JP2013172510A - 振動アクチュエータ装置、レンズ鏡筒及びカメラ - Google Patents
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Abstract
【課題】高速域と低速域とにおいて好適な駆動性能が得られる振動アクチュエータ装置を提供する。
【解決手段】本発明の振動アクチュエータ装置10は、駆動信号により振動が励起される電気機械変換素子13、該電気機械変換素子13に接合され、振動により駆動面18aに進行性振動波を生じる弾性体14、駆動面18aに加圧接触された相対運動部材12、及び駆動面18aと相対運動部材12とを加圧接触するための加圧部材22をそれぞれ有し、駆動面18aと相対運動部材12との間の接触状態がそれぞれ異なる複数の振動アクチュエータ110,120と、振動アクチュエータ110,120に駆動信号を入力する駆動信号入力部201、及び複数の振動アクチュエータ110,120のうちの少なくとも1つを選択して、選択された振動アクチュエータ110,120に駆動信号を入力する選択部202、を有する駆動装置200と、を備える。
【選択図】図5
【解決手段】本発明の振動アクチュエータ装置10は、駆動信号により振動が励起される電気機械変換素子13、該電気機械変換素子13に接合され、振動により駆動面18aに進行性振動波を生じる弾性体14、駆動面18aに加圧接触された相対運動部材12、及び駆動面18aと相対運動部材12とを加圧接触するための加圧部材22をそれぞれ有し、駆動面18aと相対運動部材12との間の接触状態がそれぞれ異なる複数の振動アクチュエータ110,120と、振動アクチュエータ110,120に駆動信号を入力する駆動信号入力部201、及び複数の振動アクチュエータ110,120のうちの少なくとも1つを選択して、選択された振動アクチュエータ110,120に駆動信号を入力する選択部202、を有する駆動装置200と、を備える。
【選択図】図5
Description
本発明は、振動アクチュエータ装置、レンズ鏡筒及びカメラに関するものである。
振動アクチュエータは、圧電体の伸縮を利用して弾性体の駆動面に進行性振動波(後は進行波と略する)を発生させ、この進行波によって駆動面には楕円運動が生じ、楕円運動の波頭に加圧接触した移動子は駆動される。この様な振動波モ−タは、低回転でも高トルクを有するといった特徴があるため、駆動装置に搭載した場合に、駆動装置のギアを省略することができる。このため、ギア騒音をなくすことで静寂化を達成したり、位置決め精度が向上したりできるといった利点がある。
近年、複数台のモータを同時駆動させることで、振動アクチュエータ装置の高トルク化が図られることが知られている(例えば、特許文献1参照)。また、デジタルスチルカメラへ動画撮影機能が採用されるに伴い、AF(オートフォーカス)高速化の需要に加え、ウォブリング動作のような極低速駆動においても安定的に駆動することが求められている。
このように、振動アクチュエータにおいては高速域、低速域の両方において安定駆動することが求められるが、振動アクチュエータのある速度域での駆動状態は振動体と移動体の接触状態によるところが大きい。これまで、この接触状態を移動体の剛性や加圧力を変更することで高速域と低速域のどちらかに特化した設計が行われているが、高速域と低速域とにおいて安定駆動が可能なアクチュエータについての開示はない。
本発明は、このような課題点を鑑みて、高速域と低速域とにおいて好適な駆動性能が得られる振動アクチュエータ装置、レンズ鏡筒及びカメラを提供することを目的とする。
本発明は、以下のような解決手段により前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
請求項1に記載の発明は、駆動信号により振動が励起される電気機械変換素子(13)、該電気機械変換素子(13)に接合され、前記振動により駆動面(18a)に進行性振動波を生じる弾性体(14)、前記駆動面(18a)に加圧接触された相対運動部材(12)、及び前記駆動面(18a)と前記相対運動部材(12)とを加圧接触するための加圧部材(22)をそれぞれ有し、前記駆動面(18a)と前記相対運動部材(12)との間の接触状態がそれぞれ異なる複数の振動アクチュエータ(110,120)と、前記振動アクチュエータ(110,120)に駆動信号を入力する駆動信号入力部(201)、及び前記複数の振動アクチュエータ(110,120)のうちの少なくとも1つを選択して、選択された振動アクチュエータ(110,120)に前記駆動信号を入力する選択部(202)、を有する駆動装置(200)と、を備える振動アクチュエータ装置(10)である。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の振動アクチュエータ装置(10)であって、前記複数の振動アクチュエータ(110,120)は、前記相対運動部材(12)の硬度がそれぞれ異なることによって、前記接触状態が異なっていること、を特徴とする振動アクチュエータ装置(10)である。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の振動アクチュエータ装置(10)であって、前記複数の振動アクチュエータ(110,120)は、前記加圧部材(22)の加圧力がそれぞれ異なることによって、前記接触状態が異なっている、ことを特徴とする振動アクチュエータ装置(10)である。
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか1に記載の振動アクチュエータ装置(10)であって、前記駆動装置(200)は、前記駆動信号の周波数を検出する周波数検出部(203)、及び前記周波数検出部(203)により検出された周波数と所定のしきい値とを比較する比較部(204)を有し、前記選択部(202)は、前記比較部(204)の比較結果に基づいて、前記複数の振動アクチュエータ(110,120)のうちのいずれを選択すること、を特徴とする振動アクチュエータ装置(10)である。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の振動アクチュエータ装置(10)であって、前記振動アクチュエータ(110,120)の周囲の温度を測定する温度測定部(210)を備え、前記温度測定部(210)により測定された温度に基づいて、前記しきい値の値を変えること、を特徴とする振動アクチュエータ装置(10)である。
請求項6に記載の発明は、請求項1から3のいずれか1に記載の振動アクチュエータ装置(10)であって、前記駆動装置(200)は、前記振動アクチュエータ(110,120)の周囲の温度を測定する温度測定部(210)を備え、前記選択部(202)は、前記温度測定部(210)により測定された温度に基づいて、前記複数の振動アクチュエータ(110,120)のうちのいずれかを選択すること、を特徴とする振動アクチュエータ装置(10)である。
請求項7に記載の発明は、請求項1から6のいずれか1に記載の振動アクチュエータ装置(10)と、前記振動アクチュエータ(110,120)により駆動されるレンズ群(7)と、を備え、前記複数の振動アクチュエータ(110,120)はそれぞれの出力軸(20,121)を有し、前記レンズ群(7)を駆動する被駆動部の駆動力入力軸(10A)と前記出力軸(20,121)とは増減速手段(101,130,111)で連結され、前記選択部(202)により選択された前記振動アクチュエータ(110,120)の出力軸(20,121)からの出力が、前記増減速手段(101,130,111)により前記駆動力入力軸(10A)に伝達されること、ことを特徴とするレンズ鏡筒(3)である。
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載のレンズ鏡筒を備えるカメラ(1)である。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の振動アクチュエータ装置(10)であって、前記複数の振動アクチュエータ(110,120)は、前記相対運動部材(12)の硬度がそれぞれ異なることによって、前記接触状態が異なっていること、を特徴とする振動アクチュエータ装置(10)である。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の振動アクチュエータ装置(10)であって、前記複数の振動アクチュエータ(110,120)は、前記加圧部材(22)の加圧力がそれぞれ異なることによって、前記接触状態が異なっている、ことを特徴とする振動アクチュエータ装置(10)である。
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか1に記載の振動アクチュエータ装置(10)であって、前記駆動装置(200)は、前記駆動信号の周波数を検出する周波数検出部(203)、及び前記周波数検出部(203)により検出された周波数と所定のしきい値とを比較する比較部(204)を有し、前記選択部(202)は、前記比較部(204)の比較結果に基づいて、前記複数の振動アクチュエータ(110,120)のうちのいずれを選択すること、を特徴とする振動アクチュエータ装置(10)である。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の振動アクチュエータ装置(10)であって、前記振動アクチュエータ(110,120)の周囲の温度を測定する温度測定部(210)を備え、前記温度測定部(210)により測定された温度に基づいて、前記しきい値の値を変えること、を特徴とする振動アクチュエータ装置(10)である。
請求項6に記載の発明は、請求項1から3のいずれか1に記載の振動アクチュエータ装置(10)であって、前記駆動装置(200)は、前記振動アクチュエータ(110,120)の周囲の温度を測定する温度測定部(210)を備え、前記選択部(202)は、前記温度測定部(210)により測定された温度に基づいて、前記複数の振動アクチュエータ(110,120)のうちのいずれかを選択すること、を特徴とする振動アクチュエータ装置(10)である。
請求項7に記載の発明は、請求項1から6のいずれか1に記載の振動アクチュエータ装置(10)と、前記振動アクチュエータ(110,120)により駆動されるレンズ群(7)と、を備え、前記複数の振動アクチュエータ(110,120)はそれぞれの出力軸(20,121)を有し、前記レンズ群(7)を駆動する被駆動部の駆動力入力軸(10A)と前記出力軸(20,121)とは増減速手段(101,130,111)で連結され、前記選択部(202)により選択された前記振動アクチュエータ(110,120)の出力軸(20,121)からの出力が、前記増減速手段(101,130,111)により前記駆動力入力軸(10A)に伝達されること、ことを特徴とするレンズ鏡筒(3)である。
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載のレンズ鏡筒を備えるカメラ(1)である。
本発明によれば、高速域と低速域とにおいて好適な駆動性能が得られる振動アクチュエータ装置、レンズ鏡筒及びカメラを提供することができる。
以下、本発明の実施形態にかかる振動アクチュエータ装置10について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下に示す各図には、説明と理解を容易にするために、XYZ直交座標系を設けた。この座標系では、撮影者が光軸Aを水平として横長の画像を撮影する場合のカメラの位置(以下、正位置という)において撮影者から見て左側に向かう方向をXプラス方向とする。また、正位置において上側に向かう方向をYプラス方向とする。さらに、正位置において被写体に向かう方向をZプラス方向とする。
図1は、本実施形態の振動アクチュエータ装置10が搭載されたレンズ鏡筒3を備えるカメラ1を説明する図である。
カメラ1は、撮像素子8を有するカメラボディ2と、レンズ7を有するレンズ鏡筒3とを備えている。レンズ鏡筒3は、カメラボディ2に着脱可能な交換レンズである。
カメラ1は、撮像素子8を有するカメラボディ2と、レンズ7を有するレンズ鏡筒3とを備えている。レンズ鏡筒3は、カメラボディ2に着脱可能な交換レンズである。
レンズ鏡筒3は、レンズ7、カム筒6、ギア4,5、振動アクチュエータ装置10等を備えている。本実施形態では、振動アクチュエータ装置10から得られた駆動力は、出力軸10a及びギア4,5を介してカム筒6に伝えられる。レンズ7は、カム筒6にレンズ枠7aを介して保持されており、振動アクチュエータ装置10の駆動力により、光軸方向(図1中に示す、Z方向)に略平行に移動する。
図1において、レンズ鏡筒3内に設けられた不図示のレンズ群(レンズ7を含む)によって、撮像素子8の撮像面に被写体像が結像される。撮像素子8によって、結像された被写体像が電気信号に変換され、その信号をA/D変換することによって、画像データが得られる。
図2は、振動アクチュエータ装置10のモータ部分の概略構成図である。また、図3は、図2のA−A方向から見た図である。
振動アクチュエータ装置10は、図2に示すように、第一モータ110と第二モータ120との2つのモータを備える。
振動アクチュエータ装置10は、図2に示すように、第一モータ110と第二モータ120との2つのモータを備える。
第二モータ120の回転軸121には、小径歯車122が取り付けられている。小径歯車122の外周には、その小径歯車122とかみ合う4つの出力歯車130が配置されている。出力歯車130の外周には、それらの出力歯車130を囲むようにして、内側に歯が形成された環状の大径歯車111が配置されている。大径歯車111は、第一モータ110により回転される。
図4は、本発明の振動アクチュエータ装置10の第一モータ110を説明する図である。なお、第二モータ120も同様の構成であるので、第二モータ120の詳細な説明は省略する。
第一モータ110は振動子11側を固定とし、相対運動部材(移動子)12を駆動する様になっている。
第一モータ110は振動子11側を固定とし、相対運動部材(移動子)12を駆動する様になっている。
振動子11は、電気エネルギを機械エネルギに変換する圧電素子や電歪素子等を例とした電気機械変換素子(以下、圧電体13と称する)と、圧電体13を接合した弾性体14とから構成されている。振動子11には進行波が発生するようにされているが、本実施形態では一例として4波の進行波として説明する。
弾性体14は、共振先鋭度が大きな金属材料から成り、形状は、円環形状となっている。圧電体13が接合される反対面には溝17が切ってあり、突起部分18(溝17がない箇所)の先端面が駆動面18aとなり移動子12に加圧接触される。
溝17を切る理由は、進行波の中立面をできる限り圧電体13側に近づけ、これにより駆動面18aの進行波の振幅を増幅させるためである。溝17の切っていない部分を本実施形態ではベース部19と呼ぶ。そのベース部19の溝17側とは反対面に圧電体13を接合する。
溝17を切る理由は、進行波の中立面をできる限り圧電体13側に近づけ、これにより駆動面18aの進行波の振幅を増幅させるためである。溝17の切っていない部分を本実施形態ではベース部19と呼ぶ。そのベース部19の溝17側とは反対面に圧電体13を接合する。
圧電体13は、一般的には通称PZTと呼ばれるチタン酸ジルコン酸鉛といった材料から構成されているが、近年では環境問題から鉛フリーの材料であるニオブ酸カリウムナトリウム、ニオブ酸カリウム、ニオブ酸ナトリウム、チタン酸バリウム、チタン酸ビスマスナトリウム、チタン酸ビスマスカリウム等から構成されることもある。
圧電体13表面には電極(図示せず)が配置され、それは円周方向に沿って2つの相(A相、B相)に分かれている。各相においては、1/2波長毎に交互に分極され、A相とB相との間には1/4波長分間隔が空く様に電極が配置されている。
圧電体13表面には電極(図示せず)が配置され、それは円周方向に沿って2つの相(A相、B相)に分かれている。各相においては、1/2波長毎に交互に分極され、A相とB相との間には1/4波長分間隔が空く様に電極が配置されている。
移動子12は、アルミニウムといった軽金属からなり、摺動面12aの表面には耐摩耗性向上のためのアルマイト処理が成されている。
出力軸20は、ゴム部材21を介して移動子12に結合され、移動子12と一体に回転する様にされている。出力軸20と移動子12との間のゴム部材21は、ゴムによる粘着性で移動子12と出力軸20を結合する機能と、移動子12からの振動を出力軸20へ伝えないための振動吸収との機能が求められており、ブチルゴム等が好適である。
加圧部材22は、出力軸20に固定されたギア部材23とベアリング受け部材24との間に設けられている。ギア部材23は軸のDカットにはまるように挿入され、Eクリップ等のストッパー25で固定され、回転方向および軸方向に出力軸20と一体になるようにされている。また、ベアリング受け部材24はベアリング26内径側に挿入され、ベアリ
ング26は固定部材27の内径側に挿入された構造となっている。この様な構造とることで、移動子12が振動子11の駆動面18aに加圧接触する様になっている。
ング26は固定部材27の内径側に挿入された構造となっている。この様な構造とることで、移動子12が振動子11の駆動面18aに加圧接触する様になっている。
なお、第一モータ110の弾性体駆動面には耐摩耗性に優れた潤滑性の表面処理がなされている。その材料は、ポリアミドイミドを主成分とし、PTFEが添加された物であり、物性としてはヤング率が4GPa以上、厚さが50μm以下とされている。
モータにおける、ある速度域での駆動状態は振動子11と移動子12の接触状態によるところが大きい。接触状態が密の場合は、高速域で安定駆動する一方で、起動性や極低速域での回転ムラが悪くなる傾向にある。逆に接触状態が疎の場合は、低速域で安定駆動するものの、高速域では振動子11の大振幅に対して移動子12が暴れてしまい、異音発生や回転数が上がらない等の問題が発生しやすい。
この接触状態については移動子12の変形量と加圧力により大きく左右される。
移動子12はその変形量をb値とすると、その大きさは下記式にて近似される。
b=1/384×p×λ4÷(E×(B×H3/12))
また、単位当たりの加重は下記式にて表される。
p=荷重(N)÷(D×π) (N/mm)
ここで、
E:移動子の摺動部のヤング率(N/mm2)
B:移動子の摺動部の幅(mm)
H:移動子の摺動部の高さ(mm)
である。
移動子12はその変形量をb値とすると、その大きさは下記式にて近似される。
b=1/384×p×λ4÷(E×(B×H3/12))
また、単位当たりの加重は下記式にて表される。
p=荷重(N)÷(D×π) (N/mm)
ここで、
E:移動子の摺動部のヤング率(N/mm2)
B:移動子の摺動部の幅(mm)
H:移動子の摺動部の高さ(mm)
である。
本実施形態では、2台のモータで構成されているが、表1に示すように第一モータ110変形量bが高く、加圧力も高く設定されているため接触状態が密の構成になっている。したがって、高速域での安定性に優れている。
第二モータ120は、変形量bが小さく、加圧力も低いため接触状態はより疎になっている。したがって低速域での安定性に優れている。
第二モータ120は、変形量bが小さく、加圧力も低いため接触状態はより疎になっている。したがって低速域での安定性に優れている。
(第一実施形態)
次に、このような2つのモータの特性に基づいた、本発明の第一実施形態にかかる振動アクチュエータ装置10の駆動について説明する。
図5は、第一実施形態の振動アクチュエータ装置10を示すブロック図である。振動アクチュエータ装置10は、駆動装置200と、第一モータ110及び第二モータ120を有するモータ部分と、駆動力伝達部207とを備える。
駆動装置200は、第一モータ110または第二モータ120に入力する交番信号を生成する信号入力部201、交番信号をどちらのモータを入力するか選択する駆動信号切替え部(選択部)202、交番信号の周波数を検出する周波数検出部203、及び周波数検出部203で検出された交番信号の周波数を所定のしきい値と比較する周波数比較部204を備える。
次に、このような2つのモータの特性に基づいた、本発明の第一実施形態にかかる振動アクチュエータ装置10の駆動について説明する。
図5は、第一実施形態の振動アクチュエータ装置10を示すブロック図である。振動アクチュエータ装置10は、駆動装置200と、第一モータ110及び第二モータ120を有するモータ部分と、駆動力伝達部207とを備える。
駆動装置200は、第一モータ110または第二モータ120に入力する交番信号を生成する信号入力部201、交番信号をどちらのモータを入力するか選択する駆動信号切替え部(選択部)202、交番信号の周波数を検出する周波数検出部203、及び周波数検出部203で検出された交番信号の周波数を所定のしきい値と比較する周波数比較部204を備える。
そして、駆動装置200は、周波数検出部203で交番信号の周波数を検出し、周波数比較部204により閾値と比較し、その結果により、駆動信号切替え部202は第一モータ110及び第二モータ120のどちらのモータに交番信号を入力するかまたは両方に入力するかを選択する。
図6は、駆動信号の入力周波数とモータの回転数との関係を第一モータ110及び第二モータ120のそれぞれについて示すグラフである。
まず、信号入力部201からレンズの駆動信号が入力されると、駆動信号切替え部202は、接触状態が疎の第二モータ120を選択する。そして、入力された駆動信号により第二モータ120によって駆動力伝達部207を介して被駆動部205(ギア4,5)を駆動する(図6のAの位置)。
まず、信号入力部201からレンズの駆動信号が入力されると、駆動信号切替え部202は、接触状態が疎の第二モータ120を選択する。そして、入力された駆動信号により第二モータ120によって駆動力伝達部207を介して被駆動部205(ギア4,5)を駆動する(図6のAの位置)。
被駆動部205の回転速度は上昇していくが、ある決まった周波数(中速)までは第二モータ120単独で駆動させる。そして、周波数検出部203で検出された周波数が、周波数比較部204において、しきい値を超えたと判断されたとき(図6のBの位置)で、駆動信号切替え部202は、信号の入力を第二モータ120から接触状態の密な第一モータ110に切り替える。
振動アクチュエータ装置10において、起動が開始されてまだ低速な場合、低速の起動性能が良好な第二モータ120が用いられる。そして、駆動信号の周波数(回転速度に対応)がしきい値を超えた高速域になると、高速の起動性能が良好な第一モータ110を用が用いられる。したがって、低速及び高速のいずれにおいても、好適な駆動性能を得ることができる。
(第二実施形態)
本実施形態の振動アクチュエータ装置10は、図1に示すようなレンズ鏡筒に搭載してレンズ7を駆動するために使用されている。レンズ7はAFレンズであって、このAFレンズ7へ繋がる入力軸と第一モータ110及び第二モータ120は、上述の図3のように連結されている。これらの2台のモータを組み合わせることで入力軸は様々な動作が可能となる。
本実施形態の振動アクチュエータ装置10は、図1に示すようなレンズ鏡筒に搭載してレンズ7を駆動するために使用されている。レンズ7はAFレンズであって、このAFレンズ7へ繋がる入力軸と第一モータ110及び第二モータ120は、上述の図3のように連結されている。これらの2台のモータを組み合わせることで入力軸は様々な動作が可能となる。
第二実施形態では、この2台の組み合わせを利用するものである。第二実施形態では、レンズ鏡筒3にモード選択スイッチを設け、撮影者の撮影シーンに合わせて通常AFモードと高速AFモードとを選択出来るようになっている。
起動から、駆動周波数がしきい値を超える一定の速度まで(低速域)は、第一実施形態と同様に動作する。第一実施形態と異なる点は、駆動周波数がしきい値を超えた領域(高速域)において、通常AFモードと高速AFモードとを備える点である。
下の表2はそれぞれのモードが選択された場合のモータの回転方向を示したものである。
下の表2はそれぞれのモードが選択された場合のモータの回転方向を示したものである。
以上、本実施形態によると、通常モードの場合、第一モータ110のみ用いるので、消費電力を抑えることができる。また、それほどの出力は必要でないため、第一モータ110のみで十分な出力が得られる。
高速モードでは、第一モータ110に加え、第二モータ120も同時駆動させることで入力軸をより高出力化させることができる。この場合、2台を同時駆動させるため多くの電力が必要となるが、通常の単独駆動に比べより高速にAFを行うことが可能となる。
高速モードでは、第一モータ110に加え、第二モータ120も同時駆動させることで入力軸をより高出力化させることができる。この場合、2台を同時駆動させるため多くの電力が必要となるが、通常の単独駆動に比べより高速にAFを行うことが可能となる。
(第三実施形態)
図7は本発明の第三実施形態を示す図である。第三実施形態では、第一モータ110と第二モータ120の周囲の温度を測定する温度測定部210が設けられている。
図7は本発明の第三実施形態を示す図である。第三実施形態では、第一モータ110と第二モータ120の周囲の温度を測定する温度測定部210が設けられている。
起動から、駆動周波数がしきい値を超える一定の速度まで(低速域)は、第一実施形態と同様に動作する。第一実施形態と異なる点は、駆動周波数がしきい値を超えたときに(高速域)の動作である。このとき、第一モータ110と第二モータ120の周囲の温度が高温の場合、第二実施形態の通常AFモードと同様に第一モータ110のみで駆動し、低温の場合、第二実施形態の高速AFモードと同様に、第一モータ110に加えて第二モータも駆動する。
これは、振動アクチュエータ装置10が低温で使用される場合、高出力が必要である。一方、高温で使用される場合、低温と比べると出力は低くてよいからである。
これは、振動アクチュエータ装置10が低温で使用される場合、高出力が必要である。一方、高温で使用される場合、低温と比べると出力は低くてよいからである。
以上、本実施形態によると、低温使用時には、高出力が確保され、被駆動体の移動に支障をきたすことがない。また、高温使用時には、高出力でなくとも必要な駆動力は確保されるため、電力消費が抑えられる。
(第四実施形態)
図8は本発明の第四実施形態を示す図である。第四実施形態では、第一実施形態と同様に周波数検出部203及び周波数比較部204を備え、さらに第三実施形態と同様に第一モータ110と第二モータ120の周囲の温度を測定する温度測定部210が設けられている。
図8は本発明の第四実施形態を示す図である。第四実施形態では、第一実施形態と同様に周波数検出部203及び周波数比較部204を備え、さらに第三実施形態と同様に第一モータ110と第二モータ120の周囲の温度を測定する温度測定部210が設けられている。
本実施形態において、第一モータ110と第二モータ120との周囲の温度を温度測定部210で測定する。
そして、測定された温度に応じて、モータを切り替える際の周波数のしきい値を変更する。
そして、測定された温度に応じて、モータを切り替える際の周波数のしきい値を変更する。
温度が高いときは、周波数のしきい値を下げ、第二モータ120から第一モータ110への切り替わりを遅くする。これによって消費電力の高い第一モータの駆動時間が短縮されるため、電力消費が抑えられる。
温度が低いときは、周波数のしきい値を上げる。これにより早く第一モータへ切り替わる。これによって、駆動力が必要な低温時に駆動力の大きい第一モータへ早く切り替わるため、安定して駆動力を得ることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されない。
例えば、なお、本実施形態では、レンズ鏡筒3は、交換レンズである例を示したが、これに限らず、例えば、カメラボディと一体型のレンズ鏡筒としてもよい。
また、実施形態及び変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。
例えば、なお、本実施形態では、レンズ鏡筒3は、交換レンズである例を示したが、これに限らず、例えば、カメラボディと一体型のレンズ鏡筒としてもよい。
また、実施形態及び変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。
1:カメラ、2:カメラボディ、3:レンズ鏡筒、10:振動アクチュエータ装置、10a:出力軸、11:振動子、12:移動子、13:圧電体、14:弾性体、18a:駆動面、20:出力軸、110:第一モータ、111:大径歯車、120:第二モータ、121:回転軸、122:小径歯車、130:出力歯車、200:駆動装置、201:信号入力部、202:信号切替え部、203:周波数検出部、205:被駆動部、207:駆動力伝達部、210:温度測定部
Claims (8)
- 駆動信号により振動が励起される電気機械変換素子、該電気機械変換素子に接合され、前記振動により駆動面に進行性振動波を生じる弾性体、前記駆動面に加圧接触された相対運動部材、及び前記駆動面と前記相対運動部材とを加圧接触するための加圧部材をそれぞれ有し、前記駆動面と前記相対運動部材との間の接触状態がそれぞれ異なる複数の振動アクチュエータと、
前記振動アクチュエータに入力する駆動信号を発生する駆動信号発生部、及び前記複数の振動アクチュエータのうちの少なくとも1つを選択して、選択された振動アクチュエータに前記駆動信号を入力する選択部、を有する駆動装置と、
を備える振動アクチュエータ装置。 - 請求項1に記載の振動アクチュエータ装置であって、
前記複数の振動アクチュエータは、前記相対運動部材の硬度がそれぞれ異なることによって、前記接触状態が異なっていること、
を特徴とする振動アクチュエータ装置。 - 請求項1に記載の振動アクチュエータ装置であって、
前記複数の振動アクチュエータは、前記加圧部材の加圧力がそれぞれ異なることによって、前記接触状態が異なっていること、
を特徴とする振動アクチュエータ装置。 - 請求項1から3のいずれか1に記載の振動アクチュエータ装置であって、
前記駆動装置は、
前記駆動信号の周波数を検出する周波数検出部、及び
前記周波数検出部により検出された周波数と所定のしきい値とを比較する比較部を有し、
前記選択部は、前記比較部の比較結果に基づいて、前記複数の振動アクチュエータのうちのいずれを選択すること、
を特徴とする振動アクチュエータ装置。 - 請求項4に記載の振動アクチュエータ装置であって、
前記振動アクチュエータの周囲の温度を測定する温度測定部を備え、
前記温度測定部により測定された温度に基づいて、前記しきい値の値を変えること、
を特徴とする振動アクチュエータ装置。 - 請求項1から3のいずれか1に記載の振動アクチュエータ装置であって、
前記駆動装置は、
前記振動アクチュエータの周囲の温度を測定する温度測定部を備え、
前記選択部は、前記温度測定部により測定された温度に基づいて、前記複数の振動アクチュエータのうちのいずれかを選択すること、
を特徴とする振動アクチュエータ装置。 - 請求項1から6のいずれか1に記載の振動アクチュエータ装置と、
前記振動アクチュエータにより駆動されるレンズ群と、を備え、
前記複数の振動アクチュエータはそれぞれの出力軸を有し、
前記レンズ群を駆動する被駆動部の駆動力入力軸と前記出力軸とは増減速手段で連結され、
前記選択部により選択された前記振動アクチュエータの出力軸からの出力が、前記増減速手段により前記駆動力入力軸に伝達されること、
ことを特徴とするレンズ鏡筒。 - 請求項7に記載のレンズ鏡筒を備えるカメラ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012033764A JP2013172510A (ja) | 2012-02-20 | 2012-02-20 | 振動アクチュエータ装置、レンズ鏡筒及びカメラ |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2012033764A JP2013172510A (ja) | 2012-02-20 | 2012-02-20 | 振動アクチュエータ装置、レンズ鏡筒及びカメラ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2013172510A true JP2013172510A (ja) | 2013-09-02 |
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ID=49266133
Family Applications (1)
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JP2012033764A Pending JP2013172510A (ja) | 2012-02-20 | 2012-02-20 | 振動アクチュエータ装置、レンズ鏡筒及びカメラ |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2013172510A (ja) |
-
2012
- 2012-02-20 JP JP2012033764A patent/JP2013172510A/ja active Pending
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