JP5777146B2 - 温度センサー - Google Patents

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Description

本発明は、物体表面の温度を計測する温度センサーに関する。
従来の面状温度センサーは、例えば特許文献1に記載されている様に、計測セルが行列状に配置され、各計測セル内では薄膜トランジスターと抵抗体とが直列接続されていた。抵抗体の電気抵抗は温度依存性を持つので、これを利用して温度が計測された。具体的には、計測の際に、薄膜トランジスターをオン状態とした上で、抵抗体に電流を通し、その電流値(抵抗体の電気抵抗)の変化を計測して、各計測セルの温度を計測していた。
特開2006−170642号公報
しかしながら、従来の面状温度センサーは、計測それ自体が温度変動を招き、計測結果に信頼感を抱けないという課題があった。即ち、電気抵抗を測定する抵抗体と薄膜トランジスターとが直接結ばれており、しかも薄膜トランジスターをオン状態として計測する為に、薄膜トランジスターの自己発熱が抵抗体の温度を上げ、正確な温度計測の妨げとなっていた。加えて、従来の面状温度センサーは大型化と高精細化に伴い、計測分解能が著しく低下するという課題があった。抵抗体と薄膜トランジスターと電流計への配線とが総て直列に接続されている為に、全体の電気抵抗に対する抵抗体の割合は、大型化や高精細化が進むに従い、低くなる。こうなると、抵抗体の電気抵抗が僅かに変わっただけでは、全体の電気抵抗は殆ど変わらなくなるので、僅かな温度変化を検出できなかった。この様に、従来の面状温度センサーは、計測結果に信頼感を抱けず、計測分解能も低いという課題があった。換言すれば、高性能で実用的な面状温度センサーが存在しない、という課題があった。
本発明は、上記課題の少なくとも一部を解決する為になされたものであり、以下の形態又は適用例として実現する事が可能である。
(適用例1) 本適用例に係わる温度センサーは、温度を計測する計測セルは計測用薄膜トランジスターと第一薄膜トランジスターと第二薄膜トランジスターとを備え、第一薄膜トランジスターと第二薄膜トランジスターとは差動トランジスター対をなし、第一薄膜トランジスターのゲートは計測用薄膜トランジスターのソース又はドレインの一方に接続される事を特徴とする。
薄膜トランジスターはマイクロメーター単位で形成できるため、この構成によれば、空間分解能が数マイクロメーターと極めて高い温度センサーを実現できる。加えて、各計測セルに差動トランジスター対が設けられている為に、面状の温度センサーが大面積となっても、高精細になっても、高精度に温度を計測する事ができる。又、この構成によれば、温度の計測期間と計測結果の出力期間とを分ける事ができるので、計測時に薄膜トランジスターが自己発熱することなく、正確な温度測定が実現する。換言すれば、高性能で実用的な面状温度センサーを実現できる。
(適用例2) 上記適用例に係わる温度センサーにおいて、更に、第一の方向に沿って配置され、計測セルを選択する第一選択回路を備え、計測セルは第一の方向に沿って複数個配置される事が好ましい。
この構成によれば、計測セルを第一の方向に複数個配置して、個別に選択するので、第一の方向に関する温度の空間分布を計測できる。従って、温度が第一の方向に沿って異なっていても、温度を場所の関数として定量的に正確に計測できる。
(適用例3) 上記適用例に係わる温度センサーにおいて、更に、第一の方向と交差する第二の方向に沿って配置され、計測セルを選択する第二選択回路を備え、計測セルは第二の方向に沿って複数個配置される事が好ましい。
この構成によれば、計測セルを第二の方向に複数個配置して、個別に選択するので、第二の方向に関する温度の空間分布を計測できる。従って、温度が第二の方向に沿って異なっていても、温度を場所の関数として定量的に正確に計測できる。
(適用例4) 上記適用例に係わる温度センサーにおいて、更に第三薄膜トランジスターと第四薄膜トランジスターとを備え、第三薄膜トランジスターは第一薄膜トランジスターに接続され、第四薄膜トランジスターは第二薄膜トランジスターに接続され、第三薄膜トランジスターと第四薄膜トランジスターとは、第一選択回路及び第二選択回路にて制御される事が好ましい。
この構成によれば、第三薄膜トランジスターと第四薄膜トランジスターとが第一の方向及び第二の方向での選択回路の一部として機能するので、第一の方向及び第二の方向に於ける温度の情報が干渉する事を防げる。
(適用例5) 上記適用例に係わる温度センサーにおいて、更に第五薄膜トランジスターと第六薄膜トランジスターとを備え、第五薄膜トランジスターと第六薄膜トランジスターとはカレントミラー対をなし、第一薄膜トランジスターと第五薄膜トランジスターとの間に第三薄膜トランジスターが配置され、第二薄膜トランジスターと第六薄膜トランジスターとの間に第四薄膜トランジスターが配置される事が好ましい。
この構成によれば、薄膜トランジスター群がカレントミラー型差動増幅回路を構成するので、温度を電圧に変換した上で増幅できる。即ち、温度を正確に計測できる。
(適用例6) 上記適用例に係わる温度センサーにおいて、更に第一電源と第二電源と第七薄膜トランジスターとを備え、第一薄膜トランジスターと第二薄膜トランジスターとは第一電源に接続され、第五薄膜トランジスターと第六薄膜トランジスターとは第七薄膜トランジスターに接続され、第七薄膜トランジスターは第二電源に接続される事が好ましい。
この構成によれば、第七薄膜トランジスターが定電流源と成り得るので、第一薄膜トランジスターのゲート電位の増幅が線型となり、温度を正確に計測できる。
(適用例7) 上記適用例に係わる温度センサーにおいて、第二薄膜トランジスターは基準トランジスターとして動作し、第一薄膜トランジスターの電気特性と第二薄膜トランジスターの電気特性とを比較して、温度を計測する事が好ましい。
この構成によれば、ゲート電位が温度依存性を有する第一薄膜トランジスターの電気特性とゲート電位が基準値となる第二薄膜トランジスターの電気特性とを比較して、温度を計測するので、温度を正確に計測できる。
(適用例8) 上記適用例に係わる温度センサーにおいて、第五薄膜トランジスターのドレインと第六薄膜トランジスターのドレインとの間にイコライズ回路を備える事が好ましい。
この構成によれば、温度の計測を空間的及び時間的に順次繰り返して行う際に、各計測の間に出力電位をリセットできるので、迅速に正確な計測を実現できる。
(適用例9) 上記適用例に係わる温度センサーにおいて、第五薄膜トランジスターと第六薄膜トランジスターと第七薄膜トランジスターとがN型であり、第二電源が負電源である事が好ましい。
この構成によれば、N型の薄膜トランジスターで温度センサーを実現できる。
(適用例10) 上記適用例に係わる温度センサーにおいて、第五薄膜トランジスターと第六薄膜トランジスターと第七薄膜トランジスターとがP型であり、第二電源が正電源である事が好ましい。
この構成によれば、P型の薄膜トランジスターで温度センサーを実現できる。
実施形態1に係わる温度センサーを模式的に示す斜視外観図。 実施形態1に係わる温度センサーの計測原理を説明する図。 実施形態1に係わる温度センサーの回路を説明する図。 実施形態1に係わる温度センサーにて温度を計測する際のタイミングチャートを説明する図。 実施形態1に係わる温度センサーにて温度を計測する際の等価回路図。 実施形態1に係わる温度センサーで使用される各種回路の平面レイアウトを説明する図で、(a)は出力回路、(b)は列選択トランジスター、(c)は計測セル。 実施形態2に係わる温度センサーの回路を説明する図。 実施形態2に係わる温度センサーにて温度を計測する際のタイミングチャートを説明する図。 変形例1に係わる温度センサーの回路を説明する図。 変形例2に係わる温度センサーの回路を説明する図。
以下、本発明の実施形態を、図面を用いて説明する。尚、以下の図面においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとする為、各層や各部材毎に縮尺を異ならしめてある。
(実施形態1)
「温度センサーの概要」
図1は、本実施形態に係わる温度センサーを模式的に示す斜視外観図である。以下、図1を用いて、まず温度センサーの概要を説明する。
本実施形態に係わる温度センサー1は、柔軟なプラスチックフィルムなどの可撓性を有する基板2に形成される。基板2には計測セル(i,j)が行列状に複数個配置され、計測回路3をなしている。各計測セルには計測用薄膜トランジスターT0と第一薄膜トランジスターT1と第二薄膜トランジスターT2とが備えられている(図3参照)。第一薄膜トランジスターT1と第二薄膜トランジスターT2とは差動トランジスター対とされている。第一薄膜トランジスターT1のゲートと計測用薄膜トランジスターT0のソース又はドレインの一方とが接続されている。薄膜トランジスターのソースとドレインとは電位に応じて互いに入れ替わり得るので、ここでは便宜上、第一薄膜トランジスターT1のゲートと接続している端子を計測用薄膜トランジスターT0のドレインとし、他方をソースとする。第二薄膜トランジスターT2は基準トランジスターとして動作し、第一薄膜トランジスターT1の電気特性と第二薄膜トランジスターT2の電気特性とを比較して、計測用薄膜トランジスターT0が配置されている部位の温度を計測する。
図1に戻って説明を続ける。
基板2には、計測回路3の他に、出力回路4と、第一選択回路51と、第一処理回路52と、第二選択回路61と、第二処理回路62と、が設けられている。計測回路3に配置された複数の計測セルは、計測回路3の外周部に配置された第一選択回路51と第二選択回路61とにより、順次選択される。基板2の一辺を第一の方向(x軸に平行な方向で、行方向とする)とし、第一の方向と交差する(ほぼ直交する)別の方向を第二の方向(y軸に平行な方向で、列方向とする)とすると、第一選択回路51と第一処理回路52とは、計測回路3の外側で第一の方向に沿って形成され、第二選択回路61と第二処理回路62とは、計測回路3の外側で第二の方向に沿って形成される。計測セルは第一の方向に沿って複数個形成されると共に、第一選択回路51によって、第一の方向で選択される。同様に、計測セルは第二の方向に沿って複数個形成されると共に、第二選択回路61によって、第二の方向で選択される。選択された計測セルは出力回路4と接続され、温度計測がなされる。こうして行列状に配置された計測セルにて順次温度が測定され、温度に関する面分布が得られる。
「計測原理」
図2は、本実施形態に係わる温度センサーの計測原理を説明する図である。以下、図2を参照して、温度を計測する原理を説明する。
図2は、N型薄膜トランジスターの伝達特性が温度依存性を有する様子を示している。トランジスターの伝達特性は、一般にオン領域(図2の場合、ゲート電圧が閾値電圧の1.5V程度以上)とオフ領域(図2の場合、ゲート電圧が0V程度以下)と閾値下領域(図2の場合、ゲート電圧が0V程度から1.5V程度の間)とに分類される。それぞれの領域はいずれも温度依存性を有するが、オフ領域に於ける温度依存性が一番強い。これはオフ電流値がフェルミ関数の広がりに対して最も敏感に変化する為である。オフ電流は、電子−正孔対の熱生成や、プールフレンケル効果を伴うフォノンアシステッドトネリング、バンド間トネリングなどの機構に起因する。フェルミ関数は、僅かな温度変化でも指数関数的に変化して、これらの機構(取り分け、電子−正孔対の熱生成やプールフレンケル効果を伴うフォノンアシステッドトネリング)に強く影響する。その為にオフ電流値の温度依存性は極めて強くなる。実際に図2から、200℃のオフ電流は50℃のオフ電流の数千倍になっている事が判る。これに対して、同じ温度変化の際にオン電流は数倍しか増えていない。即ち、オフ電流は温度に対してオン電流よりも1000倍敏感で有る事になる。大雑把に云って、温度が50℃上昇する毎にオフ電流は10倍になり、温度が5℃上昇しただけで、オフ電流は26%も増加する。要するにほんの僅かの温度変化であっても、オフ電流値は計測可能な大きな変化を示すので、高精度な温度計測が実現する事になる。
温度は、最初に容量に充電した電荷がオフ電流により増減する現象を利用して、計測される。主には充電した電荷がオフ電流で減少する現象を利用するが、これとは反対に、空の容量にオフ電流で充電する現象を利用しても良い。いずれにしても、容量と計測用薄膜トランジスターT0とが接続されている。一方、計測用薄膜トランジスターT0のオフ電流は温度に応じて激しく変化するので、温度に応じて容量に蓄積された電荷量も変化する。この電荷量の変化(又は容量電位の変化)を計量する事で温度が計測される。本実施形態では、この容量は第一薄膜トランジスターT1のゲート容量に相当する。従って、第一薄膜トランジスターT1のゲート電位は温度に応じて変化し、これが第二薄膜トランジスターのゲート電位と比較される。両ゲート電位間の相違は差動増幅され、計測セルに於ける温度は電圧値又は電流値として出力される。
「回路」
図3は、本実施形態に係わる温度センサーの回路を説明する図である。以下、図3を参照して、温度センサーの回路を説明する。尚、N型薄膜トランジスターのソースドレインは、両者を比較して電位の高い方がドレインになり、電位の低い方がソースとなる。参考の為に、図3には各薄膜トランジスターのソースドレインをそれぞれsとdとで記載してある。
まず図1を用いて説明する。
温度センサー1は計測回路3と出力回路4、第一選択回路51、第一処理回路52、第二選択回路61、第二処理回路62とを有する。計測回路3には計測セル(i,j)がM行N列の行列状に配置されている。MとNは1以上の整数である(1≦i≦M、1≦j≦N)。第一選択回路51は第一の方向に関してM行の行線R(i)から特定の一本の行線を選択する。従って、第一選択回路51は行選択回路でもある。第一選択回路51にはシフトレジスターやデコーダーが使用される。第一処理回路52は第一選択回路51からの選択信号を計測に適する様に加工する。具体的には選択電位を変換するレベルシフターや、高速で安定的に行線を選択する様にバッファーを備える。第二選択回路61は第二の方向に関してN列の列線C(j)から特定の一本の列線を選択する。従って、第二選択回路61は列選択回路でもある。第二選択回路61にはシフトレジスターやデコーダーが使用される。第二処理回路62は第二選択回路61からの選択信号を計測に適する様に加工する。具体的には選択電位を変換するレベルシフターや、高速で安定的に列線を選択する様にバッファーを備える。
図3に戻って説明を続ける。
第二処理回路62は、上述の回路の他に、列選択トランジスターT3CとT4Cとを含む。列選択トランジスターT3CとT4Cとは、列毎にペアとなって設けられる。出力回路4は差動トランジスター対に対する電流源になると共に、LDOUT及びXLDOUTとして計測結果を出力する。これらの回路の内で、計測回路3と出力回路4、第二処理回路62の内の列選択トランジスターT3CとT4Cとが薄膜トランジスターで形成される。本実施形態では、これらの他に第一選択回路51と第一処理回路52、第二選択回路61、もCMOS構成の(N型及びP型の)薄膜トランジスターで形成されたが、第一選択回路51と第一処理回路52、第二選択回路61、第二処理回路62の内の列選択トランジスターT3CとT4C以外の回路は、外付けのシリコンICチップにて形成されても良い。
計測セル内には、計測用薄膜トランジスターT0と第一薄膜トランジスターT1と第二薄膜トランジスターT2とが配置されている。第一薄膜トランジスターT1と第二薄膜トランジスターT2とは差動トランジスター対をなし、互いに対称に配置される。即ち、両トランジスターのドレインが第一電源に接続され、電源に対して並列に配置されている。尚、第一電源は正電源Vddである。第一薄膜トランジスターT1のゲートは、計測用薄膜トランジスターT0のドレインに接続している。計測用薄膜トランジスターT0のドレインには、容量素子Cpを接続しても良い。容量素子Cpは誘電体膜を第一電極と第二電極とで挟持し、図3では、第一電極が計測用薄膜トランジスターT0のドレイン及び第一薄膜トランジスターT1のゲートに接続し、第二電極が第二電源に接続している。第二電源は、この場合、負電源Vssである。計測用薄膜トランジスターT0のソースは充電用列線CCに接続し、ゲートは充電用行線RCに接続する。第二薄膜トランジスターT2のゲートには基準信号Vrefが供給される。
i行j列に位置する計測セル(i,j)内には更に行選択トランジスターT3RとT4Rとが設けられている。列選択トランジスターT3Cと行選択トランジスターT3Rとで第三薄膜トランジスターT3をなす。行選択トランジスターT3Rのドレインは第一薄膜トランジスターT1のソースに接続し、ソースはj列目の奇数列線CO(j)を介してj列目の列選択トランジスターT3Cのドレインに接続し、ゲートはi行目の行線R(i)に接続する。同様に列選択トランジスターT4Cと行選択トランジスターT4Rとで第四薄膜トランジスターT4をなす。行選択トランジスターT4Rのドレインは第二薄膜トランジスターT2のソースに接続し、ソースはj列目の偶数列線CE(j)を介してj列目の列選択トランジスターT4Cのドレインに接続し、ゲートはi行目の行線R(i)に接続する。
温度センサー1は、更に第五薄膜トランジスターT5と第六薄膜トランジスターT6とを出力回路4に備え、第五薄膜トランジスターT5と第六薄膜トランジスターT6とはカレントミラー対をなしている。カレントミラー対とは、両トランジスターのソースが共通に接続され、ゲートに同電位を印加する事で、飽和動作時(Vds>Vgs−Vth>0)に、両トランジスターのドレイン電位が多少異なっていても、同じ電流を通すトランジスター対である。ここでは両薄膜トランジスターのゲートは第五薄膜トランジスターのドレインに接続している。更に、第五薄膜トランジスターT5のドレインは列選択トランジスターT3Cのソースに接続し、第六薄膜トランジスターT6のドレインは列選択トランジスターT4Cのソースに接続する。
温度センサー1は、更に第七薄膜トランジスターT7を出力回路4に備える。第七薄膜トランジスターT7は電流源トランジスターである。電流源トランジスターとは、飽和動作し、ドレイン電位が多少変動しても常に一定電流を供給するトランジスターである。第五薄膜トランジスターT5のソースと第六薄膜トランジスターT6のソースとは、第七薄膜トランジスターT7のドレインに接続し、第七薄膜トランジスターT7のソースは第二電源に接続する。第二電源は負電源Vssである。第七薄膜トランジスターT7のゲートには第一制御信号Cnt1が供給される。第五薄膜トランジスターT5と第六薄膜トランジスターT6とが常に等しい電流を通し、第七薄膜トランジスターT7が一定電流を供給するので、第五薄膜トランジスターT5も第六薄膜トランジスターT6も常に同一電流(第七薄膜トランジスターT7を通る電流の半分)を通す。
第三薄膜トランジスターT3は、列選択や行選択がなされる毎に列選択トランジスターや行選択トランジスターを変えながらも、常に第一薄膜トランジスターT1と第五薄膜トランジスターT5との間に配置され、第一薄膜トランジスターT1と第五薄膜トランジスターT5とを電気的に接続可能としている。同様に、第四薄膜トランジスターT4は、列選択や行選択がなされる毎に列選択トランジスターや行選択トランジスターを変えながらも、常に第二薄膜トランジスターT2と第六薄膜トランジスターT6との間に配置され、第二薄膜トランジスターT2と第六薄膜トランジスターT6とを電気的に接続可能としている。即ち、i行目の行線R(i)に選択信号(高電位信号)が供給されると、i行目の計測セルに配置された第一薄膜トランジスターT1は奇数列線COに電気的に接続され、第二薄膜トランジスターT2は偶数列線CEに電気的に接続される。反対に行線R(i)に非選択信号(低電位信号)が入ると、第一薄膜トランジスターT1と奇数列線COとは電気的に絶縁され、第二薄膜トランジスターT2と偶数列線CEとは電気的に絶縁される。
行線R(i)に選択信号が供給されている状態で、j列目の列線C(j)に選択信号(高電位信号)が入ると、j列目の列選択トランジスターT3Cがオン状態となるので、j列目の奇数列線COと第五薄膜トランジスターT5とが接続される。その結果、i行j列の計測セル(i,j)に位置する第一薄膜トランジスターT1と第五薄膜トランジスターT5とは電気的に接続される。同様に、j列目の列線C(j)に選択信号(高電位信号)が入ると、j列目の列選択トランジスターT4Cがオン状態となるので、j列目の偶数列線CEと第六薄膜トランジスターT6とが接続される。その結果、i行j列の計測セル(i,j)に位置する第二薄膜トランジスターT2と第六薄膜トランジスターT6とは電気的に接続される。反対に、j列目の列線C(j)に非選択信号(低電位信号)が入ると、j列目の列選択トランジスターT3CとT4Cとがオフ状態となるので、出力回路4とj列目の奇数列線CO及びj列目の偶数列線CEとは電気的に絶縁される。この様に複数の計測セルの内で、行線と列線とで選択された計測セルが出力回路4と接続する。出力回路4からの計測結果は、第六薄膜トランジスターT6のドレイン電位V6がLDOUTとして出力され、第五薄膜トランジスターT5のドレイン電位V5がXLDOUTとして出力される。
列線C(j)に供給される選択信号乃至は非選択信号は、第二選択回路61からの出力を必要に応じてレベルシフトし、レベルシフターからの出力はバッファーで補強されている。即ち、列選択トランジスターT3CとT4Cとは第二選択回路61にて制御される。又、行線R(i)に供給される選択信号乃至は非選択信号は、第一選択回路51からの出力を必要に応じてレベルシフトし、レベルシフターからの出力はバッファーで補強されている。即ち、行選択トランジスターT3RとT4Rとは第一選択回路51にて制御される。尚、ここでは行選択がなされた状態で列選択を行ったが、列選択がなされた状態で行選択を行っても良い。又、ここでの奇数列線とは単なる名称で、奇数番号のトランジスター列(T1やT3)に設けられた列線を意味し、偶数列線も同様に単なる名称で、偶数番号のトランジスター列(T2やT4)に設けられた列線を意味する。
「計測方法」
図4は、本実施形態に係わる温度センサーにて温度を計測する際に、回路を駆動させるタイミングチャートを説明する図である。以下、図4を参照して、温度センサーを用いた計測方法を説明する。
温度計測は準備期間PPと計測期間MPと出力期間OPとを含む。準備期間PPには計測用薄膜トランジスターT0をオン状態として、第一薄膜トランジスターT1と容量素子Cpとを所定の電位に充電する。計測期間MPには計測用薄膜トランジスターT0をオフ状態として、第一薄膜トランジスターT1と容量素子Cpから先に充電された電荷を漏らす。漏れ電荷量は温度依存性を示すので、温度に応じて第一薄膜トランジスターT1のゲート電位は低下する。出力期間OPには低下したゲート電位に応じた出力を各計測セルから取り出す。これが温度計測の基本サイクルである。
実際の温度計測の際には、まず、温度計測に先立ち、計測時に供給する基準信号Vrefの電位値を定める。上述の如く、温度センサー1は、基準トランジスターである第二薄膜トランジスターT2の電気特性と、温度に応じてゲート電位が変化する第一薄膜トランジスターT1の電気特性とが比較される。一方で、薄膜トランジスターはトランジスター毎に電気特性が僅かに異なるのが一般である。これを補正する為に、計測セル毎に基準温度に対応する基準信号Vrefの値を定める。以下に基準信号Vrefの値を定める具体的な手法を記す。
(1)温度センサー1を基準温度のヒートリザーヴォアーに設置し、総ての計測セルが基準温度となる様にする。基準温度は測定対象温度範囲内で適宜設定される。基準温度は大凡その範囲の下限値とするのが望ましい。例えば測定対象温度範囲が寒冷地の冬の温度で、−20℃から30℃の範囲にあると予想される場合、基準温度は−20℃程度に設定する。
(2)総ての計測セルにて、基準信号Vrefの選択電位として、数式1で表される仮の基準高電位Hrを設定する。
Figure 0005777146
ここでVddは正電源電位、Vthは薄膜トランジスターの閾値電圧の平均値、δは0.05Vから0.3V程度の小さい電圧値である。仮の基準高電位は、例えばHr=4.05Vである。
(3)後述する方法で温度を計測し、総ての計測セルからの出力結果(V5−V6)の平均値がほぼゼロになる様に計測期間MPの時間を定める。即ち、数式2となる様に計測期間MPの長さを定める。ほぼゼロとは、出力結果の平均値が概ね−0.4Vから+0.4Vの範囲に入る事を意味する。
Figure 0005777146
(4)こうして定められた計測期間MPの時間を用いて、再度ヒートリザーヴォアーの温度計測を行う。その際に、LDOUT出力とXLDOUT出力とが等しくなる様に(V5=V6となる様に)計測セル毎に提供するVrefの基準高電位値を定め、これを外部コントローラーに設けられている記憶装置に記憶させる。その後に温度センサー1を計測対象に配置し、計測を開始する。
次に温度の計測方法を説明する。温度計測に際しては、外部コントローラーが第一選択回路51や第一処理回路52、第二選択回路61、第二処理回路62などに適当な信号や電源を供給し、その結果、各行線や列線、出力回路4等には図4に示す、以下の様な信号が供給される。
準備期間PPには、まず充電用列線CCを正電源電位Vddとする。次いで充電用行線RCを第二高電位H2とし、次いで負電源電位Vssに戻す。次に充電用列線CCの電位を負電源電位Vssに戻す。これに依り総ての計測セルの第一薄膜トランジスターT1のゲート電極と容量素子Cpの第一電極とは正電源電位Vddへと充電される。負電源電位Vssは明らかに正電源電位Vddよりも低く、例えばVss=0V(接地電位)である。又、正電源電位は、例えばVdd=4.8Vで、第二高電位は、例えばH2=7.3Vである。
計測期間MPには、充電用列線CCを負電源電位Vssとする。充電用行線RCも負電源電位Vssとする。この結果、計測用薄膜トランジスターT0はオフ状態となり、温度に応じたオフ電流を充電用列線CCに漏らす。こうして計測期間MPの終了時には第一薄膜トランジスターT1のゲート電位は第一高電位H1となる。
計測期間MPが終了した後に出力期間OPに移る。出力期間OPに入ると、第一制御信号Cnt1に第三高電位H3を供給する。この値は、例えばH3=1.6Vである。出力期間OPでは、まず、行線R(1)からR(M)が一本ずつ交替に選択される。通常は1行目の行線R(1)から最終行のM行目の行線R(M)へと順番に選択されて行く。行線には、選択持に選択信号電位(第二高電位H2)供給され、非選択時には非選択信号電位(負電源電位Vss)が供給される。
一本の行線が選択されている期間に、列線(C(1)からC(N))が一本ずつ交替に選択される。通常は1列目の列線C(1)から最終列のN列目の列線C(N)へと順番に選択されて行く。列線には、選択持に選択信号電位(第二高電位H2)が供給され、非選択時には非選択信号電位(負電源電位Vss)が供給される。
この様にして複数の計測セルから特定の一つの計測セルが選択される。この選択された計測セルに対応する基準高電位を外部コントローラーの記憶装置より読み出して、Vrefとする。第二薄膜トランジスターT2のゲートに供給される基準高電位は、その計測セルの温度が基準温度に等しければ、出力電圧がV5=V6となる様に設定されているので、V5乃至はV6の値を読むと、選択された計測セルの温度が分かる。例えば、選択された計測セルが基準温度よりも低温であると、漏れ電流は少ないので、第一高電位(第一薄膜トランジスターT1のゲート電位)は基準高電位(第二薄膜トランジスターT2のゲート電位)よりも高くなる。その結果、LDOUT(V6)の電位は低くなり、XLDOUT(V5)の電位は高くなるので、V5−V6の値は正になる。反対に、選択された計測セルが基準温度よりも高温であると、LDOUT(V6)の電位は高くなり、XLDOUT(V5)の電位は低くなるので、V5−V6の値は負になる。この計測方法では、出力期間を通じて、容量素子Cpと第一薄膜トランジスターT1のゲート容量とに残留する電荷が維持される。即ち非破壊にて(測定が測定対象物に影響することなく、即ち、電荷量を変動させることなく)温度計測が行われ、それ故に温度センサーが大面積になっても高精細になっても、正確な計測が行われる事になる。
「使用方法」
温度センサーを使用する際には、低頻度測定モードと高頻度測定モードとを設けても良い。低頻度測定モードとは高頻度測定モードに備えて低頻度で計測を繰り返している期間で有る。高頻度測定モードでは、温度センサーは高頻度で計測を繰り返している。例えば、温度センサーを水道の凍結防止帯に内蔵させて使用する場合、暖かな日中は低頻度測定モードとし、気温が低下し始めて凍結しそうな期間を高頻度測定モードとする。或いは、温度の時間変化が緩やかな場合に低頻度測定モードとし、温度の時間変化が緩やかな場合には高頻度測定モードとする。
低頻度測定モードにも高頻度測定モードにも、上述の「計測方法」の章に記載した方法で温度センサーは計測動作を行っているが、その計測頻度が異なる。低頻度測定モードでは単位時間内に行われる計測回数が少なく、高頻度測定モードではこれが多い。M行N列に配置された計測セルの総てを選択して計測する期間をフレーム期間とし、一つのフレーム期間から次のフレーム期間までの時間をスタンバイ期間とすると、計測頻度はフレーム期間とスタンバイ期間との和の逆数(1/(フレーム期間+スタンバイ期間))となる。即ち、高頻度測定モードに於ける計測頻度を、低頻度測定モードに於ける計測頻度よりも大きくする。一例としては、高頻度測定モードではスタンバイ期間をゼロとし、フレーム周波数(フレーム期間の逆数)と計測頻度とを一致させる。一方で、低頻度測定モードに於けるスタンバイ期間は数ミリ秒以上の比較的長時間とし(例えば1秒)、低頻度測定モードに於ける計測頻度をスタンバイ期間の逆数にほぼ一致させる。
この様な低頻度測定モードと高頻度測定モードとを設ける事に依り、低頻度測定モードに於いては消費電力を低減でき、高頻度測定モードに於いては時間分解能を最大にする事ができる。尚、ここでは低頻度測定モードでも高頻度測定モードでもフレーム期間を同一とし、スタンバイ期間を変えたが、これに限らず、フレーム期間を低頻度測定モードと高頻度測定モードとで変えても構わない。即ち、高頻度測定モードに於けるクロック周波数の方を低頻度測定モードのクロック周波数よりも高くして、高頻度測定モードに於ける計測頻度を高くしても良い。
「トランジスターサイズ及び駆動条件」
図5は、本実施形態に係わる温度センサーにて温度を計測する際の等価回路図である。次に、図5を参照して、高感度で高性能な計測を実現する為の条件を示す。以下、第一薄膜トランジスターT1をT1と略称する。第二薄膜トランジスターT2から第七薄膜トランジスターT7も同様に略す。尚、T3のドレイン電位をV3で表し、T4のドレイン電位をV4、T7のドレイン電位をV7、で表す。
T1とT2とは差動入力対であるので、飽和動作などの非線型動作が望ましい。T3とT4は選択トランジスターで、出力電位範囲を広くする視点から、線型動作が望ましい。従って、T3とT4とに関しては、ソースドレイン電圧Vdsは出来る限り小さく、V3=V5やV4=V6となるのが望ましい。T5とT6とはカレントミラー対で飽和動作でなければならない。又、T7は電流源トランジスターなので、矢張り飽和動作でなければならない。
まず、トランジスターの電流式を表現するのに数式3の記号を用いる。
Figure 0005777146
ここでWはトランジスターチャンネル形成領域の幅、Lはトランジスターチャンネル形成領域の長さ、Coxは単位面積当たりのゲート絶縁膜容量、μは移動度である。すると、飽和特性の近似式は数式4で表される。
Figure 0005777146
又、線型特性の近似式は数式5で表される。
Figure 0005777146
本実施形態では薄膜トランジスターの閾値電圧をVthで表し、薄膜トランジスター間のVth変動は僅かであると近似する。即ち、T1からT7のVthは総て等しいと近似する。又、Vthは正であるとし、全体の電流(T7の電流)を2Iとする。まず、T1からT7のZをZ1からZ7で表し、これらを数式6の関係とする。
Figure 0005777146
数式6が満たされていると、T1のゲート電位H1とT2のゲート電位Hrとの差は線型増幅されて出力される。以下、各トランジスターに求められる駆動条件を検討する。
(1)T1は飽和動作が望ましい。従って、数式7と数式8で表される飽和条件が満たされるのが望ましい。
Figure 0005777146
Figure 0005777146
その結果、T1のドレイン電流は次式となる。
Figure 0005777146
(2)T2は飽和動作が望ましい。従って、数式10と数式11とで表される飽和条件が満たされるのが望ましい。
Figure 0005777146
Figure 0005777146
その結果、T2のドレイン電流は次式となる。
Figure 0005777146
(3)T3は線型動作が好ましい。従って、数式13で表される線型条件が満たされるのが望ましい。
Figure 0005777146
その結果、T3のドレイン電流は次式となる。
Figure 0005777146
(4)T4は線型動作が好ましい。従って、数式15で表される線型条件が満たされるのが望ましい。
Figure 0005777146
その結果、T4のドレイン電流は次式となる。
Figure 0005777146
(5)T5は飽和動作するのが望ましい。従って、数式17で表される飽和条件が満たされるのが望ましい。
Figure 0005777146
その結果、T5のドレイン電流は次式となる。
Figure 0005777146
(6)T6は飽和動作するのが望ましい。従って、数式19と数式20とで表される飽和条件が満たされるのが望ましい。
Figure 0005777146
Figure 0005777146
その結果、T6のドレイン電流は次式となる。
Figure 0005777146
(7)T7は飽和動作するのが望ましい従って、数式22で表される飽和条件が満たされるのが望ましい。
Figure 0005777146
その結果、T7のドレイン電流は次式となる。
Figure 0005777146
ここで、数式22を満たす為に、数式24とする。
Figure 0005777146
δは例えば0.1V程度で、容易に飽和条件を満たすには0.3V程度未満の正の値が理想である。
次に数式13と数式15を満たす為に、数式25とする。
Figure 0005777146
これにより、少なくとも数式26と数式27とが満たされる様になる。
Figure 0005777146
Figure 0005777146
T7に関する数式23と、T4に関する数式16とから、次式が得られる。
Figure 0005777146
この数式28に数式24と数式25とを適応すると、次の様になる。
Figure 0005777146
数式29の右辺に関しては、数式30を考慮する。
Figure 0005777146
ここで数式31とする。
Figure 0005777146
こうすれば、数式32が得られる。
Figure 0005777146
即ち、T4はゲート電圧がVth+1V以上ならば、線型動作する。更に、T4での電位降下を確実に0.1V未満と小さくし、T4を線型動作させる為には、概ね次式が満たされれば良い。
Figure 0005777146
数式33は数式34と変形される。
Figure 0005777146
この場合、数式35の関係が得られる。
Figure 0005777146
即ち、明らかに線型条件(数式15)は満たされる。
次に、総ての望ましい条件を満たす様に構成を定める。T7に関する数式23とT6に関する数式21に対して、数式36とする。
Figure 0005777146
こうすると、数式21と数式23とから数式37が得られる。
Figure 0005777146
次にT1に関する数式9とT5に関する数式18とに対して、数式38とする。
Figure 0005777146
こうすると、数式39が得られる。
Figure 0005777146
T7とT4の議論(数式28から数式35までの議論)により、数式40と数式41で表される関係になっている。
Figure 0005777146
Figure 0005777146
数式39に数式41を代入し、数式37と連立させると、数式42と数式43の解が得られる。
Figure 0005777146
Figure 0005777146
T2に関する数式12とT6に関する数式21とからは、数式44が得られる。
Figure 0005777146
数式44に数式37と数式40とを代入すると、数式45が得られる。
Figure 0005777146
以下、高感度で高性能な測定を実現する為に、満たされる事が望ましい各条件を如何に満たすかを示す。
好適条件としての数式7: 数式41と数式42とから数式7は数式46となる。
Figure 0005777146
好適条件としての数式10: 数式40と数式44とから数式10は数式46となる。
好適条件としての数式8: 数式8は、Vthが正なので、数式47が成り立てば、確実に満たされる。
Figure 0005777146
好適条件としての数式11: 数式11は、Vthが正なので、数式48が成り立てば、確実に満たされる。
Figure 0005777146
好適条件としての数式13と数式15: 数式13と数式15とは、数式24と数式34とで満たされる。
好適条件としての数式17: 数式17は、数式42と数式43とから、数式46となる。
好適条件としての数式19: 数式19は、数式42と数式45とから、数式49となる。
Figure 0005777146
従って、計測温度が基準温度よりも高温の時の方が低温の時よりも高精度に温度計測がなされる。その意味では、基準温度は測定対象温度範囲の下限値に設定するのが好ましい。
好適条件としての数式22: 数式24から数式22は、数式50となる。
Figure 0005777146
これに数式43を適応すると、数式22は、数式51となる。
Figure 0005777146
数式24により、これは、数式52を意味する。
Figure 0005777146
数式47と数式52とから、H1に対する好適条件は数式53となる。
Figure 0005777146
数式53の右辺を満たすべく、T1のゲート電位は準備期間PPにVddへと充電され、計測期間MPに放電させる。第一高電位H1と基準高電位Hrとが等しい時に、出力(V5−V6)がゼロになるので、第一高電位H1の左辺を満たし易くする為に、仮の基準高電位を数式53の右辺と左辺との中間を取り、数式1の様に設定する。
正電源電圧Vddを、数式54が示す様に、第三高電位H3の三倍以上に設定する事ができる。尚、数式54では数式24を配慮している。
Figure 0005777146
第一高電位H1は正電源電圧付近の値にあるので、こうすると、Vddが最も小さいH3の3倍の時でも、数式43と数式42とから、数式55が得られる。
Figure 0005777146
即ち、T1とT5、T7にはほぼ均等なドレイン電圧が印加され、これらのトランジスターは飽和動作する。同様にT2、T6、T7にもほぼ均等なドレイン電圧が掛かり、飽和動作する。Vddが3倍よりも大きくなると、T1やT5、T7に掛かるソースドレイン電圧は更に高くなるので、差動増幅範囲は更に広がる。
纏めると、電位関係としては、Vddに関する数式54と、H3に関する数式24、H2に関する数式25、Hrに関する数式1とを満たす様にする。一例としては、Vth=1.5Vとして、δ=0.1V、γ=1Vとし、正電源電位Vdd=4.8V、第三高電位H3=1.6V、第二高電位H2=7.3V、仮の基準高電位Hr=4.05Vとする。
トランジスターサイズに関しては、数式6と数式34、数式36、数式38から数式56とする。
Figure 0005777146
この様な電気関係とトランジスターサイズとを採用する事で、高感度で正確な計測が実現する。但し、T3とT4とは、実際には列選択トランジスターと行選択トランジスターとの直列接続なので、列選択トランジスターや行選択トランジスターのZはZ3やZ4の二倍とする。即ち、T3CやT3R、T4C、T4RのZをそれぞれZ3C、Z3R、Z4C、Z4Rにて表現した時に数式57とする。
Figure 0005777146
「平面レイアウト」
図6は、本実施形態に係わる温度センサーで使用される各種回路の平面レイアウトを説明する図で、(a)は出力回路、(b)は列選択トランジスター、(c)は計測セル(i,j)である。以下、図6を参照して、これらの回路の平面レイアウトを説明する。
薄膜トランジスターの製造方法は後に詳述するが、薄膜トランジスターは半導体層SLの他に、ゲート電極を構成するゲート配線金属層GMと、ソースドレイン電極に主として接続するソース配線金属層SMとを有する。これら三層の間には絶縁膜が設けられて、コンタクトホールで接続されぬ限り、電気的に分離されている。図6(a)に示す様に、カレントミラー対T5とT6とは平面的に隣接して形成される。即ち、T5の半導体層SLとT6の半導体層SLとは隣り合わせに配置される。両半導体層は、それらの間に別の半導体層が位置することはなく、デザインルールが許す限り、出来る限り近くに配置される。ゲート電極は無論共通で、T5のゲート電極とT6のゲート電極が直線になる様に、最短距離で配置される。また、両トランジスターのソースはゲート配線金属層GMにて接続され、T7のドレインに接続される。T5とT6との配置が近く、ゲート電極が最短距離で形成され、ソースコンタクトがゲート配線金属層GMにて接続される為、両トランジスターの温度はほぼ等しくなり、カレントミラー対は正確に動作する事になる。
同様に、図6(b)に示す様に、列選択トランジスター対T3CとT4Cも両トランジスターの半導体層SLを隣接させ、ゲート電極が直線になる様に配置される。これにより、両トランジスターの温度がほぼ等しくなり、列選択トランジスター対に起因する増幅誤差を最小とできる。
計測セルでは、図6(c)に示す様に、差動トランジスター対T1とT2とが隣接して配置され、両トランジスターのドレインがゲート配線金属層GMにてVddに接続される。これにより、両トランジスターの温度がほぼ等しくなり、正確な差動増幅がなされる。又、行選択トランジスター対T3RとT4Rも両トランジスターの半導体層SLを隣接させ、ゲート電極が直線になる様に配置される。これにより、両トランジスターの温度がほぼ等しくなり、行選択トランジスター対に起因する増幅誤差を最小とできる。
「温度センサーの製造方法」
温度センサー1では、柔軟性を有するプラスチックフィルムの基板2に薄膜回路を形成してあるが、ここでは温度センサー1の製造方法を述べる。具体的には、最初にガラス基板に形成された薄膜回路を剥離して、プラスチックフィルムに転写する方法で温度センサー1を製造する。
第一工程として、製造元基板となるガラス基板上に剥離層を設ける。剥離層は厚みが50nm程の水素化非晶質シリコン膜である。この剥離層上に下地絶縁膜となる酸化硅素膜を成膜した後に、薄膜トランジスターなどからなる薄膜回路を製造する。薄膜回路は、公知の低温工程多結晶シリコン薄膜トランジスターの製造方法を適応する。具体的には、下地絶縁膜上にレーザー結晶化された多結晶シリコン半導体層を設け、その後に、酸化硅素膜を用いたゲート絶縁層と、アルミニウム又はアルミニウムに添加物を加えた金属を用いたゲート電極(ゲート配線金属層と称す)とを作成する。更に、酸化硅素膜を用いた第一層間絶縁層、アルミニウム又はアルミニウムに添加物を加えた金属を用いたソースコンタクト及びドレインコンタクト(ソース配線金属層と称す)、ポリイミド系の樹脂を用いた第二層間絶縁層(保護膜)、インジウム錫酸化物(ITO:Indium Tin Oxide)を用いた電極端子(実装端子)を作成する。
次に第二工程として、仮接着剤を薄膜回路表面に塗布し、製造元基板を仮転写基板に貼り付ける。仮接着剤としては、アクリル系の樹脂に水溶性を与えるべくポリビニルピロリドン樹脂を混合したものを用いる。仮転写基板は平滑なガラス基板である。
次に第三工程として、製造元基板を取り外し、薄膜回路を仮転写基板に移す。製造元基板を取り外す方法としては、製造元基板裏面からレーザー光を照射して剥離層の内部又は界面に於ける密着力を弱め、次いで製造元基板と仮転写基板とを引き剥がす。こうする事で薄膜回路は仮転写基板に移される。
次に第四工程として、薄膜回路裏面に残る剥離層を除去し、例えばイオナイザーを用いて薄膜回路裏面に存在する電荷を除去する。此により剥離帯電や乾燥時の空気との摩擦帯電を或る程度除去できる。
次に第五工程として、例えばアクリル系の樹脂からなる永久接着剤を用いてプラスチックフィルムの第一面側に薄膜回路裏面を貼り付ける。プラスチックフィルムとしては、ポリイミドなどの耐熱性の高いフィルムを用いることができる。
プラスチックフィルムを貼り付けた後、第六工程として、プラスチックフィルム第二面側(第一面側と反対の面)に一時接着剤を用いて支持基板を接着する。この一時接着剤は熱や紫外光などの刺激で容易に接着性を喪失する材料で、且つ先の仮接着剤を溶解する溶媒には溶けない材質である。
次に第七工程として、仮接着剤を溶解する溶媒(この場合には水)を用いて仮転写基板を外す。その後、仮接着剤を洗浄して除去する。
次に第八工程として、実装作業を行う。まず、実装端子にテープ配線を実装する。この際には異方性導電ペーストや異方性導電フィルムを実装端子とテープ配線との間に配置して両者を接着する。その後、熱や紫外光などの刺激を一時接着剤に加えて、支持基板を取り外す。最後にテープ配線は温度センサー1の外に設けられた外部コントローラーに接続される。こうして、温度センサー1が完成する。
尚、基板2は上述のプラスチックフィルムの他に、厚みが50マイクロメーターから500マイクロメーター程度の薄い金属箔や、厚みが10マイクロメーターから200マイクロメーター程度の薄いガラスであっても良い。これらの基板は可撓性を有するので、ロボットの皮膚と云った様なあらゆる形状に適応できるが、平面形状の用途に温度センサー1を使用する場合には、厚みが0.4mmから2mm程度のガラスを基板として使用しても良い。又、製造方法も厚いガラスに薄膜回路を形成した後にガラスを薄く削る方法や、プラスチックフィルムや金属箔に直接薄膜回路を形成する方法であっても良い。直接形成する場合には非晶質シリコン薄膜トランジスターや、亜鉛又は錫を含む酸化物を半導体層に利用した酸化物薄膜トランジスター等を利用することが出来る。
上述した通り、本実施形態に係わる温度センサー1によれば、以下の効果を得る事ができる。
温度センサー1が計測セルを複数個有し、各計測セルに差動トランジスター対が設けられている為に、大面積で空間分解能が高く、温度分解能も高い。又、トランジスターの自己発熱の影響を受ける事なく正確な温度計測が可能となる。
又、計測セルを第一の方向に複数個配置して、個別に選択するので、第一の方向に関する温度の空間分布を計測できる。従って、温度が第一の方向に沿って異なっていても、正確に温度を計測できる。
又、計測セルを第二の方向に複数個配置して、個別に選択するので、第二の方向に関する温度の空間分布を計測できる。従って、温度が第二の方向に沿って異なっていても、正確に温度を計測できる。
又、第三薄膜トランジスターと第四薄膜トランジスターとが選択回路の一部として機能するので、第一の方向及び第二の方向に於ける温度の情報が干渉する事を防げる。
又、第五薄膜トランジスターと第六薄膜トランジスターとを備え、これらがカレントミラー対をなして、第一薄膜トランジスターや第二薄膜トランジスターと接続可能であるので、温度を正確に計測できる。
又、第一電源と第二電源と第七薄膜トランジスターとを備え、第七薄膜トランジスターが定電流源と成り得るので、温度に関する信号増幅が線型となり、第一薄膜トランジスターのゲート電位を正確に計測できる。
又、第一薄膜トランジスターの電気特性と第二薄膜トランジスターの電気特性とを比較して、温度を計測するので、温度を正確に計測できる。
又、第五薄膜トランジスターと第六薄膜トランジスターと第七薄膜トランジスターとがN型であり、第二電源が負電源であるので、P型の薄膜トランジスターを用いずにN型の薄膜トランジスターで温度センサー1を実現できる。
(実施形態2)
「イコライズ回路が配置されている形態」
図7は、実施形態2に係わる温度センサーの回路を説明する図である。又、図8は、実施形態2に係わる温度センサーにて温度を計測する際に、回路を駆動させるタイミングチャートを説明する図である。以下、本実施形態に係わる温度センサーについて説明する。尚、実施形態1と同一の構成部位については、同一の番号を附し、重複する説明は省略する。
本実施形態(図7)は実施形態1(図3)と比べて、第五薄膜トランジスターT5のドレインと第六薄膜トランジスターT6のドレインとの間にイコライズ回路を備える点が異なっている。それに伴って、タイミングチャート(図8)でも実施形態1のタイミングチャート(図4)と比べて、各計測セルの選択期間内にプリチャージ期間が設けられる様になる。それ以外の構成は、実施形態1とほぼ同様である。
図7に示す様に、本実施形態ではイコライズ回路として第八薄膜トランジスターT8が出力回路4に設けられて居る。T8のソースドレインの一方はT5のドレインに接続してXLDOUTとなり、他方はT6のドレインに接続してLDOUTとなる。T8のゲートには第二制御信号Cnt2が供給される。尚、プリチャージ期間(各計測セルの選択期間の前半)を短くするには、T8のオン電流が大きい事が望まれ、それ故、T8のトランジスターサイズはT3CやT4Cのトランジスターサイズと同じにする事(Z3C=Z4C=Z8)が好ましい。
次に図8を参照して、温度センサー1の回路駆動方法を説明する。準備期間PPと計測期間MPとでは、第二制御信号Cnt2は、選択信号である第二高電位H2にある。H2の電位値は実施形態1で論じた通りである。これによりT8はオン状態となり、XLDOUTとLDOUTの出力は等しくなる。
出力期間OPに入ると、行列状に配置された複数の計測セルから特定の一つが順次選択されて行き、各選択期間の前半はXLDOUTの電位V5とLDOUTの電位V6とをVddへとプリチャージし、各選択期間の後半で温度に対応する電位を出力する。第一制御信号Cnt1は、選択期間の前半に低電位(Vss)となり、選択期間の後半に高電位H3となる。H3の電位値は実施形態1で論じた通りである。第二制御信号Cnt2は、第一制御信号Cnt1に対して相補的で、電位振幅が異なる信号となる。即ち、第二制御信号Cnt2は、選択期間の前半に高電位H2となり、選択期間の後半に低電位(Vss)となる。高速測定を実現する為に、H2の電位値は高い方が好ましいので、ここではH2としたが、無論これよりも高くても構わない。こうすると、選択期間の前半ではT7がオフ状態になり、T8がオン状態になるので、XLDOUTの電位V5とLDOUTの電位V6とをVddへと等しくできる。出力が等しくなった後に、選択期間の後半で温度を計測するので、一つの計測と次の計測(例えば計測セル(i,j)の計測と次の計測セル(i,j+1)の計測)とで、前の計測結果(計測セル(i,j)の計測結果)が後の計測結果(計測セル(i,j+1)の計測結果)に干渉する事がなくなり(これらが干渉すると干渉を排除する為に出力期間は長くなる)、正確な計測を迅速に実施できる様になる。
上述した通り、本実施形態に係わる温度センサー1によれば、実施形態1での効果に加え、以下の効果を得る事ができる。
イコライズ回路を備えているので、温度の計測を空間的及び時間的に順次繰り返して行う際に、各計測の間に出力電位をリセットできる。その結果、迅速に正確な計測を実現できる。
尚、本発明は上述した実施形態に限定されず、上述した実施形態に種々の変更や改良などを加える事が可能である。変形例を以下に述べる。
(変形例1)
「回路がPMOSにて形成されている形態」
図9は、変形例1に係わる温度センサーの回路を説明する図である。以下、本変形例に係わる温度センサーについて説明する。尚、実施形態1と同一の構成部位については、同一の番号を附し、重複する説明は省略する。
本変形例(図9)は実施形態1(図3)と比べて、温度センサー1の回路を構成する薄膜トランジスターの伝導型が異なっている。それ以外の構成は、実施形態1とほぼ同様である。
実施形態1ではN型の薄膜トランジスターを用いて温度センサー1の回路(計測回路3と出力回路4、及び第二処理回路62の列選択トランジスター)を構成していたが、本変形例ではP型の薄膜トランジスターT1からT7を用いてこれらの回路を構成する。この場合、第一電源が負電源Vssとなり、第二電源が正電源Vddとなる。又、P型薄膜トランジスターのソースドレインは電位の高い方がソースとなり、電位の低い方がドレインになる。図9には参考の為にソースとドレインとをsとdとで示してある。P型薄膜トランジスターとしては、半導体層にポリ(9,9−ジオクチルフルオレン−コージチオフェン)(F8T2)や、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)(P3HT)、ポリ[5,5’−ビス(3−ドデシル−2チニル)−2,2’−ビチオフェン](PQT−12)、PBTTT、ペンタセン等の有機物を使用した有機物薄膜トランジスターを使用することができる。
トランジスターサイズに関しては、実施形態1と同じである。駆動方法は実施形態1の図4と同じだが、非選択期間の電位をVddとし、選択期間の各種高電位H2やH3、HrをVddに対して負の絶対値が大きくなる様に変える。尚、P型薄膜トランジスターの閾値電圧VthPは負である。具体的には、Vddに関する数式54は数式58へと変えられる。
Figure 0005777146
又、H3に関する数式24は数式59へと変えられる。
Figure 0005777146
又、H2に関する数式25は数式60へと変えられる。
Figure 0005777146
又、Hrに関する数式1は数式61へと変えられる。
Figure 0005777146
従って、例えば、VthP=−1.5Vとして、δP=−0.1V、γP=−1V、Vss=0Vとし、Vdd=4.8V、H3=3.2V、H2=−2.5V、Hr=0.75Vとする。ここでのH2様に、負電圧を準備するのが困難な場合、総ての電位が正になる様にVddとVssを一定量ずらしても良い。例えば、Vddに関する数式58を数式62へと変える。
Figure 0005777146
これに応じて、Vssを数式63へと変える。
Figure 0005777146
上記例では全体が2.5Vずれて、Vdd=7.3V、Vss=2.5V、H3=5.7V、H2=0V、Hr=3.25Vとなる。
上述した通り、本変形例に係わる温度センサー1によれば、N型の薄膜トランジスターを使用せずに、P型の薄膜トランジスターで温度センサー1を実現できる。
(変形例2)
「回路がPMOSで形成され、イコライズ回路が配置されている形態」
図10は、変形例2に係わる温度センサーの回路を説明する図である。以下、本変形例に係わる温度センサーについて説明する。尚、実施形態1乃至2と同一の構成部位については、同一の番号を附し、重複する説明は省略する。
本変形例(図10)は実施形態2(図7)と比べて、温度センサー1の回路を構成する薄膜トランジスターの伝導型が異なっている。それ以外の構成は、実施形態2とほぼ同様である。
実施形態1ではN型の薄膜トランジスターを用いて温度センサー1の回路(計測回路3と出力回路4、及び第二処理回路62の列選択トランジスター)を構成していたが、本変形例ではP型の薄膜トランジスターT1からT8を用いてこれらの回路を構成する。即ち、変形例1にP型の第八薄膜トランジスターT8を付加した形態となる。T8は、第五薄膜トランジスターT5のドレインと第六薄膜トランジスターT6のドレインとの間にイコライズ回路として配置される。尚、変形例1と同様、第一電源が負電源Vssとなり、第二電源が正電源Vddとなり、八種類のP型薄膜トランジスターの閾値電圧VthPは負である。
トランジスターサイズに関しては、実施形態1や実施形態2と同じである。駆動方法は実施形態1の図8と同じだが、変形例1と同様にH2やH3、Hrなどの所謂高電位はVddに対する負の絶対値が大きくなる様に変える。それらの値は変形例1と同じで、数式58から数式63を満たす様に決められる。T8のゲートに入力する第二制御信号XCnt2は、第一制御信号XCnt1に相補的で、電位振幅が異なる信号となる。即ち、第二制御信号XCnt2は、各計測セルの選択期間の前半にH2となり、選択期間の後半にVddとなる。高速測定を実現する為に、Vddに対するH2の絶対値(|H2−Vdd|)は高い方が好ましく、例えば変形例1のH2より更に低い値としても良い。
上述した通り、本変形例に係わる温度センサー1によれば、P型の薄膜トランジスターで温度センサー1を実現できると共に、イコライズ回路を備えているので、温度の計測を空間的及び時間的に順次繰り返して行う際に、各計測の間に出力電位をリセットできる。従って、迅速に正確な計測を実現できる。
1…温度センサー、2…基板、3…計測回路、4…出力回路、51…第一選択回路、52…第一処理回路、61…第二選択回路、62…第二処理回路。

Claims (10)

  1. 行列状に複数個配置され、計測用薄膜トランジスターと第一薄膜トランジスターと第二
    薄膜トランジスターとを含む、温度を計測する計測セルと、
    前記計測セルから任意の一行を選択する行選択回路と、
    前記計測セルから任意の一列を選択する列選択回路と、
    第三薄膜トランジスターと第四薄膜トランジスターと、
    を備え、
    前記第一薄膜トランジスターと前記第二薄膜トランジスターとは差動トランジスター対
    をなし、
    前記第一薄膜トランジスターのゲートは前記計測用薄膜トランジスターのソース又はド
    レインの一方に接続され
    前記第三薄膜トランジスターは前記第一薄膜トランジスターに接続され、
    前記第四薄膜トランジスターは前記第二薄膜トランジスターに接続され、
    前記第三薄膜トランジスターと前記第四薄膜トランジスターとは、前記行選択回路及び
    前記列選択回路にて制御される事を特徴とする温度センサー。
  2. 更に第五薄膜トランジスターと第六薄膜トランジスターとを備え、
    前記第五薄膜トランジスターと前記第六薄膜トランジスターとはカレントミラー対をな
    し、
    前記第一薄膜トランジスターと前記第五薄膜トランジスターとの間に前記第三薄膜トラ
    ンジスターが配置され、
    前記第二薄膜トランジスターと前記第六薄膜トランジスターとの間に前記第四薄膜トラ
    ンジスターが配置される事を特徴とする請求項に記載の温度センサー。
  3. 更に第一電源と第二電源と第七薄膜トランジスターとを備え、
    前記第一薄膜トランジスターと前記第二薄膜トランジスターとは前記第一電源に接続さ
    れ、
    前記第五薄膜トランジスターと前記第六薄膜トランジスターとは前記第七薄膜トランジ
    スターに接続され、
    前記第七薄膜トランジスターは前記第二電源に接続される事を特徴とする請求項に記
    載の温度センサー。
  4. 前記第二薄膜トランジスターは基準トランジスターとして動作し、
    前記第一薄膜トランジスターの電気特性と前記第二薄膜トランジスターの電気特性とを
    比較して、温度を計測する事を特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の温度セ
    ンサー。
  5. 前記第五薄膜トランジスターのドレインと前記第六薄膜トランジスターのドレインとの
    間にイコライズ回路を備える事を特徴とする請求項に記載の温度センサー。
  6. 前記第五薄膜トランジスターと前記第六薄膜トランジスターと前記第七薄膜トランジス
    ターとがN型であり、
    前記第二電源が負電源である事を特徴とする請求項に記載の温度センサー。
  7. 前記第五薄膜トランジスターと前記第六薄膜トランジスターと前記第七薄膜トランジス
    ターとがP型であり、
    前記第二電源が正電源である事を特徴とする請求項に記載の温度センサー。
  8. 前記第三薄膜トランジスターは第三列選択トランジスターと第三行選択トランジスター
    とを含み、
    前記第四薄膜トランジスターは第四列選択トランジスターと第四行選択トランジスター
    とを含み、
    前記第三列選択トランジスターと前記第四列選択トランジスターとは前記列選択回路に
    て制御され、
    前記第三行選択トランジスターと前記第四行選択トランジスターとは前記行選択回路に
    て制御される事を特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の温度センサー。
  9. 更に、奇数列線と、偶数列線と、前記行選択回路にて選択される行線とを備え、
    前記第三行選択トランジスターと前記第四行選択トランジスターとは前記計測セルに配
    置され、
    前記第三行選択トランジスターのドレインは前記第一薄膜トランジスターのソースに接
    続し、前記第三行選択トランジスターのソースは前記奇数列線に接続し、前記第三行選択
    トランジスターのゲートは前記行線に接続し、
    前記第四行選択トランジスターのドレインは前記第二薄膜トランジスターのソースに接
    続し、前記第四行選択トランジスターのソースは前記偶数列線に接続し、前記第四行選択
    トランジスターのゲートは前記行線に接続する事を特徴とする請求項8に記載の温度セン
    サー。
  10. 更に、前記列選択回路にて選択される列線を備え、
    前記第三列選択トランジスターのゲートと前記第四列選択トランジスターのゲートとは
    前記列線に接続され、
    前記第三列選択トランジスターのドレインは前記奇数列線に接続され、
    前記第四列選択トランジスターのドレインは前記偶数列線に接続さる事を特徴とする請求
    項9に記載の温度センサー。
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