JP2011095087A - 温度センサ及び温度検出方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】トランジスタ2と、このトランジスタ2に接続された容量素子3と、を含む温度センサ1である。トランジスタ2のオフ電流によって容量素子3に充電された電荷が放電した後、容量素子3に残った電荷量あるいはその電荷量に基づく電圧に基づき、温度を検出する。
【選択図】図2
Description
近年では、このようなTFTを、温度センサとして用いることが提案されている(例えば、特許文献1〜特許文献7参照)。
ただし、前記の技術は、主に表示装置の温度特性を補償するための温度センサを開示するもので、TFTによる温度センサを表示装置の基板に集積化することは記載されているものの、TFTを用いた単一の温度センサのみについてしか記載されていない。
前記特許文献におけるTFTによる温度センサと、抵抗体による温度センサをマトリクス状に配置するとともに、TFTによるアクティブマトリクス回路を備えて構成された温度センサとを、普通に組み合わせれば、抵抗体をTFTに置き換えた画素回路となり、例えば特許文献4の図2(a)や図2(c)に示されるように、2個のTFTによる画素回路となる。このような2個のTFTによる画素回路では、TFTに適した温度センサの設計・駆動と、アクティブマトリクスのTFTに適した設計・駆動とが、それぞれ可能になる。
・温度測定のときには定常電流がTFTを流れるため、TFTの自己発熱によって測定誤差が生じる。
・同じく、温度測定のときには定常電流がTFTを流れるため、低消費電力化が難しい。
・信号配線には、走査選択している当該画素の温度センサの電流だけでなく、他の多数の走査選択していない非当該画素のリーク電流も流れるため、測定誤差が生じる。
・TFTが導通モードで破壊すると、当該信号配線に接続する全画素の温度測定が不可能となる。
・2個のTFTによる画素回路では、温度センサのTFTだけでなく、アクティブマトリクスのTFTも温度特性を持つので、温度測定に誤差が生じる。
・同じく、2個のTFTによる画素回路では、画素回路・配線が少し複雑になり、高解像度化や良品率向上に悪影響を与える。
・最終的には信号は電位として測定されることが多いので、電流−電位変換回路が必要となる。
トランジスタのオフ電流は温度に依存する。また、容量素子に充電された電荷は、トランジスタがオフのとき、このトランジスタのオフ電流の大きさに応じて放電する。したがって、この温度センサによれば、1個のTFTを用い、前記容量素子の電荷量、あるいはこの電荷量に基づく電圧に基づき、温度を検出することが可能になる。よって、従来のように基本的に電流を測定する場合に比べて、検出精度が高まる。
このようにすれば、容量素子に残った電荷量を、例えば電位(電圧)を読み出すことで測定するため、前述したように電流を測定する場合に比べ、自己発熱等による測定誤差が少なくなり、検出精度が高まる。
このようにすれば、種々の基板に対してその大きな面積に、低温でしかも低コストで作製できるという薄膜トランジスタの特長を活かして、例えばこの薄膜トランジスタやこれに接続される容量素子をマトリクス状に配置することにより、2次元的なエリアの温度検出が可能になる。
このようにすれば、例えば非晶質のシリコンからなるものに比べて結晶性が良好になるため、温度に対するオフ電流値の感度が良好になる。
このようにすれば、2次元的なエリアの温度検出が可能になることにより、エリア内の温度分布なども容易に検出可能になる。
この温度検出方法によれば、容量素子に残った電荷量を、例えば電位(電圧)を読み出すことで測定するため、前述したように電流を測定する場合に比べ、自己発熱等による測定誤差が少なくなり、検出精度が高まる。
このようにすれば、前述したように薄膜トランジスタの特長を活かして、例えばこの薄膜トランジスタやこれに接続される容量素子をマトリクス状に配置して用いることにより、2次元的なエリアの温度検出が可能になる。
このようにすれば、例えば非晶質のシリコンからなるものに比べて結晶性が良好になるため、温度に対するオフ電流値の感度が良好になる。
このようにすれば、2次元的なエリアの温度検出が可能になることにより、エリア内の温度分布なども容易に検出可能になる。
電荷を充電した前記容量素子をその状態に維持するホールド期間と、
前記ホールド期間後に前記容量素子に保持されている電荷量を検出するデテクト期間と、を備え、
前記ホード期間のホールド時間を可変にすることにより、検出する温度範囲を可変にするのが好ましい。
このようにすれば、ホールド時間を可変にすることによって検出する温度範囲が可変になるため、所望の範囲の温度測定を容易に行うことができる。
前記トランジスタをオフ電位にして、電荷を充電した前記容量素子をその状態に維持するホールド期間と、
前記ホールド期間後に前記容量素子に保持されている電荷量を検出するデテクト期間と、を備え、
前記ホード期間における前記トランジスタのオフ電位を可変にすることにより、検出する温度範囲を可変にすることを特徴とする請求項6〜9のいずれか一項に記載の温度検出方法。
このようにすれば、オフ電位を可変にすることによって検出する温度範囲が可変になるため、所望の範囲の温度測定を容易に行うことができる。
前記基板としては、樹脂等からなるフレキシブル基板(可撓性基板)や、ガラス、石英、セラミックス、金属等からなる基板が用いられ、これの上に設けられた半導体層としては、主にシリコンが用いられる。また、半導体基板としては、主にシリコン基板が用いられる。
トランジスタ2は、前記ポリシリコン層にチャネル領域及びソース/ドレイン領域を形成し、その上に、アルミニウム等の金属などによってゲート電極等の配線を形成した、公知の構成の薄膜トランジスタ(TFT)からなるものである。
なお、前記トランジスタ2や容量素子3、さらには各種配線上には、これらを覆って絶縁膜(図示せず)が設けられており、さらに、必要に応じて絶縁膜上に、平坦化膜や保護膜等が設けられている。
図3は、薄膜トランジスタのIgs−Vgs特性の温度依存性を示すグラフである。図3に示すように薄膜トランジスタは、その構成に基づいて固有の温度特性を有する。特に、Vgs<0[V]のオフ領域においては、対数グラフでのダイナミックレンジが大きくなり、したがって縦軸に示すオフ電流の、温度依存性(温度特性)が顕著になる。そこで、本発明はこの薄膜トランジスタ(トランジスタ)の温度依存性(温度特性)を利用することにより、温度を検出するようにしている。
続いてホールド期間では、走査配線5にトランジスタ2をオフにする電位(オフ電位)を印加する。すると、トランジスタ2ではオフ電流(リーク電流)が生じることにより、容量素子3の電荷量が減少する。
そこで、デテクト期間では再びトランジスタ2をオンにする電位を印加し、容量素子3の電位(V1〜V4)を読み出す。すると、読み出した電位は、前記のホールド期間におけるオフ電流(リーク電流)によって、前記設定容量V0より低下した値となる。
すなわち、前記の温度センサ1を、目的とする被温度検出部に接触させ、あるいはその近傍に配置し、その状態で前記のリセット期間、ホールド期間、デテクト期間についてそれぞれに対応した操作を順次行うことにより、被温度検出部の温度を検出することができる。
ここで、図5、図6に示した動作波形は、W/L(チャネル幅/チャネル長)=4.5/50μmの薄膜トランジスタと、保持容量が100pFの容量素子と、からなる温度センサについてのものである。
このように構成することにより、検出する温度範囲が可変になるため、所望の範囲の温度測定を容易に行うことができる。
このように構成することにより、検出する温度範囲が可変になるため、所望の範囲の温度測定を容易に行うことができる。
なお、前記ホード期間のホールド時間と、前記ホード期間における前記トランジスタのオフ電位とを共に可変にすれば、検出する温度をより広い範囲に亘って可変にすることができ、したがって所望の範囲の温度測定をより容易に行うことができる。
すなわち、この温度エリアセンサ10では個々の温度センサ1、1間のピッチを、例えば数十μm〜数百μm程度に配置することができる。これは、人間(生物)の皮膚における痛点のピッチとほぼ等しく、したがってこの温度エリアセンサ10は、特に接触式の温度センサとした場合に、人間(生物)に近い感度でのセンサリングが可能になる。
・温度測定のときも、容量素子3の充放電電流という小電流が流れるだけであるので、自己発熱がほとんどなく、したがって測定誤差がほとんど生じないことにより、検出精度を高めることができる。
・同じく、小電流が流れるだけであるので、低消費電力化が容易になる。
・容量素子3は絶縁性が良好になるので、信号配線4には、走査選択していない他の多数の温度センサ1からのリーク電流がないため、測定誤差が生じない。
・TFT(トランジスタ2)が導通モードで破壊しても、容量素子3は絶縁性が良好なため、当該信号配線4に接続する他の温度センサ1による温度測定は可能なままになる。
・1個のTFT(トランジスタ2)を用いた回路であるので、2個のTFTによる回路で生じていた、温度測定の誤差が生じない。
・同じく、2個のTFTによる回路よりも、良品率向上が可能である。
・容量素子3の容量をその電位で測定するため、電流−電位変化回路が不要になる。
例えば、前記の温度センサ1やこれをマトリクス状に配置した温度エリアセンサ10にあっては、温度測定の対象を生体とし、その温度分布の測定に用いることもできる。
また、図2に示した温度センサ1においては、容量素子3と配線寄生容量とのかねあい、あるいは、出力電圧の要求精度により、必要に応じてセンサ1内に増幅器を設けることもできる。
さらに、トランジスタとしては、ポリシリコンからなる薄膜トランジスタに代えて、有機薄膜トランジスタや、単結晶シリコン基板に作製したトランジスタを用いることもできる。
Claims (11)
- トランジスタと、前記トランジスタに接続された容量素子と、を含むことを特徴とする温度センサ。
- 前記トランジスタのオフ電流によって前記容量素子に充電された電荷が放電した後、該容量素子に残った電荷量あるいはその電荷量に基づく電圧に基づき、温度を検出することを特徴とする請求項1記載の温度センサ。
- 前記トランジスタが、薄膜トランジスタであることを特徴とする請求項1又は2に記載の温度センサ。
- 前記薄膜トランジスタが、ポリシリコンからなることを特徴とする請求項3記載の温度センサ。
- 請求項1〜4のいずれか一項に記載の温度センサを、マトリクス状に配置してエリア温度を検出可能にしたことを特徴とする温度センサ。
- トランジスタと、前記トランジスタに接続された容量素子と、を用い、
前記トランジスタのオフ電流によって前記容量素子に充電された電荷が放電した後、該容量素子に残った電荷量あるいはその電荷量に基づく電圧に基づき、温度を検出することを特徴とする温度検出方法。 - 前記トランジスタとして、薄膜トランジスタを用いることを特徴とする請求項6に記載の温度検出方法。
- 前記薄膜トランジスタとして、ポリシリコンからなるものを用いることを特徴とする請求項7記載の温度検出方法。
- 前記トランジスタと該トランジスタに接続された容量素子とをマトリクス状に配置して、エリア温度を検出することを特徴とする請求項6〜8のいずれか一項に記載の温度検出方法。
- 前記容量素子に電荷を充電するリセット期間と、
電荷を充電した前記容量素子をその状態に維持するホールド期間と、
前記ホールド期間後に前記容量素子に保持されている電荷量を検出するデテクト期間と、を備え、
前記ホード期間のホールド時間を可変にすることにより、検出する温度範囲を可変にすることを特徴とする請求項6〜9のいずれか一項に記載の温度検出方法。 - 前記容量素子に電荷を充電するリセット期間と、
前記トランジスタをオフ電位にして、電荷を充電した前記容量素子をその状態に維持するホールド期間と、
前記ホールド期間後に前記容量素子に保持されている電荷量を検出するデテクト期間と、を備え、
前記ホード期間における前記トランジスタのオフ電位を可変にすることにより、検出する温度範囲を可変にすることを特徴とする請求項6〜9のいずれか一項に記載の温度検出方法。
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Shrivastava et al. | Temperature Detection System Using Oxide TFTs on a Flexible Substrate |
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