図1は、本発明による警報システムの第1実施形態を、2グループ構成を例にとって示した説明図である。第1実施形態にあっては、各グループの住警器に、自己の属するグループと連携関係にある他のグループを示す連携グループ符号を登録して、異なるグループ間で警報を連動させるようにしたことを特徴とする。
図1において、住宅などの監視エリアには、例えば6台の住警器10−1〜10−6がグループG1とグループG2に分けて配置され、一方のグループG1の中に中継器12が配置されている。
グループG1は3台の住警器10−1〜10−3と中継器12で構成され、400MHz帯の4つのチャンネル周波数(通信周波数)f1,f2,f3,f4の内の1つ、例えばチャンネル周波数f1を設定している。
グループG2は3台の住警器10−4〜10−6で構成され、400MHz帯の4つのチャンネル周波数(通信周波数)f1,f2,f3,f4の内の1つ、例えばチャンネル周波数f2を設定している。
グループG1の住警器10−1〜10−3には、自己のグループ符号G1と、連携関係にあるグループG2を示す連携グループ符号G2が登録されている。またグループG2の住警器10−4〜10−6には、自己のグループ符号G2と、連携関係にあるグループG1を示す連携グループ符号G1が登録されている。
中継器12にはグループG1のチャンネル周波数f1と、グループG2のチャンネル周波数f2の両方が設定され、チャンネル周波数f1で受信したイベント信号をチャンネル周波数f2のイベント信号に変換して中継送信し、また、チャンネル周波数f2で受信したイベント信号をチャンネル周波数f1のイベント信号に変換して中継送信する。
また中継器12はグループG1に属することから、住警器10−1〜10−3と同様に、自己のグループ符号G1と、連携関係にあるグループG2を示す連携グループ符号G2の組が登録されている。
その結果、グループG1内では住警器10−1〜10−3がチャンネル周波数f1を使用して自己のグループ符号G1を含むイベント信号を相互に送受信しており、信号受信時には、受信イベント信号に含まれるグループ符号が自己のグループ符号に一致することを判別した時に、有効な受信イベント信号として処理している。
グループG2内も同様であり、住警器10−4〜10−6がチャンネル周波数f2を使用して自己のグループ符号G2を含むイベント信号を相互に送受信しており、イベント信号受信時には、受信イベント信号に含まれるグループ符号が自己のグループ符号に一致することを判別した時に、有効な受信イベント信号として処理している。
中継器12はグループG1の住警器10−1〜10−3からのチャンネル周波数f1のイベント信号を受信した場合、受信イベント信号に含まれるグループ符号G1が自己のグループ符号G1に一致することを判別して有効な受信イベント信号とし、連携関係にあるグループG2のチャンネル周波数f2に変換し、グループ符号G1はそのままにして中継送信するが、この場合はグループ符号もG2に変換するようにしても良い。
中継器12からチャンネル周波数f2で送信されたイベント信号は、グループG2の住警器10−4〜10−6で受信され、受信イベント信号に含まれるグループ符号G1が連携関係を示す連携グループ符号G1に一致することを判別して有効な受信信号として処理する。
また中継器12はグループG2の住警器10−4〜10−6からのチャンネル周波数f2のイベント信号を受信した場合、受信イベント信号に含まれるグループ符号G2が自己のグループ符号G1に対し連携関係にある連携グループ符号G2に一致することを判別して有効な受信イベント信号とし、連携関係にあるグループG1のチャンネル周波数f1に変換し、グループ符号G2はそのままで中継送信する。
中継器12からチャンネル周波数f1で送信されたイベント信号は、グループG1の住警器10−1〜10−3で受信され、受信イベント信号に含まれるグループ符号G2が連携関係を示す連携グループ符号G2に一致することを判別して有効な受信イベント信号として処理する。これによってグループ内及びグループ間で連動監視を行うことができる。
ここで、6台の住警器10−1〜10−6を3台ずつチャンネル周波数がf1、f2と異なる2つのグループG1,G2に分けたことで、同一チャンネル周波数の信号衝突により受信不能となる割合を低減することができる。即ち、全体システムとしては最大6台分(中継器を加えると7台分)の信号が空間を伝搬することになるが、同一チャンネルの信号は、3台分(中継器を加えても4台分)を超えることが無い。
なお、図1では中継器12はグループG1に属するが、もちろんグループG2に属するようにしても良いし、中継器のみの独立した他のグループに属するようにしても良い。
チャンネル周波数と連携グループ符号を独立して扱うのは、例えば図1のシステムに図2のグループを付加したシステムなどが考えられるからである。このシステムで、グループG3の住警器10−7、10−8はグループG2と同じチャンネル周波数CH2のイベント信号を送受信するようにしており、自己の属するグループ符号G3と、連携する他のグループのグループ符号である連携グループ符号G2が登録されている。
例えば、グループG2の住警器が火災を検出した場合には、当該住警器からグループ符号G2と異常(火災)を示すイベント符号を含むイベント信号がチャンネル周波数f2を使用して送信され、グループG3の例えば住警器10−7で受信される。住警器10−7には連携グループ符号としてG2が登録されているので、住警器10−7はこれを有効として自己の報知部から連動警報を出力する。
一方、グループG3の住警器10−7で火災が検出されたときには、住警器10−7からグループ符号G3と異常(火災)を示すイベント符号を含むイベント信号がチャンネル周波数f2を使用して送信されるが、グループG2の住警器10−4〜10−6には連携グループ符号としてG3が登録されていないので、連動処理は行われない。
すなわち、グループG3の住警器10−7、10−8はグループG2の住警器を連動元とする連動警報は行うが、自己を連動元としてグループG2の住警器10−4〜10−6を連動させることは出来ない。
このようなシステムは例えば、一方から他方へは連動させたいが、その逆は連動させたくない場合などに適用することが出来る。もちろん、それぞれのグループの住警器台数の合計が、信号衝突も問題が生じない程度に少ないことが条件となる。すなわち、合計台数が少ない場合には、中継器を介さずにグループG2とグループG3の連携を取ることが出来、若しくは中継器を省略して、例えばグループG2とグループG3のみのシステムを構築することも出来る。
なお、図2からも明らかなように、このときグループG1とグループG3は相互に連動することはないが、中継器12に連携グループ符号としてG3を追加して、適宜の送信処理を行うようにすれば、グループG3の住警器とグループG1の住警器とを連動させることが出来る。またグループG3の住警器10−7、10−8について登録されているチャンネル周波数帯をCH2から例えばCH3に変更すれば、グループG3を他のグループとの連携連動しない独立グループとすることも出来る。
このようにしてチャンネル周波数と連携グループ符号を独立して扱うことで、より多様なシステム構築・変更が可能となる。
図3は図1の警報システムに設けた住警器(住宅用火災警報器)の実施形態を示したブロック図であり、図1に示したグループG1の住警器10−1について回路構成を詳細に示している。なお、説明を分かり易くするため、グループG1の中継器12と、グループG2の住警器10−4〜10−6を併せて示している。他の住警器10−2〜10−6についても、住警器10−1と同様の構成を備える。
住警器10−1はワンチップCPUとして知られたプロセッサ18を備え、プロセッサ18に対してはアンテナ21を備えた無線通信部20、メモリ22、センサ部24、報知部26、操作部28及び電池電源30を設けている。
無線通信部20には送信回路32及び受信回路34が設けられ、プロセッサ18からの指示に基づき例えば400MHz帯の4つのチャンネル周波数(通信周波数)f1,f2,f3,f4の内の1つ、例えばチャネル周波数f1を設定し、同一グループG1に属する他の住警器10−2,10−3及び中継器12との間でイベント信号を無線により送受信できるようにしている。
無線通信部20としては、日本国内の場合には、例えば400MHz帯の特定小電力無線局の標準規格として知られたSTD−30(小電力セキュリティシステム無線局の無線設備標準規格)またはSTD−T67(特定小電力無線局テレメータ用、テレコントロール用及びデータ伝送用無線設備の標準規格)に準拠した構成を備える。
もちろん無線通信部20としては、日本国内以外の場所については、その地域の割当無線局の標準規格に準拠した内容を持つことになる。
記憶部としてのメモリ22には、イベント信号の順番を示す連続番号である連番38、住警器を特定するID(識別子)となる送信元符号40、自己の属するグループを示すグループ符号42、及び連携関係にあるグループを示す連携グループ符号45が格納されている。
連番38は警報器間の通信に於いてイベント信号の中継処理等を管理するためのものであるが、本実施形態に直接関係しないので詳細な説明を省略する。
送信元符号40としては、国内に提供される住警器の数を予測し、例えば同一符号として重複しないように26ビットの符号コードが使用される。送信元符号としては例えば、固有のシリアル番号等を使用する。なお中継器12から送信される中継信号についても、中継器のシリアル番号等を送信元符号として付加する。
グループ符号42は連動グループを構成する複数の住警器に共通に設定される符号であり、無線通信部20で受信した他の住警器からのイベント信号に含まれるグループ符号がメモリ22に登録しているグループ符号42に一致したときに、このイベント信号を有効な信号として処理することになるので、近隣の住宅等に設置された、連動を要しない警報器との混信を回避出来る。本実施形態では、住警器10−1のグループ符号42は例えばG1となる。
連携グループ符号45は、連携関係にあるグループを示し、本実施形態では、連携関係にあるグループのグループ符号としてG2が格納されている。換言すると、メモリ22には連携関係にあるグループを示すグループ符号の組(G1,G2)が予め記憶されている。
ここで、住警器10−1のグループ符号42をG1、連携グループ符号45をG2とすると、両者の連携関係を示すグループ符号の組(G1,G2)について、グループ符号G1が連携元グループ符号となり、グループ符号G2が連携先グループ符号となる。
このような連携グループ符号45は無線通信部20で受信した他の住警器からのイベント信号に含まれるグループ符号がメモリ22に登録しているグループ符号42に不一致であっても、連携グループ符号45に一致したときには、このイベント信号を有効な信号として処理する。
即ち中継器12からチャンネル周波数をf2からf1に変換して中継送信されたグループG2に属する住警器10−4〜10−6からのグループ符号G2を含むイベント信号を受信した場合、メモリ22に格納している連携グループ符号45(=G2)に一致することで、中継送信されたイベント信号を有効な信号として処理する。
センサ部24には検煙部46が設けられ、火災による煙が所定濃度に達したときに火災を検出するようにしている。検煙部46以外に、火災による温度を検出するサーミスタ等の温度検出素子や、火災に伴うその他の物理現象変化を検出する各種素子を設けてもよい。また、異なる現象を検出する複数の素子を組み合わせても良い。
報知部26には警報音を出力するスピーカ48と警報表示を行うLED50が設けられている。スピーカ48は、図示しない音声合成回路部からの音声メッセージや警報音を出力する。LED50は点灯や点滅、明滅などにより、火災などの異常を表示する。スピーカ48に代えて、ブザー等を用いても良い。
操作部28には警報停止スイッチ52と通信周波数選択指示部として機能するチャンネル周波数選択スイッチ54が設けられている。警報停止スイッチ52は、報知部26からスピーカ48により警報音を出力しているときにのみ警報停止指示を入力することが出来る。
即ち警報停止スイッチ52は住警器の機能点検を指示する点検スイッチとしての機能を兼ねている。たとえば、火災警報時に警報停止スイッチ52が操作されると警報を停止し、通常状態で警報停止スイッチ52が操作されると機能点検を開始して結果を報知する。
住警器10−1〜10−6が警報音を出している状態で、警報停止スイッチ52を操作すると、警報音の停止処理が行われるが、ここで、本実施形態の警報音の停止処理としては次のいずれかの停止処理を行う。
(1)住警器10−1〜10−6の内、連動元以外の任意の警報停止スイッチ52を操作すると、連動元のみが引き続き警報音を出力し、連動先は警報音を停止する。一方、連動元の警報停止スイッチ52を操作すると、連動元および連動先の全ての警報音を停止する。
(2)警報中の住警器10−1〜10−6の内の任意の警報停止スイッチ52を操作すると、連動先、連動元に関わらず、全ての警報音を停止する。
(3)前記(1)の停止処理を第1モード、前記(2)の停止処理を第2モードとし、いずれか一方のモードを選択して停止処理を行う。
電池電源30は、例えば所定セル数のリチウム電池やアルカリ乾電池を使用しており、電池容量としては住警器10−1における無線通信部20を含む回路部全体の低消費電力化により、例えば10年の電池寿命を保証している。
チャンネル周波数選択スイッチ54は例えばディップスイッチをプロセッサ18に接続しており、チャンネル周波数f1,f2,f3,f4のいずれかの選択状態にスイッチ操作しておくと、電源投入時にディップスイッチの状態をプロセッサ18が読み取り、読み取った状態に応じてプロセッサ18から無線通信部20にコマンドを送信して送信回路32及び受信回路34に対するチャンネル周波数の設定を行う。これに限らず、例えば定期的にディップスイッチの状態を読み取り、読み取った状態に応じてチャンネル切り替えを行うようにしたり、出荷時には初期値を設定しておいて、電源投入後切り替えられる度に割込を受け付けて変更処理するようにしても良い。
プロセッサ18にはプログラムの実行により実現される機能として、イベント検出部56、送信処理部58、受信処理部60、チャネル周波数設定部62及び警報処理部64が設けられている。
イベント検出部56は、センサ部24による異常検出、操作部28による警報停止または点検指示、センサ部24の異常検出がなくなる異常復旧等のイベントを検出する。
送信処理部58は、イベント検出部56によりセンサ部24による異常検出、操作部28による警報停止または点検指示、センサ部24の異常検出がなくなる異常復旧等、自己のイベントを検出した時に、検出イベントを示すイベント信号を、送信回路32から連動先の住警器に送信させる。
受信処理部60は、他の住警器または中継器などから受信したイベント信号を解読し、解読したイベント信号に含まれるグループ符号がメモリ22に記憶した自己のグループ符号42または連携グループ符号45、即ちグループ符号の組(G1,G2)のいずれかに一致した時に有効なイベント信号として判別する。
チャネル周波数設定部62は、送信回路32と受信回路34を操作部28のチャネル周波数選択スイッチ54の操作で指示されたチャンネル周波数たとえばf1の送受信状態に設定する。
警報処理部64は、イベント検出部56で自己の異常として火災を検出した時にスピーカ48から連動元を示す警報音を出力すると共に、LED50を駆動して連動元を示す表示を行い、更に、火災を示すイベント信号を他の住警器に送信する。
具体的に説明すると、警報処理部64は、イベント検出部56でセンサ部24に設けた検煙部46からの煙検出信号に基づいて火災を検出したときに、報知部26のスピーカ48から連動元を示す警報音例えば「ウーウー 火事です 火事です」を繰り返し出力させると共に、LED50をたとえば点灯して連動元を示す警報表示を行い、更に、火災を示すイベント信号を無線通信部20の送信回路32によりチャンネル周波数f1を使用してアンテナ21から他の住警器及び中継器12に向けて送信させる。
また警報処理部64は、他の住警器からの火災を示すイベント信号を無線通信部20の受信回路34により受信し、受信処理部60で有効となったときに、報知部26のスピーカ48から連動先を示す警報音例えば「ウーウー 別の火災警報器が作動しました 確認してください」となる警報音を繰り返し出力させ、同時にLED50をたとえば点滅して連動先を示す警報表示を行う。
また、警報処理部64は、火災警報の出力中に操作部28に設けた警報停止スイッチ52の警報停止操作を検出した場合、スピーカ48からの警報音を停止すると共にLED50の表示を停止させる。この場合、LED50による表示については所定時間継続させても良い。
図3は本実施形態で使用するイベント信号のフォーマットを示した説明図である。図3において、イベント信号36は連番38、送信元符号40、グループ符号42及びイベント符号44で構成されている。
連番38はイベント信号の順番を示す連続番号であり、イベント信号を送信する毎に1つずつ増加させる。連番38は警報器間の通信に於いてイベント信号の中継処理等を管理するためのものであるが、本発明に直接関係しないので詳細な説明を省略する。
送信元符号40は例えば26ビットの符号である。グループ符号42は例えば8ビットの符号であり、同一グループを構成する例えば図1の住警器10−1〜10−3及び中継器12にグループ符号G1が設定され、住警器10−4〜10−6にグループ符号G2が設定されている。また図1の警報システムにあっては、中継器12で連携元のチャンネル周波数で受信したイベント信号を連携先のチャンネル周波数に変換して中継送信する時、グループ符号42はそのままにして送信される。
なおグループ符号42としては、同一グループの住警器に同一のグループ符号を設定する以外に、予め定めたグループを構成する住警器に共通な基準符号と、各住警器に固有な送信元符号との演算から求めた住警器ごとに異なるグループ符号であってもよい。
イベント符号44は、火災、ガス漏れなどのイベント内容を表す符号であり、本実施形態にあっては3ビット符号を使用しており、例えば「001」で火災、「010」でガス漏れ、「011」で復旧、「100」で警報停止、「101」で復旧、「110」で点検、残りをリザーブとしている。なおイベント符号44のビット数は、イベントの種類が増加したときには更に4ビット、5ビットと増加させることで、更に多くのイベント内容を表すことができる。
図5は図3の実施形態における住警器の基本的な処理を示したフローチャートである。図5において、住警器10−1の電池電源30から電源供給が開始されると、ステップS1で初期化及び自己診断を実行し、異常がなければステップS2に進み、操作部28に設けたチャンネル周波数選択スイッチ54の設定状態に基づき無線通信部20に設けた送信回路32と受信回路34に、選択したチャンネル周波数たとえばf1を設定する。
続いてステップS3に進んでイベント検出部56によるイベント検出の有無をチェックし、イベント検出を判別するとステップS4に進み、検出イベントに対応した処理を実行する。
続いてステップS5で他の住警器からのイベント信号の受信の有無をチェックしており、イベント信号受信を判別するとステップS6に進み、受信イベントに対応した処理を実行する。
図6は、図5のステップS4における検出イベント対応処理の詳細を示したフローチャートであり、プロセッサ18のプログラムの実行による処理となる。
図6において、検出イベント対応処理は、ステップS11で火災を監視しており、センサ部24から出力された煙検出信号が所定の火災レベルを超えると火災を判別してステップS12に進み、ステップS12でスピーカ48からの警報音とLED50の点灯による表示とにより連動元を示す火災警報を出力する。続いてステップS13に進み、連番、送信元符号、グループ符号、火災を示すイベント符号を含むイベント信号を他の住警器および中継器に無線で送信する。
続いて、ステップS14でセンサ部24からの煙検出信号が低下して火災が解消する火災復旧の有無を判別しており、火災復旧を判別するとステップS15に進み、連番、送信元符号、グループ符号、火災復旧を示すイベント符号を含むイベント信号を他の住警器および中継器に無線により送信した後、ステップS16で連動元を示す火災警報を停止する。
続いてステップS17で警報停止スイッチ52の操作の有無を判別し、スイッチ操作が判別されるとステップS18で警報中の有無を判別する。ステップS18で警報中が判別されると、ステップS19に進んで連番、送信元符号、グループ符号、警報停止を示すイベント符号を含むイベント信号を他の住警器及び中継器に無線により送信した後に、ステップS20で火災警報を停止する。
一方、ステップS18で警報中でなかった場合には、通常の監視状態であることから、ステップS21に進んで連番、送信元符号、グループ符号、点検を示すイベント符号を含むイベント信号を他の住警器及び中継器に無線により送信した後、ステップS22で所定の点検処理を行い、点検結果を示す点検メッセージを出力する。
図7は図5のステップS6における受信イベント対応処理の詳細を示したフローチャートであり、プロセッサ18のプログラムの実行による処理となる。
図7において、ステップS31で他の住警器からの火災を示す有効なイベント信号受信の有無を判別している。ここで有効なイベント信号受信とは、受信したイベント信号に含まれるグループ符号が連携元となる自己のグループ符号または連携先となる連携グループ符号に一致することを意味する。
ステップS31で他の住警器からの火災を示す有効なイベント信号受信を判別すると、ステップS32に進んで連動先を示す火災警報としてスピーカ48からの警報音とLED50の点滅による表示(発報表示)を行う。
続いて、ステップS33で火災復旧を示す有効なイベント信号受信の有無を判別しており、火災復旧を示す有効なイベント信号の受信を判別するとステップS34で火災警報を停止する。
続いてステップS35で警報停止を示す有効なイベント信号受信の有無を判別し、警報停止を示す有効なイベント信号受信を判別するとステップS36で警報中の有無を判別する。ステップS36で警報中が判別されると、ステップS37に進んで火災警報を停止する。
続いてステップS38で点検を示す有効なイベント信号受信の有無を判別し、点検を示す有効なイベント信号受信を判別するとステップS39で警報停止中の有無を判別する。ステップS39で警報停止中が判別されると、ステップS39に進んで所定の点検処理を行って結果を示す点検メッセージを報知部26のスピーカ48から出力する。
図8は図1の警報システムに設けた中継器12の実施形態を示したブロック図である。図8において、中継器12はワンチップCPUとして知られたプロセッサ118を備え、プロセッサ118に対してはアンテナ121を備えた無線通信部120、メモリ122、操作部128及び電池電源130を設けている。
ここでプロセッサ118、無線通信部120、メモリ122、操作部128及び電池電源130の構成及びプロセッサ118の送信処理部158、受信処理部160及びチャンネル周波数設定部162は、図2に示した住警器10−1の無線通信部20、メモリ22、操作部28及び電池電源30の構成及びプロセッサ18の送信処理部58、受信処理部60及びチャンネル周波数設定部62と基本的に同じであるが、無線通信部120にチャンネル周波数f1が設定される第1チャンネル送信回路132−1と第1チャンネル受信回路134−1、チャンネル周波数f2が設定される第2チャンネル送信回路132−2と第2チャンネル受信回路134−2を設け、操作部128に周波数選択指示部として機能する第1チャンネル周波数選択スイッチ154−1と第2チャンネル周波数選択スイッチ154−2を設け、更にプロセッサ118に中継処理部166を設けた点で相違する。なお、チャンネル周波数f3、f4の送受信回路およびチャンネル周波数選択スイッチは、図示を省略する。
操作部128の第1チャンネル周波数選択スイッチ154−1と第2チャンネル周波数選択スイッチ154−2は例えばディップスイッチであり、400MHz帯の4つのチャンネル周波数f1,f2,f3,f4のいずれかを選択することができ、図1の警報システムを対象とした場合は、第1チャンネル周波数選択スイッチ(ビット)154−1でグループG1のチャンネル周波数f1を選択し、第2チャンネル周波数選択スイッチ154−2でグループG2のチャンネル周波数f2を選択している。チャンネル周波数f3、f4の選択スイッチは図示を省略する。
第1チャンネル周波数選択スイッチ154−1と第2チャンネル周波数選択スイッチ154−2のチャンネル選択状態はプロセッサ118により読み込まれ、チャンネル周波数設定部162が無線通信部20の第1チャンネル送信回路132−1と第1チャンネル受信回路134−1にグループG1のチャンネル周波数f1を設定し、また、第2チャンネル送信回路132−2と第2チャンネル受信回路134−2にグループG2のチャンネル周波数f2を設定する。
プロセッサ118に設けた中継処理部166は、無線通信部120で受信されたチャンネル周波数f1又はf2のイベント信号に含まれるグループ符号が、メモリ122に格納した連携元となる自己のグループ符号42または連携グループ符号45、即ち連携関係にあるグループ符号の組(G1,G2)のいずれかに一致した時に連携元を示す有効なイベント信号と判定し、連携先のグループに設定したチャンネル周波数を使用して受信した信号を中継送信する。
更に詳細に説明すると、中継処理部166は、第1チャンネル受信回路134−1によるチャンネル周波数f1によるイベント信号受信からグループ符号G1を判別すると、連携元をグループG1とする住警器10−1〜10−3のいずかかからのイベント信号と判別し、連携先となるグループG2を認識し、グループG2に設定されているチャンネル周波数f2の第2チャンネル送信回路132−2を選択し、チャンネル周波数f2によりグループG2の住警器10−4〜10−6にイベント信号を中継送信する。
また中継処理部166は、第2チャンネル受信回路134−2によるチャンネル周波数f2によるイベント信号受信からグループ符号G2を判別すると、連携元をグループG2とする住警器10−4〜10−6のいずれかからのイベント信号と判別し、連携先となるグループG1を認識し、グループG1に設定されているチャンネル周波数f1の第1チャンネル送信回路132−1を選択し、チャンネル周波数f1によりグループG1の住警器10−1〜10−3にイベント信号を中継送信する。
このような中継器12の中継動作により、グループG1とチャンネル周波数f1を設定した住警器10−1〜10−3と、グループG2とチャンネル周波数f2を設定した住警器10−4〜10−6との間で、相互に信号衝突を低減できる通信環境を構築しながらイベント信号を送受信して火災を連動警報することができる。
図9は図8の中継器12における中継処理を示したフローチャートである。ここでは、チャンネル周波数f1とf2の2チャンネルを使用する場合について説明する。図9において、例えば電池電源130からの電源供給により中継器12の動作を開始すると、ステップS51で初期化処理及び自己診断を行った後、異常がなければステップS52に進み、操作部28に設けた第1チャンネル周波数選択スイッチ154−1と第2チャンネル周波数選択スイッチ154−2の状態に基づき、無線通信部120に設けた第1チャンネル送信回路132−1と第1チャンネル受信回路134−1にたとえばチャンネル周波数f1を設定し、また、第2チャンネル送信回路132−2と第2チャンネル受信回路134−2にたとえばチャンネル周波数f2を設定する。即ち、周波数f1と周波数f2での送受信を可能若しくは有効とする。
続いてステップS53で有効なイベント信号受信の有無を判別している。ここで有効なイベント信号受信とは、図3の住警器の場合と同様、受信したイベント信号に含まれるイベント符号が連携元となる自己のグループ符号または連携先となる連携グループ符号に一致することを意味する。
ステップS53で有効なイベント信号の受信を判別するとステップS54、S55に進んでイベント信号を解読し、イベント信号に含まれる連携元のグループ符号に基づき連携先のグループ符号がグループG2か否か判別する。即ち、イベント信号に含まれるグループ符号がグループG1であることを確認し、その連携先はグループG2であることを特定判別する。
ステップS55で連携先がグループG2であることを判別するとステップS56に進み、受信したイベント信号と同じイベント内容をもつ中継器12を送信元とするイベント信号を生成し、第2チャンネル周波数f2を使用して、即ち無線通信部20の第2チャンネル送信回路32−2を使用してイベント信号を中継送信する。このとき、中継送信されたイベント信号中のグループ符号も、中継前に連携元から受信したイベント信号に含まれているグループ符号、即ちグループG1を示すものとする。
一方、ステップS55で連携先がグループG2でない場合にはステップS57に進んで連携先がグループG1か否か判別し、連携先がG1であることを判別するとステップS58に進み、受信したイベント信号と同じイベント内容をもつ中継器12を送信元とするイベント信号を生成し、第1チャンネル周波数f1を使用して、即ち無線通信部20の第1チャンネル送信回路132−1を使用してイベント信号を中継送信する。このとき、中継送信されたイベント信号中のグループ符号も、中継前に連携元から受信したイベント信号に含まれているグループ符号、即ちグループG2を示すものとする。
図10は、本発明による警報システムの第2実施形態を、2グループ構成を例にとって示した説明図である。第2実施形態にあっては、中継器で受信したイベント信号のグループ符号を連携先のグループ符号に変換して中継送信することで、異なるグループ間で警報を連動させるようにしたことを特徴とする。
図10において、住宅などの監視エリアには、例えば6台の住警器10−1〜10−6がグループG1とグループG2に分けて配置され、一方のグループ、例えばグループG1の中に中継器12が配置されている。
グループG1は3台の住警器10−1〜10−3と中継器12で構成され、400MHz帯の4つのチャンネル周波数(通信周波数)f1,f2,f3,f4の内の1つ、例えばチャンネル周波数f1を設定している。
グループG2は3台の住警器10−4〜10−6で構成され、400MHz帯の4つのチャンネル周波数(通信周波数)f1,f2,f3,f4の内の1つ、例えばチャンネル周波数f2を設定している。
グループG1の住警器10−1〜10−3には、自己のグループ符号G1のみが登録され、図1のシステムの連携グループ符号の登録はない。またグループG2の住警器10−4〜10−6には、自己のグループ符号G2のみが登録されている。
中継器12にはグループG1のチャンネル周波数f1と、グループG2のチャンネル周波数f2の両方が設定され、チャンネル周波数f1で受信した信号をチャンネル周波数f2の信号に変換して中継送信し、また、チャンネル周波数f2で受信した信号をチャンネル周波数f1の信号に変換して中継送信する。
また中継器12はグループG1に属することから、住警器10−1〜10−3と同様に、自己のグループ符号G1と、連携関係にあるグループG2を示す連携グループ符号G2の組が登録されている。
中継器12はグループG1の住警器10−1〜10−3からのチャンネル周波数f1のイベント信号を受信した場合、受信イベント信号に含まれるグループ符号G1が自己のグループ符号G1に一致することを判別して有効な受信信号とし、グループ符号G1を連携先のグループ符号G2に変換したイベント信号を生成し、連携先のグループG2のチャンネル周波数f2を使用して中継送信する。
また中継器12はグループG2の住警器10−4〜10−6からのチャンネル周波数f2のイベント信号を受信した場合には、受信イベント信号に含まれるグループ符号G2が連携グループ符号G2に一致することを判別して有効な受信信号とし、グループ符号G2を連携先のグループ符号G1に変換したイベント信号を生成し、連携先のグループG1のチャンネル周波数f1を使用して中継送信する。
このように中継器12で受信したイベント信号に含まれる連携元のグループ符号を連携先のグループ符号に変換して中継送信することで、グループG1,G2の住警器10−1〜10−6には、自己のグループ符号を登録するだけで良く、連携グループ符号を登録しない分、図1の第1実施形態に比べ処理が簡単になる。
図10の第2実施形態に設けた住警器10−1〜10−6の構成は基本的に図3と同じになるが、記憶部22に連携グループ符号45を格納する必要がなく、またプロセッサ18の受信処理部60は受信したイベント信号のグループ符号を自己のグループ符号42を比較して一致すれば有効とし、連携グループ符号との比較は不要である。
また中継器12についても、基本的に図7と同じになるが、中継処理部66が、受信したイベント信号のグループ符号を連携先のグループ符号に変換する点で相違している。
図11は図10の中継器12における中継処理を示したフローチャートである。ここでは、チャンネル周波数f1とf2の2チャンネルを使用する場合について説明する。図11において、電池電源130からの電源供給により中継器12の動作を開始すると、ステップS61で初期化処理及び自己診断を行った後、異常がなければステップS62に進み、操作部28に設けた第1チャンネル周波数選択スイッチ154−1と第2チャンネル周波数選択スイッチ154−2の状態に基づき、無線通信部120に設けた第1チャンネル送信回路132−1と第1チャンネル受信回路134−1にたとえばチャンネル周波数f1を設定し、また、第2チャンネル送信回路132−2と第2チャンネル受信回路134−2にたとえばチャンネル周波数f2を設定する。即ち、周波数f1と周波数f2での送受信を可能若しくは有効とする。
続いてステップS63で有効なイベント信号受信の有無を判別している。ここで有効なイベント信号受信とは、図8の中継器の場合と同様、受信したイベント信号に含まれるイベント符号が連携元となる自己のグループ符号または連携先となる連携グループ符号に一致することを意味する。
ステップS63で有効なイベント信号の受信を判別するとステップS64に進んでイベント信号を解読し、ステップS65でイベント信号に含まれる連携元のグループ符号に基づき連携先のグループ符号がグループG2か否か判別する。
ステップS65で連携先がグループG2であることを判別するとステップS66に進み、受信したイベント信号と同じイベント内容をもつが、グループ符号をG1からG2に変換した中継器12を送信元とするイベント信号を生成し、ステップS67で第2チャンネル周波数f2を使用して、即ち無線通信部20の第2チャンネル送信回路32−2を使用してイベント信号を中継送信する。
一方、ステップS65で連携先がグループG2でない場合にはステップS68に進んで連携先がグループG1か否か判別し、連携先がG1であることを判別するとステップS69に進み、受信したイベント信号と同じイベント内容をもつが、グループ符号をG1からG2に変換した中継器12を送信元とするイベント信号を生成し、ステップS70で第1チャンネル周波数f1を使用して、即ち無線通信部120の第1チャンネル送信回路132−1を使用してイベント信号を中継送信する。
なお、図10の実施形態では中継器12でグループ符号を連携先のグループ符号に変換して中継送信しているが、他の実施形態として、中継器12でグループ符号を変換せず、図4に示すイベント信号36の中に、更に連携先を示す連携グループ符号を加えたイベント信号を送信し、中継器12でチャンネル周波数を変換してイベント信号をそのまま中継送信し、住警器でのイベント信号の受信時に、イベント信号に含まれているイベント符号または連携イベント符号のいずれかが自己の登録しているイベント符号に一致したら有効な信号として処理するようにしても良い。
また、上記の実施形態は、同じチャンネル周波数を使用するグループを構成する住警器の数を3台として信号衝突を低減するようにしているが、チャンネル数、1グループあたりの警報器台数を更に増やせば、全体の連動台数も増やすことが出来る。しかしこの場合は、本発明の目的を損なわない範囲で調整することになる。
また、1つのチャンネルグループを構成する住警器の数が1台となることを妨げない。
また、上記の実施形態は親機/子機の区別無くそれぞれの警報器が相互に通信するものであるが、各チャンネルグループに親機と子機を設け、中継器は各チャンネルグループの親機との間で通信するようにしても良い。
そして、親機と子機で構成するチャンネルグループと、親機と子機の別のないチャンネルグループとの間で、中継器を介して通信するようにしても良い。その際、少なくとも何れかの親機に本発明の中継器の機能を付加するようにしても良い。
また、上記実施形態に於いては、一台の中継器を用いて各チャンネルグループ間の信号中継を行うようにしているが、複数台の中継器を用いるようにしても良い。この際、それぞれの中継器はチャンネルグループで使用しているチャンネル周波数の必ずしも全てをカバーする必要は無く、複数台の中継器がトータルで全てのチャンネルグループのチャンネル周波数をカバーできれば良い。
たとえば、チャンネル周波数f1のみを受信してf3のみを使用して送信する、チャンネル周波数f1のみを受信してf2、f3を使用して送信する、チャンネル周波数f1、f2を受信してf3のみを使用して送信する、チャンネル周波数f1、f2、を受信してf3、f4を使用して送信する等、適宜の組み合わせた中継器を複数台用いることで、全体をカバーすることが出来る。もちろん、複数台の中継器が全てのチャンネル周波数を受信し、受信周波数と異なるチャンネル周波数を使用して送信するようにしても良い。
また、中継器は各チャンネルグループから受信したイベント信号が示すイベント内容に応じて、中継するか否かを判断するようにしても良く、このようにすれば、チャンネルグループ間の連動を必要とするイベントと必要としないイベントを区別して処理するようにしても良い。たとえば火災等の異常イベントは中継し、電池電圧低下等の不急の障害イベントは中継しないようにする等、システム全体の連動制御を目的や用途、運用環境等に合わせて適切に整理することができる。
また上記の実施形態は火災を検出して警報する住警器を例にとるものであったが、ガス漏れ警報器、CO警報器、各種の防犯用警報器を配置した警報システムやそれら警報器を複合的に含むシステムについても同様に適用できる。
また上記の実施形態におけるフローチャートは処理の概略例を説明したもので、処理の順番等はこれに限定されない。また各処理や処理と処理の間に必要に応じて遅延時間を設けたり、他の判定を挿入する等が出来る。
また、上記の実施形態は住宅用に限らずビルやオフィス用など各種用途の警報器にも適用できる。
また、上記の実施形態は警報器にセンサ部と警報出力処理部を一体に設けた場合を例にとるが、他の実施形態として、センサ部と警報出力処理部を別体とした警報器であっても良い。
また本発明は上記の実施形態に限定されず、その目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。