそれぞれシフトレジスタを付加したセンサアレイを示す。
図28は他の実施例の検出装置301を示す。なお、図23の実施例と同一の要素には同一の符号を付してその説明を省略する。
この検出装置301では、センサチップ100とその基板303との間にペルチェ素子305が配設されている。このペルチェ素子305は温度制御部320の制御を受けて常にその温度が一定に保たれている。その結果、センサチップ100の温度も一定に保たれる。その結果、温度変化によるセンサ出力のドリフトを防止できる。センサチップ100の出力が安定する。
図中の符号310は蓋体であり、センサチップ100を気密に覆いこれを外界から遮断隔離する。これにより、外界の温度変化を受けがたくなるとともに、センサチップ100回りの湿度を一定に保つことができる。よってセンサチップ100の出力がより安定することとなる。
図29は他の実施例の検出装置401を示す。なお、図23の実施例と同一の要素には同一の符号を付してその説明を省略する。
この実施例の検出装置401にはセンサチップ100の出力を補正する補正装置410が備えられている。
この補正装置410は、センサチップ100と同一構成の第2のセンサチップ411を備える。符号413はこの第2のセンサチップ411を標準溶液へ浸漬したときの初期値出力(標準値)を保存する標準値メモリである。第1のセンサチップ100の検量線を得るときに第1のセンサチップ100を浸漬した標準溶液と同一の標準溶液へ同時にこの第2のセンサチップ411を浸漬してその出力を標準値とすることが好ましい。
第2のセンサチップ411は常に標準溶液420へ浸漬されており、その現在の出力が比較部415において標準値と比較される。温度による変化はもとより、チップ自信の経時変化により、第2のセンサチップ411の出力がドリフトすると、同じ標準溶液に浸漬されていてもその出力が標準値と異なるものとなる。比較部415では第2のセンサチップの出力と標準値との差を演算し、補正部417へ送る。補正部417は第1のセンサチップ411の出力へ当該差を加算する。これは、第1のセンサチップ100も第2のセンサチップ411と同様にその出力がドリフトしているものと考えられるので、当該ドリフト分を相殺しようとするものである。
この実施例では、第2のセンサチップ411の出力と標準値との差をそのまま第1のセンサチップ100の出力へ加算しているが、この差へ所定の係数をかけたり、差の移動平均を演算し、その結果を第1のセンサチップの出力へ反映させてもよい。
なお、第1のセンサチップ100と第2のセンサチップ411とは同一の基板に近接して配設されることが好ましい。両者の温度条件をできるだけ同じにするためである。
実施例の検出装置において、L−グルタミン酸オキシダーゼをシリコン窒化膜の代りに使用し若しくはシリコン窒化膜の上に積層することにより、L−グルタミン酸を検出する化学現象検出装置とすることができる。また、シリコン窒化膜のうえにDNAや抗原を固定化させることにより、DNAの抗原や抗体の検出が可能である。シリコン窒化膜上に金膜及び/又はSAM膜(自己形成単分子膜)を積層することも可能である。
また、シリコン窒化膜の位置に、温度センサ、圧力センサ若しくは磁気センサの出力を接続すれば、温度、圧力若しくは磁気の測定が可能な物理現象検出装置となる。
この発明は上記発明の実施の態様及び実施例の説明に何ら限定されるものではない。特許請求の範囲を逸脱せず、当業者が容易に想到できる範囲で種々の変形態様もこの発明に含まれる。
以下、次の事項を開示する。
(1) 化学・物理現象に対応してポテンシャルが変化するセンシング部と、
前記センシング部へ電荷を供給する電荷供給部と、
前記センシング部と前記電荷供給部との間に存在する電荷注入調節部と、
前記センシング部から移送された電荷を蓄積するフローティングディフュージョン部とを備え、
前記電荷供給部の電位を下げて前記センシング部へ電荷を供給する状態から前記電荷供給部の電位を上げることによって前記センシング部の電荷がすり切られるセンサであって、
前記電荷注入調節部と前記センシングとの間に形成されるポテンシャルのこぶにより前記該センシング部に残存する電荷を前記センシング部に連続して形成される除去井戸へ逃がすため、前記電荷供給部とセンシング部との間に前記電荷注入調節部に対応する第1の電荷制御電極と前記除去井戸のポテンシャルを制御する第2の電荷制御電極が設けられて、前記第1の電荷制御電極と前記第2の電荷制御電極とが独立して制御されるセンサを用い、
前記フローティングディフュージョン部に蓄積された電荷に基づく出力信号から化学・物理量を特定する累積型化学・物理現象検出方法であって、
前記センシング部の参照電圧を第1の参照電圧Vref1としたとき、
(a) 標準化学量若しくは標準物理量と前記出力信号との関係を示す標準関係(式(1))を予め保存し、
G(v)=mF(x) 式(1)
但し、vは前記出力信号でありG(v)はその関数、mはフローティングディフュージョン部への累積度数、xは標準化学量若しくは標準物理量を示す、
(b) 前記センシング部と電荷注入調節部との間に形成されるポテンシャルのこぶにより該センシング部に残存する電荷を該センシング部から除去するステップと、
(c) 前記センシング部から前記フローティングディフュージョン部への電荷の累積が任意の累積度数nのときに、式(2)で示される検量関係を生成するステップ、
G(V)=n/m × F(X) 式(2)
但し、Vは前記センシング部から前記フローティングディフュージョン部へn回の累積を行なったときに得られる出力信号でありG(V)はその関数、Xは検出対象の化学量若しくは物理量である、
(d) 前記出力信号Vを前記式(2)に照らして、前記検出対象の化学量若しくは物理量Xを特定するステップ、
を含むことを特徴とする累積型化学・物理現象検出方法。
(2) 前記化学・物理量はイオン濃度である、ことを特徴とする(1)に記載の方法。
(3) 前記化学・物理量はpHであり、前記式(1)は下記式で表され、
G(v)=m(a(x)+b) (1’)
但し、mは1又は2
前記式(2)は下記式で表される、
G(V)=n/m (a(x)+b) (2’)
ことを特徴とする(1)に記載の方法。
(4) 前記ステップ(b)において前記センシング部に連続する除去井戸へ前記センシング部に残存する電荷を逃がす、ことを特徴とする請(1)〜(3)のいずれかに記載の方法。
(5) 参照電圧を第2の参照電圧Vref2として前記(a)〜(c)のステップを実行して第2の検量関係を生成し、
前記ステップ(d)においては、選択された参照電圧に対応した検量関係に照らして、前記検出対象の化学量若しくは物理量を特定する、ことを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の方法。
(6) 前記第1の参照電圧Vref1で検出を行なう際の前記第1の電荷制御電極の電圧を第1の電圧ICG1とし、前記第2の参照電圧Vref2で検出を行なう際の前記第1の電荷制御電極の電圧を第2の電圧ICG2とする、ことを特徴とする(5)に記載の方法。
(7) 化学・物理現象に対応してポテンシャルが変化するセンシング部と、
前記センシング部へ電荷を供給する電荷供給部と、
前記センシング部と前記電荷供給部との間に存在する電荷注入調節部と、
前記センシング部から移送された電荷を蓄積するフローティングディフュージョン部とを備え、
前記電荷供給部の電位を下げて前記センシング部へ電荷を供給する状態から前記電荷供給部の電位を上げることによって前記センシング部の電荷がすり切られ、
前記電荷注入調節部と前記センシングとの間に形成されるポテンシャルのこぶにより前記該センシング部に残存する電荷を前記センシング部に連続して形成される除去井戸へ逃がすため、前記電荷供給部とセンシング部との間に前記電荷注入調節部に対応する第1の電荷制御電極と前記除去井戸のポテンシャルを制御する第2の電荷制御電極が設けられて、前記第1の電荷制御電極と前記第2の電荷制御電極とが独立して制御され、前記フローティングディフュージョン部に蓄積された電荷に基づく出力信号を出力する第1のセンサと、
下記(a)〜(c)の要素を備えてなる演算部と、を備えてなる累積型化学・物理現象検出装置、
(a) 前記センシング部の参照電圧を第1の参照電圧Vref1としたとき、標準化学量若しくは標準物理量と前記出力信号との関係を示す標準関係(式(1))を予め保存する手段、
G(v)=mF(x) 式(1)
但し、vは前記出力信号でありG(v)はその関数、mはフローティングディフュージョン部への累積度数、xは標準化学量若しくは標準物理量を示す、
(b) 前記センシング部から前記フローティングディフュージョン部へ電荷の累積が任意の累積度数nのときに、式(2)で示される検量関係を生成する手段、
G(V)=n/m × F(X) 式(2)
但し、Vは前記センシング部から前記フローティングディフュージョン部へn回の累積を行なったときに得られる出力信号でありG(V)はその関数、Xは検出対象の化学量若しくは物理量である、
(c) 前記出力信号Vを前記式(2)に照らして、前記検出対象の化学量若しくは物理量Xを特定する手段。
(8) 前記化学・物理量はイオン濃度である、ことを特徴とする(7)に記載の装置。
(9) 前記化学・物理量はpHであり、前記式(1)は下記式で表され、
G(v)=m(a(x)+b) (1’)
但し、mは1又は2
前記式(2)は下記式で表される、
G(V)=n/m (a(x)+b) (2’)
ことを特徴とする請求項7に記載の装置。
(10) 少なくとも前記センシング部の温度を一定に保つ手段及び/又は該センシング部の湿度を一定に保つ手段が更に備えられている、ことを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載の装置。
(11) 前記第1のセンサと同一構成である第2のセンサを更に備え、
該第2のセンサのセンシング部を常に標準化学量若しくは標準物理量下の環境において、その初期の出力信号と現在の出力信号との差を演算する演算手段と、
前記差に基づき前記第1のセンサの出力信号を補正する補正手段と、
を備えてなる請求項7〜9の何れかに記載の累積型化学・物理現象検出装置。
(15) 前記除去井戸のポテンシャル井戸の深さが変化する、ことを特徴とする(4)に記載の方法。
(16) 前記除去井戸は電荷供給部から前記センシング部へ電荷を供給するときに第1のポテンシャル井戸の深さ有し、前記センシング領域からフローティングディフュージョン部へ電荷を転送する前に第2のポテンシャル井戸の深さを有し、該第2のポテンシャル井戸の深さは前記第1のポテンシャル井戸の深さより深い、ことを特徴とする(15)5に記載の方法。
(17) 前記除去井戸に蓄積された電荷を前記電荷供給部へ戻す手段が更に備えられている、ことを特徴とする(4)〜(6)の何れかに記載の方法。
(18) 前記センシング部において電荷の存在する位置が基板表面から離されている、ことを特徴とする(1)〜(7)の何れかに記載の方法。
(19) 前記基板は少なくとも前記センシング部に対応する領域が第1の導電型の不純物でドープされるとともに、その表面において前記第1の導電型と異なる第2の導電型の不純物がドープされて前記電荷の存在する位置が前記基板内部にある、ことを特徴とする(8)に記載の方法。

Claims (6)

  1. 化学/物理現象に対応してポテンシャルが変化するセンシング部と、
    前記センシング部へ電荷を供給する電荷供給部と、
    前記センシング部と前記電荷供給部との間に存在する電荷注入調節部と、
    前記センシング部から移送された電荷を蓄積するフローティングディフュージョン部と、を備え、
    前記電荷供給部の電位を下げて前記センシング部へ電荷を供給する状態から前記電荷供給部の電位を上げることによって前記センシング部の電荷がすり切られる累積型化学・物理現象検出装置であって、
    前記センシング部に連続する除去井戸が形成され、
    前記電荷注入調節部に対応する電荷制御電極と前記除去井戸に対応する除去電極とが設けられて、それぞれ独立して制御される、累積型化学・物理現象検出装置。
  2. 前記除去井戸は前記電荷供給部から前記センシング部へ電荷を供給するときに第1のポテンシャル井戸の深さ有し、前記センシング部から前記フローティングディフュージョン部へ電荷を転送する前に第2のポテンシャル井戸の深さを有し、該第2のポテンシャル井戸の深さは前記第1のポテンシャル井戸の深さより深い、請求項1に記載の装置。
  3. 前記除去井戸に蓄積された電荷を前記電荷供給部へ戻す手段が更に備えられている、請求項1又は2に記載の装置
  4. 前記センシング部において電荷の存在する位置が基板表面から離されている、請求項1〜3のいずれかに記載の装置。
  5. 前記基板は少なくとも前記センシング部に対応する領域が第1の導電型の不純物でドープされるとともに、その表面において前記第1の導電型と異なる第2の導電型の不純物がドープされて前記電荷の存在する位置が前記基板内部にある、請求項4に記載の装置。
  6. 化学/物理現象に対応してポテンシャルが変化するセンシング部と、
    前記センシング部へ電荷を供給する電荷供給部と、
    前記センシング部と前記電荷供給部との間に存在する電荷注入調節部と、
    前記センシング部から移送された電荷を蓄積するフローティングディフュージョン部と、を備え、
    前記電荷供給部の電位を下げて前記センシング部へ電荷を供給する状態から前記電荷供給部の電位を上げることによって前記センシング部の電荷がすり切られる累積型化学・物理現象検出装置の制御方法であって、
    前記センシング部に連続する除去井戸を形成し、
    前記電荷注入調節部に対応する電荷制御電極と前記除去井戸に対応する除去電極とをそれぞれ独立して制御して、前記電荷注入部と前記センシング部との間に形成されるポテンシャルのこぶにより前記センシング部に残存する電荷を前記除去井戸へ逃がす、累積型化学・物理現象検出装置の制御方法。
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