JP2013169841A - ハイブリッド車両の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】パーキングポジション時のエンジン始動と停止に関し、油圧系の寿命と作動ショックを改善する。
【解決手段】制御装置は、内燃機関と、電動機と、駆動軸の回転を制動可能な制動手段と、を備えたハイブリッド車両に適用される。制御装置は、シフトポジションがパーキングポジションにある期間中の所定の時点において制動力が所定の閾値制動力以上の値になった場合、同時点以降において制動力が閾値制動力以上の値を維持するように制動手段に指示を与えるとともに、同指示を制動手段に与えている期間中に機関の始動要求が生じた場合において実際の制動力が閾値制動力よりも小さいときに機関の始動を禁止する始動禁止処理、および、指示を制御手段に与えている期間中に機関の停止要求が生じた場合において実際の制動力が閾値制動力よりも小さいときに機関の停止を禁止する停止禁止処理、の少なくとも一方を実行する。
【選択図】図3

Description

本発明は、ハイブリッド車両のシフトポジションがパーキングポジションにある場合において、駆動軸に付与される制動力を考慮しながら内燃機関を始動または停止する、ハイブリッド車両の制御装置に関する。
ハイブリッド車両は、周知のように、同車両を走行させる駆動力を発生する駆動源として、内燃機関および電動機を備えている。そして、ハイブリッド車両は、内燃機関および電動機の一方または双方が発生するトルクを、複数のギアにて構成されるギア機構を介して駆動輪に接続された駆動軸に伝達することにより、走行するようになっている。
従来のハイブリッド車両の制御装置(以下、「従来装置」とも称呼される。)は、内燃機関が始動されるときに操作者の意図によらないでハイブリッド車両が移動すること等を防ぐべく、駆動軸の回転が制動された状態にて(例えば、ブレーキ油圧が所定の大きさ以上である状態にて)内燃機関を始動するようになっている。さらに、従来装置は、内燃機関を始動するとき、内燃機関のクランキングに用いられるトルク、および、ギア機構を構成する歯車が打ち付け合うこと等に起因する騒音(以下、「ギアノイズ」とも称呼される。)が生じること等を防ぐためのトルク(いわゆる、押し当てトルク)を電動機から出力するようになっている。このように、従来から、ハイブリッド車両に備えられた内燃機関を出来る限り操作者に違和感なく始動させることが望まれている。
特開2007−176368号公報
ハイブリッド車両(以下、便宜上、単に「車両」とも称呼される。)においては、ハイブリッド車両ではない一般の車両とは異なり、シフトポジションがパーキングポジションにある場合において、車両の操作者から車両を走行させる要求が発せられていなくても、他の種々の要求(例えば、バッテリの充電など)に応じて内燃機関が始動される場合がある。この場合においても、一般に、内燃機関を出来る限り違和感なく始動させるべく、駆動軸の回転が制動され且つ電動機からトルクが出力されるようになっている。
一方、上述したように始動された内燃機関は、シフトポジションがパーキングポジションにある期間中に上記要求(バッテリの充電など)が満たされた場合、同期間中に停止されることになる。この場合、電動機から出力されているトルクと、内燃機関が停止されて発生しなくなったトルクと、が常に完全には相殺され難いことなどに起因し、内燃機関が始動されるときと同様、操作者の意図によらない車両の移動およびギアノイズなどが生じる場合がある。そこで、シフトポジションがパーキングポジションにある場合において内燃機関が停止されるときにも、一般に、内燃機関を出来る限り違和感なく停止させるべく、駆動軸の回転が制動され且つ電動機からトルクが出力されるようになっている。
ところで、上述したように内燃機関が始動または停止された後、駆動軸の回転は必ずしも制動され続ける必要はないので、一般に、駆動軸への制動力は低減(またはゼロに)される。ところが、内燃機関が始動および停止される毎に駆動軸への制動力を増減することが繰り返されると(例えば、ブレーキ油圧の増大および減少が繰り返されると)、駆動軸の回転を抑制するための部材(例えば、ブレーキ油圧を生じせしめるアクチュエータなど)は、その繰り返しに応じた回数だけ操作されることになる。しかしながら、それら部材の性能を出来る限り長期間にわたって維持する等の観点から、内燃機関を出来る限り違和感なく始動および停止させつつ、上記操作が繰り返される回数は出来る限り低減されることが望ましい。
本発明の目的は、上記課題に鑑み、ハイブリッド車両の内燃機関を出来る限り操作者に違和感なく始動および停止させるとともに、その内燃機関の始動および停止に係る部材等の性能を出来る限り長期間にわたって維持することができる、ハイブリッド車両の制御装置を提供することにある。
上記課題を解決するための本発明によるハイブリッド車両の制御装置は、
ハイブリッド車両の駆動軸と連結された内燃機関と、
前記駆動軸と連結された電動機と、
前記駆動軸の回転に抗する力である制動力を前記駆動軸に対して付与することによって前記駆動軸の回転を制動可能な制動手段と、
を備えるハイブリッド車両に適用される。
そして、本発明の制御装置は、
前記ハイブリッド車両のシフトポジションが「パーキングポジション」にある場合において、「前記制動手段によって前記制動力が前記駆動軸に付与され」且つ「前記電動機から所定のトルクが出力された」状態にて、前記内燃機関を始動する要求または前記内燃機関を停止する要求に応じて前記内燃機関を始動または停止する、ようになっている。
ここで、駆動軸への制動力についてより具体的に述べると、本発明の制御装置は、
前記シフトポジションが前記パーキングポジションにある期間中の所定の時点において前記制動力が所定の閾値制動力以上の値になった場合、同時点以降において「前記制動力が前記閾値制動力以上の値を維持する」ように前記制動手段に指示を与える、ように構成される。
上記構成により、内燃機関が始動または停止されるよりも前の時点にて制動力が閾値制動力以上の値となった場合、その時点以降(その結果として、内燃機関が始動または停止される時点)において、駆動軸への制動力が閾値制動力以上の値に維持されることが期待される。また、内燃機関が始動または停止される時点にてはじめて制動力が閾値制動力以上の値となった場合でも、その時点以降において駆動軸への制動力が閾値制動力以上の値に維持されることが期待される。そのため、上記時点以降に内燃機関が始動または停止されるとき、「実際の駆動軸への制動力」が閾値制動力以上の値に維持されていれば、その時点にて改めて駆動軸への制動力を増減する必要がない。これにより、内燃機関が始動および停止される毎に駆動軸への制動力が増減される場合に比べ、内燃機関の始動および停止に係る部材等の性能を出来る限り長期間にわたって維持することができる。
ところが、制動手段に上記指示(制動力が閾値制動力以上であることを維持する指示)が与えられていても、制動力が閾値制動力よりも小さいことになる可能性を完全には否定できない場合がある。例えば、駆動軸に制動力を付与する部材の性能が経年劣化すること等により、上記指示が制動手段に与えられていても、徐々に制動力が低下する場合がある(例えば、油圧に応じた大きさの制動力を付与するブレーキ、そのブレーキに油圧を提供するポンプ、および、油圧の切り替えおよび保持などを行う種々のバルブなど、が経年劣化し、油密性が低下する等)とも考えられる。
上記の場合、上記指示が制動手段に与えられていても「実際の制動力」が閾値制動力よりも小さいことになり、内燃機関が始動または停止するとき、操作者の意図によらないで車両が移動し及び/又はギアノイズが生じる可能性があると考えられる。
そこで、本発明の制御装置は、
前記指示を前記制動手段に与えている期間中に前記内燃機関を始動する要求が生じた場合において実際の制動力が前記閾値制動力よりも小さいときに前記内燃機関を始動することを禁止する「始動禁止処理」、および、
前記指示を前記制御手段に与えている期間中に前記内燃機関を停止する要求が生じた場合において実際の制動力が前記閾値制動力よりも小さいときに前記内燃機関を停止することを禁止する「停止禁止処理」、の少なくとも一方を実行する、
ように構成される。
上記構成により、制動力を閾値制動力以上の値に維持する指示が制動手段に与えられていても、「実際の制動力」が閾値制動力よりも小さければ、内燃機関の始動および停止が禁止される(始動禁止処理および停止禁止処理が実行される)ことになる。これにより、ハイブリッド車両の内燃機関を出来る限り操作者に違和感なく始動および停止させるとともに、その内燃機関の始動および停止に係る部材等の性能を出来る限り長期間にわたって維持することができる。
ところで、上記「内燃機関」は、ハイブリッド車両に適用され得る内燃機関であればよく、特に制限されない。例えば、内燃機関として、火花点火式内燃機関(いわゆる、ガソリンエンジン)、および、圧縮自着火式内燃機関(いわゆる、ディーゼルエンジン)が採用され得る。また、上記「電動機」も、ハイブリッド車両に適用され得る電動機であればよく、電動機の形式および構造、ならびに、車両に搭載される電動機の数などは、特に制限されない。
上記「制動手段」は、駆動軸の回転を制動し得る手段であればよく、特に制限されない。例えば、制動手段として、油圧に応じた大きさの制動力を駆動軸に付与するブレーキ、そのブレーキに油圧を提供するポンプ、および、種々のバルブなどから構成されるブレーキ機構が採用され得る。
上記「パーキングポジション」とは、シフトポジション(車両の運転モード)のうちの車両が停止しているときに選択されるポジションであり、車両の走行を意図しないポジションである。なお、シフトポジションには、例えば、パーキング(駐車)ポジション、ドライブ(前進走行)ポジション、ニュートラル(駆動軸と、内燃機関および電動機の出力軸と、の相対回転が可能)ポジション、リバース(行進走行)ポジション、および、ブレーキ(エンジンブレーキの積極的な作動)ポジションなどが含まれ得る。
上記「閾値制動力」とは、内燃機関が始動または停止したときに車両が操作者の意図によらないで移動することを防ぐ観点において必要な制動力であればよく、特に制限されない。例えば、閾値制動力は、本発明の制御装置が適用される車両ごとにあらかじめ行われた実験などにより、定められ得る。
上記「所定のトルク」とは、内燃機関を始動または停止するときに利用されるトルクであればよく、その大きさ及び向き、ならびに、トルクが及ぼされる対象などは特に制限されない。例えば、所定のトルクとして、内燃機関を始動するときに内燃機関のクランキングに用いられるトルク、内燃機関を停止するときに内燃機関のクランクシャフトの回転を抑えるために用いられるトルク、および、ギア機構におけるギアノイズを防ぐために用いられるトルクなどが挙げられる。さらに、ギア機構の構成によっては、所定のトルクには、内燃機関のクランクシャフトを回転するための第1のトルク(例えば、第1の電動機のトルクとして)、および、その第1のトルクがクランクシャフトに及ぼされるようにギア機構の回転を制限・調整するための第2のトルク(例えば、第2の電動機のトルクとして)、が含まれる。
上記「内燃機関を始動させることを禁止する」および「内燃機関を停止させることを禁止する」とは、内燃機関を出来る限り操作者に違和感なく始動および停止させる観点において適切な方法によって実現されればよく、具体的な「禁止」方法は特に制限されない。例えば、内燃機関を始動または停止させることを禁止する方法として、内燃機関を始動する要求そのものを無視すること、内燃機関を始動する要求を一旦保留して内燃機関を始動可能な時期まで待機する(内燃機関の始動を遅延させる)こと、および、内燃機関を始動する要求に係る所定のパラメータの閾値を内燃機関の始動および停止の頻度が低下するような閾値に変更すること、などが採用され得る。内燃機関を始動または停止させることを禁止する方法の更なる具体例については、後述される。
本発明の制御装置においては、上述したように、内燃機関を始動または停止する要求が生じていても、始動禁止処理または停止禁止処理が行われると、内燃機関の始動または停止が禁止される。しかし、車両の状態によっては、内燃機関を違和感なく始動および停止させること並びに内燃機関の始動および停止に係る部材の性能を維持することよりも、内燃機関を始動または停止することが優先されるべき場合もある。
そこで、例えば、具体的な構成の一例として、本発明の制御装置は、
前記始動禁止処理を許可する条件が更に成立していれば、実際に前記始動禁止処理を行い、
前記停止禁止処理を許可する条件が更に成立していれば、実際に前記停止禁止処理を行う、
ように構成され得る。
上記「始動禁止処理を許可する条件」および「停止禁止処理を許可する条件」とは、内燃機関の始動および停止の重要度(緊急性)などを考慮した条件であればよく、特に制限されない。例えば、始動禁止処理を許可する条件および停止禁止処理を許可する条件は、内燃機関を始動または停止する要求が「ハイブリッド車両を車両として適切に作動させる観点において優先順位の低い要求」である場合、成立し得る。具体的に述べると、「ハイブリッド車両を車両として適切に作動させる観点において優先順位の低い要求」として、車両の空調設備(暖房など)に関連する要求、および、バッテリの充電率を必要以上に高める要求、などが挙げられる。
以下、始動禁止処理および停止禁止処理を実現する具体的な方法の例を列挙する。
具体的な構成の一例として、本発明の制御装置は、
前記始動禁止処理が「前記内燃機関を始動する要求が生じることになる条件」を変更することによって行われる、ように構成され得る。
さらに、具体的な構成の一例として、本発明の制御装置は、
前記停止禁止処理が「前記内燃機関を停止する要求が生じることになる条件」を変更することによって行われる、ように構成され得る。
加えて、具体的な構成の一例として、本発明の制御装置は、
前記制動手段が前記制動力を維持する性能に基づき、「前記内燃機関を始動する要求が生じることになる条件」および「前記内燃機関を停止する要求が生じることになる条件」の一方または双方が定められる、ように構成され得る。
上記構成により、上記各々の要求そのものを適切に変更する(例えば、同要求が生じ難くする)ことにより、結果として内燃機関の始動または停止が禁止されることになる。例えば、始動禁止処理または停止禁止処理として、「バッテリの充電率が所定の閾値(例えば、40%)よりも小さいか否かに応じて上記各々の要求が生じる場合、その閾値を小さい値(例えば、35%)に変更する」方法が、採用され得る。
なお、上述したように、「上記各々の要求が生じても、その要求そのものを無視する」方法よっても、内燃機関の始動または停止が禁止され得る。
ところで、上記「制動手段が制動力を維持する性能」を把握する方法は、特に制限されない。例えば、制動手段が制動力を維持する性能は、過去の時点において制動手段に制動力を維持する指示が与えられたときの制動力の推移などに基づいて取得(学習)され得る。
以上に説明したように、本発明に係るハイブリッド車両の制御装置は、ハイブリッド車両の内燃機関を出来る限り操作者に違和感なく始動および停止させるとともに、その内燃機関の始動および停止に係る部材等の性能を出来る限り長期間にわたって維持することができるという効果を奏する。
本発明の第1実施形態に係る制御装置が適用されるハイブリッド車両の概略図である。 本発明の第1実施形態に係る制御装置における制御の考え方を示す概略フローチャートである。 本発明の第1実施形態に係る制御装置における制御の考え方を示す概略フローチャートである。 本発明の第2実施形態に係る制御装置が適用されるハイブリッド車両の基本的な作動を示すフローチャートである。 図4に示す基本的な作動に関連する、アクセル操作量および車速と、ユーザ要求トルクと、の関係を示したグラフである。 図4に示す基本的な作動に関連する、機関回転速度および機関出力トルクと、最適機関動作ラインと、の関係を示したグラフである。 図4に示す基本的な作動に関連する、ハイブリッド車両の走行中における遊星歯車装置の共線図である。 本発明の第2実施形態に係る制御装置においてブレーキECUが実行するルーチンを示したフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係る制御装置においてブレーキECUが実行するルーチンを示したフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係る制御装置においてブレーキECUが実行するルーチンを示したフローチャートである。 本発明の第3実施形態に係る制御装置においてブレーキECUが実行するルーチンを示したフローチャートである。 本発明の第3実施形態に係る制御装置においてブレーキECUが実行するルーチンを示したフローチャートである。 本発明の第4実施形態に係る制御装置においてブレーキECUが実行するルーチンを示したフローチャートである。 本発明の第4実施形態に係る制御装置においてブレーキECUが実行するルーチンを示したフローチャートである。 本発明の第5実施形態に係る制御装置においてブレーキECUが実行するルーチンを示したフローチャートである。 本発明の第5実施形態に係る制御装置においてブレーキECUが実行するルーチンを示したフローチャートである。
以下、本発明による制御装置の各実施形態(第1実施形態〜第5実施形態)が、図面を参照しながら説明される。
(第1実施形態)
<装置の概要>
図1は、本発明の実施形態の第1実施形態に係る制御装置(以下、「第1装置」とも称呼される。)をハイブリッド車両10に適用したシステムの概略構成を示している。以下、便宜上、ハイブリッド車両10は、単に「車両10」とも称呼される。
車両10は、図1に示されるように、発電電動機MG1、発電電動機MG2、内燃機関20(以下、単に「機関20」とも称呼される。)、動力分配機構30、出力軸41,42、駆動力伝達機構50、第1インバータ61、第2インバータ62、バッテリ63、パワーマネジメントECU70、バッテリECU71、モータECU72、エンジンECU73、ブレーキECU74、ならびに、複数のセンサ類81〜85および91〜99、を備えている。なお、ECUは、エレクトリックコントロールユニットの略称であり、CPU、ROM、RAMおよびインターフェースなどを含むマイクロコンピュータを主要な構成部品として有する電子制御回路である。
発電電動機(モータジェネレータ)MG1は、発電機および電動機のいずれとしても機能することができる同期発電電動機である。発電電動機MG1は、便宜上、第1発電電動機MG1とも称呼される。第1発電電動機MG1は、本例においては主として発電機としての機能を発揮する。第1発電電動機MG1は、出力軸(以下、「第1シャフト」とも称呼される。)41を有している。
発電電動機(モータジェネレータ)MG2は、第1発電電動機MG1と同様、発電機および電動機のいずれとしても機能することができる同期発電電動機である。発電電動機MG2は、便宜上、第2発電電動機MG2とも称呼される。第2発電電動機MG2は、本例においては主として電動機としての機能を発揮する。第2発電電動機MG2は、出力軸(以下、「第2シャフト」とも称呼される。)42を有している。
第2発電電動機MG2は、出力軸42に接続された回転子(ロータ)と、固定子(ステータ)と、を備えている。そして、第2発電電動機MG2は、ロータがステータに対して回転する向きの磁界を順次生じさせることができるように、各々の磁界に対応する回路(巻線)に電流を順次流すことにより、出力軸42にトルクを出力する(ロータを回転させる向きの力を発する)ように構成されている。なお、第1発電電動機MG1も、出力軸41にトルクを出力する点を除いて第2発電電動機MG2と同様に構成されている。
機関20は、4サイクル・火花点火式・多気筒内燃機関である。機関20は、吸気管およびインテークマニホールドを含む吸気通路部21、スロットル弁22、スロットル弁アクチュエータ22a、複数の燃料噴射弁23、点火プラグを含む複数の点火装置24、機関20の出力軸であるクランクシャフト25、エキゾーストマニホールド26、排気管27、および、三元触媒28を有している。
スロットル弁22は、吸気通路部21に回転可能に支持されている。スロットル弁アクチュエータ22aは、エンジンECU73からの指示信号に応答してスロットル弁22を回転し、吸気通路部21の通路断面積を変更できるようになっている。
複数の燃料噴射弁23(図1においては1つの燃料噴射弁23のみが示されている。)のそれぞれは、その噴射孔が燃焼室に連通した吸気ポートに露呈するように配置されている。燃料噴射弁23のそれぞれは、エンジンECU73からの指示信号に応答して所定の量の燃料を吸気ポート内に噴射するようになっている。
点火装置24のそれぞれは、エンジンECU73からの指示信号に応答して点火用火花を各気筒の燃焼室内において特定の点火タイミング(点火時期)にて発生するようになっている。
クランクシャフト25は、動力分配機構30に接続されており、機関20によって生じるトルクを動力分配機構30に入力することができるようになっている(詳細については後述される。)。
エキゾーストマニホールド26の排気集合部、および、エキゾーストマニホールド26よりも下流側の排気管27には、三元触媒28が設けられている。三元触媒28は、排気浄化用触媒であり、機関20から排出される未燃物(HC,COなど)および窒素酸化物(NOx)を浄化するようになっている。
動力分配機構30は、周知の遊星歯車装置31を備えている。遊星歯車装置31はサンギア32と、複数のプラネタリギア33と、リングギア34と、を有している。
サンギア32は、第1発電電動機MG1の第1シャフト41に接続されている。したがって、第1発電電動機MG1は、サンギア32にトルクを出力することができる。逆に、第1発電電動機MG1は、サンギア32から第1発電電動機MG1(第1シャフト41)に入力されるトルクによって回転駆動されることによって発電することができる。ここで、サンギア32は、後述される複数のギア(プラネタリギア33、リングギア34、出力ギア37、ギア列51、および、ディファレンシャルギア52など)を介し、駆動軸53に連結されている。すなわち、第1発電電動機MG1は、駆動軸53とトルク伝達可能に連結されている。
複数のプラネタリギア33のそれぞれは、サンギア32と噛合するとともにリングギア34と噛合している。プラネタリギア33の回転軸(自転軸)は、プラネタリキャリア35に設けられている。プラネタリキャリア35は、サンギア32と同軸に回転可能となるように保持されている。同様に、リングギア34は、サンギア32と同軸に回転可能となるように保持されている。したがって、プラネタリギア33は、サンギア32の外周を自転しながら公転することができる。プラネタリキャリア35は、機関20のクランクシャフト25に接続されている。よって、プラネタリギア33は、クランクシャフト25からプラネタリキャリア35に入力されるトルクによって回転駆動され得る。
さらに、上述したように、プラネタリギア33はサンギア32およびリングギア34と噛合している。したがって、プラネタリギア33からサンギア32にトルクが入力されたときには、そのトルクによってサンギア32が回転駆動される。プラネタリギア33からリングギア34にトルクが入力されたときには、そのトルクによってリングギア34が回転駆動される。逆に、サンギア32からプラネタリギア33にトルクが入力されたときには、そのトルクによってプラネタリギア33が回転駆動される。リングギア34からプラネタリギア33にトルクが入力されたときには、そのトルクによってプラネタリギア33が回転駆動される。
リングギア34は、リングギアキャリア36を介して第2発電電動機MG2の第2シャフト42に接続されている。したがって、第2発電電動機MG2は、リングギア34にトルクを出力することができる。逆に、第2発電電動機MG2は、リングギア34から第2発電電動機MG2(第2シャフト42)に入力されるトルクによって回転駆動されることによって発電することができる。ここで、リングギア34は、後述される複数のギア(出力ギア37、ギア列51、および、ディファレンシャルギア52など)を介し、駆動軸53に連結されている。すなわち、第2発電電動機MG2は、駆動軸53とトルク伝達可能に連結されている。
さらに、リングギア34は、リングギアキャリア36を介して出力ギア37に接続されている。したがって、出力ギア37は、リングギア34から出力ギア37に入力されるトルクによって回転駆動され得る。逆に、リングギア34は、出力ギア37からリングギア34に入力されるトルクによって回転駆動され得る。
駆動力伝達機構50は、ギア列51、ディファレンシャルギア52、および、駆動軸(ドライブシャフト)53を有している。
ギア列51は、出力ギア37とディファレンシャルギア52とを動力伝達可能に歯車機構により接続している。ディファレンシャルギア52は、駆動軸53に取り付けられている。駆動軸53の両端には駆動輪54が取り付けられている。したがって、出力ギア37からのトルクはギア列51、ディファレンシャルギア52、および、駆動軸53を介して駆動輪54に伝達される。この駆動輪54に伝達されたトルクにより、ハイブリッド車両10は走行することができる。
さらに、駆動軸53には、駆動軸53の回転を制動することが可能な制動手段としてのブレーキ機構BMが設けられている。ブレーキ機構BMは、駆動軸53と相対回転不能に連結されたブレーキディスク、ブレーキディスクを油圧に応じた力にて押圧するブレーキキャリパ、および、ブレーキキャリパに油圧を供給するブレーキアクチュエータなどを含む。ブレーキ機構BMは、ブレーキディスクをブレーキキャリパによって後述される指示に応じて押圧することにより、駆動軸53の回転を制動するようになっている。
第1インバータ61は、第1発電電動機MG1およびバッテリ63に電気的に接続されている。したがって、第1発電電動機MG1が発電しているとき、第1発電電動機MG1が発生した電力は第1インバータ61を介してバッテリ63に供給される。逆に、第1発電電動機MG1は第1インバータ61を介してバッテリ63から供給される電力によって回転駆動させられる。
第2インバータ62は、第2発電電動機MG2およびバッテリ63に電気的に接続されている。したがって、第2発電電動機MG2は第2インバータ62を介してバッテリ63から供給される電力によって回転駆動させられる。逆に、第2発電電動機MG2が発電しているとき、第2発電電動機MG2が発生した電力は第2インバータ62を介してバッテリ63に供給される。
なお、第1発電電動機MG1の発生する電力は第2発電電動機MG2に直接供給可能であり、且つ、第2発電電動機MG2の発生する電力は第1発電電動機MG1に直接供給可能である。
バッテリ63は、本例においてリチウムイオン電池である。但し、バッテリ63は放電および充電が可能な蓄電装置であればよく、ニッケル水素電池および他の二次電池であってもよい。
パワーマネジメントECU70(以下、「PMECU70」とも称呼される。)は、バッテリECU71、モータECU72、エンジンECU73およびブレーキECU74と通信により情報交換可能に接続されている。
PMECU70は、パワースイッチ81、シフトポジションセンサ82、アクセル操作量センサ83、ブレーキスイッチ84および車速センサ85などと接続され、これらセンサが発生する出力信号が入力されるようになっている。
パワースイッチ81は、ハイブリッド車両10のシステム起動用スイッチである。PMECU70は、いずれも図示しない車両キーがキースロットに挿入され且つブレーキペダルが踏み込まれているときにパワースイッチ81が操作されると、システムを起動する(Ready−On状態となる)ように構成されている。
シフトポジションセンサ82は、ハイブリッド車両10の運転席近傍に操作者により操作可能に設けられた図示しないシフトレバーによって選択されているシフトポジションを表す信号を発生するようになっている。シフトポジションには、P(パーキングポジション)、R(後進ポジション)、N(ニュートラルポジション)、D(走行ポジション)およびB(エンジンブレーキ積極作動ポジション)が含まれる。
アクセル操作量センサ83は、操作者により操作可能に設けられた図示しないアクセルペダルの操作量APを表す出力信号を発生するようになっている。
ブレーキスイッチ84は、操作者により操作可能に設けられた図示しないブレーキペダルが操作されたときに、ブレーキペダルが操作された状態にあることを示す出力信号を発生するようになっている。
車速センサ85は、ハイブリッド車両10の車速を表す出力信号を発生するようになっている。
PMECU70は、バッテリECU71により算出されるバッテリ63の充電率SOC(State Of Charge)を入力されるようになっている。充電率SOCは、バッテリ63に流出入する電流の積算値などに基づいて周知の手法により算出される。
PMECU70は、モータECU72を介して、第1発電電動機MG1の回転速度(以下、「MG1回転速度Nm1」とも称呼される。)を表す信号および第2発電電動機MG2の回転速度(以下、「MG2回転速度Nm2」とも称呼される。)を表す信号を入力されるようになっている。
なお、MG1回転速度Nm1は、モータECU72によって「第1発電電動機MG1に設けられ且つ第1発電電動機MG1のロータMG1rの回転角度に対応する出力値を出力するレゾルバ98の出力値」に基づいて算出されている。同様に、MG2回転速度Nm2は、モータECU72によって「第2発電電動機MG2に設けられ且つ第2発電電動機MG2のロータの回転角度に対応する出力値を出力するレゾルバ99の出力値」に基づいて算出されている。
PMECU70は、エンジンECU73を介して、エンジン状態を表す種々の出力信号を入力されるようになっている。このエンジン状態を表す出力信号には、機関回転速度Ne、スロットル弁開度および機関の冷却水温などが含まれている。
モータECU72は、第1インバータ61および第2インバータ62に接続されている。モータECU72は、PMECU70からの指令(後述される「MG1指令トルクTm1*およびMG2指令トルクTm2*)に基づいて、第1インバータ61および第2インバータ62に指示信号を送出するようになっている。これにより、モータECU72は、第1インバータ61を用いて第1発電電動機MG1を制御し、且つ、第2インバータ62を用いて第2発電電動機MG2を制御するようになっている。
エンジンECU73は、スロットル弁アクチュエータ22a、燃料噴射弁23および点火装置24などと接続されており、これらに指示信号を送出するようになっている。さらに、エンジンECU73は、エアフローメータ91、スロットル弁開度センサ92、冷却水温センサ93、機関回転速度センサ94、ノッキングセンサ95、空燃比センサ96およびブレーキ油圧センサ97等と接続されており、これらの発生する出力信号を取得するようになっている。
ブレーキECU74は、ブレーキ機構BMと接続されており、ブレーキ機構BMに指示信号を送出するようになっている。さらに、ブレーキECU74は、ブレーキ油圧センサ97と接続されており、このセンサの発生する出力信号を取得するようになっている。
エアフローメータ91は、機関20に吸入される単位時間あたりの空気量を計測し、その空気量(吸入空気量)を表す信号を出力するようになっている。
スロットル弁開度センサ92は、スロットル弁22の開度(スロットル弁開度)を検出し、その検出したスロットル弁開度を表す信号を出力するようになっている。
冷却水温センサ93は、機関20の冷却水の温度を検出し、その検出した冷却水温THWを表す信号を出力するようになっている。
機関回転速度センサ94は、機関20のクランクシャフト25が所定角度だけ回転する毎にパルス信号を発生するようになっている。エンジンECU73は、このパルス信号に基づいてクランクシャフト25の単位時間当たりの回転数(機関回転速度)Neを取得するようになっている。
ノッキングセンサ95は、機関20の表面部分に設けられている。ノッキングセンサ95は、機関20の振動を検出するとともに、その振動に応じた信号を出力するようになっている。エンジンECU73は、この信号に基づいてノッキング強度を取得するようになっている。
空燃比センサ96は、エキゾーストマニホールド26の排気集合部であって、三元触媒28よりも上流側の位置に設けられている。空燃比センサ96は、いわゆる「限界電流式広域空燃比センサ」である。空燃比センサ96は、排ガスの空燃比を検出し、その検出した排ガスの空燃比(検出空燃比)に応じた出力値を出力するようになっている。エンジンECU73は、この出力値に基づいて検出空燃比を取得するようになっている。
ブレーキ油圧センサ97は、ブレーキ機構BMのブレーキアクチュエータに設けられている。ブレーキ油圧センサ97は、ブレーキアクチュエータからブレーキキャリパに提供されている作動油の圧力(ブレーキ油圧)を検出するとともに、そのブレーキ油圧に応じた信号を出力するようになっている。ブレーキECU74は、この信号に基づいてブレーキ油圧Pbを取得するようになっている。
エンジンECU73は、これらのセンサ等から取得される信号およびPMECU70からの指令に基づき、スロットル弁アクチュエータ22a、燃料噴射弁23、点火装置24、および、ブレーキアクチュエータ(ブレーキ機構BM)などに指示信号を送出することにより、機関20を制御するようになっている。
以上が、第1装置をハイブリッド車両10に適用したシステムの概略構成である。
<制御の考え方>
次いで、第1装置における制御の考え方が、図2および図3を参照しながら説明される。図2および図3は、第1装置の作動の概要を示す「概略フローチャート」である。
第1装置は、図2のステップ210にて、車両10のシフトポジションがパーキングポジションにあるか否かを判定する。現時点にてシフトポジションがパーキングポジションにある場合、第1装置は、ステップ220に進む。
第1装置は、ステップ220にて、現時点においてブレーキ機構BMによって駆動軸53に付与されている制動力が所定の閾値制動力以上であるか否かを判定する。制動力が閾値制動力以上である場合、第1装置は、ステップ230に進む。
第1装置は、ステップ230にて、現時点以降において制動力が閾値制動力以上の値を維持するように、ブレーキ機構BMに指示を与える。これにより、シフトポジションがパーキングポジションにある期間中の所定の時点において制動力が閾値制動力以上の値になった場合、第1装置は、その時点以降において制動力が閾値制動力以上の値を維持するようにブレーキ機構BMに指示を与えることになる。
第1装置が上記指示をブレーキ機構BMに与えている期間中に、図3のルーチンが実行されると、第1装置は、図3のステップ305において、現時点にてシフトポジションがパーキングポジションにあるか否かを判定する。現時点にてシフトポジションがパーキングポジションにある場合、第1装置は、ステップ310に進む。
第1装置は、ステップ310にて、現時点にて機関20を「始動」させる要求が生じているか否かを判定する。同要求が生じている場合、第1装置は、ステップ315に進み、現時点における実際の制動力が閾値制動力よりも小さいか否か(実際の制動力が閾値制動力以上の値に維持されているか否か)を判定する。そして、実際の制動力が閾値制動力よりも小さい場合、第1装置は、ステップ320に進んで「始動禁止処理」を実行する。これに対し、実際の制動力が閾値制動力以上の値に維持されている場合、第1装置は、ステップ325にて電動機から所定のトルクを出力するとともに、ステップ330にて機関20を始動する。
一方、現時点にて機関20を始動させる要求が生じていない場合、第1装置は、ステップ310からステップ335に進み、現時点にて機関20を「停止」させる要求が生じているか否かを判定する。同同要求が生じている場合、第1装置は、ステップ340に進み、現時点における実際の制動力が閾値制動力よりも小さいか否かを判定する。そして、実際の制動力が閾値制動力よりも小さい場合、第1装置は、ステップ345に進んで「停止禁止処理」を実行する。これに対し、実際の制動力が閾値制動力以上の値に維持されている場合、第1装置は、ステップ350にて電動機から所定のトルクを出力するとともに、ステップ355にて機関20を始動する。
このように、第1装置は、制動力を閾値制動力以上の値に維持する指示が制動手段に与えられていても、「実際の制動力」が閾値制動力よりも小さければ、機関20の始動および停止を禁止する(始動禁止処理および停止禁止処理が行われる)。
以上が、第1装置についての説明である。
(第2実施形態)
次いで、本発明におけるハイブリッド車両の制御方法をより具体的に説明する実施形態が、説明される。以下、この実施形態における制御装置は、「第2装置」とも称呼される。
<制御の考え方>
第2装置においては、制動力としてブレーキ油圧Pbが採用され、閾値制動力として機関20が始動または停止したときに車両10が操作者の意図によらないで移動することを防ぐ観点において必要なブレーキ油圧である閾値ブレーキ油圧Pbthが採用され、始動禁止処理として機関20を始動する要求そのものを無視することが採用され、停止禁止処理として機関20を停止する要求そのものを無視することが採用される。
そして、第2装置においては、シフトポジションがパーキングポジションにある場合において、機関20を始動または停止する要求が生じた場合であっても、実際のブレーキ油圧Pbが閾値ブレーキ油圧Pbthよりも小さければ、機関20を始動または停止する要求を無視する。
<基本的な作動>
以下、第2装置の具体的な作動が説明される前に、図4〜図7を参照しながら、ハイブリッド車両10の基本的な作動が説明される。なお、以下に述べる処理は、PMECU70のCPUおよびエンジンECU73のCPUにより実行される。以下、記載を簡素化するため、PMECU70のCPUは「PM」とも称呼され、且つ、エンジンECU73のCPUは「EG」とも称呼される。
ハイブリッド車両10は、「ユーザのアクセル操作量APに応じて定まるトルクであって車両の駆動軸53に要求されるトルク、であるユーザ要求トルクTu*」に等しいトルクを、「機関20の効率が最良となるようにしながら(すなわち、機関20を後述される最適機関動作点にて運転しながら)、機関20の出力トルクTe*と電動機の出力トルクTm1*,Tm2*とを制御すること」により駆動軸53に作用させる。
実際には、ハイブリッド車両10は、機関20、第1発電電動機MG1および第2発電電動機MG2を関連させながら制御する。なお、この制御は、例えば、特開2009−126450号公報(米国公開特許番号 US2010/0241297)、および、特開平9−308012号公報(米国出願日1997年3月10日の米国特許第6,131,680号)などに詳細に記載されている。これらの内容は、本願明細書に参照として取り込まれる。
例えば、車両10は、ユーザ要求トルクTu*が小さいために機関20が所定の効率以上の効率にて運転できない場合などにおいては、機関20の運転を停止し、発電電動機MG1,MG2の出力トルクのみによってユーザ要求トルクTu*を満たす。一方、車両10は、機関20の運転が停止されている状態においてユーザ要求トルクTu*が増大したために機関20が所定の効率以上の効率にて運転できるようになった場合などにおいては、機関20を始動し、機関20の出力トルクおよび発電電動機MG1,MG2の双方によってユーザ要求トルクTu*を満たす。なお、このような「機関の停止および始動」を伴う運転は、間欠的に実行されるので「間欠運転または機関間欠運転」とも称呼される。
上述した制御についてより具体的に述べると、PMは、シフトポジションが走行ポジション(D)にある場合、所定時間が経過する毎に図4にフローチャートにより示した「駆動力制御ルーチン」を繰り返し実行するようになっている。したがって、特定のタイミングになると、PMは、図4のステップ400から処理を開始し、後述されるステップ405〜ステップ415の処理をこの順に行った後にステップ420に進む。
ステップ405:
PMは、アクセル操作量APと車速SPDとに基づいてリングギア要求トルクTr*を取得するとともに、ユーザ要求出力Pr*を決定する。
本ステップについてより具体的に述べると、駆動軸53に作用するトルク(駆動軸トルク)とリングギア34の回転軸に作用するトルクとは比例関係にある。したがって、ユーザがハイブリッド車両10の走行のために要求しているユーザ要求トルクTu*(ユーザのアクセル操作量APに応じて定まる、駆動軸53に要求されるトルク)とリングギア要求トルクTr*とは比例関係にある。そこで、PMは、図5に示した「アクセル操作量APおよび車速SPDと、ユーザ要求トルクTu*と、の間の関係」を「アクセル操作量APおよび車速SPDと、リングギア要求トルクTr*と、の間の関係」に変換したデータを有するテーブルをトルクマップMapTr*(AP,SPD)としてROM内に記憶している。そして、PMは、そのトルクマップMapTr*(AP,SPD)に現時点における「アクセル操作量APおよび車速SPD」を適用することにより、リングギア要求トルクTr*を取得する。
一方、駆動軸53に要求されている出力は、ユーザ要求トルクTu*と実際の車速SPDとの積(Tu*・SPD)に等しい。この積(Tu*・SPD)はリングギア要求トルクTr*とリングギア34の回転速度Nrとの積(Tr*・Nr)に等しい。したがって、以下、積(Tr*・Nr)を「ユーザ要求出力Pr*」と称呼する。すなわち、ユーザ要求出力Pr*は、ユーザ要求トルクTu*により定まる。さらに、本例においては、リングギア34は減速機を介することなく第2発電電動機MG2の第2シャフト42に接続されている。よって、リングギア34の回転速度Nrは第2MG回転速度Nm2と等しい。したがって、ユーザ要求出力Pr*は、リングギア要求トルクTr*と第2MG回転速度Nm2との積(Tr*・Nm2)と等しい。
なお、仮に、リングギア34が減速ギアを介して第2シャフト42に接続されている場合、リングギア34の回転速度Nrは第2MG回転速度Nm2をその減速ギアのギア比Grにて除した値(Nm2/Gr)と等しい。よって、この場合、ユーザ要求出力Pr*は値(Tr*・Nm2/Gr)として算出される。
ステップ410:
PMは、充電率SOCに基づいてバッテリ充電要求出力Pb*を取得する。バッテリ充電要求出力Pb*は、バッテリ63を充電するためにバッテリ63に供給すべき電力に応じた値である。バッテリ充電要求出力Pb*は、充電率SOCが所定値SOCLoth以上であるときにゼロとなるように算出され、充電率SOCが所定値SOCLothよりも小さいときに充電率SOCが小さくなるほど大きくなるように算出される。
ステップ415:
PMは、ユーザ要求出力Pr*とバッテリ充電要求出力Pb*との和に損失Plossを加えた値(Pr*+Pb*+Ploss)を機関要求出力Pe*として取得する。機関要求出力Pe*は機関20に要求される出力である。
上記ステップ405〜ステップ415における処理を行った後、PMは、ステップ420に進み、機関要求出力Pe*が閾値要求出力Peth以上であるか否かを判定する。この閾値要求出力Pethは、機関20の出力が閾値要求出力Peth未満で運転されると、機関20の運転効率(すなわち、燃費)が許容限度以下となるような値に設定されている。換言すると、閾値要求出力Pethは、その閾値要求出力Pethと等しい出力を機関20が最高の効率にて出力した場合における「その効率」が許容限度以下となるような値に設定されている。
ここで、機関要求出力Pe*が閾値要求出力Peth以上である場合、PMは、ステップ420にて「Yes」と判定してステップ425に進み、現時点において機関20が停止中(運転停止中)であるか否かを判定する。
現時点において機関20が停止中であれば、PMは、ステップ425にて「Yes」と判定してステップ430に進み、機関20の運転を開始する指示(始動指示)をEGに送信する。EGは、この指示に基づいて図示しないスタータおよび/または第1発電電動機MG1等を駆動し且つ燃料噴射弁23および点火装置24を作動させることにより、機関20を始動させる。その後、PMは、ステップ435に進む。一方、現時点において機関20が運転中であれば、PMは、ステップ425にて「No」と判定してステップ435に直接進む。
その後、PMは、後述されるステップ435〜ステップ460の処理をこの順に行う。
ステップ435:
PMは、機関要求出力Pe*と等しい出力が機関20から出力され且つ機関20の運転効率が最良となるように機関20を運転するべく、本ステップにおいて、機関要求出力Pe*に応じた最適機関動作点(図6を参照。)に基づいて目標機関出力トルクTe*および目標機関回転速度Ne*を決定する。
本ステップについてより具体的に述べると、ある出力をクランクシャフト25から出力させたとき機関20の運転効率(燃費)が最良となる機関動作点が、最適機関動作点として各出力毎に実験等によってあらかじめ求められている。これらの最適機関動作点を、機関出力トルクTeと機関回転速度Neとによって規定されるグラフ上にプロットし、さらに、これらのプロットを結ぶことによって形成されるラインが最適機関動作ラインとして求められる。このようにして求められる最適機関動作ラインが、図6に実線Loptにより示されている。図6において、破線により示されている複数のラインC0〜C5のそれぞれは、同じ出力をクランクシャフト25から出力させることができる機関動作点を結んだライン(等出力ライン)である。
PMは、機関要求出力Pe*と等しい出力が得られる最適機関動作点を検索し、その検索された最適機関動作点に対応する「機関出力トルクTeおよび機関回転速度Ne」を「目標機関出力トルクTe*および目標機関回転速度Ne*」のそれぞれとして決定する。例えば、機関要求出力Pe*が図6のラインC2に対応する出力と等しい場合、ラインC2と実線Loptとの交点P1に対する機関出力トルクTe1が目標機関出力トルクTe*として決定され、交点P1に対する機関回転速度Ne1が目標機関回転速度Ne*として決定される。なお、閾値要求出力Pethに対応する出力は、本例において、ラインC4に示した出力に対応している。
ステップ440:
PMは、下記(1)式に、リングギア34の回転速度Nrとして「回転速度Nrと等しい第2MG回転速度Nm2」を代入するとともに、機関回転速度Neとして目標機関回転速度Ne*を代入することにより、「サンギア32の目標回転速度Ns*と等しいMG1目標回転速度Nm1*」を算出する。
Nm1=Ns=Nr−(Nr−Ne)・(1+ρ)/ρ …(1)
上記(1)式において、「ρ」は下記(2)式により定義される値である。すなわち、「ρ」は、リングギア34の歯数に対するサンギア32の歯数の比である。
ρ=(サンギア32の歯数/リングギア34の歯数) …(2)
ここで、上記(1)式の根拠について説明する。遊星歯車装置31における各ギアの回転速度の関係は図7に示した周知の共線図により表される。共線図に示される直線は動作共線Lと称呼される。この共線図から理解されるように、リングギア34の回転速度Nrとサンギア32の回転速度Nsとの差(Nr−Ns)に対する機関回転速度Neとサンギア32の回転速度Nsとの差(Ne−Ns)の比(=(Ne−Ns)/(Nr−Ns))は、値(1+ρ)に対する1の比(=1/(1+ρ))に等しい。この比例関係に基づいて上記(1)式が導かれる。
さらに、PMは、本ステップ(ステップ440)にて、下記(3)式に従って第1発電電動機MG1に出力させるべきトルクであるMG1指令トルクTm1*を算出する。(3)式において、値PID(Nm1*−Nm1)は「MG1目標回転速度Nm1*と第1発電電動機MG1の実際の回転速度Nm1」との差に応じたフィードバック量である。すなわち、値PID(Nm1*−Nm1)は、第1発電電動機MG1の実際の回転速度Nm1をMG1目標回転速度Nm1*に一致させるためのフィードバック量である。
Tm1*=Te*・(ρ/(1+ρ))+PID(Nm1*−Nm1) …(3)
ここで、上記(3)式の根拠について説明する。クランクシャフト25に目標機関出力トルクTe*と等しいトルクが発生させられている場合(すなわち、機関出力トルクがTe*である場合)、この機関出力トルクTe*は遊星歯車装置31によってトルク変換される。その結果、サンギア32の回転軸に下記(4)式により表されるトルクTesとなって作用し、リングギア34の回転軸に下記(5)式により表されるトルクTerとなって作用する。
Tes=Te*・(ρ/(1+ρ)) …(4)
Ter=Te*・(1/(1+ρ)) …(5)
動作共線が安定であるためには動作共線の力の釣り合いをとればよい。したがって、図7に示したように、サンギア32の回転軸には上記(4)式により求められるトルクTesと大きさが同じで向きが反対のトルクTm1を作用させ、且つ、リングギア34の回転軸には下記(6)式により表されるトルクTm2を作用させればよい。すなわち、トルクTm2は、リングギア要求トルクTr*に対するトルクTerの不足分と等しい。このトルクTm2が、MG2指令トルクTm2*として採用される。
Tm2=Tr*−Ter …(6)
一方、サンギア32が目標回転速度Ns*にて回転すれば(すなわち、第1発電電動機MG1の実際の回転速度Nm1がMG1目標回転速度Nm1*に一致すれば)、機関回転速度Neは目標機関回転速度Ne*に一致する。以上から、MG1指令トルクTm1*は上記(3)式により求められる。
ステップ445:
PMは、上記(5)式および上記(6)式に従って、第2発電電動機MG2に出力させるべきトルクであるMG2指令トルクTm2*を算出する。なお、PMは、下記(7)式に基づいて、MG2指令トルクTm2*を決定してもよい。
Tm2*=Tr*−Tm1*/ρ …(7)
ステップ450:
PMは、機関20が最適機関動作点にて運転されるように(換言すると、機関出力トルクが目標機関出力トルクTe*となるように)、EGに指令信号を送出する。これにより、EGは、スロットル弁アクチュエータ22aによってスロットル弁22の開度を変更するとともに、燃料噴射量Fiを変更し、機関出力トルクTeが目標機関出力トルクTe*となるように機関20を制御する。
ステップ455:
PMは、MG1指令トルクTm1*をモータECU72に送信する。モータECU72は、第1発電電動機MG1の出力トルクがMG1指令トルクTm1*に一致するように第1インバータ61を制御する。
ステップ460:
PMは、MG2指令トルクTm2*をモータECU72に送信する。モータECU72は、第2発電電動機MG2の出力トルクがMG2指令トルクTm2*に一致するように第2インバータ62を制御する。
上記ステップ435〜ステップ460における処理を行った後、PMは、ステップ495に進んで本ルーチンを一旦終了する。
上述した処理により、リングギア34にリングギア要求トルクTr*と等しいトルクが機関20および第2発電電動機MG2によって作用させられる。さらに、充電率SOCが所定値SOCLothよりも小さい場合、機関20の発生する出力はバッテリ充電要求出力Pb*だけ増大させられる。したがって、リングギア34の回転軸に作用するトルクTerは大きくなるので、上記(6)式から理解されるように、MG2指令トルクTm2*は小さくなる。その結果、第1発電電動機MG1が発電する電力のうち第2発電電動機MG2にて消費される電力が少なくなるので、第1発電電動機MG1が発電する余剰の電力(第2発電電動機MG2にて消費されない電力)によってバッテリ63が充電される。
以上、機関要求出力Pe*が閾値要求出力Peth「以上」である場合に行われる処理が説明された。これに対し、機関要求出力Pe*が閾値要求出力Peth「よりも小さい」場合、PMは、ステップ420にて「No」と判定してステップ465に進み、現時点において機関20が停止中であるか否かを判定する。
機関20が停止中であれば、PMはステップ465にて「Yes」と判定し、図中の一点鎖線にて囲まれたステップ470の接続指標Aに進む。一方、機関20が運転中であれば、PMはステップ465にて「No」と判定し、ステップ470の接続指標Bに進む。なお、機関要求出力Pe*が閾値要求出力Pethよりも小さくなるような運転条件(上述したように、機関20の最適機関動作点(図6)の観点からは、機関20が駆動されるべきではない運転条件。よって、ステップ420にて「No」と判定される。)においても、必要に応じて機関20が運転される場合がある(例えば、後述されるバッテリ63の充電を行う場合など)。
ステップ470にて行われる具体的な処理については、図9および図10を参照しながら下記「具体的な作動」の項目にて説明される。
ここでは、ステップ470にて行われた処理の結果、PMは、ステップ470の接続指標Cに進んだとの仮定の下、説明が続けられる。
PMは、接続指標Cからステップ475に進むと、ステップ475にて、機関20の運転を停止する指示をEGに送信する。EGはこの指示に基づいて燃料噴射量をゼロにすることにより(すなわち、燃料噴射を停止することにより)、機関20を停止または機関20が停止している状態を継続させる。その後、PMはステップ480に進む。
ステップ480にて、PMは、MG1指令トルクTm1*をゼロに設定する。次いで、PMは、ステップ485に進み、MG2指令トルクTm2*にリングギア要求トルクTr*を設定する。その後、PMは上述したステップ455およびステップ460の処理を実行する。この結果、リングギア要求トルクTr*(したがって、ユーザ要求トルクTu*)は第2発電電動機MG2の発生するトルクのみによって満足される。その後、PMは、ステップ495に進んで本ルーチンを一旦終了する。
これに対し、ステップ470にて行われた処理の結果、PMがステップ470の接続指標Dに進んだと仮定すると、PMは、接続指標Dからステップ430に進み、機関20を始動または機関20が始動している状態を継続させる。そして、PMは、上記同様にステップ435〜ステップ460の処理を行い、機関20の出力トルク、第1発電電動機MG1の出力トルクおよび第2発電電動機MG2の出力トルクを制御する。
以上が、ハイブリッド車両10の基本的な作動である。
<具体的な作動>
以下、第2装置の具体的な作動が説明される。
第2装置において、ブレーキECU(以下、「BK」とも称呼される。)は、ブレーキ油圧制御のための図8に示したルーチンを所定のタイミング毎に繰り返し実行するようになっている。さらに、第2装置において、EGは、図4のステップ470における処理である図9および図10に示したルーチンを所定のタイミング毎に繰り返し実行するようになっている。以下、これらルーチンにて行われる処理が説明される。
BKは、あらかじめ定められたタイミング毎に、図8に示した「ブレーキ油圧制御ルーチン」を繰り返し実行するようになっている。BKは、このルーチンにより、シフトポジションがパーキングポジションにある場合において、ブレーキ油圧Pbが一旦閾値ブレーキ油圧Pbth以上の値となった場合、その閾値ブレーキ油圧Pbth以上の値にブレーキ油圧Pbが維持されるように、ブレーキ機構BMに指示を与える。
具体的に述べると、BKは、所定のタイミングにて図8のステップ800から処理を開始すると、ステップ810に進む。BKは、ステップ810にて、現時点にてシフトポジションがパーキングポジションにあるか否かを判定する。
現時点においてシフトポジションがパーキングポジションにある場合、BKは、ステップ810にて「Yes」と判定し、ステップ820に進む。BKは、ステップ820にて、現時点における実際のブレーキ油圧Pbが閾値ブレーキ油圧Pbth以上であるか否かを判定する。
現時点における実際のブレーキ油圧Pbが閾値ブレーキ油圧Pbth以上である場合、BKは、ステップ820にて「Yes」と判定し、ステップ820に進む。BKは、ステップ820にて、ブレーキ油圧Pbが閾値ブレーキ油圧Pbth以上の値に維持されるように、ブレーキ機構BMに指示を与える。その後、BKは、ステップ895に進んで本ルーチンを一旦終了する。
一方、現時点における実際のブレーキ油圧Pbが閾値ブレーキ油圧Pbthよりも小さい場合、BKは、ステップ820にて「No」と判定し、ステップ895に直接進んで本ルーチンを一旦終了する。また、現時点におけるシフトポジションがパーキングポジションにない場合、BKは、ステップ810にて「No」と判定し、ステップ895に直接進んで本ルーチンを一旦終了する。
このようにブレーキ油圧Pbが制御されているとき、EGが図4に示すルーチンを実行し、ステップ470の接続指標Aに進むと、EGは、図9のステップ910に進む。EGは、ステップ910にて、機関20を始動する要求が生じることになる条件(以下、「機関始動条件」とも称呼される。)が成立しているか否かを判定する。
「機関始動条件」について具体的に述べると、EGは、バッテリ63の充電率SOCが所定の閾値(例えば、40%)よりも小さいとき、冷却水温THWが所定の閾値(例えば、75℃)よりも低いとき(例えば、暖房のための熱源として)、三元触媒28の温度が所定の閾値よりも低いとき、などに機関始動条件が成立したと判定するようになっている。
現時点において機関始動条件が成立する場合、EGは、ステップ910にて「Yes」と判定し、ステップ920に進む。EGは、ステップ920にて、現時点におけるシフトポジションがパーキングポジションにあるか否かを判定する。
現時点においてシフトポジションがパーキングポジションにある場合、EGは、ステップ920にて「Yes」と判定し、ステップ930に進む。EGは、ステップ930にて、現時点における実際のブレーキ油圧Pbが閾値ブレーキ油圧Pbthよりも小さいか否かを判定する。
現時点における実際のブレーキ油圧Pbが閾値ブレーキ油圧Pbthよりも小さい場合、EGは、ステップ930にて「Yes」と判定し、接続指標Cを経由して図4のステップ475に進む。そして、EGは、上述したように、図4のステップ475にて、機関20が停止している状態を維持させる。
このように、シフトポジションがパーキングポジションにある場合において機関始動条件が成立しても、実際のブレーキ油圧Pbが閾値ブレーキ油圧Pbthよりも小さければ、機関20の始動が禁止される(機関20を始動する要求が無視される。)。
これに対し、シフトポジションがパーキングポジションにある場合において機関始動条件が成立したとき、実際のブレーキ油圧Pbが閾値ブレーキ油圧Pbth以上であれば、EGは、ステップ930にて「No」と判定し、ステップ940に進む。
EGは、ステップ940にて、第1発電電動機MG1から「クランキングのためのトルク」を出力するとともに、第2発電電動機MG2から「ギアノイズを防ぐためのトルク(押し当てトルク)」および「同クランキングのためのトルクがクランクシャフト25に及ぶようにリングギア34の回転を制限するトルク」を出力する。そして、EGは、接続指標Dを経由して図4のステップ330に進み、機関20を始動させる。
このように、シフトポジションがパーキングポジションにある場合において機関始動条件が成立したとき、実際のブレーキ油圧Pbが閾値ブレーキ油圧Pbth以上であれば、機関20が始動される。
なお、ステップ910にて機関始動条件が成立しない場合、EGは、ステップ910にて「No」と判定し、接続指標Cに進む。よって、機関20が停止した状態が維持される。また、ステップ920にてシフトポジションがパーキングポジションにない場合、EGは、ステップ920にて「No」と判定し、接続指標Dに進む。よって、機関20が始動される。
以上、EGが図4のステップ470の接続指標Aに進んだ場合に行われる処理が説明された。
次いで、EGが図4のステップ470の接続指標Bに進んだ場合に行われる処理が説明される。EGは、ステップ470の接続指標Bに進むと、図10のステップ1010に進む。EGは、ステップ1010にて、機関20を停止する要求が生じることになる条件(以下、「機関停止条件」とも称呼される。)が成立しているか否かを判定する。
「機関停止条件」について具体的に述べると、EGは、バッテリ63の充電率SOCが所定の閾値(例えば、50%)以上となったとき、冷却水温THWが所定の閾値(例えば、80℃)以上となったとき、三元触媒28の温度が所定の閾値以上となったとき、などに機関停止条件が成立したと判定するようになっている。
現時点において機関停止条件が成立する場合、EGは、ステップ1010にて「Yes」と判定し、ステップ1020に進む。EGは、ステップ1020にて、現時点におけるシフトポジションがパーキングポジションにあるか否かを判定する。
現時点においてシフトポジションがパーキングポジションにある場合、EGは、ステップ1020にて「Yes」と判定し、ステップ1030に進む。EGは、ステップ1030にて、現時点における実際のブレーキ油圧Pbが閾値ブレーキ油圧Pbthよりも小さいか否かを判定する。
現時点における実際のブレーキ油圧Pbが閾値ブレーキ油圧Pbthよりも小さい場合、EGは、ステップ1030にて「Yes」と判定し、接続指標Dを経由して図4のステップ475に進む。そして、EGは、上述したように、図4のステップ475にて、機関20が停止している状態を維持させる。
このように、シフトポジションがパーキングポジションにある場合において機関停止条件が成立しても、実際のブレーキ油圧Pbが閾値ブレーキ油圧Pbthよりも小さければ、機関20の停止が禁止される(機関20を停止する要求が無視される。)。
これに対し、シフトポジションがパーキングポジションにある場合において機関停止条件が成立したとき、実際のブレーキ油圧Pbが閾値ブレーキ油圧Pbth以上であれば、EGは、ステップ1030にて「No」と判定し、ステップ1040に進む。
EGは、ステップ1040にて、第1発電電動機MG1から「機関20を停止するためにクランクシャフト25の回転を抑えるトルク」を出力するとともに、第2発電電動機MG2から「ギアノイズを防ぐためのトルク(押し当てトルク)」および「同クランキング5の回転を抑えるトルクがクランクシャフト25に及ぶようにリングギア34の回転を制限するトルク」を出力する。そして、EGは、接続指標Cを経由して図4のステップ330に進み、機関20を停止させる。
このように、シフトポジションがパーキングポジションにある場合において機関停止条件が成立したとき、実際のブレーキ油圧Pbが閾値ブレーキ油圧Pbth以上であれば、機関20が停止される。
なお、ステップ1010にて機関停止条件が成立しない場合、EGは、ステップ1010にて「No」と判定し、接続指標Cに進む。よって、機関20が運転された状態が維持される。また、ステップ1020にてシフトポジションがパーキングポジションにない場合、EGは、ステップ1020にて「No」と判定し、接続指標Cに進む。よって、機関20が停止される。
以上が、第2装置についての説明である。
(第3実施形態)
次いで、第2装置における始動禁止処理または停止禁止処理を「許可する条件」が成立する場合にのみ実際に始動禁止処理または停止禁止処理を行う実施形態が、説明される。以下、この実施形態における制御装置は、「第3装置」とも称呼される。
<制御の考え方>
第3装置においては、第2装置と同様の考え方に従って機関20の始動禁止処理または停止禁止処理を行うべきか否かが判定された後、更にそれら処理を許可する条件が成立している場合にのみ、実際にそれら処理が実行される。
<具体的な作動>
以下、第3装置の具体的な作動が説明される。
第3装置は、EGが図9および図10に示すフローチャートに変えて図11および図12に示すフローチャートを実行する点についてのみ、第2装置と相違している。そこで、以下、この相違点を中心として、EGが実行する各ルーチンが説明される。
具体的に述べると、BKは、所定のタイミングにて図8のルーチンを実行し、ブレーキ油圧Pbが閾値ブレーキ油圧Pbth以上の値に維持されるように、ブレーキ機構BMに指示を与える。
ここで、EGが図4に示すルーチンを実行してステップ470の接続指標Aに進むと、EGは、図11のルーチンを実行する。図11に示したルーチンは、ステップ1110が追加されている点のみにおいて図9に示したルーチンと相違している。そこで、図11において図9に示したステップと同一の処理を行うためのステップには、図9のそのようなステップに付された符号と同一の符号が付されている。これらのステップについての詳細な説明は適宜省略される。
EGは、現時点におけるシフトポジションがパーキングポジションにある場合において、第2装置と同様の機関始動条件が成立したとき、ブレーキ油圧Pbが閾値ブレーキ油圧Pbthよりも小さければ、図11のステップ910、ステップ920およびステップ930を経由し、ステップ1110に進む。
EGは、ステップ1110にて、始動禁止処理を許可する条件が成立しているか否かを判定する。
「始動禁止処理を許可する条件」について具体的に述べると、EGは、機関20を始動する要求が、車両10の空調設備(暖房など)に関連する要求、および、バッテリ65の充電率を所定の充電率以上に高める要求、などであるときに、同条件が成立したと判定するようになっている。
現時点において始動禁止処理を許可する条件が成立する場合、EGは、ステップ1110にて「Yes」と判定し、接続指標Cを経由して図4のステップ475に進む。そして、EGは、上述したように、図4のステップ475にて、機関20が停止している状態を維持させる。
このように、シフトポジションがパーキングポジションにある場合において機関始動条件が成立し、かつ、実際のブレーキ油圧Pbが閾値ブレーキ油圧Pbthよりも小さいとき、始動禁止処理を許可する条件が成立すれば、機関20の始動が禁止される(機関20を始動する要求が無視される。)。
これに対し、シフトポジションがパーキングポジションにある場合において機関始動条件が成立し、かつ、実際のブレーキ油圧Pbが閾値ブレーキ油圧Pbth以上であるとき、始動禁止処理を許可する条件が成立しなければ、EGは、ステップ1110にて「No」と判定し、ステップ940に進む。
EGは、ステップ940にて、第1発電電動機MG1および第2発電電動機MG2から第2装置と同様のトルクを出力する。そして、EGは、接続指標Dを経由して図4のステップ330に進み、機関20を始動させる。
このように、シフトポジションがパーキングポジションにある場合において機関始動条件が成立し、かつ、実際のブレーキ油圧Pbが閾値ブレーキ油圧Pbth以上であっても
、始動禁止処理を許可する条件が成立したときに限って機関20が始動される。
以上、EGが図4のステップ470の接続指標Aに進んだ場合に行われる処理が説明された。
次いで、EGが図4のステップ470の接続指標Bに進んだ場合に行われる処理が説明される。EGは、ステップ470の接続指標Bに進むと、図12のルーチンを実行する。図12に示したルーチンは、ステップ1210が追加されている点のみにおいて図10に示したルーチンと相違している。そこで、図12において図10に示したステップと同一の処理を行うためのステップには、図10のそのようなステップに付された符号と同一の符号が付されている。これらのステップについての詳細な説明は適宜省略される。
EGは、現時点におけるシフトポジションがパーキングポジションにある場合において、第2装置と同様の機関停止条件が成立したとき、ブレーキ油圧Pbが閾値ブレーキ油圧Pbthよりも小さければ、図12のステップ1010、ステップ1020およびステップ1030を経由し、ステップ1210に進む。
EGは、ステップ1210にて、停止禁止処理を許可する条件が成立しているか否かを判定する。
「停止禁止処理を許可する条件」について具体的に述べると、EGは、機関20を停止する要求が、車両10の空調設備(暖房など)に関連する要求、および、バッテリ65の充電を終了する要求、などであるときに、同条件が成立したと判定するようになっている。
現時点において停止禁止処理を許可する条件が成立する場合、EGは、ステップ1210にて「Yes」と判定し、接続指標Dを経由して図4のステップ430に進む。そして、EGは、上述したように、図4のステップ430にて、機関20が運転されている状態を維持させる。
このように、シフトポジションがパーキングポジションにある場合において機関停止条件が成立し、かつ、実際のブレーキ油圧Pbが閾値ブレーキ油圧Pbthよりも小さいとき、停止禁止処理を許可する条件が成立すれば、機関20の停止が禁止される(機関20を停止する要求が無視される。)。
これに対し、シフトポジションがパーキングポジションにある場合において機関停止条件が成立し、かつ、実際のブレーキ油圧Pbが閾値ブレーキ油圧Pbth以上であるとき、停止禁止処理を許可する条件が成立しなければ、EGは、ステップ1210にて「No」と判定し、ステップ1040に進む。
EGは、ステップ1040にて、第1発電電動機MG1および第2発電電動機MG2から第2装置と同様のトルクを出力する。そして、EGは、接続指標Cを経由して図4のステップ475に進み、機関20を停止させる。
このように、シフトポジションがパーキングポジションにある場合において機関始動条件が成立し、かつ、実際のブレーキ油圧Pbが閾値ブレーキ油圧Pbth以上であっても
、停止禁止処理を許可する条件が成立したときに限って機関20が停止される。
以上が、第3装置についての説明である。
(第4実施形態)
次いで、第2装置における始動禁止処理または停止禁止処理を「機関始動条件または機関停止条件を変更する」ことによって行う実施形態が、説明される。以下、この実施形態における制御装置は、「第4装置」とも称呼される。
<制御の考え方>
第4装置においては、第2装置と同様の始動禁止処理または停止禁止処理が成立したとき、機関20を始動する要求および機関20を停止する要求が無視されるとともに、機関始動条件または機関停止条件が「それら条件が成立し難くなるように」変更される。
<具体的な作動>
以下、第4装置の具体的な作動が説明される。
第3装置は、EGが図9および図10に示すフローチャートに変えて図13および図14に示すフローチャートを実行する点についてのみ、第2装置と相違している。そこで、以下、この相違点を中心として、EGが実行する各ルーチンが説明される。
具体的に述べると、BKは、所定のタイミングにて図8のルーチンを実行し、ブレーキ油圧Pbが閾値ブレーキ油圧Pbth以上の値に維持されるように、ブレーキ機構BMに指示を与える。
ここで、EGが図4に示すルーチンを実行してステップ470の接続指標Aに進むと、EGは、図13のルーチンを実行する。図13に示したルーチンは、ステップ1310が追加されている点のみにおいて図9に示したルーチンと相違している。そこで、図13において図9に示したステップと同一の処理を行うためのステップには、図9のそのようなステップに付された符号と同一の符号が付されている。これらのステップについての詳細な説明は適宜省略される。
EGは、現時点におけるシフトポジションがパーキングポジションにある場合において、第2装置と同様の機関始動条件が成立したとき、ブレーキ油圧Pbが閾値ブレーキ油圧Pbthよりも小さければ、図11のステップ910、ステップ920およびステップ930を経由し、ステップ1310に進む。
EGは、ステップ1310にて、機関始動条件を変更する。
「機関始動条件の変更」について具体的に述べると、EGは、例えば、第2装置における機関始動条件(図9のステップ910についての説明も参照。)について、バッテリ63の充電率SOCの閾値を小さくする(例えば、40%を35%にする)ように変更し、冷却水温THWの閾値を低くする(例えば、75℃を70℃にする)ように変更する。
その後、EGは、接続指標Cを経由して図4のステップ475に進む。そして、EGは、上述したように、図4のステップ475にて、機関20が停止している状態を維持させる。
このように、シフトポジションがパーキングポジションにある場合において機関始動条件が成立し、かつ、実際のブレーキ油圧Pbが閾値ブレーキ油圧Pbthよりも小さいとき、機関20の始動が禁止される(機関20を始動する要求が無視される)とともに、機関始動条件が変更される。
以上、EGが図4のステップ470の接続指標Aに進んだ場合に行われる処理が説明された。
次いで、EGが図4のステップ470の接続指標Bに進んだ場合に行われる処理が説明される。EGは、ステップ470の接続指標Bに進むと、図14のルーチンを実行する。図14に示したルーチンは、ステップ1410が追加されている点のみにおいて図10に示したルーチンと相違している。そこで、図14において図10に示したステップと同一の処理を行うためのステップには、図10のそのようなステップに付された符号と同一の符号が付されている。これらのステップについての詳細な説明は適宜省略される。
EGは、現時点におけるシフトポジションがパーキングポジションにある場合において、第2装置と同様の機関停止条件が成立したとき、ブレーキ油圧Pbが閾値ブレーキ油圧Pbthよりも小さければ、図14のステップ1010、ステップ1020およびステップ1030を経由し、ステップ1410に進む。
EGは、ステップ1410にて、機関停止条件を変更する。
「機関停止条件の変更」について具体的に述べると、EGは、例えば、第2装置における機関始動条件(図10のステップ1010についての説明も参照。)について、バッテリ63の充電率SOCの閾値充電率SOCthを小さくする(例えば、50%を60%にする)ように変更し、冷却水温THWの閾値温度THWthを低くする(例えば、80℃を83℃にする)ように変更する。
その後、EGは、接続指標Dを経由して図4のステップ430に進む。そして、EGは、上述したように、図4のステップ430にて、機関20が運転されている状態を維持させる。
このように、シフトポジションがパーキングポジションにある場合において機関始動条件が成立し、かつ、実際のブレーキ油圧Pbが閾値ブレーキ油圧Pbthよりも小さいとき、機関20の停止が禁止される(機関20を停止する要求が無視される)とともに、機関停止条件が変更される。
以上が、第4装置についての説明である。
(第5実施形態)
次いで、ブレーキ機構BMがブレーキ油圧Pbを維持する性能に基づき、第2装置における機関始動条件および機関停止条件が定められる実施形態が、説明される。以下、この実施形態における制御装置は、「第5装置」とも称呼される。
<制御の考え方>
第5装置においては、ブレーキ機構BMがブレーキ油圧Pbを維持する性能(油圧保持性能)があらかじめ評価された後、第2装置と同様の考え方に従って機関20の始動禁止処理または停止禁止処理を行うべきか否かが判定される。
<具体的な作動>
以下、第5装置の具体的な作動が説明される。
第5装置は、EGが図9および図10に示すフローチャートに変えて図15および図16に示すフローチャートを実行する点についてのみ、第2装置と相違している。そこで、以下、この相違点を中心として、EGが実行する各ルーチンが説明される。
具体的に述べると、BKは、所定のタイミングにて図8のルーチンを実行し、ブレーキ油圧Pbが閾値ブレーキ油圧Pbth以上の値に維持されるように、ブレーキ機構BMに指示を与える。
ここで、EGが図4に示すルーチンを実行してステップ470の接続指標Aに進むと、EGは、図15のルーチンを実行する。図15に示したルーチンは、ステップ1510およびステップ1520が追加されている点のみにおいて図9に示したルーチンと相違している。そこで、図15において図9に示したステップと同一の処理を行うためのステップには、図9のそのようなステップに付された符号と同一の符号が付されている。これらのステップについての詳細な説明は適宜省略される。
EGは、図15のステップ1510に進むと、ブレーキ機構BMの油圧保持性能が所定の度合いよりも低下しているか否かを判定する。具体的に述べると、EGは、「ブレーキ油圧Pbを閾値ブレーキ油圧Pbth以上に維持する指示がブレーキ機構BMに与えられている期間中における、単位時間あたりのブレーキ油圧Pbの低下量」をブレーキ機構BMの油圧保持性能として取得する。そして、EGは、この油圧保持性能が、所定の度合い(例えば、ブレーキ機構BMが新品状態であるときの同性能の所定割合)よりも低下しているか否かを判定する。
油圧保持性能が所定の度合いよりも低下している場合、EGは、ステップ1510にて「Yes」と判定し、ステップ1520に進む。EGは、ステップ1520にて、機関始動条件を第4装置と同様に変更する。
その後、EGは、第2装置と同様、ステップ910〜ステップ940の処理を実行し、機関20を始動または機関20が停止している状態を維持させる。
以上、EGが図4のステップ470の接続指標Aに進んだ場合に行われる処理が説明された。
次いで、EGが図4のステップ470の接続指標Bに進んだ場合に行われる処理が説明される。EGは、ステップ470の接続指標Bに進むと、図16のルーチンを実行する。図16に示したルーチンは、ステップ1610およびステップ1620が追加されている点のみにおいて図10に示したルーチンと相違している。そこで、図16において図10に示したステップと同一の処理を行うためのステップには、図10のそのようなステップに付された符号と同一の符号が付されている。これらのステップについての詳細な説明は適宜省略される。
EGは、図16のステップ1610に進むと、図15のステップ1510と同様にブレーキ機構BMの油圧保持性能が所定の度合いよりも低下しているか否かを判定する。
油圧保持性能が所定の度合いよりも低下している場合、EGは、ステップ1610にて「Yes」と判定し、ステップ1620に進む。EGは、ステップ1620にて、機関始動条件を第4装置と同様に変更する。
その後、EGは、第2装置と同様、ステップ1010〜ステップ1040の処理を実行し、機関20を停止または機関20が運転されている状態を維持させる。
以上が、第5装置についての説明である。
<実施形態の総括>
図1〜図16を参照しながら説明したように、本発明の実施形態に係る制御装置は(第1装置〜第5装置)は、
ハイブリッド車両10の駆動軸53と連結された内燃機関20と、前記駆動軸53と連結された電動機MG1,MG2と、前記駆動軸53の回転に抗する力である制動力Pbを前記駆動軸53に対して付与することによって前記駆動軸53の回転を制動可能な制動手段BMと、を備えたハイブリッド車両10に適用される。
本発明の実施形態に係る制御装置は、
前記ハイブリッド車両10のシフトポジションがパーキングポジションにある場合において、前記制動手段BMによって前記制動力Pbが前記駆動軸53に付与され且つ前記電動機から所定のトルクが出力された状態にて、前記内燃機関を始動する要求または前記内燃機関MG1,MG2を停止する要求に応じて前記内燃機関20を始動または停止する(図9〜図16のルーチンを参照。)。
本発明の実施形態に係る制御装置において、
前記シフトポジションが前記パーキングポジションにある期間中の所定の時点において前記制動力Pbが所定の閾値制動力Pbth以上の値になった場合、同時点以降において前記制動力Pbが前記閾値制動力Pbth以上の値を維持するように前記制動手段BMに指示を与える(図8のルーチンを参照。)。
さらに、本発明の実施形態に係る制御装置は、
前記指示を前記制動手段BMに与えている期間中に前記内燃機関20を始動する要求が生じた場合において実際の制動力Pbが前記閾値制動力Pbthよりも小さいときに(例えば、図9のステップ910およびステップ930にて「Yes」と判定されたときに)前記内燃機関を始動することを禁止する始動禁止処理(例えば、図9の接続指標Cを経由して図4のステップ475の処理が実行される。)、および、
前記指示を前記制御手段BMに与えている期間中に前記内燃機関20を停止する要求が生じた場合において実際の制動力が前記閾値制動力よりも小さいときに(例えば、図10のステップ1010およびステップ1030にて「Yes」と判定されたときに)前記内燃機関20を停止することを禁止する停止禁止処理(例えば、図9の接続指標Dを経由して図4のステップ430の処理が実行される。)、の少なくとも一方を実行する、
ように構成されている。
加えて、本発明の実施形態に係る制御装置は、
前記始動禁止処理を許可する条件が更に成立していれば実際に前記始動禁止処理を行い(図11のステップ1110を参照。)、前記停止禁止処理を許可する条件が更に成立していれば実際に前記停止禁止処理を行う(図12のステップ1210を参照。)、ように構成されている。
さらに、本発明の実施形態に係る制御装置は、
前記始動禁止処理が、前記内燃機関20を始動する要求が生じることになる条件を変更することによって行われる、ように構成されている(図13のステップ1310を参照。)。
さらに、本発明の実施形態に係る制御装置は、
前記停止禁止処理が、前記内燃機関20を停止する要求が生じることになる条件を変更することによって行われる、ように構成されている(図14のステップ1410を参照。)。
さらに、本発明の実施形態に係る制御装置は、
前記制動手段BMが前記制動力Pbを維持する性能に基づき、前記内燃機関20を始動する要求が生じることになる条件および前記内燃機関20を停止する要求が生じることになる条件の一方または双方を定める、ように構成されている(図15のステップ1510およびステップ1520、ならびに、図16のステップ1610およびステップ1620を参照。)。
本発明は上記各実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。
例えば、上記複数の実施形態(第1実施形態〜第5実施形態)のうちの「一の実施形態」に適用されている制御装置の考え方に、同複数の実施形態のうちの「他の実施形態の一または複数」における制御装置の考え方が、適用され得る。別の言い方をすると、上記複数の実施形態のうちの一の実施形態と、一または複数の他の実施形態と、が組み合わせられ得る。
さらに、上記各実施形態においては、所定の条件が満たされれば、始動禁止処理および停止禁止処理の「双方」が実行されるようになっている。しかし、本発明の制御装置は、必ずしも始動禁止処理および停止禁止処理の双方を実行するように構成される必要はなく、始動禁止処理および停止禁止処理の「少なくとも一方」を実行するようにも構成され得る。
さらに、上記実施形態においては、ハイブリッド車両10に搭載される内燃機関20として、火花点火式内燃機関が採用されている。しかし、本発明の制御装置が適用されるハイブリッド車両に搭載される内燃機関として、圧縮時着火式内燃機関(ディーゼルエンジン)が採用され得る。
以上に説明したように、本発明は、内燃機関と電動機とを備えるハイブリッド車両における制御装置として利用することができる。
10…ハイブリッド車両、20…内燃機関、25…クランクシャフト、MG1…第1発電電動機、MG2…第2発電電動機、30…動力分配機構、50…動力伝達機構、53…駆動軸、ブレーキ油圧センサ97、BM…ブレーキ機構

Claims (5)

  1. ハイブリッド車両の駆動軸と連結された内燃機関と、前記駆動軸と連結された電動機と、前記駆動軸の回転に抗する力である制動力を前記駆動軸に対して付与することによって前記駆動軸の回転を制動可能な制動手段と、を備えたハイブリッド車両に適用され、
    前記ハイブリッド車両のシフトポジションがパーキングポジションにある場合において、前記制動手段によって前記制動力が前記駆動軸に付与され且つ前記電動機から所定のトルクが出力された状態にて、前記内燃機関を始動する要求または前記内燃機関を停止する要求に応じて前記内燃機関を始動または停止する、
    制御装置において、
    前記シフトポジションが前記パーキングポジションにある期間中の所定の時点において前記制動力が所定の閾値制動力以上の値になった場合、同時点以降において前記制動力が前記閾値制動力以上の値を維持するように前記制動手段に指示を与えるとともに、
    前記指示を前記制動手段に与えている期間中に前記内燃機関を始動する要求が生じた場合において実際の制動力が前記閾値制動力よりも小さいときに前記内燃機関を始動することを禁止する始動禁止処理、および、
    前記指示を前記制御手段に与えている期間中に前記内燃機関を停止する要求が生じた場合において実際の制動力が前記閾値制動力よりも小さいときに前記内燃機関を停止することを禁止する停止禁止処理、の少なくとも一方を実行する、
    ハイブリッド車両の制御装置。
  2. 請求項1に記載の制御装置であって、
    前記始動禁止処理を許可する条件が更に成立していれば実際に前記始動禁止処理を行い、前記停止禁止処理を許可する条件が更に成立していれば実際に前記停止禁止処理を行う、ハイブリッド車両の制御装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の制御装置において、
    前記始動禁止処理が、前記内燃機関を始動する要求が生じることになる条件を変更することによって行われる、ハイブリッド車両の制御装置。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の制御装置において、
    前記停止禁止処理が、前記内燃機関を停止する要求が生じることになる条件を変更することによって行われる、ハイブリッド車両の制御装置。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の制御装置において、
    前記制動手段が前記制動力を維持する性能に基づき、前記内燃機関を始動する要求が生じることになる条件および前記内燃機関を停止する要求が生じることになる条件の一方または双方が定められる、ハイブリッド車両の制御装置。
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CN107150685A (zh) * 2016-03-02 2017-09-12 福特全球技术公司 在借电启动或更换电池之后控制停/启车辆的系统和方法
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