JP2013174514A - ひずみゲージ式変換器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 従来のリモートセンシング法を用いることなく、ケーブル抵抗やコネクタの接触抵抗の影響を無くして測定の精度や安定性を向上すると共にケーブルの本数を減らし、コストの低減化および規格に適合したコネクタの使用を可能とする。
【解決手段】 4枚のひずみゲージG1〜G4をもってブリッジ回路3を構成する。このブリッジ回路3には、基準電圧回路4から一定電圧を印加する。このブリッジ回路3の出力信号を受ける差動アンプ5で所定の利得をもって増幅する。差動アンプ5で増幅された測定信号は平衡出力回路7およびローパスフィルタ8を介して出力される。これらブリッジ回路3、基準電圧回路4、平衡出力回路7、ローパスフィルタ8等は、変換器本体2内に内蔵されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、ひずみゲージ式変換器に係り、特に、ケーブルおよびコネクタの電圧降下に起因して、測定環境によって左右される測定誤差を解消することができるひずみゲージ式変換器に関する。
ひずみゲ―ジ式変換器は、ひずみゲージを用いて、該ひずみゲージに印加される力学的な各種物理量(荷重、力、圧力、加速度、振動、変位、トルク等)を、電圧出力に変換するものである。
ひずみゲ―ジ式変換器の代表的なものは、4枚のひずみゲージをもって形成されるブリッジ回路と、ケーブルと、コネクタとから構成される。
ひずみゲ―ジ式変換器のブリッジ回路は、ブリッジ回路の入力端子にブリッジ電源電圧を印加した状態で、4枚のひずみゲージに力が印加されていない場合は平衡状態にあるが、該ひずみゲージに何らかの力が印加されると、それぞれのひずみゲージがひずみを受けて変位し、該ブリッジ回路が平衡状態から不平衡状態へと推移し、該ブリッジ回路の出力端子から印加された力に応じた微少な電圧が出力され、その大きさを、ひずみ測定器を用いて測定することにより、該ひずみゲージに印加された力の大きさを測定することができる。これが、ひずみゲ―ジ式変換器を用いたひずみ測定システムの一般的な測定原理である。
図3は、従来の一般的なひずみゲージ式変換器の一例と、ひずみ測定器の一例を示す回路構成図である。
ひずみゲージ式変換器を用いてひずみ測定を行う場合、図3に示すようなひずみ測定器が使用される。
同図に示すひずみゲージ式変換器31は、ひずみの大きさを電圧値として出力するひずみゲージ4枚で構成されたブリッジ回路311と、ケーブル312、コネクタ313と、を備える。
ひずみ測定器32側には、種類によって回路構成が異なるが、図3に示すひずみ測定器32は、増幅器322と、フィルタ323と、AD変換器324と、指示器325と、正電源326aと負電源326bを有するブリッジ用電源326と、コネクタ321を備える。
ブリッジ用電源326は、ひずみゲージ式変換器31に電源を供給するための装置であり、一般的に電源電圧は、2V、5V、10Vのいずれかであるか、若しくは切換スイッチを操作して電源電圧を可変にすることを可能にする構成を有している。
ひずみ測定器32の増幅器322は、ひずみゲージ式変換器の微少な電圧を増幅するための装置であり、その利得は、ここでのひずみゲージ式変換器31とは限らず、一般的な各種ひずみゲージ式変換器の出力電圧に応じた利得を設定できるようになっている。その利得範囲は、1〜5000倍程度のものが多い。
フィルタ323は、余分な周波数成分を取り除くための装置であり、ノイズ除去やエリアジング防止のために使用される。
AD変換器324は、ひずみゲージ式変換器31から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換するためのものである。
指示器325は、デジタル信号に変換された測定値を、測定者が視認するための装置であるが、ひずみ測定器32内には該装置を設けずに、パーソナルコンピュータ(以下、「パソコン」という)を用いる場合も多い。
従来のひずみゲージ式変換器31とひずみ測定器32とを組み合わせた測定回路(例えば図3に示す回路を参照)による測定システムには、ブリッジ電源電圧の変動による測定誤差が生じる。ひずみゲージ式変換器31からは、ブリッジ回路311に印加される電源電圧に応じた出力電圧が出力されるが、ひずみ測定器32のブリッジ電源電圧を、例えば2Vに設定しても、実際には、ひずみ測定器32から出力されるブリッジ電源電圧は、ブリッジ用電源326での誤差の存在によって、必ずしも2V丁度にはならないため、補正計算が必要になる。
さらには、ひずみゲージ式変換器31とひずみ測定器32との間には、コネクタ313とコネクタ321との間の接触抵抗や、ケーブル抵抗が存在するため、ひずみ測定器32でブリッジ電源電圧を2V丁度に設定していても、ひずみゲージ式変換器31のブリッジ回路311に到達するまでの間に、前記各抵抗部分において電圧降下が生じてしまう。
図4は、従来のひずみゲージ式変換器と、ひずみ測定器とを組み合わせた、従来のひずみ測定システムの一例を示す簡易回路図である。
図4において、抵抗R1,R2,R3,R4のひずみゲージG1、G2、G3、G4からなるひずみゲージ4枚で構成されたブリッジ回路311よりなるひずみゲージ式変換器41のブリッジ回路の抵抗をRとし、2線式のケーブルのケーブル抵抗とコネクタ42の接触抵抗を、それぞれrとする。また、ひずみ測定器内のブリッジ用電源の電圧をVとすると、ブリッジ回路311の入力端の正側のA点で示される電位VAは(1)式で示され、ブリッジの回路311の負側の入力端であるC点で示される電位VCは(2)式で示される。
VA=〔(R+r)/(R+2r)〕V …………………(1)
VC=〔r/(R+2r)〕V ……………………………(2)
よって、(1)式と(2)式とから、実際にひずみゲージ式変換器41のブリッジ回路311に印加される入力端であるA・C間の電圧VACは、(3)式で示される。
VAC=電位VA−電位VC=〔R/(R+2r)〕V ……………(3)
つまり、所定の電源電圧Vから、〔R/(R+2r)〕Vに実際のブリッジ回路311に印加される電圧が降下するため、これを補正するには補正値として、(3)式で示される印加電圧に対して、その逆数の〔1+(2r/R)〕を乗じなければならない。しかしながら、ケーブル抵抗やコネクタ接触抵抗の値は、周囲環境によって変動するので、正確に補正して、正確に測定することは実際上困難であり、補正後であっても測定値に誤差が生じてしまうという問題点が有る。
そこで、上記の問題点を解消するために、コネクタの接触抵抗やケーブル抵抗の存在によるブリッジ電源電圧の降下を防ぐためには、リモートセンシング機能を有するひずみゲージ式変換器が使用されている。
図5は、リモートセンシング機能を有する従来のひずみ測定回路の一例を示す。
図5において、ひずみゲージ式変換器51と、ひずみ測定器のブリッジ電源53とはケーブルおよびコネクタ52によって回路接続されている。そして、ひずみ測定器内ブリッジ電源53を構成するオペアンプIC1の+端子(非反転端子)と−端子(反転端子)とは、オペアンプのイマジナリショートの関係から同電位となる。オペアンプIC2に関しても同様である。また、オペアンプIC1、IC2の入力インピーダンスは、無限大に近いので、オペアンプIC1およびオペアンプIC2の−端子には電流が流れない。
よって、図5に示すひずみゲージ式変換器51は、抵抗r2および抵抗r3の影響を受けないので、該ひずみゲージ式変換器51の正側入力端Aと負側入力端C間の電圧は、電源電圧のVとなり、即ち、ケーブル抵抗や、コネクタの接触抵抗による電圧降下を防ぐことができる。
また、この分野の関連技術として、例えば、特許文献1(特開平11−211587号公報)に、ひずみゲージが貼着された起歪体と、ひずみゲージにより構成されて該起歪体のひずみ量に応じたひずみ測定信号を出力するホイートストンブリッジ回路とを一体の筐体内に配置したひずみゲージ式変換器において、主電源回路と、ブリッジ回路に一定電圧を供給する定電圧回路と、前記ひずみ測定信号増幅する増幅器、この増幅器から出力されるアナログ信号をデジタルデータに変換するA/D変換器と、該デジタルデータをそのまままたは所定処理を施して、測定結果データとして外部の測定データ処理装置に送信するデータ通信処理手段と制御回路(CPU)と、記憶回路と、インターフェース回路等を前記筐体内に設けてなり、接続ケーブルの長さに起因する測定精度の低下を排除し、また、物理量測定に際しての準備作業や測定データの処理を容易にするためのひずみゲージ式変換器が提案されている。
特開平11−211587号公報
しかしながら、上記背景技術で述べた従来のひずみゲージ式変換器を用いたひずみ測定回路にあっては、図5に示すようなリモートセンシング機能を有するものとして構成した場合、必要となるケーブルの本数(線数)が増え過ぎてしまうという問題点が生じる。
特に、ひずみ測定で使用されるコネクタは、NDIS規格に準拠して7ピンが多い。そのため、図5に示すひずみゲージ式変換器51では、ブリッジ電源用ケーブル、出力用ケーブルおよびシールドケーブルだけでも、使用するケーブルは、ブリッジ電源用ケーブルの4本+出力用ケーブルの2本+シールドケーブルの1本の、計7本となり、よって、これだけで合計7ピンをすべて使用してしまうので、他にTEDS回路を用いる場合、2ピン分が多くなってしまい、NDIS規格に適合することができない。よって、ひずみゲージ式変換器にリモートセンシング機能を持たせる場合は、近年採用が多くなっているTEDS(IEEE1451.4)や、センサIDが搭載できなくなるという問題点が生じる。
また、従来のひずみゲージ式変換器にあっては、ノイズの影響も問題点となる。即ち、一般に、ひずみゲージ式変換器の出力電圧は微小であるため、通常は、ひずみ測定器内の増幅器で1000倍程度の増幅を行っている。ひずみ測定時は、特に、測定環境が悪く、且つケーブル長が長い場合において、ケーブルにノイズが混入し易くなる。この場合、ノイズ電圧に対しても同時に1000倍程度の増幅を行ってしまうため、フィルタでも除去しきれずに測定データに反映されてしまう場合があった。また、質の悪いブリッジ電源を使用すると、出力に、そのまま質の悪い出力電圧が出力されてしまうこともあった。
これらの原因に基づく測定誤差を無くすために、ひずみ測定器の補正機能を活用したり、再校正を行ったりしているが、これらの方法は、あくまで対症処療法的なものであるため、正確な測定方法にはなり難い。
さらに、これらの対策に要する作業は、時間資源を浪費することになり、また、高価なひずみ測定器が必要になるので、正確な測定システムを構築することが容易でなかった。
また、上記特許文献1においては、同じ筐体内にブリッジ回路、定電圧回路、増幅器、A/D変換器、主電源回路、記憶回路、制御回路、インターフェース回路等、ひずみ測定器に匹敵するような多種雑多な機能部品が内蔵されているため、ひずみゲージ式変換器として大型のものしか採用できず、多点測定には到底馴染まずコストが膨大に高騰するという難点がある。
また、上述したように、NDIS規格に適合するコネクタを採用できるものか否かの配慮が何らなされていない。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、その第1の目的とするところは、測定データの誤差を低減させることを可能とし、安定性や精度が高く且つリモートセンシング法を採用することを不用とし、ケーブルの本数を極力減らし、その上低コストのひずみゲージ式変換器を提供することにある。
さらに、本発明の第2の目的は、ケーブルの抵抗やコネクタの接触抵抗による電圧降下を自動的に補償し、ブリッジ電源電圧降下に起因する出力感度の誤差を極めて小さくし得るひずみゲージ式変換器を提供することにある。
本発明の第3の目的は、ケーブルに混入したノイズを増幅してしまうようなことを防ぎ、ノイズが測定値に与える影響を極力小さくすることが可能なひずみゲージ式変換器を提供することにある。
請求項1に記載した発明に係るひずみゲージ式変換器は、上述した第1の目的〜第3の目的を達成するために、
ひずみゲージを用いて荷重、力、圧力、加速度、振動、変位、トルク等の各種物理量を電圧出力に変換するひずみゲ―ジ式変換器において、
変換器本体の内部に、
少なくとも4枚の前記ひずみゲージをもって形成されるブリッジ回路と、
外部からブリッジ電源の供給を受け前記ブリッジ回路の正側入力端と負側入力端に一定電圧を印加する基準電圧装置と、
前記ブリッジ回路の出力信号を受けて、その出力信号を所定の利得をもって増幅して出力する差動アンプと
を内蔵してなり、
前記ブリッジ電源の正側入力端子および負側入力端子、前記差動アンプの正側出力端子および負側出力端子、前記変換器本体に接続されたシールド線端子を、前記変換器本体側に有し、前記の各端子は、共通の1つのコネクタと接続可能なるように構成されていることを特徴としている。
また、請求項2に記載した発明に係るひずみゲージ式変換器は、
前記ブリッジ電源の正側ラインと負側ラインの間に介挿された2つの直列抵抗からなる第1の分圧回路と、前記差動アンプの出力端子とリファレンス端子の間に介挿された2つの直列抵抗からなる第2の分圧回路と、
非反転入力端子が前記第1の分圧回路の中点に接続され、反転入力端子が前記第2の分圧回路の中点に接続され、出力端子が前記リファレンス端子に接続されてなるオペアンプを、
前記変換器本体に内蔵してなることを特徴としている。
また、請求項3に記載した発明に係るひずみゲージ式変換器は、
前記差動アンプおよび前記オペアンプの各正側端子に外部に設けられた前記ブリッジ電源の前記正側ラインから正側電源が供給され、前記差動アンプおよび前記オペアンプの各負側端子に前記ブリッジ電源の前記負側ラインから負側電源が供給されるように構成されていることを特徴としている。
また、請求項4に記載された発明に係るひずみゲージ式変換器は、
前記ブリッジ回路の負側入力端と前記電源の負側ラインとの間に、前記ブリッジ回路が平衡状態のときの前記ブリッジ回路の出力電圧が前記差動増幅アンプの入力電圧範囲の中心になるように調整するための調整抵抗を介挿してなることを特徴としている。
また、請求項5に記載された発明に係るひずみゲージ式変換器は、
前記差動アンプには利得を変化させるゲイン抵抗を備えていることを特徴としている。
また、請求項6に記載された発明に係るひずみゲージ式変換器は、
ひずみゲージ式変換器に関する情報が読み書き可能なTEDSのような情報記憶媒体が前記変換器本体にさらに内蔵されていることを特徴としている。
また、請求項7に記載された発明に係るひずみゲージ式変換器は、
前記ブリッジ電源の正側入力端子および負側入力端子、前記差動アンプの正側出力端子および負側出力端子、前記変換器本体に接続されたシールド線端子、前記情報記憶媒体に接続された2本の出力端子を、前記変換器本体側に有し、上記の各端子は、共通の1つのコネクタと接続可能なるように構成されていることを特徴としている。
また、請求項8に記載された発明に係るひずみゲージ式変換器は、
前記差動アンプの正側出力端と負側出力端にそれぞれ一端が接続された2つの抵抗と、
前記2つの抵抗の他端間に直列接続された2つのコンデンサが接続され、前記2つのコンデンサの接続点が前記オペアンプの非反転入力端子に接続されて構成されてなるローパスフィルタが、前記変換器本体に内蔵されていることを特徴としている。
請求項1に記載の発明によれば、
ひずみゲージを用いて荷重、力、圧力、加速度、振動、変位、トルク等の各種物理量を電圧出力に変換するひずみゲ―ジ式変換器において、
変換器本体の内部に、
少なくとも4枚の前記ひずみゲージをもって形成されるブリッジ回路と、
外部からブリッジ電源の供給を受け前記ブリッジ回路の正側入力端と負側入力端に一定電圧を印加する基準電圧装置と、
前記ブリッジ回路の出力信号を受けて、その出力信号を所定の利得をもって増幅して出力する差動アンプと
を内蔵してなり、
前記ブリッジ電源の正側入力端子および負側入力端子、前記差動アンプの正側出力端子および負側出力端子、前記変換器本体に接続されたシールド線端子を、前記変換器本体側に有し、前記の各端子は、共通の1つのコネクタと接続可能なるように構成されていることにより、次のような効果が得られる。
上記請求項1に記載の発明によれば、第1に、ケーブルの抵抗やコネクタの接触抵抗による電圧降下を自動的に補償する基準電圧回路を介した一定電圧値をブリッジ回路の入力電圧とするため、ブリッジ電源電圧降下に起因する出力感度の誤差を極めて小さくすることができるという効果が有る。
第2に、変換器本体内に差動アンプを備えているので、ひずみゲージ式変換器の段階で利得を上げることが可能となり、別途離間して設けられるひずみ測定側では利得を大きくする必要がなく、よって、従来のようにケーブルに混入したノイズまで増幅してしまうようなことが防げるので、ノイズが測定値に与える影響を極めて小さくすることが可能となる効果が有る。
第3に、ひずみゲージで構成されるブリッジ回路に入力される電圧の電圧値を低く抑えることができるため、消費電流が小さくなって発熱量が少なくなり、よって、低消費電力で、温度ドリフトを小さくでき、且つひずみ測定器側で誤ったブリッジ電源の設定を行っても、ブリッジ回路を構成するひずみゲージが焼損するような事故を防ぐことができるという効果が有る。
第4に、リモートセンシング機能も不要となるので、ケーブルの芯数削減による規格に適合したコネクタを使用することができ、ひずみゲージ変換器とひずみ測定器とが大きく離隔している場合には、特に、コネクタやケーブルコストの抑制を実現することができる。
また、請求項2に記載した発明によれば、
前記ブリッジ電源の正側ラインと負側ラインの間に介挿された2つの直列抵抗からなる第1の分圧回路と、前記差動アンプの出力端子とリファレンス端子の間に介挿された2つの直列抵抗からなる第2の分圧回路と、
非反転入力端子が前記第1の分圧回路の中点に接続され、反転入力端子が前記第2の分圧回路の中点に接続され、出力端子が前記リファレンス端子に接続されてなるオペアンプを、
前記変換器本体に内蔵してなることにより、
上記請求項1に記載の発明と同様の効果が得られるうえ、特に、正負電源と、正電源の両方の電源形態に対応することができ、且つブリッジ用電源電圧の幅広い範囲を満足することができる。
また、請求項3に記載した発明によれば、
前記差動アンプおよび前記オペアンプの各正側端子に外部に設けられた前記ブリッジ電源の前記正側ラインから正側電源が供給され、前記差動アンプおよび前記オペアンプの各負側端子に前記ブリッジ電源の前記負側ラインから負側電源が供給されていることにより請求項1に記載した発明と同様の効果がある。
また、請求項4に記載した発明によれば、
前記ブリッジ回路の負側入力端と前記電源の負側ラインとの間に、前記ブリッジ回路が平衡状態のときの前記ブリッジ回路の出力電圧が前記差動アンプの入力電圧範囲の中心になるように調整するための調整抵抗を介挿してなることにより、差動アンプの動作範囲の飽和を防ぐことができ、差動アンプの利得を大きくしつつ、非直線性の精度を向上することが可能となる。
また、請求項5に記載した発明によれば、
前記差動アンプには利得を変化させるゲイン抵抗を備えていることにより、ブリッジ回路に印加する電圧は、従来よりも低電圧で動作させることができ、延いては、低消費電力化が可能となり、ブリッジ回路と構成するひずみゲージに流れる電流を小さくすることができて、自己発熱による温度ドリフトの影響を軽減することができる。
また、請求項6に記載した発明によれば、
ひずみゲージ式変換器に関する情報が読み書き可能なTEDSのような情報記憶媒体が前記変換器本体にさらに内蔵されていることにより、例えば、ひずみゲージ式変換器の出荷時に、メーカ名、変換器の種類、型式、シリアル番号、校正値のうちのいずれかの情報を記憶させ出荷後にチャンネルID、設置場所、タグ番号等をユーザの所望に応じて記憶させることができ、市販のTEDSのような情報記憶媒体を使用することが可能となる。
また、請求項7に記載した発明によれば、
前記ブリッジ電源の正側入力端子および負側入力端子、前記差動アンプの正側出力端子および負側出力端子、前記変換器本体に接続されたシールド線端子、前記情報記憶媒体に接続された2本の出力端子を、前記変換器本体側に有し、上記の各端子は、共通の1つのコネクタと接続可能なるように構成されていることにより、従来のひずみゲージ式変換器では、コネクタピン数の制限に実現が困難であったことが実現可能となり、TEDS等の情報記憶媒体を組み込むことが可能となった。
また、請求項8に記載した発明によれば、
前記差動アンプの正側出力端と負側出力端にそれぞれ一端が接続された2つの抵抗と、
前記2つの抵抗の他端間に直列接続された2つのコンデンサが接続され、前記2つのコンデンサの接続点が前記オペアンプの非反転入力端子に接続されて構成され高周波ノイズを除去するローパスフィルタを、前記変換器本体に内蔵してなることにより、高周波ノイズが除去され、測定精度を向上させることができる。
本発明の第1の実施の形態に係るひずみゲージ式変換器の回路構成を示す回路図である。 図1に示すひずみゲージ式変換器に情報記憶媒体を内蔵させてなる第2の実施の形態に係るひずみゲージ式変換器に、ケーブルを介してひずみ測定器を接続した測定回路全体を示す回路図である。 従来の一般的なひずみゲージ式変換器の一例と、これに接続されるひずみ測定器の一例を示す回路図である。 従来のひずみゲージ式変換器とケーブルを介して接続される、ひずみ測定器内のブリッジ電源との関係を示す簡易回路図である。 リモートセンシング機能を有する従来のひずみ測定回路の一例を示す回路図である。
以下、本発明に係るひずみゲージ式変換器の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るひずみゲージ式変換器の回路構成を示す回路図であり、図2は、図1に示すひずみゲージ式変換器内に情報記憶媒体としてのTEDSを内蔵させてなる第2の実施の形態に係るひずみゲージ式変換器に、ケーブルを介してひずみ測定器に接続したひずみ測定システム全体を示す回路図である。
図1において、ひずみゲージ式変換器1は、物理量を電気量に変換する種類によって、その形態は、種々であるが、内部に起歪体やその起歪体に接着、蒸着、スパッタリング、融着等の各種の手段で添着されたひずみゲージその他以下に説明する電子部品、回路素子等が内蔵されるケーシングとしての変換器本体2を含んでいる。
図中、3は、この場合、4枚のひずみゲージG1、G2、G3、G4を用いて構成されたブリッジ回路(正式には、ホイートストンブリッジ回路であるが、本明細書では、単に「ブリッジ回路」と略称することとする)である。
より詳しく説明すると、ひずみゲージG1とG2の一端同士を接続し、ひずみゲージG3とG4の一端同士を接続し、ひずみゲージG2とG3の他端同士を接続し、ひずみゲージG1とG4の他端同士を接続する。
そして、ひずみゲージG1とG4との接続点をブリッジ回路3の正側入力端Aとし、ひずみゲージG2とG3との接続点をブリッジ回路3の負側入力端Cとする。
また、ひずみゲージG3とG4との接続点をブリッジ回路3の正側出力端Dとし、ひずみゲージG1とG2との接続点をブリッジ回路3の負側出力端Bとする。
図中4は、定電圧回路としての基準電圧回路であり、外部に配置されるブリッジ用電源の正側ラインLからIN端子に受け、一方の出力端OUTからブリッジ回路3の正側入力端Aと他方の出力端GNDからブリッジ回路3の負側入力端Cに一定電圧を印加する装置である。因みに、このような機能を有するものとして、リニアテクノロジー株式会社製の「電圧リファレンスIC(型式名:LTC6652)」が市販されており、本実施の形態においてこの製品を用いることができる。
この基準電圧回路4は、可能な限りブリッジ回路3の近傍に配置することが望ましい。
5は、ブリッジ回路3の出力信号を受けて、その出力信号を所定の利得をもって増幅して出力する差動アンプである。
即ち、この差動アンプ5は、ブリッジ回路3の正側出力端Dの出力を非反転入力端子に受け、他方、負側の出力端Bの出力を反転入力端子−に受け、そのブリッジ回路3から入力される電圧に所定の利得をもって増幅して、出力端OUTから出力する。
この差動アンプ5の正側電源端子+Vおよび負側電源端子−Vには、ブリッジ電源の正側ラインL1および負側ラインL2からそれぞれ正側電源および負側電源が供給される。
ブリッジ電源の正側ラインL1と負側ラインL2の間に介挿された2つの直列抵抗R5とR6からなる第1の分圧回路が形成されている。また、差動アンプ5の出力端子OUTとリファレンス端子REFとの間に介挿された2つの直列抵抗R3とR4からなる第2の分圧回路が形成されている。
6は、オペアンプであり、その非反転入力端子+は、第1の分圧回路の中点、即ち、第1の分圧回路の2つの分圧抵抗R5とR6の接続点に接続され、その反転入力端子は、第2の分圧回路の中点、即ち、2つの分圧抵抗R3とR4の接続点に接続され、その出力端子は、差動アンプ5のリファレンス端子REFに接続されている。
このオペアンプ6の正側電源端子+Vおよび負側電源端子−Vには、ブリッジ電源の正側ラインL1および負側ラインL2からそれぞれ正側電源および負側電源が供給される。
このように、差動アンプ5の出力端OUTとリファレンス端子REFとの間に接続された第2の分圧回路の中点に、ブリッジ電源の正、負ラインL1、L2間に接続された第1の分圧回路の中点電位をオペアンプ6の非反転端子と、イマージナルショート回路を形成するオペアンプ6の反転端子−とを介して注入する回路部分を、ここでは、平衡出力回路7と称することとする。
この平衡出力回路7の出力電圧は、差動アンプ5の出力端子OUTと、第2の分圧回路の負側端子、即ち、リファレンス端子REFとの間の電圧となる。
差動アンプ5の正側出力端OUTおよび負側出力端(リファレンス端子REF)には、2つの抵抗R7およびR8の一端が接続され、これらの抵抗R7およびR8の他端間に2つのコンデンサC1およびC2からなる直列回路が接続され、これら2つのコンデンサC1およびC2の接続点(中点)に、第1の分圧回路の中点が接続されてなり、このような回路素子をもって、高周波ノイズを除去するローパスフィルタ8が構成されている。
上述したようなブリッジ回路3、基準電圧回路4、差動アンプ5、オペアンプ6、平衡出力回路7、ローパスフィルタ8およびこれら回路素子間を接続する配線パターン等は、変換器本体2の内部に内蔵(収納)されている。
さらに、ブリッジ電源の正側入力端子および負側入力端子と、差動アンプ5(平衡出力回路7)の正側出力端子および負側出力端子と、変換器本体2に接続されたシールド線端子(これらは、いずれも図示されていない)を、変換器本体2に有しているものとし且つこれらの少なくとも5本の端子を信号伝達ケーブル(図示せず)に接続するための1つのコネクタを有しているものとする。
図2は、第1の実施の形態に係るひずみゲージ式変換器1およびTEDS11を含む第2の実施の形態に係るひずみゲージ式変換器が、ケーブル9を介してひずみ測定器10に接続された状態を示すひずみ測定システムを示す回路図である。
図2において、ひずみゲージ式変換器1の構成は、図1に示すひずみゲージ式変換器1と同じであるので、同一符号を付してその説明は省略する。
TEDS11は、Transducer Electronic Data Sheet:IEEE 1451.4)の略であり、ひずみゲージ式変換器1に組み込まれた電子データシートを指称し、内部に読み書き可能なメモリを持ち、ひずみゲージ式変換器1自身とその使用に関わる必要な情報を記憶することができる。
例えば、メーカの出荷時には、基本的な情報として、メーカ名、変換器の種類、型式、シリアル番号、校正値、感度等を入力しておくものとし、ユーザは、変換器情報、測定チャンネルID、ポイント、方向、タグ番号、測定モード、測定日時等の情報を追加して記憶させることができるように、構成されている。
このTEDS11は、一端を接地し、他端を接地電位より低い負電位を供給することにより、内部に記憶された上記の各情報を読み書きすることができる。
以下、上述のように構成された図1、図2に示すひずみゲージ式変換器1の作用(動作)について説明する。
差動アンプ5の正側端子+V、オペアンプ6の正側端子V、基準電圧回路4のIN端子は、ブリッジ電源(+)側に接続され、差動アンプ5の負側端子−V、オペアンプ6の負側端子−Vは、ブリッジ電源(−)側に接続されている。
差動アンプ5には、利得Agを変化させるゲイン抵抗R2が付設されている。また、ブリッジ回路3の負側入力端Cと電源の負側ラインL2との間に、ブリッジ回路3が平衡状態のときのブリッジ回路3の入力電圧が差動アンプ5の入力電圧範囲の中心になるように調整するための調整抵抗R1が介挿されている。
図1、図2に示す回路において、差動アンプ5の正側入力電圧をVd、負側入力電圧をVb、リファレンス電圧をVref、利得をAgとしたとき、正側出力電圧V5は、次の(4)式で表わされる。
V5=Ag(Vd−Vb)+Vref ………(4)
第1の分圧回路を構成する2つの抵抗R5と抵抗R6とを同じ抵抗値とすると、オペアンプ6のイマジナリショートにより、第1の分圧回路の中点の電位V3と、オペアンプ6の反転入力端−の電位V4とは、等しくなり、V3=V4となり、(5)式が成立する。
ここで、電源の正側ラインL1の電位をV1、負側ラインL2の電位をV2とする。
V3=V4=(V1−V2)/2 ……………(5)
また、差動アンプ5の出力電圧(=V5)からVrefに電流が流れるが、オペアンプ6の反転入力端子には電流が流れ込まないので、(V5−V4)間と(V4−Vref)間では、それぞれ流れる電流の電流値が等しいため、
(V5−V4)/R3=(V4−Vref)/R4
となる。ここで、第2の分圧回路を構成する2つの抵抗R3と抵抗R4を同じ抵抗器(従って同じ抵抗値)にすると、
V5−V4=V4−Vrefの関係
と、(5)式とにより、(6)式が成立する。
Vref=2×V4−V5
=2×{(V1−V2)/2}−V5
=(V1−V2)−V5 ……………(6)
ここで、(6)式を(4)式に代入すると、(7)式が得られる。
V5={Ag(Vd−Vb)+(V1−V2)}/2 ……………(7)
さらに、(7)式を(6)式に代入すると、(8)式が得られる。
Vref=(V1−V2)−{Ag(Vd−Vb)+(V1−V2)}/2
=−{Ag(Vd−Vb)−(V1−V2)}/2 …………(8)
一般的なひずみ測定装置の入力形態は、入カインピーダンスが極めて高い差動入力の形態であるので、V5=V6およびVref=V7と置き換えることが可能であり、(V6−V7)で表される差動出力電圧は、(9)式で与えられる。
差動出力電圧(V6−V7)= (7)式 − (8)式
= Ag(Vd−Vb) ……………(9)
よって、ひずみゲージ式変換器1でのAg(利得)を、できるだけ大きくすれば、外部に配置されるひずみ測定器10側の利得はあまり大きくしなくても良いため、ケーブルに混入したノイズが増幅され難くなる。
基準電圧回路4は、OUT端子とGND端子との間の電位差を一定の電位差に保つ基準電圧装置(定電圧回路)であり、ブリッジ回路3との間の電圧降下を防ぐため、ブリッジ回路Rの近傍に配置されることが望ましい。
ブリッジ回路3の正側入力端Aと負側入力端Cに印加される電圧(Va−Vc)は、常に基準電圧回路4のOUT端子とGND端子との間の電圧となるので、基準電圧回路4の規格(特に、出力電圧の電圧値に関する規格)を適当に選定することによって、ブリッジ回路3に印加される電圧(Va−Vc)を可変とすることもできる。
このように、基準電圧回路4を介することにより、ブリッジ電源(+)の電圧値は、実際にブリッジ回路3に印加される(Va−Vc)間の電圧値に殆ど影響を与えなくなり、ケーブル延長や、コネクタ接触抵抗の変化等による電圧降下の変化が及ぼす影響が極めて小さくなる。
さらに、ひずみ測定器10側で、ひずみゲージの最大入力電圧を超えるブリッジ電源電圧が設定されていても、基準電圧回路4を介して低電圧であって且つ一定電圧に変換することもできるので、ブリッジ回路3を構成する4枚のひずみゲージが焼損することを防ぐことも可能となる。
また、差動出力電圧(V6−V7)は、(9)式から、ゲイン抵抗R2の抵抗値によってAg(利得)を上げることが可能なため、ブリッジ回路3に印加する電圧は、従来よりも低電圧で動作させることができることになる。つまり、低消費電力化が可能となるので、4枚のひずみゲージに流れる電流を小さくすることができて、自己発熱による温度ドリフトの影響を軽減することができる。
また、基準電圧回路4の基準電圧装置は、安定性に優れているため、ひずみ測定器10側のブリッジ電源があまり整流されていなくても、あるいはブリッジ竃源ラインにノイズが混入されることがあっても、ひずみゲージ式変換器1内のブリッジ回路3には安定したブリッジ電源を供給することができる。
さらに、ブリッジ回路3から差動アンプ5までの距離を短くすることによって、ノイズが混入し難くなる。
調整抵抗R1には、定電流Iが流れる。この電流Iは、ブリッジ回路3の全体の抵抗値をRと置くと、(10)式で与えられる。
I=(Va−Vc)/R ……………………………………(10)
この電流Iは、全て調整抵抗R1に流れ込む。よって負側入力端CのVcは、(11)式となる。
Vc=V2+(I×R1) …………………………………(11)
(11)式に(10)式を代入すると、(12)式が得られる。
Vc=V2+R1{(Va−Vc)/R} ……………(12)
現在普及しているひずみ測定装置のブリッジ電源には、正負電源と正電源の2種類が存在する。
使用する計測器(ひずみ測定器)が正電源の場合、V2は0Vになる。その場合、差動アンプ5やオペアンプ6の−V電源も0Vとなるため、調整抵抗R1が接続されていない(即ち0Ωとする)と、差動アンプ5に入力される電圧が0V付近となってしまう。この場合、差動アンプ5が正常に動作する入力電圧の限界値を表す入力電圧範囲の仕様を満たさなくなる可能性がある。
これを防ぐために、調整抵抗R1を接続するが、この調整抵抗R1の抵抗値は、ブリッジ回路3が平衡状態の時の出力電圧を形成する正側入力電位Vdと負側入力電位Vbとの中間の電位が、差動アンプ5の入力電圧範囲のなるべく中心となるような抵抗値を選択することが望ましい。このような調整抵抗R1を接続することにより、差動アンプ5の動作範囲の飽和を防ぐことができるので、差動アンプ5の利得を大きくしつつも非直線性の精度を向上することが可能となる。
また、本実施の形態に係るひずみゲージ式変換器1は、正負電源と、正電源との両方の電源形態に対応することができ、且つブリッジ電源電圧の幅広い範囲を満足することができる。
また、上述したように、抵抗R7,R8およびコンデンサC1,C2は、高周波ノイズの除去のためのローパスフィルタ8としての機能や出力保護を目的として用いている。ひずみゲージ式変換器1の用途によって、遮断周波数の設定や、フィルタの次数の変更が可能である。また、抵抗とコンデンサの位置を逆にして実装することにより、加速度から変位を求める用途において、DC成分を除去するためのハイパスフィルタを構成することもできる。
なお、応用面での展開方法として、ひずみゲージ式変換器1内のスペースに余裕が有れば、AD変換器や無線ユニット等を内蔵することにより、デジタル出力変換器や、パソコンと汎用的な直流電源とを用いた、ひずみ測定器が不要で精度の高い無線ひずみ計測システムを構築することもできる。
本実施の形態に係るひずみゲージ式変換器1によれば、ケーブルの抵抗やコネクタの接触抵抗による電圧降下を自動的に補償する定電圧回路としての基準電圧回路4を介した所定の一定電圧値をブリッジ回路3の入力電圧とするため、ブリッジ電源電圧降下に起因する出力感度の誤差を極めて小さくすることができるという効果が有る。
また、ひずみゲージ式変換器1内に増幅器(差動アンプ)を備えているので、ひずみゲージ式変換器の段階でAg(利得)を上げることが可能となり、別途離間して設けられるひずみ測定器10内では利得を大きくする必要がなく、よって、従来のようにケーブルに混入したノイズまで増幅してしまうようなことが防げるので、ノイズが測定値に与える影響を極めて小さくすることが可能となる効果が有る。
また、正負電源および正電源の2種類のひずみ測定装置の使用が可能で、さらには幅広いブリッジ電源電圧に対応し、ブリッジ電源の電圧値に左右されずに安定した電圧を出力することができるため、入力電源電圧の許容範囲が広くなり、非常に汎用性が高いという効果が有る。
また、ブリッジ回路3に入力されるブリッジ電源の電圧値を低く抑えることができるため、消費電流が小さくなってひずみゲージG1〜G4の発熱量が少なくなり、よって、低消費電力で、且つ温度ドリフトを小さくできるという効果が有る。
さらに、ブリッジ回路3に入力されるブリッジ電源の電圧値を低く抑えることができるため、ひずみ測定器側で誤ったブリッジ電源の設定を行っても、ブリッジ回路3を構成するひずみゲージG1〜G4が焼損することを防ぐことができるという効果が有る。
このため、従来よりもケーブルの一層の延長が可能となることや、コネクタの変更を再校正なしで実施することも可能となる。また、ケーブル断線時には、不要となったひずみゲージ式変換器1のケーブル9をリサイクルして使用することも可能となる。
さらには、図5に示すようなリモートセンシング機能も不要となるので、ケーブルの芯数削減によるケーブルコストの抑制を実現することができる。
また、従来のリモートセンシング機能付きひずみゲージ式変換器ではコネクタピン数の制限、即ち、ひずみ測定で使用されるコネクタは、NDIS規格準拠では7ピンであることにより実現が困難であった、TEDSやセンサIDを搭載することが可能となる。
図2において、TEDS11は、変換器本体2に内蔵され、このTEDS11に記憶された情報を読み取ったり、外部から情報を記憶させたりするTEDS回路12は、ケーブル9を介して離間した位置に配置されるひずみ測定器10に内蔵されることになる。
尚、図2に示すように、ひずみ測定器10内には、ブリッジ電源16と、このブリッジ電源16の正側端子に非反転入力端子+に接続され、その反転入力端子−が出力端子に接続されると共にケーブル9を介して、ブリッジ電源の正側ラインL1と接続されてなるオペアンプ13が収納されている。
さらに、ブリッジ電源16の負側端子に非反転入力端子+に接続され、反転入力端子−が出力端子に接続されると共にケーブル9を介して、ブリッジ電源の負側ラインL2と接続されてなるオペアンプ14がひずみ測定器10内に収納されている。
さらにまた、このひずみ測定器10内には、差動アンプ5によって増幅されたブリッジ回路3によるひずみ検出出力に応じた信号を、さらに適宜する増幅器15が収納されている。
1 ひずみゲージ式変換器
2 変換器本体
3 ブリッジ回路
4 基準電圧回路
5 差動アンプ
6 オペアンプ
7 平衡出力回路
8 ローパスフィルタ
R1 調整抵抗
R2 ゲイン抵抗
R3、R4 第2の分圧回路の直列抵抗
R5、R6 第1の分圧回路の直列抵抗
R7、R8 抵抗
C1〜C2 コンデンサ
L1 ブリッジ電源の正側ライン
L2 ブリッジ電源の負側ライン
9 ケーブル
10 ひずみ測定器
11 TEDS
12 TEDS回路
13、14 オペアンプ

Claims (8)

  1. ひずみゲージを用いて荷重、力、圧力、加速度、振動、変位、トルク等の各種物理量を電圧出力に変換するひずみゲ―ジ式変換器において、
    変換器本体の内部に、
    少なくとも4枚の前記ひずみゲージをもって形成されるブリッジ回路と、
    外部からブリッジ電源の供給を受け前記ブリッジ回路の正側入力端と負側入力端に一定電圧を印加する基準電圧装置と、
    前記ブリッジ回路の出力信号を受けて、その出力信号を所定の利得をもって増幅して出力する差動アンプと
    を内蔵してなり、
    前記ブリッジ電源の正側入力端子および負側入力端子、前記差動アンプの正側出力端子および負側出力端子、前記変換器本体に接続されたシールド線端子を、前記変換器本体側に有し、前記の各端子は、共通の1つのコネクタと接続可能なるように構成されていることを特徴とするひずみゲ―ジ式変換器。
  2. 前記ブリッジ電源の正側ラインと負側ラインの間に介挿された2つの直列抵抗からなる第1の分圧回路と、前記差動アンプの出力端子とリファレンス端子の間に介挿された2つの直列抵抗からなる第2の分圧回路と、
    非反転入力端子が前記第1の分圧回路の中点に接続され、反転入力端子が前記第2の分圧回路の中点に接続され、出力端子が前記リファレンス端子に接続されてなるオペアンプを、
    前記変換器本体に内蔵してなることを特徴とする請求項1記載のひずみゲージ式変換器。
  3. 前記差動アンプおよび前記オペアンプの各正側端子に外部に設けられた前記ブリッジ電源の前記正側ラインから正側電源が供給され、前記差動アンプおよび前記オペアンプの各負側端子に前記ブリッジ電源の前記負側ラインから負側電源が供給されるように構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のひずみゲージ式変換器。
  4. 前記ブリッジ回路の負側入力端と前記電源の負側ラインとの間に、前記ブリッジ回路が平衡状態のときの前記ブリッジ回路の出力電圧が前記差動アンプの入力電圧範囲の中心になるように調整するための調整抵抗を介挿してなることを特徴とする請求項1に記載のひずみゲージ式変換器。
  5. 前記差動アンプには利得を変化させるゲイン抵抗を備えていることを特徴とする請求項1に記載のひずみゲージ式変換器。
  6. ひずみゲージ式変換器に関する情報が読み書き可能なTEDSのような情報記憶媒体が前記変換器本体にさらに内蔵されていることを特徴とする請求項1に記載のひずみゲージ式変換器。
  7. 前記ブリッジ電源の正側入力端子および負側入力端子、前記差動アンプの正側出力端子および負側出力端子、前記変換器本体に接続されたシールド線端子、前記情報記憶媒体に接続された2本の出力端子を、前記変換器本体側に有し、上記の各端子は、共通の1つのコネクタと接続可能なるように構成されていることを特徴とする請求項6に記載のひずみゲージ式変換器。
  8. 前記差動アンプの正側出力端と負側出力端にそれぞれ一端が接続された2つの抵抗と、
    前記2つの抵抗の他端間に直列接続された2つのコンデンサが接続され、前記2つのコンデンサの接続点が前記オペアンプの非反転入力端子に接続されて構成されてなるローパスフィルタを、前記変換器本体に内蔵してなることを特徴とする請求項1に記載のひずみゲージ式変換器。
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