JP2013174115A - 断熱材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】木質繊維と、熱溶融性バインダー芯鞘複合繊維とを加熱成形して得られる断熱材であって、該複合繊維は融点の異なる少なくとも2種類以上の成分からなり、該複合繊維を断熱材の絶乾固形分質量に対して10〜50質量%含む断熱材である。好ましくは、該複合繊維の融点の最も高い芯部成分と最も低い鞘部成分の融点の差が50℃以上である該断熱材。
【選択図】なし
Description
木質繊維の調製
製紙用パルプ原料としても用いられる、国産針葉樹であるマツおよびスギの樹皮が除去された木材チップを、15質量%のホウ酸水溶液に10時間浸漬した。蒸解ムラを抑制するため、木材チップを30分間脱気処理した。木材チップをディファイブレーターに投入し、1分間解繊処理し、30分間蒸解処理し、再度1分間解繊処理して木質繊維を得た。湿潤した状態で得られた木質繊維を、回転式ドラム乾燥機で乾燥した。
芯部がポリエチレンテレフタレート、鞘部がポリエチレンからなる、横断面が同芯芯鞘型構造の熱溶融性バインダー複合繊維を、断熱材の絶乾固形分量に対して20質量%となるように木質繊維と混合した。DSCにて該複合繊維の融点を測定したところ、芯部の融点は248℃、鞘部の融点は128℃であった。
上記の木質繊維と複合繊維の混合物を、エアレイド方式により200℃で加熱しながら成形し、断熱材を得た。
熱溶融性バインダー芯鞘複合繊維の配合量を、断熱材の絶乾固形分量に対して10質量%となるように配合し、その他の工程はすべて実施例1と同様に実施した。
熱溶融性バインダー芯鞘複合繊維の配合量を、断熱材の絶乾固形分量に対して50質量%となるように配合し、その他の工程はすべて実施例1と同様に実施した。
熱溶融性バインダー芯鞘複合繊維として、芯部がポリエチレンテレフタレート、鞘部が低融点ポリエチレンテレフタレートからなる、横断面が同芯芯鞘型構造の繊維を配合した。DSCにて該複合繊維の融点を測定したところ、芯部の融点は248℃、鞘部の融点は109℃であった。その他の工程はすべて実施例1と同様に実施した。
熱溶融性バインダー芯鞘複合繊維として、芯部がポリエチレンテレフタレート、鞘部が低融点ポリエチレンテレフタレートからなる、横断面が同芯芯鞘型構造の繊維を配合した。DSCにて該複合繊維の融点を測定したところ、芯部の融点は249℃、鞘部の融点は154℃であった。その他の工程はすべて実施例1と同様に実施した。
熱溶融性バインダー芯鞘複合繊維として、芯部がポリエチレンテレフタレート、鞘部がポリプロピレンからなる、横断面が同芯芯鞘型構造の繊維を配合した。DSCにて該複合繊維の融点を測定したところ、芯部の融点は249℃、鞘部の融点は166℃であった。その他の工程はすべて実施例1と同様に実施した。
熱溶融性バインダー芯鞘複合繊維として、芯部がポリブチレンテレフタレート、鞘部が低融点ポリエチレンテレフタレートからなる、横断面が同芯芯鞘型構造の繊維を配合した。DSCにて該複合繊維の融点を測定したところ、芯部の融点は223℃、鞘部の融点は153℃であった。その他の工程はすべて実施例1と同様に実施した。
熱溶融性バインダー芯鞘複合繊維として、芯部がポリブチレンテレフタレート、鞘部がポリプロピレンからなる、横断面が同芯芯鞘型構造の繊維を配合した。DSCにて該複合繊維の融点を測定したところ、芯部の融点は224℃、鞘部の融点は165℃であった。その他の工程はすべて実施例1と同様に実施した。
熱溶融性バインダー芯鞘複合繊維として、芯部がポリ乳酸系重合体、鞘部がポリエチレンからなる、横断面が同芯芯鞘型構造の繊維を配合した。DSCにて該複合繊維の融点を測定したところ、芯部の融点は183℃、鞘部の融点は131℃であった。エアレイド方式による成形時の温度は140℃で加熱し、その他の工程はすべて実施例1と同様に実施した。
熱溶融性バインダー芯鞘複合繊維として、芯部がポリプロピレン、鞘部がポリエチレンからなる、横断面が同芯芯鞘型構造の繊維を配合した。DSCにて該複合繊維の融点を測定したところ、芯部の融点は166℃、鞘部の融点は130℃であった。エアレイド方式による成形時の温度は140℃で加熱し、その他の工程はすべて実施例1と同様に実施した。
熱溶融性バインダー芯鞘複合繊維として、芯部がポリエチレンテレフタレート、鞘部がポリエチレンからなる、横断面が海島型構造の繊維を配合した。DSCにて該複合繊維の融点を測定したところ、海島型の島の部分である芯部の融点は248℃、海島型の海の部分である鞘部の融点は128℃であった。その他の工程はすべて実施例1と同様に実施した。
熱溶融性バインダー芯鞘複合繊維として、芯部がポリエチレンテレフタレート、鞘部がポリエチレンからなる、横断面が偏芯芯鞘型構造の繊維を配合した。DSCにて該複合繊維の融点を測定したところ、芯部の融点は248℃、鞘部の融点は128℃であった。その他の工程はすべて実施例1と同様に実施した。
成形方法を湿潤硬化方式で成形する以外は、すべて実施例4と同様に実施した。湿潤硬化方式は、木質繊維と熱溶融性バインダー芯鞘複合繊維の混合物を金型に投入し、上下方向から120℃の蒸気を当てながら上からプレスし、成形した。成形後、自然乾燥した。
熱溶融性バインダー芯鞘複合繊維の配合量を、断熱材の絶乾固形分量に対して5質量%となるように配合し、その他の工程はすべて実施例1と同様に実施した。
熱溶融性バインダー芯鞘複合繊維の配合量を、断熱材の絶乾固形分量に対して60質量%となるように配合し、その他の工程はすべて実施例1と同様に実施した。
熱溶融性バインダー芯鞘複合繊維の配合量を、断熱材の絶乾固形分量に対して80質量%となるように配合し、その他の工程はすべて実施例1と同様に実施した。
熱溶融性バインダー繊維として、ポリエチレンの単成分繊維を配合した。DSCにて該単成分繊維の融点を測定したところ、129℃であった。エアレイド方式による成形時の温度は140℃で加熱し、その他の工程はすべて実施例1と同様に実施した。
熱溶融性バインダー繊維として、ポリエチレンテレフタレートの単成分繊維、およびポリエチレンの単成分繊維を、断熱材の絶乾固形分量に対して、それぞれ10質量%ずつ、計20質量%となるように配合した。DSCにて各単成分繊維の融点を測定したところ、ポリエチレンテレフタレートの単成分繊維の融点は248℃、ポリエチレンの単成分繊維の融点は129℃であった。その他の工程はすべて実施例1と同様に実施した。
熱溶融性バインダー複合繊維として、片方がポリエチレンテレフタレート、もう一方がポリエチレンからなる、並列型構造の繊維を配合した。DSCにて該複合繊維の融点を測定したところ、248℃と、128℃に吸熱ピークが観察された。その他の工程はすべて実施例1と同様に実施した。
断熱材の断熱性は、以下の方法で評価した。成形後、幅100mm、奥行き100mm、厚み40mmにカットされた断熱材を、200℃に保たれたホットプレートの上に置き、10分後の断熱材のホットプレート接触面表面温度(E)と、その対面である上部表面温度(F)を、テストー社製接触式表面温度計testo905−T2にて測定し、温度の差(E−F)を求めた。この温度の差(E−F)が、「◎:50℃以上」、「○:40℃以上50℃未満」、「△:30℃以上40℃未満」、「×:30℃未満」として4段階で評価した。本発明においては、◎、○、△を発明の対象とした。
断熱材の成形性を、「○:成形しやすく、木質繊維が落ちることがない」、「×:成形はできるが、持ち上げたり設置したりするときに容易に木質繊維が落ちる」の2段階で評価した。本発明においては、○を発明の対象とした。持ち上げたり設置したりするときに容易に木質繊維が落ちる場合、断熱材を容易に施工することができない。即ち、本発明の断熱材において、良い成形性を達成することは、容易な施工を可能にすることに繋がる。
断熱材成形時の作業性とは、エアレイド方式で成形する場合のエアレイド機の加熱温度の実施可能温度域に幅を持たせられるかどうかの指標である。広い実施可能温度域を持つことは、温度設定作業、および温度管理作業を容易にし、製造の効率化を図ることができる。実施可能温度域は、以下の方法で求めた。実施例1〜12、および比較例1〜6とは別に、それぞれ、実施例1〜12、および比較例1〜6と同じ条件で、木質繊維と熱溶融性バインダー繊維を配合し、エアレイド機の加熱温度を80℃から280℃まで5℃間隔で変えて、それぞれの加熱温度で断熱材を成形した。80℃から280℃までの加熱温度で、該バインダー繊維の一部が溶融し、持ち上げたときに容易に木質繊維が落ちることなく成形できた温度(G)と、200℃で成形したときの断熱材の密度(表3に記載、ただし、実施例9、10、および比較例4の条件においては140℃で成形したときの断熱材の密度とする)より0.005g/cm3以上高い密度となったときの加熱温度(H)の差(H−G)が、「◎:100℃超え」、「○:50℃超え100℃以下」、「△:25℃超え50℃以下」、「×:25℃以下、もしくは、いずれの温度においても持ち上げたときに容易に木質繊維が落ちることなく成形することができない」の4段階で評価した。本発明においては、◎、○、△を発明の対象とするが、好ましくは◎、○であることが製造の効率を高める。
Claims (5)
- 木質繊維と、熱溶融性バインダー芯鞘複合繊維とを加熱成形して得られる断熱材であって、該複合繊維は融点の異なる少なくとも2種類以上の成分からなり、該複合繊維を断熱材の絶乾固形分質量に対して10〜50質量%含む断熱材。
- 上記複合繊維の融点の最も高い芯部成分と最も低い鞘部成分の融点の差が50℃以上である、請求項1記載の断熱材。
- 上記複合繊維に、少なくともポリエチレンテレフタレートを含む、請求項2記載の断熱材。
- 上記複合繊維の芯部がポリエチレンテレフタレート、鞘部がポリエチレンからなる、請求項2記載の断熱材。
- 上記複合繊維の芯部がポリエチレンテレフタレート、鞘部が低融点ポリエチレンテレフタレートからなる、請求項2記載の断熱材。
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JP2002054066A (ja) * | 2000-08-04 | 2002-02-19 | Kami Shoji Kk | 天然羽毛繊維断熱材 |
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