JP2013168636A - 電解液およびこの電解液を用いた電解コンデンサ - Google Patents
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Abstract
【課題】電解液の高電導度化を実現することを目的とする。
【解決手段】本発明の電解液は、電解質として、主骨格に硫黄原子を含むチオール誘導体からなるアニオンと、イミダゾリニウム、イミダゾリウム、チアゾリウムの少なくとも一つの誘導体からなるカチオンとを含んだものである。これにより本発明は、アニオンの電荷密度がプラス方向へシフトしているため、イオン間の相互作用を低減することで電解液の高電導度化を実現できる。
【選択図】なし
【解決手段】本発明の電解液は、電解質として、主骨格に硫黄原子を含むチオール誘導体からなるアニオンと、イミダゾリニウム、イミダゾリウム、チアゾリウムの少なくとも一つの誘導体からなるカチオンとを含んだものである。これにより本発明は、アニオンの電荷密度がプラス方向へシフトしているため、イオン間の相互作用を低減することで電解液の高電導度化を実現できる。
【選択図】なし
Description
本発明は、電解液および電解液を用いた電解コンデンサに関する。
従来の電解コンデンサは、正負一対の電極箔を、セパレータを介して巻回したコンデンサ素子と、電極箔にそれぞれ接続されたリード端子と、コンデンサ素子を電解液とともに収容するケースとを備えている。
従来の電解液の電解質は、アニオンとしてフタル酸、マレイン酸、ピコリン酸、安息香酸などのカルボン酸、スクアリン酸などのオキソカーボン酸、テトラフルオロホウ酸、ヘキサフルオロリン酸、テトラフルオロアルミン酸などのフッ素系アニオンなどが挙げられる。カチオンとしては、アンモニウム、ホスホニウム、スルホニウム、オキソニウム、セレニウム、アミジニウム及びグアニジニウムなどが挙げられる。
電解液の溶媒としてはγ−ブチロラクトン(GBL)、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート、エーテル類、エステル類、スルホラン、エチルメチルスルホンなどのスルホン類、エチレングリコールなどのアルコール類などが挙げられる。
上記従来の電解コンデンサに関連する文献として、下記特許文献1が挙げられる。
電解液としては、より高電導度化が求められている。電解液を高電導度化することにより、例えば電解コンデンサの低ESR化を実現できる。
電解液の高電導度化を実現するにあたり、アプローチとしては電解液中のイオンの移動度を高めることが挙げられる。
そこで本発明は、電解液中のイオンの移動度を高め、電解液の高電導度化を図ることを目的とする。
この目的を達成するために本発明は、電解質として、主骨格に硫黄原子を含むチオール誘導体からなるアニオンと、イミダゾリニウム、イミダゾリウム、チアゾリウムの少なくとも一つの誘導体からなるカチオンとを含んだ電解液とするものである。
これにより本発明は、電解液中のイオンの移動度を高め、電解液の高電導度化を図ることができる。
その理由としては、1価のアニオン中の電荷密度は本来−1であるが、上記アニオンは、電子求引基や共鳴構造の影響により、電荷密度がプラス方向にシフトするため、アニオンの電子の局在化を抑制できる。その結果、電解液中において、イオン間の相互作用が低減され、イオンの移動度を高められるからである。
本発明の実施の形態における電解液とこれを用いた電解コンデンサについて図面を参照しながら説明する。
図1は本実施の形態における電解コンデンサ1の一部切り欠き斜視図である。
図1に示すように、電解コンデンサ1は、一対の陽極箔2および陰極箔3を、セパレータ4を介して巻回または積層したコンデンサ素子5と、陽極箔2と接続された陽極端子6と、陰極箔3と接続された陰極端子7と、コンデンサ素子5を電解液(図示せず)とともに収容するケース8と、を備えている。また本実施例では、陽極端子6、陰極端子7が外部に引き出されるように、ケース8の開口部を封止部材9で封止している。
陽極箔2は、例えば表面に酸化アルミニウムからなる誘電体層を形成したアルミニウム箔が用いられる。陰極箔3としても、アルミニウム箔を用いることができる。
セパレータ4としては、セルロース系の材料が挙げられる。具体的には、針葉樹木材パルプ、広葉樹木材パルプ、エスパルトパルプ、マニラ麻パルプ、サイザイ麻パルプ、コットンパルプ、ヘンプなどの天然セルロース、レーヨン繊維などが挙げられる。
また、セルロース以外の材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリペンテン、ポリメチルペンテン、ポリケトン、ポリエチレンテレフタレート(PET)なども挙げられ、これらを2種類以上混合または共重合した材料でもよい。
本実施の形態における電解液は、電解質のアニオンとして、主骨格に硫黄原子を含むチオール誘導体を用いる。この事例としては、1,3,4−チアジアゾール−2−チオールや、2−メルカプトチアゾールが挙げられる。
また、電解質のカチオンは、イミダゾリニウム、イミダゾリウム、チアゾリウムの少なくとも一つの誘導体から形成される。
溶媒としては、γ−ブチロラクトン(GBL)、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート、エーテル類、エステル類、スルホラン、エチルメチルスルホンなどのスルホン類、エチレングリコールなどのアルコール類などが挙げられる。
以上の電解液の構成により、電解液中のイオンの移動度を高め、電解液の高電導度化を図ることができる。その理由としては、1価のアニオン中の電荷密度は本来−1であるが、上記アニオンを用いることで、電子求引基や共鳴構造の影響により、電荷がプラス方向にシフトするため、アニオンの電子の局在化を抑制でき、イオン間の相互作用が低減され、電解液中のイオンの移動度を高められるからである。
またカチオンとしてイミダゾリニウム、イミダゾリウム、チアゾリウムの少なくとも一つの誘導体から形成されたイオンを用いることで、例えばカチオンにホスホニウム塩を用いた場合と比較して電解液の粘度を低く抑えることができ、結果として電解液の高電導度化を実現できる。
以上のことから、この電解液を用いた電解コンデンサは、投下直列抵抗(以下、ESRと略す)の低減や、印加が許容されるリプル電流を高めることができる。
以下、具体的な実施例について説明をする。
(実施例1)
本発明の実施の形態における電解液、及びこの電解液を用いたアルミ電解コンデンサの実施例1を以下に示す。
本発明の実施の形態における電解液、及びこの電解液を用いたアルミ電解コンデンサの実施例1を以下に示す。
まず、電解液は、溶媒に電解質を溶解させて作製した。電解質は、アニオンとして、主骨格に硫黄原子を含むチオール誘導体である、5−メチル−1,3,4−チアジアゾール−2−チオールを用い、カチオンとして、イミダゾリニウムを用いた。また、溶媒は、γ−ブチロラクトン(GBL)を用いた。電解液濃度は、1mol/Lとした。
次に、上記電解液を用いて電解コンデンサを作製した。
まず、表面に酸化アルミニウムからなる誘電体層を形成したアルミニウム箔からなる陽極箔2とアルミニウム箔からなる陰極箔3とを、セルロースからなるセパレータ4を介して巻回してコンデンサ素子5を形成した。また、巻回前に、陽極箔2には陽極端子6を接続し、陰極箔3には陰極端子7を接続した。
その後、有底筒状のケース8に、コンデンサ素子5を電解液(図示せず)とともに収容し、陽極端子6、陰極端子7が外部に引き出されるように、ケース8の開口部を封止部材9で封止し、電解コンデンサ(直径6.3mm、高さ5.8mm、定格電圧35V)を作製した。
(実施例2)
実施例2では、上記実施例1において、電解液の電解質に用いるアニオンとして、2−メルカプトチアゾールを用いた。それ以外は実施例1と同様にして電解液、及び電解コンデンサを作製した。
実施例2では、上記実施例1において、電解液の電解質に用いるアニオンとして、2−メルカプトチアゾールを用いた。それ以外は実施例1と同様にして電解液、及び電解コンデンサを作製した。
(比較例1)
比較例1では、上記実施例1において、電解液の電解質に用いるアニオンとして、フタル酸を用いた。それ以外は実施例1と同様にして電解液、及び電解コンデンサを作製した。
比較例1では、上記実施例1において、電解液の電解質に用いるアニオンとして、フタル酸を用いた。それ以外は実施例1と同様にして電解液、及び電解コンデンサを作製した。
以上のように作製された実施例1、2および比較例1の電解液について、電解質のアニオンの電荷密度の算出結果、及び電解液の電導度の計測結果を(表1)に示す。
なお、上記電荷密度は、Chem 3D Ultra 9.0を用い、MOPAC Job にてMinimumization AM1 EF Minimum RMS 0.1 Mulliken電荷という条件で算出した。
なお、上記電導度は、東亜ディーケーケー株式会社製電気伝導度計CM−30R を用い、30℃で計測した。
また、実施例1、2および比較例1の電解コンデンサについて、ESRの計測結果を(表1)に示す。
この(表1)から明らかなように、実施例1、2では、電解液の電解質のアニオンとして、主骨格に硫黄原子を含むチオール誘導体を適用しており、これらのアニオンは、比較例1の従来のアニオンと比べて、アニオンの電荷密度がプラス方向にシフトするため、アニオンの電子の局在化を抑制できる。その結果、実施例1、2の電解液は、電解液中において、イオン間の相互作用が低減されて、イオンの移動度が高められ、電解液の高電導度化を図ることができる。
また、(表1)から明らかなように、実施例1、2の電解コンデンサは、主骨格に硫黄原子を含むチオール誘導体を電解質のアニオンとして適用した電解液を用いており、比較例1に示す従来の電解コンデンサと比較して低ESR化を図ることができる。
本発明によると、電解液の高電導度化を実現できるため、例えば低ESR化が求められる電解コンデンサの電解液として有用である。
1 電解コンデンサ
2 陽極箔
3 陰極箔
4 セパレータ
5 コンデンサ素子
6 陽極端子
7 陰極端子
8 ケース
9 封止部材
2 陽極箔
3 陰極箔
4 セパレータ
5 コンデンサ素子
6 陽極端子
7 陰極端子
8 ケース
9 封止部材
Claims (3)
- 電解質として、主骨格に硫黄原子を含むチオール誘導体からなるアニオンと、イミダゾリニウム、イミダゾリウム、チアゾリウムの少なくとも一つの誘導体からなるカチオンとを含んだ電解液。
- 前記アニオンが、1,3,4−チアジアゾール−2−チオールおよび/または2−メルカプトチアゾールである請求項1に記載の電解液。
- 正負一対の電極箔とセパレータを介して巻回または積層したコンデンサ素子と、
前記正負一対の電極箔とそれぞれ接続された陽極端子および陰極端子と、
前記コンデンサ素子を電解液とともに収容するケースと、を備え、
前記電解液は、電解質として、主骨格に硫黄原子を含むチオール誘導体からなるアニオンと、イミダゾリニウム、イミダゾリウム、チアゾリウムの少なくとも一つの誘導体からなるカチオンとを含むことを特徴とした電解コンデンサ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012287100A JP2013168636A (ja) | 2012-01-17 | 2012-12-28 | 電解液およびこの電解液を用いた電解コンデンサ |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012006707 | 2012-01-17 | ||
JP2012006707 | 2012-01-17 | ||
JP2012287100A JP2013168636A (ja) | 2012-01-17 | 2012-12-28 | 電解液およびこの電解液を用いた電解コンデンサ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2013168636A true JP2013168636A (ja) | 2013-08-29 |
Family
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Family Applications (1)
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JP2012287100A Pending JP2013168636A (ja) | 2012-01-17 | 2012-12-28 | 電解液およびこの電解液を用いた電解コンデンサ |
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JP (1) | JP2013168636A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2022044636A1 (ja) * | 2020-08-27 | 2022-03-03 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 電解コンデンサ |
-
2012
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WO2022044636A1 (ja) * | 2020-08-27 | 2022-03-03 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 電解コンデンサ |
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