JP2013168193A - ガラス基板およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】リードエラーの発生率を低下させることを可能とするガラス基板およびその製造方法を提供する。
【解決手段】Ts/Tg>0.8(式1)およびΔRMS<0.1Mpa(式2)を具備するガラス基板を用いることで、ガラス基板の変形や、微少クラックの発生を抑制することが可能となる。また、「応力拡散熱処理工程(S40)」の後に精密研磨工程(S50)を行なうことで、応力緩和によって変化した形状を精密研磨工程(S50)で再度整えることができ、磁気ディスクとして用いた場合には、より良好な平坦度を得ることができる。
【選択図】図6

Description

本発明は、ハードディスク(HDD)等の情報記録媒体用の基板、特に熱アシスト記録媒体用の基板として適するガラス基板およびその製造方法に関する。
従来、ハードディスク(HDD)等の情報記録媒体用の基板としては、アルミニウム合金が用いられていた。しかしながら、アルミニウム合金は、変形しやすく、また研磨後の基板表面の平滑性が十分ではない等の問題を有していたため、現在ではガラス基板が広く使用されている(たとえば特許文献1〜5)。
特開2000−169184号公報 特開2006−327935号公報 特開2006−327936号公報 特開2007−161552号公報 国際公開第2009/028570号パンフレット
昨今、上記のような情報記録媒体においては、その情報記録量の増大に伴って記録密度を超高密度状態とすることが求められている。記録手段としては磁性方式が採用されているため、記録密度を高密度化すると記録の保持力が弱くなり、所謂「熱揺らぎ」として知られるように、記録中に発生する熱の影響により記録が消失してしまうという問題があった。
このような問題を解決する手段として、熱アシスト記録という方式の情報記録手段が注目されている。この熱アシスト記録は、レーザで記録媒体用の基板を加熱しながら情報記録を行なうことにより、上記のような問題を解決しようとするものである。このような熱アシスト記録方式の記録媒体は、基板(以下、「熱アシスト記録媒体用の基板」ともいう)としてガラス基板が用いられ、そのガラス基板上に複数の層からなる磁性記録層(以下単に「記録層」という)を形成した構成を有するが、該記録層を緻密化させることを目的としてその形成時(成膜時)に550℃程度の極めて高い温度が適用されるという特殊性を有している。
さらに、記録層を形成した後に、記録層の結晶磁気異方性を向上させる目的から、約600℃程度の後熱処理が行なわれている。
このように高温の加熱処理を施した場合には、情報記録媒体のガラス基板に残存していた内部応力が解放されることによるガラス基板の変形や、微少クラックの発生が問題となる。ガラス基板を用いた情報記録媒体に変形や微少クラックが発生した場合には、情報記録媒体をハードディスクとして用いた場合には、動作した際にリードエラーを発生させる要因となる。
本発明は、上記のような現状に鑑みなされたものであって、その目的とするところは、リードエラーの発生率を低下させることを可能とするガラス基板およびその製造方法を提供することにある。
この発明に基づいた、ガラス基板においては、熱アシスト磁気記録用媒体の基板として用いられ、その表面に磁気記録層が形成されるガラス基板であって、上記磁気記録層は、当該ガラス基板上への形成後に後熱処理工程を経て形成される層であり、上記後熱処理工程での上記ガラス基板の最高到達温度をTs、当該ガラス基板のガラス転移温度をTgとし、上記磁気記録層の上記後熱処理工程前と上記後熱処理工程後とにおけるガラス基板の全面での応力分布の偏差値の変化量をΔRMSとしたとき、下記の(式1)および(式2)を具備する。
Ts/Tg>0.8・・・(式1)
ΔRMS<0.1Mpa・・・(式2)
この発明に基づいた、ガラス基板の他の形態においては、Ts>600℃である。
この発明に基づいた、ガラス基板の製造方法においては、熱アシスト磁気記録用媒体の基板として用いられ、その表面に磁気記録層が形成されるガラス基板の製造方法であって、上記磁気記録層は、当該ガラス基板上への形成後に後熱処理工程を経て形成される層であり、上記後熱処理工程での上記ガラス基板の最高到達温度をTs、当該ガラス基板のガラス転移温度をTgとし、上記磁気記録層の上記後熱処理工程前と上記後熱処理工程後とにおけるガラス基板の全面での応力分布の偏差値の変化量をΔRMSとしたとき、下記の(式1)および(式2)を具備するガラス基板を用いる。
Ts/Tg>0.8・・・(式1)
ΔRMS<0.1Mpa・・・(式2)
また、当該ガラス基板への上記磁気記録層の成膜前に、前熱処理工程を含む。
この発明に基づいた、ガラス基板の製造方法の他の形態においては、Ts>600℃である。
この発明に基づいた、ガラス基板の製造方法の他の形態においては、溶融ガラスをプレス形成したシート状ガラス板に粗研磨処理を行なう工程と、上記前熱処理工程として、粗研磨された上記シート状ガラス板に熱処理を行なう工程と、熱処理された上記シート状ガラス板に精密研磨処理を行なう工程とを含む。
この発明に基づいたガラス基板およびその製造方法によれば、情報のエラー発生率を低下させことができるという優れた効果を有する。
実施の形態における熱アシスト磁気記録装置の概略構成を示す平面図である。 実施の形態における熱アシスト磁気記録装置の概略構成を示す側面図である。 実施の形態における磁気ディスクに用いられるガラス基板を示す斜視図である。 実施の形態における磁気ディスクを示す斜視図である。 実施の形態における他の磁気ディスクの部分拡大断面図である。 実施の形態におけるガラス基板の製造工程を示すフロー図である。 各実施例と各比較例における、ΔRMS(Mpa)、平均度変化(μm)、TIR変化量(μm)、および、リードエラー(count/面)を示す図である。 ΔRMS(Mpa)とTIR変化量との関係を示す図である。 TIR値と枚数との関係を示す図である。
本発明に基づいたガラス基板およびガラス基板の製造方法について、以下、図を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施の形態において、個数、量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、本発明の範囲は必ずしもその個数、量などに限定されない。
また、同一の部品、相当部品に対しては、同一の参照番号を付し、重複する説明は繰り返さない場合がある。また、各実施の形態における構成を適宜組み合わせて用いることは当初から予定されていることである。
(熱アシスト磁気記録装置2の概略構成)
まず、図1および図2を参照して、熱アシスト磁気記録装置2の概略構成の一例について説明する。なお、図1は、熱アシスト磁気記録装置2の概略構成を示す平面図、図2は、熱アシスト磁気記録装置2の概略構成を示す側面図である。
図1に示すように、熱アシスト磁気記録装置2は、矢印DR1方向に回転駆動される記録媒体である熱アシスト磁気記録用の磁気ディスク1に対して、磁気記録ヘッド2Dが対向配置されている。
磁気記録ヘッド2Dは、サスペンション2Cの先端部に搭載されている。サスペンション2Cは、支軸2Aを支点として矢印DR2方向(トラッキング方向)に回動可能に設けられている。支軸2Aには、トラッキング用アクチュエータ2Bが取り付けられている。
図2に示すように、磁気ディスク1を挟んで、磁気記録ヘッド2Dが対向する側には、レーザ光LBが照射される。磁気ディスク1上の記録する部分をレーザ光LBで瞬間的に加熱し、磁気記録ヘッド2Dで磁気ディスク1にデータを記録する。
磁気ディスク1に形成された磁性層の磁気粒子は、その温度が上昇すると保持力が低くなる。レーザ光LBで磁性層を加熱することで、常温では高い保持力を有する磁性層でも、通常の磁気記録ヘッド2Dでの記録が可能となり、超高密度記録の実現を可能とする。
(磁気ディスク1の構成)
次に、図3および図4を参照して、磁気ディスク1の構成について説明する。なお、図3は、磁気ディスク1に用いられるガラス基板1Gを示す斜視図、図4は、磁気ディスク1を示す斜視図である。
図3に示すように、磁気ディスク1に用いられるガラス基板1Gは、中心に孔11が形成された環状の円板形状を呈している。ガラス基板1Gは、外周端面12、内周端面13、表主表面14、および裏主表面15を有している。ガラス基板1Gの大きさの一例としては、外径約64mm、内径約20mm、厚さ約0.8mmである。
図4に示すように、磁気ディスク1は、上記したガラス基板1Gの表主表面14上に磁性層23が形成されている。図示では、表主表面14上にのみ磁性層23が形成されているが、裏主表面14上に磁性層23を設けることも可能である。
磁性層23の形成方法としては従来公知の方法を用いることができ、例えば磁性粒子を分散させた熱硬化性樹脂を基板上にスピンコートして形成する方法や、スパッタリング、無電解めっきにより形成する方法が挙げられる。
スピンコート法での膜厚は約0.3〜1.2μm程度、スパッタリング法での膜厚は0.04〜0.08μm程度、無電解めっき法での膜厚は0.05〜0.1μm程度であり、薄膜化および高密度化の観点からはスパッタリング法および無電解めっき法による膜形成が好ましい。
磁性層23に用いる磁性材料としては、特に限定はなく従来公知のものが使用できるが、高い保持力を得るために結晶異方性の高いCoを基本とし、残留磁束密度を調整する目的でNiやCrを加えたCo系合金などが好適である。近年では、熱アシスト記録用に好適な磁性層材料として、FePt系の材料が用いられるようになってきている。
また、磁気記録ヘッドの滑りをよくするために磁性層23の表面に潤滑剤を薄くコーティングしてもよい。潤滑剤としては、例えば液体潤滑剤であるパーフロロポリエーテル(PFPE)をフレオン系などの溶媒で希釈したものが挙げられる。
さらに必要により下地層や保護層を設けてもよい。磁気ディスクにおける下地層は磁性膜に応じて選択される。下地層の材料としては、例えば、Cr、Mo、Ta、Ti、W、V、B、Al、Niなどの非磁性金属から選ばれる少なくとも一種以上の材料が挙げられる。
また、下地層は単層とは限らず、同一又は異種の層を積層した複数層構造としても構わない。例えば、Cr/Cr、Cr/CrMo、Cr/CrV、NiAl/Cr、NiAl/CrMo、NiAl/CrV等の多層下地層としてもよい。
磁性層23の摩耗や腐食を防止する保護層としては、例えば、Cr層、Cr合金層、カーボン層、水素化カーボン層、ジルコニア層、シリカ層などが挙げられる。これらの保護層は、下地層、磁性膜など共にインライン型スパッタ装置で連続して形成できる。また、これらの保護層は、単層としてもよく、あるいは、同一又は異種の層からなる多層構成としてもよい。
なお、上記保護層上に、あるいは上記保護層に替えて、他の保護層を形成してもよい。例えば、上記保護層に替えて、Cr層の上にテトラアルコキシランをアルコール系の溶媒で希釈した中に、コロイダルシリカ微粒子を分散して塗布し、さらに焼成して酸化ケイ素(SiO)層を形成してもよい。
(磁気ディスク1A)
図5に、他の磁気ディスク1Aの構成の一例を示す。図5は、他の磁気ディスク1Aの部分拡大断面図である。この磁気ディスク1Aは、ガラス基板1Gの上に複数層を有する記録層20が形成されている。
記録層20は、ガラス基板1Gの表主表面14上に直接形成されるAlN等からなるシード(凹凸制御)層21、シード(凹凸制御)層21の上に形成される厚さ約60nmの下地層22、下地層22の上に形成される厚さ約30nmの磁性層23、磁性層23の上に形成される厚さ約10nmの保護層24、および、保護層24の上に形成される厚さ約0.8nmの潤滑層25を含んでいる。
なお、上記磁気ディスク1Aの構成はあくまでも一例であり、磁気ディスク1Aに要求される性能に応じて、ガラス基板1Gの大きさ、記録層20の構成は適宜変更される。
(ガラス基板1Gの製造工程)
次に、図6のフローチャートを用いて、本実施の形態に係るガラス基板を含むハードディスク用基板の製造方法を説明する。
まず、ステップ10(以下、「S10」と略す。ステップ20以降も同様。)の「ガラス溶融工程」において、基板を構成するガラス素材を溶融する。次に、S20の「プレス成形工程」において、溶融ガラスを下型上に流し込み、上型によってプレス成形する。
S30の「粗研磨工程」において、プレス成形されたガラス基板の表面が研磨加工され、ガラス基板の平坦度などが予備調整される。
次に、S40の「応力拡散熱処理工程(前熱処理工程)」において、ガラス基板に対して、応力拡散のための熱処理を行なう。加熱処理温度としては、たとえば、630℃で3時間程度ある。
さらに、S50の「精密研磨工程」において、ガラス基板に研磨加工が再度施され、平坦度などが微調整される。次に、S60の「洗浄工程」において、ガラス基板は洗浄される。以上の工程により、ハードディスク用基板に適用可能なガラス基板が得られる。
さらに、S70の「成膜工程」において、上記のガラス基板上に、記録層となる膜が形成される。最後に、S80の「後熱処理工程」において、結晶磁界異方性向上のための加熱処理を施す。加熱温度は、約600℃である。以上により、ハードディスク(磁気ディスク)が完成する。
(評価:ΔRMS<0.1Mpa)
次に、上記製造工程を経て形成された実施例1および実施例2と、比較例1、比較例2、比較例3、および比較例4のそれぞれにおける磁気ディスクに対して、ΔRMS(Mpa)、平坦度変化量(μm),TIR変化量(μm)、およびリードエラー(count/面)を測定した結果を、図7に示す。
実施例1、実施例2、比較例1、比較例2、比較例3、および比較例4に使用したガラス基板は、外径64mm、内径20mm、厚さ0.8mmの円環状のガラスディスクを用いた。各ガラスディスクTgはいずれも680℃である。記録層20のうち、磁性層23には、FePt合金層を形成した。
実施例1および実施例2における後熱処理工程(S80)でのガラス基板1Gの最高到達温度Tsは、600℃である。したがって、Ts/Tg>0.8(式1)が成立する。なお、比較例1、比較例2、比較例3、および比較例4においては、S40の「応力拡散熱処理工程(前熱処理工程)」は実施していない。
TIRと平坦度との値は、ガラス基板の平坦度を表す指標であり、評価面の最小二乗平面から最高点までの距離と、最小二乗平面から最低点までの距離との合計の値である。
TIRは、半径25mmの位置における周方向1周分を測定した値である。平坦度はガラス基板の全面を測定するもので、最小二乗平面を基準とした最高点までの距離、最低点までの距離、の合計を評価面の全面にわたって測定した値である。
ΔRMS、平坦度変化量、およびTIR変化量は、磁気異方性を向上させるための熱処理工程を含む成膜工程前と成膜工程後で測定した値の差分である。
面形状について、ハードディスクドライブにおいて、磁気ディスクは回転して使用されるために、ヘッドとの相対移動を考慮すれば特に周方向で測定するTIRの値を抑えることがヘッドの安定浮上のために重要となる。
図7に示す測定結果に基づき、図8にΔRMSとTIR変化量と関係を示す。図8に示す結果から、ΔRMSが0.1MPaを超えると急激にTIR値の変化(増加)が大きくなっている。逆にΔRMSが0.1MPaを超えていないものは、応力解放によるガラス基板の形状変化が起こっていないと考えられる。したがって、Ts/Tg>0.8(式1)の条件の下、ΔRMS<0.1Mpa(式2)であることが好ましい。
ΔRMSが大きいことでTIRと平坦度とが悪化する理由としては、磁気異方性を向上させるための熱処理工程において研削加工や研磨加工時に蓄積された内部応力が解放され、形状が悪化した結果と考えられる。
周方向1周分のTIRを1.0μm以下にすると磁気記録ヘッドの低浮上化や高速回転への対応が容易になり、安定して記録・再生を行なうことができる。外周TIRが1.0μmより大きいと、場合によっては磁気記録ヘッドと磁気ディスクとの接触による記録・再生エラーが発生するおそれがある。よって、外周TIRは1.0μm以下であることが好ましい。その中でも好ましくは0.5μm以下である。
実際に30枚の磁気ディスクを作製し成膜工程前にTIRを測ったヒストグラムを、図9に示す。加工でのばらつきによってTIR値もばらついているが、この状態でおおよそ1μm以下になっていることがわかる。しかしながら、記録層の形成時の加熱処理によってこの値が大きくなってしまうと、磁気ディスクのTIR値は1μmを超えるものが多発し、不良率が高くなってしまう。
(評価:記録膜の成膜前に、ガラス基板に熱処理工程(S40)を追加)
ガラス基板の内部応力を緩和する(S40)の「応力拡散熱処理工程」の後に精密研磨工程(S50)を行なうことで、応力緩和によって変化した形状を精密研磨工程(S50)で再度整えることができる。その結果、磁気ディスクとして用いた場合には、より良好な平坦度を得ることができる。
以上、本実施の形態におけるガラス基板およびその製造方法によれば、上述の(式1)および(式2)を具備するガラス基板を用いることで、ガラス基板の変形や、微少クラックの発生を抑制することが可能となる。また、「応力拡散熱処理工程(S40)」の後に精密研磨工程(S50)を行なうことで、応力緩和によって変化した形状を精密研磨工程(S50)で再度整えることができ、磁気ディスクとして用いた場合には、より良好な平坦度を得ることができる。
その結果、このガラス基板を用いた情報記録媒体をハードディスクとして用いた場合には、動作の安定性を確保することが可能となる。
なお、ガラス基板の表面の平滑性を得るためには、精密研磨工程(S50)を2回以上にわけて実施してもよい。そのとき、内部応力を緩和する加熱処理工程は1回目の精密研磨工程の前に実施してもよいし、1回目の精密研磨工程の後で、かつ最終の精密研磨工程の前に実施してもよいし、最終の精密研磨工程の後に実施することでも同様の効果が得られる。なお、精密研磨工程を2回にわけて実施する際には一般に酸化セリウムとコロイダルシリカによる2段階の工程を採用されるが、それに限るものではない。
一般に複数回での精密研磨工程は、1回目の精密研磨がより粗い加工であるため、ガラス基板の形状を整える効果が大きい。したがって、ガラス基板の内部応力を緩和する熱処理工程は精密研磨工程(S50)の1回目の精密研磨工程の前に行なうことが望ましい。
なお、(S40)の「応力拡散熱処理工程」での630℃で3時間の加熱処理においては、平坦な金属セッターを用いてガラス基板の形状が悪化しないようにしている。また、各工程の前後にガラス基板の洗浄工程を適宜追加することで、より清浄なガラス基板を作成できる。また、「応力拡散熱処理工程」は精密研磨工程の後に行ってもよい。
本実施の形態では研磨前の素板は溶融プレス加工で作製したが、シート材からの切り出し加工などで作製してもよい。また、ガラス基板の表面あるいは端面部をイオン交換する化学強化工程を導入することで、耐衝撃性を増すこともできる。たとえば、表面強化の化学強化工程であれば精密研磨工程の前に行なうものとし、強化に伴う面荒れを精密研磨で除去することが望ましい。
化学強化工程では一般に数百度に加熱した化学強化溶液に浸漬するため、この工程によって内部応力を緩和する加熱処理を兼ねるものとしても良い。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 磁気ディスク、1,1A 磁気ディスク、1G ガラス基板、2 熱アシスト磁気記録装置、2A 支軸、2B トラッキング用アクチュエータ、2C サスペンション、2D 磁気記録ヘッド、11 孔、12 外周端面、13 内周端面、14 表主表面、15 裏主表面、20 記録層、21 シード(凹凸制御)層、22 下地層、23 磁性層、24 保護層、25 潤滑層。

Claims (5)

  1. 熱アシスト磁気記録用媒体の基板として用いられ、その表面に磁気記録層が形成されるガラス基板であって、
    前記磁気記録層は、当該ガラス基板上への形成後に後熱処理工程を経て形成される膜であり、前記後熱処理工程での前記ガラス基板の最高到達温度をTs、当該ガラス基板のガラス転移温度をTgとし、前記磁気記録層の前記後熱処理工程前と前記後熱処理工程後とにおけるガラス基板の全面での応力分布の偏差値の変化量をΔRMSとしたとき、下記の(式1)および(式2)を具備する、ガラス基板。
    Ts/Tg>0.8・・・(式1)
    ΔRMS<0.1Mpa・・・(式2)
  2. Ts>600℃である、請求項1に記載のガラス基板。
  3. 熱アシスト磁気記録用媒体の基板として用いられ、その表面に磁気記録膜が形成されるガラス基板の製造方法であって、
    前記磁気記録層は、当該ガラス基板上への形成後に後熱処理工程を経て形成される膜であり、前記後熱処理工程での前記ガラス基板の最高到達温度をTs、当該ガラス基板のガラス転移温度をTgとし、前記磁気記録層の前記後熱処理工程前と前記後熱処理工程後とにおけるガラス基板の全面での応力分布の偏差値の変化量をΔRMSとしたとき、下記の(式1)および(式2)を具備するガラス基板を用い、
    Ts/Tg>0.8・・・(式1)
    ΔRMS<0.1Mpa・・・(式2)
    当該ガラス基板への前記磁気記録層の成膜前に、前熱処理工程を含む、ガラス基板の製造方法。
  4. Ts>600℃である、請求項3に記載のガラス基板の製造方法。
  5. 溶融ガラスをプレス形成したシート状ガラス板に粗研摩処理を行なう工程と、
    前記前熱処理工程として、粗研摩された前記シート状ガラス板に熱処理を行なう工程と、
    熱処理された前記シート状ガラス板に精密研摩処理を行なう工程と、
    を含む、請求項3または4に記載のガラス基板の製造方法。
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