JP2013168011A - ペルチェ素子の制御装置 - Google Patents

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宏昌 吉澤
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Abstract

【課題】ペルチェ素子の劣化後も効率良くペルチェ素子を使用する。
【解決手段】温度制御装置11は、ペルチェ素子12の吸熱量Qc及び放熱量Qhの少なくとも一方を算出する熱量算出手段(CPU16)と、ペルチェ素子の熱伝達率K及び抵抗Rを演算する演算手段(CPU16)と、ペルチェ素子に供給する電流量を制御するペルチェ素子駆動部14とを備える。Qc=−I×R/2+S×Tc×I−K(Th−Tc)、Qh=I×R/2+S×Th×I−K(Th−Tc)、但し、I:電流、R:ペルチェ素子の抵抗、S:ゼーベック係数、Tc:ペルチェ素子の吸熱側温度、Th:ペルチェ素子の放熱側温度、K:ペルチェ素子の熱伝達率である。熱量算出手段は、演算手段により演算された熱伝達率K及び抵抗Rを用いて吸熱量Qc及び放熱量Qhの少なくとも一方を算出し、算出された吸熱量Qc又は放熱量Qhに基づいてペルチェ素子の効率が最大となる電流量を算出可能である。
【選択図】図1

Description

本発明は、ペルチェ素子の制御装置に係り、詳しくはペルチェ素子の劣化を考慮したペルチェ素子の制御装置に関する。
温度制御装置として種々のものが使用されているが、装置の体積が小さく、騒音、振動が発生しない等の利点を有するものとして、ペルチェ素子を用いた温度制御装置がある。ペルチェ素子の温度制御方式として、温度算出部と、温度算出部により算出した温度によりペルチェ素子に供給する電流又は電圧を制御して供給する電源部を設け、ペルチェ素子の被温度制御側となる他方の接合部の温度を制御するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。温度算出部は、ペルチェ素子の被温度制御側の接合部と反対側となる一方の接合部の温度を検出する温度センサと、ペルチェ素子に加わる電圧を検出する電圧センサと、ペルチェ素子に流れる電流を検出する電流センサとが検出したそれらの値及び物理定数から、被温度制御側となる他方の接合部の温度を算出する。
特開2000−305632号公報
ペルチェ素子の効率(COP)は、ペルチェ素子の劣化に伴って変化し、ペルチェ素子の効率(COP)と電流との関係を、劣化前と劣化後について例示すると、図4に示すように変化する。なお、ペルチェ素子の効率(COP)は次式で表わされる。
COP=Q(W)/P(W)
但し、Q:ペルチェ素子が移動させた熱量(ペルチェ効果で移動した熱量)、P:ペルチェ素子に供給した電力(投入エネルギー)
ペルチェ素子を効率良く使用するためにはCOP最大となる電流値で使用する必要がある。ところが、従来は、ペルチェ素子の劣化を考慮せずに、ペルチェ素子に対する供給電流量を設定していた。そのため、ペルチェ素子の劣化前に、図4に実線で示すCOP曲線に基づいてCOP最大となる電流値を設定し、その電流値に相当する電流量をペルチェ素子に供給するように制御を継続する。しかし、ペルチェ素子の劣化後は、COP曲線は図4に二点鎖線で示すように変化するため、同じ電流量を供給してもその電流量はCOP最大となる電流量ではなく、効率良くペルチェ素子を駆動することはできない。
本発明は、前記の問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、ペルチェ素子の劣化後も効率良くペルチェ素子を使用することができるペルチェ素子の制御装置を提供することにある。
前記の目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、ペルチェ素子を用いて温度制御を行う温度制御装置のペルチェ素子の制御装置であって、次式に基づいて前記ペルチェ素子の吸熱量Qc及び放熱量Qhの少なくとも一方を算出する熱量算出手段を備える。
Qc=−I×R/2+S×Tc ×I−K(Th −Tc )
Qh=I×R/2+S×Th ×I−K(Th −Tc )
但し、I:電流、R:ペルチェ素子の抵抗、S:ゼーベック係数、Tc :ペルチェ素子の吸熱側温度、Th :ペルチェ素子の放熱側温度、K:ペルチェ素子の熱伝達率
また、前記ペルチェ素子の熱伝達率K及び前記ペルチェ素子の抵抗Rを演算する演算手段と、前記ペルチェ素子に供給する電流量を制御するペルチェ素子駆動部とを備え、前記熱量算出手段は、前記演算手段により演算された前記ペルチェ素子の熱伝達率K及び前記ペルチェ素子の抵抗Rを用いて前記吸熱量Qc及び前記放熱量Qhの少なくとも一方を算出し、該算出された前記吸熱量Qc又は前記放熱量Qhに基づいて前記ペルチェ素子の効率が最大となる電流量を算出可能である。
この発明では、ペルチェ素子を冷却用に使用する場合は、熱量算出手段は演算手段により演算されたペルチェ素子の熱伝達率K及びペルチェ素子の抵抗Rを用いてペルチェ素子の吸熱量Qcを算出する。また、ペルチェ素子を加熱用に使用する場合は、熱量算出手段は演算手段により演算されたペルチェ素子の熱伝達率K及びペルチェ素子の抵抗Rを用いてペルチェ素子の放熱量Qhを算出する。ペルチェ素子の劣化に伴って変化するペルチェ素子の熱伝達率K及び抵抗Rは、吸熱量Qcあるいは放熱量Qhを算出する毎に演算されるため、ペルチェ素子の劣化に伴ってペルチェ素子の熱伝達率K及び抵抗Rの値が変化しても、正しい吸熱量Qcあるいは放熱量Qhが算出される。したがって、ペルチェ素子の劣化後も効率良くペルチェ素子を使用することができる。そして、ペルチェ素子駆動部が、吸熱量Qcあるいは放熱量Qhに基づいてペルチェ素子の効率が最大となるようにペルチェ素子に供給する電流量を制御すれば、ペルチェ素子の劣化に拘わらず最大効率でペルチェ素子を駆動することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記演算手段は、前記ペルチェ素子の熱伝達率Kと前記ペルチェ素子の抵抗Rとの関係を示すマップを備えており、前記ペルチェ素子の熱伝達率K及び前記ペルチェ素子の抵抗Rの一方をその都度、センサの実測値に基づいて演算し、他方を前記マップから演算する。この発明では、ペルチェ素子の熱伝達率K及び抵抗Rの両方をその都度、センサの実測値に基づいて演算する構成に比べて、センサの数を減らすことができ、製造コストや装置の体格を減少させることができる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記演算手段は、前記ペルチェ素子の抵抗Rをその都度、電圧センサ及び電流センサの実測値に基づいて演算し、前記ペルチェ素子の熱伝達率Kを前記マップから演算する。
ペルチェ素子の制御を行う場合、電圧センサ及び電流センサの少なくとも一方は必要なため、ペルチェ素子を用いて温度制御を行う温度制御装置には電圧センサ及び電流センサの少なくとも一方が装備されており、電圧センサ及び電流センサの両方を装備したものも多い。したがって、この発明では、新たに電圧センサ及び電流センサの両方を設けなくても、吸熱量Qcあるいは放熱量Qhに基づいてペルチェ素子の効率が最大となる電流量を算出することができる。
本発明によれば、ペルチェ素子の劣化後も効率良くペルチェ素子を使用することができるペルチェ素子の制御装置を提供することができる。
第1の実施形態の構成を示すブロック図。 ペルチェ素子の熱伝達率Kとペルチェ素子の抵抗Rとの関係を示すマップ。 制御装置の処理を示すフローチャート。 ペルチェ素子の劣化に伴う効率と電流との関係を示すグラフ。 第2の実施形態の制御装置の処理を示すフローチャート。
(第1の実施形態)
以下、本発明を電池の温度制御を行う温度制御装置に具体化した第1の実施形態を図1〜図4にしたがって説明する。
図1に示すように、温度制御対象となる電池としての電池モジュール10の温度を制御する温度制御装置11は、ペルチェ素子12、電源部13、ペルチェ素子駆動部14及び制御装置15を備えている。電池モジュール10はケース内に複数の電池(図示せず)が収容されている。ペルチェ素子12は、通電の極性に応じて放熱と吸熱の相反する作用を行う第1面12a及び第2面12bを有するとともに、第1面12aが電池モジュール10の壁面に接合されている。また、ペルチェ素子12は、第2面12bが二点鎖線で示す流体ダクトに接合されている。
ペルチェ素子12はペルチェ素子駆動部14を介して電源部13に接続されている。ペルチェ素子駆動部14は、制御装置15からの指令に基づいてペルチェ素子12に供給する電流量を制御する。また、ペルチェ素子駆動部14は、図示しない切換えスイッチを備え、切換えスイッチの切り換えにより、電池モジュール10の冷却時には第1面12aが吸熱側となるように、電池モジュール10の加熱時には第1面12aが放熱側となるようにペルチェ素子12に対する通電方向を変更して、電源部13から直流を供給する。
制御装置15は、CPU16及び記憶装置(メモリ)17を備えている。記憶装置17には、制御装置15がペルチェ素子12の吸熱量Qc及び放熱量Qhの少なくとも一方を算出し、算出された吸熱量Qc又は放熱量Qhに基づいてペルチェ素子12の効率が最大となる電流量を算出する熱量算出手段として機能するためのプログラムと、ペルチェ素子12の熱伝達率K及びペルチェ素子12の抵抗Rを演算する演算手段として機能するためのプログラムと、制御装置15がペルチェ素子12を制御するためのプログラムとが記憶されている。
また、記憶装置17には、ペルチェ素子12の熱伝達率Kと抵抗Rとの関係を示すマップが記憶されている。マップとして、例えば、図2に示すように、対応するペルチェ素子12の抵抗Rと熱伝達率Kとが一対一で表されたものが記憶されている。なお、ペルチェ素子12の熱伝達率K及び抵抗Rとの関係は、ヴィーデマン=フランツ則からK=L×{(Th +Tc )/2}×Lp/(R×A)で表わされる。但し、L:ローレンツ数、Tc :ペルチェ素子の吸熱側温度、Th :ペルチェ素子の放熱側温度、Lp:ペルチェ素子12の長さ、A:ペルチェ素子12の断面積である。したがって、予めペルチェ素子12について劣化試験を行い、熱伝達率Kと抵抗Rとの関係を示すマップを得ることができる。即ち、制御装置15は、熱量算出手段及び演算手段として機能する。
制御装置15は、次式に基づいてペルチェ素子12の吸熱量Qc及び放熱量Qhを算出する。
Qc=−I×R/2+S×Tc ×I−K(Th −Tc )・・・(1)
Qh=I×R/2+S×Th ×I−K(Th −Tc )・・・(2)
但し、I:電流、R:ペルチェ素子の抵抗、S:ゼーベック係数、Tc :ペルチェ素子の吸熱側温度、Th :ペルチェ素子の放熱側温度、K:ペルチェ素子の熱伝達率である。
第1面12aの近傍には温度センサ18aが、第2面12bの近傍には温度センサ18bがそれぞれ設けられ、制御装置15には両温度センサ18a,18bの検出信号が入力される。また、ペルチェ素子12とペルチェ素子駆動部14とを接続する配線にはペルチェ素子12に印加される電圧を検出する電圧センサ19と、ペルチェ素子12に供給される電流量を検出する電流センサ20とが設けられ、制御装置15には電圧センサ19及び電流センサ20の検出信号が入力される。
次に前記のように構成された温度制御装置11の作用を説明する。
温度制御装置11は、例えば、車両に搭載されたバッテリとしての電池モジュール10の温度制御に使用される。電池モジュール10が使用される場合、急速充電時や急速放電時に電池の発熱が大きくなる。そのため、寒冷地や冬季の低温時等のように環境温度が電池の駆動に支障を来すほど低い場合を除き、切換えスイッチはペルチェ素子12に第1面12aが吸熱側となるように電源部13から電力が供給される状態に接続された状態に切り換えられる。また、電池モジュール10内の熱媒体の温度が電池の駆動に支障を来すほど低く、電池の加熱を必要とする場合は、切換えスイッチはペルチェ素子12の第1面12aが放熱側(発熱側)となるように電源部13から電力が供給される状態に切り換えられる。
第1面12aが吸熱状態になると電池モジュール10の壁面が冷却されて、電池モジュール10内に収容されている電池が冷却される。また、第1面12aが放熱状態になると電池モジュール10の壁面が加熱されて、電池モジュール10内に収容されている電池が加熱される。第1面12aが吸熱状態のときに第2面12bは放熱状態になって温度が上がるが、第2面12bはダクトを流れる流体によって冷却されて第2面12bの放熱を促進されることにより第1面12aでの吸熱が効率良く行われる。また、第1面12aが放熱状態のときに第2面12bは吸熱状態になって温度が下がるが、第2面12bはダクトを流れる流体によって温度の低下が抑制されて第2面12bの吸熱が促進されることにより第1面12aでの放熱が効率良く行われる。そのため、ペルチェ素子12は電池モジュール10を冷却する場合でも、電池モジュール10を加熱する場合でも支障なく冷却あるいは加熱が行われ、電池モジュール10内の電池の温度が放電や充電に適した温度に調整される。
制御装置15は、ペルチェ素子12の効率(COP)が最大となる電流量をペルチェ素子12に供給するようにペルチェ素子駆動部14を制御するが、その電流量を演算するには、ペルチェ素子12の吸熱量Qc及び放熱量Qhを(1)の式あるいは(2)の式により算出する必要がある。しかし、吸熱量Qc及び放熱量Qhの演算に使用する式にはペルチェ素子12の熱伝達率K及び抵抗Rが含まれており、熱伝達率K及び抵抗Rはペルチェ素子12の劣化に伴って変化する。そのため、従来技術のようにペルチェ素子12の劣化を考慮せずに、熱伝達率K及び抵抗Rの値としてそれぞれ一定の値を使用した場合は、常に図4のグラフにおいて実線で示す曲線におけるCOPの最大値に対応する電流値となるようにペルチェ素子12に電流を供給するように制御する。その結果、ペルチェ素子12が劣化した状態では、その電流量は図4に鎖線で示す曲線におけるCOPの最大値に対応する電流値とは異なる値となり、ペルチェ素子12は効率良く冷却あるいは加熱を行うことができない。
この実施形態では、制御装置15は、図3に示すフローチャートにしたがってペルチェ素子12に供給する電流量を演算して、その電流量をペルチェ素子12に供給するようにペルチェ素子駆動部14を制御する。詳述すると、先ずステップS1で、電圧センサ19、電流センサ20及び両温度センサ18a,18bの検出信号を入力する。次に、ステップS2でそのときの電圧Enと、電流InからRn=En/Inの式により抵抗Rnを演算する。次にステップS3で図2のマップを使用して抵抗Rnに対応した熱伝達率Knを演算する。次にステップS4で(1)あるいは(2)の式を用いて、電池モジュール10を冷却する場合は吸熱量Qcを算出し、電池モジュール10を加熱する場合は放熱量Qhを演算する。即ち、ペルチェ素子12の劣化により変化した抵抗Rの項と熱伝達率Kの項を修正して吸熱量Qcあるいは放熱量Qhを再計算する。次に、算出された吸熱量Qc又は放熱量Qhに基づいてステップS5でCOPが最大となる電流量を演算し、ステップS6でCOPが最大となる電流量でペルチェ素子12を駆動する指令信号をペルチェ素子駆動部14に送る。その結果、ペルチェ素子12が劣化しているか否かに拘らず、ペルチェ素子12はCOPが最大となる状態で駆動される。
熱伝達率K及び抵抗Rの両方を温度センサ18a,18b、電圧センサ19及び電流センサ20の検出データから演算してもよい。しかし、この実施形態では、ペルチェ素子12の劣化時にはペルチェ素子12の抵抗Rと熱伝達率Kとが相関を持って変化し、個体差も大きくないことを利用して、抵抗R及び熱伝達率Kの一方を制御時点の検出データから演算し、他方は予め実験で求めたマップを利用して演算する。具体的には、例えば、ペルチェ素子12の抵抗Rnを電圧センサ19で検出された電圧Enと、電流センサ20で検出された電流InからRn=En/Inの式で演算する。そして、その抵抗Rnの値を使用して、図2のマップから熱伝達率Knを演算する。
ペルチェ素子12の劣化はそれほど急激に進むものではないため、前回のペルチェ素子12の制御時点から所定時間内であれば制御のたびに熱伝達率K及び抵抗Rを演算する必要はない。しかし、前回のペルチェ素子12の制御時点から所定時間内でない場合は、ペルチェ素子12の熱伝達率K及び抵抗Rを演算して、ペルチェ素子12の劣化後の熱伝達率K及び抵抗Rを使用してペルチェ素子12の吸熱量Qc及び放熱量Qhを(1)の式あるいは(2)の式により算出する必要がある。そのため、制御装置15は、前回のペルチェ素子12の制御時点から所定時間以上経過している場合に、ペルチェ素子12の熱伝達率K及び抵抗Rの演算を行ってペルチェ素子12に供給する電流量を演算するが、所定時間未満の場合は前回演算した電流量でペルチェ素子12を駆動するようにペルチェ素子駆動部14に指令信号を送る。
この実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)ペルチェ素子12の制御装置15は、ペルチェ素子12の吸熱量Qc及び放熱量Qhを算出する熱量算出手段(CPU16)と、ペルチェ素子12の熱伝達率K及び抵抗Rを演算する演算手段(CPU16)と、ペルチェ素子12に供給する電流量を制御するペルチェ素子駆動部14とを備え備える。熱量算出手段は次式を用いて吸熱量Qc及び放熱量Qhを算出する。
Qc=−I×R/2+S×Tc ×I−K(Th −Tc )・・・(1)
Qh=I×R/2+S×Th ×I−K(Th −Tc )・・・(2)
但し、I:電流、R:ペルチェ素子の抵抗、S:ゼーベック係数、Tc :ペルチェ素子の吸熱側温度、Th :ペルチェ素子の放熱側温度、K:ペルチェ素子の熱伝達率
また、熱量算出手段は、演算手段により演算されたペルチェ素子12の熱伝達率K及び抵抗Rを用いて吸熱量Qc及び放熱量Qhの少なくとも一方を算出し、算出された吸熱量Qc又は放熱量Qhに基づいてペルチェ素子12の効率が最大となる電流量を算出可能である。したがって、ペルチェ素子12の劣化後も効率良くペルチェ素子12を使用することができる。
(2)演算手段(CPU16)は、ペルチェ素子12の熱伝達率Kとペルチェ素子12の抵抗Rとの関係を示すマップを備えており、ペルチェ素子12の熱伝達率K及び抵抗Rの一方をその都度、センサの実測値に基づいて演算し、他方をマップから演算する。したがって、ペルチェ素子12の熱伝達率K及び抵抗Rの両方をその都度、センサの実測値に基づいて演算する構成に比べて、センサの数を減らすことができ、製造コストや装置の体格を減少させることができる。
(3)演算手段(CPU16)は、ペルチェ素子12の抵抗Rをその都度、電圧センサ19及び電流センサ20の実測値に基づいて演算し、ペルチェ素子12の熱伝達率Kをマップから演算する。ペルチェ素子12の制御を行う場合、電圧センサ19及び電流センサ20の少なくとも一方は必要なため、ペルチェ素子12を用いて温度制御を行う温度制御装置11には電圧センサ19及び電流センサ20の少なくとも一方が装備されており、電圧センサ19及び電流センサ20の両方を装備したものも多い。したがって、この実施形態では、新たに電圧センサ19及び電流センサ20の両方を設けなくても、吸熱量Qcあるいは放熱量Qhを算出し、算出された吸熱量Qc又は放熱量Qhに基づいてペルチェ素子12の効率が最大となる電流量を算出することができる。
(4)制御装置15は、前回のペルチェ素子12の制御時点から所定時間以上経過している場合に、ペルチェ素子12の熱伝達率K及び抵抗Rの演算を行ってペルチェ素子12に供給する電流量を演算し、所定時間未満の場合は前回演算した電流量でペルチェ素子12を駆動するようにペルチェ素子駆動部14に指令信号を送る。したがって、毎回ペルチェ素子12の熱伝達率K及び抵抗Rの演算を行う構成に比べて、CPU16の演算量を低減することができる。
(5)温度制御装置11は、電気自動車やハイブリット自動車等に搭載されて、走行モータの電源に使用される電池モジュール10の温度制御用に使用される。走行モータは使用電力が大きく、放電時の発熱量も大きい。そのため、ペルチェ素子12の劣化による熱伝達率K及び抵抗Rの変化を考慮しないと、ペルチェ素子12をCOP(効率)が最大となる状態で駆動することはできず、バッテリの満充電の状態から走行可能な距離が短くなる。しかし、この実施形態の温度制御装置11を使用することにより、バッテリの満充電の状態から走行可能な距離が長くなる。
(第2の実施形態)
次に、本発明を具体化した第2の実施形態を図5にしたがって説明する。この実施形態では、制御装置15の記憶装置17がペルチェ素子12の熱伝達率Kと抵抗Rとの関係を示すマップを備えておらず、CPU16がペルチェ素子12の熱伝達率K及び抵抗Rの両方をその都度、センサの実測値に基づいて演算する点が第1の実施形態と異なり、その他の構成は第1の実施形態と同様である。
そこで、制御装置15がペルチェ素子駆動部14を制御する手順を図5に示すフローチャートにしたがって説明する。制御装置15は、先ずステップS1で、電圧センサ19、電流センサ20及び両温度センサ18a,18bの検出信号を入力する。次に、ステップS2でその検出電圧Eと、検出電流IからR=E/Iの式により抵抗Rを演算する。
次にステップS3において、次式により熱伝達率Kを演算する。
K=L×{(Th +Tc )/2}×Lp/(R×A)・・・(3)
但し、L:ローレンツ数、Tc :ペルチェ素子の吸熱側温度、Th :ペルチェ素子の放熱側温度、Lp:ペルチェ素子12の長さ、A:ペルチェ素子12の断面積である。また、抵抗Rの値にはステップS2で演算した抵抗Rの値を使用する。
次にステップS4で(1)あるいは(2)の式を用いて、電池モジュール10を冷却する場合は吸熱量Qcを算出し、電池モジュール10を加熱する場合は放熱量Qhを演算する。次にステップS5でCOPが最大となる電流量を演算し、ステップS6でCOPが最大となる電流量でペルチェ素子12を駆動する指令信号をペルチェ素子駆動部14に送る。その結果、ペルチェ素子12が劣化しているか否かに拘らず、ペルチェ素子12はCOPが最大となる状態で駆動される。
したがって、この実施形態の温度制御装置11においては、第1の実施形態の(1)及び(4),(5)と同様の効果を得ることができる他に次の効果を得ることができる。
(6)制御装置15は、電圧センサ19、電流センサ20及び両温度センサ18a,18bの検出信号を入力し、ペルチェ素子12の熱伝達率K及び抵抗Rの両方をその都度、センサの実測値に基づいて演算する。したがって、予め試験を行って、ペルチェ素子12の熱伝達率Kとペルチェ素子12の抵抗Rとの関係を示すマップを準備して、記憶装置17にそのマップを記憶させておく必要がない。
実施形態は前記に限定されるものではなく、例えば、次のように具体化してもよい。
○ ペルチェ素子12の熱伝達率Kは、(3)式を使用せずに次のようにして算出してもよい。例えば、ペルチェ素子12の被温度制御側となる面にフィンを設け、フィンを介して媒体の温度を制御するとともに、その媒体を介して温度制御対象の温度調整を行う構成とする。そして、ペルチェ素子12を起動させない時のフィンへ流入する前の媒体の温度(Tin)と、フィンから流出した媒体の温度(Tout )から算出されるQと、ペルチェ素子12を起動させない時のペルチェ素子12の両面の温度(Th ,Tc )とを下式に代入することで算出する。
K=Q(Tin,Tout )/(Th −Tc )・・・(4)
○ ペルチェ素子12を用いて温度制御を行う温度制御装置11の温度制御対象は電池モジュール10に限らない。例えば、インバータ等の半導体装置を温度制御対象としてもよい。
○ 温度制御装置11は、車両に限らず電車や船舶等の移動体に搭載された電源としての電池モジュール10の温度制御に使用されるものに限らず、所定の位置に設置される機器の温度制御に使用してもよい。
○ 温度制御装置11は、温度制御対象の温度制御としてペルチェ素子12により冷却及び加熱の両方を行うものに限らず、冷却のみあるいは加熱のみを行う構成であってもよい。冷却のみを行う構成では、熱量算出手段はペルチェ素子12の吸熱量Qcを算出し、加熱のみを行う構成では、熱量算出手段はペルチェ素子12の放熱量Qhを算出する。例えば、電池モジュール10が温度制御対象であっても、その使用環境が高温地帯に限る場合は冷却のみで、電池モジュール10の温度を適正温度に制御することができる。
○ 制御装置15は、前回のペルチェ素子12の制御時点からの経過時間に拘わらず、毎回ペルチェ素子12の熱伝達率K及び抵抗Rの演算を行う構成であってもよい。
○ 制御装置15は、ペルチェ素子12の劣化を考慮して演算した吸熱量Qcあるいは放熱量Qhに基づいてペルチェ素子12に供給する電流量を設定すればよく、必ずしも常にCOP最大となる電流量を供給するようにペルチェ素子駆動部14に指令信号を送る必要はない。例えば、短時間で目的温度まで加熱あるいは冷却を行いたい場合、効率を考慮せず、COP最大とならない電流量を供給するようにペルチェ素子駆動部14に指令信号を送るようにしてもよい。
以下の技術的思想(発明)は前記実施形態から把握できる。
(1)請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のペルチェ素子の制御装置は、前回の吸熱量Qcあるいは放熱量Qhの算出時から前記ペルチェ素子の使用時間が予め設定された時間以上のときに、吸熱量Qcあるいは放熱量Qhを新たに算出する。
(2)請求項1〜請求項3及び前記技術的思想(1)のいずれか1項に記載のペルチェ素子の制御装置であって、温度制御の対象は複数の単電池を備えた電池モジュールである。
(3)電源に使用される電池モジュールの温度制御用にペルチェ素子が使用された温度制御装置を搭載した移動体であって、ペルチェ素子の制御装置として請求項1〜請求項3及び前記技術的思想(1),(2)のいずれか1項に記載のペルチェ素子の制御装置を搭載している移動体。
11…温度制御装置、12…ペルチェ素子、14…ペルチェ素子駆動部、15…制御装置、19…電圧センサ、20…電流センサ。

Claims (3)

  1. ペルチェ素子を用いて温度制御を行う温度制御装置のペルチェ素子の制御装置であって、
    次式に基づいて前記ペルチェ素子の吸熱量Qc及び放熱量Qhの少なくとも一方を算出する熱量算出手段と、
    Qc=−I×R/2+S×Tc ×I−K(Th −Tc )
    Qh=I×R/2+S×Th ×I−K(Th −Tc )
    但し、I:電流、R:ペルチェ素子の抵抗、S:ゼーベック係数、Tc :ペルチェ素子の吸熱側温度、Th :ペルチェ素子の放熱側温度、K:ペルチェ素子の熱伝達率
    前記ペルチェ素子の熱伝達率K及び前記ペルチェ素子の抵抗Rを演算する演算手段と、
    前記ペルチェ素子に供給する電流量を制御するペルチェ素子駆動部と
    を備え、
    前記熱量算出手段は、前記演算手段により演算された前記ペルチェ素子の熱伝達率K及び前記ペルチェ素子の抵抗Rを用いて前記吸熱量Qc及び前記放熱量Qhの少なくとも一方を算出し、該算出された前記吸熱量Qc又は前記放熱量Qhに基づいて前記ペルチェ素子の効率が最大となる電流量を算出可能であることを特徴とするペルチェ素子の制御装置。
  2. 前記演算手段は、前記ペルチェ素子の熱伝達率Kと前記ペルチェ素子の抵抗Rとの関係を示すマップを備えており、前記ペルチェ素子の熱伝達率K及び前記ペルチェ素子の抵抗Rの一方をその都度、センサの実測値に基づいて演算し、他方を前記マップから演算する請求項1に記載のペルチェ素子の制御装置。
  3. 前記演算手段は、前記ペルチェ素子の抵抗Rをその都度、電圧センサ及び電流センサの実測値に基づいて演算し、前記ペルチェ素子の熱伝達率Kを前記マップから演算する請求項2に記載のペルチェ素子の制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013171783A (ja) * 2012-02-22 2013-09-02 Toyota Motor Corp バッテリの温度調節装置及び車室内の温度調節装置
CN104134831A (zh) * 2014-07-31 2014-11-05 智慧城市系统服务(中国)有限公司 一种基于tec级联的电池包的温度控制装置、方法及系统

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