JP2013166486A - 車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】バンパーの下方にステップ装置を設置しても地上高を確保することができる車両を提供すること。
【解決手段】スライド部材40の一対の側壁部41には、軸部材30が移動可能に挿通される直線状の案内溝45と、一対の側壁部41の対向間を連結する板状の踏み板部43とを備え、軸部材30は、リアバンパー9bの下面に配設される基台部材9bから突設されるので、案内溝45に沿って軸部材30が相対移動することで、スライド部材40を格納位置から張出位置まで(又はその逆)の間を水平姿勢のままで移動させることができる。よって、リアバンパー9bの下方へのステップ装置10の張り出し量を抑制することができるので、その分、車両1の地上高を確保することができる。即ち、地上高の低い車両1であってもステップ装置10を設置できる。
【選択図】図8

Description

本発明は、車両に関し、特に、バンパーの下方にステップ装置を設置しても地上高を確保することができる車両に関するものである。
液体や気体などの運搬には、タンクローリーやタンクセミトレーラーなどの車両が用いられる。これらの車両では、車体フレーム上に円筒状のタンクが搭載され、そのタンクの後部に機器室が設けられる。機器室には、接続口や弁体、圧力計などが設けられており、機器室内の接続口と基地側の接続口とを接続ホースにより接続し、各種弁体などを操作することで、基地の貯蔵タンクへの荷下ろし或いは車両のタンクへの充填が行われる(特許文献1)。
機器室は、地面から高い位置にあるため、作業者が乗るためのステップ装置を車両の後部に設け、そのステップ装置を作業者の踏み台として使用して、機器室に対する作業(弁体の操作や計器類の視認など)が行われている。ステップ装置は、走行時は、車両の全長を延長しないように、バンパーの下方に格納され、使用時のみバンパーの後方へ展開できるように構成される。
具体的には、従来の車両のステップ装置は、バンパーの下方に車両幅方向に延びる軸部材を設け、踏み台となるステップ板の基部を軸部材により回動自在に軸支させ、走行時にはステップ板を縦姿勢(軸部材に軸支される基部が下方、基部の反対側となる手前側端部が上方となる姿勢)でバンパーの下方に格納し、使用時にはステップ板を手前開きに展開させる(基部を回転中心とし、手前側端部をバンパー後方へ開き落とし、水平姿勢とする)構造であった。
特開2004−083034号公報(図1から図4など)
しかしながら、上述した従来の車両のステップ装置では、ステップ板を手前開きで展開させる構造であるため、ステップ板を縦姿勢でバンパーの下方に格納する必要があり、その分、車両の地上高が低くなるという問題点があった。そのため、地上高の低い車両に対してはステップ装置の設置が困難であった。
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、バンパーの下方にステップ装置を設置しても地上高を確保することができる車両を提供することを目的としている。
課題を解決するための手段および発明の効果
請求項1記載の車両によれば、スライド部材は、軸部材が移動可能に挿通される直線状の案内溝を有する一対の側壁部と、それら一対の側壁部の対向間を案内溝の直線方向に沿う姿勢で連結する板状の踏み板部とを備え、軸部材は、バンパーの下面に配設される基台部材から突設されているので、案内溝に沿って軸部材を相対移動させることで、スライド部材を格納位置(バンパーの下方)から張出位置(バンパーの後方)まで(又はその逆)の間を水平姿勢のままで移動させることができる。スライド部材をバンパーの下方に格納した場合には、格納保持手段により水平姿勢のままで保持して、バンパーの下方へのステップ装置の張り出し量を抑制することができる。よって、車両の地上高を確保することができるという効果があり、その結果、地上高の低い車両であってもステップ装置を設置できる。
また、格納位置から水平姿勢のままでスライド部材を引き出してバンパーの後方に張り出させることができるので、スライド部材の張出位置をより高い位置とすることができる。よって、スライド部材を機器室に近づけることができるので、機器室に対して作業を行う作業者の作業性の向上を図ることができるという効果がある。
バンパーの後方に張り出されたスライド部材を水平姿勢に保持する張出保持手段は、スライド部材を基台部材に当接させることで、軸部材を回転中心とするスライド部材と基台部材との間の相対回転を規制するので、張出位置におけるスライド部材の姿勢を保持するための部品を別途設けることを不要とすることができる。よって、部品点数を削減して、その分、製品コストの削減を図ることができると共に、軽量化を図ることができるという効果がある。また、スライド部材が当接される基台部材はバンパーに配設される部材であり、バンパーの強度を利用して、作業者の体重を支えることができる。よって、基台部材の強度を不必要に大きくすることを抑制して、その分、部品コストの削減と軽量化とを図ることができるという効果がある。
また、スライド部材に案内溝を設け、基台部材から軸部材を突設させるので、基台部材を小型化して、ステップ装置全体としての軽量化を図ることができるという効果がある。即ち、案内溝は格納位置から張出位置までスライド部材を移動させるための長さが必要であるため、かかる案内溝を基台部材に設けた場合には、基台部材が長尺化する。一方、スライド部材は作業者が乗るための踏み板部を有する部材であるため、長尺である必要があり、案内溝の有無に関わらず、小型化することはできない。そのため、基台部材が長尺化する分、ステップ装置全体としての重量が嵩む。請求項1では、案内溝をスライド部材に設けることで、基台部材の小型化を図ることができるので、その分、ステップ装置全体としての軽量化を図ることができる。
請求項2記載の車両によれば、請求項1記載の車両の奏する効果に加え、スライド部材の一対の側壁部は、直線状の案内溝の一端からバンパーの上方側へ向けて延設される第2溝を備え、スライド部材がバンパーの後方へ張り出された場合には、軸部材が第2溝に受け入れられて係止されるので、スライド部材の水平方向(案内溝の直線方向)への移動を規制することができる。よって、例えば、踏み板部に作業者が乗って作業している際、或いは、作業者が踏み板部に乗ろうとして足をかけた際などに、かかるスライド部材が張出位置から収納位置へ向けて不用意に位置ずれすることを抑制できるという効果がある。
請求項3記載の車両によれば、請求項1又は2に記載の車両の奏する効果に加え、バンパーの前面側に延設される被係止板を基台部材が備えると共に、上面からバンパーの上方側へ向けて延設される延設壁部を一対の側壁部が備え、延設壁部が被係止板に当接することで、軸部材を回転中心とする相対回転を規制して、バンパーの後方に張り出されたスライド部材を水平姿勢に保持することができるので、延設壁部および被係止板の厚肉化を抑制して、軽量化を図ることができるという効果がある。
即ち、ステップ部材の踏み板部に作業者が乗ることで発生し、軸部材を回転中心としてスライド部材を回転させようとするトルクは、延設壁部と被係止板との当接部により受け止められるところ、請求項3によれば、被係止板がパンバーの前面側に延設されると共に、延設壁部が側壁部の上面からバンパーの上方側へ向けて延設されているので、その分、これら延設壁部および被係止板の当接部を、回転中心となる軸部材から離間せることができる。よって、同じトルクが発生した場合では、延設壁部および被係止板の当接部が、回転中心となる軸部材から離間されている分、これら延設壁部および被係止板に作用する荷重を低減することができる。その結果、延設壁部および被係止板の厚肉化を抑制して、軽量化を図ることができる。
請求項4記載の車両によれば、請求項2又は3に記載の車両の奏する効果に加え、スライド部材の踏み板部は、案内溝の少なくとも一部と重なる位置に配設されるので、その重なりの分、スライド部材の全長寸法(車体フレームの前後方向寸法)を短くすることができるという効果がある。
この場合、車体フレームの幅方向に所定間隔を隔てて対向配置される板状の一対の基台壁部を基台部材が備え、それら一対の基台壁部の対向間に軸部材が架設されると共に、一対の基台壁部の対向間にスライド部材の一対の側壁部が配設され案内溝または第2溝に軸部材が移動可能に挿通されるので、案内溝よりもバンパー側に踏み板部を配置することができる。これにより、踏み板部の張出位置をより高い位置として、機器室に近づけることができるという効果がある。その結果、機器室に対して作業を行う作業者の作業性の向上を図ることができる。
請求項5記載の車両によれば、請求項2から4のいずれかに記載の車両の奏する効果に加え、軸部材から基台部材の基台対向下面までの寸法が、案内溝の上側の内面から側壁部の他端側上面までの寸法と同等とされるので、スライド部材がバンパーの下方に水平姿勢で格納された状態では、一対の側壁部の他端側上面を基台対向下面に当接させることができる。これにより、格納位置においてスライド部材ががたつくことを抑制することができるという効果がある。
一方、他端側上面から一端側上面へ向けて傾斜接続上面が下降傾斜され、一端側上面の高さ位置が他端側上面の高さ位置よりも低くされている(基台部材の基台対向下面から離間している)ので、スライド部材を格納位置から張出位置へ引き出す際には、側壁部の上面と基台対向下面との当接を解除して、その引き出し動作をスムーズに行うことができるという効果がある。
請求項6記載の車両によれば、請求項1から5のいずれかに記載の車両の奏する効果に加え、タンクは、車体フレームに前方側から後方側へ向けて下降傾斜した状態で搭載されるので、車両の重心を低くして、積載量を確保することができる。一方、このようにタンクを傾斜させて搭載する車両では、地上高が低くなり、ステップ装置の設置が困難になるところ、請求項1から5のいずれかに記載のステップ装置であれば、地上高を確保しつつ、バンパーの下方に設置することができる。即ち、請求項1から5のいずれかに記載のステップ装置の適用対象を、前方側から後方側へ向けて下降傾斜した状態でタンクが車体フレームに搭載される車両とすることが特に有効となる。
本発明の第1実施の形態における車両の側面図である。 ステップ装置の側面図である。 図2の矢印III方向から視たステップ装置の背面図である。 基台部材の側面図である。 (a)は、図4の矢印Va方向から視た基台部材の正面図であり、(b)は、図4の矢印Vb方向から視た基台部材の下面図である。 (a)は、スライド部材の側面図であり、(b)は、図6(a)の矢印VIb方向から視たスライド部材の背面図である。 (a)は、図6(b)のVIIa−VIIa線におけるスライド部材の断面図であり、(b)は、図6(a)のVIIb−VIIb線におけるスライド部材の断面図である。 (a)は、張出位置におけるステップ装置の断面図であり、(b)は、格納位置におけるステップ装置の断面図である。 (a)は、張出位置におけるステップ装置の上面図であり、(b)は、格納位置におけるステップ装置の上面図である。 第2実施の形態におけるステップ装置の下面図である。
以下、本発明の好ましい実施の形態について添付図面を参照して説明する。まず、図1を参照して、車両1の全体構成について説明する。図1は本発明の第1実施の形態における車両1の側面図である。
図1に示すように、車両1は、トラクター(図示せず)と、そのトラクターの駆動力により従動されるトレーラー2とを備えるタンクセミトレーラーとして構成される。トレーラー2は、複数の車輪4を備える走行装置5と、その走行装置5に支持される車体フレーム6と、その車体フレーム6に傾斜状態で載置されるタンク7と、そのタンク7の後端部(図1右側)に連設され接続口や弁体、圧力計などの各種機器(操作部)が内部に格納される機器室8とを主に備える。
機器室8の後端面(図1右側)には、観音開きとなる二枚の開き戸(図示せず)が配設されており、作業者は、開き戸を開放した上で、機器室8に格納される各種機器の操作を行う。車体フレーム6の後部(図1右側)には、その後部下面側に突入防止装置9aが、後部端にリアバンパー9bが、それぞれ配設される。また、リアバンパー9bの下面側には、ステップ装置10が配設される。
ステップ装置10は、機器室8に対する作業を行う際に、作業者が乗る踏み台として使用される装置であり、スライド部材40を備えると共に、そのスライド部材40が、リアバンパー9bの下方となる格納位置(図8(b)参照)と、リアバンパー9bの後方に張り出した張出位置(図8(a)参照)との間を、水平姿勢を維持しつつ、水平移動(スライド移動)される。
本実施の形態における車両1によれば、ステップ装置10のスライド部材40が水平姿勢のままで格納位置に格納可能とされるので、リアバンパー9bの下方への張り出し量を抑制することができ、その分、地上高を確保することができる。本実施の形態のように、タンク7が傾斜配置される車両1では、地上高が低くなるため、従来の縦姿勢で格納されるステップ装置の設置が困難となる。よって、本実施の形態におけるステップ装置10の設置が特に有効となる。
次いで、図2から図9を参照して、ステップ装置10の詳細構成について説明する。図2は、ステップ装置10の側面図であり、図3は、図2の矢印III方向から視たステップ装置10の背面図である。なお、図2は、図1の部分IIに対応する。また、図2及び図3では、格納位置に配置されたステップ装置10が図示されると共に、リアバンパー9bの外形のみが二点鎖線を用いて模式的に図示される。
図2及び図3に示すように、ステップ装置10は、リアバンパー9bに配設される基台部材20と、その基台部材20に配設される軸部材30と、その軸部材30に支持されるスライド部材40とを主に備える。
基台部材20は、リアバンパー9bの下面(図2下側面)に固定されるベース部21と、そのベース部21の下面から下方へ向けて突設される一対の基台壁部22とを備え、一対の基台壁部22の対向間に架設された軸部材30を介して、スライド部材40を車両1(車体フレーム6、図1参照)の前後方向に沿って水平移動(スライド移動)可能に支持する(図8参照)。ここで、図4及び図5を参照して、基台部材20の詳細構成について説明する。
図4は、基台部材20の側面図であり、図2に示す側面図に対応する。また、図5(a)は、図4の矢印Va方向から視た基台部材20の正面図であり、図5(b)は、図4の矢印Vb方向から視た基台部材20の下面図である。なお、図4及び図5では、リアバンパー9bの外形のみが二点鎖線を用いて模式的に図示されると共に、基台部材20に軸部材30が締結固定された状態が図示される。また、支持軸31は、おねじの形状が模式的に図示される。
図4及び図5に示すように、基台部材20のベース部21は、リアバンパー9bの下面(図4下側の面)に水平に固定される板状の固定板21aと、その固定板21aの一端側(図4左側)から上方(図4上側)へ向けて垂直に延設されリアバンパー9bの前面側(図4左側)に所定間隔を隔てて配設される板状の被係止板21bとを備え、これら両板21a,21bにより側面視L形状(図4参照)に形成される。
なお、ベース部21の固定板21aの下面(図5(a)下側面)には、平坦面状に形成された基台対向下面21a1が形成される。基台対向下面21a1は、スライド部材40が格納位置に格納された場合に、側壁部41の他端側上面41bが当接される部位であり(図8(b)参照)、支持軸31との間の隙間寸法である上下方向間隔(図5(a)上下方向寸法)が間隔h1とされる。
基台部材20の基台壁部22は、対向壁22aと補強壁22bとを有しこれら各壁22a,22bが直交配置されたL型鋼から形成され、対向壁22aが車両1(車体フレーム6、図1参照)の幅方向(図5左右方向)に所定間隔を隔てつつ対向する状態で、一対がベース部21の固定板21aの下面(図4下側の面)に固定される。なお、この場合、一対の基台壁部22は、補強壁22bを車両1(車体フレーム6、図1参照)の後方側(図4右側)に向けた状態でそれぞれ配設される。また、対向壁22aには、軸部材30が挿通される正面視円形の挿通孔(図示せず)が穿設される。
軸部材30は、断面円形の軸状体として形成されると共に軸方向両端におねじが刻設された支持軸31と、その支持軸31の両端のおねじにそれぞれ締結される一対のナット32とを備える。軸部材30は、支持軸31の軸方向長さが、一対の対向壁22aの対向間隔よりも長くされている。
よって、対向壁22aの挿通孔に支持軸31を挿通することで、対向壁22aの両側から支持軸31の両端が突出されるので、それら両端のおねじにナット32をそれぞれ締結することで、軸部材30を、軸方向が車両1(車体フレーム6、図1参照)の幅方向に沿う状態で、一対の対向壁22aの対向間に架設することができる。
なお、図4及び図5では、説明の便宜上、基台部材20及び軸部材30のみを図示するが、軸部材30は、スライド部材40の案内溝45に挿通された状態で、基台壁部22の対向壁22aに架設され、スライド部材40を、基台部材20に対して移動可能に支持する(図2、図3及び図8参照)。この場合、対向壁22aとスライド部材40との間には、ワッシャWが介設され、対向壁22aとスライド部材40との間の隙間が調整される。即ち、ワッシャWの厚み寸法は、基台壁部22に対するスライド部材40の左右方向(図5左右方向)のがたつきを抑制するように、隙間の大きさに応じて適宜調整される。
一対の基台壁部22の一方には、突設壁23が配設される。突設壁23は、対向壁22aと補強壁22bとが交差する角部から対向壁22aと平行な向きで車両1(車体フレーム6、図1参照)の後方(図4右側)へ向けて突設される板状体であり、その板面の略中央には、正面視円形の挿通孔23aが穿設される。この挿通孔23aには、格納位置において、保持具50の係止ピン52が挿通される(図3及び図9(b)参照)。よって、挿通孔23aの内径は、係止ピン52の外径よりも若干大きくされる。
図2及び図3に戻って説明する。スライド部材40は、リアバンパー9bの下方に水平姿勢で格納されると共に(図2及び図3の状態)、その水平姿勢を維持しつつ、格納位置から張出位置へ引き出されることで、リアバンパー9bの後方に張り出して(図8(a)及び図9(a)参照)、作業者が作業時に乗る踏み台として使用される部材であり、案内溝45に挿通された軸部材30を介して、基台部材20に水平移動可能に支持される。ここで、図6及び図7を参照して、スライド部材40の詳細構成について説明する。
図6(a)は、スライド部材40の側面図であり、図6(b)は、図6(a)の矢印VIb方向から視たスライド部材40の背面図である。また、図7(a)は、図6(b)のVIIa−VIIa線におけるスライド部材40の断面図であり、図7(b)は、図6(a)のVIIb−VIIb線におけるスライド部材40の断面図である。なお、図6(a)は、図2に示す側面図に対応する。また、図6(a)では、保持具50の図示を省略している。
図6及び図7に示すように、スライド部材40は、車両1(車体フレーム6、図1参照)の幅方向(図6(b)左右方向)に所定間隔を隔てて配設される一対の板状の側壁部41と、それら一対の側壁部41の対向間を水平姿勢で連結する板状の踏み板部43と、その踏み板部43の下面側に配設される取付板44とを主に供える。
側壁部41は、側面視長方形状(図6(a)参照)の板状体として形成され、その長手方向(図6(a)左右方向)を車両1(車体フレーム6、図1参照)の前後方向(図1左右方向)に向けて配設される。側壁部41の長手方向一端側(図6(a)左側)には、上方(図6(a)上側)へ向けて垂直に延設される延設壁部42が連設される。なお、これら側壁部41及び延設壁部42は、1枚の板材から一体に形成される。
延設壁部42は、スライド部材40が張出位置に張り出された場合に、基台部材20のベース部21における被係止板21bに当接する部材であり(図8(a)参照)、これら延設壁部42と被係止板21bとの当接により、基台部材20に対するスライド部材40の軸部材30を回転中心とする相対回転が規制される。
よって、延設壁部42は、スライド部材40が張出位置に張り出された状態(詳細には、支持軸31が第2溝46に受け入れられた状態、図8(a)参照)において、ベース部21の被係止板21bに当接可能な高さ寸法(図6(a)上下方向寸法)を有して構成される。
なお、本実施の形態では、スライド部材40を基台部材20に当接させることで、軸部材30を回転中心とする相対回転の規制を行う構造において、軸部材30に支持される(即ち、第2溝46が形成される)側壁部41と、基台部材(ベース部21)に当接される延設壁部42とを一枚の板材から一体に形成し、延設壁部42の側面(図6(a)右側面)をベース部材21に当接させる。よって、板状の部材(側壁部41及び延設壁部42)を、断面係数が最大限有効に活用された状態で使用できるので、曲げ強度の確保と、軽量化および製品コストの削減との両立を図ることができる。
側壁部41の上面(図6(a)上側面)には、延設壁部42の側面(図6(a)右側面)に連設して配設される一端側上面41aと、側壁部41の長手方向他端側(図6(a)右側)に配設されると共に一端側上面41aより上方に(即ち、案内溝45から離間して)位置する他端側上面41bと、その他端側上面41bから一端側上面41aへ向けて下降傾斜(即ち、案内溝45に漸次近接)しつつ両上面41a,41bを接続する傾斜接続上面41cと、が形成される。一端側上面41a及び他端側上面41bは、側面視において案内溝45の直線方向と平行に形成される。
なお、他端側上面41bは、上述したように、スライド部材40が格納位置に格納された場合に、基台部材20のベース部21における基台対向下面21a1に当接される(図8(b)参照)。そのため、他端側上面41bと案内溝45の上側(図6上側)の内面との間の上下方向間隔(図6(a)上下方向寸法)である間隔h2が、間隔h1(図5(a)参照)と略同一の寸法とされる。
この場合、他端側上面41bの一側(一端側上面41a側、図6(a)左側)には、傾斜接続上面41cが傾斜状態で形成されているので、スライド部材40を張出位置から格納位置へ押し込み(図8(a)及び図8(b)参照)、他端側上面41bを基台対向下面21a1に当接させる際には、傾斜接続上面41cの傾斜による案内効果により、スライド部材40の押し込み動作をスムーズに行うことができる。
踏み板部43は、一対の側壁部41の対向間を連結する上面視矩形の板状体であり(図9参照)、側面視において案内溝45の直線方向と平行な姿勢で配置される。なお、踏み板部43の対向する縁部(図6(a)左側および右側)は、上方および下方へ向けて折り曲げ形成されており、強度が向上されている。また、踏み板部43は、案内溝45の少なくとも一部と上下方向(図6(a)上下方向)で重なる位置に配置されることで、スライド部材40のスライド方向寸法(図6(a)左右方向寸法)が小型化される。
取付板44は、保持具50の取付面を形成するための正面視矩形形状の板状体であり、踏み板部43の下面から垂下されると共に、一対の側壁部41の内の一方の側壁部41側(図6左側)に寄った位置に固定される。この取付板44の背面側(図6(b)紙面手前側)には、保持具50がリベットにより取り付けられる。なお、保持具50については、後述する。
側壁部41には、軸部材30の支持軸31(図8参照)が移動可能に挿通される案内溝45及び第2溝46が開口形成される。案内溝45は、側壁部41の長手方向(図6(a)左右方向)に沿って直線状に延設され、第2溝46は、案内溝45の終端(図6(a)左側)に連通されつつ上方(図6(a)上側)へ向けて所定長さ(本実施の形態では、支持軸31の直径と略同寸法)だけ垂直に延設される。
なお、両溝45,46は、支持軸31の直径よりも若干大きな溝幅を有すると共に、その溝幅は、延設方向に沿って一定とされる。また、案内溝45と第2溝46との連通部分は、円弧状に湾曲して接続されており、支持軸31を円滑に案内可能とされる。
ここで、スライド部材40は、その重心位置が、第2溝46よりも案内溝45の始端側(図6(a)右側)に位置する。即ち、スライド部材40は、第2溝46が側壁部41の長手方向一端側に偏って位置すると共に、第2溝46よりも側壁部41の長手方向他端側となる位置に踏み板部43等が配設されることで、図6(a)に示す側面視において、第2溝46を挟んで長手方向他端側(図6(a)右側)に位置する領域の重量が、第2溝46を挟んで長手方向一端側(図6(a)左側)に位置する領域の重量よりも重くなるように構成される。
そのため、第2溝46に支持軸31が受け入れられた状態では(図8(a)参照)、スライド部材40には、自身の自重により、支持軸31を回転中心として、踏み板部43側を重力方向下方へ下降させる方向への回転力(例えば、図8(a)において、支持軸31を中心として側壁部41を時計回りに回転させる力)が発生する。よって、張出位置へ引き出されたスライド部材40は、自重により回転力を発生させ、延設壁部42を被係止板21bに当接させることで、水平姿勢を維持する(図8(a)参照)。
なお、第2溝46の形成位置は、支持軸31を受け入れた状態(支持軸31が第2溝46の終端(図6(a)上側)に位置した状態)において、延設壁部42の当接面(図6(a)右側面)が、ベース部21の被係止板21b(図4参照)の当接面(図4左側面)に当接する位置に設定される。
側壁部41の長手方向他端側(図6(a)右側)には、正面視円形の挿通孔47が穿設される。挿通孔47は、保持具50の係止ピン52を挿通させるための孔であり、係止ピン52の直径よりも若干大きな内径を有する。なお、挿通孔47は、一対の側壁部41の内の一方の側壁部41のみに穿設される。
保持具50は、スライド部材40と基台部材20とを連結して、スライド部材40を格納位置に水平姿勢で保持するための部材であり、取付板44に取り付けられる本体ケース51と、その本体ケース51内に収納されると共に先端が側壁部41の挿通孔47に挿通される係止ピン52と、その係止ピン52に連結される操作子53とを主に備える。
本体ケース51は、一枚の板材を折り曲げ形成することで、中央部分が断面U字状に膨出した形状に形成されており、本体ケース51が取付板44に取り付けられると、そのU字状部分の内面と取付板44の板面との間に空間が形成される。その空間には、係止ピン52が軸方向(図6(b)左右方向)へ移動可能に収納される。また、本体ケース51のU字状部分の内面と取付板44の板面との間に形成される空間には、コイルばね(図示せず)が圧縮状態で収納されており、そのコイルばねの弾性回復力により係止ピン52が先端方向(図6(b)左側)へ向けて付勢される。
本体ケース51のU字状部分には、操作子53を案内すると共にその移動範囲を規制する案内溝(図示せず)が係止ピン52の軸方向に沿って形成される。よって、係止ピン52は、通常時、コイルばねの弾性回復力による操作子53の移動が案内溝の始端側(図6(b)左側)に規制されることで、側壁部41の挿通孔47から先端が突出した突出状態(図6(b)に示す状態)に維持されている。コイルばねの弾性回復力に抗して、操作子53を案内溝に沿って終端側(図6(b)右側)へ向けて移動させる操作がなされると、係止ピン52が本体ケース51内へ向けて後退される。
なお、係止ピン52の先端には、突設壁23の挿通孔23a(図4参照)への挿入性を高めるために、先細となるテーパー面が形成される。また、保持具50は、操作子53を操作していない状態(通常時)では、係止ピン52が突設壁23の挿通孔23aに挿通可能な位置まで突出した状態に維持される一方、操作子53の操作により、係止ピン52の先端が少なくとも突設壁23の挿通孔23aから脱抜される位置(即ち、スライド部材40の水平移動が可能となる位置)まで係止ピン52が後退可能に構成される。
図2及び図3に戻って説明する。スライド部材40が格納位置に格納された状態(図2及び図3に示す状態)では、保持具50の係止ピン52が、基台部材20の突設壁23の挿通孔23aに挿通された状態となり、かかる挿通状態がコイルばねの弾性回復力により維持される。
よって、保持具50の係止ピン52が突設壁23の挿通孔23aに係止されることで、スライド部材40の後方への引き出し動作を規制して、スライド部材40が、車両1の走行中に格納位置から飛び出すことを回避できる。なお、スライド部材40を後方へ引き出す場合には、保持具50の操作子53を操作して、係止ピン52を後退させれば良い。これにより、挿通孔23aによる係止ピン52の係止状態を解除して、スライド部材40を基台部材20に対して移動可能とすることができる。
次いで、図8及び図9を参照して、ステップ装置10の動作および使用方法について説明する。図8(a)及び図9(a)は、張出位置におけるステップ装置10の断面図および上面図であり、図8(b)及び図9(b)は、格納位置におけるステップ装置10の断面図および上面図である。なお、図9(a)は、図8(a)の矢印IXa方向視に対応し、図9(b)は、図8(b)の矢印IXb方向視に対応する。
図8(a)及び図9(a)に示すように、張出位置では、スライド部材40が引き出されてリアバンパー9bの後方に張り出された状態となる。これにより、作業者は、張り出されたスライド部材40の踏み板部43上に乗り、作業時の踏み台として使用することで、地面から高い位置にある機器室8(図1参照)に対する作業を効率的に行うことができる。
図8(b)及び図9(b)に示すように、格納位置では、スライド部材40がリアバンパー9bの下方に水平姿勢で格納された状態となる。これにより、リアバンパー9bの下方へのステップ装置10の張り出し量を抑制することができるので、その分、車両1(図1参照)の地上高を確保できる。即ち、地上高の低い車両1であってもステップ装置10を設置できる。
スライド部材40が格納位置に格納されたステップ装置10を使用する場合には、保持具50の操作子53を操作して、係止ピン52を突設壁23における挿通孔23aから脱抜させた後(図4及び図6(b)参照)、図8(b)及び図9(b)に示す状態から、スライド部材40を車両1(図1参照)の後方(図8(b)左方向)へ向けて水平方向に引き出す。
この場合、支持軸31が直線状の案内溝45に案内されることで、スライド部材40を水平姿勢(側壁板41の長手方向が車両1の上下方向(図8上下方向)に直交する姿勢)のままで、格納位置から張出位置へ向けて、水平移動(スライド移動)させることができる。即ち、格納位置から張出位置への移動を、スライド部材40を回転させて(例えば、従来技術のように手前開きで)行う構造ではないので、その移動のために必要とされる空間を抑制することができる。よって、地上高の低い車両1であっても、ステップ装置10の設置が可能となる。
スライド部材40が張出位置へ向けて水平移動され、支持軸31が案内溝45の終端(図8(b)左側)に達すると、スライド部材40が自重により下降され、支持軸31が第2溝46に受け入れられる。その結果、図8(a)及び図9(a)に示すように、スライド部材40が張出位置に配置される。この場合、スライド部材40は、その延設壁部42が基台部材20の被係止板21bに当接されることで、基台部材20に対する支持軸31を回転中心とする相対回転が規制され、水平姿勢に保持される。
このように、ステップ装置10によれば、図8(a)及び図9(a)に示す張出位置では、支持軸31が第2溝46に受け入れられて係止されるので、スライド部材40の水平方向(案内溝45の直線方向、図8(a)左右方向)への移動を規制することができる。よって、踏み板部43に作業者が乗って作業している際、或いは、踏み板部43に乗ろうとして足をかけた際などに、かかるスライド部材40が張出位置から収納位置へ向けて不用意に位置ずれすることを抑制できる。
また、ステップ装置10によれば、図8(a)及び図9(a)に示す張出位置において、スライド部材40を基台部材20に当接させることで、両部材20,40の間の支持軸31を回転中心とする相対回転を規制するので、張出位置におけるスライド部材40の水平姿勢を保持するための部品を別途設けることを不要とすることができる。よって、部品点数を削減して、その分、製品コストの削減を図ることができると共に、軽量化を図ることができる。
この場合、基台部材20のベース部21は、延設壁部42から作用する荷重を支える部材であるところ、その基台部材20のベース部21がリアバンパー9bに配設されているので、リアバンパー9bの強度を利用して、荷重(作業者の体重など)を支えることができる。よって、基台部材20(特にベース部21)の強度を例えば厚肉化や高強度材料の採用などにより不必要に高めることを不要として、その分、材料コストの削減と軽量化とを図ることができる。
また、この場合、基台部材20は、ベース部21の被係止板21bがリアバンパー9bの前面側を覆うので、延設壁部42がリアバンパー9bに直接当接することを回避して、リアバンパー9bの損傷(塗装剥がれなど)を抑制することができる。
なお、図8(a)及び図9(a)に示す張出位置において、スライド部材40を基台部材20に当接させ、相対回転を規制する構造において、ステップ装置10では、スライド部材40に延設壁部42を設け、その延設壁部42を基台部材20(ベース部21)に当接させる。このような構成とすることで、ステップ装置10全体としての軽量化と部品コストの削減とを図ることができる。
即ち、ステップ部材40の踏み板部43に作業者が乗ることで発生し、支持軸31を回転中心としてスライド部材40を回転させようとするトルクは、延設壁部42と被係止板21との当接部により支持されるところ、被係止板21bがリアパンバー9bの前面側(図8(a)左側)に延設されると共に、延設壁部42が側壁部41の上面からリアバンパー9bの前面側へ向けて延設されているので、その分、これら延設壁部42及び被係止板21bの当接部を、回転中心となる支持軸31から離間せることができる。
よって、発生するトルクが同じであれば、支持点となる延設壁部42及び被係止板21bの当接部が、回転中心となる支持軸31から離間されている分、延設壁部42及び被係止板21b(ベース部21)に作用する荷重を低減することができる。その結果、延設壁部42及び側壁部41とベース部21の厚肉化や高強度材料の採用を不要として、軽量化および部品コストの削減を図ることができる。
ステップ装置10を踏み台として使用する作業が終了し、スライド部材40を格納位置に格納する場合には、図8(a)及び図9(a)に示す状態から、スライド部材40を、第2溝46の延設長さの分だけ上方へ持ち上げ、支持軸31を案内溝45の終端(図8(a)左側)に位置させた後、水平方向へ押し込む。
この場合、支持軸31が案内溝45の直線形状により案内されることで、スライド部材40を水平姿勢のままで、格納位置へ向けて、移動させることができる。即ち、上述した格納位置から張出位置へ張り出させる場合と同様に、格納位置へ移動させる際も、その移動のためにリアバンパー9bの下方に必要とされる空間を抑制できるので、地上高の低い車両1(図1参照)であってもステップ装置10の設置が可能となる。
なお、格納位置においては、保持具50の操作子53を操作して、係止ピン52を、基台部材20の突設壁23に係止させる(挿通孔23aに挿通させる)。これにより、スライド部材40と基台部材20とを連結して、車両1(図1参照)の走行中にスライド部材40が後方へ飛び出すことを防止することができる。
スライド部材40は、案内溝45から側壁部41の他端側上面41bまでの上下方向間隔である間隔h2(図6(a)参照)が、支持軸31から基台部材20の基台対向下面21a1までの上下方向間隔である間隔h1(図5(a)参照)と同等の寸法とされるので、リアバンパー9bの下方に水平姿勢で格納された状態では、図8(b)に示すように、一対の側壁部41の他端側上面41bを基台対向下面21a1に当接させることができる。これにより、車両1(図1参照)の走行中において、格納位置にあるスライド部材40ががたつくことを抑制することができる。
一方、他端側上面41bに傾斜接続上面41cを介して接続される一端側上面41aは、その高さ位置が他端側上面41bの高さ位置よりも低くされている(水平姿勢において、基台部材20の基台対向下面21a1から離間している)。よって、スライド部材40を、格納位置から張出位置へ引き出す際には、側壁部41の上面と基台対向下面21a1との当接が解除されるので、スライド部材40の引き出し動作をスムーズに行うことができる。
ここで、本実施の形態におけるステップ装置10では、スライド部材40に案内溝45を設け、基台部材20に軸部材30を固定するので、基台部材20を小型化して、ステップ装置10全体としての軽量化を図ることができる。
即ち、本実施の形態における場合とは逆に、基台部材20に案内溝45を設けると共に、スライド部材40に軸部材30を固定する構成も可能であるが、案内溝45には格納位置から張出位置までスライド部材40を移動させるための長さが必要であるため、かかる案内溝45を基台部材20に設けた場合には、基台部材20が長尺化する。一方で、スライド部材40は作業者が乗るための踏み板部43を有する部材であるため、長尺である必要があり、案内溝45の有無に関わらず、小型化することはできない。そのため、基台部材20が長尺化する分、ステップ装置10全体としての重量が嵩む。
本実施の形態のように、案内溝45をスライド部材40に設けることで、基台部材20の小型化を図ることができるので、その分、ステップ装置10全体としての軽量化を図ることができる。
また、本実施の形態におけるステップ装置10では、基台部材20に一対の基台壁部22を設け、その一対の基台壁部22の対向間に軸部材30の支持軸31を架設すると共に、一対の基台壁部22の対向間にスライド部材40(側壁部41)が配設され、その案内溝45及び第2溝46に支持軸31が挿通されるので、踏み板部43の配設位置を機器室8に近づけることができる。
即ち、例えば、基台部材20の両側から支持軸31を突設させ、本実施の形態における場合とは逆に、一対の側壁部41の対向間に基台部材20(一対の基台壁部22)が配設される場合には、基台部材20との干渉を避けるため、案内溝45よりも下方(リアバンパー9bと反対側、図8下側)に踏み板部43を配置する必要がある。
これに対し、本実施の形態におけるステップ装置10では、基台部材20と踏み板部43との干渉を回避することができるので、案内溝45よりも上方(リアバンパー9b側、図8上側)に踏み板部43を配置することができる。これにより、踏み板部43の張出位置をより高い位置として、機器室8に近づけることができ、その結果、機器室8に対して作業を行う作業者の作業性の向上を図ることができる。
また、本実施の形態におけるステップ装置10では、第2溝46を設けたことで、リアバンパー9bと案内溝45との間にデッドスペースとなる空間が形成されるが、上記構成を採用して、案内溝45の上方に踏み板部43を配置することで、かかるデッドスペースとなる空間を有効に利用することができる。その結果、案内溝45の下方に踏み板部43を配置する場合と比較して、格納位置におけるステップ装置10のリアバンパー9b下方への張り出し量を抑制できる。即ち、車両1(図1参照)の地上高を確保できるので、地上高の低い車両1であってもステップ装置10を設置できる。
なお、スライド部材40の踏み板部43は、側壁部41の長手方向(図8左右方向)において、案内溝45の少なくとも一部と重なる位置に配設されるので、その重なりの分、スライド部材40の全長寸法(図8左右方向寸法)を短くすることができる。
次いで、図10を参照して、第2実施の形態について説明する。第1実施の形態では、突設壁23が下面視直線状に形成される場合を説明したが(図5(b)参照)、第2実施の形態における突設壁223は、下面視略くの字状に屈曲して形成される。なお、なお、上述した第1実施の形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図10は、第2実施の形態におけるステップ装置210の下面図である。なお、図10は、張出位置に配置されたステップ装置210であって、図4の矢印Vb方向から視たステップ装置210(図4ではスライド部材40の図示を省略)に対応する。
第2実施の形態におけるステップ装置210は、基台部材220の突設壁223の形状が、第1実施の形態における基台部材20の突設壁23の形状と異なる点を除き、他の構成は、第1実施の形態におけるステップ装置10と同じであるので、突設壁223についてのみ説明し、その他の説明は省略する。
図10に示すように、突設壁223は、一対の基台壁部22の内の保持具50に対応する一方の基台壁部22のみに配設され、第1実施の形態における突設壁23(図4及び図5(b)参照)の先端側に更に同じ厚み寸法及び幅寸法(図10紙面垂直方向寸法)の板状体が傾斜状態で延長された一枚の板状体として形成される。
即ち、突設壁223は、補強壁22bに接続される基部側部分(即ち、第1実施の形態における突設壁23と同じ形状となる部分)と、その基部側部分の先端側(図10上側)に連設される先端側部分とを備え、図10に示す下面視において、1枚の板材を略くの字状に屈曲した形状に形成される。なお、基部側部分と先端側部分とを接続する接続部分は、円弧状に形成され、基端側部分と先端側部分とを滑らかに接続する。
よって、第2実施の形態におけるステップ装置210によれば、図10に示す張出位置からスライド部材40が格納位置(図10下側)へ向けて押し込まれ(水平移動され)ると、保持具50の係止ピン52の先端が、突設壁223の先端側部分における傾斜に沿って移動し、これにより係止ピン52がコイルばねの弾性回復力に抗しつつ本体ケース51内へ徐々に後退される。スライド部材40が更に押し込まれると、係止ピン52の先端は、突設壁223の接続部分を越えて、基端側部分に沿って移動し、その基端側部分に穿設された挿通孔23aに到達すると、その挿通孔23a内へ、コイルばねの弾性回復力により、挿入される。
第1実施の形態におけるステップ装置10では、スライド部材40を水平方向へ押し込んで格納位置に配置する際には、保持具50の操作子53を手動で操作する必要があるのに対し、第2実施の形態におけるステップ装置210は、保持具50の操作子53を操作する必要がなく、スライド部材40を水平方向へ押し込むのみで、格納位置への配置と、保持具50による係止とを共に行うことができるので、格納作業の効率化を図ることができる。
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
上記各実施の形態で挙げた数値は一例であり、他の数値を採用することは当然可能である。例えば、上記各実施の形態では、間隔h1と間隔h2とが同等である場合を説明したが、間隔h1に対し、間隔h2を若干小さな寸法とすることは当然可能である。同様に、各部材の材質についても、一例であり、適宜選択することができる。各部材の材質としては、例えば、鉄鋼材料、アルミニウム合金などが例示される。
上記各実施の形態では、第2溝46の延設方向が案内溝45に直交する方向に設定される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、案内溝45の終端から離間するに従って上昇傾斜する方向(図6(a)左斜め上方向)に傾斜していても良い。
なお、第2溝46の延設方向が案内溝に直行する場合および傾斜する場合のいずれの場合であっても、被係止板21bの当接面(図4左側面)と延設壁部42の当接面(図6(a)右側面)とは第2溝46の延設方向に平行であることが好ましい。支持軸31が第2溝46に受け入れられた状態で、被係止板21bの当接面と延設壁部42の当接面とが全面で当接するようにすることで、荷重が作用する領域の偏りを抑制して、耐久性の向上を図ることができるからである。
上記各実施の形態では、案内溝45の終端に第2溝46を連設する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、第2溝46を省略し、軸部材30が案内溝45の終端に達した状態において、延設壁部42と被係止板21bとが当接するように構成しても良い。
また、第2溝46を省略する場合には、延設壁部42及び被係止板21bも省略し、基台部材20とスライド部材40との間の軸部材30を回転中心とする相対回転が、側壁部41の上面(一端側上面41a)と固定板21aの基台対向下面21a1とが当接することで規制される構成としても良い。第2溝46を省略する分、側壁部41の強度の向上を図ることができると共に、延設壁部42及び被係止板21bを省略する分、ステップ装置10,210全体としての軽量化と材料コストの削減とを図ることができる。
この場合、側壁部41の一端側上面41aは、側壁部41の長手方向一端側の一部のみの高さを他端側上面41bの高さ(間隔h2)と同じとすることが好ましい。軸部材30が案内溝45の終端に達した状態(張出位置)において、一端側上面41aと基台対向下面21a1との間の隙間を小さく又は無くして、がたつきを抑制することで、作業時のステップ部材40の安定化を図ることができるからである。
上記各実施の形態では、車両1が、牽引自動車として構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、他のタイプの車両(即ち、運転席と荷台や客車とが非分離のもの)に本発明を適用することは当然可能である。なお、請求項に記載した「車両」は、請求項に記載した発明特定事項を備えれば足りるので、上記各実施の形態で説明した車両1や他のタイプの車両だけでなく、トレーラー2も請求項に記載した「車両」の一例に該当する。
1 車両
6 車体フレーム
7 タンク
8 機器室
9b リアバンパー(バンパー)
10 ステップ装置
20 基台部材
21a1 基台対向下面
21b 被係止板(張出保持手段の一部)
22 基台壁部
23,223 突設壁(格納保持手段の一部)
23a 挿通孔(格納保持手段の一部)
30 軸部材
40 スライド部材
41 側壁部
41a 一端側上面
41b 他端側上面
41c 傾斜接続上面
42 延設壁部(張出保持手段の一部)
43 踏み板部
45 案内溝
46 第2溝
50 保持具(格納保持手段の一部)
h1 間隔(軸部材から基台部材の基台対向下面までの寸法)
h2 間隔(案内溝から側壁部の他端側上面までの寸法)

Claims (6)

  1. 車体フレームの後部に配設されるバンパーと、そのバンパーの上方に位置し作業者により操作される複数の操作部が内部に配設される機器室と、前記バンパーの下方に格納されると共に前記機器室内の操作部を操作する際に前記バンパーの後方へ張り出させて作業者の踏み台として使用されるステップ装置とを備えた車両であって、
    前記バンパーの下面に配設される基台部材と、
    その基台部材から前記車体フレームの幅方向へ向けて突設される軸部材と、
    その軸部材に水平移動可能に支持されるスライド部材と、
    そのスライド部材が前記バンパーの下方に水平姿勢で格納された状態を保持する格納保持手段と、
    前記バンパーの後方に張り出された前記スライド部材を水平姿勢に保持する張出保持手段と、を備え、
    前記スライド部材は、
    前記軸部材が移動可能に挿通される直線状の案内溝を有すると共に前記車体フレームの幅方向に所定間隔を隔てて対向配置される板状の一対の側壁部と、
    それら一対の側壁部の対向間を前記案内溝の直線方向に沿う姿勢で連結する板状の踏み板部と、を備え、
    前記張出保持手段は、前記スライド部材が前記基台部材に当接し、前記軸部材を回転中心とする相対回転を規制することで、前記バンパーの後方に張り出された前記スライド部材を水平姿勢に保持することを特徴とする車両。
  2. 前記スライド部材の一対の側壁部は、前記直線状の案内溝の一端から前記バンパーの上方側へ向けて延設され、前記スライド部材が前記バンパーの後方へ張り出された場合に前記軸部材を受け入れる第2溝を備えることを特徴とする請求項1記載の車両。
  3. 前記基台部材は、前記バンパーの前面側に延設される被係止板を備え、
    前記一対の側壁部は、その上面から前記バンパーの上方側へ向けて延設される延設壁部を備え、
    前記張出保持手段は、前記延設壁部が前記被係止板に当接し、前記軸部材を回転中心とする相対回転を規制することで、前記バンパーの後方に張り出された前記スライド部材を水平姿勢に保持することを特徴とする請求項1又は2に記載の車両。
  4. 前記基台部材は、前記車体フレームの幅方向に所定間隔を隔てて対向配置される板状の一対の基台壁部を備え、
    前記軸部材は、前記一対の基台壁部の対向間に架設され、
    前記スライド部材の一対の側壁部は、前記基台部材の一対の基台壁部の対向間に配設された状態で、前記案内溝または第2溝に前記軸部材が移動可能に挿通され、
    前記スライド部材の踏み板部は、前記案内溝の少なくとも一部と重なる位置に配設されると共に、前記案内溝よりも前記バンパー側に配置されることを特徴とする請求項2又は3に記載の車両。
  5. 前記基台部材は、前記スライド部材の一対の側壁部の上面に対向する基台対向下面を備え、
    前記スライド部材の一対の側壁部の上面は、前記側壁部の一端側に位置する一端側上面と、前記側壁部の他端側に位置し前記案内溝の直線方向に平行な他端側上面と、その他端側上面から前記一端側上面へ向けて下降傾斜しつつ接続する傾斜接続上面と、を備え、
    前記軸部材から前記基台部材の基台対向下面までの寸法が、前記案内溝の上側の内面から前記側壁部の他端側上面までの寸法と同等とされ、前記スライド部材が前記バンパーの下方に水平姿勢で格納された状態では、前記一対の側壁部の他端側上面が前記基台対向下面に当接されることを特徴とする請求項2から4のいずれかに記載の車両。
  6. 前記車体フレームに前方側から後方側へ向けて下降傾斜した状態で搭載されるタンクを備えることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の車両。
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