JP2013171984A - パターン投影装置およびパターン投影方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ステージ14によってウエハ13を一定速度で移送しながらステージ14上のウエハ13の位置に同期したパターンをDMD11によって照射するようにした場合における露光量の積分値の分布が二等辺三角形状になっていることによるパターンのエッジのシャープネスの低下を防止する。
【解決手段】コンピュータ19およびコントローラ20によって、一画素に対応する時間の内の一部の時間だけ光の照射を停止する。
【選択図】図8
【解決手段】コンピュータ19およびコントローラ20によって、一画素に対応する時間の内の一部の時間だけ光の照射を停止する。
【選択図】図8
Description
本発明はパターン投影装置およびパターン投影方法に係り、とくに光制御素子に転写データを供給して半導体ウエハ上に前記光制御素子によって形成される二次元配列状の有効画素領域から成る転写パターンを投影するパターン投影装置およびパターン投影方法に関する。
一般に半導体集積回路を製造する場合には、回路パターンが描かれたレチクルやフィルム等から成るマスクを用い、予め表面にレジストが塗布された半導体ウエハ上に上記レチクルやフィルムを通して光を照射し、これによって半導体ウエハの表面に所定の回路パターンを露光するようにしている。このような回路パターンの描画に用いられる装置が露光装置あるいは露光機と呼ばれるものである。
このようにレチクルやフィルムを用いて光を照射することにより、半導体ウエハ上に一挙に回路パターンを露光することができるが、半導体集積回路のロット毎にレチクルやフィルム等のマスクを用意しなければならない。従ってロットの大きな半導体集積回路の場合にはコスト的に増大することがないものの、半導体集積回路のロットが小さいと、レチクルやフィルムから成るマスクの製作の費用によってコストが増大する欠点がある。
そこでマスクを用いることなく回路パターンを半導体ウエハ上に直接露光する露光機が提案されている。このような露光機は、マスクレス露光機と呼ばれるものであって、反射鏡表示素子(DMD:デジタルマイクロミラー等と呼ばれるミラーデバイス)や液晶パネルを用いて、描画パターンを形成して光源からの紫外光を画素毎に透過あるいは遮光を制御し、パターン描画を行なうものである。このようなマスクレスの露光機によると、上記DMDや液晶パネルに対してコンピュータを含む制御装置で直接転写データを供給することによって描画パターンを形成することができる。従って予めマスクを必要とせず、小ロット多品種の半導体集積回路の製造の際にも、マスクによるコストの増大を防ぐことが可能になり、小ロットの半導体集積回路の製造に好適な露光機を提供できるようになる。
このようなマスクレスの露光機において、上記DMDや液晶パネルから成る光制御素子の一素子と対応するストロークだけ半導体ウエハを所定の方向に間欠的に送りながら光制御素子によってタイル状に露光を繰返すことによって全体のパターンの露光を行なうことができる。このような方式をステップアンドリピート露光と呼ぶ。これに対して半導体ウエハを光制御素子のパターンの切換えと同期するように一定の速度で連続的に送りながらステージ位置に同期したパターンを光制御素子によって露光する方式を、スキャン露光と呼んでいる。
スキャン露光は、半導体ウエハを載置したステージを連続的に移動させるために、上記のステップアンドリピート露光に比べて露光時間が速くなり、生産性が高い利点がある。ところがスキャン露光の場合には、半導体ウエハの移動が連続的に行なわれるのに対して、光制御素子は一画素毎にしか切換わらないために、送り方向における画素の幅よりも広い範囲までスキャン方向に露光量が広がってしまう。従ってスキャン露光においては、露光量の積分値が送り方向に傾斜した特性を示すようになり、これによって半導体ウエハの表面に形成されたレジストが残る部分と除去される部分のエッジのシャープネスが低下し、露光されたパターンが滲むことによって解像度が低下する問題がある。
本願発明の課題は、DMDや液晶パネルを光制御素子として用い、これによってレチクルやフィルム等のマスクを必要としないパターン投影装置およびパターン投影方法において、スキャン露光を行なう場合に露光パターンが光の広がりによって滲むのを防止し、解像度を向上させるようにしたものである。
本願発明の別の課題は、スキャン露光による多重露光と組合わせた場合に露光パターンの解像度がより向上し、これによって露光パターンの滲みを低減させるようにしたパターン投影装置およびパターン投影方法を提供するものである。
本願発明の上記の課題および別の課題は、以下に述べる本願発明の技術的思想、およびその実施の形態によって明らかにされる。
本願の主要な発明は、
光制御素子に転写データを供給して半導体ウエハ上に前記光制御素子によって形成される二次元配列状の有効画素領域から成る転写パターンを投影するパターン投影装置において、
前記光制御素子の各画素毎の光照射時間を制御する光照射時間制御手段と、
前記半導体ウエハを所定の方向に連続的に送るステージと、
前記光制御素子からの光によって露光された前記半導体ウエハの表面のレジストの露光エネルギーの積分値が所定の閾値を越えた領域の前記レジストを選択的に除去するか残すレジストの残膜調整手段と、
を具備し、前記ステージによって前記半導体ウエハを所定の速度で連続的に送りながら前記ステージの送りに同期して一画素毎に前記光制御素子から光を切換えて照射し、しかも前記光照射時間制御手段によって一画素に対応する時間の内の一部の時間だけ光の照射を停止するようにしたパターン投影装置に関するものである。
光制御素子に転写データを供給して半導体ウエハ上に前記光制御素子によって形成される二次元配列状の有効画素領域から成る転写パターンを投影するパターン投影装置において、
前記光制御素子の各画素毎の光照射時間を制御する光照射時間制御手段と、
前記半導体ウエハを所定の方向に連続的に送るステージと、
前記光制御素子からの光によって露光された前記半導体ウエハの表面のレジストの露光エネルギーの積分値が所定の閾値を越えた領域の前記レジストを選択的に除去するか残すレジストの残膜調整手段と、
を具備し、前記ステージによって前記半導体ウエハを所定の速度で連続的に送りながら前記ステージの送りに同期して一画素毎に前記光制御素子から光を切換えて照射し、しかも前記光照射時間制御手段によって一画素に対応する時間の内の一部の時間だけ光の照射を停止するようにしたパターン投影装置に関するものである。
ここで、一画素毎に前記光制御素子から光を切換えて照射する際に、前記光照射時間制御手段は各画素の光の照射の開始時間を所定時間遅らせるとともに光の照射の終了時間を前記所定の時間と等しい時間早くするように制御してよい。また一画素毎に前記光制御素子からの光を切換えて照射する際に、前記光照射時間制御手段は各画素の光の照射の開始時間を一画素と対応する時間の1/4の時間遅らせるとともに、光の照射の終了時間を一画素と対応する時間の1/4の時間早くするように制御してよい。またさらに前記ステージの移動の位相を制御する位相制御手段を具備し、一画素毎に前記光制御素子からの光を切換えて照射する際に、前記光照射時間制御手段は各画素の光の照射の開始時間を所定時間遅らせるとともに光の照射終了時間を変更せず、前記位相制御手段は前記ステージの移動の位相を前記所定の時間の1/2の時間と対応するストロークだけ遅くするようにしてよい。またさらに前記ステージの移動の位相を制御する位相制御手段を具備し、一画素毎に前記光制御素子からの光を切換えて照射する際に、前記光照射時間制御手段は各画素の光の照射の終了時間を所定時間早くするとともに光の照射開始時間を変更せず、前記位相制御手段は前記ステージの移動の位相を前記所定時間の1/2の時間と対応するストロークだけ早くするようにしてよい。
また、前記光制御素子が反射鏡表示素子(DMD:デジタルマイクロミラーデバイス)、反射型液晶パネル、または透過型液晶パネルであってよい。またnを整数とした場合に、一画素に対応する一つの転写パターンについて前記転写データを構成する前記一辺の有効画素領域の辺の1/n間隔だけずらしてn2回順次露光を行なってよい。
パターン投影方法に関する主要な発明は、光制御素子に転写データを供給して半導体ウエハ上に前記光制御素子によって形成される二次元配列状の有効画素領域から成る転写パターンを投影するパターン投影方法において、
前記半導体ウエハの表面に予めレジストを塗布しておき、前記半導体ウエハを送り手段によって所定の速度で連続的に送りながら前記送りに同期して一画素毎に前記光制御素子から光を切換えて照射し、しかも一画素に対応する時間の一部の時間だけ光の照射を停止するようにしたパターン投影方法に関するものである。
前記半導体ウエハの表面に予めレジストを塗布しておき、前記半導体ウエハを送り手段によって所定の速度で連続的に送りながら前記送りに同期して一画素毎に前記光制御素子から光を切換えて照射し、しかも一画素に対応する時間の一部の時間だけ光の照射を停止するようにしたパターン投影方法に関するものである。
ここで、各画素の光の照射の開始時間を所定時間遅らせるとともに光の照射の終了時間を前記所定時間と等しい時間早くしてよい。また各画素の光の照射の開始時間を所定時間遅らせるとともに光の照射終了時間を変更せず、前記半導体ウエハの送りを前記所定時間の1/2の時間と対応するストロークだけ遅くしてよい。また各画素の光の照射終了時間を所定時間早くするとともに光の照射開始時間を変更せず、前記半導体ウエハの送りを前記所定時間の1/2の時間と対応するストロークだけ早くしてよい。
本願の主要な発明は、
光制御素子に転写データを供給して半導体ウエハ上に前記光制御素子によって形成される二次元配列状の有効画素領域から成る転写パターンを投影するパターン投影装置において、
前記光制御素子の各画素毎の光照射時間を制御する光照射時間制御手段と、
前記半導体ウエハを所定の方向に連続的に送るステージと、
前記光制御素子からの光によって露光された前記半導体ウエハの表面のレジストの露光エネルギーの積分値が所定の閾値を越えた領域の前記レジストを選択的に除去するか残すレジストの残膜調整手段と、
を具備し、前記ステージによって前記半導体ウエハを所定の速度で連続的に送りながら前記ステージの送りに同期して一画素毎に前記光制御素子から光を切換えて照射し、しかも前記光照射時間制御手段によって一画素に対応する時間の内の一部の時間だけ光の照射を停止するようにしたものである。
光制御素子に転写データを供給して半導体ウエハ上に前記光制御素子によって形成される二次元配列状の有効画素領域から成る転写パターンを投影するパターン投影装置において、
前記光制御素子の各画素毎の光照射時間を制御する光照射時間制御手段と、
前記半導体ウエハを所定の方向に連続的に送るステージと、
前記光制御素子からの光によって露光された前記半導体ウエハの表面のレジストの露光エネルギーの積分値が所定の閾値を越えた領域の前記レジストを選択的に除去するか残すレジストの残膜調整手段と、
を具備し、前記ステージによって前記半導体ウエハを所定の速度で連続的に送りながら前記ステージの送りに同期して一画素毎に前記光制御素子から光を切換えて照射し、しかも前記光照射時間制御手段によって一画素に対応する時間の内の一部の時間だけ光の照射を停止するようにしたものである。
従ってこのようなパターン投影装置によると、一画素に対応する時間の内の一部の時間だけ光の照射が停止されるために、スキャン方向に生ずる露光パターンの滲みを低減させることが可能になり、より鮮明なパターンを半導体ウエハ上に形成できるようになる。従って露光パターンの解像度が向上する。
以下本願発明を図示の実施の形態によって説明する。図1は本願発明を実施するためのプロジェクション描画装置のシステム構成を示すブロック図である。この描画装置は、光源10、DMDから成る光制御素子11、光学系12から構成されており、光源10からの光を光制御素子11に照射し、この光制御素子11に予め供給された信号に応じて光制御素子であるDMD11の各ミラーをコントローラ20によって制御するようにし、DMD11からの反射光を光学系12を通して半導体ウエハ13の表面に照射している。同時に半導体ウエハ13はステージ14によって所定の方向に一定の速度で移動されるようになっており、これによってスキャン露光が行なわれる。ここで上記コントローラ20はコンピュータ19と接続されており、コンピュータ19によって作成された転写データをコントローラ20からDMD11に供給している。
DMD11は、マイクロマシンの技術を応用して製作されたものであって、可動式のマイクロミラーをマトリックス状に複数配列しており、1つのミラーが露光するパターンの一画素に対応しているDMD11は、例えば1,920×1,080個のミラー配列になっており、各ミラーをコントローラ20から供給される信号に応じてON/OFFすることで、1,920×1,080画素のパターンを表示することができる。
DMD11にパターンを表示すると、半導体ウエハ13上にこのパターンが投影される。コントローラ20はステージ14を一定の速度で移動させながら、ステージ14上のウエハ13の位置に同期したパターンをDMD11に表示する。すなわちステージ14の移動に合わせて描画パターンがスクロールするようになっている。これによって、ステージ14の移動方向に細長いパターンを一度に露光することができる。この原理は、ローラ・スタンプの原理と同様である。コントローラ20は、コンピュータ19によって予め設定された信号に基づいて、元の大きなパターンを細長いパターンに分割し、1本ずつ露光するように信号を供給していくことによって、元のパターンを半導体ウエハ13上に露光する。この露光がスキャン露光と呼ばれる。
DMD11のミラーが1,920×1,080個の配列の場合において、露光できる範囲は1,920×1,080画素の範囲である。この1,920×1,080画素の単位でパターンの一部を露光し、タイル状に露光を繰返すことによって、全体のパターンを露光することができる。この露光方式をステップアンドリピート露光と呼ぶ。これに対してスキャン露光は、ステージ14を一定速度で移動しながら、ステージ14の位置に同期したパターンをDMD11によってスクロールするようにしている。これによって、ステージ14の移動方向に細長いパターンを一度に露光することができる。従ってステップアンドリピート露光に比べて露光時間が速くなる利点がある。
一般に露光パターンの解像度は、DMD11のミラー配列と光学系12の倍率によって決定される。ここで、図2に示すように、ウエハ13上のミラーの一辺に相当する距離の1/nだけ露光位置をずらしながらn2回露光することによって、露光パターンの解像度を向上させることができる。例えば図2に示すように、1ミラーの大きさの1辺の1/2に相当する距離だけ露光量をずらしながら4回露光するとともに、4回露光された部分のレジストを除去するか残すことによって、細かいパターンを形成することができる。なおここで、4回露光された部分のレジストが除去されるようにするには、レジストとして図6に示すような露光量に対する残膜率の関係のレジストを用いる。また4回露光された部分だけレジストが残るようにするには、図7に示すような露光量に対する残膜率の関係の特性をもったレジストを用いればよい。レジストの感度特性によって、レジストの除去割合、あるいは残存割合が決定される。従ってレジストの感度特性がすなわちレジストの残膜調整手段となる。
このような露光パターンの解像度の調整構造によると、斜めのパターンを形成する場合におけるエッジの部分のジャギーが小さくなる。すなわち多重露光を行なわない場合は図3Aに示すように、斜めのパターンを形成するために少しずつ露光位置をずらしていくと、斜めのパターンを1つのミラーに相当する解像度の階段状のパターンで形成することになるために、エッジの部分が大きな階段状に変化してジャギーが大きくなる。ところがミラーの一辺の1/2に相当する距離だけ露光部分をずらしながら4回露光することによって図3Bに示すような露光パターンが得られ、解像度が向上するばかりでなく、パターンのエッジの部分のジャギーが少なくなってエッジの部分がスムーズな斜めのパターンを形成することが可能になる。
通常のスキャン露光あるいは多重露光と組合わせたスキャン露光を行なうと、スキャン方向に光の広がりが発生するために、露光されたパターンが滲む。従ってたとえ多重露光を行なっても、解像度の向上の効果が上記光の広がりによって薄れてしまう。すなわちスキャン露光においては、ステージ14は連続的に移動されるために、ステージ14上の半導体ウエハ13も連続的に移動される。これに対してDMD11はミラー単位でしか切換わらないために、1ミラー幅よりも広い範囲までスキャン方向に露光量が広まってしまう。本願発明においては、一画素毎の露光時間を調整することによってスキャン方向に生ずる露光パターンの滲みを低減させて解像度の向上の効果を高めるようにする。
図4においてステップアンドリピート露光の場合には、一画素毎の露光は、ウエハ13が静止した状態で行なわれるために、ウエハ13上における光の露光量の積分値は矩形の分布をもつようになる。すなわちウエハ13の横方向のすべての位置において、露光量のエネルギー分布は等しくなる。
これに対してスキャン露光の場合は、ステージ14によってウエハ13が図4において右から左の方に一定の速度で移動される。このような移動状態のウエハ13に対して上方から光を照射するとともに、1ミラー幅の部分において所定の露光量のエネルギ分布が得られるようにしなければならないことから、1ミラーの幅よりも広い範囲までスキャン方向に露光量のエネルギ分布が拡がることになる。すなわち露光量のエネルギー分布は、二等辺三角形の分布になる。このためにスキャン露光では露光量のエネルギー分布が、前端側では徐々に増加し、後端側では徐々に減少するような斜面をもった分布になる。従って、現像したときにフォトレジストが残る部分と除去される部分のエッジのシャープネスが低下する問題がある。
図5は描画したいパターンに対するステップアンドリピート露光のときのエネルギー分布の積分値と、スキャン露光のときのエネルギー分布の積分値とをそれぞれ立体形状で比較して示したものである。なおここでは、ステップアンドリピート露光およびスキャン露光の何れの場合についても、1ミラーの露光範囲の1/2の長さの4回の多重露光を行なったときの結果である。
本願発明においては、上記のような露光量のエネルギー分布が漸次増加し、ピーク値に達した後に漸次減少することによるスキャン露光によるシャープネスの低下を解消するために、図8に示すように、スキャン露光する際に露光しない時間を設けることによって、パターンエッジのシャープネスを向上させるようにしたものである。すなわち図8に示すように、光の照射の開始のタイミングを1ミラー幅の1/4に対応する時間だけ遅らせるとともに、1ミラー幅の1/4に対応する時間だけ光の照射を停止する時間を早めるようにしている。このように前端部と後端部とにおいてそれぞれ露光しない時間を設けることによって、ウエハ13のレジスト上における露光量のエネルギー分布の積分値は、二等辺三角形の状態ではなく、等脚台形の状態になる。なお開始時期を遅らせる時間と終了時刻を早める時間とが互いに異なる場合には、露光量のエネルギー分布が不等脚台形の特性をもつようになる。
ここでこのエネルギー分布の積分値の前端側の傾斜した部分と後端側の傾斜した部分の勾配は、光学系12を通してウエハ13に加えられる光のエネルギー量とステージ14の移動速度に依存する。すなわちステージ14によってウエハ13を移動させる速度を速くすると、等脚台形の前端と後端の傾斜が緩やかになり、これに対してステージ14によってウエハ13をゆっくり移動させると傾斜の角度を大きくすることが可能になる。従ってこのことから、等脚台形の露光量の積分値のパターンの傾斜角度を任意に設定することができる。そして図6に示すレジストの除去の割合あるいは図7に示すレジストの除去される領域あるいは残存される領域を任意に制御することができるとともに、現像したときにフォトレジストの残る部分と除去される部分のエッジのシャープネスが向上する。従って、ウエハ13上における露光パターンの滲みが低減されることになり、より高い解像度のパターンを形成できるようになる。
このように本実施の形態においては、図8に示すように露光しない時間を設けることによって露光量の積分値の特性を等脚台形状にしている。従来のスキャン露光の場合は図8の上の部分に示すように露光される範囲が1ミラー幅よりも大きくなるのに対し、本発明によるスキャン露光の場合には、露光しない時間を設けてミラーONの時間を短くすることにより光の広がりを抑えるようにしている。ここで露光量の積分値が不足になる場合にはスキャン速度をその分遅くして露光量を増やせばよい。このような対策による結果、光の広がりを抑えると同時にシャープネスを向上させることが可能になる。
図9はこのような露光しない時間を設けたときの露光量の積分値を、従来のステップアンドリピート露光および従来のスキャン露光と比較した状態を示している。
なお露光しない時間を設ける場合に、図8に示すように前端側の1ミラー幅の1/4に対応する時間のOFFと、後端側の1ミラー幅の1/4に対応する時間のOFFとを設定すると、DMD11の各ミラーのON・OFFの周期が短くなる。そこで図10に示すように、1ミラー幅の前端の1/2に対応する時間のみミラーをOFFにし、後端においては1ミラー幅の終端に一致してミラーをOFFにしてもよい。このときに、ステージ14で行なわれるウエハ13の移動量を、1ミラー幅の1/4、すなわち1ミラー幅の前端部における露光しない時間の半分の時間と対応するストロークだけウエハ13の移動量を遅らせるようにすることによって、図8と同じパターンになる。なおこの場合も、ステージ14によるウエハ13の移動速度を遅くすると、露光量の積分値の前端と後端の傾斜を急峻にできる。
図11は、逆に1ミラー幅の後の所定の時間、例えば1ミラー幅の1/2に相当する時間だけミラーOFFにしたものである。ここでも、ステージ14によって送られるミラー13の移動のストロークを、後端のミラーOFFの時間の半分に相当するストロークで早めてやることによって、図8と同様のパターンをウエハ13上に形成することができる。なおこの場合におけるウエハ13の位相の調整は、コンピュータ19によって、コントローラ20を介してステージ14の移動ストロークを調整することにより行なわれる。またここでも、ウエハ13の送り速度を遅くすると、等脚台形の露光量の積分値の特性の前端と後端の傾斜を急峻にして解像度をより高くすることができる。
以上本願発明を図示の実施の形態によって説明したが、本願発明は上記実施の形態によって限定されることなく、本願発明の技術的思想の範囲内において各種の変更が可能である。例えば上記実施の形態における光制御素子としてのDMD11に代えて、反射型液晶パネルを用いることができる。あるいはまた透過型液晶パネルを用いるようにし、この透過型液晶パネルの上方から光源からの光を照射するようにしてもよい。
本願発明は、レチクルやフィルム等のマスクを用いないで半導体集積回路を製造するための露光装置および露光方法に応用することができる。
10 光源
11 光制御素子(DMD)
12 光学系
13 半導体ウエハ
14 ステージ
19 コンピュータ
20 コントローラ
11 光制御素子(DMD)
12 光学系
13 半導体ウエハ
14 ステージ
19 コンピュータ
20 コントローラ
Claims (11)
- 光制御素子に転写データを供給して半導体ウエハ上に前記光制御素子によって形成される二次元配列状の有効画素領域から成る転写パターンを投影するパターン投影装置において、
前記光制御素子の各画素毎の光照射時間を制御する光照射時間制御手段と、
前記半導体ウエハを所定の方向に連続的に送るステージと、
前記光制御素子からの光によって露光された前記半導体ウエハの表面のレジストの露光エネルギーの積分値が所定の閾値を越えた領域の前記レジストを選択的に除去するか残すレジストの残膜調整手段と、
を具備し、前記ステージによって前記半導体ウエハを所定の速度で連続的に送りながら前記ステージの送りに同期して一画素毎に前記光制御素子から光を切換えて照射し、しかも前記光照射時間制御手段によって一画素に対応する時間の内の一部の時間だけ光の照射を停止するようにしたパターン投影装置。 - 一画素毎に前記光制御素子から光を切換えて照射する際に、前記光照射時間制御手段は各画素の光の照射の開始時間を所定時間遅らせるとともに光の照射の終了時間を前記所定の時間と等しい時間早くするように制御する請求項1のパターン投影装置。
- 一画素毎に前記光制御素子からの光を切換えて照射する際に、前記光照射時間制御手段は各画素の光の照射の開始時間を一画素と対応する時間の1/4の時間遅らせるとともに、光の照射の終了時間を一画素と対応する時間の1/4の時間早くするように制御する請求項2のパターン投影装置。
- さらに前記ステージの移動の位相を制御する位相制御手段を具備し、
一画素毎に前記光制御素子からの光を切換えて照射する際に、前記光照射時間制御手段は各画素の光の照射の開始時間を所定時間遅らせるとともに光の照射終了時間を変更せず、前記位相制御手段は前記ステージの移動の位相を前記所定の時間の1/2の時間と対応するストロークだけ遅くする請求項1のパターン投影装置。 - さらに前記ステージの移動の位相を制御する位相制御手段を具備し、
一画素毎に前記光制御素子からの光を切換えて照射する際に、前記光照射時間制御手段は各画素の光の照射の終了時間を所定時間早くするとともに光の照射開始時間を変更せず、前記位相制御手段は前記ステージの移動の位相を前記所定時間の1/2の時間と対応するストロークだけ早くする請求項1に記載のパターン投影装置。 - 前記光制御素子が反射鏡表示素子(DMD:デジタルマイクロミラーデバイス)、反射型液晶パネル、または透過型液晶パネルである請求項1に記載のパターン投影装置。
- nを整数とした場合に、一画素に対応する一つの転写パターンについて前記転写データを構成する前記一辺の有効画素領域の辺の1/n間隔だけずらしてn2回順次露光を行なう請求項1に記載のパターン投影装置。
- 光制御素子に転写データを供給して半導体ウエハ上に前記光制御素子によって形成される二次元配列状の有効画素領域から成る転写パターンを投影するパターン投影方法において、
前記半導体ウエハの表面に予めレジストを塗布しておき、前記半導体ウエハを送り手段によって所定の速度で連続的に送りながら前記送りに同期して一画素毎に前記光制御素子から光を切換えて照射し、しかも一画素に対応する時間の一部の時間だけ光の照射を停止するようにしたパターン投影方法。 - 各画素の光の照射の開始時間を所定時間遅らせるとともに光の照射の終了時間を前記所定時間と等しい時間早くする請求項8に記載のパターン投影方法。
- 各画素の光の照射の開始時間を所定時間遅らせるとともに光の照射終了時間を変更せず、前記半導体ウエハの送りを前記所定時間の1/2の時間と対応するストロークだけ遅くする請求項8に記載のパターン投影方法。
- 各画素の光の照射終了時間を所定時間早くするとともに光の照射開始時間を変更せず、前記半導体ウエハの送りを前記所定時間の1/2の時間と対応するストロークだけ早くする請求項8に記載のパターン投影方法。
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2012
- 2012-02-21 JP JP2012034953A patent/JP2013171984A/ja active Pending
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