JP2013174463A - 放射線計測装置、電子機器および携帯電話端末 - Google Patents

放射線計測装置、電子機器および携帯電話端末 Download PDF

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Abstract

【課題】ノイズの影響を排除して正確な計測が可能な放射線計測装置を実現する。
【解決手段】本発明に係る放射線計測装置1は、放射線検出部2と、放射線量計算部3とを備え、放射線検出部2は、放射線の入射に応じて電気信号を出力する放射線センサ4a・4bと、放射線センサ4bの出力信号から放射線センサ4aの出力信号を減算した信号に対応する値が、所定の範囲内でない場合に、パルスを出力するパルス出力回路部5とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体素子などを用いて放射線を検出することにより放射線量の計測を行うための放射線計測装置に関するものである。
放射線線量率計などの放射線計測装置として、半導体センサを用いた方式が広く使われている。この方式では、半導体センサに入射した放射線により励起された電流パルスを検知することで放射線量を計測している。しかしながら、検知対象の電流パルスは微弱であるため、微小なノイズが混入された場合であっても、放射線との区別がつかずにノイズを誤検出することがある。
図19は、従来の放射線計測装置101の概略構成を示すブロック図である。放射線計測装置101は、放射線検出部102および放射線量計算部103を備えている。放射線検出部102は、放射線を検出して放射線量計算部103にパルスを出力する。放射線量計算部103は、当該パルスに基づいて、放射線検出部102が検出した放射線量を計算する。
図20は、放射線検出部102の構成を示すブロック図である。放射線検出部102は、放射線センサ104、アンプ105およびコンパレータ106を備えている。放射線センサ104に放射線が入射すると、放射線センサ104に微弱な電流パルスが励起される。この電流パルスをアンプ105が増幅し、増幅された信号が、コンパレータ106に入力される。コンパレータ106は、入力信号としきい値電圧とを比較し、入力信号の電圧がしきい値電圧よりも高い場合、放射線に起因したパルスを出力する。放射線量計算部103は、コンパレータ106からのパルス出力をロジック回路でカウントし、放射線量を計算する。
しかしながら、検知対象となる電流パルスは微弱であるため、放射線検出部102に微小なノイズが混入されても、放射線量計算部103は、放射線との区別がつかずにノイズを誤検出することがある。
これに対し、下記の特許文献1においては、半導体素子を複数個並列接続して、放射線検出空間体積を増加させ、感度を向上させる方法が示されている。
特開2005−249483号公報(2005年9月15日公開)
しかしながら、特許文献1に開示されている方法では、半導体素子に混入する電磁的ノイズや機械振動に起因する圧電効果や浮遊容量変化によって電気ノイズが発生し、この電気ノイズと放射線を検知した時の電気的パルスとを間違える可能性が残るという課題がある。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、ノイズの影響を排除して正確な計測が可能な放射線計測装置を実現することにある。
上記の課題を解決するために、本発明に係る放射線計測装置は、放射線を検出してパルスを出力する放射線検出部と、上記パルスに基づいて放射線量を計算する放射線量計算部とを備える放射線計測装置であって、上記放射線検出部は、放射線の入射に応じて電気信号を出力する第1および第2の放射線センサと、第2の放射線センサの出力信号から第1の放射線センサの出力信号を減算した信号に対応する値が、0より大きい第1の値と0より小さい第2の値との間の範囲内でない場合に、上記パルスを出力するパルス出力回路部とを備えることを特徴としている。
通常、放射線は、時間的・空間的に離散して発生するので、上記の構成では、第1の放射線センサと第2の放射線センサとは、放射線に起因する電気信号を出力するタイミングが異なる。そのため、放射線検出部に放射線が入射した場合、第1の放射線センサの出力と第2の放射線センサの出力とは、異なる位相になるので、第2の放射線センサの出力信号から第1の放射線センサの出力信号を減算した値は、第1の値と第2の値との間の範囲から外れることとなる。よって、パルス出力回路部からパルスが出力される。
これに対し、機械振動や外部からの電磁波により発生する電気ノイズは、通常、第1および第2の放射線センサに同時に発生する。そのため、放射線検出部に機械振動等が加えられた場合、第1の放射線センサの出力と第2の放射線センサの出力とは、同じ位相になるので、第2の放射線センサの出力信号から第1の放射線センサの出力信号を減算した値は、第1の値と第2の値との間の範囲内となる。よって、パルス出力回路部からパルスは出力されない。
したがって、ノイズの影響を排除して正確な計測が可能な放射線計測装置を実現することができる。
本発明に係る放射線計測装置では、上記パルス出力回路部は、第2の放射線センサの出力から第1の放射線センサの出力を減算した信号に対応する電圧を出力する引き算器と、上記引き算器の出力電圧が第1の値以上である場合に、ハイレベルのパルス信号を出力する第1のコンパレータと、上記引き算器の出力電圧が第2の値以下である場合に、ハイレベルのパルス信号を出力する第2のコンパレータと、第1のコンパレータの出力と第2のコンパレータの出力との論理和を上記パルスとして出力するORゲート回路とを備えることが好ましい。
上記の構成によれば、放射線検出部に放射線が入射した場合、第1の放射線センサの出力と第2の放射線センサの出力とは、異なる位相になるので、引き算器の出力電圧は、第1の値と第2の値との間の範囲から外れることとなる。そのため、第1のコンパレータおよび第2のコンパレータのいずれかからハイレベルのパルス信号が出力され、ORゲート回路からパルスが出力される。よって、パルス出力回路部からパルスが出力される。
これに対し、放射線検出部に機械振動等が加えられた場合、第1の放射線センサの出力と第2の放射線センサの出力とは、同じ位相になるので、引き算器の出力電圧は、第1の値と第2の値との間の範囲内となる。そのため、第1のコンパレータおよび第2のコンパレータはいずれもハイレベルのパルス信号を出力せず、ORゲート回路からパルスは出力されない。よって、パルス出力回路部からパルスは出力されない。
本発明に係る放射線計測装置では、上記パルス出力回路部は、第1の放射線センサの出力を増幅する第1のアンプと、第2の放射線センサの出力を増幅する第2のアンプと、第2のアンプの出力電圧から第1のアンプの出力電圧を減算した信号を出力する引き算器と、上記引き算器の出力電圧が、第1の値に第2のアンプのゲインを乗じた値以上である場合に、ハイレベルのパルス信号を出力する第1のコンパレータと、上記引き算器の出力電圧が、第2の値に第1のアンプのゲインを乗じた値以下である場合に、ハイレベルのパルス信号を出力する第2のコンパレータと、第1のコンパレータの出力と第2のコンパレータの出力との論理和を上記パルスとして出力するORゲート回路とを備えることが好ましい。
上記の構成によれば、放射線検出部に放射線が入射した場合、第1のアンプの出力と第2のアンプの出力とは、異なる位相になるので、引き算器の出力電圧は、第1の値に第2のアンプのゲインを乗じた値と第2の値に第1のアンプのゲインを乗じた値との間の範囲から外れることとなる。そのため、第1のコンパレータおよび第2のコンパレータのいずれかからハイレベルのパルス信号が出力され、ORゲート回路からパルスが出力される。よって、パルス出力回路部からパルスが出力される。
これに対し、放射線検出部に機械振動等が加えられた場合、第1のアンプの出力と第2のアンプの出力とは、同じ位相になるので、引き算器の出力電圧は、第1の値に第2のアンプのゲインを乗じた値と第2の値に第1のアンプのゲインを乗じた値との間の範囲内となる。そのため、第1のコンパレータおよび第2のコンパレータはいずれもハイレベルのパルス信号を出力せず、ORゲート回路からパルスは出力されない。よって、パルス出力回路部からパルスは出力されない。
本発明に係る放射線計測装置では、上記パルス出力回路部は、第2の放射線センサの出力信号から第1の放射線センサの出力信号を減算した差分を増幅して出力する差動アンプと、上記差動アンプの出力電圧が、第1の値に上記差動アンプのゲインを乗じた値以上である場合に、ハイレベルのパルス信号を出力する第1のコンパレータと、上記差動アンプの出力電圧が、第2の値に上記差動アンプのゲインを乗じた値以下である場合に、ハイレベルのパルス信号を出力する第2のコンパレータと、第1のコンパレータの出力と第2のコンパレータの出力との論理和を上記パルスとして出力するORゲート回路とを備えることが好ましい。
上記の構成によれば、放射線検出部に放射線が入射した場合、第1の放射線センサの出力と第2の放射線センサの出力とは、異なる位相になるので、差動アンプの出力電圧は、第1の値に上記差動アンプのゲインを乗じた値と第2の値に上記差動アンプのゲインを乗じた値との間の範囲から外れることとなる。そのため、第1のコンパレータおよび第2のコンパレータのいずれかからハイレベルのパルス信号が出力され、ORゲート回路からパルスが出力される。よって、パルス出力回路部からパルスが出力される。
これに対し、放射線検出部に機械振動等が加えられた場合、第1の放射線センサの出力と第2の放射線センサの出力とは、同じ位相になるので、差動アンプの出力電圧は、第1の値に上記差動アンプのゲインを乗じた値と第2の値に上記差動アンプのゲインを乗じた値との間の範囲内となる。そのため、第1のコンパレータおよび第2のコンパレータはいずれもハイレベルのパルス信号を出力せず、ORゲート回路からパルスは出力されない。よって、パルス出力回路部からパルスは出力されない。
本発明に係る放射線計測装置では、第1の値と第2の値の絶対値とが等しくてもよい。
本発明に係る放射線計測装置では、第1の放射線センサと第2の放射線センサとは、上記放射線計測装置内において対称的に配置されることが好ましい。
上記の構成によれば、放射線計測装置に与えられた機械振動や電磁波は、第1の放射線センサおよび第2の放射線センサへ同等の影響を与える。したがって、電気的ノイズが発生すると、殆どの場合、第1の放射線センサの出力と第2の放射線センサの出力とは、同じ位相になる。よって、電気的ノイズが発生しても、パルス出力回路部からパルスが出力されることを極めて高い確率で防止できる。
本発明に係る放射線計測装置では、上記放射線量計算部は、上記パルスを計数して、計測時間内に計数したパルスの総数を出力する放射線計数部と、上記総数に基づいて放射線量を計算する計算部とを備え、上記放射線計数部は、一定の時間幅を持つタイムスロットごとに上記パルスの計数を行い、所定数以上のパルスが計数されたタイムスロットが存在する場合、当該タイムスロットおよびその前後のタイムスロットにおいて計数されたパルスの数を、上記総数に含めないことが好ましい。
上記のように、電気的ノイズが発生しても、パルス出力回路部からパルスが出力されることを極めて高い確率で防止できるが、ごく稀に、放射線検出部から電気的ノイズに起因するパルス(以下、「ノイズパルス」と記載)が出力される場合がある。ここで、放射線に起因する放射線パルスは離散的に発生する傾向があるのに対し、ノイズパルスは短時間に集中的に発生する傾向がある。
そこで、上記の構成では、あるタイムスロットにおいて所定数以上のパルスが計数された場合、放射線計数部は、当該タイムスロットおよびその前後のタイムスロットにおいて計数されたパルスの数を無視する。ノイズパルスは集中的に発生する傾向があるので、放射線計数部がノイズパルスを計数して、計算部の計算結果が不正確になることを防止できる。したがって、より正確な計測が可能となる。
本発明に係る放射線計測装置では、想定される最大量の放射線を上記放射線検出部が検出した場合に、ポアソン分布から推定された、放射線に起因したパルスである放射線パルスが1つのタイムスロットに上記所定数以上存在する確率が所定確率以下となるように、上記時間幅が設定されることが好ましい。
放射線の出現回数はポアソン分布にしたがうことが知られている。そのため、放射線パルスが1つのタイムスロットに上記所定数以上存在する確率をポアソン分布から推定し、当該確率が所定確率以下となるようにタイムスロットの時間幅を設定すれば、ノイズパルスが発生しない場合に、1つのタイムスロットに上記所定数以上のパルスが存在する確率を上記所定確率以下とすることができる。よって、上記所定確率を、0に近い確率とすることにより、放射線パルスが計数されない確率を極めて低くすることができ、より正確な計測が可能となる。
本発明に係る放射線計測装置では、上記計算部は、上記放射線パルスが上記総数に含まれない確率をポアソン分布から推定して、当該確率に基づいて上記放射線量を補正することが好ましい。
ノイズパルスの発生により計数されなかったパルスの中に、放射線パルスも含まれていた場合、算出される放射線量は、実際の放射線量よりも少なくなる。これに対し、上記の構成によれば、放射線パルスが上記総数に含まれない確率に基づいて放射線量を補正するので、計算部は、より正確な放射線量を計算することができる。
本発明に係る放射線計測装置では、上記計算部は、上記パルスが放射線に起因したパルスである放射線パルスのみであると仮定した場合における、当該タイムスロットにおいて計数されたパルスの数が上記総数に含まれないタイムスロットの数の、上記計測時間内におけるタイムスロットの総数に対する第1の割合と、当該タイムスロットにおいて計数されたパルスの数が上記総数に含まれないタイムスロットの数の、上記計測時間内におけるタイムスロットの総数に対する第2の割合とを計算し、第1の割合から第2の割合を減じた第3の割合が所定値より大きい場合、計算した放射線量を無効とすることが好ましい。
上記の構成によれば、第3の割合は、ノイズパルスの発生によりパルスが計数されなかったタイムスロットの全タイムスロットに占める割合と等しくなる。そのため、第3の割合が大きい場合、ノイズパルスの発生頻度が高く、放射線パルスの計数値の誤差が大きいと予測できる。そこで、第3の割合が所定値より大きい場合、計算された放射線量を無効とすることにより、誤った計測を行うことが防止できる。
本発明に係る放射線計測装置では、上記計算部は、上記パルスが放射線に起因したパルスである放射線パルスのみであると仮定した場合における、当該タイムスロットにおいて計数されたパルスの数が上記総数に含まれないタイムスロットの数の、上記計測時間内におけるタイムスロットの総数に対する第1の割合と、当該タイムスロットにおいて計数されたパルスの数が上記総数に含まれないタイムスロットの数の、上記計測時間内におけるタイムスロットの総数に対する第2の割合とを計算し、第1の割合から第2の割合を減じた第3の割合に基づいて、上記放射線量を補正することが好ましい。
上記の構成によれば、ノイズパルスの発生によりパルスが計数されなかったタイムスロットの全タイムスロットに占める割合である第3の割合に基づいて、放射線量が補正されるので、放射線計測値の精度をより高めることができる。
本発明に係る放射線計測装置では、上記放射線検出部および上記放射線計数部を、それぞれ複数ずつ備えることが好ましい。
上記の構成によれば、複数の放射線検出部のいずれかからノイズパルスが出力されても、放射線検出部および放射線計数部をそれぞれ1つずつ備える構成に比べ、ノイズの影響をさらに軽減することができる。
本発明に係る放射線計測装置では、上記放射線センサは、半導体センサであることが好ましい。
本発明に係る放射線計測装置では、上記半導体センサは、PINフォトダイオードであることが好ましい。
上記の構成によれば、小型で安価な放射線計測装置を提供することができる。
本発明に係る放射線計測装置では、上記半導体センサは、シンチレータとフォトダイオードとを備えていることが好ましい。
上記の構成によれば、より感度の高い放射線計測装置を提供することができる。
本発明に係る電子機器は、上記いずれかの放射線計測装置を備えている。
本発明に係る携帯電話端末は、上記いずれかの放射線計測装置を備えている。
以上のように、本発明に係る放射線計測装置は、放射線を検出してパルスを出力する放射線検出部と、上記パルスに基づいて放射線量を計算する放射線量計算部とを備える放射線計測装置であって、上記放射線検出部は、放射線の入射に応じて電気信号を出力する第1および第2の放射線センサと、第2の放射線センサの出力信号から第1の放射線センサの出力信号を減算した信号に対応する値が、0より大きい第1の値と0より小さい第2の値との間の範囲内でない場合に、上記パルスを出力するパルス出力回路部とを備える構成である。したがって、ノイズの影響を排除して正確な計測が可能な放射線計測装置を実現できるという効果を奏する。
本発明の第1の実施形態に係る放射線計測装置の一例を示すブロック図である。 図1に示す放射線計測装置の放射線検出部の構成を示すブロック図である。 図2に示す放射線検出部に機械振動が加えられた場合の、パルス出力回路部の回路応答の一例を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係る放射線検出部の一例を示すブロック図である。 本発明の第3の実施形態に係る放射線検出部の一例を示すブロック図である。 本発明の第4の実施形態に係る放射線計測装置の構成を示す平面図である。 図5に示す放射線検出部に機械振動が加えられた場合の、パルス出力回路部の回路応答の一例を示す図である。 本発明の第5の実施形態に係る放射線計測装置の構成を示すブロック図である。 図8に示す放射線計測装置の放射線計数部によるパルスの計数方法を説明するための図である。 上記放射線計数部によるパルスの計数方法を説明するための図である。 上記放射線計数部の構成例を示すブロック図である。 本発明の第7の実施形態に係る放射線計測装置の構成を示すブロック図である。 図12に示す放射線計測装置の放射線計数部の構成例を示すブロック図である。 図13に示す放射線計数部によるパルスの計数方法を説明するための図である。 本発明の第9の実施形態に係る放射線計測装置の一例を示すブロック図である。 放射線センサとしてPINフォトダイオードを用いた放射線検出部の一例を示すブロック図である。 放射線センサの他の例を示す斜視図である。 本発明の第11の実施形態に係る携帯電話端末を示すブロック図である。 従来の放射線計測装置の構成を示すブロック図である。 図19に示す放射線計測装置の放射線検出部の構成を示すブロック図である。
〔第1の実施形態〕
本発明の第1の実施形態について図1〜図3に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
(放射線計測装置の構成)
図1は、本実施形態に係る放射線計測装置1の一例を示すブロック図である。放射線計測装置1は、放射線検出部2および放射線量計算部3を備えている。
放射線検出部2は、2組の放射線センサ4a・4bおよびパルス出力回路部5を備えており、放射線を検出して放射線量計算部3にパルスを出力する放射線検知器として機能する。放射線量計算部3は、当該パルスに基づいて、放射線検出部2が検出した放射線量を計算する。放射線量計算部3は、図19に示す従来の放射線量計算部103と略同様の構成である。
(放射線検出部の構成)
図2は、放射線検出部2の構成を示すブロック図である。前述のように、放射線検出部2は、2組の放射線センサ4a・4bおよびパルス出力回路部5を備えている。パルス出力回路部5は、引き算器6、2組のコンパレータ7a・7bおよびORゲート8を備えている。
放射線センサ4aは、引き算器6の負入力端子に接続されており、放射線センサ4bは、引き算器6の正入力端子に接続されている。引き算器6の出力端子は、コンパレータ7aの正入力端子およびコンパレータ7bの負入力端子に接続されている。
コンパレータ7aの負入力端子には正のしきい値電圧Vth(第1の値)が入力され、コンパレータ7bの正入力端子には負のしきい値電圧−Vth(第2の値)が入力される。コンパレータ7a・7bの各出力端子は、ORゲート8の入力端子に接続されている。
以上の構成において、放射線センサ4a・4bに放射線が入射すると、放射線センサ4a・4bは、電気信号(電流パルス)を出力する。引き算器6は、放射線センサ4bの出力信号から放射線センサ4aの出力信号を減算した信号に対応する電圧信号を出力する。
コンパレータ7aは、引き算器6の出力電圧がVth以上である場合に、ハイレベルのパルス信号を出力する。また、コンパレータ7bは、引き算器6の出力電圧が−Vth以下である場合に、ハイレベルのパルス信号を出力する。ORゲート8は、コンパレータ7aの出力とコンパレータ7bの出力との論理和をパルス信号として出力する。ORゲート8の出力信号は、パルス出力回路部5の出力となる。
このように、パルス出力回路部5は、放射線センサ4bの出力信号から放射線センサ4aの出力信号を減算した信号に対応する電圧値が、Vthと−Vthとの間の範囲内でない場合に、パルスを出力する。
(放射線が入射した場合)
通常、放射線は、時間的・空間的に離散して発生するので、放射線センサ4aと放射線センサ4bとは、放射線に起因する電気信号を出力するタイミングが異なる。
そのため、図2に示すように、放射線センサ4a・4bに放射線が順次入射した場合、引き算器6の負入力端子および正入力端子には、異なるタイミングで信号が入力され、引き算器6は、向きの異なる2つのピークを持つ信号を出力する。それらのピークの電圧が、Vth以上または−Vth以下である場合、各コンパレータ7a・7bから1つのパルスが出力される。これらのパルスは、ORゲート8において統合され、ORゲート8から2つのパルスが出力される。
(電気ノイズが発生した場合)
これに対し、機械振動や外部からの電磁波により発生する電気ノイズは、通常、放射線センサ4a・4bに同時に発生する。
例えば、図3に示すように、機械振動による電気ノイズが放射線センサ4a・4bに同時に発生した場合、引き算器6の負入力端子および正入力端子には、同様の波形の信号がそれぞれ入力される。そのため、これらの信号は引き算器6においてキャンセルされ、引き算器6の出力電圧が、Vth以上または−Vth以下になることはない。よって、ORゲート8からパルスは出力されない。
(まとめ)
以上のように、本実施形態に係る放射線計測装置1は、放射線を検出してパルスを出力する放射線検出部2と、上記パルスに基づいて放射線量を計算する放射線量計算部3とを備える放射線計測装置であって、放射線検出部2は、放射線の入射に応じて電気信号を出力する放射線センサ4a・4bと、放射線センサ4bの出力信号から放射線センサ4aの出力信号を減算した信号に対応する電圧値が、Vthと−Vthとの間の範囲内でない場合に、上記パルスを出力するパルス出力回路部5とを備える構成である。
この構成において、放射線が放射線検出部2に入射した場合は、通常、放射線センサ4a・4bから電気信号が出力されるタイミングが異なる。よって、それらの信号が引き算器6においてキャンセルされる確率は極めて低く、放射線センサ4a・4bからの各出力に対応したパルスがORゲート8から出力される。一方、機械振動や外部からの電磁波による電気ノイズが放射線センサ4a・4bに発生した場合は、放射線センサ4a・4bから同様の波形の信号が出力されるため、それらの信号が引き算器6においてキャンセルされ、ORゲート8からパルスは出力されない。
したがって、ノイズの影響を排除して正確な計測が可能な放射線計測装置を実現することができる。
なお、しきい値電圧Vthとしきい値電圧−Vthの絶対値とは、異なってもよいし、等しくてもよい。
〔第2の実施形態〕
本発明の第2の実施形態について図4に基づいて説明すれば、以下のとおりである。本実施形態では、放射線検出部の他の構成例について説明する。
(放射線検出部の構成)
図4は、本実施形態に係る放射線検出部12の構成を示すブロック図である。放射線検出部12は、2組の放射線センサ4a・4bおよびパルス出力回路部15を備えている。パルス出力回路部15は、引き算器6、2組のコンパレータ7a・7bおよびORゲート8および2組のアンプ9a・9bを備えている。
放射線センサ4aは、アンプ9aを介して引き算器6の負入力端子に接続されており、放射線センサ4bは、アンプ9bを介して引き算器6の正入力端子に接続されている。放射線センサ4aおよびアンプ9aは、フロントエンド部10aを構成しており、放射線センサ4bおよびアンプ9bは、フロントエンド部10bを構成している。アンプ9aのゲインはGaであり、アンプ9bのゲインはGbである。GaとGbとは異なってもよいし、等しくてもよい。引き算器6の出力端子は、コンパレータ7aの正入力端子およびコンパレータ7bの負入力端子に接続されている。
コンパレータ7aの負入力端子には、しきい値電圧VthにGbを乗じた値の電圧が入力され、コンパレータ7bの正入力端子には、しきい値電圧−VthにGaを乗じた値の電圧が入力される。コンパレータ7a・7bの各出力端子は、ORゲート8の入力端子に接続されている。
(放射線検出部の動作)
以上の構成において、放射線センサ4a・4bに放射線が入射すると、放射線センサ4a・4bは、電気信号(電流パルス)を出力する。アンプ9aは、放射線センサ4aの出力を増幅して引き算器6の負入力端子に出力する。アンプ9bは、放射線センサ4bの出力を増幅して引き算器6の正入力端子に出力する。引き算器6は、アンプ9bの出力電圧からアンプ9aの出力電圧を減算した信号を出力する。
コンパレータ7aは、引き算器6の出力電圧がVth×Gb以上である場合に、ハイレベルのパルス信号を出力する。また、コンパレータ7bは、引き算器6の出力電圧が−Vth×Ga以下である場合に、ハイレベルのパルス信号を出力する。ORゲート8は、コンパレータ7aの出力とコンパレータ7bの出力との論理和をパルス信号として出力する。ORゲート8の出力信号は、パルス出力回路部15の出力となる。
このように、パルス出力回路部15は、第1の実施形態に係るパルス出力回路部5と同様に、放射線センサ4bの出力信号から放射線センサ4aの出力信号を減算した信号に対応する電圧値が、Vthと−Vthとの間の範囲内でない場合に、パルスを出力する。
そのため、第1の実施形態において説明したように、放射線が放射線検出部12に入射した場合は、通常、放射線センサ4a・4bから電気信号が出力されるタイミングが異なる。よって、アンプ9a・9bからの各出力信号が引き算器6においてキャンセルされる確率は極めて低く、放射線センサ4a・4bからの各出力に対応したパルスがORゲート8から出力される。一方、機械振動や外部からの電磁波による電気ノイズが放射線センサ4a・4bに発生した場合は、放射線センサ4a・4bから同様の波形の信号が出力されるため、アンプ9a・9bからの各出力信号が引き算器6においてキャンセルされ、ORゲート8からパルスは出力されない。
したがって、ノイズの影響を排除して正確な計測が可能な放射線計測装置を実現することができる。
また、本実施形態では、放射線センサ4a・4bが発生する各電流信号をそれぞれアンプ9a・9bで増幅して引き算器6に入力するため、放射線センサ4a・4bが発生する電流信号が微弱であっても、精度よく放射線を検出することができる。
〔第3の実施形態〕
本発明の第3の実施形態について図5に基づいて説明すれば、以下のとおりである。本実施形態では、放射線検出部のさらに他の構成例について説明する。
(放射線検出部の構成)
図5は、本実施形態に係る放射線検出部22の構成を示すブロック図である。放射線検出部22は、2組の放射線センサ4a・4bおよびパルス出力回路部25を備えている。パルス出力回路部25は、差動アンプ26、2組のコンパレータ7a・7bおよびORゲート8および2組のアンプ9a・9bを備えている。
放射線センサ4aは、差動アンプ26の負入力端子に接続されており、放射線センサ4bは、差動アンプ26の正入力端子に接続されている。差動アンプ26のゲインはGである。差動アンプ26の出力端子は、コンパレータ7aの正入力端子およびコンパレータ7bの負入力端子に接続されている。
コンパレータ7aの負入力端子にはしきい値電圧VthにGを乗じた値の電圧が入力され、コンパレータ7bの正入力端子には、しきい値電圧−VthにGを乗じた値の電圧が入力される。コンパレータ7a・7bの各出力端子は、ORゲート8の入力端子に接続されている。
(放射線検出部の動作)
以上の構成において、放射線センサ4a・4bに放射線が入射すると、放射線センサ4a・4bは、電気信号(電流パルス)を出力する。差動アンプ26は、放射線センサ4bの出力信号から放射線センサ4aの出力信号を減算した差分を増幅して出力する。
コンパレータ7aは、差動アンプ26の出力電圧がVth×G以上である場合に、ハイレベルのパルス信号を出力する。また、コンパレータ7bは、差動アンプ26の出力電圧が−Vth×G以下である場合に、ハイレベルのパルス信号を出力する。ORゲート8は、コンパレータ7aの出力とコンパレータ7bの出力との論理和をパルス信号として出力する。ORゲート8の出力信号は、パルス出力回路部25の出力となる。
このように、パルス出力回路部25は、第1の実施形態に係るパルス出力回路部5と同様に、放射線センサ4bの出力信号から放射線センサ4aの出力信号を減算した信号に対応する電圧値が、Vthと−Vthとの間の範囲内でない場合に、パルスを出力する。
そのため、第1の実施形態において説明したように、放射線が放射線検出部22に入射した場合は、通常、放射線センサ4a・4bから電気信号が出力されるタイミングが異なる。よって、それらの信号が差動アンプ26においてキャンセルされる確率は極めて低く、放射線センサ4a・4bからの各出力に対応したパルスがORゲート8から出力される。一方、機械振動や外部からの電磁波による電気ノイズが放射線センサ4a・4bに発生した場合は、放射線センサ4a・4bから同様の波形の信号が出力されるため、それらの信号が差動アンプ26においてキャンセルされ、ORゲート8からパルスは出力されない。
したがって、ノイズの影響を排除して正確な計測が可能な放射線計測装置を実現することができる。
また、本実施形態では、放射線センサ4a・4bが発生する各電流信号の差分を差動アンプ26で増幅するため、放射線センサ4a・4bが発生する電流信号が微弱であっても、精度よく放射線を検出することができる。
〔第4の実施形態〕
本発明の第4の実施形態について図6に基づいて説明すれば、以下のとおりである。本実施形態では、放射線計測装置の部品配置について説明する。
図6は、本実施形態に係る放射線計測装置1aの構成を示す平面図である。放射線計測装置1aは、図1に示す放射線計測装置1において、パルス出力回路部5を、図5に示すパルス出力回路部25に置き換えたものである。放射線計測装置1aの構成部品は、回路基板20上に実装される。具体的には、放射線センサ4a・4b、差動アンプ26、コンパレータ7a・7bおよびロジック回路28が回路基板20上に実装されることにより、放射線計測装置1aが構成されている。ロジック回路28は、図5に示すORゲート8および図1に示す放射線量計算部3に対応する。
放射線センサ4a・4b、差動アンプ26、コンパレータ7a・7bおよびロジック回路28は、回路基板20を上下に2等分する一点鎖線に関して線対称に配置されている。すなわち、放射線センサ4aと放射線センサ4bとは、放射線計測装置1a内において対称的に配置されており、放射線センサ4aの出力と放射線センサ4bの出力とは、差動アンプ26の別々の差動入力端子に入力される。
このように、放射線センサ4aと放射線センサ4bとを、機械的および電気的に同等になるように配置することにより、放射線計測装置1aに与えられた機械振動や電磁波は、放射線センサ4aおよび放射線センサ4bへ同等の影響を与える。これにより、電気的ノイズが発生すると、殆どの場合、差動アンプ26の2つの差動入力端子には、互いに同相の信号が入力され、これらの信号は差動アンプ26においてキャンセルされる。
〔第5の実施形態〕
本発明の第5の実施形態について図7〜図11に基づいて説明すれば、以下のとおりである。前記の各実施形態では、電気的ノイズが発生した場合に、放射線検出部の引き算器または差動アンプにおいて、電気的ノイズをキャンセルすることにより、ノイズの影響を排除する構成について説明した。しかしながら、実際には、全ての電気的ノイズが放射線検出部でキャンセルできるわけではなく、ごく稀に、放射線検出部から電気的ノイズに起因するパルス(以下、「ノイズパルス」と記載)が出力される場合がある。
例えば、放射線計測装置1に局所的に機械振動が加えられた場合、2つの放射線センサからの電気信号の位相がずれる場合がある。具体的には、図7に示す放射線検出部22において、一方の放射線センサ4aに近接した位置で機械振動が加えられた場合、放射線センサ4bが発生する電気信号の位相は、放射線センサ4aが発生する電気信号の位相よりも遅れることとなる。そのため、差動アンプ26は、放射線センサ4a・4bからの各信号をキャンセルすることができずに、放射線検出部22(ORゲート8)からノイズパルスが出力される。
また、2つの放射線センサ4a・4bの配置が、機械的および電気的に同等ではない場合も、機械振動の伝搬に差が生じる。そのため、機械振動が原因で放射線センサ4a・4bから発生する各電気信号の位相に差が生じて、それらの信号を差動アンプ26で効果的にキャンセルできなくなる可能性が大きくなる。
そこで、本実施形態では、放射線検出部からノイズパルスが出力された場合であっても、正確な計測を可能とする構成について説明する。
(放射線計測装置の構成)
図8は、本実施形態に係る放射線計測装置11の構成を示すブロック図である。放射線計測装置11は、放射線検出部22および放射線計算部13を備えている。
放射線検出部22の構成は、図5および図7に示すものと同一であるので、その説明を省略する。
放射線計算部13は、放射線計数部30および計算部40を備えている。
放射線計数部30は、放射線検出部22からのパルスを計数して、計測時間内に計数したパルスの総数(以下、「パルスカウント数」と記載)を出力するものであり、図9に示すように、一定の時間幅を持つタイムスロット(以下、「スロット」と記載)ごとに、放射線検出部22から出力されるパルスの計数を行う。放射線計数部30は、処理スロット数およびパルスカウント数を示すデータを計算部40に出力する。
計算部40は、放射線計数部30からのデータに基づいて、計測時間内に放射線センサ4a・4bに入射した放射線量を計算する。計算部40は、例えばパーソナルコンピュータのソフトウェアとして実現することができる。
放射線は空間的および時間的に離散して発生する傾向があり、放射線の出現回数はポアソン分布にしたがうことが知られている。具体的には、放射線に起因したパルス(以下、「放射線パルス」と記載)の数を一定の時間幅を持つスロットごとに計数した場合の、スロット当たりの平均カウント数をλとするとき、各スロットに発生するパルス数Xがkとなる確率Pは、
Figure 2013174463
で与えられる。例として、幾つかのλに対する確率分布を表1に示す。
Figure 2013174463
λが十分小さくなるようなスロット幅を選ぶと、図9に示すように対象スロットに単独で発生する放射線パルスのみを計数しても、実用上問題ない精度で放射線パルスを計測できる。
すなわち、想定される最大量の放射線を放射線検出部22が検出した場合に、ポアソン分布から推定された、放射線パルスが1つのスロットに所定数以上存在する確率が所定確率以下となるように、スロットの時間幅が設定される。このようにスロットの時間幅を設定すれば、ノイズパルスが発生しない場合に、1つのタイムスロットに上記所定数以上のパルスが存在する確率を、上記所定確率以下とすることができる。例えば、上記所定数が2であり、上記所定確率が0.001以下となるようにする場合、想定される最大量の放射線を放射線検出部22が検出した場合に、λが0.0500以下となるような時間幅に設定する。このように、上記所定確率を0に近い確率とすることにより、放射線パルスが計数されない確率を低くすることができる。
(ノイズパルスの除外)
また、前述のように、放射線検出部22は、放射線パルス以外にノイズパルスを出力することがある。
これに対し、放射線計数部30は、所定数(本実施形態では2)以上のパルスが計数されたスロットが存在する場合、当該スロットおよびその前後のスロットにおいて計数されたパルスの数を、パルスカウント数に含めない(計数の和から除外する)ように構成されている。具体的には、図10に示すように、対象スロットに複数のパルスが発生すれば、当該対象スロット、ならびに、当該対象スロットの前スロットおよび後スロットの計数値を無視する。
放射線は離散的に発生する傾向があるのに対し、ノイズパルスは短時間に集中的に発生する傾向がある。そのため、対象スロットに複数のパルスが発生した場合に、当該対象スロット、ならびに、当該対象スロットの前スロットおよび後スロットの計数値を無視することにより、ノイズパルスを計数することを防止することができる。
(放射線計数部30の構成例)
以上の処理を実現するための計数アルゴリズムについて、図11を参照して説明する。図11は、放射線計数部30の構成例を示すブロック図である。放射線計数部30は、Nsカウンタ31、デマルチプレクサ32、2ビットのカウンタ33(0)・33(1)・33(2)、判定回路部34およびNcカウンタ35を備えている。
Nsカウンタ31には、スロットの時間幅を周期とするクロックが入力される。Nsカウンタ31は、当該クロックをカウントすることで、計測時間内におけるスロットの処理数Ns(以下、「処理スロット数Ns」と記載)をカウントする。処理スロット数Nsは、デマルチプレクサ32および図8に示す計算部40に出力される。
デマルチプレクサ32は、処理スロット数Nsに基づいて、放射線検出部22からのパルス出力を、3つのカウンタ33(0)・33(1)・33(2)のいずれかに入力する。具体的には、デマルチプレクサ32は、Ns=3n(nは整数)である場合、カウンタ33(0)を選択し、Ns=3n+1である場合、カウンタ33(1)を選択し、Ns=3n+2である場合、カウンタ33(2)を選択する。すなわち、第Ns番目に処理するスロットのパルス計数値が、カウンタ33(Ns mod 3)に記憶される。なお、Ns mod 3は、Nsを3で割った余りを示し、0≦Ns mod 3≦2である。ただし、1つの処理スロットに3個以上のパルスが発生した場合は、パルス数に関わらず、当該処理スロットのパルス計数値を3とする。
これにより、カウンタ33(0)・33(1)・33(2)はそれぞれ、各時刻における処理対象スロットとその前後のスロットのパルス計数値を記憶する。
判定回路部34は、各カウンタ33(0)・33(1)・33(2)に記憶された値に基づいて、処理対象スロットのパルス計数値を、計算部40に出力されるパルスカウント数に加えるか否かを判定するロジック回路である。第Ns+1番目のスロットの処理が完了した後、判定回路部34は、第Ns番目のスロットのパルス計数値を計測値に加えるか否かを判定する。具体的には、判定回路部34は、
[カウンタ33(Ns mod 3)の計数値=1] ∧[カウンタ33(Ns−1 mod 3)の計数値≦1] ∧[カウンタ33(Ns+1 mod 3)の計数値≦1]
が成立した場合のみ、Ncカウンタ35にハイレベルのパルス信号を出力する。これにより、Ncカウンタ35は、計算部40に出力するパルスカウント数を1増やす。
上記の処理により、図8に示す放射線計数部30から計算部40に出力されるパルスカウント数から、ノイズパルスを除外することができる。このように、放射線計測装置11は、放射線検出部22において電気的ノイズがキャンセルできなかった場合であっても、放射線計数部30がノイズパルスを無視するので、機械振動および電磁波等によるノイズにより計測結果が不正確になることを防止できる。したがって、計測精度をさらに高めることができる。
なお、スロットの時間幅を短くしすぎると、ノイズパルスが発生した場合に、1スロットにノイズパルスが2以上存在する確率が低くなる。すなわち、1スロットにノイズパルスが1つだけ存在する確率が高くなるので、ノイズパルスが発生しても、ノイズパルスを計数してしまう可能性が高くなる。
〔第6の実施形態〕
本発明の第6の実施形態について説明すれば、以下の通りである。前述の第5の実施形態における処理では、本来計数すべき放射線パルスも計数から一定の確率で除外されてしまうことになる。そこで、第6の実施形態では、漏れの確率(放射線パルスがパルスカウント数に含まれない確率)を推定して、当該確率に基づいて放射線量を補正することで、より正確な計測を可能としている。
スロット当たりの平均カウント数がλとなるような放射線量条件(すなわち、確率分布が下記の数2を満たす条件)において第5の実施形態の処理を行うと、2個以上のパルスが観測されたスロットおよびその前後のスロットで発生したパルスが計数から除外される。
Figure 2013174463
そのため、長時間にわたり計数した時の平均計数値の期待値μは、
μ=P(X=1)×{P(X=0)+P(X=1)}
で算出される値となる。これは、計数対象スロットのパルス観測値が1で、かつ前後のスロットのパルス観測値が0または1となる確率である。異なる値のλに対しμを計算し、第5の実施形態による処理により、本来計数されるべき放射線パルスが除去されたことによるロス率の期待値(1−μ/λ)を求めると表2のようになる。
Figure 2013174463
表2からλがロス率の期待値の適当な近似値となることがわかる。したがって、
λ=1−μ/λ
であり、μ<0.25の条件のもと、これをλについて解くと、
Figure 2013174463
となる。数3で求められるλを放射線パルスのスロット当たりの平均発生率として用いることにより、ロスが補正された計測値を求めることができる。
〔第7の実施形態〕
本発明の第7の実施形態について図12〜図14に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記の各実施形態において説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
(放射線計測装置の構成)
図12は、本実施形態に係る放射線計測装置11aの一例を示すブロック図である。放射線計測装置11aは、放射線検出部22および放射線量計算部13aを備えており、放射線量計算部13aは、放射線計数部30aおよび計算部40aを備えている。放射線計数部30aは、処理スロット数およびパルスカウント数に加え、除去スロット数をさらに出力するように構成されている。除去スロット数は、実際の計測時にパルスが発生したにもかかわらず当該パルスが計測から除外されたスロットの数を意味する。
(放射線計数部の構成)
図13は、放射線計数部30aの構成例を示すブロック図である。放射線計数部30aは、Nsカウンタ31、デマルチプレクサ32、2ビットのカウンタ33(0)・33(1)・33(2)、判定回路部34、Ncカウンタ35、判定回路部36およびNdカウンタ37を備えている。すなわち、放射線計数部30aは、図11に示す放射線計数部30において、判定回路部36およびNdカウンタ37をさらに備えた構成である。
判定回路部36は、各カウンタ33(0)・33(1)・33(2)に記憶された値に基づいて、実際の計測時にパルスが発生したにもかかわらず当該パルスが計測から除外された除去スロットの有無を判定するロジック回路である。第Ns+1番目のスロットの処理が完了した後、判定回路部36は、
[2≦カウンタ33(Ns mod 3)の計数値] ∨[(1≦カウンタ33(Ns mod 3)の計数値)∧{(2≦カウンタ33(Ns−1 mod 3)の計数値)∨(2≦カウンタ33(Ns+1 mod 3)の計数値)}]
が成立した場合のみ、Ndカウンタ37にハイレベルのパルス信号を出力する。これにより、Ndカウンタ37は、計算部40aに出力する除去スロット数Ndを1増やす。
図12に示す計算部40aは、放射線計数部30aから入力される処理スロット数、パルスカウント数、および除去スロット数に基づいて放射線量を計算する。具体的には、計算部40aは以下の処理を行う。
(計算部の処理)
図14に示すように、ノイズ除去のために除去されるスロットに、本来カウントされるべき放射線パルスが含まれた場合、カウント数が実際の放射線パルスの数よりも少なくなる(ロスする)。まず、ノイズパルスが無かった場合に、パルスが発生したスロットが無視される割合(第2の割合)D(λ)を求めると、
D(λ)=P(X>1)+P(X=1){2P(X>1)−P(X>1)
となる。さらに、異なる値のλに対してD(λ)を求めると表3のようになる。
Figure 2013174463
続いて、計算部40aは、除去スロット数Ndを放射線計数部30aから取得し、除去スロット数Ndの全処理スロット数Nsに占める割合(第1の割合)であるスロット除去率E(=Nd/Ns)を求める。スロット除去率EがD(λ)より大きければ、ノイズパルスによりスロットが計測から除外されたと推定される。したがって、ノイズパルスによりスロットが計測から除外された割合(第3の割合)Qは、Q=E−D(λ)で計算される。
ここで、ノイズパルスの発生と放射線パルスの発生とは無相関のため、スロット除去に起因した放射線パルスのロス率は割合Qに等しいと推定される。したがって割合Qが大きい場合、ノイズパルスの発生頻度が高く、放射線パルスの計数値の誤差が大きいと予測できる。
そこで、計算部40aは、割合Qを計数値の信頼性を判定するための指標として用いる。例えば、ある計測期間における割合Qが所定値(例えば、0.01)より大きい場合、計算部40aは、その期間の放射線パルスの計数結果は信頼性が乏しいとして計測を無効にする。換言すると、計算部40aは、パルスが放射線パルスのみであると仮定した場合における、当該スロットにおいて計数されたパルスの数がパルスカウント数に含まれないスロットの数の、計測時間内におけるスロットの総数に対する第1の割合(D(λ))と、当該スロットにおいて計数されたパルスの数がパルスカウント数に含まれないスロットの数の、計測時間内におけるスロットの総数に対する第2の割合(E)とを計算し、第1の割合から第2の割合を減じた第3の割合(Q)が所定値より大きい場合、計算した放射線量を無効とする。
これにより、誤った計測を行うことが防止できる。
〔第8の実施形態〕
本発明の第8の実施形態について説明すれば、以下のとおりである。本実施形態では、第7の実施形態において得られた割合Qを用いて放射線量を補正する。すなわち、本来計数すべき放射線パルスが計数から漏れた確率を予測することで、より精度の高い放射線計測値を求めることができる。
具体的には、ロスを補正したスロット当たりカウントνは、ν=λ/(1−Q)で近似的に求められる。この値を放射線パルスのスロット当たりの平均発生率として用いることで、放射線計測値の精度をより高めることができる。
〔第9の実施形態〕
本発明の第9の実施形態について図15に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
図15は、本実施形態に係る放射線計測装置11bの一例を示すブロック図である。放射線計測装置11bは、3つの放射線検出部22および放射線量計算部13bを備えており、放射線量計算部13bは、3つの放射線計数部30および計算部40bを備えている。すなわち、放射線計測装置11bは、第5の実施形態において説明した放射線検出部22および放射線計数部30を、それぞれ3つずつ備えた構成である。計算部40bは、各放射線計数部30からの入力データを合算して、前述の各実施形態と略同様の計算を行うことにより、放射線量を測定する。
このように、放射線検出部22および放射線計数部30をそれぞれ複数ずつ設けることにより、放射線検出部22のいずれかからノイズパルスが出力されても、前記の各実施形態に比べ、ノイズパルスによる影響を軽減することができる。
さらに、各放射線検出部22は、互いに離間して設けることが望ましい。これにより、全ての放射線検出部22が、機械振動や電磁波等によるノイズの影響を受ける確率を低減することができるので、より精度が高い放射線計測装置を実現することが可能になる。
〔第10の実施形態〕
本発明の第10の実施形態について図16〜図17に基づいて説明すれば、以下のとおりである。本実施形態では、放射線センサに好適に用いられる半導体センサの例について説明する。
図16は、放射線センサとしてPINフォトダイオード14a・14bを用いた放射線検出部22を示している。PINフォトダイオード14a・14bの各カソードには、バイアス電圧Vbiasが印加される。また、PINフォトダイオード14aのアノードは、差動アンプ26の負入力端子に接続されており、PINフォトダイオード14bのアノードは、差動アンプ26の正入力端子に接続されている。
PINフォトダイオード14a・14bを逆バイアス状態にすることによって、電極間の空乏層を広げている。空乏層に放射線が入射すると、電離作用により電子ホール対が発生し、逆バイアスの電場によって収集されてPINフォトダイオード14a・14bに電流が流れる。
このように、放射線センサとしてPINフォトダイオードを用いることで、小型で廉価な放射線計測装置を提供することができる。
図17は、放射線センサ24を示している。放射線センサ24は、放射線を光に変換するシンチレータ24aと、シンチレータ24aから発生した光を電気信号に変換するためのフォトダイオード24bから構成されている。放射線センサをこのような構造とすることで、より感度の高い放射線計測装置を提供することができる。
〔第11の実施形態〕
本発明の第11の実施形態について図18に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
図18は、本実施形態に係る携帯電話端末41を示すブロック図である。携帯電話端末41は、通信装置42、表示装置43および放射線計測装置44を備えている。
通信装置42は、携帯電話端末41が他の携帯電話端末との通話やメールの送受信などを行うための機能を有している。
表示装置43は、携帯電話端末41を薄型に形成するために、液晶ディスプレイなどが好適に用いられる。
放射線計測装置44としては、上記の実施形態において説明した放射線計測装置1・1a・11・11a・11bのいずれかが用いられる。放射線計測装置44の計測結果は、表示装置43に表示される。また、通信装置42を用いて、放射線計測装置44の計測結果のデータを他の電子機器に転送することもできる。
このように、本発明の実施形態に係る放射線計測装置を携帯電話端末に搭載することで、携帯電話端末の表示部を放射線計測結果の表示に使ったり、計測結果を通信機能により転送したりすることが可能になる。
なお、本発明の実施形態に係る放射線計測装置は、携帯電話端末以外のあらゆる電子機器に搭載することができる。
〔付記事項〕
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
なお、本発明は以下のように表現することもできる。
本発明に係る放射線計測装置は、放射線センサの出力をアンプの入力に接続した回路を二組と、それらの出力の引き算をする引き算器と、その出力をしきい値電圧と比較するコンパレータにより、放射線を検知することを特徴としている。
本発明に係る放射線計測装置は、二組の放射線センサを差動アンプの正負両入力にそれぞれ接続して設け、放射線を検知することが好ましい。
本発明に係る放射線計測装置は、放射線センサとして半導体素子を使うことが好ましい。
本発明に係る放射線計測装置は、放射線センサとしてシンチレータと半導体素子の組み合わせを使うことが好ましい。
本発明に係る放射線計測装置は、二組の放射線センサは機械的および電気的に同等になるように配置されることが好ましい。
本発明に係る放射線計測装置は、時間的に近接したパルスを計数から除外することが好ましい。
本発明に係る携帯電話端末は、上記のいずれかに記載の放射線計測装置を組み込んでいる。
本発明は、放射線線量を検出するための電子回路、及び電子機器に利用することができる。
1 放射線計測装置
1a 放射線計測装置
2 放射線検出部
3 放射線量計算部
4a 放射線センサ(第1の放射線センサ)
4b 放射線センサ(第2の放射線センサ)
5 パルス出力回路部
6 引き算器
7a コンパレータ(第1のコンパレータ)
7b コンパレータ(第2のコンパレータ)
8 ORゲート
9a アンプ(第1のアンプ)
9b アンプ(第2のアンプ)
10a フロントエンド部
10b フロントエンド部
11 放射線計測装置
11a 放射線計測装置
11b 放射線計測装置
12 放射線検出部
13 放射線計算部
13a 放射線量計算部
13b 放射線量計算部
14a PINフォトダイオード
14b PINフォトダイオード
15 パルス出力回路部
20 回路基板
22 放射線検出部
24 放射線センサ
24a シンチレータ
24b フォトダイオード
25 パルス出力回路部
26 差動アンプ
28 ロジック回路
30 放射線計数部
30a 放射線計数部
31 Nsカウンタ
32 デマルチプレクサ
33 カウンタ
34 判定回路部
35 Ncカウンタ
36 判定回路部
37 Ndカウンタ
40 計算部
40a 計算部
40b 計算部
41 携帯電話端末
42 通信装置
43 表示装置
44 放射線計測装置

Claims (17)

  1. 放射線を検出してパルスを出力する放射線検出部と、
    上記パルスに基づいて放射線量を計算する放射線量計算部とを備える放射線計測装置であって、
    上記放射線検出部は、
    放射線の入射に応じて電気信号を出力する第1および第2の放射線センサと、
    第2の放射線センサの出力信号から第1の放射線センサの出力信号を減算した信号に対応する値が、0より大きい第1の値と0より小さい第2の値との間の範囲内でない場合に、上記パルスを出力するパルス出力回路部とを備えることを特徴とする放射線計測装置。
  2. 請求項1に記載の放射線計測装置であって、
    上記パルス出力回路部は、
    第2の放射線センサの出力から第1の放射線センサの出力を減算した信号に対応する電気信号を出力する引き算器と、
    上記引き算器の出力電圧が第1の値以上である場合に、ハイレベルのパルス信号を出力する第1のコンパレータと、
    上記引き算器の出力電圧が第2の値以下である場合に、ハイレベルのパルス信号を出力する第2のコンパレータと、
    第1のコンパレータの出力と第2のコンパレータの出力との論理和を上記パルスとして出力するORゲート回路とを備えることを特徴とする放射線計測装置。
  3. 請求項1に記載の放射線計測装置であって、
    上記パルス出力回路部は、
    第1の放射線センサの出力を増幅する第1のアンプと、
    第2の放射線センサの出力を増幅する第2のアンプと、
    第2のアンプの出力電圧から第1のアンプの出力電圧を減算した信号を出力する引き算器と、
    上記引き算器の出力電圧が、第1の値に第2のアンプのゲインを乗じた値以上である場合に、ハイレベルのパルス信号を出力する第1のコンパレータと、
    上記引き算器の出力電圧が、第2の値に第1のアンプのゲインを乗じた値以下である場合に、ハイレベルのパルス信号を出力する第2のコンパレータと、
    第1のコンパレータの出力と第2のコンパレータの出力との論理和を上記パルスとして出力するORゲート回路とを備えることを特徴とする放射線計測装置。
  4. 請求項1に記載の放射線計測装置であって、
    上記パルス出力回路部は、
    第2の放射線センサの出力信号から第1の放射線センサの出力信号を減算した差分を増幅して出力する差動アンプと、
    上記差動アンプの出力電圧が、第1の値に上記差動アンプのゲインを乗じた値以上である場合に、ハイレベルのパルス信号を出力する第1のコンパレータと、
    上記差動アンプの出力電圧が、第2の値に上記差動アンプのゲインを乗じた値以下である場合に、ハイレベルのパルス信号を出力する第2のコンパレータと、
    第1のコンパレータの出力と第2のコンパレータの出力との論理和を上記パルスとして出力するORゲート回路とを備えることを特徴とする放射線計測装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の放射線計測装置であって、
    第1の値と第2の値の絶対値とが等しいことを特徴とする放射線計測装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の放射線計測装置であって、
    第1の放射線センサと第2の放射線センサとは、上記放射線計測装置内において対称的に配置されることを特徴とする放射線計測装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の放射線計測装置であって、
    上記放射線量計算部は、
    上記パルスを計数して、計測時間内に計数したパルスの総数を出力する放射線計数部と、
    上記総数に基づいて放射線量を計算する計算部とを備え、
    上記放射線計数部は、一定の時間幅を持つタイムスロットごとに上記パルスの計数を行い、所定数以上のパルスが計数されたタイムスロットが存在する場合、当該タイムスロットおよびその前後のタイムスロットにおいて計数されたパルスの数を、上記総数に含めないことを特徴とする放射線計測装置。
  8. 請求項7に記載の放射線計測装置であって、
    想定される最大量の放射線を上記放射線検出部が検出した場合に、ポアソン分布から推定された、放射線に起因したパルスである放射線パルスが1つのタイムスロットに上記所定数以上存在する確率が所定確率以下となるように、上記時間幅が設定されることを特徴とする放射線計測装置。
  9. 請求項8に記載の放射線計測装置であって、
    上記計算部は、上記放射線パルスが上記総数に含まれない確率をポアソン分布から推定して、当該確率に基づいて上記放射線量を補正することを特徴とする放射線計測装置。
  10. 請求項7〜9のいずれか1項に記載の放射線計測装置であって、
    上記計算部は、上記パルスが放射線に起因したパルスである放射線パルスのみであると仮定した場合における、当該タイムスロットにおいて計数されたパルスの数が上記総数に含まれないタイムスロットの数の、上記計測時間内におけるタイムスロットの総数に対する第1の割合と、
    当該タイムスロットにおいて計数されたパルスの数が上記総数に含まれないタイムスロットの数の、上記計測時間内におけるタイムスロットの総数に対する第2の割合とを計算し、
    第1の割合から第2の割合を減じた第3の割合が所定値より大きい場合、計算した放射線量を無効とすることを特徴とする放射線計測装置。
  11. 請求項7〜10のいずれか1項に記載の放射線計測装置であって、
    上記計算部は、上記パルスが放射線に起因したパルスである放射線パルスのみであると仮定した場合における、当該タイムスロットにおいて計数されたパルスの数が上記総数に含まれないタイムスロットの数の、上記計測時間内におけるタイムスロットの総数に対する第1の割合と、
    当該タイムスロットにおいて計数されたパルスの数が上記総数に含まれないタイムスロットの数の、上記計測時間内におけるタイムスロットの総数に対する第2の割合とを計算し、
    第1の割合から第2の割合を減じた第3の割合に基づいて、上記放射線量を補正することを特徴とする放射線計測装置。
  12. 請求項7〜11のいずれか1項に記載の放射線計測装置であって、
    上記放射線検出部および上記放射線計数部を、それぞれ複数ずつ備えることを特徴とする放射線計測装置。
  13. 請求項1〜12のいずれか1項に記載の放射線計測装置であって、
    上記放射線センサは、半導体センサであることを特徴とする放射線計測装置。
  14. 請求項13に記載の放射線計測装置であって、
    上記半導体センサは、PINフォトダイオードであることを特徴とする放射線計測装置。
  15. 請求項13に記載の放射線計測装置であって、
    上記半導体センサは、シンチレータとフォトダイオードとを備えていることを特徴とする放射線計測装置。
  16. 請求項1〜15のいずれか1項に記載の放射線計測装置を搭載した電子機器。
  17. 請求項1〜15のいずれか1項に記載の放射線計測装置を搭載した携帯電話端末。
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