JP2013173464A - ワイヤーハーネス保護材及びワイヤーハーネス - Google Patents
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Abstract
【課題】紫外線が照射される部位に使用されても耐候性を有するワイヤーハーネス保護材及びワイヤーハーネスを提供する。
【解決手段】無色の繊維と黒色の繊維を混綿した不織布1、1を用い、該不織布1,1を所定の形状に成形してワイヤーハーネス保護材2を形成し、電線束4の周囲を前記ワイヤーハーネス保護材2で被覆してワイヤーハーネス3を構成した。
【選択図】図1
【解決手段】無色の繊維と黒色の繊維を混綿した不織布1、1を用い、該不織布1,1を所定の形状に成形してワイヤーハーネス保護材2を形成し、電線束4の周囲を前記ワイヤーハーネス保護材2で被覆してワイヤーハーネス3を構成した。
【選択図】図1
Description
本発明は、ワイヤーハーネス保護材及びワイヤーハーネスに関するものである。
近年、自動車や電化製品を中心に高性能化、高機能化が進められている。自動車や電化製品等の様々なエレクトロニクス設備を正確に作動させるため、自動車や電化製品等の内部配線には、複数の電線が使用されている。一般に、これら複数の電線は、ワイヤーハーネスの形態で使用される。
ワイヤーハーネスは、複数の電線からなる電線束が予め配線に必要な形態に組み上げられている。例えばワイヤーハーネスは、必要な分岐が形成され、その端末へのコネクタ付け等が施され、ワイヤーハーネス保護材が電線束の外周に巻装されて形成されている。
上記ワイヤーハーネス保護材は、不織布等からなる保護材料が、凹溝状、チューブ状等の種々の形状に形成されているものが用いられ、電線束の周囲を被覆することで所定の形状に形成される。
一般に、短繊維を用いて作成された不織布は、例えば、フィルターやクッション材、車内シート材、車内天井材等のように、多種多様な分野で利用されている。本出願人等は、不織布を用いたワイヤーハーネス保護材を先に提案している(特許文献1参照)。
不織布をワイヤーハーネス保護材として使用した場合、着色されていない非着色繊維を使用した不織布は白色の不織布となり、白色のワイヤーハーネス保護材が形成される。しかし白色のワイヤーハーネス保護材は、太陽光等が直接照射される部分で使用されると、紫外線により劣化してしまうという問題があった。
本発明は、上記従来技術の問題点を解決しようとするものであり、太陽光が直接照射される部分で使用されても耐候性が良好なワイヤーハーネス保護材及びワイヤーハーネスを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明のワイヤーハーネス保護材は、不織布が所定の形状に成形されているワイヤーハーネス保護材であって、前記不織布が有色繊維を有することを要旨とするものである。
上記ワイヤーハーネス保護材において、前記不織布が、無色繊維と有色繊維が混綿されているものであり、前記有色繊維が5質量%以上の割合で配合されていることが好ましい。
上記ワイヤーハーネス保護材において、前記有色繊維が、黒色に着色された黒色繊維であることが好ましい。
上記ワイヤーハーネス保護材において、前記無色繊維が、非着色繊維及び/又は白色に着色された白色繊維であることが好ましい。
上記ワイヤーハーネス用保護材料において、前記不織布が熱成形性を有することが好ましい。
本発明のワイヤーハーネスは、上記のワイヤーハーネス保護材により電線束の周囲が被覆されていることを要旨とするものである。
本発明のワイヤーハーネス保護材は、不織布が所定の形状に成形されているワイヤーハーネス保護材であって、前記不織布が有色繊維を有するものであるから、無色繊維100%の不織布を用いたワイヤーハーネス保護材と比較して、有色繊維の配合により光を透過し難くなっているので、紫外線による劣化を防止して耐候性を向上させることができる。
また本発明のワイヤーハーネスは、上記のワイヤーハーネス保護材により電線束の周囲が被覆されていることにより、耐候性に優れたワイヤーハーネスが得られる。
以下、図面を用いて本発明の実施形態について詳細に説明する。図1は本発明のワイヤーハーネスの一例を示す外観斜視図である。図1に示すように、ワイヤーハーネス保護材2は不織布1、1を用いて、所定の形状に成形されている。ワイヤーハーネス3は、前記ワイヤーハーネス保護材2により電線束4の周囲が被覆されているものである。
ワイヤーハーネス保護材2は、ポリエチレンテレフタレート繊維(以下、PET繊維ということもある)からなる不織布が熱成形されたものであり、ワイヤーハーネス3の形状保持と、電線束4の保護材としての機能を有する。
ワイヤーハーネス保護材2を構成する不織布1は、無色繊維と有色繊維が混綿されている。無色繊維は、非着色の繊維、又は白色に着色した繊維、或いは非着色の繊維と白色に着色した繊維の混合したものが用いられる。不織布における無色繊維の配合量は、95質量%未満であるのが好ましい。
有色繊維は、顔料や染料等で白色以外に着色した繊維が用いられる。不織布における有色繊維の配合量は、不織布を構成する繊維中の5質量%以上用いるのが好ましい。有色繊維の配合量が5質量%未満では、耐候性の向上効果が不十分となるおそれがある。更に好ましい有色繊維の配合量は10質量%以上である。有色繊維の配合量が多くなると耐候性の向上効果も更に良好となる。
有色繊維は、例えば、黒色繊維が好ましく用いられる。黒色の有色繊維と無色繊維を配合すると、灰色の不織布が得られる。また有色繊維は、黒色以外の色でもよい。有色繊維は、一色の繊維のみで構成してもよいし、前記有色繊維とは異なる色の有色繊維を複数色、混合して構成してもよい。
黒色繊維を配合した不織布は、黒色繊維が紫外線劣化を抑制し、太陽光が直接照射される部分等の耐候性が良好である。例えば、車両等に使用されるワイヤーハーネスでは、耐候性が要求される部位としては、エンジン周辺の部位等が挙げられる。ワイヤーハーネス保護材は、エンジン周辺等の部位に好適に利用可能である。
不織布1は、目付100〜2000g/m2、厚み0.5〜30mmのものが用いられる。不織布を構成する繊維は、繊維径1〜40デニール、繊維長30〜120mmの単繊維である。繊維形状は、円筒型、中空型、サイドバイサイド型、芯鞘型等が挙げられる。また繊維は繊維形状の異なる異型断面繊維を使用してもよい。
不織布1は、上記の有色繊維と無色繊維を用いて、ニードルパンチやスパンボンド法で作製することができる。
不織布1は、熱成形性を有することが好ましい。不織布の熱成形性とは、加熱により所定の形状に成形することが可能な熱可塑性を有しているという意味である。熱成形性を有する不織布を用いると、ワイヤーハーネス保護材を容易に所定形状に形成することが可能である。
不織布1の繊維に用いられる熱可塑性樹脂は、例えば、変性ポリエチレンテレフタレート、ポリ乳酸等のポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、6-ナイロン、6,6-ナイロン等のポリアミド樹脂、アクリル樹脂、トリアセテート樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリ塩化ビニル等が挙げられる。
また不織布1に用いられる繊維は、周囲をバインダ層により被覆したバインダ繊維を用いてもよい。上記バインダ層としては、例えば、ポリエチレンイソフタレートとPETとの共重合体等が挙げられる。
図1に示すようにワイヤーハーネス3は、複数の電線を束にした電線束4の周囲がワイヤーハーネス保護材2により被覆されているものである。ワイヤーハーネス保護材2は、上記の有色繊維と無色繊維が混綿された不織布1を用いて所定の形状に成形されたものである。
ワイヤーハーネス3を製造するには、例えば、上下に二分割される上型と下型からなる所定の成形型を用い、各成形型に上記不織布1を対向するように配置し、型締めして2枚の前記不織布1、1が電線束4を挟んでいる状態で加熱して成形を行う。成形の際、不織布1、1の電線束4の外側に突出している部分を接着させる。
本発明のワイヤーハーネスは、上記の形態に限定されるものではない。特に図示しないが、ワイヤーハーネスは、1枚の不織布を用いて、電線束4の周囲を巻回した状態で熱成形して、ワイヤーハーネス保護材2を所定の形状に形成して構成してもよい。また、ワイヤーハーネス保護材2は、予め、不織布1を所定の凹溝状に成形して、二つの部材に分割形成しておいてもよい。この分割形成されたワイヤーハーネス保護材2の間に電線束4を挟んで接合してワイヤーハーネス3を構成することができる。
本発明のワイヤーハーネスは、自動車用ワイヤーハーネス等として好適に用いることができる。
以下、本発明の実施例、比較例を示す。尚、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例1〜5、比較例1
有色PET繊維と無色PET繊維を表1に示す組成で配合したPET不織布をワイヤーハーネス保護材の試験片として用いた。試験片について耐候性試験を行い、耐候性試験前後の引張り強さを測定した。また耐候性試験前後の試験片を目視で観察し、変色について評価した。評価結果を表1に合わせて示す。試験方法は下記の通りである。
有色PET繊維と無色PET繊維を表1に示す組成で配合したPET不織布をワイヤーハーネス保護材の試験片として用いた。試験片について耐候性試験を行い、耐候性試験前後の引張り強さを測定した。また耐候性試験前後の試験片を目視で観察し、変色について評価した。評価結果を表1に合わせて示す。試験方法は下記の通りである。
試験片は、各不織布を50mm×200mm(MD方向)の大きさに切断したものを用いた。引張試験は、JIS L1913に準拠し、上記の試験片を引張り速度200mm/分で実施した。耐候性試験は、JIS K7350−3に規定されるA法で:人工ウエザリングのサイクルNo.1にて100サイクル(1サイクルは8時間照射+5時間照射の合計12時間)暴露した。色判定は、耐候性試験後に変色が認められないものを『○』とし、変色の度合いが小さいものは『△」』、変色が明らかに観察されるものは『×』と判定した。
表1に示すように、黒色PET繊維の配合されていない比較例1は変色が明らかに観察された。これに対し黒色PET繊維が配合されている実施例1は変色の度合いが小さいものであり、実施例2〜5は変色が認められなかった。また耐候性試験後の引張強さに関しても、実施例2〜5は比較例1と比較して良好な値が得られた
以上、本発明の実施例について詳細に説明したが、本発明は、上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改変が可能である。
1 不織布
2 ワイヤーハーネス保護材
3 ワイヤーハーネス
4 電線束
2 ワイヤーハーネス保護材
3 ワイヤーハーネス
4 電線束
Claims (6)
- 不織布が所定の形状に成形されているワイヤーハーネス保護材であって、前記不織布が有色繊維を有することを特徴とするワイヤーハーネス保護材。
- 前記不織布が、無色繊維と有色繊維が混綿されているものであり、前記有色繊維が5質量%以上の割合で配合されていることを特徴とする請求項1記載のワイヤーハーネス保護材。
- 前記有色繊維が、黒色に着色された黒色繊維であることを特徴とする請求項1又は2記載のワイヤーハーネス保護材。
- 前記無色繊維が、非着色繊維及び/又は白色に着色された白色繊維であることを特徴とする請求項2記載のワイヤーハーネス保護材。
- 前記不織布が熱成形性を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のワイヤーハーネス保護材。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載のワイヤーハーネス保護材により電線束の周囲が被覆されていることを特徴とするワイヤーハーネス。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012039588A JP2013173464A (ja) | 2012-02-27 | 2012-02-27 | ワイヤーハーネス保護材及びワイヤーハーネス |
PCT/JP2013/054301 WO2013129224A1 (ja) | 2012-02-27 | 2013-02-21 | ワイヤーハーネス保護材及びワイヤーハーネス |
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JP2012039588A JP2013173464A (ja) | 2012-02-27 | 2012-02-27 | ワイヤーハーネス保護材及びワイヤーハーネス |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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Family
ID=49082424
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012039588A Pending JP2013173464A (ja) | 2012-02-27 | 2012-02-27 | ワイヤーハーネス保護材及びワイヤーハーネス |
Country Status (2)
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JP (1) | JP2013173464A (ja) |
WO (1) | WO2013129224A1 (ja) |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP3166607U (ja) * | 2010-12-28 | 2011-03-10 | 帝人ファイバー株式会社 | 被覆材 |
-
2012
- 2012-02-27 JP JP2012039588A patent/JP2013173464A/ja active Pending
-
2013
- 2013-02-21 WO PCT/JP2013/054301 patent/WO2013129224A1/ja active Application Filing
Also Published As
Publication number | Publication date |
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WO2013129224A1 (ja) | 2013-09-06 |
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