JP2013167455A - 温度センサー及び温度計測方法、電気光学装置 - Google Patents

温度センサー及び温度計測方法、電気光学装置 Download PDF

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Abstract

【課題】計測の信頼性が高い温度センサーを提供する事。
【解決手段】温度を計測する計測セルは、薄膜トランジスターと容量素子とを備える。薄膜トランジスターでは、チャンネル形成領域とドレイン領域との間にLDD領域が形成され、LDD領域における第一導電型不純物の濃度はドレイン領域における第一導電型不純物の濃度よりも低い。容量素子は薄膜トランジスターのドレイン領域に接続される。薄膜トランジスターのオフ電流のゲート電圧依存性が非常に弱いので、薄膜トランジスターの閾値電圧が多少変動しても、計測値は正しい値から殆どずれず、計測結果への信頼性を著しく向上させる事ができる。更に、オフ電流の温度依存性が強くなるので、計測温度分解能を向上させる事ができる。
【選択図】図4

Description

本発明は、物体表面の温度を計測する温度センサーと、それを用いた温度計測方法と、電気光学装置と、に関する。
従来の温度センサーは、特許文献1や特許文献2に記載されている。特許文献1に記載されている温度センサーでは、計測セルが行列状に配置され、各計測セル内では薄膜トランジスターと抵抗体とが直列接続されていた。抵抗体の電気抵抗は温度依存性を持つので、これを利用して温度が計測されていた。具体的には、計測の際に、薄膜トランジスターをオン状態とした上で、抵抗体に電流を通し、その電流値(抵抗体の電気抵抗)の変化を計測して、各計測セルの温度を計測していた。又、特許文献2に記載されている温度センサーでは、計測セルが行列状に配置され、各計測セル内では薄膜トランジスターと容量素子とが接続されていた。薄膜トランジスターのオフ抵抗は温度依存性を持つので、これを利用して温度が計測されていた。具体的には、リセット期間に容量素子を充電し、これに続くホールド期間に薄膜トランジスターをオフ状態とした上で、容量素子の電荷を漏洩させ、その変化(容量素子の電荷量変化)を計測して、各計測セルの温度を計測していた。又、従来の電気光学装置は、上述の従来の温度センサーを備えるか、或いは電気光学装置の外部に別途温度計が配置されていた。
特開2006−170642号公報 特開2011−95087号公報
しかしながら、特許文献1に記載の温度センサーは、計測それ自体が温度変動を招き、計測結果の信頼性が低いという課題があった。即ち、電気抵抗を測定する抵抗体と薄膜トランジスターとが直接結ばれており、しかも薄膜トランジスターをオン状態として計測する為に、薄膜トランジスターの自己発熱が抵抗体の温度を上げ、正確な温度計測の妨げとなっていた。加えて、電気抵抗の温度依存性が弱い為に、特許文献1に記載の面状温度センサーは小さな温度変化の計測を行いがたいという課題があった。
又、特許文献2に記載の温度センサーは、薄膜トランジスター性能の僅かな変動(特に閾値電圧の変動)によって、計測値が大きく異なり、信頼性が低いという課題があった。
この様に、従来の温度センサーは、計測結果の信頼性が低く、計測分解能も低いという課題があった。換言すれば、高性能で実用的な温度センサーが存在しない、という課題があった。又、従来の電気光学装置では、電気光学装置その物の温度が正確に計測されず、それ故に電気光学装置の表示性能が正しく制御されないという課題があった。
本発明は、上記課題の少なくとも一部を解決する為になされたものであり、以下の形態又は適用例として実現する事が可能である。
(適用例1) 本適用例に係わる温度センサーは、温度を計測する計測セルを含む温度センサーであって、計測セルは、薄膜トランジスターと容量素子とを少なくとも備え、薄膜トランジスターは半導体層を有し、半導体層にはチャンネル形成領域とソース領域とドレイン領域とライトリードープトドレイン領域とが形成され、ライトリードープトドレイン領域はチャンネル形成領域とドレイン領域との間に位置し、ドレイン領域とライトリードープトドレイン領域とは第一導電型不純物を含み、ライトリードープトドレイン領域における第一導電型不純物の濃度はドレイン領域における第一導電型不純物の濃度よりも低く、容量素子はドレイン領域に接続される事を特徴とする。
この構成によれば、薄膜トランジスターのオフ電流のゲート電圧依存性が非常に弱くなるので、薄膜トランジスターの特性(閾値電圧)が或る程度変動しても、計測値は正しい値から殆どずれず、計測結果への信頼性を著しく向上させる事ができる。更に、オフ電流の温度依存性が強くなるので、計測温度分解能を向上させる事ができる。
(適用例2) 本適用例に係わる温度センサーは、温度を計測する計測セルを含む温度センサーであって、計測セルは、薄膜トランジスターと容量素子とを少なくとも備え、薄膜トランジスターは半導体層を有し、半導体層にはチャンネル形成領域とソース領域とドレイン領域とオフセット領域とが形成され、オフセット領域はチャンネル形成領域とドレイン領域との間に位置し、ドレイン領域は第一導電型不純物を含み、オフセット領域における半導体純度は、チャンネル形成領域における半導体純度と同程度で、容量素子はドレイン領域に接続される事を特徴とする。
この構成によれば、薄膜トランジスターのオフ電流のゲート電圧依存性が非常に弱くなるので、薄膜トランジスターの特性(閾値電圧)が或る程度変動しても、計測値は正しい値から殆どずれず、計測結果への信頼性を著しく向上させる事ができる。更に、オフ電流の温度依存性が強くなるので、計測温度分解能を向上させる事ができる。又、オフセット領域はチャンネル形成領域と同じ工程で作成されるので、余分な製造工程が増えずに容易に温度センサーを製造する事ができる。
(適用例3) 上記適用例2に係わる温度センサーにおいて、チャンネル形成領域における半導体純度はほぼ100%である事が好ましい。
この構成によれば、適用例2に記載の効果に加え、真性半導体層を形成するだけで、チャンネル形成領域とオフセット領域とが作成されるので、余分な製造工程が増えずに容易に温度センサーを製造する事ができる。
(適用例4) 本適用例に係わる温度計測方法は、上記適用例1乃至3のいずれか一項に記載の温度センサーを用いた温度計測方法であって、準備期間と計測期間とを含み、準備期間には、チャンネル形成領域の少なくとも一部は第一導電型とされ、計測期間には、チャンネル形成領域の少なくとも一部は第二導電型とされる事を特徴とする。
ドレイン領域は第一導電型不純物を含んでいるので、この構成によれば、準備期間に薄膜トランジスターはオン状態となり、計測期間にはオフ状態となる。オフ状態のドレイン電流はゲート電圧に殆ど依存しないので、薄膜トランジスターの特性(閾値電圧)が或る程度変動しても、計測値は正しい値から殆どずれず、計測結果への信頼性を著しく向上させる事ができる。
(適用例5) 本適用例に係わる温度センサーは、温度を計測する計測セルを含む温度センサーであって、計測セルは、第一計測用薄膜トランジスターと第一容量素子と、第二計測用薄膜トランジスターと第二容量素子と、を少なくとも備え、第一計測用薄膜トランジスターと第二計測用薄膜トランジスターとは半導体層を有し、半導体層にはチャンネル形成領域とソース領域とドレイン領域とライトリードープトドレイン領域とが形成され、ライトリードープトドレイン領域はチャンネル形成領域とドレイン領域との間に位置し、ドレイン領域とライトリードープトドレイン領域とは第一導電型不純物を含み、ライトリードープトドレイン領域における第一導電型不純物の濃度は、ドレイン領域における第一導電型不純物の濃度よりも低く、第一容量素子は第一計測用薄膜トランジスターのドレイン領域に接続され、第二容量素子は第二計測用薄膜トランジスターのドレイン領域に接続され、第一計測用薄膜トランジスターの幅と第二計測用薄膜トランジスターの幅とが異なるか、又は、第一容量素子の容量と第二容量素子の容量とが異なる事を特徴とする。
計測セルは数マイクロメーターと小さくし得るので、この構成によれば、空間分解能が数マイクロメーターと極めて高い温度センサーを実現できる。加えて、温度の計測期間に薄膜トランジスターは自己発熱しないので、正確な温度計測を実現できる。更に、第一計測用薄膜トランジスターと第二計測用薄膜トランジスターとが異なった温度範囲を対象として温度を計測するか、或いは第一容量素子と第二容量素子とが異なった温度範囲を対象として温度を計測するので、広い温度範囲に渡って正確な温度計測を実現できる。更に、薄膜トランジスターのオフ電流のゲート電圧依存性が非常に弱くなるので、薄膜トランジスターの特性(閾値電圧)が或る程度変動しても、計測値は正しい値から殆どずれず、計測結果への信頼性を著しく向上させる事ができる。換言すれば、信頼性が高く、精密測定が可能で、広い温度範囲を計測する、実用的な面状温度センサーを実現できる。
(適用例6)本適用例に係わる温度センサーは、温度を計測する計測セルを含む温度センサーであって、計測セルは、第一計測用薄膜トランジスターと第一容量素子と、第二計測用薄膜トランジスターと第二容量素子と、を少なくとも備え、第一計測用薄膜トランジスターと第二計測用薄膜トランジスターとは半導体層を有し、半導体層にはチャンネル形成領域とソース領域とドレイン領域とオフセット領域とが形成され、オフセット領域はチャンネル形成領域とドレイン領域との間に位置し、ドレイン領域は第一導電型不純物を含み、オフセット領域における半導体純度は、チャンネル形成領域における半導体純度と同程度で、第一容量素子は第一計測用薄膜トランジスターのドレイン領域に接続され、第二容量素子は第二計測用薄膜トランジスターのドレイン領域に接続され、第一計測用薄膜トランジスターの幅と第二計測用薄膜トランジスターの幅とが異なるか、又は、第一容量素子の容量と第二容量素子の容量とが異なる事を特徴とする。
この構成によれば、空間分解能が数マイクロメーターと極めて高い温度センサーを実現できる。加えて、温度の計測期間に薄膜トランジスターは自己発熱しないので、正確な温度計測を実現できる。更に、第一計測用薄膜トランジスターと第二計測用薄膜トランジスターとが異なった温度範囲を対象として温度を計測するか、或いは第一容量素子と第二容量素子とが異なった温度範囲を対象として温度を計測するので、広い温度範囲に渡って正確な温度計測を実現できる。更に、薄膜トランジスターのオフ電流のゲート電圧依存性が非常に弱くなるので、薄膜トランジスターの特性(閾値電圧)が或る程度変動しても、計測値は正しい値から殆どずれず、計測結果への信頼性を著しく向上させる事ができる。又、オフセット領域はチャンネル形成領域と同じ工程で作成されるので、余分な製造工程が増えずに容易に温度センサーを製造する事ができる。換言すれば、信頼性が高く、精密測定が可能で、広い温度範囲を計測する、実用的な面状温度センサーを容易に実現できる。
(適用例7) 上記適用例6に係わる温度センサーにおいて、チャンネル形成領域における半導体純度はほぼ100%である事が好ましい。
この構成によれば、適用例6に記載の効果に加え、真性半導体層を形成するだけで、チャンネル形成領域とオフセット領域とが作成されるので、余分な製造工程が増えずに容易に温度センサーを製造する事ができる。
(適用例8) 上記適用例に係わる温度センサーにおいて、第一計測用薄膜トランジスターの幅をW01とし、第一容量素子の容量をC1とし、第二計測用薄膜トランジスターの幅をW02とし、第二容量素子の容量をC2とした際に、C1/W01の値がC2/W02の値の8倍から50倍の範囲にある事が好ましい。
この構成によれば、第一計測用薄膜トランジスターと第一容量素子とで比較的高い温度範囲を対象として温度計測をし、第二計測用薄膜トランジスターと第二容量素子とで比較的低い温度範囲を対象として温度計測をするので、広い温度範囲に渡って正確な温度計測を行う事ができる。
(適用例9) 本適用例に係わる温度計測方法は、上記適用例5乃至8のいずれか一項に記載の温度センサーを用いた温度計測方法であって、準備期間と計測期間とを含み、準備期間には、第一計測用薄膜トランジスターのチャンネル形成領域の少なくとも一部と、第二計測用薄膜トランジスターのチャンネル形成領域の少なくとも一部とは、第一導電型とされ、計測期間には、第一計測用薄膜トランジスターのチャンネル形成領域の少なくとも一部と、第二計測用薄膜トランジスターのチャンネル形成領域の少なくとも一部とは、第二導電型とされる事を特徴とする。
第一計測用薄膜トランジスターも第二計測用薄膜トランジスターも、ドレイン領域は第一導電型不純物を含んでいるので、この構成によれば、準備期間にこれらの薄膜トランジスターはオン状態となり、計測期間にはオフ状態となる。オフ状態のドレイン電流はゲート電圧に殆ど依存しないので、薄膜トランジスターの特性(閾値電圧)が或る程度変動しても、計測値は正しい値から殆どずれず、計測結果への信頼性を著しく向上させる事ができる。
(適用例10) 本適用例に係わる電気光学装置は、上記適用例1乃至3のいずれか一項、又は適用例5乃至8のいずれか一項、に記載の温度センサーを備える事を特徴とする。
電気光学装置の性能は多くの場合温度依存性を有するので、この構成によれば、電気光学装置の使用時に温度を計測し、その温度に適する様に電気光学装置を駆動する事ができる。従って、様々な温度状態において、電気光学装置の性能を可能な範囲で最大に発揮させる事ができる。又、電気光学装置が薄膜トランジスターを構成要件としている場合は、電気光学装置の製造時に温度センサーを一緒に製造できるので、電気光学装置その物の温度計測が可能になり、而も新たな製造工程を付加する必要もなくなる。
温度センサーを模式的に示す斜視外観図。 温度センサーの計測原理を説明する図。 温度センサーの回路を説明する図。 温度センサーの回路を駆動させるタイミングチャートを説明する図。 温度センサーにて温度を計測する際の等価回路図。 温度センサーで使用される各種回路の平面レイアウトを説明する図。 温度センサーで使用される薄膜トランジスターの断面構造を説明する図。 比較例の薄膜トランジスターの伝達特性が示す図。 変形例1に係わる温度センサーの回路を説明する図。 変形例3に係わる薄膜トランジスターの断面構造を説明する図。
以下、本発明の実施形態を、図面を用いて説明する。尚、以下の図面においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとする為、各層や各部材毎に縮尺を異ならしめてある。
(実施形態1)
「温度センサーの概要」
図1は、本実施形態に係わる温度センサーを模式的に示す斜視外観図である。以下、図1を用いて、まず温度センサーの概要を説明する。
本実施形態に係わる温度センサー1は、柔軟なプラスチックフィルムなどの可撓性を有する基板2に形成される。基板2には計測セル(i,j)が行列状に複数個配置され、計測回路3をなしている。各計測セルには、薄膜トランジスターT0と容量素子Cpとが少なくとも1個ずつ備えられている。本実施形態では、薄膜トランジスターT0として、第一計測用薄膜トランジスターT01(以降単にT01と略称する)と、第二計測用薄膜トランジスターT02(以降単にT02と略称する)と、が備えられ、容量素子Cpとして、第一容量素子Cp1(以降単にCp1と略称する)と、第二容量素子Cp2(以降単にCp2と略称する)と、が備えられている(図3参照)。Cp1はT01のソース領域又はドレイン領域の一方に接続され、Cp2はT02のソース領域又はドレイン領域の一方に接続されている。トランジスターのソース領域とドレイン領域とは電位に応じて入れ替わるが、以降は説明の便宜上、Cp1やCp2が接続している電極を、各トランジスターのドレイン領域とする。又、T01とT02とを特に区別する必要がない場合、単に薄膜トランジスターT0と略称し、Cp1とCp2とを特に区別する必要がない場合、単に容量素子Cpと略称する。容量素子Cpは一対の電極とこれら電極に挟まれた誘電体膜とからなる。容量素子Cpの一方の電極は薄膜トランジスターT0のドレイン領域に接続されている。又、容量素子Cpの他方の電極の電位は固定されている。本実施形態では、容量素子Cpの他方の電極は電源に接続されている。薄膜トランジスターの構造に関しては後に詳述するが、薄膜トランジスターT0はライトリードープトドレイン(以降単にLDDと略称する)構造をなしている。
T01のチャンネル形成領域の幅をW01とし(以降この幅を単に幅W01と略称する)、Cp1の容量をC1とし(以降この容量を単に容量C1と略称する)、T02のチャンネル形成領域の幅をW02とし(以降この幅を単に幅W02と略称する)、Cp2の容量をC2とした場合(以降この容量を単に容量C2と略称する)、幅W01に対する容量C1の比(C1/W01)と幅W02に対する容量C2の比(C2/W02)とが異なった値となっている。具体的にこれを実現するには、幅W01と幅W02とを異ならしても良いし、容量C1と容量C2とを異ならしても良いし、或いは幅(幅W01と幅W02)と容量(容量C1と容量C2)との双方を異ならしても良い。本実施形態では、幅W01と幅W02とが異なると共に、容量C1と容量C2とが異なっている。
温度は、最初の準備期間に容量素子Cp(Cp1やCp2)に充電した電荷が、計測期間中に薄膜トランジスターT0(T01やT02)のオフ電流により増減する現象を利用して、計測される。計測期間中に薄膜トランジスターT0は比較的強いオフ状態に維持される。尚、温度の計測に際し、主には容量素子Cpに充電した電荷がオフ電流で減少する現象を利用するが、これとは反対に、空の容量素子Cpにオフ電流で電荷を充電する現象を利用して温度計測を行っても良い。
基板2には、計測回路3の他に、出力回路4と、第一選択回路51と、第一処理回路52と、第二選択回路61と、第二処理回路62と、が設けられている。計測回路3に配置された複数の計測セルは、計測回路3の外周部に配置された第一選択回路51と第二選択回路61とにより、順次選択される。基板2の一辺を第一の方向(x軸に平行な方向で、行方向とする)とし、第一の方向と交差する(ほぼ直交する)別の方向を第二の方向(y軸に平行な方向で、列方向とする)とすると、第一選択回路51と第一処理回路52とは、計測回路3の外側で第一の方向に沿って形成され、第二選択回路61と第二処理回路62とは、計測回路3の外側で第二の方向に沿って形成される。計測セルは第一の方向に沿って複数個形成されると共に、第一選択回路51によって、第一の方向で選択される。同様に、計測セルは第二の方向に沿って複数個形成されると共に、第二選択回路61によって、第二の方向で選択される。選択された計測セルは出力回路4と接続され、温度計測がなされる。こうして行列状に配置された計測セルにて順次温度が測定され、温度に関する面分布が得られる。尚、計測セル(i,j)は行列状に複数個配置されるが、計測セルは1個だけでも良く、この場合は、第一選択回路51や第二選択回路61などを省略する事もできる。
「計測原理」
図2は、本実施形態に係わる温度センサーの計測原理を説明する図である。以下、図2を参照して、温度を計測する原理を説明する。
図2は、LDD構造のN型薄膜トランジスターの伝達特性が温度依存性を有する様子を示している。ソースドレイン電圧は、Vds=5Vである。トランジスターの伝達特性は、一般にオン領域(図2の場合、ゲート電圧が閾値電圧の0.5V程度以上)とオフ領域(図2の場合、ゲート電圧が−1.5V程度以下)と閾値下領域(図2の場合、ゲート電圧が−1.5V程度から0.5V程度の間)とに分類される。それぞれの領域はいずれも温度依存性を有するが、オフ領域に於ける温度依存性が一番強い。これはオフ電流値がフェルミ関数の広がりに対して最も敏感に変化する為である。オフ電流は、電子−正孔対の熱生成や、プールフレンケル効果を伴うフォノンアシステッドトネリング、バンド間トネリングなどの機構に起因する。フェルミ関数は、僅かな温度変化でも指数関数的に変化して、これらの機構(取り分け、電子−正孔対の熱生成やプールフレンケル効果を伴うフォノンアシステッドトネリング)に強く影響する。その為にオフ電流値の温度依存性は極めて強くなる。実際に図2から、100℃のオフ電流は60℃のオフ電流の10倍以上になっている事が判る。例えば100℃におけるVgs=−4Vのドレイン電流は、Ids=43pAで、60℃におけるVgs=−4Vのドレイン電流は、Ids=3.6pAなので、100℃のオフ電流は60℃のオフ電流の12倍となっている。これに対して、同じ温度変化の際にオン電流の変化は2倍以下でしかない。例えば100℃におけるVgs=10Vのドレイン電流は、Ids=0.342mAで、60℃におけるVgs=10Vのドレイン電流は、Ids=0.264mAなので、100℃のオフ電流は60℃のオン電流の1.3倍でしかない。即ち、オフ電流は温度に対してオン電流よりもほぼ10倍敏感で有る事になる。大雑把に云って、温度が40℃上昇する毎にオフ電流は10倍になる。言い換えれば、温度が4℃上昇しただけでも、オフ電流は26%も増加する事になる。要するにほんの僅かの温度変化であっても、オフ電流値は計測可能な大きな変化を示すので、高精度な温度計測が実現する事になる。換言すると、LDD構造の薄膜トランジスターT0のオフ電流を利用して、温度計測を行うと、温度分解能が向上する事になる。この様に、計測用薄膜トランジスターのオフ電流は温度に応じて激しく変化するので、容量(容量C1や容量C2)に蓄積された電荷量も温度に応じて変化する。この電荷量の変化(又は容量電位の変化)を計量する事で温度が計測される。
薄膜トランジスターT0はLDD構造をなしているので、オフ電流のゲート電圧Vgs依存性は非常に弱い。実際に40℃から100℃の温度範囲では、ゲート電圧Vgsが−2V以下では、ドレイン電流Idsは殆ど一定で、ゲート電圧に依存しなくなる。又、図2には示してないが、0℃から40℃の温度範囲でも、ゲート電圧Vgsが−6V以下では、ドレイン電流Idsは殆ど一定で、ゲート電圧に依存しなくなる。即ち、ゲート電圧Vgsが−6V以下では、0℃から100℃の広い温度範囲でドレイン電流は一定となる。計測セルが複数個あり、複数個の薄膜トランジスターT0が温度計測に使用される場合、薄膜トランジスターT0間でのトランジスター特性の変動(特に閾値電圧の変動)は必ずしもゼロではない。そこで、計測期間でのゲート電圧Vgsを−2V以下(好ましくは−6V以下)との強いオフ状態とする。すると、オフ電流は各温度でゲート電圧Vgsに対して一定となるので、閾値電圧が多少変動しても(図2で伝達特性が全体として左右に平行移動しても)、オフ電流は変わらなくなる。こうして閾値電圧が変動しても、計測結果は変動せず、常に正しい計測が実現する事になる。
「回路」
図3は、本実施形態に係わる温度センサーの回路を説明する図である。以下、図3を参照して、温度センサーの回路を説明する。尚、N型薄膜トランジスターのソース領域ドレイン領域は、両者を比較して電位の高い方がドレイン領域になり、電位の低い方がソース領域となる。参考の為に、図3には各薄膜トランジスターのソース領域ドレイン領域をそれぞれsとdとで記載してある。
まず図1に戻って説明する。
温度センサー1は計測回路3と出力回路4、第一選択回路51、第一処理回路52、第二選択回路61、第二処理回路62とを有する。計測回路3には計測セル(i,j)がM行N列の行列状に配置されている。MとNは1以上の整数である(1≦i≦M、1≦j≦N)。第一選択回路51は第一の方向に関してM行の行線R(i)から特定の一本の行線を選択する。従って、第一選択回路51は行選択回路でもある。第一選択回路51にはシフトレジスターやデコーダーが使用される。第一処理回路52は第一選択回路51からの選択信号を計測に適する様に加工する。具体的には選択電位を変換するレベルシフターや、高速で安定的に行線を選択する様にバッファーを備える。第二選択回路61は第二の方向に関してN列の列線CL(j)から特定の一本の列線を選択する。従って、第二選択回路61は列選択回路でもある。第二選択回路61にはシフトレジスターやデコーダーが使用される。第二処理回路62は第二選択回路61からの選択信号を計測に適する様に加工する。具体的には選択電位を変換するレベルシフターや、高速で安定的に列線を選択する様にバッファーを備える。
図3に戻って説明を続ける。
第二処理回路62は、上述の回路の他に、列選択トランジスターT3CとT4Cとを含む。列選択トランジスターT3CとT4Cとは、列毎にペアとなって設けられる。出力回路4はLDOUT及びXLDOUTとして計測結果を出力する。これらの回路の内で、計測回路3と出力回路4、第二処理回路62の内の列選択トランジスターT3CとT4Cとが薄膜トランジスターで形成される。本実施形態では、これらの他に第一選択回路51と第一処理回路52、第二選択回路61、もCMOS構成の(N型及びP型の)薄膜トランジスターで形成されていたが、第一選択回路51と第一処理回路52、第二選択回路61、第二処理回路62の内の列選択トランジスターT3CとT4C以外の回路は、外付けのシリコンICチップにて形成されても良い。
計測セル(i,j)はi行j列に位置し、その内部にT01と、Cp1と、T02と、Cp2と、を有している。Cp1やCp2は誘電体膜を第一電極と第二電極とで挟持している。T01のドレイン領域はCp1の第一電極に接続し、ソース領域は充電用列線CCに接続し、ゲート電極は充電用行線RCに接続している。Cp1の第二電極は第二電源(この場合、負電源Vss)に接続している。同様に、T02のドレイン領域はCp2の第一電極に接続し、ソース領域は充電用列線CCに接続し、ゲート電極は充電用行線RCに接続している。Cp2の第二電極は第二電源に接続している。T01とT02とではチャンネル形成領域幅が異なっており、幅W01は1μmで、幅W02は10μmである。又、Cp1とCp2とでは容量が異なっている。Cp1は、第一電極と第二電極のサイズが200μm×200μmで、誘電体膜(好適例としてSiO2)の厚みが69nmで有るので、容量C1は20pFである。一方、Cp2は、第一電極と第二電極のサイズが200μm×100μmで、誘電体膜の厚みは同じく69nmで有るので、容量C2は10pFである。この結果、C1/W01の値は20pF/μmとなり、C2/W02の値は1pF/μmとなるので、C1/W01の値はC2/W02の値の20倍となっている。
温度は、T01やT02と云った計測用薄膜トランジスターのドレイン領域電位(即ちCp1やCp2と云った容量素子の第一電極電位)に関する情報を出力する事で、計測される。温度計測を正確に行うべく、計測用薄膜トランジスターT0は差動増幅回路の一部分を備えている。差動増幅回路の一部とは差動トランジスター対と行選択トランジスター対である。差動トランジスター対は、第一薄膜トランジスターT1と第二薄膜トランジスターT2とからなる。行選択トランジスター対は行選択トランジスターT3RとT4Rとである。
第一薄膜トランジスターT1のゲートは、計測用薄膜トランジスターT0のドレイン領域に接続されている。従って、第一薄膜トランジスターT1のゲート電位は温度に応じて変化する。一方、第二薄膜トランジスターT2のゲートには基準信号Vrefが供給され、第二薄膜トランジスターT2は基準トランジスターとして動作する。こうして第一薄膜トランジスターT1の電気特性と第二薄膜トランジスターT2の電気特性とが比較され、計測セルに於ける温度が計測される。言い換えると、第一薄膜トランジスターT1のゲート電位と第二薄膜トランジスターのゲート電位との相違が差動増幅され、計測セルに於ける温度が電圧値又は電流値として出力される。
第一薄膜トランジスターT1と第二薄膜トランジスターT2とは差動トランジスター対を為しているので、互いに対称に配置されている。即ち、両トランジスターのドレイン領域が第一電源に接続され、電源に対して両トランジスターは並列に配置されている。第一電源は正電源Vddである。尚、計測誤差を小さくする為に、第一薄膜トランジスターT1のゲート容量は、容量素子Cpの容量よりも著しく小さくされている。著しく小さいとは、具体的には10分の1以下である。実際に、第一薄膜トランジスターT1のゲート容量は、0.005pF(例えば、ゲート面積10μm2、ゲート絶縁膜SiO2、ゲート絶縁膜厚69nm)程度から0.05pF(例えば、ゲート面積100μm2、ゲート絶縁膜SiO2、ゲート絶縁膜厚69nm)程度の範囲にあるが、容量素子Cpの容量は1pF以上なので、第一薄膜トランジスターT1のゲート容量は、容量素子Cpの容量の20分の1以下となっている。
行選択トランジスターT3Rのドレイン領域は第一薄膜トランジスターT1のソース領域に接続し、ソース領域はj列目の奇数列線CO(j)を介してj列目の列選択トランジスターT3Cのドレイン領域に接続している。同様に、行選択トランジスターT4Rのドレイン領域は第二薄膜トランジスターT2のソース領域に接続し、ソース領域はj列目の偶数列線CE(j)を介してj列目の列選択トランジスターT4Cのドレイン領域に接続している。T01に付属する行選択トランジスターT3RとT4Rとのゲートは2i−1行目の行線R(2i−1)に接続する。又、T02に付属する行選択トランジスターT3RとT4Rとのゲートは2i行目の行線R(2i)に接続する。こうして、列選択トランジスターT3Cと行選択トランジスターT3Rとで第三薄膜トランジスターT3をなし、列選択トランジスターT4Cと行選択トランジスターT4Rとで第四薄膜トランジスターT4をなす。
温度センサー1は、更に第五薄膜トランジスターT5と第六薄膜トランジスターT6とを出力回路4に備え、第五薄膜トランジスターT5と第六薄膜トランジスターT6とはカレントミラー対をなしている。カレントミラー対とは、両トランジスターのソース領域が共通に接続され、ゲートに同電位を印加する事で、飽和動作時(Vds>Vgs−Vth>0)に、両トランジスターのドレイン領域電位が多少異なっていても、同じ電流を通すトランジスター対である。ここでは両薄膜トランジスターのゲートは第五薄膜トランジスターのドレイン領域に接続している。更に、第五薄膜トランジスターT5のドレイン領域は列選択トランジスターT3Cのソース領域に接続し、第六薄膜トランジスターT6のドレイン領域は列選択トランジスターT4Cのソース領域に接続する。
温度センサー1は、更に第七薄膜トランジスターT7を出力回路4に備える。第七薄膜トランジスターT7は電流源トランジスターである。電流源トランジスターとは、飽和動作し、ドレイン領域電位が多少変動しても常に一定電流を供給するトランジスターである。第五薄膜トランジスターT5のソース領域と第六薄膜トランジスターT6のソース領域とは、第七薄膜トランジスターT7のドレイン領域に接続し、第七薄膜トランジスターT7のソース領域は第二電源に接続する。第二電源は負電源Vssである。第七薄膜トランジスターT7のゲートには第一制御信号Cnt1が供給される。第五薄膜トランジスターT5と第六薄膜トランジスターT6とが常に等しい電流を通し、第七薄膜トランジスターT7が一定電流を供給するので、第五薄膜トランジスターT5も第六薄膜トランジスターT6も常に同一電流(第七薄膜トランジスターT7を通る電流の半分)を通す。
第三薄膜トランジスターT3は、列選択や行選択がなされる毎に列選択トランジスターや行選択トランジスターを変えながらも、常に第一薄膜トランジスターT1と第五薄膜トランジスターT5との間に配置され、第一薄膜トランジスターT1と第五薄膜トランジスターT5とを電気的に接続可能としている。同様に、第四薄膜トランジスターT4は、列選択や行選択がなされる毎に列選択トランジスターや行選択トランジスターを変えながらも、常に第二薄膜トランジスターT2と第六薄膜トランジスターT6との間に配置され、第二薄膜トランジスターT2と第六薄膜トランジスターT6とを電気的に接続可能としている。即ち、2i−1行目の行線R(2i−1)に選択信号(高電位信号)が供給されると、2i−1行目の計測セルに配置された第一薄膜トランジスターT1は奇数列線COに電気的に接続され、第二薄膜トランジスターT2は偶数列線CEに電気的に接続される。反対に行線R(2i−1)に非選択信号(低電位信号)が入ると、第一薄膜トランジスターT1と奇数列線COとは電気的に絶縁され、第二薄膜トランジスターT2と偶数列線CEとは電気的に絶縁される。
行線R(2i−1)に選択信号が供給されている状態で、j列目の列線CL(j)に選択信号(高電位信号)が入ると、j列目の列選択トランジスターT3Cがオン状態となるので、j列目の奇数列線COと第五薄膜トランジスターT5とが接続される。その結果、i行j列の計測セル(i,j)に位置しT01に付属する第一薄膜トランジスターT1と第五薄膜トランジスターT5とは電気的に接続される。同様に、j列目の列線CL(j)に選択信号(高電位信号)が入ると、j列目の列選択トランジスターT4Cがオン状態となるので、j列目の偶数列線CEと第六薄膜トランジスターT6とが接続される。その結果、i行j列の計測セル(i,j)に位置しT01に付属する第二薄膜トランジスターT2と第六薄膜トランジスターT6とは電気的に接続される。反対に、j列目の列線CL(j)に非選択信号(低電位信号)が入ると、j列目の列選択トランジスターT3CとT4Cとがオフ状態となるので、出力回路4とj列目の奇数列線CO及びj列目の偶数列線CEとは電気的に絶縁される。この様に複数の計測セルの内で、行線と列線とで選択された計測セル内の差動トランジスター対が出力回路4と接続する。出力回路4からの計測結果は、第六薄膜トランジスターT6のドレイン領域電位V6がLDOUTとして出力され、第五薄膜トランジスターT5のドレイン領域電位V5がXLDOUTとして出力される。
列線CLに供給される選択信号乃至は非選択信号は、第二選択回路61からの出力を必要に応じてレベルシフトし、レベルシフターからの出力は、出力変動が生ぜぬようにバッファーで増強されている。即ち、列選択トランジスターT3CとT4Cとは第二選択回路61にて制御される。又、行線Rに供給される選択信号乃至は非選択信号は、第一選択回路51からの出力を必要に応じてレベルシフトし、レベルシフターからの出力はバッファーで補強されている。即ち、行選択トランジスターT3RとT4Rとは第一選択回路51にて制御される。尚、ここでは行選択がなされた状態で列選択を行ったが、列選択がなされた状態で行選択を行っても良い。又、ここでの奇数列線とは単なる名称で、奇数番号のトランジスター列(T1やT3)に設けられた列線を意味し、偶数列線も同様に単なる名称で、偶数番号のトランジスター列(T2やT4)に設けられた列線を意味する。
尚、本実施形態では計測セル内に2個の計測用薄膜トランジスター(T01とT02)と2個の容量素子(Cp1とCp2)とが設けられているが、本実施形態はこの例に限られない。kを2以上の整数として、一つの計測セル内にk個の計測用薄膜トランジスター(T01とT02・・・T0k)とk個の容量素子(Cp1とCp2・・・Cpk)とを設けても良い。この場合、qを1以上でk以下の整数として、第q計測用薄膜トランジスターT0qと第q容量素子Cpqとが接続され、k個のCq/W0qの値は皆異なっている。更に、一つの計測セルに対して、k本の行線が配備される。具体的には、T01に付属する行選択トランジスターT3RとT4Rとのゲートはki−(k−1)行目の行線R(ki−k+1)に接続し、T0qに付属する行選択トランジスターT3RとT4Rとのゲートはki−(k−q)行目の行線R(ki−k+q)に接続する。更に、計測対象となる温度範囲が予め狭いと判っている場合などは、k=1として、1個の計測セル内に1個の計測用薄膜トランジスター(T0)と1個の容量素子(Cp1)とを設けるだけでも良い。
次に、幅W0qと容量Cqとの関係を説明する。以降、チャンネル形成領域幅Wに対する容量Cの比を幅容量比と称す。計測用薄膜トランジスターのオフ電流値はチャンネル形成領域幅Wに比例する。その為に、幅容量比は、容量に充電された電荷の放電のしにくさを定量的に表現している事になる。例えばCpqを時刻0に正電源電位Vddに充電し、時間tだけT0qのオフ電流で電荷を漏らした場合、時刻tに於けるCpqの第一電極電位Vq(t)は、Vq(t)=Vddexp(−t/τq)と記載される。ここでτqは時定数であり、比例係数Aを用いて、τq=ACq/W0qと表現される。又、比例係数AはsmF-1の単位次元を持ち、A=A0exp(ε/kBT)にて表現される。ここでTは絶対温度で表現した温度であり、kBはボルツマン定数でkB=8.61×10-5eV/Kである。本実施形態では、プレイクスポネンシャルファクターはA0=1.595×10-8ms・μm/pFで、活性化エネルギーはε=0.517eVであった。オフ電流の発生機構の主体がプールフレンケル効果を伴うフォノンアシステッドトネリングである為に、価電子帯からシリコンバンドギャップの中心付近への電子励起エネルギーが活性化エネルギーに相当している。但し、これらの値(取り分けプレイクスポネンシャルファクターA0)は薄膜トランジスター固有の値で、薄膜トランジスターの構造や製造方法に応じて異なって来る。
第一電極電位の変化(Vq/Vdd)が精密に計測され得るのは、概ね、その値が5%から95%の範囲に入る時である。即ち、0.05≦Vq/Vdd≦0.95の際に、正確な温度計測が可能になる。この事は、後に図4を用いて説明する計測期間MPがtMPの場合、0.3338≦(ACq)/(tMP0q)≦19.50を意味する。従って、この式を満たす様に計測期間MPの長さtMPと幅容量比とを定める。前述の如く、q個目の幅容量比Cq/W0qは、T0qのオフ電流に依るCpqの第一電極電位降下の時定数に比例する。この為、k個の幅容量比が皆異なっていれば、単一の計測期間で異なった温度範囲にて温度を計測できる事になる。即ち、幅広い温度範囲にて温度を計測できる。k個の幅容量比Cq/W0qを大きい順にC1/W01>C2/W02>・・・>Ck/W0kと並べた時に、或る幅容量比がそれよりも一つ小さい値の幅容量比のほぼ20倍となっているのが理想的である。図2に示される様に、オフ電流値の対数が温度に概ね比例するので、ほぼ20倍(2×10倍)とは10のベキで考えられねばならず、その値は大凡2×100.6(8倍)から2×101.4(50倍)となる。即ち、8×Cq+1/W0q+1≦Cq/W0q≦50×Cq+1/W0q+1を満たす様に各幅容量比を定める。但しここでのqは1以上のk−1以下の整数である。
q個目の幅容量比Cq/W0qをq+1個目の幅容量比Cq+1/W0q+1の20倍とすると、Cpqの第一電極での電位降下の時定数は、Cpq+1の第一電極での電位降下の時定数の20倍となる。その結果、T01とCp1とで高い温度範囲を計測し、T02とCp2とでそれよりも低い温度範囲を計測できる事になる。同時にそれぞれの計測温度範囲が僅かに重なり、両者の間で計測されない温度範囲は無くなる。即ち、T01とCp1とで計測する温度範囲の下限がT02とCp2とで計測する温度範囲の上限よりも低くなり、広い温度範囲を漏れなく温度計測できる事になる。計測方法は後に詳述するが、例えば計測期間MPを2.5ミリ秒とし、3個の幅容量比を用いた場合の計測範囲を表1に示す。
Figure 2013167455
表1で白抜きのセルが計測に適する温度範囲(Vq/Vddの値が5%から95%の範囲に入る場合)で、網掛けのセルがこの温度範囲を外れる場合である。表1の第3列から第5列は時定数τqを表し、第6列から第8列は時定数τqを計測期間MPの長さtMPにて割った値を示す。表1の第3列と第6列から分かる様に、T01とCp1とでは(q=1)、50℃から130℃の範囲で温度を精密に計測できる。一方、第4列と第7列からは、T02とCp2とでは(q=2)、10℃から60℃の範囲で温度を精密に計測できる事が分かる。又、第5列と第8列からは、T03とCp3とでは(q=3)、−30℃から10℃の範囲で温度を精密に計測できる事が分かる。こうして、一つの計測セルに計測用薄膜トランジスターT0とそれに接続する容量素子Cpとの組を3組設ける事で、−30℃から130℃迄の広い温度範囲を、短時間で正確に計測できる事となる。
「計測方法」
図4は、本実施形態に係わる温度センサーにて温度を計測する際に、回路を駆動させるタイミングチャートを説明する図である。以下、図4を参照して、温度センサーを用いた計測方法を説明する。
温度計測方法には準備期間PPと計測期間MPと出力期間OPとが含まれている。準備期間PPには計測用薄膜トランジスターT0をオン状態として、容量素子Cpを所定の電位に充電する。計測期間MPには計測用薄膜トランジスターT0を強いオフ状態として、第一薄膜トランジスターT1と容量素子Cpから先に充電された電荷を漏らす。漏れ電荷量は温度依存性を示すので、温度に応じて第一薄膜トランジスターT1のゲート電位は低下する。出力期間OPには低下したゲート電位に応じた出力を各計測セルから取り出す。これが温度計測の基本サイクルである。
実際の温度計測の際には、まず、温度計測に先立ち、計測時に供給する基準信号Vrefの電位値を定める。上述の如く、温度センサー1では、基準トランジスターである第二薄膜トランジスターT2の電気特性と、温度に応じてゲート電位が変化する第一薄膜トランジスターT1の電気特性とが比較される。一方で、薄膜トランジスターはトランジスター毎に電気特性が僅かに異なるのが一般である。これを補正する為に、計測セル毎に基準温度に対応する基準信号Vrefの値を定める。以下に基準信号Vrefの値を定める具体的な手法を記す。
(1)温度センサー1を基準温度のヒートリザーヴォアーに設置し、総ての計測セルが基準温度となる様にする。基準温度は測定対象温度範囲内で適宜設定される。基準温度は大凡その範囲の下限値とするのが望ましい。例えば測定対象温度範囲が寒冷地の冬の温度で、−20℃から30℃の範囲にあると予想される場合、基準温度は−20℃程度に設定する。
(2)総ての第二薄膜トランジスターT2に対して、基準信号Vrefの選択電位として、数式1で表される仮の基準高電位Hrを設定する。
Figure 2013167455
ここでVddは正電源電位、Vthは薄膜トランジスターの閾値電圧の平均値、δは0.05Vから0.3V程度の小さい電圧値である。仮の基準高電位は、例えばHr=4.05Vである。
(3)後述する方法で温度を計測し、総ての差動トランジスター対からの出力結果(V5−V6)の平均値がほぼゼロになる様に計測期間MPの時間を定める。即ち、数式2となる様に計測期間MPの長さを定める。ほぼゼロとは、出力結果の平均値が概ね−0.4Vから+0.4Vの範囲に入る事を意味する。
Figure 2013167455
(4)こうして定められた計測期間MPの時間を用いて、再度ヒートリザーヴォアーの温度計測を行う。その際に、LDOUT出力とXLDOUT出力とが等しくなる様に(V5=V6となる様に)差動トランジスター対毎に提供するVrefの基準高電位値を定め、これを外部コントローラーに設けられている記憶装置に記憶させる。その後に温度センサー1を計測対象に配置し、計測を開始する。
次に温度の計測方法を説明する。温度計測に際しては、外部コントローラーが第一選択回路51や第一処理回路52、第二選択回路61、第二処理回路62などに適当な信号や電源を供給し、その結果、各行線や列線、出力回路4等には図4に示す、以下の様な信号が供給される。
準備期間PPには、薄膜トランジスターT0をオン状態とする。後述する様に、薄膜トランジスターT0はソース領域とドレイン領域とに第一導電型不純物を含んでいる第一導電型のトランジスターであるので、チャンネル形成領域の少なくとも一部を第一導電型とする。具体的には、第一導電型がN型の場合、まず充電用列線CCを正電源電位Vddとする。次いで充電用行線RCを第二高電位H2とし、チャンネル形成領域にN型のチャンネル層を形成し、薄膜トランジスターT0をオン状態とする。次いで充電用行線RCを負電源電位Vssに戻す。次に充電用列線CCの電位を負電源電位Vssに戻す。これに依り総ての計測セルで、総ての容量素子Cpの第一電極が正電源電位Vddへと充電される。尚、負電源電位Vssとは正電源電位Vddよりも低い電位で、例えばVss=0V(接地電位)である。又、正電源電位は、例えばVdd=4.8Vで、第二高電位は、例えばH2=7.3Vである。
計測期間MPには、薄膜トランジスターT0を強いオフ状態とする。即ち、薄膜トランジスターT0は第一導電型のトランジスターであるので、チャンネル形成領域の少なくとも一部を第二導電型とする。具体的には、充電用列線CCを負電源電位Vssとし、充電用行線RCを低電位Lとする。低電位Lとは負電源電位Vssよりも更に低い電位で、薄膜トランジスターT0のチャンネル形成領域の一部には第二導電型チャンネル(本実施形態の場合、P型チャンネル)が形成される電位である。好適例としては、L=−4Vで、より好ましくはL=−6Vである。この結果、計測用薄膜トランジスターT0は強いオフ状態となり、温度に応じたオフ電流を充電用列線CCに漏らす。こうして計測期間MPの終了時には第一薄膜トランジスターT1のゲート電位Vgsは第一高電位H1となる。尚、強いオフ状態とは、チャンネル形成領域の少なくとも一部がソースドレイン領域と逆の導電型となっている状態である。具体的には、オフ領域と閾値下領域との境界となるゲート電圧Vgs(Vgs=V0、伝達特性が急激に立ち上がり始めるゲート電圧Vgs)よりも1V以上オフ領域側となるゲート電圧Vgsの領域で、N型トランジスターではV0−1V以下のゲート電圧Vgsの範囲で、P型トランジスターではV0+1V以上のゲート電圧Vgsの範囲である。図2の伝達特性の場合、V0=−2V程度なので、強いオフ状態はゲート電圧Vgsが凡そ−3V以下の範囲となる。
計測期間MPが終了した後に出力期間OPに移る。出力期間OPに入ると、第一制御信号Cnt1に第三高電位H3を供給する。この値は、例えばH3=1.6Vである。出力期間OPでは、まず、行線R(1)からR(kM)が一本ずつ交替に選択される。通常は1行目の行線R(1)から最終行のkM行目の行線R(kM)へと順番に選択されて行く。行線には、選択持に選択信号電位(第二高電位H2)供給され、非選択時には非選択信号電位(負電源電位Vss)が供給される。
一本の行線が選択されている期間に、列線(CL(1)からCL(N))が一本ずつ交替に選択される。通常は1列目の列線CL(1)から最終列のN列目の列線CL(N)へと順番に選択されて行く。列線には、選択持に選択信号電位(第二高電位H2)が供給され、非選択時には非選択信号電位(負電源電位Vss)が供給される。
この様にしてk×M×N個の計測用薄膜トランジスターT0と容量素子Cpとの組から特定の一組が選択される。この選択された組に対応する基準高電位を外部コントローラーの記憶装置より読み出して、Vrefとする。第二薄膜トランジスターT2のゲートに供給される基準高電位は、その組の計測用薄膜トランジスターT0が基準温度に等しければ、出力電圧がV5=V6となる様に設定されているので、V5乃至はV6の値を読むと、選択された組の温度が分かる。例えば、選択された組が基準温度よりも低温であると、漏れ電流は少ないので、第一高電位(第一薄膜トランジスターT1のゲート電位)は基準高電位(第二薄膜トランジスターT2のゲート電位)よりも高くなる。その結果、LDOUT(V6)の電位は低くなり、XLDOUT(V5)の電位は高くなるので、V5−V6の値は正になる。反対に、選択された組が基準温度よりも高温であると、LDOUT(V6)の電位は高くなり、XLDOUT(V5)の電位は低くなるので、V5−V6の値は負になる。この計測方法では、出力期間OPを通じて、容量素子Cpに残留する電荷が維持される。即ち非破壊にて(測定が測定対象物に影響することなく、即ち、電荷量を変動させることなく)温度計測が行われる。それ故に温度センサーが大面積になったり、或いは高精細になったりして、出力期間OPが長時間となっても、正確な計測が行われる事になる。
「使用方法」
温度センサーを使用する際には、低頻度測定モードと高頻度測定モードとを設けても良い。低頻度測定モードとは高頻度測定モードに備えて低頻度で計測を繰り返している期間で有る。高頻度測定モードでは、温度センサーは高頻度で計測を繰り返している。例えば、温度センサーを水道の凍結防止帯に内蔵させて使用する場合、暖かな日中は低頻度測定モードとし、気温が低下し始めて凍結しそうな期間を高頻度測定モードとする。或いは、温度の時間変化が緩やかな場合に低頻度測定モードとし、温度の時間変化が急激な場合には高頻度測定モードとする。
低頻度測定モードにおいても高頻度測定モードにおいても、上述の「計測方法」の章に記載した方法で温度センサーは計測動作を行っているが、その計測頻度が異なる。低頻度測定モードでは単位時間内に行われる計測回数が少なく、高頻度測定モードではこれが多い。M行N列に配置された計測セルの総てを選択して計測する期間をフレーム期間とし、一つのフレーム期間から次のフレーム期間までの時間をスタンバイ期間とすると、計測頻度はフレーム期間とスタンバイ期間との和の逆数(1/(フレーム期間+スタンバイ期間))となる。即ち、高頻度測定モードに於ける計測頻度を、低頻度測定モードに於ける計測頻度よりも大きくする。一例としては、高頻度測定モードではスタンバイ期間をゼロとし、フレーム周波数(フレーム期間の逆数)と計測頻度とを一致させる。一方で、低頻度測定モードに於けるスタンバイ期間は数ミリ秒以上の比較的長時間とし(例えば1秒)、低頻度測定モードに於ける計測頻度をスタンバイ期間の逆数にほぼ一致させる。
この様な低頻度測定モードと高頻度測定モードとを設ける事に依り、低頻度測定モードに於いては消費電力を低減でき、高頻度測定モードに於いては時間分解能を最大にする事ができる。尚、ここでは低頻度測定モードでも高頻度測定モードでもフレーム期間を同一とし、スタンバイ期間を変えたが、これに限らず、フレーム期間を低頻度測定モードと高頻度測定モードとで変えても構わない。即ち、高頻度測定モードに於けるクロック周波数の方を低頻度測定モードのクロック周波数よりも高くして、高頻度測定モードに於ける計測頻度を高くしても良い。
「トランジスターサイズ及び駆動条件」
図5は、本実施形態に係わる温度センサーにて温度を計測する際の等価回路図である。次に、図5を参照して、高感度で高性能な計測を実現する為の条件を示す。以下、第一薄膜トランジスターT1をT1と略称する。第二薄膜トランジスターT2から第七薄膜トランジスターT7も同様に略す。尚、T3のドレイン領域電位をV3で表し、T4のドレイン領域電位をV4、T7のドレイン領域電位をV7、で表す。
T1とT2とは差動入力対であるので、飽和動作などの非線型動作が望ましい。T3とT4は選択トランジスターで、出力電位範囲を広くする視点から、線型動作が望ましい。従って、T3とT4とに関しては、ソースドレイン電圧Vdsはできる限り小さく、V3?V5やV4=V6となるのが望ましい。T5とT6とはカレントミラー対で飽和動作でなければならない。又、T7は電流源トランジスターなので、矢張り飽和動作でなければならない。
まず、トランジスターの電流式を表現するのに数式3の記号を用いる。
Figure 2013167455
ここでWはトランジスターチャンネル形成領域の幅、Lはトランジスターチャンネル形成領域の長さ、Coxは単位面積当たりのゲート絶縁膜容量、μは移動度である。すると、飽和特性の近似式は数式4で表される。
Figure 2013167455
又、線型特性の近似式は数式5で表される。
Figure 2013167455
本実施形態では薄膜トランジスターの閾値電圧をVthで表し、薄膜トランジスター間のVth変動は僅かであると近似する。即ち、T1からT7のVthは総て等しいと近似する。又、Vthは正であるとし、全体の電流(T7の電流)を2Iとする。まず、T1からT7のZをZ1からZ7で表し、これらを数式6の関係とする。
Figure 2013167455
数式6が満たされていると、T1のゲート電位H1とT2のゲート電位Hrとの差は線型増幅されて出力される。以下、各トランジスターに求められる駆動条件を検討する。
(1)T1は飽和動作が望ましい。従って、数式7と数式8で表される飽和条件が満たされるのが望ましい。
Figure 2013167455
Figure 2013167455
その結果、T1のドレイン領域電流は次式となる。
Figure 2013167455
(2)T2は飽和動作が望ましい。従って、数式10と数式11とで表される飽和条件が満たされるのが望ましい。
Figure 2013167455
Figure 2013167455
その結果、T2のドレイン領域電流は次式となる。
Figure 2013167455
(3)T3は線型動作が好ましい。従って、数式13で表される線型条件が満たされるのが望ましい。
Figure 2013167455
その結果、T3のドレイン領域電流は次式となる。
Figure 2013167455
(4)T4は線型動作が好ましい。従って、数式15で表される線型条件が満たされるのが望ましい。
Figure 2013167455
その結果、T4のドレイン領域電流は次式となる。
Figure 2013167455
(5)T5は飽和動作するのが望ましい。従って、数式17で表される飽和条件が満たされるのが望ましい。
Figure 2013167455
その結果、T5のドレイン領域電流は次式となる。
Figure 2013167455
(6)T6は飽和動作するのが望ましい。従って、数式19と数式20とで表される飽和条件が満たされるのが望ましい。
Figure 2013167455
Figure 2013167455
その結果、T6のドレイン領域電流は次式となる。
Figure 2013167455
(7)T7は飽和動作するのが望ましい従って、数式22で表される飽和条件が満たされるのが望ましい。
Figure 2013167455
その結果、T7のドレイン領域電流は次式となる。
Figure 2013167455
ここで、数式22を満たす為に、数式24とする。
Figure 2013167455
δは例えば0.1V程度で、容易に飽和条件を満たすには0.3V程度未満の正の値が理想である。
次に数式13と数式15を満たす為に、数式25とする。
Figure 2013167455
これにより、少なくとも数式26と数式27とが満たされる様になる。
Figure 2013167455
Figure 2013167455
T7に関する数式23と、T4に関する数式16とから、次式が得られる。
Figure 2013167455
この数式28に数式24と数式25とを適応すると、次の様になる。
Figure 2013167455
数式29の右辺に関しては、数式30を考慮する。
Figure 2013167455
ここで数式31とする。
Figure 2013167455
こうすれば、数式32が得られる。
Figure 2013167455
即ち、T4はゲート電圧がVth+1V以上ならば、線型動作する。更に、T4での電位降下を確実に0.1V未満と小さくし、T4を線型動作させる為には、概ね次式が満たされれば良い。
Figure 2013167455
数式33は数式34と変形される。
Figure 2013167455
この場合、数式35の関係が得られる。
Figure 2013167455
即ち、明らかに線型条件(数式15)は満たされる。
次に、総ての望ましい条件を満たす様に構成を定める。T7に関する数式23とT6に関する数式21に対して、数式36とする。
Figure 2013167455
こうすると、数式21と数式23とから数式37が得られる。
Figure 2013167455
次にT1に関する数式9とT5に関する数式18とに対して、数式38とする。
Figure 2013167455
こうすると、数式39が得られる。
Figure 2013167455
T7とT4の議論(数式28から数式35までの議論)により、数式40と数式41で表される関係になっている。
Figure 2013167455
Figure 2013167455
数式39に数式41を代入し、数式37と連立させると、数式42と数式43の解が得られる。
Figure 2013167455
Figure 2013167455
T2に関する数式12とT6に関する数式21とからは、数式44が得られる。
Figure 2013167455
数式44に数式37と数式40とを代入すると、数式45が得られる。
Figure 2013167455
以下、高感度で高性能な測定を実現する為に、満たされる事が望ましい各条件を如何に満たすかを示す。
好適条件としての数式7: 数式41と数式42とから数式7は数式46となる。
Figure 2013167455
好適条件としての数式10: 数式40と数式44とから数式10は数式46となる。
好適条件としての数式8: 数式8は、Vthが正なので、数式47が成り立てば、確実に満たされる。
Figure 2013167455
好適条件としての数式11: 数式11は、Vthが正なので、数式48が成り立てば、確実に満たされる。
Figure 2013167455
好適条件としての数式13と数式15: 数式13と数式15とは、数式24と数式34とで満たされる。
好適条件としての数式17: 数式17は、数式42と数式43とから、数式46となる。
好適条件としての数式19: 数式19は、数式42と数式45とから、数式49となる。
Figure 2013167455
従って、計測温度が基準温度よりも高温の時の方が低温の時よりも高精度に温度計測がなされる。その意味では、基準温度は測定対象温度範囲の下限値に設定するのが好ましい。
好適条件としての数式22: 数式24から数式22は、数式50となる。
Figure 2013167455
これに数式43を適応すると、数式22は、数式51となる。
Figure 2013167455
数式24により、これは、数式52を意味する。
Figure 2013167455
数式47と数式52とから、H1に対する好適条件は数式53となる。
Figure 2013167455
数式53の右辺を満たすべく、T1のゲート電位は準備期間PPにVddへと充電され、計測期間MPに放電させる。第一高電位H1と基準高電位Hrとが等しい時に、出力(V5−V6)がゼロになるので、第一高電位H1の左辺を満たし易くする為に、仮の基準高電位を数式53の右辺と左辺との中間を取り、数式1の様に設定する。
正電源電圧Vddを、数式54が示す様に、第三高電位H3の三倍以上に設定する事ができる。尚、数式54では数式24を配慮している。
Figure 2013167455
第一高電位H1は正電源電圧付近の値にあるので、こうすると、Vddが最も小さいH3の3倍の時でも、数式43と数式42とから、数式55が得られる。
Figure 2013167455
即ち、T1とT5、T7にはほぼ均等なドレイン領域電圧が印加され、これらのトランジスターは飽和動作する。同様にT2、T6、T7にもほぼ均等なドレイン領域電圧が掛かり、飽和動作する。Vddが3倍よりも大きくなると、T1やT5、T7に掛かるソース領域ドレイン領域電圧は更に高くなるので、差動増幅範囲は更に広がる。
纏めると、電位関係としては、Vddに関する数式54と、H3に関する数式24、H2に関する数式25、Hrに関する数式1とを満たす様にする。一例としては、Vth=1.5Vとして、δ=0.1V、γ=1Vとし、正電源電位Vdd=4.8V、第三高電位H3=1.6V、第二高電位H2=7.3V、仮の基準高電位Hr=4.05Vとする。
トランジスターサイズに関しては、数式6と数式34、数式36、数式38から数式56とする。
Figure 2013167455
この様な電位関係とトランジスターサイズとを採用する事で、高感度で正確な計測が実現する。但し、T3とT4とは、実際には列選択トランジスターと行選択トランジスターとの直列接続なので、列選択トランジスターや行選択トランジスターのZはZ3やZ4の二倍とする。即ち、T3CやT3R、T4C、T4RのZをそれぞれZ3C、Z3R、Z4C、Z4Rにて表現した時に数式57とする。
Figure 2013167455
「平面レイアウト」
図6は、本実施形態に係わる温度センサーで使用される各種回路の平面レイアウトを説明する図で、(a)は出力回路、(b)は列選択トランジスター、(c)は計測セル(i,j)である。以下、図6を参照して、これらの回路の平面レイアウトを説明する。
薄膜トランジスターの製造方法は後に詳述するが、薄膜トランジスターは半導体層SLの他に、ゲート電極を構成するゲート配線金属層GMと、ソース領域ドレイン領域に主として接続するソース領域配線金属層SMとを有する。これら三層の間には絶縁膜が設けられて、コンタクトホールで接続されぬ限り、電気的に分離されている。図6(a)に示す様に、カレントミラー対T5とT6とは平面的に隣接して形成される。即ち、T5の半導体層SLとT6の半導体層SLとは隣り合わせに配置される。両半導体層は、それらの間に別の半導体層が位置することはなく、デザインルールが許す限り、できる限り近くに配置される。ゲート電極は無論共通で、T5のゲート電極とT6のゲート電極が直線になる様に、最短距離で配置される。また、両トランジスターのソース領域はゲート配線金属層GMにて接続され、T7のドレイン領域に接続される。T5とT6との配置が近く、ゲート電極が最短距離で形成され、ソース領域コンタクトがゲート配線金属層GMにて接続される為、両トランジスターの温度はほぼ等しくなり、カレントミラー対は正確に動作する事になる。
同様に、図6(b)に示す様に、列選択トランジスター対T3CとT4Cも両トランジスターの半導体層SLを隣接させ、ゲート電極が直線になる様に配置される。これにより、両トランジスターの温度がほぼ等しくなり、列選択トランジスター対に起因する増幅誤差を最小とできる。
計測セルでは、図6(c)に示す様に、差動トランジスター対T1とT2とが隣接して配置され、両トランジスターのドレイン領域がゲート配線金属層GMにてVddに接続される。これにより、両トランジスターの温度がほぼ等しくなり、正確な差動増幅がなされる。又、行選択トランジスター対T3RとT4Rも両トランジスターの半導体層SLを隣接させ、ゲート電極が直線になる様に配置される。これにより、両トランジスターの温度がほぼ等しくなり、行選択トランジスター対に起因する増幅誤差を最小とできる。尚、本実施形態では、上述の如く、各計測セルに差動増幅回路の一部を内蔵させたが、これは必須ではない。各計測セルに差動増幅回路の一部を内蔵させると、計測セルの数が増えたり、計測セルへの配線が伸びたりしても、寄生容量に悪影響される事なく、常に正確な温度計測が実現する。その反対に、計測セルが1個や数百個程度の少ない場合など、配線容量などが問題にならなければ、計測セルは差動増幅回路の一部を内蔵させていなくても良い。即ち、計測セルは薄膜トランジスターT0とこのドレインに接続する容量素子Cpとからなっていても良い。
「断面構造」
図7は、本実施形態に係わる温度センサーで使用される薄膜トランジスターT0の断面構造を説明する図である。以下、図7を参照して、薄膜トランジスターT0の断面構造を説明する。
薄膜トランジスターT0は下地絶縁膜ULI上に形成された半導体層SLを含んでいる。半導体層SLにはソース領域Sとチャンネル形成領域Cとドレイン領域DとLDD領域Lとが形成されている。LDD領域Lはチャンネル形成領域Cとドレイン領域Dとの間に位置する。トランジスターのソースとドレインとは電位に応じて入れ替わり得るので、チャンネル形成領域Cとソース領域Sとの間にもLDD領域Lを形成しても良い。ソース領域Sとドレイン領域DとLDD領域Lとは第一導電型不純物を含む。第一導電型不純物とは半導体中でN型のドナー又はP型のアクセプターとなる原子である。尚、第二導電型不純物とは、第一導電型不純物と逆極性で、第一導電型不純物がドナーの場合、半導体中でアクセプターとなる原子である。反対に、第一導電型不純物がアクセプターの場合、第二導電型不純物はドナーとなる原子である。又、ソース領域Sとドレイン領域Dとが第一導電型不純物を主として含む場合、そのトランジスターは第一導電型で、ソース領域Sとドレイン領域Dが主として第二導電型不純物を含む場合、そのトランジスターは第二導電型である。本実施形態では、第一導電型不純物はドナーとなる燐であり、第一導電型の薄膜トランジスターT0はN型である。LDD領域Lにおける第一導電型不純物の濃度はドレイン領域Dにおける第一導電型不純物の濃度よりも低い。具体的には、半導体中における燐濃度は、ドレイン領域Dで1×1019cm―3以上であり、LDD領域Lで1×1017cm―3以上1×1019cm―3以下である。
半導体層SLはゲート絶縁膜GIで覆われ、ゲート絶縁膜GI上にゲート電極Gが形成される。半導体層SLで、ゲート電極Gと半導体層SLとが平面視にて重なる領域がチャンネル形成領域Cで、ゲート電圧Vgsに応じてN型又はP型の半導体となる。半導体層SLで、ゲート電極Gの外側領域がLDD領域Lであり、その外側にソース領域Sとドレイン領域Dとが形成される。ソース領域Sとドレイン領域Dとには、ソース配線層SMが配線される。
「温度センサーの製造方法」
温度センサー1では、柔軟性を有するプラスチックフィルムの基板2に薄膜回路を形成してあるが、ここでは温度センサー1の製造方法を述べる。具体的には、最初にガラス基板に形成された薄膜回路を剥離して、プラスチックフィルムに転写する方法で温度センサー1を製造する。
第一工程として、製造元基板となるガラス基板上に剥離層を設ける。剥離層は厚みが50nm程の水素化非晶質シリコン膜である。この剥離層上に下地絶縁膜ULIとなる酸化硅素膜を成膜した後に、薄膜トランジスターなどからなる薄膜回路を製造する。薄膜回路は、公知の低温工程多結晶シリコン薄膜トランジスターの製造方法を適応する。具体的には、下地絶縁膜ULI上にレーザー結晶化された多結晶シリコン半導体層を設け、その後に、酸化硅素膜を用いたゲート絶縁膜GIと、アルミニウム又はアルミニウムに添加物を加えた金属を用いたゲート電極(ゲート配線金属層GM)とを作成する。更に、酸化硅素膜を用いた層間絶縁層ILD、アルミニウム又はアルミニウムに添加物を加えた金属を用いたソース領域コンタクト及びドレイン領域コンタクト(ソース領域配線金属層SM)を作成する。
次に第二工程として、仮接着剤を薄膜回路表面に塗布し、製造元基板を仮転写基板に貼り付ける。仮接着剤としては、アクリル系の樹脂に水溶性を与えるべくポリビニルピロリドン樹脂を混合したものを用いる。仮転写基板は平滑なガラス基板である。
次に第三工程として、製造元基板を取り外し、薄膜回路を仮転写基板に移す。製造元基板を取り外す方法としては、製造元基板裏面からレーザー光を照射して剥離層の内部又は界面に於ける密着力を弱め、次いで製造元基板と仮転写基板とを引き剥がす。こうする事で薄膜回路は仮転写基板に移される。
次に第四工程として、薄膜回路裏面に残る剥離層を除去し、例えばイオナイザーを用いて薄膜回路裏面に存在する電荷を除去する。此により剥離帯電や乾燥時の空気との摩擦帯電を或る程度除去できる。
次に第五工程として、例えばアクリル系の樹脂からなる永久接着剤を用いてプラスチックフィルムの第一面側に薄膜回路裏面を貼り付ける。プラスチックフィルムとしては、ポリイミドなどの耐熱性の高いフィルムを用いることができる。
プラスチックフィルムを貼り付けた後、第六工程として、プラスチックフィルム第二面側(第一面側と反対の面)に一時接着剤を用いて支持基板を接着する。この一時接着剤は熱や紫外光などの刺激で容易に接着性を喪失する材料で、且つ先の仮接着剤を溶解する溶媒には溶けない材質である。
次に第七工程として、仮接着剤を溶解する溶媒(この場合には水)を用いて仮転写基板を外す。その後、仮接着剤を洗浄して除去する。
次に第八工程として、実装作業を行う。まず、実装端子にテープ配線を実装する。この際には異方性導電ペーストや異方性導電フィルムを実装端子とテープ配線との間に配置して両者を接着する。その後、熱や紫外光などの刺激を一時接着剤に加えて、支持基板を取り外す。最後にテープ配線を温度センサー1の外に設けられた外部コントローラーに接続する。こうして、温度センサー1が完成する。
尚、基板2は上述のプラスチックフィルムの他に、厚みが50マイクロメーターから500マイクロメーター程度の薄い金属箔や、厚みが10マイクロメーターから200マイクロメーター程度の薄いガラスであっても良い。これらの基板は可撓性を有するので、ロボットの皮膚と云った様なあらゆる形状に適応できるが、平面形状の用途に温度センサー1を使用する場合には、厚みが0.4mmから2mm程度のガラスを基板として使用しても良い。又、製造方法も厚いガラスに薄膜回路を形成した後にガラスを薄く削る方法や、プラスチックフィルムや金属箔に直接薄膜回路を形成する方法であっても良い。直接形成する場合には非晶質シリコン薄膜トランジスターや、亜鉛又は錫を含む酸化物を半導体層に利用した酸化物薄膜トランジスター等を利用することができる。
「比較例」
図8は、比較例であるセルフアライン構造のN型薄膜トランジスターの伝達特性が温度依存性を有する様子を示している。以下、図8の比較例を参照して、本実施形態(図2)の効果を説明する。
図8は、セルフアライン構造のN型薄膜トランジスターの伝達特性である。セルフアライン構造とはチャンネル形成領域とドレイン領域とが接する構造で、LDD領域が設けられていないトランジスターである。図8でもソースドレイン電圧は、Vds=5Vである。伝達特性は低い順に0℃から100℃まで20℃刻みで描かれている。比較例では、オフ電流のゲート電圧依存性が強い為に、閾値電圧が僅かに変動しただけでもオフ電流値は大きく異なり、正確な温度計測が困難である事が判る。例えば、計測期間MPにおけるゲート電圧(図4のRC)を−4Vとした場合、40℃では閾値電圧が0.5Vずれるとオフ電流値は4.93×10-10Aから7.97×10-10Aへとずれ、これは60℃のオフ電流に相当する。従って、比較例では閾値電圧が0.5Vずれると、計測温度は20℃もずれてしまっていた。これに対して、図2のLDD構造の薄膜トランジスターT0ならば、こうした誤検出は非常に小さくなる。例えば、LDD構造の薄膜トランジスターT0で計測期間MPにおけるゲート電圧(図4のRC)を−4Vとした場合、40℃で閾値電圧が0.5Vずれるとオフ電流値は9.28×10-13Aから9.41×10-13Aへとずれるに過ぎず、これは40℃に対して40.2℃と検出する事を意味する。即ち、閾値電圧が0.5Vずれた際に、LDD構造の薄膜トランジスターT0で、正しい温度から検出された温度へのずれは0.2℃で、これは比較例のずれの1/100である。この様に本実施形態の温度センサー1では、トランジスター特性が変動しても正確な温度を計測する事が判る。
更に、図8のセルフアライン構造のN型薄膜トランジスターに比べて、図2のLDD構造のN型薄膜トランジスターの方が、温度に対するオフ電流の依存性が強い事が判る。例えば、計測期間MPにL=Vgs=−2Vとすると、図8の比較例では0℃から100℃への温度変化の間にオフ電流は10倍程度増えるに過ぎない。これに対して、図2の本実施形態では、0℃から100℃への温度変化の間にオフ電流は1000倍以上に増える。言い換えると、LDD構造の薄膜トランジスターT0を利用した本実施形態は比較例よりも100倍以上温度に対する感度が高い事になる。オフ電流の温度に対する感度が高くなるので、計測温度分解能が向上するのである。
上述した通り、本実施形態に係わる温度センサー1によれば、以下の効果を得る事ができる。
薄膜トランジスターはマイクロメーター単位で形成できるため、空間分解能が数マイクロメーターと極めて高い温度センサーを実現できる。又、トランジスターの自己発熱の影響を受ける事なく、正確な温度計測が可能になる。更に、LDD構造の薄膜トランジスターでは、オフ電流のゲート電圧依存性が非常に弱くなるので、薄膜トランジスターの特性(閾値電圧)が或る程度変動しても、計測値は正しい値から殆どずれず、計測結果への信頼性を著しく向上させる事ができる。又、オフ電流の温度依存性が強いので、計測温度分解能を向上させる事ができる。更に、第一計測用薄膜トランジスターと第二計測用薄膜トランジスターとが異なった温度範囲を対象として温度を計測するので、広い温度範囲に渡って正確な温度計測を実現できる。
又、第一容量素子の容量と第二容量素子の容量とを変える事で、広い温度範囲に渡って正確な温度計測を実現できる。
又、C1/W01の値をC2/W02の値の8倍から50倍の範囲とする事で、第一計測用薄膜トランジスターと第一容量素子とで比較的高い温度範囲を対象として温度計測をし、第二計測用薄膜トランジスターと第二容量素子とで比較的低い温度範囲を対象として温度計測をするので、広い温度範囲に渡って正確な温度計測を行う事ができる。
又、更に、計測セルが第三計測用薄膜トランジスターと第三容量素子とを備えると、第一計測用薄膜トランジスターと第二計測用薄膜トランジスターと第三計測用薄膜トランジスターとが、それぞれ異なった温度範囲を対象として温度を計測するので、極めて広い温度範囲に渡って正確な温度計測を実現できる。
又、更に、第一容量素子の容量と、第二容量素子の容量と、第三容量素子の容量と、がそれぞれ異なっているので、それぞれが異なった温度範囲を対象として温度を計測する事が可能になり、極めて広い温度範囲に渡って正確な温度計測を実現できる。
又、C1/W01の値をC2/W02の値の8倍から50倍の範囲とし、C2/W02の値をC3/W03の値のほぼ8倍から50倍の範囲できるので、第一計測用薄膜トランジスターと第一容量素子とで比較的高い温度範囲を対象として温度計測をし、第三計測用薄膜トランジスターと第三容量素子とで比較的低い温度範囲を対象として温度計測をし、第二計測用薄膜トランジスターと第二容量素子とで中間の温度範囲を対象として温度計測を行い、著しく広い温度範囲に渡って正確な温度計測を行う事ができる。
又、計測セルを第一の方向に複数個配置して、個別に選択するので、第一の方向に関する温度の空間分布を計測できる。従って、温度が第一の方向に沿って異なっていても、正確に温度を計測できる。
又、計測セルを第二の方向に複数個配置して、個別に選択するので、第二の方向に関する温度の空間分布を計測できる。従って、温度が第二の方向に沿って異なっていても、正確に温度を計測できる。
又、各計測セルに差動トランジスター対が設けられているので、面状の温度センサーが大面積となっても、高精細になっても、高精度に温度を計測する事ができる。又、温度の計測期間と計測結果の出力期間とを分ける事ができるので、計測時に薄膜トランジスターが自己発熱することなく、正確な温度測定が実現する。
尚、本発明は上述した実施形態に限定されず、上述した実施形態に種々の変更や改良などを加える事が可能である。変形例を以下に述べる。
(変形例1)
「回路がPMOSにて形成されている形態」
図9は、変形例1に係わる温度センサーの回路を説明する図である。以下、本変形例に係わる温度センサーについて説明する。尚、実施形態1と同一の構成部位については、同一の番号を附し、重複する説明は省略する。
本変形例(図9)は実施形態1(図3)と比べて、温度センサー1の回路を構成する薄膜トランジスターの伝導型が異なっている。それ以外の構成は、実施形態1とほぼ同様である。
実施形態1ではN型の薄膜トランジスターを用いて温度センサー1の回路(計測回路3と出力回路4、及び第二処理回路62の列選択トランジスター)を構成していたが、本変形例ではP型の薄膜トランジスターT1からT7を用いてこれらの回路を構成する。この場合、第一電源が負電源Vssとなり、第二電源が正電源Vddとなる。又、P型薄膜トランジスターのソース領域ドレイン領域は電位の高い方がソース領域となり、電位の低い方がドレイン領域になる。図9には参考の為にソース領域とドレイン領域とをsとdとで示してある。P型薄膜トランジスターとしては、半導体層にポリ(9,9−ジオクチルフルオレン−コージチオフェン)(F8T2)や、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)(P3HT)、ポリ[5,5’−ビス(3−ドデシル−2チニル)−2,2’−ビチオフェン](PQT−12)、PBTTT、ペンタセン等の有機物を使用した有機物薄膜トランジスターを使用することができる。
トランジスターサイズに関しては、実施形態1と同じである。駆動方法は実施形態1の図4と同じだが、非選択期間の電位をVddとし、選択期間の各種高電位H2やH3、HrをVddに対して負の絶対値が大きくなる様に変える。又、低電位Lは正電源電位Vddよりも高い電位で、薄膜トランジスターT0のチャンネル形成領域の一部にはN型チャンネルが形成される電位である。尚、P型薄膜トランジスターの閾値電圧VthPは負である。具体的には、Vddに関する数式54は数式58へと変えられる。
Figure 2013167455
又、H3に関する数式24は数式59へと変えられる。
Figure 2013167455
又、H2に関する数式25は数式60へと変えられる。
Figure 2013167455
又、Hrに関する数式1は数式61へと変えられる。
Figure 2013167455
従って、例えば、VthP=−1.5Vとして、δP=−0.1V、γP=−1V、Vss=0Vとし、Vdd=4.8V、H3=3.2V、H2=−2.5V、Hr=0.75V、L=10.8Vとする。ここでのH2様に、負電圧を準備するのが困難な場合、総ての電位が正になる様にVddとVssを一定量ずらしても良い。例えば、Vddに関する数式58を数式62へと変える。
Figure 2013167455
これに応じて、Vssを数式63へと変える。
Figure 2013167455
上記例では全体が2.5Vずれて、Vdd=7.3V、Vss=2.5V、H3=5.7V、H2=0V、Hr=3.25V、L=13.3Vとなる。
上述した通り、本変形例に係わる温度センサー1によれば、N型の薄膜トランジスターを使用せずに、P型の薄膜トランジスターで温度センサー1を実現できる。
尚、上記の例では計測回路3と出力回路4、及び第二処理回路62の列選択トランジスターを総てP型の薄膜トランジスターで形成したが、これ以外にもこれらの回路の一部をP型とし、他の部分をN型としても良い。例えば出力回路4をP型薄膜トランジスターで形成し、計測回路3をN型薄膜トランジスターで形成しても良い。更には、差動トランジスター対(T1とT2との対)や、行選択トランジスター対(T3RとT4Rとの対)、列選択トランジスター対(T3CとT4Cとの対)、カレントミラー対(T5とT6との対)と云った各対の内部で対をなす薄膜トランジスターが同一伝導型で有れば、対間では薄膜トランジスターの伝導型が異なっていても構わない。
(変形例2)
「T0がオフセット構造の形態」
図7を用いて説明する。尚、実施形態1と同一の構成部位については、同一の番号を附し、重複する説明は省略する。実施形態1では、薄膜トランジスターT0として、LDD構造が採用されていたが、これ以外に本変形例が示す様に、オフセット構造としても良い。即ち、薄膜トランジスターT0は半導体層SLを有し、半導体層SLにはチャンネル形成領域Cとソース領域Sとドレイン領域Dとオフセット領域OSとが形成され、オフセット領域OSはチャンネル形成領域Cとドレイン領域Dとの間に位置する。オフセット領域OSは更にチャンネル形成領域Cとソース領域Sとの間にも設けても良い。要するに図7にてLDD領域Lとした領域をオフセット領域OSとしても良い。この場合、ドレイン領域Dは第一導電型不純物を含み、オフセット領域OSにおける半導体純度は、チャンネル形成領域Cにおける半導体純度にほぼ等しい。半導体純度とは、半導体原子数と第一導電型不純物原子数と第二導電型不純物原子数との和に対する半導体原子数の比である。従って、チャンネル形成領域Cが真性の場合には、オフセット領域OSも真性である。又、チャンネル形成領域Cが第一導電型不純物や第二導電型不純物を含んでいる場合には、オフセット領域OSも第一導電型不純物や第二導電型不純物を含んでおり、これらの不純物濃度はチャンネル形成領域Cとオフセット領域OSとでほぼ等しい。容量素子Cpの一つの電極はドレイン領域Dに接続される。チャンネル形成領域Cとオフセット領域OSとを真性半導体として、第一導電型不純物の濃度も第二導電型不純物の濃度もほぼゼロ(即ち、半導体純度をほぼ100%)としても良い。尚、第一導電型不純物や第二導電型不純物の濃度がほぼゼロとは、第一導電型不純物や第二導電型不純物の原子密度(単位体積当たりの原子数)が1×1018cm-3程度以下になっている事を意味する。シリコンの原子密度が5.0×1022cm-3で、ゲルマニウムの原子密度が4.4×1022cm-3で、ガリウム砒素の原子密度が4.4×1022cm-3であるので、第一導電型不純物や第二導電型不純物の濃度がほぼゼロとは、厳密には第一導電型不純物や第二導電型不純物の濃度が23×10-6(23ppm)以下の状態を意味する。従って、同様に、半導体純度がほぼ100%とは、厳密には、半導体純度が99.9977%程度以上の状態を意味する。
本変形例によると、上述の実施形態の効果に加え、オフセット領域OSはチャンネル形成領域Cと同じ工程で作成されるので、余分な製造工程が増えずに容易に温度センサーを製造する事ができる。
(変形例3)
「T0が下ゲート構造の形態」
図10は、変形例3に係わる薄膜トランジスターT0の断面構造を説明する図である。以下、本変形例に係わる温度センサー1にて使用されている薄膜トランジスターT0の断面構造について説明する。尚、実施形態1と同一の構成部位については、同一の番号を附し、重複する説明は省略する。
本変形例(図10)は実施形態1(図7)と比べて、温度センサー1にて使用されている薄膜トランジスターT0の断面構造が異なっている。それ以外の構成は、実施形態1とほぼ同様である。
実施形態1(図7)では上ゲート型の薄膜トランジスターT0を用いて温度センサー1が構成されていたが、本変形例(図9)では下ゲート型の薄膜トランジスターT0を用いて温度センサー1が構成される。薄膜トランジスターT0では、下地絶縁膜ULI上にゲート電極Gが形成され、ゲート電極Gをゲート絶縁膜GIが覆っている。ゲート絶縁膜GIの上には真性半導体層SLが形成されている。半導体層SLには、ソース領域Sとチャンネル形成領域Cとドレイン領域Dとオフセット領域OSとが形成されている。オフセット領域OSはチャンネル形成領域Cとドレイン領域Dとの間に位置する。トランジスターのソースとドレインとは電位に応じて入れ替わり得るので、チャンネル形成領域Cとソース領域Sとの間にもオフセット領域OSを形成しても良い。ソース領域Sとドレイン領域Dとは第一導電型不純物を含む。本変形例では、第一導電型不純物は半導体中でドナーとなる燐であり、第一導電型の薄膜トランジスターT0はN型である。又、チャンネル形成領域Cに含まれる第一導電型不純物や第二導電型不純物の濃度は、オフセット領域OSに含まれる第一導電型不純物や第二導電型不純物の濃度に等しい。本変形例ではチャンネル形成領域Cもオフセット領域OSも真性で、第一導電型不純物の濃度も第二導電型不純物の濃度もほぼゼロである。
実施形態1と同様に、半導体層SLで、ゲート電極Gと半導体層SLとが平面視にて重なる領域がチャンネル形成領域Cで、チャンネル形成領域Cはゲート電圧Vgsに応じてN型又はP型の半導体となる。半導体層SLで、ゲート電極Gの外側領域がオフセット領域OSであり、その外側にソース領域Sとドレイン領域Dとが形成される。ソース領域Sとドレイン領域Dとには、ソース配線層SMが配線される。
温度センサーの製造方法は、実施形態1と同様に最初にガラス基板に形成された薄膜回路を剥離して、プラスチックフィルムに転写する方法で温度センサー1を製造しても良いし、直接プラスチックフィルムに薄膜回路を形成しても良い。本変形例では、転写法を用い、第一工程のみが実施形態1と変わる事になる。
第一工程として、製造元基板となるガラス基板上に剥離層を設ける。剥離層は厚みが50nm程の水素化非晶質シリコン膜である。この剥離層上に下地絶縁膜ULIとなる酸化硅素膜を成膜した後に、薄膜トランジスターなどからなる薄膜回路を製造する。薄膜回路は、公知の非晶質シリコン薄膜トランジスターの製造方法を適応する。具体的には、下地絶縁膜ULI上にタンタルやタングステンなどの金属を用いてゲート電極G(ゲート配線金属層GM)を作成する。次いで、窒化硅素膜を用いたゲート絶縁膜GIと、真性の非晶質シリコン膜(半導体層SL)と、エッチングストッパーESとなる窒化硅素膜とをプラズマ化学気相堆積法を用いて、連続成膜する。その後、エッチングストッパーESをゲート電極Gよりも幅を広くして加工する。半導体層SLでエッチングストッパーESと平面視で重なり、ゲート電極Gと重ならない部位がオフセット領域OSとなる。次いで、燐を高濃度に添加された半導体膜を堆積して、ソース領域Sとドレイン領域Dとを形成する。この際に半導体層SLも一緒に所定の形状に加工される。最後にアルミニウム又はアルミニウムに添加物を加えた金属を用いたソース領域コンタクト及びドレイン領域コンタクト(ソース領域配線金属層SM)を作成する。これ以降の工程は実施形態1と同様である。尚、本変形例でもオフセット領域OSの代わりにLDD領域を採用しても良い。
本変形例によると、上述の実施形態の効果に加え、非晶質シリコン薄膜トランジスターを用いて温度センサー1が作成されるので、安価で容易に温度センサーを製造する事ができる。
(電気光学装置)
「温度センサーを電気光学装置に備えた形態」
電気光学装置は、上述の実施形態或いは変形例に記載の温度センサー1を備えている。電気光学装置とは電気信号に応じて表示を変え得る電子機器であり、具体的には液晶表示装置や有機EL表示装置、電気泳動表示装置などである。これらの電気光学装置は薄膜トランジスターを用いた回路基板を有し、電気光学装置の性能は、多くの場合、温度依存性を示す。まず、薄膜トランジスターその物が、上述の如く温度依存性を示すので、回路基板の動作も温度依存性を示す事になる。更に、液晶表示装置では液晶の粘度が温度依存性を示し、有機EL表示装置では発光層におけるエキシトンの寿命が温度依存性を示し、電気泳動表示装置では電気泳動材料の泳動性が温度依存性を示す。即ち、電気光学装置で使用される液晶材料や有機EL材料、電気泳動材料などの電気光学材料が温度依存性を示し、これらを制御する回路基板も温度依存性を示している。こうした事から、電気光学装置の性能は、温度依存性を示す事になる。
その一方で、電気光学装置の温度は大きく変わり得る。例えば、液晶プロジェクターに使用される液晶表示装置では、光源から強い光が液晶表示装置に照射されるので、液晶プロジェクターを使用し始めた直後と暫く使用してからとでは、液晶表示装置の温度は大きく異なる。同様に、有機EL表示装置では、電流駆動である為に発熱は避けられず、矢張り、有機EL表示装置を使用し始めた直後と暫く使用してからとでは、有機EL表示装置の温度は異なって来る。又、電気泳動表示装置は携帯用電子書籍として使用される場合が多いので、使用環境は−20℃の低温から、夏に車中で放置された際の80℃へと大きく変化する。
この様に温度依存性を示す電気光学装置の温度は、使用状況に応じて大きく異なるので、電気光学装置の使用時に温度を計測し、その温度に適する様に電気光学装置を駆動する事が好ましい。こうする事で、いかなる温度状態であっても、電気光学装置の性能を可能な範囲で最大に発揮させる事ができるからである。又、これらの電気光学装置は薄膜トランジスターを構成要件とする回路基板を有している。従って、電気光学装置の回路基板を製造する際に温度センサー1も一緒にその回路基板に作り込む。具体的には、複数の画素からなる表示領域の外側に、計測セルを少なくとも一つ配置する。例えば、表示領域の外周に設けられるダミー画素の一部を計測セルで置き換える。こうすると電気光学装置の外部に温度計を別途設置する場合に比べて、電気光学装置その物を直接温度計測できる事になり、電気光学装置の温度を極めて正確に計測できる。又、表示領域をなす画素と計測セルとを同じ工程で製造できるので、新たな製造工程を付加する必要もなくなる。
この様な電気光学装置によると、電気光学装置を使用しながらその温度を直接計測できるので、温度に応じた制御ができ、その結果、電気光学装置は優れた表示性能を示す事になる。又、その為に、新たな製造工程を付加する必要もなく、電気光学装置の外部に別途温度計を設置する必要もなくなり、経済合理的であると共に外観上や取り扱い上の自由度が増すとの効果が得られる。
1…温度センサー、2…基板、3…計測回路、4…出力回路、51…第一選択回路、52…第一処理回路、61…第二選択回路、62…第二処理回路。

Claims (10)

  1. 温度を計測する計測セルを含む温度センサーであって、
    前記計測セルは、薄膜トランジスターと容量素子とを少なくとも備え、
    前記薄膜トランジスターは半導体層を有し、前記半導体層にはチャンネル形成領域とソース領域とドレイン領域とライトリードープトドレイン領域とが形成され、
    前記ライトリードープトドレイン領域は前記チャンネル形成領域と前記ドレイン領域との間に位置し、
    前記ドレイン領域と前記ライトリードープトドレイン領域とは第一導電型不純物を含み、
    前記ライトリードープトドレイン領域における前記第一導電型不純物の濃度は、前記ドレイン領域における前記第一導電型不純物の濃度よりも低く、
    前記容量素子は前記ドレイン領域に接続される事を特徴とする温度センサー。
  2. 温度を計測する計測セルを含む温度センサーであって、
    前記計測セルは、薄膜トランジスターと容量素子とを少なくとも備え、
    前記薄膜トランジスターは半導体層を有し、前記半導体層にはチャンネル形成領域とソース領域とドレイン領域とオフセット領域とが形成され、
    前記オフセット領域は前記チャンネル形成領域と前記ドレイン領域との間に位置し、
    前記ドレイン領域は第一導電型不純物を含み、
    前記オフセット領域における半導体純度は、前記チャンネル形成領域における半導体純度と同程度で、
    前記容量素子は前記ドレイン領域に接続される事を特徴とする温度センサー。
  3. 前記チャンネル形成領域における半導体純度はほぼ100%である事を特徴とする請求項2に記載の温度センサー。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の温度センサーを用いた温度計測方法であって、
    準備期間と計測期間とを含み、
    前記準備期間には、前記チャンネル形成領域の少なくとも一部は第一導電型とされ、
    前記計測期間には、前記チャンネル形成領域の少なくとも一部は第二導電型とされる事を特徴とする温度計測方法。
  5. 温度を計測する計測セルを含む温度センサーであって、
    前記計測セルは、第一計測用薄膜トランジスターと第一容量素子と、第二計測用薄膜トランジスターと第二容量素子と、を少なくとも備え、
    前記第一計測用薄膜トランジスターと前記第二計測用薄膜トランジスターとは半導体層を有し、前記半導体層にはチャンネル形成領域とソース領域とドレイン領域とライトリードープトドレイン領域とが形成され、
    前記ライトリードープトドレイン領域は前記チャンネル形成領域と前記ドレイン領域との間に位置し、
    前記ドレイン領域と前記ライトリードープトドレイン領域とは第一導電型不純物を含み、
    前記ライトリードープトドレイン領域における前記第一導電型不純物の濃度は、前記ドレイン領域における前記第一導電型不純物の濃度よりも低く、
    前記第一容量素子は前記第一計測用薄膜トランジスターの前記ドレイン領域に接続され、
    前記第二容量素子は前記第二計測用薄膜トランジスターの前記ドレイン領域に接続され、
    前記第一計測用薄膜トランジスターの幅と前記第二計測用薄膜トランジスターの幅とが異なるか、又は、前記第一容量素子の容量と前記第二容量素子の容量とが異なる事を特徴とする温度センサー。
  6. 温度を計測する計測セルを含む温度センサーであって、
    前記計測セルは、第一計測用薄膜トランジスターと第一容量素子と、第二計測用薄膜トランジスターと第二容量素子と、を少なくとも備え、
    前記第一計測用薄膜トランジスターと前記第二計測用薄膜トランジスターとは半導体層を有し、前記半導体層にはチャンネル形成領域とソース領域とドレイン領域とオフセット領域とが形成され、
    前記オフセット領域は前記チャンネル形成領域と前記ドレイン領域との間に位置し、
    前記ドレイン領域は第一導電型不純物を含み、
    前記オフセット領域における半導体純度は、前記チャンネル形成領域における半導体純度と同程度で、
    前記第一容量素子は前記第一計測用薄膜トランジスターの前記ドレイン領域に接続され、
    前記第二容量素子は前記第二計測用薄膜トランジスターの前記ドレイン領域に接続され、
    前記第一計測用薄膜トランジスターの幅と前記第二計測用薄膜トランジスターの幅とが異なるか、又は、前記第一容量素子の容量と前記第二容量素子の容量とが異なる事を特徴とする温度センサー。
  7. 前記チャンネル形成領域における半導体純度はほぼ100%である事を特徴とする請求項6に記載の温度センサー。
  8. 前記第一計測用薄膜トランジスターの幅をW01とし、前記第一容量素子の容量をC1とし、前記第二計測用薄膜トランジスターの幅をW02とし、前記第二容量素子の容量をC2とした際に、C1/W01の値がC2/W02の値の8倍から50倍の範囲にある事を特徴とする請求項5乃至7のいずれか一項に記載の温度センサー。
  9. 請求項5乃至8のいずれか一項に記載の温度センサーを用いた温度計測方法であって、
    準備期間と計測期間とを含み、
    前記準備期間には、前記第一計測用薄膜トランジスターのチャンネル形成領域の少なくとも一部と、前記第二計測用薄膜トランジスターのチャンネル形成領域の少なくとも一部とは、第一導電型とされ、
    前記計測期間には、前記第一計測用薄膜トランジスターのチャンネル形成領域の少なくとも一部と、前記第二計測用薄膜トランジスターのチャンネル形成領域の少なくとも一部とは、第二導電型とされる事を特徴とする温度計測方法。
  10. 請求項1乃至3のいずれか一項、又は請求項5乃至8のいずれか一項、に記載の温度センサーを備えた事を特徴とする電気光学装置。
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