JP2013167244A - 海洋発電システム - Google Patents
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Abstract
【課題】 流速が十分ではない海流であってもその大きなエネルギーを利用し、水力発電に必要な水流を作り出し、発電を行う海洋発電システムを提供する。
【解決手段】 海上には海上浮体物10には海水を取り込む開口部11がある。海上浮体物10の内部には導水管20を介して海水が導かれる。導水管20には発電機30が設けられており、海流の圧力および導水管20の内部に生じている水面の落差による水圧により発電を行う。内部には貯留空間40があり海水を取り込む空間が提供される。この貯留空間40は海面下にある。貯留空間40に取り込まれた海水を排出部50により貯留空間40外へ排出する。海上浮体物10を超々巨大なタンカーの大きさとすると、巨大な壁面をなす船頭部分に設けられた開口部11から海水が内部へ噴出し、あたかも大型ダムが海上付近に設けられた構造となり、大型ダムのような水力発電を行うことができる。
【選択図】 図1
Description
本発明の発明者である西岡俊久は、米国ジョージア工科大学および神戸大学大学院海事科学研究科マリンエンジニアリング講座にて教授として教鞭を取る中、海洋での発電の研究を進め、流速が十分ではない海流であってもその大きなエネルギーを利用し、高効率で安定的に発電を行えるように工夫した海洋発電システムの可能性を探り研究を進めた。
世界中の海洋において、潮流・海流の速度が比較的大きい場所として挙げられるのはドーバー海峡(英仏海峡)である。ドーバー海峡の潮の流れは最大で6ノット、時速12キロ程度とされている。
ドーバー海峡(英仏海峡)での海流発電を想定した技術として、英仏海峡海流発電システム(特許文献1:特開2009−270491号公報)が知られている。この英仏海峡海流発電システムは、英仏海峡トンネルに付随する形で専用の発電用トンネル空間を数箇所掘削して発電設備を設置し、この設備の真上に当る海底部分に水車を設置して連結し、海流の流動エネルギーを水車のブレードで回転エネルギーに変換して発電機を稼動するものである。英仏海峡は60m程度の深さしかないため、大型艦船(喫水線35m程度)の航行に支障のない水深40メートル以下の海中に発電装置を設置するとしている。
そこで、海流を利用して発電機内の水車やタービン自体を所望の速度で回転するためには、発電機内の水車やタービン自体に工夫、改良が必要となってくる。
つまり、第1の海流導管内に第2の海流導管を設けた2重管構造とし、流入口から第1の海流導管内に導かれた海流は、第2の海流導管内への流れ(内側流)と、その外方の第1の海流導管と第2の海流導管との間の流れ(外側流)とに分流され、両者が第2の海流導管の出口付近で合流するが、その際に外側流により内側流が引き出されるというエジェクター効果があるとされている。
特許文献1の特開2009−270491号公報では、海流発電に適した場所がドーバー海峡(英仏海峡)であることを開示しているものの、上記したように、
海流のエネルギーは総量としては膨大であるが、流れの速度が遅く、また、発電機用の大型のプロペラやタービンを高速に回転させるほどの圧力差を直接得ることはできないために、発電機用のプロペラやタービン自体に工夫が必要であるが、同公報には通常のプロペラ体した開示されておらず、このままでは、十分効率的に大型の発電機を回転させ、所望の起電力を得られる技術が開示されているとは言えない。
また、浮体Bを係留索9によって所定の深さに浮遊状態で係留しているために、その姿勢を安定的に保持させることが難しいという問題点もある。
つまり、特許文献3、特許文献4のテーパー形状を伴う浮体を用いる技術では、事実上、利用可能な浮体の大きさと発電機のプロペラの大きさから考えると、海流を十分加速することはできるものではない。
そこで、本発明は、流速が十分ではない“海流”というものを利用し、海流から水力発電に必要な水圧を作り出し、高効率で安定的に発電を行えるように工夫した海洋発電システムを提供することを目的とする。
本発明は、海上に浮かべた海上浮体物に対して開口部から海水が流れ込んで排出部によって排出される流れの中で発電が行われる。
第1の構成例を述べる。
第1の構成例としては、上記構成において、前記排出部が、シリンダーと、前記シリンダー内をピストン運動するピストン体と、前記駆動機構による駆動力を受けて前記ピストン体にピストン運動をさせる動力を伝導する動力伝導機構を備えた構造であり、前記ピストン体のピストン運動に同期して前記貯留空間内の前記海水を前記海上浮体物外の海中に排出するピストンシリンダー式海水排出機構の構成例である。
第2の構成例としては、上記構成において、前記排出部が、前記海上浮体物の前記貯留空間に貯留された海水を前記海上浮体物外の海中へ汲み上げて放出するポンプ機構であり、前記駆動機構が前記海上浮体物の付近を流れる海流の力を受けて前記ポンプ機構を駆動する電力を得る発電機とした構成例である。
つまり、ポンプ式海水排出機構は、海水を海上浮体物外の発電機により得た電力を用いてポンプ機構で貯留空間外の海中へ強制排水するものである。
前記導水管に取り付けられている前記発電機により得られた電力の一部を前記ポンプ式海水排出機構の前記ポンプ機構を駆動する電力として利用することも可能である。
なお、貯留空間からの海水の排出は、ピストンシリンダー式海水排出機構を駆動させることにより海水を排出する構成とすれば、いわゆる海流を用いた"自然排水"が可能となる。また、ポンプ式海水排出機構を駆動させることにより海水を排出する構成とすれば、いわゆる海流を用いて得た電力を利用した"強制排水"が可能となる。
図1は、本発明の海洋発電システムの構成例を示す図である。図1(b)は、図1(a)に示した海洋発電システムの周囲の海水の流れを簡単に示す図である。
図2は、本発明の海洋発電システムの他の構成例を示す図である。図2(b)は、図1(a)に示した海洋発電システムの周囲の海水の流れを簡単に示す図である。
図1および図2に示すように、海洋発電システム100は、海上浮体物10、導水管20、発電機30、貯留空間40、排出部50を備えたものとなっている。図1(b)に示すように、これらの構成部材の内部またはその周囲には海水の流れがある。本発明の海洋発電システム100は、構成部材の内部に導かれた海水の流れ、および、周囲を流れる海流の働きを用いて発電するものである。
以下、各構成要素の説明を行い、その後に海洋発電システム100の働きについてまとめることとする。
海上浮体物10は、海水を取り込める開口部11を備え、海上に浮くものであれば良く、自力航行できないいわゆる超巨大なメガフロートのような浮体構造物であっても良いし、船体として自力航行できる船体構造物であっても良い。船体の場合、例えば、超々巨大なタンカーのような大きな船体が好ましい。
海上浮体物10を超々巨大なタンカーのような大きさとすると、巨大な壁面をなす船頭部分に設けられた開口部から海水が内部へ噴出するため、図1(b)に示すように、巨大な壁面をなす浮体構造物10の船頭付近があたかも大型ダムが海上付近に設けられたが如くの構造となり、大型ダムのような水力発電を行うことができる。
海上浮体物10は、開口部11を介して取り込んだ海水を内部に流し込む構造となっている。この開口部11は少なくとも一部が喫水線の下に位置するように設けられており、内部に海水を取り込む口となっている。後述するように導水管20に必要量の海水を導くために適したものであれば良い。
導水管20は、開口部11から取り込んだ海水を内部に導入するための通路である。
図1の構成例では、発電機は導水管20に対して略平行に設けられており、海面近くの海流が流れ込む水圧と、導水管20内部に生じている水面の落差による水圧などで発電するよう配置されている。
図2の構成例では、発電機は導水管20に対して略平行に設けられた発電機30aに加え、下方に向けた導水管の部分にも発電機30bおよび発電機30cを設けた構成となっている。海面近くの海流が流れ込む水圧と、導水管20内部に生じている水面の落差による水圧などで発電するよう配置されている。発電機30bおよび発電機30cでは貯留空間40の水面までの落差の水圧を利用することができるものとなっている。
海上浮体物を超々巨大なタンカーのような大きさとすると、巨大な壁面をなす船頭部分に設けられた開口部から海水が内部へ噴出するため、図1の構成例では、図1(b)に示すように、巨大な壁面をなす浮体構造物10の船頭付近があたかも大型ダムが海上付近に設けられたが如くの構造となり、大型ダムのような水力発電を行うものである。一方、図2の構成例では、図2(b)に示すように、巨大な壁面をなす浮体構造物10の船頭付近があたかも大型ダムが海上付近に設けられたが如くの構造となり、また、導水管の部分に設けられた発電機30bおよび発電機30cの部分もあたかも大型ダムが海上付近に設けられたが如くの構造となり、大型ダムのような水力発電を行うものである。
衝動水車は、圧力水頭を速度水頭に変えて水車に作用させるものである。つまり、水流の運動エネルギーを水車で受け、水車の運動エネルギーに変換するものである。ペルトン水車、開放周流形水車などが知られている。
ペルトン水車は、衝動水車の一つであり、水流をランナー周囲のバケットに当てて回転させる水車である。ここでは、一般のペルトン水車はノズルからジェット水流を噴き出してバケットに当てているが、本発明の海洋発電システム100の場合、導水管20に対してペルトン水車を組み合わせ、導水管20を流れ落ちる水流をバケットに当てて衝動させる。
開放周流形水車は、いわゆる古来から用いられている普通の水車であり、水流をランナー周囲のプレートに当てて回転させる水車である。
フランシス水車は、導かれた流水が、渦巻き型ランナーの外周部に半径方向から流入し軸方向に流出する水車である。構造が簡単で保守が容易であるとされており、水力発電用の水車として広く利用されている。
プロペラ水車は、軸方向から流入した流水が、軸方向に流出するものであり、回転軸に複数のランナー羽根が所定角度で設けられている。
カプラン水車は、プロペラ水車の一種であり、落差や水量の変化によってランナー羽根の角度を変えるものをカプラン水車と呼ばれる。
クロスフロー水車は、流水がランナー(羽根車)に対して交差して流れるものである。
排出部50の構成例として、ピストンシリンダー式海水排出機構を採用したもの、ポンプ機構を採用したものなどがあるが、この実施例1にかかる本発明の海洋発電システム100は、排出部50として、ピストンシリンダー式海水排出機構を採用したものとして説明する。ポンプ機構を採用した排出部50を適用した構成例は実施例2において説明する。
図5に示すように、ピストンシリンダー式海水排出機構を備えた排出部50は、シリンダー51と、ピストン体52と、第1の逆止弁路53、第2の逆止弁路54、第3の逆止弁路55、動力伝導機構56、排出口57を備えたものとなっている。
シリンダー51の設置場所は、貯留空間40内外のいずれの箇所でも良いが、この構成例では、貯留空間40の最後尾の部分に設けられている。
図5に示した構成例では、ピストン52の上面側と下面側を結ぶ水路521があり、後述するように、ピストン運動のサイクルの中で、第1のシリンダー室511に導入された海水を第2のシリンダー室512に移動させる際にピストン52内の水路521を通過するようになっている。
後述するように、第1の逆止弁路53は、ピストン運動のサイクルの中で、貯留空間40の貯留空間から海水を第1のシリンダー室511に導入する際には開くが、第1のシリンダー室511に導入された海水を第2のシリンダー室512に移動させる際には逆流しないように制止する働きをする。
後述するように、第2の逆止弁路54は、ピストン運動のサイクルの中で、第2のシリンダー室512の海水を排出口57から排出する際には開くが、第1のシリンダー室511に導入された海水を第2のシリンダー室512に移動させる際には逆流しないように制止する働きをする。
後述するように、第3の逆止弁路55は、ピストン運動のサイクルの中で、第1のシリンダー室511に導入された海水を第2のシリンダー室512に移動させる際にピストン52内の水路521を通過する方向には開くが、第2のシリンダー室512の海水を排出口57から排出する際には逆流しないように制止する働きをする。
後述するように、排出口57は、ピストン運動のサイクルの中で、第2のシリンダー室512から海水を放出する際には開放されるが、第1のシリンダー室511に導入された海水を第2のシリンダー室512に移動させる際には第3の逆止弁55により閉鎖される。
海水取り込みフェーズ1は、ピストン52のピストン運動に同期して貯留空間40内の海水をシリンダー51の第1のシリンダー室511内に取り込むフェーズである。
図6(a)から図6(c)は、海水取り込みフェーズ1の動きを示している。
図6(a)は海水取り込みフェーズ1の開始時点の状態であるとともに、後述の海水排出フェーズの開始時点の状態でもある。ピストン52は第1のシリンダー室511の空間を最小化させ、第2のシリンダー室512を最大化させる位置(図中、シリンダー51内の最右側)にある。
海水取り込みフェーズ2は、ピストン52のピストン運動に同期して、水路521を通じてシリンダー51の第1のシリンダー室511内の海水を第2のシリンダー室512内に取り込むフェーズである。
この、海水取り込みフェーズ1と海水取り込みフェーズ2の2段階のフェーズを通じて、貯留空間40内の海水がシリンダー51の第2のシリンダー室512内に取り込まれる。
図7(a)は海水取り込みフェーズ2の開始時点の状態である。ピストン52により第1のシリンダー室511の空間が最大化され、第2のシリンダー室512が最小化された位置(図中、シリンダー51内の最左側)にある。
排出フェーズは、ピストン52のピストン運動に同期して、シリンダー51の第2のシリンダー室512内の海水を排出口57から貯留空間40外の海中へ排出するフェーズである。
図8(a)は海水排出フェーズの開始時点の状態であり、前述した図6(a)に示した海水取り込みフェーズ1の開始時点の状態でもある。ピストン52により第2のシリンダー室512の空間が最大化され、第1のシリンダー室511が最小化された位置(図中、シリンダー51内の最右側)にある。
ここで、駆動機構60であるプロペラ体の実効面積がピストン52の端面の面積よりも大きいものであれば、以下の式が成り立つ。
(排出部50外の海中の水圧)<(第2のシリンダー室512内の水圧)
なお、上記したように、第1のシリンダー室511側では、同時に貯留空間40内の海水が第1のシリンダー室511内に取り込まれる動作が同時に行われている。
貯留空間40は、導水管20の発電に供される水流を一時的に貯めておく一種の“バッファ”であるため、このバッファである貯留空間40に対する排出部50による排水能力に依存する。
実施例1にかかる本発明の海洋発電システム100は、海流という比較的低速であるが、膨大な力を得ることができる資源を利用するものであり、駆動機構60であるプロペラ体により比較的低速の海流を捉えて動力伝導機構56を介してピストン運動に変換するものであり、伝達する回転比やカムの回転/往復運動変換比などを調整すれば、比較的低速の海流によって、海流の数倍の速さで往復するピストン運動に変換することも十分に可能である。
シリンダー室51の断面積Dが3m2(半径1m程度)、第1のシリンダー室511の最大幅L1が9m、第2のシリンダー室512の最大幅L2が9m、海流の速度がドーバー海峡の時速12kmから換算して秒速3m、動力伝導機構56によるピストン往復速度の変換比を1:3とすると、1秒当たりの排出能力は、以下のように計算できる。
第2のシリンダー室512の容積が、シリンダー室51の断面積Dと第2のシリンダー室512の最大幅L2との積から27m3である。つまり、排出能力は、毎秒27m3(27トン)である。ピストンシリンダー式海水排出機構を1基搭載した排出部50でも理論上、毎秒27トンの排出能力が得られる。
排出部50において毎秒14トンの排出能力が得られることより、毎秒14トンの海水を導水管20より導入して発電機30の発電に供することができる。
なお、上記構成において、海上浮体物10、導水管20、発電機30、貯留空間40、排出部50のいずれか、または、それらの組み合わせなどを並列化した構成であっても良い。
さらに、本発明の海洋発電システム100を複数個並べて稼働して大規模に電力を得ることも可能である。
実施例2にかかる本発明の海洋発電システム100aは、排水部50aにおける廃水をポンプ58によって強制排水を行うものである。
なお、その他の海上浮体物10、導水管20、発電機30、貯留空間40、その他、以下の実施例2の説明において特に説明しない構成物については実施例1と同様で良く、ここでの詳しい説明は省略し、一部図示も省略する。
実施例1と同様、海上浮体物10を超々巨大なタンカーのような大きさとすると、巨大な壁面をなす船頭部分に設けられた開口部から海水が内部へ噴出するため、図9の構成例では、図9(b)に示すように、巨大な壁面をなす浮体構造物10の船頭付近があたかも大型ダムが海上付近に設けられたが如くの構造となり、大型ダムのような水力発電を行うものである。実施例1の図2に示したような船頭の海水の取り入れと発電の構成も実施例2においても可能である。
図9に示すように、ポンプ機構を備えた排出部50aは、ポンプ58、電力供給装置59を備えたものとなっている。
電力供給装置59はポンプ58を稼働させる電力を供給するものであり、電力供給装置59への電力供給にあてる電力を得る方法は特に限定されない。貯留空間40の周囲の深層海流を利用した発電で得られた電力を供給しても良いし、導水管20に設けた発電機30において本発明の海洋発電システム100aの発電で得られた電力を供給しても良いし、両者を組み合わせるものであっても良い。
貯留空間40の周囲に取り付けた電力供給装置59により電力が得られれば、その電力によりポンプ58を駆動し、潜水部40の位置する水深の海中に海水を放出することができる。
なお、貯留空間40の周囲に取り付けた電力供給装置59により得られる電力は、いわゆる深層海流の潮流発電の発電能力の進歩により向上が期待できる。
さらに、貯留空間40の周囲に取り付けた電力供給装置59に加え、導水管20に設けた発電機30において本発明の海洋発電システム100の発電で得られた一部の電力を利用する構成でも良い。
また、上記構成において、ポンプ58と電力供給装置59のセットを並列化して複数個の排出部50aを設けて海水を排水しても良い。
なお、上記構成において、海上浮体物10、導水管20、発電機30、貯留空間40、排出部50aのいずれか、または、それらいずれかの組み合わせなどを並列化した構成であっても良い。
さらに、本発明の海洋発電システム100aを複数個並べて稼働して大規模に電力を得ることも可能である。
また、排出部として、実施例1で示した海中ピストン駆動による排水と、実施例2で示したポンプ駆動による強制排水を組み合わせたものとする構成も可能である。
10 海上浮体物
11 開口部
20 導水管
30 発電機
40 貯留空間
41 貯留空間
42 通気管
50 排出部
51 シリンダー
511 第1のシリンダー室
512 第2のシリンダー室
52 ピストン体
521 水路
53 第1の逆止弁路
54 第2の逆止弁路
55 第3の逆止弁路
56 動力伝導機構
57 排出口
58 ポンプ
59 電力供給装置
60 プロペラ体
Claims (10)
- 海上浮体物と、
前記海上浮体物の内部に海水を取り込む開口部と、
前記開口部から取り込んだ海水を前記海上浮体物の内部に導く導水部と、
前記導水部から受け入れた海水を取り込む前記海上浮体物の貯留空間と、
前記導水部に対して取り付けられ、前記導水部を通過する海水の水圧により発電する発電機と、
前記海上浮体物に流入した海水を流出させる排出部を備えたことを特徴とする海洋発電システム。 - 海面付近または海中において海流の力を受けて駆動する駆動機構と、
前記駆動機構で得られた駆動力により駆動し、前記海上浮体物の貯留空間内の海水を前記海上浮体物の外へ排出する排出部を備えたことを特徴とする請求項1に記載の海洋発電システム。 - 前記排出部が、シリンダーと、前記シリンダー内をピストン運動するピストン体と、前記駆動機構による駆動力を受けて前記ピストン体にピストン運動をさせる動力を伝導する動力伝導機構を備えた構造であり、前記ピストン体のピストン運動に同期して前記貯留空間内の前記海水を前記海上浮体物外の海中に排出するピストンシリンダー式海水排出機構とした、ポンプ式海水排出機構である請求項2に記載の海洋発電システム。
- 前記ピストンシリンダー式海水排出機が、前記シリンダーと前記海上浮体物の前記貯留空間とを逆流を防止しつつ接続する第1の逆止弁路と、前記シリンダーと前記海上浮体物外の海中とを逆流を防止しつつ接続する第2の逆止弁路を備え、前記ピストン体のピストン運動に同期して前記貯留空間内の前記海水を前記シリンダー内に取り込む取り込みフェーズと、前記シリンダー内に取り込まれた前記海水を前記海上浮体物外の海中に排出する排出フェーズを備えた海水排出ピストンサイクルで稼働するものであることを特徴とする請求項3に記載の海洋発電システム。
- 前記ピストンシリンダー式海水排出機構が並列化されて前記海上浮体物の周囲に配置され、各々の前記ピストンシリンダー式海水排出機構が、前記ピストンサイクルにて、前記海上浮体物の貯留空間から前記海水を取り込んで海中へ排出するものである請求項3または4に記載の海洋発電システム。
- 前記開口部から取り込む海水量を、前記ピストンシリンダー式海水排出機構の海水排出量に見合う量に制御する海水流量制御部を備えたことを特徴とする請求項3から5のいずれか1項に記載の海洋発電システム。
- 前記排出部が、前記海上浮体物の前記貯留空間に貯留された海水を前記海上浮体物外の海中へ汲み上げて放出するポンプ機構であり、前記駆動機構が前記海上浮体物の付近を流れる海流の力を受けて前記ポンプ機構を駆動する電力を得る発電機とした、ポンプ式海水排出機構である請求項2に記載の海洋発電システム。
- 前記導水管に取り付けられている前記発電機により得られた電力の一部を前記ポンプ式海水排出機構の前記ポンプ機構を駆動する電力として利用する請求項7に記載の海洋発電システム。
- 前記駆動機構および前記ポンプ式海水排出機構が並列化されて前記海上浮体物の周囲に配置され、各々の前記ポンプ式海水排出機構が、前記海上浮体物の貯留空間から前記海水を汲み出して前記海上浮体物外へ排出するものである請求項7または8に記載の海洋発電システム。
- 前記開口部から取り込む海水量を、前記ポンプ式海水排出機構の海水排出量に見合う量に制御する海水流量制御部を備えたことを特徴とする請求項7から9のいずれか1項に記載の海洋発電システム。
Priority Applications (2)
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