JP2013174115A - 断熱材 - Google Patents

断熱材 Download PDF

Info

Publication number
JP2013174115A
JP2013174115A JP2012040599A JP2012040599A JP2013174115A JP 2013174115 A JP2013174115 A JP 2013174115A JP 2012040599 A JP2012040599 A JP 2012040599A JP 2012040599 A JP2012040599 A JP 2012040599A JP 2013174115 A JP2013174115 A JP 2013174115A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
core
sheath
melting point
composite fiber
fiber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012040599A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5781961B2 (ja
Inventor
Yui Kikuchi
結衣 菊池
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Paper Mills Ltd filed Critical Mitsubishi Paper Mills Ltd
Priority to JP2012040599A priority Critical patent/JP5781961B2/ja
Publication of JP2013174115A publication Critical patent/JP2013174115A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5781961B2 publication Critical patent/JP5781961B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • Y02B30/94

Landscapes

  • Building Environments (AREA)

Abstract

【課題】環境に配慮した素材を原料としたうえで、より低密度で優れた断熱性能を持ち、製造時の作業性に優れ、容易に成形でき、容易に施工することができる断熱材を提供する。
【解決手段】木質繊維と、熱溶融性バインダー芯鞘複合繊維とを加熱成形して得られる断熱材であって、該複合繊維は融点の異なる少なくとも2種類以上の成分からなり、該複合繊維を断熱材の絶乾固形分質量に対して10〜50質量%含む断熱材である。好ましくは、該複合繊維の融点の最も高い芯部成分と最も低い鞘部成分の融点の差が50℃以上である該断熱材。
【選択図】なし

Description

本発明は、木質繊維と、木質繊維同士を結合させるための熱溶融性バインダー繊維とを、加熱成形して得られる断熱材に関する。
近年、消費者の地球環境への意識が益々高まり、住宅等の建材においても、人体への安全性の確保が謳われると共に、環境に配慮した素材を使用する傾向が高まってきている。また、省エネ、節電対策としても、住環境等の断熱材の需要は著しく増加傾向にある。
現在、一般に広く使われている断熱材としては、グラスウール、ロックウール等の鉱物繊維系断熱材や、ビーズ法ポリスチレンフォーム、押出法ポリスチレンフォーム、硬質ウレタンフォーム、ポリエチレンフォーム、フェノールフォーム等の発泡プラスチック系断熱材、セルロースファイバー等の自然系断熱材が挙げられる。グラスウールやロックウールは、断熱性能も高く、安価で普及も進んでいる反面、結露しやすく、カビが発生しやすい。発泡プラスチック系断熱材は、断熱性能も高く、グラスウールやロックウールより結露しにくいが、製造時の環境負荷が大きい。セルロースファイバーは、製造時の環境負荷が小さく、環境や健康にも好ましく、吸放湿性能が高く、断熱性能も高いが、専門の業者による吹き込み施工を要するため高価である。
上記のような背景から、環境に配慮した様々な素材による断熱材が検討されている。例えば、特許文献1では、スギやヒノキ等の樹皮を解繊して得られた木質繊維を原料として、吸放湿特性のある、住宅用断熱材が開示されている。
特許文献2では、廃棄物である籾殻を原料として、木造住宅用の吹き込み充填外断熱構造が開示されている。
特許文献3では、木材チップや竹皮、麻等から得られた木質繊維を主原料とし、二成分繊維を結合剤に用いた断熱材が開示されている。
特開2010−270585号公報 特開2011−21321号公報 特開2009−90669号公報
上記特許文献1、および2では、吹き込み、もしくは堆積による施工法を要するため、容易に施工することができない。
上記特許文献3では、環境に配慮した素材を原料としつつ、容易に施工することができるものの、結合剤として使用されている二成分繊維にはその構造に特に制限がないため、例えば、その構造が並列型である場合は、優れた成形性が得られない。また、融点の近い二成分で構成されている場合は、加熱成形により二成分とも完全に溶融する可能性があり充分に低い密度を得られない結果、優れた断熱性能を得られない、もしくは、加熱成形時の実施可能温度域を狭めてしまうといった作業性に難を要する。
本発明は、環境に配慮した素材を原料としたうえで、より低密度で優れた断熱性能を持ち、製造時の作業性に優れ、容易に成形でき、容易に施工することができる断熱材を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく研究した結果、以下のような断熱材を発明するに至った。即ち、木質繊維と、熱溶融性バインダー芯鞘複合繊維とを加熱成形して得られる断熱材であって、該複合繊維は融点の異なる少なくとも2種類以上の成分からなり、該複合繊維を断熱材の絶乾固形分質量に対して10〜50質量%含む断熱材によって達成される。
本発明により、環境に配慮した素材を原料としたうえで、より低密度で優れた断熱性能を持ち、製造時の作業性に優れ、容易に成形でき、容易に施工することができる断熱材を提供することができる。
以下、本発明の断熱材について詳細に説明する。
本発明における木質繊維は、特に制限がなく、あらゆる樹種の木材チップを原料とすることができ、例えば、マツ、スギ、ヒノキなどの針葉樹、ユーカリ、ブナ、ナラ、ポプラ、カバ、アカシヤなどの広葉樹の木材チップが挙げられる。また、製紙会社のパルプ製造工程で発生する廃棄物であるチップダストや、間伐材を原料とすることもできる。これら原料に難燃・防蟻処理を施し、解繊して木質繊維が得られる。ただし、難燃・防蟻処理は、解繊後でも良く、薬剤の添加順は以下に何ら制限されるものではない。
木質繊維の原料、もしくは、木質繊維を難燃化処理することには、特に制限がなく、従来公知の難燃剤を使用できる。例えば、具体的には、ホウ酸、ホウ砂、ホウ酸アンモニウム、ホウ酸亜鉛等のホウ素化合物、リン、リン酸、ポリリン酸、リン酸アンモニウム、リン酸グアニジン、リン酸グアニル尿素、リン酸メラミン、ポリリン酸アンモニウム等のリン化合物、塩化カルシウム、塩化亜鉛等の塩化物、その他、シュウ酸アンモニウム、スルホン酸アンモニウム等が挙げられる。これらは、単独、もしくは2種以上を組み合わせて使用できる。処理方法は、これらの単独、もしくは混合溶液で浸漬、塗布、加圧注入等の方法で木材チップ中に浸透させる。
木質繊維の原料、もしくは、木質繊維を防蟻化処理することには、特に制限がなく、従来公知の防蟻剤を使用できる。例えば、具体的には、ホウ酸、ホウ砂等のホウ素化合物、カルバリル等のカーバメート化合物、その他、トリプロピルイソシアヌレート等が挙げられる。これらは、単独、もしくは2種以上を組み合わせて使用できる。処理方法は、これらの単独、もしくは混合溶液で浸漬、塗布、加圧注入等の方法で木材チップ中に浸透させる。
木質繊維の原料は、蒸解ムラを抑制するため脱気処理を施された後、蒸解、および解繊処理される。これらの処理に使用する機器には特に制限がなく、従来公知の機器を使用できる。例えば、ディファイブレーターではその構造上、蒸解と解繊を同一の機器で実施できる。また、解繊には、木材チップの水分調整の後、例えば、破砕機や粉砕機を使用しても良い。湿潤した状態で得られた木質繊維は、例えば、回転式ドラム乾燥機等により乾燥される。これらの処理により得られる木質繊維は、繊維長に特に制限は設けないが、成形性の点から、平均繊維長が3mm以上であることが好ましい。木質繊維の平均繊維長は、任意の木質繊維10本の繊維長をスケールルーペで測定し、その平均値を採用する。
熱溶融性バインダー芯鞘複合繊維は、芯部の融点が、鞘部の融点より高いため、芯部融点と鞘部融点の間の温度範囲で加熱されたときに、鞘部のみが溶融し、バインダーとして働く。該複合繊維が鞘部だけでなく芯部もすべて溶ける場合は、断熱材の嵩を下げることになるが、芯部融点より低い温度で加熱すると芯部は溶けないため、断熱材の嵩の低下を阻害する。つまり、本発明において得られる断熱材では、芯部は断熱材の嵩の低下を防ぐ役割をする。該複合繊維は、融点の異なる少なくとも2種類以上の成分からなることを特徴とし、融点に特に制限は設けないが、断熱材成形時の作業性の点から、融点の最も高い芯部成分と最も低い鞘部成分の融点の差が50℃以上であることが好ましい。なお、ここで言う融点とは以下の方法で測定される。該複合繊維の融点測定には、パーキンエルマー社製示差走査熱量測定装置DSC8500(以降、DSCとも言う)を用い、窒素雰囲気下、昇温速度10℃/分で、25℃以上300℃未満の範囲における熱挙動を観察し、溶融による吸熱ピークの温度を融点とする。本発明における芯鞘型構造の複合繊維は、融点の異なる少なくとも2種類以上の成分からなるため、溶融による吸熱ピークは少なくとも2つ以上測定されるが、最も高温側に観察される吸熱ピークの温度が芯部の融点であり、低温側に観察される吸熱ピークの温度が鞘部の融点である。以降、熱溶融性バインダー芯鞘複合繊維の融点は、上記条件で測定された。
上記複合繊維の芯部成分としては、鞘部成分より高い融点を持っていること以外は特に制限はないが、例えば、具体的には、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン化合物、ポリエチレンテレフタレート(以降、本発明において、ポリエチレンテレフタレートとは、融点200℃以上のポリエチレンテレフタレートを言う)、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリ乳酸等のポリエステル化合物等が挙げられる。
上記複合繊維の鞘部成分としては、芯部成分より低い融点を持っていること以外は特に制限はないが、例えば、具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン化合物、低融点ポリエチレンテレフタレート(以降、本発明において、低融点ポリエチレンテレフタレートとは、融点180℃以下のポリエチレンテレフタレートを言う)、ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸等のポリエステル化合物、エチレン−ビニルアルコール共重合体等が挙げられる。
上記複合繊維の成分は、芯部の融点が鞘部の融点より高いこと以外は特に制限はないが、その融点が200℃以上であるポリエチレンテレフタレートを含むことが好ましい。200℃以上の高い融点を持つために、他方の鞘部となる成分を選ばず、成形工程においては加熱温度の実施可能温度域に幅を持たせることができる。
さらには、上記複合繊維の芯部がポリエチレンテレフタレート、鞘部がポリエチレン、もしくは、低融点ポリエチレンテレフタレートからなる熱溶融性バインダー芯鞘複合繊維が好ましい。芯部成分と鞘部成分がこれらの組み合わせであることは、充分な融点の差が得られるため、成形工程における加熱温度の実施可能温度域にさらなる幅を持たせることができる。
上記複合繊維の構造は芯鞘型に限定され、本発明における芯鞘型には、横断面が同心円状である同芯芯鞘型、横断面が非対称である偏芯芯鞘型、横断面が海島状である海島型の他、芯部繊維の表面に不連続に鞘部成分を有する、繊維側面から見て海島型の構造を含む。偏芯芯鞘型には、横断面形状が丸型や楕円型の他、異型断面(偏平状、多角形状、葉状、H字状、I字状、T字状、V字状等)も含む。
上記複合繊維は、断熱材の絶乾固形分量に対して10〜50質量%配合される。10質量%より少ない場合、成形はできても、断熱材を持ち上げたり設置したりするときに容易に木質繊維が落ちることとなる。また、50質量%より多い場合、木質繊維の割合が少なくなるため、断熱性能が劣る結果となる。
上記複合繊維の繊維長に特に制限は設けないが、成形性の点から、木質繊維の平均繊維長に対して50〜200%の繊維長であることが好ましい。
本発明における断熱材の加熱成形方法に関しては、特に制限がなく、例えば、エアレイド方式や、湿潤硬化方式で成形される。エアレイド方式では、上記複合繊維の芯部融点と鞘部融点の間の温度範囲で加熱されて成形され、断熱材が得られる。湿潤硬化方式では、上記混合物を金型に投入し、上下方向から上記複合繊維の芯部融点と鞘部融点の間の温度範囲の蒸気を当てながら上からプレスして成形し、自然乾燥して、断熱材が得られる。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
木質繊維の調製
製紙用パルプ原料としても用いられる、国産針葉樹であるマツおよびスギの樹皮が除去された木材チップを、15質量%のホウ酸水溶液に10時間浸漬した。蒸解ムラを抑制するため、木材チップを30分間脱気処理した。木材チップをディファイブレーターに投入し、1分間解繊処理し、30分間蒸解処理し、再度1分間解繊処理して木質繊維を得た。湿潤した状態で得られた木質繊維を、回転式ドラム乾燥機で乾燥した。
熱溶融性バインダー芯鞘複合繊維
芯部がポリエチレンテレフタレート、鞘部がポリエチレンからなる、横断面が同芯芯鞘型構造の熱溶融性バインダー複合繊維を、断熱材の絶乾固形分量に対して20質量%となるように木質繊維と混合した。DSCにて該複合繊維の融点を測定したところ、芯部の融点は248℃、鞘部の融点は128℃であった。
加熱成形
上記の木質繊維と複合繊維の混合物を、エアレイド方式により200℃で加熱しながら成形し、断熱材を得た。
(実施例2)
熱溶融性バインダー芯鞘複合繊維の配合量を、断熱材の絶乾固形分量に対して10質量%となるように配合し、その他の工程はすべて実施例1と同様に実施した。
(実施例3)
熱溶融性バインダー芯鞘複合繊維の配合量を、断熱材の絶乾固形分量に対して50質量%となるように配合し、その他の工程はすべて実施例1と同様に実施した。
(実施例4)
熱溶融性バインダー芯鞘複合繊維として、芯部がポリエチレンテレフタレート、鞘部が低融点ポリエチレンテレフタレートからなる、横断面が同芯芯鞘型構造の繊維を配合した。DSCにて該複合繊維の融点を測定したところ、芯部の融点は248℃、鞘部の融点は109℃であった。その他の工程はすべて実施例1と同様に実施した。
(実施例5)
熱溶融性バインダー芯鞘複合繊維として、芯部がポリエチレンテレフタレート、鞘部が低融点ポリエチレンテレフタレートからなる、横断面が同芯芯鞘型構造の繊維を配合した。DSCにて該複合繊維の融点を測定したところ、芯部の融点は249℃、鞘部の融点は154℃であった。その他の工程はすべて実施例1と同様に実施した。
(実施例6)
熱溶融性バインダー芯鞘複合繊維として、芯部がポリエチレンテレフタレート、鞘部がポリプロピレンからなる、横断面が同芯芯鞘型構造の繊維を配合した。DSCにて該複合繊維の融点を測定したところ、芯部の融点は249℃、鞘部の融点は166℃であった。その他の工程はすべて実施例1と同様に実施した。
(実施例7)
熱溶融性バインダー芯鞘複合繊維として、芯部がポリブチレンテレフタレート、鞘部が低融点ポリエチレンテレフタレートからなる、横断面が同芯芯鞘型構造の繊維を配合した。DSCにて該複合繊維の融点を測定したところ、芯部の融点は223℃、鞘部の融点は153℃であった。その他の工程はすべて実施例1と同様に実施した。
(実施例8)
熱溶融性バインダー芯鞘複合繊維として、芯部がポリブチレンテレフタレート、鞘部がポリプロピレンからなる、横断面が同芯芯鞘型構造の繊維を配合した。DSCにて該複合繊維の融点を測定したところ、芯部の融点は224℃、鞘部の融点は165℃であった。その他の工程はすべて実施例1と同様に実施した。
(実施例9)
熱溶融性バインダー芯鞘複合繊維として、芯部がポリ乳酸系重合体、鞘部がポリエチレンからなる、横断面が同芯芯鞘型構造の繊維を配合した。DSCにて該複合繊維の融点を測定したところ、芯部の融点は183℃、鞘部の融点は131℃であった。エアレイド方式による成形時の温度は140℃で加熱し、その他の工程はすべて実施例1と同様に実施した。
(実施例10)
熱溶融性バインダー芯鞘複合繊維として、芯部がポリプロピレン、鞘部がポリエチレンからなる、横断面が同芯芯鞘型構造の繊維を配合した。DSCにて該複合繊維の融点を測定したところ、芯部の融点は166℃、鞘部の融点は130℃であった。エアレイド方式による成形時の温度は140℃で加熱し、その他の工程はすべて実施例1と同様に実施した。
(実施例11)
熱溶融性バインダー芯鞘複合繊維として、芯部がポリエチレンテレフタレート、鞘部がポリエチレンからなる、横断面が海島型構造の繊維を配合した。DSCにて該複合繊維の融点を測定したところ、海島型の島の部分である芯部の融点は248℃、海島型の海の部分である鞘部の融点は128℃であった。その他の工程はすべて実施例1と同様に実施した。
(実施例12)
熱溶融性バインダー芯鞘複合繊維として、芯部がポリエチレンテレフタレート、鞘部がポリエチレンからなる、横断面が偏芯芯鞘型構造の繊維を配合した。DSCにて該複合繊維の融点を測定したところ、芯部の融点は248℃、鞘部の融点は128℃であった。その他の工程はすべて実施例1と同様に実施した。
(実施例13)
成形方法を湿潤硬化方式で成形する以外は、すべて実施例4と同様に実施した。湿潤硬化方式は、木質繊維と熱溶融性バインダー芯鞘複合繊維の混合物を金型に投入し、上下方向から120℃の蒸気を当てながら上からプレスし、成形した。成形後、自然乾燥した。
(比較例1)
熱溶融性バインダー芯鞘複合繊維の配合量を、断熱材の絶乾固形分量に対して5質量%となるように配合し、その他の工程はすべて実施例1と同様に実施した。
(比較例2)
熱溶融性バインダー芯鞘複合繊維の配合量を、断熱材の絶乾固形分量に対して60質量%となるように配合し、その他の工程はすべて実施例1と同様に実施した。
(比較例3)
熱溶融性バインダー芯鞘複合繊維の配合量を、断熱材の絶乾固形分量に対して80質量%となるように配合し、その他の工程はすべて実施例1と同様に実施した。
(比較例4)
熱溶融性バインダー繊維として、ポリエチレンの単成分繊維を配合した。DSCにて該単成分繊維の融点を測定したところ、129℃であった。エアレイド方式による成形時の温度は140℃で加熱し、その他の工程はすべて実施例1と同様に実施した。
(比較例5)
熱溶融性バインダー繊維として、ポリエチレンテレフタレートの単成分繊維、およびポリエチレンの単成分繊維を、断熱材の絶乾固形分量に対して、それぞれ10質量%ずつ、計20質量%となるように配合した。DSCにて各単成分繊維の融点を測定したところ、ポリエチレンテレフタレートの単成分繊維の融点は248℃、ポリエチレンの単成分繊維の融点は129℃であった。その他の工程はすべて実施例1と同様に実施した。
(比較例6)
熱溶融性バインダー複合繊維として、片方がポリエチレンテレフタレート、もう一方がポリエチレンからなる、並列型構造の繊維を配合した。DSCにて該複合繊維の融点を測定したところ、248℃と、128℃に吸熱ピークが観察された。その他の工程はすべて実施例1と同様に実施した。
断熱材の断熱性
断熱材の断熱性は、以下の方法で評価した。成形後、幅100mm、奥行き100mm、厚み40mmにカットされた断熱材を、200℃に保たれたホットプレートの上に置き、10分後の断熱材のホットプレート接触面表面温度(E)と、その対面である上部表面温度(F)を、テストー社製接触式表面温度計testo905−T2にて測定し、温度の差(E−F)を求めた。この温度の差(E−F)が、「◎:50℃以上」、「○:40℃以上50℃未満」、「△:30℃以上40℃未満」、「×:30℃未満」として4段階で評価した。本発明においては、◎、○、△を発明の対象とした。
断熱材の成形性
断熱材の成形性を、「○:成形しやすく、木質繊維が落ちることがない」、「×:成形はできるが、持ち上げたり設置したりするときに容易に木質繊維が落ちる」の2段階で評価した。本発明においては、○を発明の対象とした。持ち上げたり設置したりするときに容易に木質繊維が落ちる場合、断熱材を容易に施工することができない。即ち、本発明の断熱材において、良い成形性を達成することは、容易な施工を可能にすることに繋がる。
断熱材成形時の作業性
断熱材成形時の作業性とは、エアレイド方式で成形する場合のエアレイド機の加熱温度の実施可能温度域に幅を持たせられるかどうかの指標である。広い実施可能温度域を持つことは、温度設定作業、および温度管理作業を容易にし、製造の効率化を図ることができる。実施可能温度域は、以下の方法で求めた。実施例1〜12、および比較例1〜6とは別に、それぞれ、実施例1〜12、および比較例1〜6と同じ条件で、木質繊維と熱溶融性バインダー繊維を配合し、エアレイド機の加熱温度を80℃から280℃まで5℃間隔で変えて、それぞれの加熱温度で断熱材を成形した。80℃から280℃までの加熱温度で、該バインダー繊維の一部が溶融し、持ち上げたときに容易に木質繊維が落ちることなく成形できた温度(G)と、200℃で成形したときの断熱材の密度(表3に記載、ただし、実施例9、10、および比較例4の条件においては140℃で成形したときの断熱材の密度とする)より0.005g/cm以上高い密度となったときの加熱温度(H)の差(H−G)が、「◎:100℃超え」、「○:50℃超え100℃以下」、「△:25℃超え50℃以下」、「×:25℃以下、もしくは、いずれの温度においても持ち上げたときに容易に木質繊維が落ちることなく成形することができない」の4段階で評価した。本発明においては、◎、○、△を発明の対象とするが、好ましくは◎、○であることが製造の効率を高める。
実施例1〜13、および比較例1〜6における、熱溶融性バインダー繊維の構造、組成、配合割合を表1に示す。
Figure 2013174115
実施例1〜13、および比較例1〜6における成形方法を表2に示す。
Figure 2013174115
実施例1〜13、および比較例1〜6における評価結果を表3に示す。
Figure 2013174115
表3の結果から明らかなように、木質繊維と、熱溶融性バインダー芯鞘複合繊維とを加熱成形して得られる本発明の断熱材は、該複合繊維が融点の異なる少なくとも2種類以上の成分からなり、該複合繊維を断熱材の絶乾固形分質量に対して10〜50質量%含むことで、環境に配慮した素材を原料としながら、低密度で優れた断熱性能を持ち、製造時の作業性に優れ、容易に成形でき、容易に施工することができる断熱材が提供される。また、作業性の点から、該複合繊維の融点の最も高い芯部成分と最も低い鞘部成分の融点の差が50℃以上であることが好ましい。

Claims (5)

  1. 木質繊維と、熱溶融性バインダー芯鞘複合繊維とを加熱成形して得られる断熱材であって、該複合繊維は融点の異なる少なくとも2種類以上の成分からなり、該複合繊維を断熱材の絶乾固形分質量に対して10〜50質量%含む断熱材。
  2. 上記複合繊維の融点の最も高い芯部成分と最も低い鞘部成分の融点の差が50℃以上である、請求項1記載の断熱材。
  3. 上記複合繊維に、少なくともポリエチレンテレフタレートを含む、請求項2記載の断熱材。
  4. 上記複合繊維の芯部がポリエチレンテレフタレート、鞘部がポリエチレンからなる、請求項2記載の断熱材。
  5. 上記複合繊維の芯部がポリエチレンテレフタレート、鞘部が低融点ポリエチレンテレフタレートからなる、請求項2記載の断熱材。
JP2012040599A 2012-02-27 2012-02-27 断熱材 Expired - Fee Related JP5781961B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012040599A JP5781961B2 (ja) 2012-02-27 2012-02-27 断熱材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012040599A JP5781961B2 (ja) 2012-02-27 2012-02-27 断熱材

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013174115A true JP2013174115A (ja) 2013-09-05
JP5781961B2 JP5781961B2 (ja) 2015-09-24

Family

ID=49267238

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012040599A Expired - Fee Related JP5781961B2 (ja) 2012-02-27 2012-02-27 断熱材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5781961B2 (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001054905A (ja) * 1999-08-17 2001-02-27 Toyo Yuatsu Kogyo:Kk マットおよびマットの製造方法
JP2002054066A (ja) * 2000-08-04 2002-02-19 Kami Shoji Kk 天然羽毛繊維断熱材
JP2011184917A (ja) * 2010-03-08 2011-09-22 Toray Ind Inc 断熱材

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001054905A (ja) * 1999-08-17 2001-02-27 Toyo Yuatsu Kogyo:Kk マットおよびマットの製造方法
JP2002054066A (ja) * 2000-08-04 2002-02-19 Kami Shoji Kk 天然羽毛繊維断熱材
JP2011184917A (ja) * 2010-03-08 2011-09-22 Toray Ind Inc 断熱材

Also Published As

Publication number Publication date
JP5781961B2 (ja) 2015-09-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100779632B1 (ko) 옥수숫대를 이용한 기능성 판재 및 그 제조방법
KR101754907B1 (ko) 기능성 셀룰로오스 복합 섬유판 및 이의 제조방법
JP5918898B1 (ja) 化粧板
JP2019521264A (ja) バインダシステム
KR20180059460A (ko) 음향 천장 타일
JP6858361B2 (ja) 天然繊維質材料の解繊物を製造する方法及び同解繊物と綿状の解繊物との複合綿状材料を製造する方法
JP5432115B2 (ja) 木質系成形体の製造方法
JP2009197362A (ja) 竹繊維シート及びその製造法
JP5781961B2 (ja) 断熱材
Gürü et al. Processing of fireproof and high temperature durable particleboard from rice husk
JP4324521B2 (ja) 炭化ボードの製造方法
CN101468484B (zh) 棕纤维纤维板制作方法
JP2008188964A (ja) 木質ボード
JP5170512B2 (ja) 生分解性断熱材とその成型体およびそれらの製造方法並びにそれらの製造方法を用いた植物育成材と肥料材
RU2501761C1 (ru) Теплоизоляционный материал и способ его изготовления
JP2005047140A (ja) 難燃性木質繊維板及びその製造方法
RU138680U1 (ru) Теплоизоляционная древесноволокнистая плита
DE102019107982A1 (de) Flamm-, Brand- und Glimmgeschützte Naturfaser-Dämmstoffe und deren Herstellung und Verwendung, insbesondere für Naturfaser-Dämmstoff-Produkte
JP2015139911A (ja) 断熱材
Jerman et al. Effect of steaming temperature on microstructure and mechanical, hygric, and thermal properties of binderless rape straw fiberboards
Sihabut et al. Feasibility of producing insulation boards from oil palm fronds and empty Fruit bunches.
JP6000875B2 (ja) 木質断熱材用の微細繊維製造方法
KR101795293B1 (ko) 기능성 셀룰로오스 복합 소재
CA3037774A1 (en) Thermal insulation material and method for its production
JP2014151599A (ja) 木質ボード

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140616

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150310

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150311

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150424

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150707

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150716

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5781961

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees