JP2013171223A - 液晶表示パネル用部材及びその製造方法 - Google Patents

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祐巳 潮田
Tadasuke Kojima
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Abstract

【課題】携帯電話、高度情報端末、カーナビゲーション、電子書籍タブレット等に用いられる液晶表示パネル用部材及びその製造方法に関するものであって、液晶表示パネル基材の表示に段差のない状態で効率よく透明電極の形成ができ、且つ、飛散防止機能を有する液晶表示パネル用部材を提供することを目的とする。
【解決手段】一方の面に機能層を有する飛散防止フィルムの他方の面に、隠蔽層により形成された外枠部と、前記外枠部の内側領域を表示部とする液晶表示パネル用部材であって、前記隠蔽層及び隠蔽層のない領域の全面に、透明UV樹脂層と透明接着剤層とが順次積層されてなることを特徴とする液晶表示パネル用部材である。
【選択図】 図1

Description

本発明は携帯電話、高度情報端末、カーナビゲーション、電子書籍タブレット等に用いられる液晶表示パネル用部材及びその製造方法に関するものである。
携帯電話、高度情報端末、カーナビゲーション、電子書籍タブレット等に代表される液晶表示体の表示面側は、一般的には表示範囲を規定する表示部と非表示部(遮蔽部)で構成されている。従来、このような表示部と非表示部(遮蔽部)を形成する方法としては、例えば、液晶表示パネルを構成するガラスシート、PMMA(ポリメタクリル酸メチル樹脂)シート、PC(ポリカルボネート)シートなどの透明基材の一方の面上に、直接、印刷法によるインキ層や蒸着法による金属膜などの隠蔽層を外枠として形成し、その外枠を非表示部、その外枠の内側を表示部として形成している。
以下、図2をもとに従来技術を説明する。
図2は従来の液晶表示パネル部材110の概略図及び製造プロセスを示す。図2(a)は液晶表示パネル110の平面概略図であり、表示部1と非表示部2からなる。非表示部2は、一方の面が例えばハードコート層4もしくは保護フィルムが積層された液晶表示パネル基材9の他方の面側に、直接、印刷法によるインキ層や蒸着法による金属膜などの隠蔽層5を形成することで得られる。
図2(b)は、図2(a)のAA‘間で切断したときの断面概略図を示している。ここで非表示部2は、液晶表示パネル基材9の他方の面に、直接、印刷法によるインキ層や蒸着法による金属膜などの隠蔽層5を幅Bで形成され、幅Cの表示部1が形成される。
図2(c)は、図2(b)の幅Bの隠蔽層5と隠蔽層5のない幅Cの全幅に対して透明接着剤層6を積層した断面外略図を示す。液晶表示装置を製造するデバイスメーカーは、図2(c)の状態の液晶表示パネル用部材に対して、例えばタッチパネルなどの仕様では透明電極の形成を行なう。
図2(c)に示す断面外略図からわかるように、液晶表示パネル基材9に十分な隠蔽性を有する隠蔽層5を形成するためには、例えばシルクスクリーン印刷法で形成する場合には、インキ組成にもよるが、数ミクロンから数十ミクロンの膜厚が必要であることから、およそ数回の重ね印刷を行なう必要がある。すなわち隠蔽層5のある部分(幅B)とない部分(幅C)とでは数ミクロンから数十ミクロンの膜厚の段差が生じる。またさらに、上記のような幅Bの隠蔽層5と隠蔽層5のない幅Cの全幅に対して透明接着剤層6を形成すると、前記段差が原因で隠蔽層5の近傍に透明接着剤層6が十分入り込まず空隙ができ、後工程の積層時に気泡が生じて品質の大きな低下を招く問題がある。また、先の段差は若干の減少はあるものの、例えばタッチパネル用の透明電極の形成には、作業性や品質面で大きな問題となる。
特開2007−225699号公報 登録特許第3813270号公報
本発明は携帯電話、高度情報端末、カーナビゲーション、電子書籍タブレット等に用いられる液晶表示パネル用部材及びその製造方法に関するものであって、液晶表示パネル基材の表示に段差のない状態で効率よく透明電極の形成ができ、且つ、飛散防止機能を有する液晶表示パネル用部材を提供することを目的とする。
本発明の請求項1に係る発明は、一方の面に機能層を有する飛散防止フィルムの他方の面に、隠蔽層により形成された外枠部と、前記外枠部の内側領域を表示部とする液晶表示パネル用部材であって、
前記隠蔽層及び隠蔽層のない領域の全面に、透明UV樹脂層と透明接着剤層とが順次積層されてなることを特徴とする液晶表示パネル用部材である。
本発明の請求項2に係る発明は、前記加飾層が、印刷インキ、金属蒸着膜のうち一つ以上から選ばれることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示パネル用部材である。
本発明の請求項3に係る発明は、前記透明UV樹脂層の最表面が全面に渡り平坦であることを特徴とする請求項1または2に記載の液晶表示パネル用部材である。
本発明の請求項4に係る発明は、請求項1から3のいずれかに記載の液晶表示パネル用部材の製造方法であって、一方の面に機能層を有した飛散防止フィルムの他方の面に、隠蔽層を形成した後、隠蔽層及び隠蔽層のない領域の全面に透明UV樹脂層を形成し、さらにその上に透明接着剤層を形成することを特徴とする液晶表示パネル用部材の製造方法である。
本発明の請求項1から4に係る発明によれば、ハードコートや防曇性や防指紋性などの機能層を有した飛散防止フィルムの他方の面に、液晶表示パネルの外枠部(非表示部)となる隠蔽層を形成した後、その上に、前記透明UV樹脂層を隠蔽層と隠蔽層で囲われた内枠部との全面を覆うように、且つ、前記透明UV樹脂層の透明接着剤層と隣接する最表面側がフラットに形成されるため、前記透明接着剤層が同様にフラットに形成され、その結果、透明電極の形成がし易く、生産性を上げることができる。また、ハードコートや防曇性や防指紋性など機能層を有した飛散防止フィルムを液晶表示パネル用部材として表示パネルの上面に積層されているため、耐擦傷性などの機能性と飛散防止の機能も合せて有する液晶表示パネル用部材を提供できる。
本発明に係る液晶表示パネル部材の概略図及び製造プロセスを示す。(a)は液晶表示パネル部材の平面概略図、(b)は(a)のAA‘断面での液晶表示パネル部材の断面概略図、(c)は(b)に液晶表示パネル基材を積層した断面概略図をそれぞれ示す。 従来の液晶表示パネル部材の概略図及び製造プロセスを示す。(a)は液晶表示パネル部材の平面概略図、(b)は(a)のAA‘断面での液晶表示パネル基材に外枠部を設けた断面概略図、(c)は(b)の外枠部上にさらに接着層を積層した断面概略図をそれぞれ示す。
以下、図1を用いて本発明をより詳細に説明する。
図1は本発明に係る液晶表示パネル部材100の概略図及び製造プロセスを示している。図1(a)は液晶表示パネル部材100の平面概略図であり、表示部1と非表示部2からなる。
図1(b)は図1(a)のAA‘間で切断したときの断面概略図を示している。ここで非表示部2は、例えば一方の面がハードコート層4を有する飛散防止フィルム3の他方の面側に、直接、印刷法によるインキ層や蒸着法による金属膜などの隠蔽層5を幅Bで形成することで得られる。また、同時に幅Cの表示部1が形成される。
次に、上記のB幅の隠蔽層5と隠蔽層5のない幅Cの全幅に対して、流動性の高い透明UV樹脂組成物を塗布し、その後UV照射して透明UV樹脂層7を形成する。この時、前記透明UV樹脂組成物は流動性が高いために、先に形成した隠蔽層5を段差の影響を受けることなく、満遍なく被覆することができ、また塗布した最表面も平坦に形成することができる。またさらに、前記透明UV樹脂層7の全面にOCA(Optical Clear Adhesive)などの透明接着剤層8を平坦に積層した液晶表示パネル用部材100を提供することができる。
これにより、図1(c)に示すように、液晶表示装置を製造するデバイスメーカーは、液晶表示パネル用部材に対して、例えばタッチパネルなどに必要な透明電極の形成をフラットな状態で行なうことができ、安定した品質で効率よく加工することができる。また、飛散防止フィルム3を液晶表示パネル用部材中に含んでいるため、特に液晶表示パネル基材がガラス基板である場合は飛散防止効果も発揮できる。
本発明に用いられる、一方の面に機能層を有する飛散防止フィルム3について以下に説明する。
前記機能層とは、耐擦傷性、防曇性、耐指紋付着性などの機能を有する層であり、単独でも複合で用いても特に限定するものではない。またそれぞれの機能層を構成する組成物としては、UV硬化性でも熱硬化性でもよく特に限定するものではない。
また、前記飛散防止フィルム3としては、透明性と強靭性を有する高分子フィルムなら特に限定するものではないが、耐久性、耐熱性、耐候性、寸法安定性、加工、コストなどの点から、透明ポリエステルフィルム(PET)をベース基材としたものが好ましい。
また、本発明に用いられる透明UV樹脂層7とは、流動性の高い、すなわち良好なレベリング性を有するUV硬化性樹脂組成物であれば特に限定するものではないが、中でもウレタンアクリレート樹脂が好ましい。具体的には、前記UV硬化性樹脂組成物をロールコーターなどの塗布機を用いて、前記組成物が全面に満遍なく平坦に被覆するように塗布した後、UV照射により硬化して透明UV樹脂層7を形成する。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
<実施例1>
飛散防止フィルムとして膜厚125μmのPETフィルムを用い、その一方の面にハードコート層を付与し、他方の面にシルクスクリーン印刷用インキ(セイコーアドバンス社製、商品名S6740)を用いて、乾燥後の膜厚が5μになるように幅18mmの外枠パターンをシルクスクリーン印刷して隠蔽層を形成した。
次に、上記隠蔽層からなる外枠パターンとその内側の全面に、段差を埋めるためにウレタンアクリレート系樹脂を含むUV硬化性樹脂組成物を塗布し、その後UV照射により硬化を終了して透明UV樹脂層を形成した。
次に、上記透明UV樹脂層の全面に、パナック社製、商品名「PDS−1」のOCAを
積層して液晶表示パネル部材を作製した。
<実施例2>
飛散防止フィルムとして膜厚125μmのPETフィルムを用い、その一方の面に防曇性とハードコート層を付与した以外は、実施例1と同様にして液晶表示パネル部材を作製した。
<実施例3>
飛散防止フィルムとして膜厚125μmのPETフィルムを用い、その一方の面に耐指紋付着性、防曇性、ハードコート層を付与した以外は、実施例1と同様にして液晶表示パネル部材を作製した。
実施例1〜3で得られた本発明品は、いずれも透明UV樹脂層が隠蔽層及び隠蔽層のない領域全体にわって形成され、特に隠蔽層のパターン端部においても透明UV樹脂層が満遍なく入り込み、且つ、その最表面は均一平坦な形状であった。
本発明は携帯電話、高度情報端末、カーナビゲーション、電子書籍タブレット等に用いられる液晶表示パネル用部材であって、これらの液晶表示体を保護する機能が求められる機器に用いることができる。特に、耐擦傷性や耐指紋付着性などの機能と飛散防止機能とを併せ持つ液晶表示パネル用部材を提供することができる。
1・・・・表示部
2・・・・非表示部
3・・・・飛散防止フィルム
4・・・・ハードコート層(保護フィルム)
5・・・・隠蔽層
6・・・・透明接着剤層
7・・・・透明UV樹脂層
8・・・・透明接着剤層
9・・・・液晶表示パネル基材(ガラス)
100・・液晶表示パネル部材
110・・液晶表示パネル部材

Claims (4)

  1. 一方の面に機能層を有する飛散防止フィルムの他方の面に、隠蔽層により形成された外枠部と、前記外枠部の内側領域を表示部とする液晶表示パネル用部材であって、
    前記隠蔽層及び隠蔽層のない領域の全面に、透明UV樹脂層と透明接着剤層とが順次積層されてなることを特徴とする液晶表示パネル用部材。
  2. 前記隠蔽層が、印刷インキ、金属蒸着膜のうち一つ以上から選ばれることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示パネル用部材。
  3. 前記透明UV樹脂層の最表面が全面に渡り平坦であることを特徴とする請求項1または2に記載の液晶表示パネル用部材。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の液晶表示パネル用部材の製造方法であって、一方の面に機能層を有した飛散防止フィルムの他方の面に、隠蔽層を形成した後、隠蔽層及び隠蔽層のない領域の全面に透明UV樹脂層を形成し、さらにその上に透明接着剤層を形成することを特徴とする液晶表示パネル用部材の製造方法。
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