JP2013174566A - 携帯型マイクロ波測定装置 - Google Patents

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政宗 武田
Takashi Arakawa
孝 荒川
Junichi Takahashi
順一 高橋
Daisuke Tochika
大輔 遠松
Yoshiyuki Okamoto
佳之 岡本
Haruyuki Hirai
晴之 平井
Hirotaka Niikura
広高 新倉
Atsushi Nakada
淳 中田
Hiroyasu Sato
弘康 佐藤
Kunio Sawaya
邦男 澤谷
Koji Mizuno
皓司 水野
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Abstract

【課題】測定対象から放射されたマイクロ波帯の熱雑音を受信し、その信号レベルを測定する携帯型マイクロ波測定装置において、測定対象から受信素子に入射する熱雑音の量を増加させることにより、測定結果に基づく物品の検出精度を向上する。
【解決手段】携帯型マイクロ波測定装置は、筒状のケース10内に、ミリ波センサ12と、測定対象から放射されたミリ波帯の熱雑音をミリ波センサ12に導くミリ波レンズ14を設け、ミリ波センサ12の後方に配置された制御回路にて、ミリ波センサ12による熱雑音の受信レベルを測定することで、測定対象に隠された物品を検出する。ミリ波レンズ14の周囲に、金属板16、電波吸収材18、及び、金属板16を加熱することで電波吸収材18から熱雑音を発生させる温度制御部22を設ける。この結果、電波吸収材18からの熱雑音は測定対象に向けて放射され、その反射波から物品を正確に検出できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、測定対象から放射されるマイクロ波帯の熱雑音を受信し、その受信レベルを測定する携帯型マイクロ波測定装置に関する。
従来、人体などの測定対象から放射されるマイクロ波帯(0.3GHz〜3THz)の熱雑音(好ましくは、ミリ波帯(30GHz〜0.3THz)の熱雑音)を、複数の受信素子を直線状に配置してなる撮像素子(所謂ラインセンサ)にて受信することにより、測定対象を撮像し、その撮像画像から、測定対象に隠された物品(武器や密輸品等)を検知することが提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。
また、この種の撮像装置においては、装置全体を使用者が手に持ち、測定対象に対しラインセンサを一方向に移動(走査)させることで、測定対象を撮像することも提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2007−502415号公報 特開2008−241352号公報
ところで、測定対象に隠された物品を検知するには、必ずしも、上述したラインセンサや受信素子を2次元配置した2次元センサを利用する必要はなく、例えば、マイクロ波帯の熱雑音を受信する受信素子をケース内に収納し、使用者が、その受信素子への熱雑音の入射方向を手動で変化させるようにしてもよい。
つまり、このようにすれば、受信素子からの受信信号の信号レベルが物品の有無によって変化するため、受信素子からの受信信号の信号レベルを測定することによって、測定対象に隠された物品の有無を判定できる。
また、このようにすれば、小型で高価なマイクロ波受信用の受信素子を数多く利用する必要がないので、物品検出用の測定装置を低コストで実現できる。
しかし、この場合、測定対象から放射されて受信素子に入射する熱雑音の量が少ないと、受信素子による熱雑音の受信レベルが物品の有無によって大きく変化せず、受信レベルの変化から物品の有無を正確に判定することができないという問題がある。
本発明は、こうした問題に鑑みなされたものであり、測定対象から放射されたマイクロ波帯の熱雑音を受信し、その信号レベルを測定する携帯型マイクロ波測定装置において、測定対象から受信素子に入射する熱雑音の量を増加させることにより、信号レベルの測定結果に基づく物品の検出精度を向上することを目的とする。
かかる目的を達成するためになされた請求項1に記載の発明は、
マイクロ波を受信する受信素子と、
測定対象から放射されたマイクロ波帯の熱雑音を前記受信素子に導く電波レンズと、
前記受信素子からの受信信号の信号レベルを測定する測定手段と、
使用者が把持可能な形状で、前記熱雑音を取り込むための開口部を有するケースと、
を備え、前記電波レンズが前記開口部側となるよう、前記ケース内に前記電波レンズ、前記受信素子、及び測定手段を収納してなる携帯型マイクロ波測定装置であって、
前記電波レンズの周囲に、前記測定対象に向けて前記熱雑音を放射する熱雑音発生手段を設けたことを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の携帯型マイクロ波測定装置において、前記熱雑音発生手段は、前記熱雑音を反射可能な金属板と、該金属板に積層された電波吸収材と、前記金属板を加熱して前記電波吸収材から熱雑音を放射させる加熱手段と、を備えたことを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の携帯型マイクロ波測定装置において、前記加熱手段は、前記金属板に積層されたペルチェ素子と、前記電波吸収材の温度を検出する温度センサと、前記温度センサによる検出温度が所定温度となるよう前記ペルチェ素子を通電制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の携帯型マイクロ波測定装置において、前記ケースの開口部周囲に、前記測定対象に向けて光を照射することで、前記電波レンズを介して前記受信素子に入射する熱雑音の、前記測定対象からの放射位置を案内する発光手段、を設けたことを特徴とする。
また、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の携帯型マイクロ波測定装置において、前記発光手段は、ビーム状の光線を発する複数の発光素子からなることを特徴とする。
請求項1に記載の携帯型マイクロ波測定装置によれば、使用者が把持可能な形状に形成されたケース内に、電波レンズ、受信素子及び測定手段が収納され、しかも、電波レンズは、ケースの開口部から取り込まれたマイクロ波帯の熱雑音を受信素子に導くように、ケースの開口部側に配置されている。
このため、使用者は、ケースを手に持ち、ケースの開口部を測定対象に向けることで、測定対象から放射されたマイクロ波帯の熱雑音を受信素子に入射させ、その信号レベルを測定手段に測定させることができる。
また、電波レンズの周囲には、測定対象に向けて熱雑音を放射する熱雑音発生手段が設けられているため、測定対象に物品が隠されている場合、熱雑音発生手段から放射された熱雑音が、その物品にて反射され、その反射波(熱雑音)が、電波レンズを介して受信素子に入射することになる。
このため、測定対象に物品が隠されている場合には、受信素子による受信信号の信号レベルが大きく変化し、使用者は、測定手段による測定結果から、測定対象に隠された物品を正確に検出することができるようになる。
ここで、熱雑音発生手段は、ケースの開口部から被写体に向けて熱雑音を放射できるものであればよい。
そして、例えば、請求項2に記載のように、熱雑音発生手段を、金属板と電波吸収材と加熱手段とから構成すれば、加熱手段による加熱によって電波吸収材から熱雑音を発生させ、その発生した熱雑音を金属板から測定対象に向けて放射させることができる。
また、この場合、金属板は熱伝導性がよく、加熱手段にて金属板を加熱すれば、電波吸収材全体を略均一に加熱できるので、電波吸収材から測定対象に向けて放射される熱雑音の量も均一にすることができ、これによっても、物品の検出精度を向上できる。
また、加熱手段は、例えば、請求項3に記載のように、金属板に積層されたペルチェ素子と、電波吸収材の温度を検出する温度センサと、温度センサによる検出温度が所定温度となるようペルチェ素子を通電制御する制御手段とから構成するとよい。
つまり、このようにすれば、電波吸収材の温度を所定温度に制御して、電波吸収材から測定対象へ放射される熱雑音の量を所定の一定量にすることができ、延いては、物品の検出精度を向上できる。
次に、請求項4に記載の携帯型マイクロ波測定装置によれば、ケースの開口部周囲に、発光手段が設けられている。このため、使用者がケースの開口部を測定対象に向けた際には、受信素子に入射される熱雑音の、測定対象からの放射位置が、発光手段からの照射光によって照らされることになる。
よって、請求項4に記載の携帯型マイクロ波測定装置によれば、使用者は、ケースの開口部を測定対象に向けた状態でケースを所望方向に移動させつつ、測定手段により測定された信号レベルの変化を監視することで、測定対象に物品が隠されていることを検知できるだけでなく、発光手段からの照射光によりその物品の位置を容易に特定することができる。
また、使用者は、発光手段からの照射光により、測定対象での熱雑音の測定位置を把握できることから、熱雑音を利用した物品の検査を効率よく行うことができ、その検査時間を短縮することが可能となる。
なお、請求項4に記載の携帯型マイクロ波測定装置は、請求項5に記載のように、発光手段を、ビーム状の光線を発する複数の発光素子にて構成するとよい。
つまり、このようにすれば、使用者に対し、各発光素子から出射される光線が測定対象に当たる位置にて、当該携帯型マイクロ波測定装置にて熱雑音を測定し得る測定可能領域を通知することができる。
実施形態のハンディスキャナの構成を表し、(a)はその側面図、(b)は(a)と同方向からみた断面図、(c)は(a)の左方向から開口部を見た状態を表す説明図である。 実施形態のポインタからのレーザ光の出射方向を説明する説明図である。 実施形態のハンディスキャナの回路構成を表すブロック図である。 図3の制御回路にて実行される物品検出処理を表すフローチャートである。 ポインタからのレーザ光の出射方向の変形例を表す説明図である。
以下に本発明の実施形態を図面と共に説明する。
[第1実施形態]
図1(a)に示すように、本実施形態の携帯型マイクロ波測定装置(以下、ハンディスキャナという)2は、測定対象から放射されたミリ波帯の熱雑音を取り込み受信するための本体部4と、使用者が把持するための把持部6とからなる。
把持部6には、使用者が外部操作によって測定指令を入力するための指令スイッチ(以下、スイッチをSWと記載する)38が設けられ、本体部4の把持部6近傍には熱雑音の受信レベルの変化から測定対象に隠された物品を検出した際、その旨を報知するための発光ダイオード(LED)40が設けられている。
ここで、本体部4及び把持部6は、図1(b)に示すように、径の異なる筒状体を連結した段差形状を有する筒状のケース10にて、一体形成されている。そして、把持部6は、本体部4よりも径が小さく、ケース10において、把持部6側の開口端は、閉塞され、本体部4側の開口端は、開放されている。
なお、本体部4側の開口端には、ケース10の内部を隠すために、電波を透過可能な合成樹脂製のカバー8が取り付けられている。また、ケース10は、金属若しくは硬質の合成樹脂にて形成されている。
次に、本体部4内には、カバー8が設けられた開口部11側にミリ波レンズ14が設けられ、把持部6側には、ミリ波センサ12が配置されている。
ミリ波レンズ14は、開口部11から入射したミリ波帯の熱雑音をミリ波センサ12に導き、収束させるためのものであり、両面が凸レンズとなるよう、ポリエチレン、アルミナ、テフロン(登録商標)等からなるレンズ材料によって所定のレンズ形状となるよう形成されている。
また、ミリ波レンズ14は、中空円環状の金属板16の中空部に嵌合固定されており、この金属板16を介して、ケース10内に固定されている。
そして、金属板16の開口部11側の面には、加熱されて温度上昇することにより熱雑音を発生する電波吸収材18が積層されている。
また、図1(c)に示すように、金属板16には、ケース10の中心軸(換言すればミリ波レンズ14の光軸)周りに、所定角度間隔で複数(本実施形態では90°間隔で4個)の温度制御部21,22,23,24が装着されている。
この4つの温度制御部21〜24は、それぞれ、金属板16の開口部11とは反対側の面に装着されて金属板16を加熱するペルチェ素子26と、金属板16を挟んでペルチェ素子26とは反対側に設けられ、電波吸収材18の温度を検出する温度センサ28と、から構成されている。なお、ペルチェ素子26は、ファン付きの周知のものである。
一方、ミリ波センサ12は、ミリ波を受信可能な受信アンテナにて構成されており、後述の制御回路60が実装された制御回路基板36に組み付けられている。
そして、制御回路基板36は、ミリ波レンズ14を介して開口部11から入射したミリ波帯の熱雑音が、直接、制御回路基板36上の電子部品に入射することのないよう、電波を遮蔽する遮蔽板34の裏面に固定されており、ミリ波センサ12は、ミリ波レンズ14を介して開口部11から入射したミリ波帯の熱雑音を受信できるように、この遮蔽板34を貫通するように配置されている。
また、把持部6には、制御回路基板36に電源供給を行うための電池42が収納されている。また、上述したLED40及び指令SW38は、後述する電源SW44やブザー46、或いは、2つのポインタ31、32と共に、それぞれ、信号線を介して制御回路基板36に接続されている。
次に、本実施形態では、図2に示すように、ミリ波センサ12の受信点(図2示す収束点P)が、ミリ波レンズ14の光軸上で、ミリ波センサの焦点Fよりも後方(換言すればミリ波レンズ14から離れた位置)に位置するように配置されている。
このため、ハンディスキャナ2と測定対象との距離が、ミリ波レンズ14の特性で決まる一定距離であるとき、測定対象の一点(測定点S)から放射された熱雑音が、ミリ波センサ12の受信点(収束点P)に収束することになる。
例えば、ミリ波レンズ14の直径が30mm、焦点距離が28.24mmである場合、一方のレンズ表面より53mmの位置の測定点Sから放射された熱雑音は、他方のレンズ表面より53mmの位置の収束点Pに収束して結像する。
よって、本実施形態のハンディスキャナ2によれば、ミリ波センサ12を用いて、測定対象の一点(測定点S)から放射された熱雑音の信号レベルを測定することができる。
ところで、このように、ミリ波センサ12を用いて、測定対象の一点(測定点S)から放射された熱雑音の信号レベルを測定するには、測定対象とハンディスキャナ2との距離を一定距離(上記例の場合、53mm)にする必要があるが、使用者がハンディスキャナ2をそのように配置するのは極めて難しい。
そこで、本実施形態では、測定対象とハンディスキャナ2との距離が一定距離になったか否かを確認できるように、ハンディスキャナ2の開口端から2本の光線を出射するようにされている。
つまり、ハンディスキャナ2のケース10の開口部11には、ケース10(詳しくは本体部4)の中心軸を挟んで点対称となるよう、一対のポインタ31,32が設けられている。
このポインタ31,32は、ビーム状の光線を発生する発光ダイオード(例えば、レーザダイオード:LD)にて構成されている。
そして、各ポインタ31,32は、各ポインタ31,32から出射される光線が、ミリ波レンズ14の光軸と交わり、且つ、その交点Xとハンディスキャナ2(換言すれば開口部11の開口端)との間の距離が、上述した測定点Sまでの一定距離となるように、ケース10の開口部11に固定されている。
このため、使用者は、把持部6を把持して開口部11を測定対象に向けた際、ポインタ31,32から出射された光線が、測定対象側で一点に集まるように、ハンディスキャナ2の位置を調整することで、その光線の交点Xである測定点Sから放射されたミリ波(熱雑音)を、ミリ波レンズ14を介してミリ波センサ12に入射させることができる。
次に、図3に示すように、制御回路基板36には、ミリ波センサ12からの受信信号を増幅し振幅検波することにより、ミリ波センサ12で受信されたミリ波帯の熱雑音の信号レベルを表す電圧信号を生成する処理回路56と、この処理回路56から入力される電圧信号(つまり熱雑音の信号レベル)に基づき、測定対象に物品が隠されているか否か(例えば、測定対象となる人間が衣服の中に危険物を隠し持っているか否か)を判定する制御回路60とが設けられている。
また、制御回路基板36には、上述したポインタ31,32や、物品の検出結果を報知するためのLED40及びブザー46を、それぞれ駆動するための駆動回路51,52,53,54も設けられている。なお、ブザー46は、LED40と共に、ケース10内に収納されている。
また制御回路基板36には、上述した4つの温度制御部21〜24をそれぞれ制御する温度制御回路58が設けられている。
温度制御回路58は、各温度制御部21〜24の温度センサ28を用いて、各温度制御部21〜24の配置位置における電波吸収材18の温度を検出し、その検出温度が予め設定された目標温度となるよう、各温度制御部21〜24のペルチェ素子26をそれぞれ通電制御する。
この結果、各温度制御部21〜24のペルチェ素子26を介して、金属板16が加熱され、電波吸収材18の温度が、略均一に目標温度に制御されることになる。
次に、制御回路60は、CPU62、ROM64、RAM66を中心とするマイクロコンピュータにて構成されている。そして、制御回路60は、電源SW44がオン状態であるとき、電池42から電源供給を受けて動作し、図4に示す物品検出処理を実行する。
なお、電源SW44は、指令SW38と共に、把持部6で、使用者が操作し易い位置に設けられている。
図4に示すように、物品検出処理は、電源SW44がオン状態に切り換えられてから、制御回路60(詳しくはCPU62)において繰り返し実行される処理である。
この物品検出処理か開始されると、まずS100(Sはステップを表す)にて、処理回路56からA/D変換器(図示せず)を介して入力される受信データ(換言すれば検波電圧)の初期設定等、各種パラメータを初期設定する初期化処理を実行する。
次に、S110では、温度制御回路58に温度制御の開始指令を出力することで、4つの温度制御部21〜24を利用した電波吸収材18の温度制御を開始させる。
この結果、電波吸収材18は、金属板16により一定温度に加熱されて、熱雑音を発生することになる。そして、その発生した熱雑音は、金属板16により反射されることで、全て、ケース10の開口部11から測定対象に向けて放射されるようになる。
また次に、S120では、駆動回路51,52を介してポインタ31,32を点灯する。このため、S120の処理実行後、使用者は、測定対象の表面で各ポインタ31,32からの光線が交わるように、ハンディスキャナ2を位置調整することで、ハンディスキャナ2と測定対象との距離を適正距離に設定することができる。
また、続くS130では、指令SW38がオン状態であるか否かを判断することで、使用者が測定指令を入力しているか否かを判断し、指令SW38がオン状態でなければ、S190に移行し、指令SWがオン状態であれば、S160に移行する。
S160では、処理回路56から受信データ(検波電圧)を読み込む。そして、続くS150では、指令SW38がオン状態に切り換えられてからS160で読み込んだ受信データ(検波電圧)の履歴と、S160で今回読み込んだ最新の受信データ(検波電圧)とに基づき、ミリ波センサ12にて受信された熱雑音の受信レベルは急変したか否かを判断する。
そして、S150にて、ミリ波センサ12にて受信された熱雑音の受信レベルが急変したと判断されなければ、受信レベルは正常範囲内にあるものとして、再度S130に移行する。
一方、S150にて、ミリ波センサ12にて受信された熱雑音の受信レベルが急変したと判断されると、測定対象には物品が隠されているものとして、S160に移行する。
そして、S160では、駆動回路51〜54を介して、一定時間、LED40及びポインタ31,32を点滅させると共に、ブザー46を鳴動させることにより、使用者に対し物品の存在を報知する。
そして、S160にて、物品の存在を報知すると、S170に移行し、指令SW38がオフ状態であるか否かを判断することで、使用者からの測定指令の入力が停止されたか否かを判断する。
S170にて、指令SW38はオフ状態ではないと判断されると、再度S140に移行し、逆に、指令SW38はオフ状態であると判断されると、S180に移行する。
そして、S180では、温度制御回路58による温度制御を停止させると共に、ポインタ31,32を消灯させた後、ブザー46を鳴動させることにより、当該物品検出処理による検査を終了する旨を報知し、当該物品検出処理を終了する。
なお、S180の処理実行後、当該物品検出処理を終了すると、制御回路60は、所謂スリープ状態に入り、その後、電源SW44が一旦オフされ、再度オン状態に切り換えられると、制御回路60は、スリープ状態から復帰し、物品検出処理を開始する。
次に、S190では、当該物品検出処理が起動してから、指令SW38がオン状態に切り換えられるまでの待機時間が、予め設定されたスリープ移行時間に達したか否かを判断し、待機時間がスリープ移行時間に達していなければ、再度S130に移行し、待機時間がスリープ移行時間に達していれば、S180を実行した後、当該物品検出処理を終了する。
なお、S190の処理は、電源SW44がオフ状態からオン状態に切り換えられてから、指令SW38が長時間オン状態に操作されないときには、制御回路60を強制的にスリープ状態にして、電池42の消耗を抑えるための処理である。
以上、説明したように、本実施形態のハンディスキャナ2によれば、電源SW44をオン状態にした状態で、使用者が把持部6を把持して、カバー8が設けられた開口部11を測定対象に向け、指令SW38をオン状態に操作すれば、測定対象から放射されるミリ波帯の熱雑音の信号レベルが測定される。
また、その状態で、ハンディスキャナ2を測定対象に沿って移動させれば、測定された信号レベルの変化から、測定対象に隠された物品の存在が検知されて、その旨が報知される。従って、使用者は、ハンディスキャナ2を使って、測定対象となる人が隠し持っている物品(危険物等)を検知することができるようになる。
また、ハンディスキャナ2には、ミリ波帯の熱雑音を受信する受信素子として、ミリ波センサ12を一つ設けるだけでよいので、ラインセンサや2次元センサを利用する従来の撮像装置(スキャナ)に比べて、極めて低コストで実現できる。
また、従来のものに比べて、ケース10内に収納する部品点数を少なくすることができるので、ハンディスキャナ2の軽量化を図り、使用者による使い勝手を向上できる。
また、本実施形態のハンディスキャナ2においては、ミリ波レンズ14の周囲に、物品の検出に利用する熱雑音を発生するための金属板16及び電波吸収材18が設けられている。
そして、本実施形態では、金属板16を、ファン付きのペルチェ素子26からなる4つの温度制御部21を介して加熱することで、電波吸収材18を一定温度に制御し、電波吸収材18から熱雑音を発生させ、その熱雑音を、金属板16を介して、測定対象に向けて放射させる。
このため、測定対象となる人が、衣服の下に危険物等の物品を隠し持っている場合、金属板16と電波吸収材18とから構成される熱雑音発生源から放射された熱雑音が、その物品にて反射され、その反射波(熱雑音)が、ミリ波レンズ14を介して、ミリ波センサ12に入射することになる。
よって、測定対象に物品が隠されている場合には、測定対象から放射される熱雑音の信号レベルが、物品付近を大きく変化することになり、上述した物品検出処理にて、物品の存在を正確に検出することが可能となる。
また更に、本実施形態のハンディスキャナ2には、ミリ波レンズ14がミリ波帯の熱雑音を取り込む開口部11に、一対のポインタ31,32が設けられている。
このため、使用者は、このポインタ31,32から出射される光線により、測定対象に隠された物品を検出するのに最適な、ハンディスキャナ2と測定対象との距離を把握することができる。
また、ハンディスキャナ2側で物品が検出された際には、使用者は、測定対象において、ポインタ31,32から出射される光線が当たっている位置から、物品が隠された位置を特定することができる。
また、使用者は、ポインタ31,32から出射された光線により、測定対象での熱雑音の測定位置(物品の検査位置)を把握できることから、物品の検査を効率よく行うことができ、その検査時間を短縮することもできる。
なお、本実施形態において、ミリ波センサ12は、本発明の受信素子に相当し、ミリ波レンズ14は、本発明の電波レンズに相当し、金属板16、電波吸収材18及び温度制御部21〜24は、本発明の熱雑音発生手段に相当し、このうち温度制御部21は、本発明の加熱手段に相当する。
また、温度制御回路58は、本発明の制御手段に相当し、処理回路56及び制御回路60は、本発明の測定手段に相当し、ポインタ31,32は、本発明の発光手段(詳しくは、ビーム状の光線を発する発光素子)に相当する。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内にて、種々の態様を採ることができる。
例えば、上記実施形態では、ミリ波センサ12は、ミリ波レンズ14の焦点Fよりも離れた位置に配置することで、測定対象の一点から放射された熱雑音の信号レベルを測定するものとして説明したが、図5(a)、(b)に示すように、ミリ波センサ12は、ミリ波の受信部がミリ波レンズ14の焦点Fの位置となるように配置してもよい。
そして、この場合、ミリ波レンズ14からミリ波センサ12には、ミリ波レンズ14のレンズ面に対向する領域から放射された熱雑音が入射されることになるため、図5(a)に示すように、ポインタ31,32は、ミリ波レンズ14の光軸に平行な光線を出射するよう、ケース10に固定するとよい。
一方、ミリ波センサ12をミリ波レンズ14の焦点位置に配置した場合、上記実施形態のように、ハンディスキャナ2と測定対象との間の測定距離を一定にする必要はないが、測定距離が長くなるほど、ミリ波センサ12への熱雑音の入力レベルが低下し、最終的には、測定対象から放射された熱雑音をミリ波センサ12にて受信できなくなる。
このため、図5(b)に示すように、ミリ波センサ12にて熱雑音を正常に受信し得る測定限界距離を実験等で求め、その測定限界距離となる点Xで、各ポインタ31,32から出射された光線が交わるように、各ポインタ31、32へのケース10への取り付け角度(換言すれば、各ポインタ31,32からの光線の出射方向)を設定してもよい。
そして、このようにすれば、使用者は、各ポインタ31,32から出射された光線が一点に集まる場所を測定限界点として把握し、その測定限界点よりも測定対象に接近した位置(つまり、測定限界距離内)で、熱雑音の測定(延いては物品の検査)を行うことができる。
また、ミリ波レンズ14は、必ずしもケース50内に固定する必要はなく、ケース50内で中心軸方向に移動可能にしてもよい。
そして、この場合、図5に示したように、ミリ波センサ12が焦点位置となるようミリ波レンズ14を配置した第1位置と、図2に示したように、ミリ波センサ12が焦点位置から更に離れた位置となるようミリ波レンズ14を配置した第2位置との間で、ミリ波レンズ14を移動できるようにするとよい。
つまり、このようにすれば、ミリ波レンズ14を第1位置に配置した状態で物品の有無を検査し、ミリ波レンズ14を第2位置に配置した状態で、物品の位置を特定する、といったことが可能となる。
また、この場合、ミリ波レンズ14の位置に応じて、光軸に対するポインタ31,32の傾斜角度(延いては、2本の光線の交点Xまでの距離)を変化させることで、使用者に対し、物品を検出するのに最適な位置を常時案内できるようにしてもよい。
また更に、上記実施形態では、ミリ波センサ12にミリ波帯の熱雑音を導くミリ波レンズは、1個であるものとして説明したが、ミリ波レンズを複数設けるようにしてもよい。そしてこのようにすれば、複数のミリ波レンズの組み合わせにより、熱雑音の測定距離を長くしたり、その測定距離を変化させたりすることができる。
一方、上記実施形態では、ケース10の開口部11には、2つのポインタ31,32を設けるものとして説明したが、ポインタは、測定対象に光線を当てることで、使用者に、測定可能領域若しくは適正な測定距離を通知できればよいので、複数であればよく、3個或いは4個と個数を増加させてもよい。
また、上記実施形態では、使用者に物品の存在を報知するために、LED40及びブザー46を用いるものとして説明したが、こうした報知手段としては、モータの回転等によって振動を発生する振動発生部材を用い、この振動発生部材の振動により、使用者に物品の存在を報知するようにしてもよい。また、LED、ブザー、振動発生部材を適宜組み合わせて、物品の存在を報知するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、測定対象から放射されるミリ波帯の熱雑音を受信し、その受信レベルの変化から、物品を検出するものとして説明したが、この検出に用いる熱雑音は、マイクロ波帯であればよく、ミリ波帯に限定されるものではない。
2…ハンディスキャナ、4…本体部、6…把持部、8…カバー、10…ケース、11…開口部、12…ミリ波センサ、14…ミリ波レンズ、16…金属板、18…電波吸収材、21〜24…温度制御部、26…ペルチェ素子、28…温度センサ、31,32…ポインタ、34…遮蔽板、36…制御回路基板、38…指令SW、40…LED、42…電池、44…電源SW、46…ブザー、51〜54…駆動回路、56…処理回路、58…温度制御回路、60…制御回路、62…CPU、64…ROM、66…RAM。

Claims (5)

  1. マイクロ波を受信する受信素子と、
    測定対象から放射されたマイクロ波帯の熱雑音を前記受信素子に導く電波レンズと、
    前記受信素子からの受信信号の信号レベルを測定する測定手段と、
    使用者が把持可能な形状で、前記熱雑音を取り込むための開口部を有するケースと、
    を備え、前記電波レンズが前記開口部側となるよう、前記ケース内に前記電波レンズ、前記受信素子、及び測定手段を収納してなる携帯型マイクロ波測定装置であって、
    前記電波レンズの周囲に、前記測定対象に向けて前記熱雑音を放射する熱雑音発生手段を設けたことを特徴とする携帯型マイクロ波測定装置。
  2. 前記熱雑音発生手段は、
    前記熱雑音を反射可能な金属板と、
    該金属板に積層された電波吸収材と、
    前記金属板を加熱して前記電波吸収材から熱雑音を放射させる加熱手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項1に記載の携帯型マイクロ波測定装置。
  3. 前記加熱手段は、
    前記金属板に積層されたペルチェ素子と、
    前記電波吸収材の温度を検出する温度センサと、
    前記温度センサによる検出温度が所定温度となるよう前記ペルチェ素子を通電制御する制御手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項2に記載の携帯型マイクロ波測定装置。
  4. 前記ケースの開口部周囲に、
    前記測定対象に向けて光を照射することで、前記電波レンズを介して前記受信素子に入射する熱雑音の、前記測定対象からの放射位置を案内する発光手段、
    を設けたことを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の携帯型マイクロ波測定装置。
  5. 前記発光手段は、ビーム状の光線を発する複数の発光素子からなることを特徴とする請求項4に記載の携帯型マイクロ波測定装置。
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