JP2013172880A - 周期的パターン検出装置および方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】照射野領域内にさらに周期的パターンが検出しにくい領域が含まれる場合に、周期的パターンを精度よく検出できるようにする。
【解決手段】画像取得部31が放射線検出器2から放射線画像P0を取得し、照射野領域検出部32が、放射線画像P0から照射野領域P1を検出する。解析領域設定部33が、直接放射線領域、高吸収体領域および高ノイズ領域を周期的パターンが存在する可能性が低い領域として検出し、照射野領域P1からこれらの領域を除外することにより、解析領域P2を設定する。周波数解析部34が、解析領域P2のみに対して周波数解析を行い、グリッドに起因する周期的パターンの周波数成分を検出する。フィルタリング処理部35が、放射線画像P0からグリッドに起因する周期的パターンの周波数成分を除去する。
【選択図】図2
【解決手段】画像取得部31が放射線検出器2から放射線画像P0を取得し、照射野領域検出部32が、放射線画像P0から照射野領域P1を検出する。解析領域設定部33が、直接放射線領域、高吸収体領域および高ノイズ領域を周期的パターンが存在する可能性が低い領域として検出し、照射野領域P1からこれらの領域を除外することにより、解析領域P2を設定する。周波数解析部34が、解析領域P2のみに対して周波数解析を行い、グリッドに起因する周期的パターンの周波数成分を検出する。フィルタリング処理部35が、放射線画像P0からグリッドに起因する周期的パターンの周波数成分を除去する。
【選択図】図2
Description
本発明は、画像に含まれる周期的パターンを抑制するに際し、この周期的パターンの周波数成分を検出する周期的パターン検出装置および方法に関するものである。
従来、医療分野等において、被写体を透過した放射線の照射により被写体に関する放射線画像を記録する放射線検出器が各種提案、実用化されている。このような放射線検出器としては、例えば、放射線の照射により電荷を発生するアモルファスセレンを利用した放射線検出器がある。この放射線検出器を用いた撮影装置においては、放射線を照射する放射線源と放射線検出器との間に、放射線を透過しない鉛等と透過しやすいアルミニウムや木材等とが所定のピッチで交互に配置された散乱線除去グリッド(以下単にグリッドと称する)が設けられており、このグリッドにより放射線の散乱成分が除去されるようになっている。
しかしながら、グリッドを用いて被写体の放射線画像を撮影すると、取得される放射線画像内にグリッドに起因する周期縞およびモアレ等の周期的パターンの周波数成分がノイズとして発生してしまう。このため、放射線画像に含まれる周期的パターンを検出し、周期的パターンの周波数成分を抑制する処理を放射線画像に対して行うことにより、周期的パターンによる画質の劣化を防止するための様々な提案がなされている。例えば、特許文献1には、放射線画像に複数の線状の領域を設定し、この線状の領域の画像信号に対してフーリエ変換等の周波数解析を行うことにより周波数スペクトルを求め、この周波数スペクトルにおいてレスポンスがピークを有する周波数を、周期的パターンの周波数成分として検出する手法が提案されている。
ところで、グリッドの密度が比較的高い場合、周期的パターンの振幅が弱くなる。また、周期的パターンの周波数成分が低周波に折り返すほど、その周波数成分が被写体の周波数成分に埋もれやすくなる。このような場合、周期的パターンの周波数成分の周波数スペクトルにおけるレスポンスが小さくなるため、周期的パターンの周波数成分が検出しにくくなる。
一方、撮影時には、被写体の不要な部分に放射線が照射されることを防止するために、照射野絞りを用いる場合がある。照射野絞りを用いて被写体を撮影した場合、放射線画像における照射野外の領域には放射線が照射されていないことから、周期的パターンは含まれない。また、生殖器等の人体の不要な部分への放射線の曝射を防止するために、放射線を吸収する鉛等のプロテクタを使用して撮影を行った場合、放射線画像におけるプロテクタの領域(以下、高吸収体領域とする)は低濃度となるため、周期的パターンはほとんど目立たないものとなる。
このため、放射線画像における照射野領域内に対応する部分のみから、周期的パターンを検出する手法(特許文献2)、放射線画像におけるプロテクタが存在する部分の画像信号値を0として、周期的パターンを除去する手法(特許文献3)が提案されてる。また、放射線画像における直接放射線が照射された領域を除いて、ノイズを除去する手法が提案されている(特許文献4)。
しかしながら、特許文献2〜4に記載された手法においては、それぞれ照射野外領域、高吸収体領域および直接放射線領域を除外して周期的パターンの検出および除去を行っているのみであり、照射野領域内にさらに周期的パターンが検出しにくい領域が含まれる場合には対応できない。
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、照射野領域内にさらに周期的パターンが検出しにくい領域が含まれる場合に、周期的パターンを精度よく検出できるようにすることを目的とする。
本発明による周期的パターン検出装置は、照射野絞りおよび放射線の散乱成分を除去するグリッドを用いて撮影を行うことにより取得された放射線画像から、照射野絞りに対応する照射野領域を検出する照射野領域検出手段と、
照射野領域におけるグリッドに起因する周期的パターンが存在する可能性が低い領域を除外して、周波数解析を行うための解析領域を設定する解析領域設定手段と、
解析領域に対して周波数解析を行うことにより、周期的パターンの周波数成分を検出する周波数解析手段とを備えたことを特徴とするものである。
照射野領域におけるグリッドに起因する周期的パターンが存在する可能性が低い領域を除外して、周波数解析を行うための解析領域を設定する解析領域設定手段と、
解析領域に対して周波数解析を行うことにより、周期的パターンの周波数成分を検出する周波数解析手段とを備えたことを特徴とするものである。
ここで、放射線画像は、被写体に放射線を照射することにより検出されたものであればなんでもよく、例えばマンモグラフィ装置により取得された放射線画像や胸部撮影により取得された放射線画像であってもよいし、医用画像に限らず非破壊検査に用いられる放射線画像であってもよい。
また、放射線画像の取得は、放射線検出器を用いることにより行ってもよく、放射線の照射により放射線エネルギーの一部を蓄積し、その後、可視光やレーザ光等の励起光の照射により、蓄積された放射線エネルギーに応じた輝尽発光光を発光する蓄積性蛍光体を利用した蓄積性蛍光体シートを用いることにより行ってもよい。蓄積性蛍光体シートを用いる場合、被写体を透過した放射線を蓄積性蛍光体シートに照射することにより、放射線画像情報を一旦蓄積記録し、この蓄積性蛍光体シートに励起光を照射して輝尽発光光を生じさせ、この輝尽発光光を光電変換することにより放射線画像が取得される。
また、グリッドは放射線の散乱成分を除去するものであればそのパターンを問わず、例えば放射線検出器の主方向または副方向に沿って設けられた複数のプレートからなるものであってもよいし、放射線検出器の主方向および副方向に対し傾けて設けられた複数のプレートからなるものであってもよい。
周期的パターンとは、放射線画像に含まれる周期的なパターンを持ったノイズを意味する。例えば、グリッドを利用して被写体を撮影することにより取得した放射線画像に含まれる周期縞やモアレ等を意味する。
なお、本発明による周期的パターン検出装置においては、周期的パターンが存在する可能性が低い領域を、直接放射線領域、高吸収体領域および高ノイズ領域の少なくとも1つとしてもよい。
直接放射線領域とは、被写体に照射された放射線が、被写体を透過することなく放射線検出器等に直接到達することにより得られる、放射線画像において高濃度となる領域のことをいう。
高吸収体領域とは、例えば生殖器等の被写体の不要な部分への放射線の照射を防止するために使用するプロテクタを使用して撮影を行った場合に放射線画像に含まれる低濃度となる領域のことをいう。
ここで、低線量にて撮影を行った場合、比較的濃度が低い領域においては、放射線の量子ノイズが目立ってしまう。高ノイズ領域とはこのような放射線の量子ノイズが目立つ領域のことをいう。
また、本発明による周期的パターン検出装置においては、解析領域設定手段を、放射線画像を取得する際の撮影条件に応じて、解析領域を設定する手段としてもよい。
撮影条件とは、放射線を出射する放射線源に対する管電圧、mAs値(すなわち電流×照射時間)、SID(放射線源と放射線の検出面との距離)、および撮影部位の情報等、被写体に照射される放射線量を推定可能な情報を用いることができる。
また、本発明による周期的パターン検出装置においては、周期的パターンが存在する可能性が低い領域を、高ノイズ領域としてもよい。
また、本発明による周期的パターン検出装置においては、放射線画像から、周期的パターンの周波数成分を除去して処理済放射線画像を取得する処理手段をさらに備えるものとしてもよい。
本発明による周期的パターン検出方法は、照射野絞りおよび放射線の散乱成分を除去するグリッドを用いて撮影を行うことにより取得された放射線画像から、照射野絞りに対応する照射野領域を検出し、
照射野領域における前記グリッドに起因する周期的パターンが存在する可能性が低い領域を除外して、周波数解析を行うための解析領域を設定し、
解析領域に対して周波数解析を行うことにより、周期的パターンの周波数成分を検出することを特徴とするものである。
照射野領域における前記グリッドに起因する周期的パターンが存在する可能性が低い領域を除外して、周波数解析を行うための解析領域を設定し、
解析領域に対して周波数解析を行うことにより、周期的パターンの周波数成分を検出することを特徴とするものである。
本発明によれば、照射野領域におけるグリッドに起因する周期的パターンが存在する可能性が低い領域を除外して、周波数解析を行うための解析領域が設定され、解析領域に対して周波数解析を行うことにより、周期的パターンの周波数成分が検出される。このため、周期的パターンの振幅が弱く、周波数解析により得られる周波数スペクトルにおいて、周期的パターンの周波数成分のレスポンスが小さくなる部分が照射野領域に含まれていても、その部分は周波数解析に使用されることがなくなる。したがって、周期的パターンが存在する可能性が低い領域に影響されることなく、周期的パターンの周波数成分を精度よく検出することができる。
また、撮影条件に応じて解析領域を設定することにより、放射線画像が取得された状況に応じて適切に解析領域を設定することができる。したがって、周期的パターンの周波数成分をより精度よく検出することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明の第1の実施形態による周期的パターン検出装置を適用した放射線画像診断システムの構成を示す概略ブロック図である。図1に示すように、この放射線画像診断システムは、放射線発生装置1、放射線検出器2、画像処理装置3、撮影制御装置4およびグリッド5から構成されており、放射線発生装置1と放射線検出器2とは、被検体Sを挟んで対向するように配置されている。また、撮影制御装置4は、放射線発生装置1、放射線検出器2および画像処理装置3の各々と接続され、放射線検出器2は画像処理装置3とも接続されている。なお、本実施形態においては、被写体Sは不要な部分への放射線の曝射を防ぐための、鉛等から構成されたプロテクタを装着しているものとする。
放射線発生装置1は、放射線を曝射する放射線管11と、放射線管11に管電圧を印加する高電圧発生器12と、放射線管11から発せられる放射線の照射範囲を制限するための照射野絞り13とを備え、撮影制御装置4からの制御により、被写体Sに対して照射野を絞って放射線を曝射することができるものとなっている。ここで、放射線管11から発せられた放射線は、照射野絞り13によりその照射範囲が絞られて被写体Sに照射されることとなる。なお、管電圧や、管電流および曝射時間等の撮影条件の設定やそれに基づく動作の制御は撮影制御装置4により行われる。
放射線検出器2は、被写体Sを透過した放射線からなる放射線画像情報を静電潜像として蓄積し、蓄積した静電潜像を読み取ることにより放射線の透過率分布を放射線画像として検出するものである。なお、放射線検出器2は放射線を検出して画像情報として出力するものであればその構成を問わず、例えばTFT方式の固体検出器であってもよいし光読出方式の固体検出器であってもよい。
さらに、この放射線画像診断システムは、被検体Sと放射線検出器2との間にグリッド5を着脱可能に構成されており、グリッドありでの撮影、グリッドなしでの撮影の両方が可能となっている。また、グリッドありでの撮影の場合、様々な種類(グリッド比、グリッドパターン等)のグリッドが使用可能となっている。グリッド5は放射線を吸収する鉛と、放射線を透過するアルミニウムとが例えば4本/mm程度のピッチで交互に配置されているものである。また、放射線がアルミニウムを透過して放射線検出器2に入射するように、鉛は位置に応じて多少傾きを変化させて設置されている。
画像処理装置3は、画像等の表示を行う高精細液晶ディスプレイと、ユーザからの入力を受け付けるキーボードやマウス等と、CPUやメモリ、ハードディスク、通信インターフェース等を備えた本体とを有するコンピュータであり、放射線画像からグリッドに起因する周期的パターンを検出し、さらに周期的パターンを抑制する機能を有している。
図2は画像処理装置3の構成を示す概略ブロック図である。図2に示すように、画像処理装置3は、画像取得部31、照射野領域検出部32、解析領域設定部33、周波数解析部34およびフィルタリング処理部35を備える。
画像取得部31は、放射線検出器2により取得された放射線画像P0をデジタルデータとして取得するものである。図3は放射線画像の例を示す図である。図3に示すように、放射線画像P0には、照射野絞り13による放射線の照射範囲を規定するエッジA0により囲まれた領域(すなわち照射野領域)に、被写体Sの透過像とともに、放射線が放射線検出器2に直接照射された部分である直接放射線部A1、および不要な部分への放射線の曝射を防ぐためのプロテクタの領域である高吸収体領域A2が含まれる。
照射野領域検出部32は、放射線画像P0から照射野絞り13により放射線が照射された照射野領域を検出する。照射野領域の検出には、例えば特開昭63−244029号公報に記載された手法を用いることができる。特開昭63−244029号公報に記載された手法は、照射野のエッジ部分と考えられるエッジ候補点を求め、エッジ候補点の座標を(x0,y0)としたとき、(x0,y0)を定数としてρ=x0・cosθ+y0・sinθで表される曲線を各エッジ候補点について求め、これらの曲線同士の交点(ρ0,θ0)から直交座標系においてρ0=x・cosθ0+y・sinθ0で規定される直線を求め、これらの直線で囲まれる領域を放射線が照射された照射野領域P1として検出する手法である。なお、照射野領域の検出の手法はこれに限定されるものではなく、任意の手法を用いることができる。これにより、図4に示すように、照射野のエッジA0により囲まれる領域が照射野領域P1として検出される。なお、本実施形態においては、照射野は矩形としているが、円形、多角形等、任意の形状とすることが可能である。
解析領域設定部33は、放射線画像P0における照射野領域P1に対して、周波数解析部34が周波数解析を行う領域を設定する。具体的には、照射野領域P1において、直接放射線領域、高吸収体領域および高ノイズ領域を、グリッドに起因する周期的パターンが存在する可能性が低い、除外領域として検出し、照射野領域P1から除外領域を除外することにより、解析領域P2を設定する。以下、直接放射線領域、高吸収体領域および高ノイズ領域の検出について説明する。
直接放射線領域A1は、放射線画像P0において、放射線が被写体Sを透過することなく、直接放射線検出器2に照射されていることから、濃度が飽和して黒つぶれした領域となっている。このため、解析領域設定部33は、まず照射野領域P1の信号値のヒストグラムを算出する。図5は照射野領域P1の信号値のヒストグラムを示す図である。なお、図5に示すヒストグラムH0において、横軸は信号値、縦軸は頻度を示している。ここで、直接放射線領域A1は、濃度が非常に高い。このため、解析領域設定部33は、例えば、ヒストグラムの分布において、最高濃度の95%の濃度をしきい値Th1に設定し、信号値がしきい値Th1以上となる画素値からなる領域を直接放射線領域A1として検出する。
高吸収体領域A2は、放射線画像P0において、プロテクタにより放射線が遮断されていることから、非常に濃度が低く、白とびした領域となっている。このため、解析領域設定部33は、照射野領域P1の信号値のヒストグラムH0の分布において、最低濃度から5%の濃度をしきい値Th2に設定し、信号値がしきい値Th2以下となる画素値からなる領域を高吸収体領域A2として検出する。
高ノイズ領域は、例えば特開平2002−125153号公報に記載されたように、放射線画像P0を取得した際の放射線量を表す情報に基づいて、ノイズを表す指標値を算出し、指標値がしきい値Th3以上となる画素を高ノイズ領域として検出する。本実施形態においては、例えば図4に示す領域A3を高ノイズ領域として検出する。
そして、解析領域設定部33は、照射野領域P1から直接放射線領域A1、高吸収体領域A2および高ノイズ領域A3を除外した領域を解析領域P2に設定する。
周波数解析部34は、図6に示すように、放射線画像P0上に3×9の小領域A10を設定する。ここで、小領域A10には、図6におけるx方向の長さが1024画素のライン状の領域が3画素間隔で9つ含まれる。そして、周波数解析部34は、小領域A10内の各ライン状領域の画像信号に対してフーリエ変換を施して、周波数スペクトルを算出する。そして、小領域A10内において算出した9個の周波数スペクトルを平均し、さらに3×9の小領域A10について算出した、平均した周波数スペクトルをさらに平均して、放射線画像P0のx方向についての周波数スペクトルを算出する。また、y方向についても同様に複数の小領域を設定して、y方向についての周波数スペクトルを算出する。
図7は周波数スペクトルの例を示す図である。図7に示すように求められた周波数スペクトルは低周波数から高周波数となるにつれて徐々に小さくなるとともに、ある周波数成分においてピークを有するものとなっている。このように算出した周波数スペクトルにおけるピークを有する周波数が、グリッドに起因する周期的パターンの周波数となる。なお、撮影時においてグリッド5のピッチがx方向である場合、x方向について算出した周波数スペクトルにグリッドに起因する周期的パターンのピーク周波数が現れるが、y方向については現れないこととなる。
ここで、本実施形態においては、周波数解析部34は、解析領域P2のみを用いて周波数解析を行う。このため、本実施形態においては、3×9のすべての小領域A10を使用せず、図8に示すように、27個の小領域A10のうち、50%以上の面積が解析領域P2に含まれる小領域のみを用いて周波数解析を行う。なお、図8においては周波数解析に使用する小領域を実線で、使用しない小領域を破線で示している。なお、周波数解析に使用する小領域が解析領域P2に含まれる面積の割合としては、50%に限定されるものではなく、任意の値に設定可能である。
フィルタリング処理部35は、周波数解析部34が検出した周期的パターンの周波数成分のみを抽出するフィルタを作成し、作成したフィルタにより放射線画像P0に対してフィルタリング処理を行う。フィルタリング処理された放射線画像P0は、図9に示すように、周期的パターンの周波数成分のみを有する画像となる。そして、フィルタリング処理部35は、放射線画像P0からフィルタリング処理した放射線画像を減算することにより、処理済放射線画像P3を取得する。処理済放射線画像P3の周波数スペクトルは、図10に示すようにグリッドに起因する周期的パターンの周波数成分が除去されたものとなっている。なお、放射線画像P0に対してのみならず、照射野領域P1に対してフィルタリング処理を行うようにしてもよい。
次いで、第1の実施形態において行われる処理について説明する。図11は第1の実施形態において行われる処理を示すフローチャートである。なお、被写体Sの撮影は完了しているものとする。まず、画像取得部31が放射線検出器2から放射線画像P0を取得し(ステップST1)、照射野領域検出部32が、放射線画像P0から照射野領域P1を検出する(ステップST2)。そして、解析領域設定部33が、直接放射線領域、高吸収体領域および高ノイズ領域を周期的パターンが存在する可能性が低い除外領域として検出し、照射野領域P1からこの除外領域を除外することにより、解析領域P2を設定する(ステップST3)。
そして、周波数解析部34が、解析領域P2のみに対してのみ周波数解析を行い(ステップST4)、グリッドに起因する周期的パターンの周波数成分を検出する(ステップST5)。そして、フィルタリング処理部35が、グリッドに起因する周期的パターンの周波数成分を除去するフィルタを作成し(ステップST6)、作成したフィルタにより放射線画像P0に対してフィルタリング処理を施して処理済放射線画像P3を取得し(ステップST7)、処理を終了する。
このように、本実施形態においては、照射野領域P1におけるグリッドに起因する周期的パターンが存在する可能性が低い領域を除外して周波数解析のための解析領域P2を設定し、解析領域P2に対して周波数解析を行うことにより、周期的パターンの周波数成分を検出するようにしたものである。このため、周期的パターンの振幅が弱く、周波数解析により得られる周波数スペクトルにおいて、周期的パターンの周波数成分のレスポンスが小さくなってしまう部分が照射野領域P1に含まれていても、その部分は周波数解析に使用されることがなくなる。したがって、周期的パターンが存在する可能性が低い領域に影響されることなく、周期的パターンの周波数成分を精度よく検出することができる。
次いで、本発明の第2の実施形態について説明する。図12は本発明の実施形態による周期的パターン検出装置を適用した放射線画像診断システムの構成を示す概略ブロック図である。なお、第2の実施形態において第1の実施形態と同一の構成については同一の参照番号を付与し、ここでは詳細な説明は省略する。第2の実施形態においては、画像処理装置3Aが、放射線画像取得時の撮影条件を撮影制御装置4から取得する撮影条件取得部36を備え、解析領域設定部33が、撮影条件に応じて解析領域P2を設定するようにした点が第1の実施形態と異なる。
ここで、管電流×曝射時間の値(すなわちmAs値)が高い場合、放射線画像における直接放射線領域の濃度が飽和する可能性が高い。また、放射線の線量が大きいことから、ノイズが少ない。したがって、解析領域設定部33は、mAs値が所定のしきい値Th3以上の場合には、直接放射線領域A1の検出を行い、高ノイズ領域の検出を行わないようにして、解析領域P2を設定する。逆に、mAs値が所定のしきい値Th4以下の場合には、直接放射線領域A1の検出を行わず、高ノイズ領域の検出を行うようにして、解析領域P2を設定する。
一方、管電圧が低い場合には、取得される放射線画像P0のコントラストが高くなるため、グリッドに起因する周期的パターンのコントラストも十分なものとなる。したがって、解析領域設定部33は、管電圧が所定のしきい値Th5以下の場合には、直接放射線領域A1、高吸収体領域A2および高ノイズ領域A3の検出を行わず、照射野領域P1の全体を解析領域P2に設定する。
また、放射線管11と放射線検出器2の撮像面までの距離であるSIDに応じて、解析領域P2を設定するようにしてもよい。ここで、SIDが大きいほど放射線検出器2に到達する線量が小さくなるため、SIDが所定のしきい値Th6以上の場合には、高ノイズ領域の検出を行うようにして解析領域P2を設定すればよい。
なお、胸部を撮影する場合と手を撮影する場合とでは、後者の方が放射線量は少なくなる。したがって、被写体Sの撮影部位に応じて解析領域P2を設定するようにしてもよい。具体的には、撮影部位が手の場合には放射線量が少なくなるため、高ノイズ領域の検出を行うようにして解析領域P2を設定するようにすればよい。
次いで、第2の実施形態において行われる処理について説明する。図13は第2の実施形態において行われる処理を示すフローチャートである。なお、被写体Sの撮影は終了しているものとする。まず、画像取得部31が放射線検出器2から放射線画像P0を取得し(ステップST11)、さらに撮影条件取得部36が撮影条件を取得する(ステップST12)。次いで、照射野領域検出部32が、放射線画像P0から照射野領域P1を検出する(ステップST13)。そして、解析領域設定部33が、撮影条件に応じて解析領域P2を設定する(ステップST14)。
そして、周波数解析部34が、解析領域P2に対してのみ周波数解析を行い(ステップST15)、グリッドに起因する周期的パターンの周波数成分を検出する(ステップST16)。そして、フィルタリング処理部35が、グリッドに起因する周期的パターンの周波数成分を除去するフィルタを作成し(ステップST17)、作成したフィルタにより放射線画像P0に対してフィルタリング処理を施して処理済放射線画像P3を取得し(ステップST18)、処理を終了する。
このように、第2の実施形態においては、撮影条件に応じて解析領域P2を設定するようにしたため、放射線画像が取得された状況に応じて適切に解析領域P2を設定することができる。したがって、周期的パターンの周波数成分をより精度よく検出することができる。
なお、上記第1および第2の実施形態においては、直接放射線領域、高吸収体領域および高ノイズ領域を除外して解析領域を設定しているが、直接放射線領域、高吸収体領域および高ノイズ領域のすべてを除外する必要はなく、少なくとも1つを除外して解析領域を設定するようにしてもよい。とくに、高ノイズ領域のみを除外して解析領域を設定するようにしてもよい。
また、上記第1および第2の実施形態においては、3×9の小領域のうち、解析領域P2に所定の割合以上含まれる小領域を用いて周波数解析を行っているが、解析領域P2に全体が含まれる小領域を用いて周波数解析を行ってもよい。また、解析領域P2に新たに小領域を設定して周波数解析を行うようにしてもよい。
また、上記第1および第2の実施形態においては、放射線検出器2を用いて被写体Sの放射線画像を取得しているが、放射線の照射により放射線エネルギーの一部を蓄積し、その後、可視光やレーザ光等の励起光の照射により、蓄積された放射線エネルギーに応じた輝尽発光光を発光する蓄積性蛍光体を利用した蓄積性蛍光体シートを用いることにより、放射線画像を取得するようにしてもよい。蓄積性蛍光体シートを用いる場合、被写体を透過した放射線を蓄積性蛍光体シートに照射することにより、放射線画像情報を一旦蓄積記録し、この蓄積性蛍光体シートに励起光を照射して、輝尽発光光を生じさせ、この輝尽発光光を光電変換することにより放射線画像が取得される。
1 放射線発生装置
2 放射線検出器
3 画像処理装置
4 撮影制御装置
5 グリッド
31 画像取得部
32 照射野領域検出部
33 解析領域設定部
34 周波数解析部
35 フィルタリング処理部
36 撮影条件取得部
2 放射線検出器
3 画像処理装置
4 撮影制御装置
5 グリッド
31 画像取得部
32 照射野領域検出部
33 解析領域設定部
34 周波数解析部
35 フィルタリング処理部
36 撮影条件取得部
Claims (6)
- 照射野絞りおよび放射線の散乱成分を除去するグリッドを用いて撮影を行うことにより取得された放射線画像から、前記照射野絞りに対応する照射野領域を検出する照射野領域検出手段と、
前記照射野領域における前記グリッドに起因する周期的パターンが存在する可能性が低い領域を除外して、周波数解析を行うための解析領域を設定する解析領域設定手段と、
前記解析領域に対して周波数解析を行うことにより、前記周期的パターンの周波数成分を検出する周波数解析手段とを備えたことを特徴とする周期的パターン検出装置。 - 前記周期的パターンが存在する可能性が低い領域は、直接放射線領域、高吸収体領域および高ノイズ領域の少なくとも1つであることを特徴とする請求項1記載の周期的パターン検出装置。
- 前記解析領域設定手段は、前記放射線画像を取得する際の撮影条件に応じて、前記解析領域を設定する手段であることを特徴とする請求項1または2記載の周期的パターン検出装置。
- 前記周期的パターンが存在する可能性が低い領域は、高ノイズ領域であることを特徴とする請求項1記載の周期的パターン検出装置。
- 前記放射線画像から、前記周期的パターンの周波数成分を除去して処理済放射線画像を取得する処理手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の周期的パターン検出装置。
- 照射野絞りおよび放射線の散乱成分を除去するグリッドを用いて撮影を行うことにより取得された放射線画像から、前記照射野絞りに対応する照射野領域を検出し、
前記照射野領域における前記グリッドに起因する周期的パターンが存在する可能性が低い領域を除外して、周波数解析を行うための解析領域を設定し、
前記解析領域に対して周波数解析を行うことにより、前記周期的パターンの周波数成分を検出することを特徴とする周期的パターン検出方法。
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- 2012-02-27 JP JP2012039591A patent/JP2013172880A/ja active Pending
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