JP2013165733A - H19をダウンレギュレートする核酸薬剤、及びそれを使用する方法 - Google Patents

H19をダウンレギュレートする核酸薬剤、及びそれを使用する方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
癌治療用にH19をダウンレギュレートする方法及び組成物の提供。
【解決手段】
癌細胞中のH19mRNAのレベルをダウンレギュレートできる単離オリゴヌクレオチド類を開示する。追加の抗癌治療と組み合わせてH19mRNAをダウンレギュレートできる薬剤を含む製造品を、それを投与することにより癌を治療する方法と共に開示する。
【選択図】図1

Description

本発明は、H19をダウンレギュレートする核酸薬剤及び癌治療のためのその使用に関する。
H19は、母性対立遺伝子のみの発現を示して同定される最初のヒトインプリント非タンパク質コード化遺伝子であった。それはマウスにもインプリントされる。H19は、マウス染色体7の領域に相同的なヒト染色体11、バンド15.5の短腕にマップされた。それは、タンパク質産物をコードしない可能性が極めて高い遺伝子群に属する。H19遺伝子は、胚形成で多量に発現されるが、誕生後は大部分の組織において途絶える。しかしながら、種々の腫瘍の研究により健全な組織と比較して、H19遺伝子の再発現又は過剰発現が示された。さらに種々の病因及び系列の癌において、対立遺伝子パターンの異常発現が幾つかの症例に見られた。H19は、成熟のある段階における生殖細胞を除き、発達を通して大部分の組織において、及び絨毛外栄養芽細胞において、モノ対立遺伝子発現を示すが、「インプリンティングの緩和」又は「インプリンティングの喪失」(LOI)と呼ばれるこの遺伝子の二対立遺伝子発現は、数が増加している多くの癌、例えば、肝細胞癌、アルブミンSV40T抗原−遺伝子導入ラットの肝新生物、肺腺癌、食道癌、卵巣癌、横紋筋肉腫、子宮頚癌、膀胱癌、頭頚部の扁平上皮癌、大腸癌、子宮癌及び精巣生殖細胞の腫瘍に見出されている。今日、ほぼ30タイプの癌は、健全な組織と比較してLOIの有る無しのH19遺伝子の調節不全発現を示す。最近のレビューに関して、Matoukら(Matoukら、2005年、Gene Ther Mol Biol)を参照されたい。
異所性起源のH19の過剰発現により、軟寒天アッセイ及び幾つかの組合せ免疫欠損(SCID)マウスにおける乳房上皮細胞に対して増殖の利点を付与することも示された(Lottinら、2002年、Oncogene 21、1625〜1631ページ)。絨毛膜癌由来細胞系(JEG−3)及び膀胱癌細胞系(T24P)の細胞注入により形成された腫瘍において、H19レベルは、注入前の細胞中のH19レベルと比較すると非常に高い[Rachmilewitzら、1995年、Oncogene 11、863〜870ページ]。
さらに、一定の既知の発癌物質は、H19遺伝子の発現をアップレギュレートする。(LOI)の無い喫煙者の気道上皮にH19RNAレベルの劇的な上昇が検出された[Kaplanら、2003年、Cancer Res 63、1475〜1482ページ]。BBN(膀胱の既知の発癌物質)もまた、膀胱癌のラットモデルにおいてH19遺伝子の発現を誘導する[Arielら、2004年、Mol Carcinog 41、69〜76ページ]。同様に、ジエチルニトロサミン(肝臓の既知の発癌物質)は、肝細胞癌のマウスモデルにおいてH19の発現を誘導する[Graveelら、2001年、Oncogene 20、2704〜2712ページ]。これら全て及び他の観察は、H19が腫瘍抑制遺伝子であるという初期の提案と矛盾する。
H19RNAの存在又は不在の点でのみ異なる2つの同質細胞集団における遺伝子発現パターンを比較して、H19RNAの多数の下流エフェクターが同定されており、これらの中には、腫瘍形成過程の幾つかの態様において重要な役割を果たすことが以前に報告された遺伝子群がある。H19RNAの存在により、これらの経路において機能する遺伝子をアップレギュレートすることにより細胞の侵襲、遊走及び血管新生能力を増強し、したがって、少なくとも転移カスケードの最初のステップに寄与し得る。さらなる研究では、HGF/SFに対する応答性遺伝子であることから癌進行及び腫瘍転移を促進する上でH19の潜在的役割が強調されている。
癌細胞中のH19遺伝子の特異的発現により、癌診断のための臨床応用における使用が促進されている。
したがって、本発明者らに対する米国特許第5,955,273号は、腫瘍特異的マーカーとしてのH19遺伝子の使用を教示している。
PCT公開第WO9524503号は、小児性ウィルムス腫瘍の悪性度の存在/不在の検出に有用なインサイチュハイブリダイゼーションによりH19遺伝子プローブを用いた悪性度の検出及びそれらの等級付けを教示している。
PCT公開第WO0403159号は、癌などの血管新生に関連する疾患を治療するためにH19のダウンレギュレーションを教示している。しかしながら、H19のダウンレギュレーションは、腫瘍のサイズ又は容積の減少も示していないし、教示されたH19をダウンレギュレートできるsiRNA薬剤は、特異性もなく、有効性もなかった。さらにPCT公開第WO0403159号は、癌を治療するための併用療法の一部としての抗H19薬剤の使用は教示していない。
したがって、癌治療用にH19をダウンレギュレートする方法及び組成物を有する必要性が広く認められており、このことは極めて有益になると考えられる。
本発明の一態様によれば、配列番号1、2、3及び4からなる群から選択される単離オリゴヌクレオチドを提供する。
本発明の別の態様によれば、薬学的に許容できる担体、及び活性成分として配列番号1、2、3及び4からなる群から選択される少なくとも1種の単離オリゴヌクレオチドを含む医薬組成物を提供する。
本発明のさらに別の態様によれば、癌治療用医薬品の調製のために配列番号1、2、3及び4からなる群から選択される単離オリゴヌクレオチドの使用を提供する。
本発明のさらに別の態様によれば:
(a)H19mRNAのレベル及び/又は活性をダウンレギュレートすることができる薬剤の治療的有効量を、それを必要とする対象の細胞に投与すること、又は対象の細胞において発現させること;及び
(b)前記対象に癌療法を提供し、それによって癌を治療すること
を含む癌を治療する方法を提供する。
本発明のさらなる態様によれば、癌療法と組み合わせる癌治療用医薬品を調製するためのH19mRNAのレベル及び/又は活性をダウンレギュレートすることができる薬剤の使用を提供する。
本発明のなおさらなる態様によれば、配列番号1、2、3及び4からなる群から選択される少なくとも1種のオリゴヌクレオチドの治療的有効量を、それを必要とする対象の細胞に投与すること、又は対象の細胞において発現させることを含む、癌を治療する方法を提供する。
本発明のなおさらなる態様によれば、H19mRNAのレベル及び/又は活性をダウンレギュレートすることができる薬剤及び癌を治療するために同定された追加の抗癌剤を含む製造品を提供する。
下記の本発明の好ましい実施形態におけるさらなる特徴によれば、H19mRNAのレベル及び/又は活性をダウンレギュレートすることができる薬剤は核酸系薬剤である。
記載された好ましい実施形態のなおさらなる特徴によれば、該核酸系薬剤は:
(a)H19遺伝子由来のH19RNAの転写を阻害する一本鎖ポリヌクレオチド;
(b)H19mRNAにハイブリダイズすることによってH19mRNA活性の低下に導く一本鎖ポリヌクレオチド;
(c)H19mRNAの分解に導く二本鎖ポリヌクレオチド;
(d)H19mRNAを開裂させる三重鎖形成ポリヌクレオチド;
(e)H19mRNAを開裂させる触媒ポリヌクレオチド;
(f)H19mRNAにハイブリダイズしてその酵素的分解に導く一本鎖ポリヌクレオチド;及び
(g)(a)から(f)のいずれか1つをコードする核酸配列
からなる群から選択される。
記載された好ましい実施形態のなおさらなる特徴によれば、該核酸系薬剤は、siRNA、リボザイム及びDNAザイムからなる群から選択される。
記載された好ましい実施形態のなおさらなる特徴によれば、該核酸系薬剤はsiRNAである。
記載された好ましい実施形態のなおさらなる特徴によれば、siRNAは、配列番号1〜4からなる群から選択される核酸配列を含む。
記載された好ましい実施形態のなおさらなる特徴によれば、投与はインサイチュで実施される。
記載された好ましい実施形態のなおさらなる特徴によれば、癌は、小児固形癌、ウィルムス腫瘍、肝芽種、胎児性横紋筋肉腫、生殖細胞腫瘍及び栄養膜腫瘍、精巣生殖細胞腫瘍、卵巣の未熟奇形腫、仙尾骨腫瘍、絨毛膜癌、胎盤部位栄養膜腫瘍、上皮成人腫瘍、膀胱癌、肝細胞癌、卵巣癌、子宮頚癌、肺癌、乳癌、頭頚部の扁平上皮癌、食道癌、神経原性癌、星状細胞腫、神経節芽細胞腫、神経芽細胞腫からなる群から選択される。
記載された好ましい実施形態のなおさらなる特徴によれば、癌は膀胱癌又は肝細胞癌である。
記載された好ましい実施形態のなおさらなる特徴によれば、H19mRNAのレベル及び/又は活性をダウンレギュレートすることができる薬剤は、追加の抗癌剤と共に共製剤化される。
本発明は、癌の治療のためにH19RNA単独及び組合せの双方でH19RNAをダウンレギュレートできるヌクレオチド薬剤を提供することによって現在知られた形態の欠点に首尾よく取り組むものである。
別に定義されない限り、本明細書に用いられる全ての技術用語及び科学用語は、本発明が属する通常の当業者により一般に解されるものと同じ意味を有する。本明細書に記載されたものと類似又は等価の方法及び物質は、本発明の実施又は試験に使用できるが、好適な方法及び材料を以下に記載する。本明細書に記載された全ての刊行物、特許出願、特許、並びに他の参考文献は、参照としてその全体が本明細書に組み込まれている。矛盾する場合は、定義を含めて本特許明細書が規制する。さらに、材料、方法、及び実施例は単に例示的なものであり、限定する意図はない。
本発明は、添付の図面を参照として例示としてのみ本明細書に記載している。ここで図面について詳細に具体的に記述するが、示された項目は、例示目的のものであり、本発明の好ましい実施形態の考察を例示することだけが目的であり、本発明の原理及びコンセプト態様の最も有用で容易に解される説明と考えられるものを提供するという理由で提示されていることを強調する。この点において、本発明の基本的な理解に必要なもの以上に詳細に本発明の構造的詳細を示す意図はなく、前記説明は、本発明の幾つかの形態を実際に具体化できる方法を当業者に対して明らかにさせる図面と共に利用される。
図1A〜Fは、ヒト胎仔及び胎盤標本におけるH19の選択的スプライスバリアントの存在を示す写真及び概略図である。図1Aは、5つのエキソン(E1−5)(ソリッドボックス)及び4つの短イントロン(ボックス間の線)からなるH19遺伝子の位置を示す染色体11を示す概略図である。PCR反応に使用されるプライマーの位置は、水平矢印によりマークされ、転写開始部位に対して下流の117及び816塩基である。スプライス区分の欠如は、グレイボックスにより示されている。図1B〜Dは、RT−PCR反応に関して臭化エチジウム染色ゲルの写真である。以下の細胞が分析された:Hep3B及びSKHep1(肝細胞癌細胞系);RT4及びUmuc3(膀胱癌細胞系);胎盤標本:第一のトリム(第一のトリメスター);奇胎、包虫状奇胎;第三のトリム(第三のトリメスター);LG−BC、低グレード膀胱癌;HG−BC、高グレード膀胱癌;NB、正常膀胱;NC、正常大腸;CClym、リンパ節に転移の大腸癌;CCliv、肝臓に転移の大腸癌;CC、大腸癌;図1B〜Dにおいて、Cによりマークされたレーンは陰性対照であり;Mはマーカー100bpラダーである。サンプルのサイズは右側に示している。図1Eは、RNアーゼ防護アッセイの写真である。矢印は、第三のトリメスター胎盤組織内に選択的スプライスバリアント344塩基の存在を示す。RT−PCR反応により検出できなかった別の選択的スプライスバリアントの存在を示すことができた2つの他の過度のさらなるバンドもまた検出された。図1Fは、エキソン1から366塩基のスキッピング領域を表示する選択的スプライスバリアントの部分的配列分析を示す図である。下線の配列は、スプライス結合を示す。(ヌクレオチドのナンバリングは、開始コドンにおいて始まる)。 図2A〜Bは、Hep3B細胞内のH19RNAの発現レベルに対してCoClの濃度の増加効果を示す臭化エチジウム染色ゲルの写真である。図2Aは、Hep3B細胞内のH19遺伝子のRT−PCR産物を示す。図2Bは、Hep3B細胞内のRT−PCR統合性に関する陽性対照としてGADPH遺伝子のRT−PCR産物を示す。図2A及び2Bについて、レーン1は未処理Hep3Bを示し;レーン2、3、4、5及び6は、それぞれ、50、100、200、300及び400μMのCoCl処理細胞を示す。 図3A〜Fは、本発明のsiRNA類を用いてH19のインビトロダウンレギュレーションの有効性を示す棒グラフ及び写真である。図3A〜Cは、RT−PCR分析により試験された通常の培養条件下(図3A)及び低酸素模倣条件下(図3B)、Hep3B細胞系内のH19の発現レベルに対して異なるH19siRNA二重鎖の効果を示す臭化エチジウム染色ゲルである。図3Aにおいては、レーン1は、ルシフェラーゼ遺伝子を標的とする関連性のないsiRNA二重鎖により、レーン2〜5は4つのH19siRNA二重鎖(配列番号1〜4)により、レーン6はそれらの等モル混合物をトランスフェクトしたHep3B細胞を示し、レーン7は、siRNAのないリポフェクタミン2000(Mock)を示す。試験された全てのsiRNA剤(配列番号1〜4)は、H19 C=PCRブランクのmRNAを減少させるのに少なくとも50%有効であった。図3B及び3Cにおいては、レーン1及び5は、ルシフェラーゼ遺伝子(配列番号5)を標的とするsiRNA二重鎖により、レーン2〜4は、3つの異なるH19siRNA二重鎖(配列番号1、3、及び4)により通常の培地中でトランスフェクトしたHep3B細胞を示す。トランスフェクション24時間後、培地を変え、通常の培養培地中で増殖し続けた細胞を示すレーン5を除いて、培地を含有する100μMのCoCl2を加えた。さらに22時間インキュベーションを行った。RT−PCR産物は、RT−PCR統合性に関する陽性対照としてH19(図3B)及びGADPH(図3C)遺伝子の両方について示される。図3D〜Eは、RT−PCR分析により試験された通常の培養条件及び低酸素条件下、UMUC3細胞系内のH19の発現レベルに対してH19siRNA二重鎖(配列番号1)の効果を示す臭化エチジウム染色ゲルである。図3F及び3Gについて、それぞれ、通常の酸素条件下、レーン1は、GFP siRNAをトランスフェクトしたUMUC3細胞、レーン2は、プラスH19siRNA−配列番号1を示し、低酸素条件下、レーン3は、GFP siRNAをトランスフェクトしたUMUC3細胞、レーン4は、プラスH19siRNAを示す。図3Fは、GFP siRNA対照処理細胞と比較して、Hep3B細胞にH19siRNA(配列番号3)トランスフェクション後、低酸素回収後のコロニー数の減少を示す棒グラフである。 図4A〜Dは、Hep3B細胞の一過性H19RNAダウンレギュレーションは、インビボ腫瘍形成能を阻止することを示す棒グラフ及び写真である。Hep3B細胞は、H19siRNA3(配列番号3)又は抗Luc siRNA(配列番号5)を一過性にトランスフェクトした。トランスフェクション48時間後、細胞をPBSで2回洗浄し、トリプシン処理し、カウントした。抗H19siRNA3及び抗Luc siRNAを受けた1.5×10細胞を、CD−1ヌードマウス(双方ともn=7、偽トランスフェクトに関して4匹)の背面部分に皮下注入した。抗Luc siRNAを一過性にトランスフェクトし、Hep3Bで接種されたマウスへの接種15日後に、触診可能の腫瘍が観察された。腫瘍容積を追跡し、接種30日目までキャリパーを用いて測定し、その後マウスを殺処理した。平均腫瘍重量(A)(±標準誤差)及び平均腫瘍容積(p<0.03)(B)(±標準誤差)について約82%の有意な(p<0.03)減少が見られた。値は、殺処理直前と殺処理後のエンドポイントを表す。腫瘍外科露出前(C)、及び腫瘍内部の露出後(D)において各群2匹のマウス(マウス1及び2は、H19siRNA3(配列番号3)処理動物、及びマウス3及び4は、抗Luc siRNA(配列番号5)処理動物)の代表的な腫瘍形体を示している。 図5A〜Dは、ヒト膀胱癌細胞−UMUC3に対するsiRNA−H19のインビボ効果を示す棒グラフ及び写真である。100万のUMUC3細胞を、無胸腺マウス(GFP siRNA(配列番号6)に関してn=3、及びsiRNA H19(配列番号1)に関してn=5)に皮下注入し、siRNA類を48時間後一過性にトランスフェクトした。抗GFP−siRNAにより一過性に形質移入され、UMUC3を受けた3匹のマウス中2匹が6週後、触診可能の腫瘍が観察されたが、一方、siRNA H19を受けたマウス(n=5)には腫瘍がいずれも観察されなかった。接種8週後にマウスを殺処理した。グラフは平均腫瘍容積(B,p<0.05)、及び平均腫瘍重量(A,p<0.06)を示す。値は、殺処理直前と殺処理後のエンドポイントを表す。写真は、抗GFP siRNA(C)、及びsiRNA H19(D)をトランスフェクトし、UMUC3により接種されたマウスの腫瘍の外部形体を示している。 Hep3B細胞において通常の培養条件下の増殖に対するH19siRNA(配列番号3)トランスフェクションの効果を示す棒グラフである。 図7A〜Dは、CD−1ヌードマウスにおいて予め注入されたヒト膀胱癌細胞−UMUC3(図7A〜B)(配列番号1)及びHep3B細胞(配列番号3)(図7C〜D)に対するH19siRNA類(配列番号1;配列番号3)又は抗GFP siRNA(配列番号6)の腫瘍内投与の効果を示す棒及び線形グラフである。siRNA−H19(配列番号1)又は抗GFP siRNAのUMUC−3処置マウスへの注入後の経時的腫瘍容積の変化を示す線形グラフである。図7Bは、siRNA−H19又は抗GFP siRNAのUMUC−3処置マウスへの注入後の腫瘍重量の変化を示す棒グラフである。図7Cは、siRNA−H19又は抗GFP siRNAのHep3B処置マウスへの注入後の腫瘍容積を示す棒グラフである。図7Dは、siRNA−H19(配列番号3)又は抗GFP siRNAのHep3B処置マウスへの注入後の腫瘍重量の変化を示す棒グラフである。 図8A〜Dは、インビボでヒト膀胱癌細胞TA11(H19に対して陰性)及びTA31(H19に対して高発現体)の増殖に対するH19異所的発現の効果を示す棒グラフ及び写真であり:等量(2×10)のTA31H19−high及びTA11H19−ve細胞を、CD−1マウス(各n=5)に皮下接種した。2週後、触診可能な腫瘍が出現し、キャリパーを用いてさらに2週間測定した。グラフは、2群の平均腫瘍容積(図8A)、平均腫瘍容積動態(図8B)のエンドポイント測定値、及びTA11H19−ve細胞(図8C)及びTA31H19−high細胞(図8D)から誘導された腫瘍の代表的な全体形態を示す。 図9A〜Cは、H19RNAは、Hep3B細胞系において低酸素ストレスにより誘導されること、及びH19に対して特異的なsiRNAは、その誘導を極めて効率的に妨害することを示す写真である。Hep3B細胞を接種し、抗H19siRNA又は抗luc−siRNAのいずれかをトランスフェクトした。トランスフェクション24時間後、細胞を、1時間以内に低酸素様条件を創製するためにAneoropack角型ジャー(Mitsubishi Chemical Company、日本国)に入れるか、又は通常の酸素濃度下に置いた。インキュベーションは24時間続けてからRNA抽出を行った。写真は、H19RNAに関するRT−PCR分析を示す。図9A:通常(レーン1、3)及び低酸素(レーン2、4)培養条件下の双方で、それぞれ抗luc siRNA(配列番号5)(レーン1、2)及び抗H19siRNA(配列番号3)(レーン3、4)をトランスフェクトしたHep3Bハウスキーピング遺伝子GAPDH(図9B)、及びμPAR(図9C)に関するPCR分析。
本発明は、H19のレベル及び/又は活性をダウンレギュレートする核酸系薬剤及び医薬組成物並びにその使用方法に関する。特に本発明は、癌を治療する方法及び組成物に関する。
本発明の少なくとも1つの実施形態を詳細に説明する前に、本発明は、以下の説明に示された、又は実施例により例示された詳細への適用に限定されないことを解するべきである。本発明は、他の実施形態も可能であるし、種々の方法で実行又は実施できる。また、本明細書に使用される語句及び用語は、説明を目的とするものであって、限定するものとしてみなすべきではないことを解するべきである。
H19は、母性のモノ対立遺伝子発現を示し、タンパク質をコードしない可能性が極めて高いインプリント遺伝子である。それは、胚形成及び胎児発達時に多量に発現されるが、典型的には、誕生後、大部分の組織において途絶える。しかしながら、数が増加している種々の起源の癌において、H19RNAの発現がアップレギュレートされ、幾つかの症例では異常な対立遺伝子パターンの発現が見られ、H19が腫瘍形成に役割を果たす可能性を示唆している。
本法を変形しながら、本発明者らは、生命情報科学の困難なモデリングを通してH19mRNAを効率的にダウンレギュレートできる特異的なsiRNA類を設計した。本発明のsiRNA類は、4つの異なるサーチエンジンを用いて選択し、最適のsiRNA類が選択されることを確実にした。
図3Aに示されるように、作出された全てのsiRNA類は、H19mRNAを効率的にダウンレギュレートすることが判明した。さらに、これらのsiRNA類が、通常及び低酸素双方の条件下でH19mRNAをダウンレギュレートできることを本発明者らは示した(図3B〜E)。これは、腫瘍増殖が低酸素と関連し、次にH19RNAのアップレギュレーションと関連することから特に関連性がある。
本発明のsiRNA類は、腫瘍形成を防止し、さらに予め確率された腫瘍容積及び重量の減少により進行中の疾患を軽減させることができた。
実施例4に示されるように、予めH19siRNAをトランスフェクトしたヒト癌細胞(Hep3B及びUMUC3)のマウスへの投与により、対照siRNAをトランスフェクトした同一の細胞の投与よりも腫瘍重量(図4A及び図5A)並びに容積(図4B及び図5B)において極めて有意な低下を生じた。
さらに、実施例6に示されるように、H19siRNAのUMUC3細胞により誘導された腫瘍への直接注入により、約90%の平均腫瘍容積(図7A)及び約88%の平均腫瘍重量(図7B)の極めて有意な減少を生じた。
Hep3B誘導腫瘍において、およそ40%の腫瘍重量の減少(図7C)及び56%の腫瘍容積の減少(図7D)が、H19siRNAの投与後に見られた。
要するに、これらの結果により、疑いもなく癌の予防的及び治療的処置の双方に関して現実的な候補としてH19をダウンレギュレートできる薬剤が位置付けされる。
さらに、本発明はまた、併用療法におけるH19mRNAをダウンレギュレートできる薬剤の使用を考慮している。固形癌、特に低酸素領域に遭遇するものは、癌療法に抵抗性であることが十分に確立されている。抗H19薬剤は、患者を、予め確立された癌療法(例えば、放射線療法、化学療法)に対し作用して高感度にさせ得ることが本発明により予想される。
したがって、本発明の一態様によれば、H19mRNAのレベル及び/又は活性をダウンレギュレートできる薬剤並びに癌の治療用に同定された追加の抗癌剤を含む製造品を提供する。
本明細書に用いられる用語「治療」とは、癌疾患に関連する症状を予防、軽減又は減少させることである。治療は、癌と関連する症状を治し、例えば、実質的に除去することが好ましい。
H19を発現するいずれの癌も、本発明のこの態様に従って治療できる。本発明の方法に従って治療された好ましい腫瘍は、腫瘍発症又は進行時にH19mRNAを発現するものである。このような腫瘍としては、限定はしないが、小児固形癌、ウィルムス腫瘍、肝芽種、胎児性横紋筋肉腫、生殖細胞腫瘍及び栄養膜腫瘍、精巣生殖細胞腫瘍、卵巣の未熟奇形腫、仙尾骨腫瘍、絨毛膜癌、胎盤部位栄養膜腫瘍、上皮成人腫瘍、膀胱癌、肝細胞癌、卵巣癌、子宮頚癌、肺癌、乳癌、頭頚部の扁平上皮癌、食道癌、神経原性癌、星状細胞腫、神経節芽細胞腫、神経芽細胞腫が挙げられる。該腫瘍は、膀胱癌又は肝細胞癌であることが好ましい。
本明細書に用いられる用語「対象」とは、任意の(例えば、哺乳動物)対象、好ましくはヒト対象のことである。
本明細書に用いられる語句「H19mRNA」とは、H19遺伝子(GenBank登録番号M32053−配列番号7)の転写産物のことである。
本発明は、RT−PCR分析(図1B〜D)及びRNアーゼ保護アッセイ(図1E)により示された癌細胞ではなく、胎性組織に特異的に発現するH19RNA遺伝子の新規なスプライスイソ体を同定している。この新規なスプライスイソ体は、配列番号7に示された知られたH19転写物と比較して、転写開始部位のヌクレオチド252から588まで伸長するエキソン−1の部分を欠いていることが示された。したがって、本発明のこの態様のH19RNAは、H19転写物のエキソン1を含むことが好ましく、配列番号7の核酸配列座標252から588により表示されたRNA配列を含むことがさらにより好ましい。
H19は、タンパク質をコードしないことから、H19mRNAのレベル又は活性のダウンレギュレートは、RNAレベルで実施されることが好ましい。
ダウンレギュレートされるH19のレベル及び/又は活性は、好ましくは10%超、より好ましくは20%超、より好ましくは40%超、より好ましくは60%超、より好ましくは80%超、さらにより好ましくは100%である。
該薬剤は核酸系薬剤であることが好ましい。該薬剤は、より好ましくはオリゴヌクレオチド、最も好ましくは二本鎖オリゴヌクレオチドである。
H19mRNAレベルの減少は、幾つかの機序:H19遺伝子からH19RNAへの転写を阻害することにより;hnRNAからmRNAまでの成熟過程の阻害により;酵素による細胞質中のmRNAの分解促進により(RNA二重鎖及び三重鎖を形成することにより)、及び核酸ベースの酵素(DNAザイム及びRNAザイム)の触媒的開裂により達成できる。
したがって、本発明による抗H19mRNA薬剤は、以下のものから選択できる:
1)H19遺伝子からH19RNAの転写の立体的阻害用一本鎖核酸配列;
2)H19RNAとハイブリダイゼーションし、酵素的分解(例えば、RNAアーゼにより)に導く一本鎖核酸配列;
3)H19の分解(siRNAを形成することにより)に導く二本鎖核酸配列;
4)H19mRNAの開裂用触媒核酸配列;
5)三重鎖形成ヌクレオチド;
6)H19mRNAにハイブリダイズし、それによってH19mRNA活性の減少に導く一本鎖核酸配列;及び
7)1)から6)のいずれか1つをコードする核酸配列。
本発明のこの態様の一実施形態によれば、該薬剤は上記のとおり、本発明のH19RNAに特異的にハイブリダイズできる(例えば、生理的条件下の細胞において)核酸配列を含む核酸系薬剤である。
本明細書に用いられる用語「核酸系薬剤」とは、リボ核酸(RNA)又はデオキシリボ核酸(DNA)若しくはそれらの模倣物の一本鎖又は二本鎖オリゴマー或いはポリマーのことである。この用語は、天然塩基、糖類、及びヌクレオシド間共有結合(例えば、主鎖)、並びにそれぞれ天然部分と同様に機能する非天然部分を有するポリヌクレオチド類からなるポリヌクレオチド類を含む。
本明細書に用いられる語句「ハイブリダイズできる」とは、核酸系薬剤の少なくとも一本鎖が、H19mRNAと少なくとも部分的に相同的である塩基対のことである。
本発明の核酸系薬剤は、本発明のH19RNAと特異的にハイブリダイズすることが好ましい。すなわち、該薬剤は、H19RNAとのハイブリダイズするために非関連RNA分子(例えば、GAPDH)と対比して少なくとも5倍の優先度を有する。
本発明の教示に従って設計された核酸系薬剤は、酵素的合成又は固相合成の双方など、当業界に知られた任意の核酸合成法に従って作出できる。固相合成を実施するための装置及び試薬は、例えば、Applied Biosystemsから商品として入手できる。このような合成のための他の任意の手段としては、以下のものも使用できる:核酸系薬剤の実際の合成は、当業者の能力の範囲内に十分に入り、例えば、Sambrook,J.及びRussell,D.W.(2001)、「Molecular Cloning:A Laboratory Manual」;Ausubel,R.M.ら編集(1994、1989)、「Current Protocols in Molecular Biology」、I〜III巻、John Wiley & Sons、ボルチモア、メリーランド州;Perbal,B.(1988)、「A Practical Guide to Molecular Cloning」、John Wiley&Sons、ニューヨーク;及びGait,M.J.編集(1984)、「Oligonucleotide Synthesis」に詳述され、確立された方法論により、固相化学、例えば、シアノエチルホスホルミダイトを利用し、次いで脱保護、脱塩、及び例えば、自動トリチル−オン法又はHPLCによる精製により達成できる。
本発明の核酸系薬剤は、以下にさらに記載される発現ベクターを用いて作出できることも認識するであろう。
本発明の核酸系薬剤は、修飾されることが好ましく、核酸系薬剤は、当業界に知られた種々の方法を用いて修飾できる。
例えば、本発明の核酸系薬剤は、3’−から5’−ホスホジエステル結合に結合されたプリン及びピリミジン塩基からなるへテロ環式ヌクレオシドを含むことができる。
核酸系薬剤は、以下に広く記載されるように、主鎖、ヌクレオシド間結合、又は塩基において修飾されるものを使用することが好ましい。
本発明のこの態様に従って有用な好ましい核酸系薬剤の具体例としては、修飾主鎖又は非天然ヌクレオシド間結合を含有するオリゴヌクレオチド類又はポリヌクレオチド類が挙げられる。修飾主鎖を有するオリゴヌクレオチド類又はポリヌクレオチド類としては、米国特許第4,469,863号;米国特許第4,476,301号;米国特許第5,023,243号;米国特許第5,177,196号;米国特許第5,188,897号;米国特許第5,264,423号;米国特許第5,276,019号;米国特許第5,278,302号;米国特許第5,286,717号;米国特許第5,321,131号;米国特許第5,399,676号;米国特許第5,405,939号;米国特許第5,453,496号;米国特許第5,455,233号;米国特許第5,466,677号;米国特許第5,476,925号;米国特許第5,519,126号;米国特許第5,536,821号;米国特許第5,541,306号;米国特許第5,550,111号;米国特許第5,563,253号;米国特許第5,571,799号;米国特許第5,587,361号;及び米国特許第5,625,050号に開示されているように、主鎖においてリン原子を保持するものが挙げられる。
好ましい修飾オリゴヌクレオチド主鎖としては、例えば:ホスホロチオエート類;キラルホスホロチオエート類;ホスホロジチオエート類;ホスホトリエステル類;アミノアルキルホスホトリエステル類;3’−アルキレン ホスホネート類及びキラルホスホネート類などのメチル及び他のアルキルホスホネート類;ホスフィネート類;3’−アミノ ホスホルアミデート及びアミノアルキルホスホルアミデート類などのホスホルアミデート類;チオノホスホルアミデート類;チオノアルキルホスホネート類;チオノアルキルホスホトリエステル類;及び通常の3’−5’結合、これらの2’−5’結合類縁体を有するボラノホスフェート類、並びにヌクレオシド単位の隣接対が、3’−5’から5’−3’に結合か、又は2’−5’から5’−2’に結合する逆極性を有するものが挙げられる。上記修飾物の種々の塩類、混合塩類、及び遊離酸形体もまた使用できる。
或いは、その中にリン原子を含まない修飾オリゴヌクレオチド主鎖は、短鎖アルキル又はシクロアルキルヌクレオシド間結合、混合ヘテロ原子及びアルキル又はシクロアルキルヌクレオシド間結合、若しくは1つ以上の短鎖ヘテロ原子又はヘテロ環式ヌクレオシド間結合により形成される主鎖を有する。これらとしては、米国特許第5,034,506号;米国特許第5,166,315号;米国特許第5,185,444号;米国特許第5,214,134号;米国特許第5,216,141号;米国特許第5,235,033号;米国特許第5,264,562号;米国特許第5,264,564号;米国特許第5,405,938号;米国特許第5,434,257号;米国特許第5,466,677号;米国特許第5,470,967号;米国特許第5,489,677号;米国特許第5,541,307号;米国特許第5,561,225号;米国特許第5,596,086号;米国特許第5,602,240号;米国特許第5,610,289号;米国特許第5,602,240号;米国特許第5,608,046号;米国特許第5,610,289号;米国特許第5,618,704号;米国特許第5,623,070号;米国特許第5,663,312号;米国特許第5,633,360号;米国特許第5,677,437号;及び米国特許第5,677,439号に開示されているように、モルホリノ結合(ヌクレオシドの糖部分からの一部に形成された);シロキサン主鎖;スルフィド、スルホキシド、及びスルホン主鎖;ホルムアセチル及びチオホルムアセチル主鎖;メチレンホルムアセチル及びチオホルムアセチル主鎖;アルケン含有主鎖;スルファメート主鎖;メチレンイミノ及びメチレンヒドラジノ主鎖;スルホネート及びスルホンアミド主鎖;アミド主鎖;及び混合N、O、S及びCH成分部分を有する他の主鎖を有するものが挙げられる。
本発明に従って使用できる他の核酸系薬剤は、糖及びヌクレオシド間結合の双方で修飾されるもの、すなわち、ヌクレオチド単位の主鎖が新規な基により置換されるものである。塩基単位は、適切なポリヌクレオチド標的よる相補性のために維持される。このようなオリゴヌクレオチド模倣物の例としては、ペプチド核酸(PNA)が挙げられる。PNAオリゴヌクレオチドとは、糖主鎖がアミド含有主鎖、特にアミノエチルグリシン主鎖により置換されるオリゴヌクレオチドのことである。塩基は保持され、主鎖のアミド部分のアザ窒素原子に直接又は間接的に結合される。PNA化合物の調製を教示する米国特許は、限定はしないが、米国特許第5,539,082号;米国特許第5,714,331号;及び米国特許第5,719,262号が挙げられ;それらの各々は、参照として本明細書に組み込まれている。本発明に使用できる他の主鎖の修飾は、米国特許第6,303,374号に開示されている。
本発明の核酸系薬剤はまた、塩基修飾又は置換を含むことができる。本明細書に用いられる「非修飾」又は「天然」塩基としては、プリン塩基のアデニン(A)及びグアニン(G)並びにピリミジン塩基のチミン(T)、シトシン(C)及びウラシル(U)が挙げられる。「修飾」塩基としては、限定はしないが、5−メチルシトシン(5−me−C);5−ヒドロキシメチルシトシン;キサンチン;ヒポキサンチン;2−アミノアデニン;アデニン及びグアニンの6−メチル及び他のアルキル誘導体;アデニン及びグアニンの2−プロピル及び他のアルキル誘導体;2−チオウラシル、2−チオチミン、及び2−チオシトシン;5−ハロウラシル及びシトシン;5−プロピニルウラシル及びシトシン;6−アゾウラシル、シトシン及びチミン;5−ウラシル(プソイドウラシル);4−チオウラシル;8−ハロ、8−アミノ、8−チオール、8−チオアルキル、8−ヒドロキシル、並びに他の8−置換アデニン類及びグアニン類;5−ハロ、特に5−ブロモ、5−トリフルオロメチル、並びに他の5−置換ウラシル類及びシトシン類:7−メチルグアニン類及び7−メチルアデニン;8−アザグアニン及び8−アザアデニン;7−デアザグアニン及び7−デアザアデニン;並びに3−デアザグアニン及び3−デアザアデニンなどの他の合成及び天然塩基が挙げられる。さらなる修飾塩基としては、米国特許第3,687,808号;Kroschwitz,J.I.編集(1990)、「The Concise Encyclopedia Of Polymer Science And Engineering」858〜859ページ、John Wiley&Sons;Englischら(1991)、「Angewandte Chemie」、国際版、30、613ページ;及びSanghvi,Y.S.、「Antisense Research and Applications」、15章、289〜302ページ、S.T.Crooke及びB.Lebleu編集、CRC Press、1993年に開示されるものが挙げられる。このような修飾塩基は、本発明のオリゴマー化合物結合親和力を増加させるために特に有用である。これらとしては、2−アミノプロピルアデニン、5−プロピニルウラシル、及び5−プロピニルシトシンなど、5−置換ピリミジン類、6−アザピリミジン類、並びにN−2、N−6、及びO−6−置換プリン類が挙げられる。5−メチルシトシン置換は、0.6〜1.2℃で核酸二重鎖安定性を増加させることが示され(Sanghvi,Y.S.ら(1993)、「アンチセンス研究と応用(Antisense Research and Applications)」、276〜278ページ、CRC Press、Boca Raton)、目下のところ好ましい塩基置換であり、2’−O−メトキシエチル糖修飾と組み合わせた場合、さらにより特に好ましい。
本発明の核酸系薬剤は、H19RNAと少なくとも10、少なくとも15、又は少なくとも17の塩基と特異的にハイブリダイズできる。実施例1に示されるように、本発明のsiRNAは、2つの3’オーバーハングを有する19塩基である。
本発明はまた、ノックアウト薬剤などのH19RNAをダウンレギュレートできる核酸系薬剤以外の薬剤を考慮していることを認識すべきである。
小型の干渉RNA(siRNA)分子は、H19RNAをダウンレギュレートできる核酸系薬剤の例である。RNA干渉は、2ステップ過程である。開始ステップと呼ばれる第一のステップ時に、インプットdsRNAは、恐らくATP依存様式で(直接又は発現ベクター、カセット又はウィルスを介して導入される)dsRNAを開裂する、dsRNA特異的リボヌクレアーゼのRNアーゼIIIファミリーのメンバーであるDicerの作用により21〜23のヌクレオチド(nt)小型干渉RNA類(siRNA)に消化される。連続開裂事象により、RNAを19〜21のbp二重鎖(siRNA)である2−ヌクレオチド3’オーバーハングを有する各鎖に分解する[Hutvagner及びZamore Curr.Opin.Genetics and Development 12:225〜232ページ(2002);及びBernstein Nature 409:363〜366ページ(2001)]。
エフェクターステップにおいて、siRNA二重鎖は、ヌクレアーゼ複合体に結合してRNA誘導サイレンシング複合体(RISC)を形成する。siRNA二重鎖のATP依存巻き戻しは、RISC活性化を必要とする。したがって、活性なRISCは、塩基対相互作用により相同的転写を標的とし、mRNAを、siRNAの3’末端から12のヌクレオチド断片に開裂する[Hutvagner及びZamore Curr.Opin.Genetics and Development 12:225〜232ページ(2002);Hammondら、(2001)Nat.Rev.Gen.2:110〜119ページ;及びSharp Genes.Dev.15:485〜90ページ(2001)]。開裂の機序は未だ解明されていないが、研究により各RISCは、単一siRNA及びRNアーゼを含有することが示されている[Hutvagner及びZamore Curr.Opin.Genetics and Development 12:225〜232ページ(2002)]。
事前siRNAを提供することにより「開始ステップ」を除外することは可能である。
RNAiの注目すべき効力のため、RNAi経路内の増幅ステップが示唆されている。さらにsiRNA類を作出すると思われるインプットdsRNA類を転写することにより、又は形成されたsiRNA類の複製により、増幅を生じることができた。或いは又はさらに、増幅は、RISCの複数ターンオーバー事象により実施できた[Hammondら、Nat.Rev.Gen.2:110〜119ページ(2001);Sharp Genes.Dev.15:485〜90ページ(2001);Hutvagner及びZamore Curr.Opin.Genetics and Development 12:225〜232ページ(2002)]。RNAiに対するさらなる情報に関して、以下のレビューを参照されたい:Tuschl ChemBiochem.2:239〜245ページ(2001);Cullen Nat.Immunol.3:597〜599ページ(2002);及びBrantl Biochem.Biophys.Act.1575:15〜25ページ(2002)。
本発明による使用に好適なRNAi分子の合成は、以下のとおり実施できる。第一に、H19核酸配列標的は、AAジヌクレオチド配列の下流にスキャンされる。各AA及び3’隣接19のヌクレオチドの出現は、潜在的なsiRNA標的部位として記録される。
第二に、潜在的な標的部位は、NCBIサーバーから入手できるBLASTソフトウェア(www.ncbi.nlm.nih.gov/BLAST/)など、任意の配列アラインメントソフトウェアを用いて適切なゲノムデータベース(例えば、ヒト、マウス、ラットなど)と比較される。他のコード化配列に対して有意な相同性を示す推定上の標的部位を取り除く。
適格な標的配列は、siRNA合成のテンプレートとして選択される。好ましい配列は、55%超のG/C含量を有するものと比較して、遺伝子サイレンシングの媒介により有効であると証明されたものとして低含量のG/Cを含むものである。幾つかの標的部位は、評価のための標的遺伝子の長さに沿って選択されることが好ましい。選択されたsiRNA類のより良好な評価のために、陰性対照と組み合わせて使用することが好ましい。陰性対照siRNAは、siRNAと同じヌクレオチド組成物を含むことが好ましいが、ゲノムに対して相同性を著しく欠いている。したがって、siRNAのスクランブルヌクレオチド配列は、任意の他の遺伝子に対して著しい相同性を示さないという条件で使用されることが好ましい。
本発明のこの態様に従って使用できるH19をダウンレギュレートできるsiRNA類の例としては、配列番号1〜4により示されるものが挙げられる。
これらの分子は、腫瘍サイズ及び容積を減少させるのに有効であることが示されたことから、本発明は、必ずしも組合せを必要としない、これらの分子単独を用いる癌の治療を想定している。
H19RNAの発現をダウンレギュレートできる別の薬剤は、そのコード化ポリヌクレオチドを特異的に開裂できるDNAザイム分子である。DNAザイムは、一本鎖及び二本鎖標的配列の双方を開裂できる一本鎖核酸系薬剤である(Breaker,R.R.及びJoyce,G.Chemistry and Biology 1995年;2:655ページ;Santoro,S.W.&Joyce,G.F.Proc.Natl.Acad.Sci.USA 1997年;94:4262ページ)。DNAザイム用の一般的なモデル(「10〜23」モデル)が提案されている。「10〜23」DNAザイムは、各々7つから9つのデオキシリボヌクレオチドの2つの基質認識ドメインにより並べられた15のデオキシリボヌクレオチドの触媒ドメインを有する。このタイプのDNAザイムは、プリン:ピリミジン結合においてその基質RNAを効果的に開裂できる(Santoro,S.W.&Joyce,G.F.Proc.Natl.Acad.Sci.USA 199;DNAザイムのレビューに関して、Khachigian,LM[Curr Opin Mol Ther 4:119〜21ページ(2002)]を参照)。
一本鎖及び二本鎖標的開裂部位を認識する合成操作されたDNAザイムの構築及び増幅の例は、Joyceらに対する米国特許第6,326,174号に開示されている。同様の設計のDNAザイムは、ヒトに対して向けられた。ウロキナーゼ受容体は最近、ウロキナーゼ受容体発現を阻止し、インビボで大腸癌細胞の転移を首尾よく阻止することが観察された(Itohら、2002年、要約書409ページ、Ann Meeting Am Soc Gen Ther www.asgt.org)。別の適用において、ber−abl発癌遺伝子に相補的なDNAザイムは、白血病細胞において発癌遺伝子の発現を阻止しするのに成功しており、慢性骨髄性白血病(CML)及び急性リンパ急性白血病(ALL)の症例において自家骨髄移植において再発率を減少させることに成功した。
H19RNAの発現をダウンレギュレートできる別の薬剤は、そのコード化ポリヌクレオチドを特異的に開裂できるリボザイム分子である。リボザイムは、対象のタンパク質をコードするmRNA類の開裂により遺伝子発現の配列特異的阻害にますます利用されている[Welchら、Curr Opin Biotechnol.9:486〜96ページ(1998)]。任意の特異的標的RNAを開裂するためにリボザイムを設計する可能性は、基礎的研究及び治療適用の双方における手段として価値あるものにしている。治療領域において、リボザイムは、感染性疾患におけるウィルスRNA、癌における優性発癌遺伝子、及び遺伝子疾患における特定の体性変異を標的にするために開発されている[Welchら、Clin Diagn Virol.10:163〜71ページ(1998)]。とりわけ、HIV患者に対する幾つかのリボザイム遺伝子療法プロトコルは、既にフェーズ1試験中にある。ごく最近、リボザイムは、形質転換動物研究、遺伝子標的バリデーション及び経路解明に使用されている。幾つかのリボザイムは、臨床試験の種々の段階にある。ANGIOZYMEは、ヒト臨床試験において試験するために最初の化学的合成リボザイムであった。ANGIOZYMEは、血管新生経路における重要な成分であるVEGF−r(血管内皮成長因子受容体)形成を特異的に阻害する。Ribozyme Pharmaceuticals社、並びに他の会社は、動物モデルにおける抗血管新生療法の重要性を示している。C型肝炎ウィルス(HCV)RNAを選択的に破壊するように設計されたリボザイムであるHEPTAZYMEは、細胞培養アッセイにおいてC型肝炎ウィルスRNAを減少させるのに有効であることが判明した(Ribozyme Pharmaceuticals社−http://www.rpi.com/index.html)。
H19RNAをダウンレギュレートするさらなる方法は、三重鎖形成オリゴヌクレオチド(TFO)類を介する。この10年間の研究で、TFO類は、配列特異的様式で二本鎖らせん状DNAにおけるポリプリン/ポリピリミジン領域を認識し、結合できるように設計し得ることが示されている。したがって、本発明のH19RNAをコードするDNA配列を標的にすることによってRNA分子をダウンレギュレートできる。
TFO類を調節する認識ルールは、Maher III,L.J.ら、Science(1989)245:725〜730ページ;Moser,H.E.ら、Science(1987)238:645〜630ページ;Beal,P.A.ら、Science(1991)251:1360〜1363ページ;Cooney,M.ら、Science(1998)241:456〜459ページ;及びHogan,M.E.ら、欧州特許出願公開第375408号により概説されている。インターカレーターの導入及び主鎖置換などのオリゴヌクレオチドの修飾、並びに結合条件(pH及びカチオン濃度)の最適化は、電荷反発性及び不安定性など、TFO活性に対する固有の障害を克服する上で役立っており、最近、合成オリゴヌクレオチド類は、特定の配列に対し標的化できることが示された(最近のレビューに関して、Seidman及びGlazer(2003)J Clin Invest;112:487〜94ページを参照されたい)。
一般に、三重鎖形成オリゴヌクレオチドは、配列対応性を有する:
オリゴ 3’−−A G G T
二重鎖 5’−−A G C T
二重鎖 3’−−T C G A
しかしながら、A−AT及びG−GC三重鎖は、最大の三重鎖らせん状安定性を有することが示されている(Reither及びJeltsch(2002)、BMC Biochem.、Sept12、Epub)。同じ著者は、A−AT及びG−GCルールに従って設計されたTFO類が、非特異的三重鎖を形成しないことを立証しており、三重鎖形成が実際に配列特異的であることを示した。
したがって、制御領域における所与の配列に関して、三重鎖形成配列を考案できる。三重鎖形成オリゴヌクレオチド類は、好ましくは、少なくとも15、より好ましくは25、さらにより好ましくは30以上のヌクレオチド長で、50bp又は100bpまでである。
TFO類による細胞(例えば、カチオン性リポソーム類を介して)のトランスフェクション、引き続く標的DNAとの三重鎖らせん状構造の形成により、立体的及び機能的変化を誘導し、転写開始及び伸長をブロックし、内因性DNAにおいて所望の配列変化の導入を可能にし、遺伝子発現の特異的ダウンレギュレーションをもたらす。TFO類で処理された細胞のこのような遺伝子発現の抑制例としては、哺乳類動物細胞におけるエピソームsupFG1及び内因性HPRT遺伝子のノックアウト(Vasquezら、Nucl Acids Res.(1999)27:1176〜81ページ、及びPuriら、J Biol Chem、(2001)276:28991〜98ページ)、前立腺癌の病因に重要なEts2転写因子の発現の配列及び標的特異的なダウンレギュレーション(Carboneら、Nucl Acid Res.(2003)31:833〜43ページ)、及び炎症誘発性ICAM−1遺伝子(Beschら、J Biol Chem、(2002)277:32473〜79ページ)が挙げられる。さらに、最近Vuyisich及びBealは、配列特異的TFO類がdsRNAに結合して、RNA依存キナーゼなどのdsRNA依存酵素の活性を阻害できることを示している(Vuyisich及びBeal、Nuc.Acids Res(2000);28:2369〜74ページ)。
さらに、上記の原理に従って設計されたTFO類は、DNA修復できる定方向突然変異を誘導し、したがって内因性遺伝子の発現のダウンレギュレーション及びアップレギュレーションの双方を提供できる[Seidman及びGlazer、J Clin Invest(2003)112:487〜94ページ]。有効なTFO類の設計、合成及び投与の詳細な説明は、Froehlerらに対する米国特許出願第2003 017068号及び米国特許出願第2003 0096980号、Emanueleらに対する米国特許出願第2002 0128218号及び米国特許出願第2002 0123476号、及びLawnに対する米国特許第5,721,138号に見ることができる。
H19mRNAをハイブリダイズできる核酸系薬剤は、別の下流薬剤に対するH19mRNA結合を防止することによってその活性をダウンレギュレートできることを認識するであろう。
本発明の核酸系薬剤(例えば、配列番号1、2、3又は4に示されたものなどのsiRNA分子)は、細胞内で発現できる。
本発明の薬剤は、対象において直接発現できるか(すなわち、インビボ遺伝子療法)、又は細胞系(自家性又は非自家性)においてエキソビボで発現させ、次いで対象に投与できることを認識するであろう。
哺乳動物細胞においてこのような薬剤を発現させるために(すなわち、RNA分子を作製するために)、本発明の薬剤をコードする核酸配列を、哺乳動物細胞の発現に好適な核酸構築体に結合させることが好ましい。このような核酸構築体は、構成的又は誘導的様式で細胞のポリヌクレオチド配列の転写を方向付けるためのプロモーター配列を含む。
本発明による使用に好適な構成的プロモーターは、たいていの環境条件、及びサイトメガロウィルス(CMV)及びラウス肉腫ウィルス(RSV)などのたいていのタイプの細胞下で活性であるプロモーター配列である。本発明による使用に好適な誘導的プロモーターとしては、例えば、テトラサイクリン誘導プロモーターが挙げられる(Zabala Mら、Cancer Res.2004年、64(8):2799〜804ページ)。
本発明の核酸構築体(本明細書で「発現ベクター」とも称される)は、原核生物、真核生物、又は好ましくは双方における複製及び組込みに、このベクターを好適にさせる追加の配列を含む。さらに、典型的なクローニングベクターはまた、転写及び翻訳開始配列、転写及び翻訳ターミネーター並びにポリアデニル化シグナルを含有することができる。
真核生物プロモーターは、典型的に2つのタイプの認識配列、TATAボックス及び上流プロモーター要素を含有する。転写開始部位の上流に配置される25〜30の塩基対のTATAボックスは、RNA合成を開始するためにRNAポリメラーゼを方向付けることに関与すると考えられている。他の上流プロモーター要素は、転写を開始させる速度を決定する。
本発明の核酸構築体により利用されるプロモーターは、変換される特定の細胞集団において活性であることが好ましい。細胞タイプ特異的及び/又は組織特異的プロモーターの例としては、肝臓特異的であるアルブミン[Pinkertら、(1987)Genes Dev.1:268〜277ページ]、リンパ球系特異的プロモーター[Calameら、(1988)Adv.Immunol.43:235〜275ページ];特にT細胞受容体のプロモーター[Winotoら、(1989)EMBO J.8:729〜733ページ];及び免疫グロブリン[Banerjiら、(1983)Cell 33729〜740ページ]、神経フィラメントプロモーターなどのニューロン特異的プロモーター[Byrneら、(1989)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:5473〜5477ページ]、膵臓特異的プロモーター[Edlunchら、(1985)Science 230:912〜916ページ]又は乳清プロモーターなどの乳腺特異的プロモーター(米国特許第4,873,316号及び欧州特許出願公開第264,166号)などのプロモーターが挙げられる。
エンハンサー要素は、結合された相同的又は非相同的プロモーターから1,000倍まで転写を促進できる。エンハンサーは、転写開始部位からの下流又は上流に置かれた場合に活性である。種々のウィルスに由来する多くのエンハンサー要素は、広範な宿主範囲を有しており、種々の組織において活性である。例えば、SV40早期遺伝子エンハンサーは、多くの細胞型に好適である。本発明に好適である他のエンハンサー/プロモーターの組合せとしては、ポリオーマウィルス、ヒト又はマウスサイトメガロウィルス(CMV)、マウス白血病ウィルス、マウス又はラウス肉腫ウィルス及びHIVなどの種々のレトロウィルスからの長期反復に由来するものが挙げられる。参照として本明細書に組み込まれている、エンハンサー及び真核生物発現(Enhancers and Eukaryotic Expression)Cold Spring Harbor Press、コールドスプリングハーバー、ニューヨーク州1983年、を参照されたい。
発現ベクターの構築において、プロモーターは、その天然設定における転写開始部位とおよそ等距離の非相同的転写開始部位からの距離で配置されていることが好ましい。しかしながら、当業界に知られているように、この距離の何らかの変動は、プロモーター機能を損失しないで調節できる。
ポリアデニル化配列もまた、RNA安定性を増加させるために発現ベクターに加えることができる[Soreqら、1974年;J.Mol Biol.88:233〜45ページ]。
2つの相互に異なる要素は、正確且つ効率的なポリアデニル化に必要である:GU又はUに富んだ配列は、ポリアデニル化部位から下流に配置し、6つのヌクレオチド、AAUAAAの高度に保存された配列は、11〜30のヌクレオチド上流に配置した。本発明に好適な終結及びポリアデニル化シグナルは、SV40に由来するものを含む。
既に記載された要素に加えて、本発明の発現ベクターは、クローン化核酸の発現レベルの増加又は組換えDNAを担持する細胞の同定の促進を目的とした他の特殊化された要素を典型的に含有し得る。例えば、多くの動物ウィルスは、許容細胞型においてウィルスゲノムの染色体外複製を促進するDNA配列を含有する。これらのウィルスレプリコンを有するプラスミドは、適切な因子が、プラスミド上で実施されるか、又は宿主細胞のゲノムを有する遺伝子により提供される限り、エピソーム的に複製される。
ベクターは、真核生物レプリコンを含んでも含んでなくてもよい。真核生物レプリコンが存在する場合、該ベクターは、適切な選択性マーカーを用いて真核細胞において増幅可能である。ベクターが、真核生物レプリコンを含まない場合、エピソーム増幅は不可能である。その代わりとして、組換えDNAは、操作細胞のゲノムに組み込まれ、プロモーターは、所望の核酸の発現を方向付ける。
哺乳動物の発現ベクターの例としては、限定はしないが、Invitrogenから入手できるpcDNA3、pcDNA3.1(+/−)、pGL3、pZeoSV2(+/−)、pSecTag2、pDisplay、pEF/myc/cyto、pCMV/myc/cyto、pCR3.1、pSinRep5、DH26S、DHBB、pNMT1、pNMT41、pNMT81、Promegaから入手できるpCI、Strategeneから入手できるpMbac、pPbac、pBK−RSV、Clontechから入手できるpTRES、及びそれらの誘導体が挙げられる。
レトロウィルスなどの真核生物ウィルス由来の制御要素を含有する発現ベクターも又使用できる。SV40はpSVT7及びpMT2を含む。ウシパピローマウィルスに由来のベクターとしては、pBV−1MTHAが挙げられ、エプスタインバーウィルスに由来のベクターとしては、pHEBO及びp2O5が挙げられる。他の例示的なベクターとしては、pMSG、pAV009/A、pMTO10/A、pMAMneo−5、バキュロウィルスpDSVE、並びにSV−40早期プロモーター、SV−40後期プロモーター、メタロチオネインプロモーター、マウス乳癌ウィルスプロモーター、ラウス肉腫ウィルスプロモーター、ポリヘドリンプロモーター、又は真核生物の発現に有効性を示す他のプロモーターの方向付けの下でタンパク質の発現を可能にする任意の他のベクターが挙げられる。
上記のとおり、ウィルスは、多くの場合、宿主防御機構を回避するために展開された極めて特殊化された感染物質である。典型的に、ウィルスは、特定の細胞型において感染し、伝播する。ウィルスベクターの標的特異性は、予め決められた細胞型を特異的に標的にするためにその天然の特異性を利用することによって、組換え遺伝子を感染細胞に導入する。変換された細胞型に従って好適なベクターを選択する能力は、通常の当業技術者の能力の範囲内に十分に入り、それ故、選択の考察の一般的な説明を本明細書に提示しない。例えば、骨髄細胞を、ヒトT細胞白血病ウィルスI型(HTLV−1)を用いて標的化でき、腎細胞を、Liang CYら、2004年(Arch Virol.149:51〜60)に記載されたバキュロウィルスオウトグラファカリフォルニア核多汗症ウィルス(AcMNPV)に存在する非相同的プロモーターを用いて標的化できる。
組換えウィルスベクターは、側方感染及び標的特異性などの利点を提供することから、本発明のH19ダウンレギュレート薬剤のインビボ発現に有用である。側方感染は、例えば、レトロウィルスのライフサイクルに固有であり、単一感染細胞が発芽し終わり、隣接細胞を感染する多くの後代ビリオンを産生する過程である。大きな領域が迅速に感染され、その大部分は、元のウィルス粒子により最初に感染されなかった結果を与える。これは、感染物質が娘後代を通してのみ拡がる垂直型感染と対照的である。側方に拡がることができないウィルスベクターも作製できる。この特徴は、所望の目的が局在数の標的細胞のみに特定の遺伝子を導入することである場合、有用であり得る。
本発明の発現ベクターを細胞に導入するために、種々の方法が使用できる。このような方法としては、一般に、Sambrookら、分子クローニング:実験室マニュアル(Molecular Cloning:A Laboratory Mannual)、Cold Spring Harbor Laboratory、ニューヨーク(1989、1992)、Ausubelら、分子生物学における最新のプロトコル(Current Protocols in Molecular Biology)、John Wiley and Sons、ボルチモア、メリーランド州(1989)、Changら、体性遺伝子療法(Somatic Gene Therapy)、CRC Press、アンアーバー、ミシガン州(1995)、Vegaら、遺伝子ターゲティング(Gene Targeting)CRC Press、アンアーバー、ミシガン州(1995)、ベクター:分子クローニングベクター類の概論及びそれらの使用(A Survey of Molecular Cloning Vectores and Their Uses)Butterworths、ボストン、マサチューセッツ州(1988)、及びGilboaら[Biotechniques 4(6):504〜512ページ、1986年]に記載されており、例えば、安定な又は一過性のトランスフェクション、リポフェクション、電気穿孔及び組換えウィルスベクターによる感染が挙げられる。さらに、陽性−陰性選択法に関して米国特許第5,464,764号及び米国特許第5,487,992号を参照されたい。
ウィルス感染による核酸の導入は、ウィルスの感染性質のためより高い感染効率が得られることから、リポフェクション及び電気穿孔などの他の方法よりも幾つかの利点を提供する。
現在、好ましいインビボ核酸移入技法としては、アデノウィルス、レンチウィルス、単純I型ヘルペスウィルス、若しくはアデノ関連ウィルス(AAV)などのウィルス又は非ウィルス構築体のトランスフェクション並びに脂質ベースシステムが挙げられる。遺伝子の脂質媒介移入に有用な脂質は、例えば、DOTMA、DOPE、及びDC−Cholである[Tonkinsonら、Cancer Investigation、14(1):54〜65ページ(1996)]。遺伝子療法の使用に対し最も好ましい構築体は、ウィルスであり、最も好ましくは、アデノウィルス、AAV、レンチウィルス、又はレトロウィルスである。レトロウィルス構築体などのウィルス構築体は、少なくとも1つの転写プロモーター/エンハンサー又は座規定要素(類)、又は、交互のスプライシング、核RNA輸出、又はメッセンジャーの翻訳後の修飾などの他の手段により遺伝子発現を調節する他の要素を含む。このようなベクター構築体はまた、ウィルス構築体に既に存在しない限り、パッケージングシグナル、長い末端反復(LTR)類又はそれらの一部、並びに使用されるウィルスに適切な陽性及び陰性鎖プライマー結合部位を含む。場合によっては、該構築体はまた、ポリアデニル化並びに1つ以上の制限部位を方向付けるシグナルを含む。例えば、このような構築体は、典型的に5’LTR、tRNA結合部位、パッケージングシグナル、第二鎖DNA合成の起源、及び3’LTR又はその一部を含むであろう。カチオン性脂質、ポリリシン、及びデンドリマーなどの非ウィルス性である他のベクターを使用することができる。
挿入されたコード化配列の転写に必要な要素を含有する以外に、本発明の発現構築体はまた、発現RNAの安定性、生産、精製、収率又は毒性を増強させるために操作された配列を含むことができる。
上記のとおり、H19mRNAをダウンレギュレートできる薬剤は、癌を治療するために、単独で(例えば、本発明のsiRNA類)又はこのような疾患に対して他の確立された或いは実験的治療レジメンと組み合わせて使用できる。H19mRNAをダウンレギュレートできる薬剤が、追加の治療方法又は組成物と相乗的に作用でき、したがってこのような治療の効果的な臨床用量を有意に減少させる可能性があり、それによってしばしば問題となる負の副作用及び高コストの治療を軽減することを、本発明者らは想定している。これは、確立された化学療法及び放射線療法レジメンが無効である低酸素領域に関連する固形癌を治療するために特に関連し得る。
本発明の薬剤は、癌療法の前に、同時に、又は後に投与できる。
本明細書に用いられる語句「癌療法」とは、癌疾患に関連する症状を予防し、緩和し、又は減少させるように作用する任意の治療のことである。
本発明の薬剤又はそれをコードするポリヌクレオチドとの併用に好適な癌治療のための治療的レジメンとしては、限定はしないが、化学療法、放射線療法、光療法及び光線力学的治療法、外科手術、栄養療法、切除療法、放射線療法と化学療法との組合せ、ブラキオ療法、陽子線療法、免疫療法、細胞療法並びにフォトンビーム放射線外科手術療法が挙げられる。本発明の薬剤との併用に好適な癌治療用治療的レジメンの別の形態は、癌制御又は血管新生経路に関与することが知られている遺伝子を制御できるヌクレオチド薬剤の投与である。
本発明の化合物と共投与できる抗癌薬物(すなわち、化学療法薬剤)としては、限定はしないが、アシビシン;アクラルビシン;塩酸アコダゾール;アクロニン;アドリアマイシン;アドゼレシン;アルデスロイキン;アルトレタミン;アンボマイシン;酢酸アメタントロン;アミノグルテチミド;アムサクリン;アナストロゾール;アントラマイシン;アスパラギナーゼ;アスペルリン;アザシチジン;アゼテパ;アゾトマイシン;バチマスタット;ベンゾデパ;ビカルタミド;塩酸ビサントレン;ジメシル酸ビスナフィド;ビゼレシン;硫酸ブレオマイシン;ブレキナールナトリウム;ブロピリミン;ブスルファン;カクチノマイシン;カルステロン;カラセミド;カルベチメル;カルボプラチン;カルムスチン;塩酸カルビシン;カルゼレシン;セデフィンゴール;クロラムブシル;シロレマイシン;シスプラチン;クラドリビン;メシル酸クリスナトール;シクロホスファミド;シタラビン;ダカルバジン;ダクチノマイシン;塩酸ダウノルビシン;デシタビン;デキソルマプラチン;デザグアニン;メシル酸デザグアニン;ジアジクオン;ドセタキセル;ドキソルビシン;塩酸ドキソルビシン;ドロロキシフェン;クエン酸ドロロキシフェン;プロピオン酸ドロモスタノロン;デュアゾマイシン;エダトリキサート;塩酸エフロルニチン;エルサミトルシン;エンロプラチン;エンプロマート;エピプロピジン;塩酸エピルビシン;エルブロゾール;塩酸エソルビシン;エストラムスチン;リン酸エストラムスチンナトリウム;エタニダゾール;エトポシド;リン酸エトポシド;エトプリン;塩酸ファドロゾール;ファザラビン;フェンレチニド;フロクスウリジン;リン酸フルダラビン;フルオロウラシル;フルロシタラビン;フォスキドン;フォストリエシンナトリウム;ゲムシタビン;塩酸ゲムシタビン;ヒドロキシ尿素;塩酸イダルビシン;イフォスファミド;イルモフォシン;インターフェロン アルファ−2a;インターフェロン アルファ−2b;インターフェロン アルファ−n1;インターフェロン アルファ−n3;インターフェロン ベータIa;インターフェロン ガンマ−Ib;イプロプラチン;塩酸イリノテカン;酢酸ランレオチド;レトロゾール;酢酸ロイプロリド;塩酸リアロゾール;ロメトレキソールナトリウム;ロムスチン;塩酸ロソキサントロン;マソプロコル;メイタンシン;塩酸メクロレタミン;酢酸メゲストロール;酢酸メレンゲストロール;メルファラン;メノガリル;メルカプトプリン;メトトレキサート;メトトレキサートナトリウム;メトプリン;メツレデパ;ミチンドミド;ミトカルシン;ミトクロミン;ミトギリン;ミトマルシン;マイトマイシン;ミトスペル;ミトタン;塩酸ミトキサントロン;ミコフェノール酸;ノコダゾール;ノガラマイシン;オルマプラチン;オキシスラン;パクリタキセル;ペガスパルガーゼ;ペリオマイシン;ペンタムスチン;硫酸ペプロマイシン;ペルフォスファミド;ピポブロマン;ピポスルファン;塩酸ピロキサントロン;プリカマイシン;プロメスタン;ポルフィマーナトリウム;ポルフィロマイシン;プレドニムスチン;塩酸プロカルバジン;プロマイシン;塩酸プロマイシン;ピラゾフリン;リボプリン;ログレチミド;サフィンゴール;塩酸サフィンゴール;セムスチン;シムトラゼン;スパルフォサートナトリウム;スパルソマイシン;塩酸スピロゲルマニウム;スピロムスチン;スピロプラチン;ストレプトニグリン;ストレプトゾシン;スロフェヌル;タリソマイシン;タキソール;テコガランナトリウム;テガフル;塩酸テロキサントロン;テモポルフィン;テニポシド;テロキシロン;テストラクトン;チアミプリン;チオグアニン;チオテパ;チアゾフイリン;チラパザミン;塩酸トポテカン;クエン酸トレミフェン;酢酸トレストロン;リン酸トリシリビン;トリメトレキサート;グルクロン酸トリメトレキサート;トリプトレリン;塩酸ツブロゾール;ウラシルマスタード;ウレデパ;バプレオチド;ベルテポルフィン、硫酸ビンブラスチン;硫酸ビンクリスチン;ビンデシン;硫酸ビンデシン;硫酸ビネピジン;硫酸ビングリシネート;硫酸ビンロイロシン;酒石酸ビノレルビン;硫酸ビンロシジン;硫酸ビンゾリジン;ボロゾール;ゼニプラチン;ジノスタチン;塩酸ゾルビシンが挙げられる。さらなる抗悪性腫瘍薬としては、Goodman及びGilmanの「The Pharmacological Basis of Therapeutics」、第8版、52章、Antineoplastic Agents(Paul Calabresi及びBruce A.Chabner)、及びそれへの序論、1202〜1263ページ、1990年、McGraw−Hill社(Health Professions Division)に開示されているものが挙げられる。
本発明の薬剤は、所望の場合、本発明の薬剤を含有する1種以上の単位剤形を含有し得る、FDAに承認されたキットなどのパック又はディスペンサー装置において提供できる。該薬剤は、追加の抗癌剤と共に、単一のパッケージング内に共製剤化されてもよいし、該薬剤は、別個のパッケージングにおいて、追加の抗癌剤とは別個に製剤化されてもよい。該パックは、例えば、ブリスターパックなどの金属又はプラスチックのホイルを含んでもよい。該パック又はディスペンサー装置には、投与に関する使用説明書も添付できる。該パック又はディスペンサーには、薬剤の製造、使用又は販売を管理している政府機関によって規定された形態での容器に関連した注意書きも添付でき、該注意書きは、該組成物の形態について、或いはヒト又は家畜への投与についての該機関による承認を反映するものである。このような注意書きは、例えば、薬剤の処方に関して米国食品医薬品局によって承認されたラベルを有していてもよいし、承認された製品添付文書を有していてもよい。適合性の製薬担体において製剤化された本発明の薬剤を含む組成物を調製し、適切な容器内に入れて、癌の治療に関してラベル付けすることもできる。
本発明の薬剤は、それ自体で、又は、好適な担体又は賦形剤と混合した医薬組成物で対象に投与できる。
本明細書に用いられる用語「医薬組成物」とは、生理学的に好適な担体及び賦形剤などの他の化学的成分と一緒の本明細書に記載された1種以上の活性成分の製剤のことである。医薬組成物の目的は、生物に対する化合物の投与を助けることである。
本明細書における用語「活性成分」とは、抗癌作用を担う薬剤のことである。
以下で、交換可能に使用できる語句「生理学的に許容できる担体」及び「薬学的に許容できる担体」とは、生物に有意な刺激をもたらさず、投与された化合物の生物学的活性及び性質を妨げない担体又は希釈剤のことである。アジュバントはこれらの語句に含まれる。
本明細書における用語「賦形剤」とは、活性成分の投与をさらに助けるために医薬組成物に添加される不活性物質のことである。賦形剤の例としては、限定はしないが、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、種々の糖類及び種々のタイプの澱粉、セルロース誘導体、ゼラチン、植物油並びにポリエチレングリコール類が挙げられる。
薬剤の製剤化及び投与に関する技法は、「レミントンの製薬科学(Remington’s Pharmaceutical Science)」、Mack Publishing社、イーストン、ペンシルベニア州、最新版に見ることができ、これは、参照として本明細書に組み込まれている。
好適な投与経路としては、例えば、経口、経直腸、経粘膜、特に経鼻、経腸管又は、筋肉内、皮下及び髄内注射などの非経口的送達、並びにくも膜下腔内、直接心室内、静脈内、腹腔内、鼻腔内、又は眼内注射を挙げることができる。
或いは、該医薬組成物を、全身的様式ではなく局所的様式で、例えば、該腫瘍内に直接(すなわち、インサイチュで)、注射により投与できる。
本発明の医薬組成物は、当業界によく知られた方法により、例えば、慣例的な混合法、溶解法、顆粒化法、糖衣丸作製法、湿式粉砕法、乳化法、封入法、捕捉法又は凍結乾燥法の手段により製造することができる。
したがって、本発明に従って用いられる医薬組成物は、製剤内への活性成分の処理を助ける薬学的に使用できる賦形剤及び助剤を含む1種以上の生理学的に許容できる担体を用いて、慣例的方法によって製剤化できる。適切な製剤は、選択される投与経路に依存する。
注射では、該医薬組成物の活性成分は、水溶液、好ましくは、ハンクス液、リンガー液などの生理学的に適合性の緩衝液、又は生理食塩緩衝液の中に製剤化できる。経粘膜投与では、該製剤化には、透過するバリアにとって適切な透過剤が用いられる。このような透過剤は当業界に一般的に知られている。
経口投与では、該活性化合物を当業界によく知られた薬学的に許容できる担体と組み合わせることによって容易に製剤化できる。このような担体によって、患者による経口摂取のために、該医薬組成物を、錠剤、丸剤、糖衣丸剤、カプセル剤、液剤、ゲル剤、シロップ剤、スラリー剤、懸濁剤などとして製剤化することが可能になる。経口使用のための薬理学的製剤は、所望の場合、錠剤又は糖衣丸剤のコアを得るために好適な助剤の添加後、固体の賦形剤を用い、任意に、得られた混合物を粉砕し、顆粒の混合物を処理して作製することができる。好適な賦形剤は、特に、乳糖、スクロース、マンニトール、又はソルビトールを含む糖類;例えば、トウモロコシ澱粉、小麦澱粉、米澱粉、ジャガイモ澱粉、ゼラチン、トラガカントゴム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボメチルセルロースナトリウムなどのセルロース製剤;及び/又はポリビニルピロリドン(PVP)などの生理学的に許容できるポリマーなどの増量剤である。所望の場合、架橋ポリビニルピロリドン、寒天、又はアルギン酸又はアルギン酸ナトリウムなどのアルギン酸の塩などの崩壊剤を添加できる。
糖衣丸剤のコアには、好適なコーティングが備えられる。この目的のために、アラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、カーボポルゲル、ポリエチレングリコール、二酸化チタン、ラッカー溶液及び好適な有機溶媒又は溶媒混合物を任意に含有し得る濃縮糖溶液が使用できる。異なる組合せの活性化合物用量の同定又は特性化のために、錠剤又は糖衣丸剤のコーティングに色素又は顔料を添加できる。
経口使用できる医薬組成物としては、ゼラチンから作製された押込み嵌めカプセル並びにゼラチンとグリセロール又はソルビトールなどの可塑剤から作製された軟質密封カプセルが挙げられる。押込み嵌めカプセルは、乳糖などの増量剤、澱粉などの結合剤、タルク又はステアリン酸マグネシウムなどの滑剤、及び任意に安定化剤と混合させた活性成分を含有し得る。軟質カプセルにおいて、活性成分は、脂肪油、液体パラフィン、又は液体ポリエチレングリコールなどの好適な液体中に溶解又は懸濁できる。さらに、安定化剤を添加できる。経口投与のための全ての製剤は、選択された投与経路に好適な投与量にある。
頬側投与では、該組成物は慣例的様式で製剤化された錠剤又は舐剤の形態をとり得る。
経鼻吸入による投与では、本発明により使用される活性成分は、好適な噴射剤、例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン又は二酸化炭素の使用と共に、加圧パック又はネブライザーからのエアロゾルスプレーの形態で簡便に送達される。加圧エアロゾルの場合、投与量単位は、計量を送達するためのバルブを備えることによって判定できる。ディスペンサーに使用される、例えばゼラチンのカプセル及びカートリッジは、該化合物の粉末混合物及び乳糖若しくは澱粉などの好適な粉末ベースを含有して製剤化できる。
本明細書に記載された医薬組成物は、非経口投与、例えば、ボーラス注入又は連続注入のために製剤化できる。注射用製剤は、単位投与量形態、例えば、任意に保存剤を添加したアンプル、又は多用量容器で提供できる。該組成物は、油性媒体又は水性媒体中の懸濁液、溶液又は乳濁液であり得、懸濁化剤、安定化剤及び/又は分散化剤などの製剤化剤を含有し得る。
非経口投与のための医薬組成物としては、水溶性形態における活性製剤の水溶液が挙げられる。さらに、活性成分の懸濁剤は、適切な油性又は水性ベースの注射用懸濁剤として調製できる。好適な親油性の溶媒又は媒体としては、ゴマ油などの脂肪油、又はオレイン酸エチル、トリグリセリド又はリポソームなどの合成脂肪酸エステルが挙げられる。水性注射用懸濁剤は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトール又はデキストランなど、該懸濁剤の粘度を増加させる物質を含有し得る。該懸濁剤は、該活性成分の溶解性を高め、高濃度溶液の調製を可能にする好適な安定化剤又は試剤も、任意に含有し得る。
或いは、該活性成分は、好適な媒体、例えば、滅菌した無パイロジェン水ベース溶液によって使用前に構成するための粉末形態であり得る。
本発明の医薬組成物は、例えば、カカオバター又は他のグリセリドなどの慣例的な座剤用ベースを用いて、座剤又は保持浣腸などの直腸用組成物にも製剤化できる。
本発明の文脈での使用に好適な医薬組成物は、該活性成分が意図された目的を達成する上で有効な量で含有される組成物を含む。より具体的には、治療的有効量とは、疾患(例えば虚血)の症状を予防、軽減又は寛解させるか、又は治療されている対象の生存を延長させるために有効な活性成分(核酸構築体)の量を意味する。
治療的有効量の決定は、特に本明細書に提供された詳細な開示を鑑みて、十分に当業者の能力の範囲内にある。
本発明の方法に用いられるいずれの製剤においても、治療的有効量又は用量は、最初、インビトロ及び細胞培養アッセイから予測できる。例えば、用量は、動物モデルにおいて、所望の濃度又は力価が得られるように製剤化できる。ヒトにおける有用な用量をより正確に決定するために、このような情報を用いることができる。
本明細書に記載された活性成分の毒性及び治療的有効性は、インビトロで、細胞培養で、又は実験動物において、標準的な製剤操作によって判定できる。これらのインビトロ及び細胞培養アッセイ並びに動物試験から得られたデータを、ヒトでの使用に関する投与量範囲の処方に用いることができる。投与量は、使用される剤形及び利用される投与経路に依って変化し得る。正確な処方、投与経路及び投与量は、患者の病態を鑑みて、個々の医師によって選択できる(例えば、Finglら、1975年、「The Pharmacological Basis of Therapeutics」第1章、1ページを参照)。
生物学的効果(最小有効濃度、MEC)を誘導又は抑制する上で十分な活性成分の血漿濃度又は脳濃度が提供されるように、投与量及び投与間隔を個々に調整できる。MECは各製剤で変わるが、インビトロデータから予測できる。MECを得るために必要な投与量は、個体の特徴及び投与経路に依存する。血漿濃度の判定には検出アッセイが使用できる。
治療される病態の重症度及び応答性に依って、投与は単回又は複数回投与であり得、治療の過程は、数日から数週間、又は治癒がもたらされるまで、或いは疾患状態の減少が得られるまで継続され得る。
投与される組成物の量は、勿論、治療されている対象、疾病の重症度、投与の様式、処方医師の判断などに依存する。
本発明の組成物は、所望の場合、該活性成分を含有する1種以上の単位剤形を含有し得る、FDA承認キットなどのパック又はディスペンサー装置において提供できる。該パックは、例えば、ブリスターパックなどの金属又はプラスチックホイルを含み得る。該パック又はディスペンサー装置には、投与に関する使用説明書を添付し得る。該パック又はディスペンサーには、薬剤の製造、使用又は販売を管理している政府機関によって規定された形態での容器に関連した注意書きも添付でき、該注意書きは、該組成物の形態について、又はヒト又は家畜への投与についての該機関による承認を反映するものである。このような注意書きは、例えば、薬剤の処方に関して米国食品医薬品局によって承認されたラベルを有してもよいし、承認された製品添付文書を有してもよい。適合性の製薬担体中に製剤化された本発明の薬剤を含む組成物は、上記でさらに詳述されるように、調製し、適切な容器内に入れて、指示された病態の治療に関してラベル付けすることもできる。
本特許権の存続期間中に多くの関連癌療法が開発されることが予想されるため、癌療法という用語の範囲にはこのような全ての新規技法が事前に含まれることとする。
本明細書に用いられる用語「約」とは、±10%のことである。
本発明のさらなる目的、利点、及び新規な特徴は、限定が意図されてはいない以下の実施例を検討すれば、通常の当業者には明らかとなろう。さらに、以下の実施例は、本明細書の上記に記述され、請求項の節で請求された本発明の種々の実施形態及び態様の各々にとって実験的な裏づけとなる。
ここで、以下の実施例について記述を行うが、これらは上記の説明と共に、非限定的な様式で、本発明を例示するものである。
一般に、本明細書に用いられる命名法及び本発明に利用される実験操作には、分子的、生化学的、微生物学的及び組換えDNAの技法が含まれる。このような技法は、文献で十分に説明されている。例えば、「Molecular Cloning:A Laboratory Manual」Sambrookら、(1989);「Current Protocol in Molecular Biology」I〜III巻、Ausubel,R.M.編(1994);Ausubelら、「Current Protocol in Molecular Biology」、John Wiley and Sons、バルチモア、メリーランド州(1989);Perbal、「A Practical Guide to Molecular Cloning」、John Wiley&Sons、ニューヨーク(1988);Watsonら、「Recombinant DNA」、Scientific American Books、ニューヨーク;Birrenら(編)「Genome Analysis:A Laboratory Manual Series」1〜4巻、Cold Spring Harbor Laboratory Press、ニューヨーク(1998);米国特許第4,666,828号;米国特許第4,683,202号;米国特許第4,801,531号;米国特許第5,192,659号及び米国特許第5,272,057号に記載された方法論;「Cell Biology:A Laboratory Handbook」、I〜III巻、Cellis,J.E.編(1994);「Culture of Animal Cells−A Manual of Basic Technique」、Freshney、Wiley−Liss、ニューヨーク(1994)、第3版;「Current Protocols in Immunology」、I〜III巻、Coligan J.E.編(1994);Stitesら(編)、「Basic and Clinical Immunology」(第8版)、Appleton&Lange、ノルウオーク、コネチカット州(1994);Mishell及びShiige(編)、「Selected Methods in Cellular Immunology」、W.H.Freeman and Co.、ニューヨーク(1980)を参照されたい。利用可能な免疫アッセイは、特許及び科学文献に広範に記載されている。例えば、米国特許第3,791,932号;米国特許第3,839,153号;米国特許第3,850,752号;米国特許第3,850,578号;米国特許第3,853,987号;米国特許第3,867,517号;米国特許第3,879,262号;米国特許第3,901,654号;米国特許第3,935,074号;米国特許第3,984,533号;米国特許第3,996,345号;米国特許第4,034,074号;米国特許第4,098,876号;米国特許第4,879,219号;米国特許第5,011,771号及び米国特許第5,281,521号;「Oligonucleotide Synthesis」、Gait,M.J.編(1984);「Nucleic Acid Hybridization」Hames,B.D.及びHiggins S.J.編(1985);「Transcription and Translation」Hames,B.D.及びHiggins S.J.編(1984);「動物細胞培養(Animal Cell Culture)」Freshney,R.I.編(1986);「Immobilized Cells and Enzymes」IRL Press(1986);「A Practical Guide to Molecular Cloning」、Perbal,B.、(1984)及び「Methods in Enzymology」第1巻〜317巻、Academic Press;「PCR Protocols:A Guide To Methods And Applications」、Academic Press、サンジェゴ、カリフォルニア州(1990);Marshakら、「Strategies for Protein Purification and Characterization−A Laboratory Course Manual」、CSHL Press(1996)を参照されたい。これらは全て、本明細書に完全に記載されているように、参照として組み込まれている。他の一般的な文献も本文書を通して提供されている。それらにおける手順は、当業界ではよく知られていると考えられ、読者の便宜のために提供されている。それらに含まれる情報は全て、参照として本明細書に組み込まれている。
(実施例1)
ヒトの胚検体及び胎盤検体におけるH19の選択的スプライスバリアントの検出
H19のスプライスバリアントが特定の細胞型に限定されているかどうかを確認するために、以下の実験を実施した。
材料及び方法
細胞培養:本試験に用いられたヒト癌細胞系は全て、米国タイプ培養コレクション(マナサス、バージニア州)から入手し、10%ウシ胎仔血清(55℃で30分間、不活性化)、25mMのHEPES(pH7.4)、ペニシリン(180単位/ml)、ストレプトマイシン(100μg/ml)及びアムホテリシンB(0.2μg/ml)を含有するDMEM−F12(1:1)中に維持した。およそ4×10細胞/cmをポリスチレン培養皿(NUNC)に平板培養した。4日ごとに、0.05%トリプシン−EDTA溶液(Biet Haemek)により10分間、該細胞をトリプシン処理し、同じ開始濃度で再度、再平板培養した。
逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR):総RNAを組織から抽出し、製造元の使用説明書に従い、TRI REAGENT(Sigma)を用いて細胞系を培養し、DNアーゼI処理して、上記のとおり、ゲノムDNA混入物を除外した(Ayesh及びMatoukら、2002年、Mol Ther 7、535−541ページ)。製造元の使用説明書に従い、400単位の逆転写酵素(Gibco BRL)による5μgの総RNAの逆転写を開始させるためにp(dT)15プライマー(Roche、ドイツ国)を用いて、cDNAの合成を実施した。Diaza dGTP(Roche、ドイツ国)の存在下、94℃で5分間先行させ、72℃で5分間の最終延長で、40サイクル(94℃で1分間、58℃で30秒間、及び72℃で40秒間)、TaqポリメラーゼによりPCR反応を実施した。該PCR派のに使用したプライマーは、(5’−AGGAGCACCTTGGACATCTG−3’)(配列番号8)及び(5’−CCCCTGTGCCTGCTACTAAA−3’)(配列番号9)であり、公開されている転写H19開始部位から、それぞれ、117塩基、816塩基下流であった(Brannanら、1990年、MOl Cell Biol 10、28−36ページ)。該プライマーの位置は図1Aに示されている。該PCR反応の産物は臭化エチジウム染色ゲル上で操作した。
プローブ合成:組織からの小さいバンドを示しているPCR産物を、GFX(商標)PCR、DNA及びGel Band Purificationキットによって該ゲルから精製し、T−easy(登録商標)ベクター(Promega、米国)内にクローン化した。該挿入体の方向を制限酵素分析によって確認し、したがって、供給者の使用説明書(Roche、ドイツ国)に従い、ジゴキシゲニンUTPを用いて、標識アンチセンス鎖を合成した。得られたプローブを2単位のRNアーゼを含まないDNアーゼIで処理し、ペレット化し、DEPC処理した2倍希釈水の適切な容量に再懸濁した。4%変性アガロースミニゲル上で操作して、合成プローブのサイズを分析し、ジゴキシゲニン抗体を用いるドットブロット分析によってその標識効率を判定した(データは示していない)。
RNアーゼ保護アッセイ:RNアーゼ保護アッセイには、種々の濃度の三半期胎盤RNA(RT−PCRアッセイを用いて、選択的スプライスバリアントの存在を示した)を用いた。キット使用説明書RPA II(商標)(Ambion)に従い、600pgのDig標識プローブ/三半期胎盤からの10μgの総RNA(DNアーゼI処理した)及び使用したRNAの最高濃度に等しい酵母RNAを用いて、42℃で16時間、ハイブリダイズし、RNアーゼA/及びRNアーゼT1で消化した。RNアーゼ消化から保護したRNA断片を、5%ポリアクリルアミドゲル(8Mの尿素を含有)上での電気泳動により分離し、製造元の使用説明書に従い、CDP Star Detection Kit(Roche、ドイツ国)を用いて検出した。
DNA配列決定:ABI PRISM BigDye Terminator Cycle Sequencing Ready Reaction kit(PE Applied Biosystem)を用いて配列決定反応を実施した。
結果
RT−PCR分析(図1B〜D)及びRNアーゼ保護アッセイ(図1E)で示されるとおり、H19の選択的スプライスバリアントは、胎盤組織及び胚組織に存在し、癌細胞系及び癌患者の検体中には存在しなかった。該選択的スプライスバリアントは、344bpの長さであり、既知のH19転写体(GenBank登録番号 M32053)に比較して、転写開始部位(図1F)のnt252から588までに延在しているエキソン−1の一部を欠失していることが、配列決定試験により示された。
(実施例2)
H19遺伝子発現はCoClにより中程度にアップレギュレートされる
H19RNAの存在下でアップレギュレートされる幾つかの遺伝子は、低酸素症によって誘導されることも知られている(Ayesh及びMatoukら、2002年、Mol Carcinog 35、63〜74ページ)。H19RNAは、リウマチ様関節炎の組織において検出されていることも報告されている(Stuhlmullerら、2003年、Am J Pathol 163、901〜911ページ)。広範な血管形成の存在は通常、患部領域において増加した炎症細胞浸出液の代謝活性に部分的に起因する低酸素的及び酸化的ストレスによるリウマチ様関節炎に関連している。
さらに、H19遺伝子全体を含有するゲノムDNAを安定にトランスフェクトしたヒト癌乳腺上皮細胞におけるH19の過剰発現は、転写後レベルにおけるチオレドキシン遺伝子の陽性調節の原因であり、チオレドキシンは、酸化的ストレス応答及びデオキシヌクレオチド生合成の重要なタンパク質であることが、プロテオミックなアプローチによって判明している(Lottinら、2002年、Carcinogesis 23、1885〜1895ページ)。
さらに、芽細胞移植など、細胞浸潤、及び胎盤の発達を含む多くの過程は、酸素減少環境において生じる(Rodeschら、1992年、Obstet Gynecol 80、283〜285ページ)。これらの2つの生理学的過程では、H19発現の強いアップレギュレーションが示される(Arielら、1994年、Gynecol Oncol 53、212〜219ページ)。
これらの理由に基づいて、H19遺伝子を、低酸素症に感受性であるかどうかを判定するために分析した。
材料及び方法
Hep3B細胞を、CoCl処理前に、通常の培地条件下で24時間培養した。該細胞をRNA抽出前に、CoCl(Sigma、Aldrich)でさらに22時間インキュベートした。
上記の実施例1のとおり、以下のプライマー、5’−CCGGCCTTCCTGAACA−3’正(配列番号10)及び5’−TTCCGATGGTGTCTTTGATGT−3’逆(配列番号11)を用いて、RT−PCR分析を実施した。
結果
RT−PCR分析により試験されたとおり、CoCl(50〜400nM)の増加濃度の添加に応答して、Hep3B細胞において、H19遺伝子発現が中程度にアップレギュレートされる(図2A〜2B)。真の低酸素条件に対する強いアップレギュレーションに比較して、この中程度のアップレギュレーションは、HIF−αが部分的にのみ原因となっていることを示している。
(実施例3)
正常と低酸素様の双方の培養条件下で、H19RNAは種々のsiRNA二重鎖によりインビトロで効率的にダウンレギュレートされる
材料及び方法
siRNAの調製:4種のsiRNA標的ヒトH19及び1種の陰性対照siRNA(ルシフェラーゼpGL3を標的にしている)(本明細書の下表1に記載)を、Proligoにより即時使用二重鎖として合成し、推奨されるとおり、各鎖でdTdT3’オーバーハングを有するように設計した。全ての配列を、国立衛星研究所のBlastプログラムを用い、遺伝子特異性に関して評価した。
各凍結乾燥siRNAを入手したら、RNアーゼを含まない水で再構成し、50pモル/ul溶液を調製し、アリコートとして、−80℃で保存した。
細胞培養条件及びsiRNA類のトランスフェクション:12ウェルプレートにおいて、リポフェクタミン2000(Invitrogen、米国)により、siRNAのトランスフェクションを実施した。該細胞がトランスフェクション当日に、ほぼ50%集密になるように、トランスフェクションの前日に、該細胞をトリプシン処理し、カウントし、無抗生物質DMEM培地1mlを含有するウェル当たり60,000で接種した。100μlの無血清OPTI−MEM培地(Invitrogen、米国)と共に、3μlのリポフェクタミン2000を15分間インキュベートした。これを、100μlの無血清OPTI−MEM培地で希釈した100pモルのdsRNAに加え、処方を20分間続けた。195μlの該混合物を、Hep3B細胞及びUMUC3細胞に適用し、培地を交換せずにさらに48時間インキュベートした。低酸素模擬条件では、トランスフェクションの24時間後に、新鮮調製したCoClを100μMの最終濃度で加え、該細胞を、RNA抽出前に、さらに22時間インキュベートした。
RNA抽出及びRT−PCR条件(siRNA):1μgの総RNAを使用した以外は、上記の実施例1のとおりに、総RNA及び逆転写を実施した。Taqポリメラーゼ(Takara、オオツ、日本国)の存在下、94℃で5分間を先行させ、72℃で5分間の最終延長で、H19に関するPCR反応を34サイクル(94℃で30秒間、58℃で30秒間、及び72℃で30秒間)実施し、GADPH及びヒストンに関して実施した。GAPに関するプライマー配列:正5’−GGCTCTCCAGAACATCATCCCTGC−3’(配列番号12)及び逆GGGTGTCGCTGTTGAAGTCAGAGG−3’(配列番号13)。
結果
Hep3B細胞:正常(図3A)と低酸素様(図3B)の双方の条件下で、H19RNAの内因性濃度を減少させるsiRNAの能力を調べた。H19を標的にする4種の異なるsiRNA類(1〜4)(図3A、レーン2〜5)又は4種のsiRNAの等モルプール(図3A、レーン6)を用いたRT−PCR分析(トランスフェクション後48時間)により、H19発現の劇的な抑制が検出されたが、非関連のPG13二重鎖標的ルシフェラーゼ(図3A、レーン1)及び擬似物(図3A、レーン7)では、それぞれ検出されなかった。さらに、H19遺伝子の発現を抑制する3種の異なるsiRNA(1、3及び4)の能力を、低酸素様CoClシミュレーション(図3B〜C)において試験した。CoClシミュレーションによって、H19RNAは中程度に誘導される(双方ともPG13二重鎖をトランスフェクトされた、低酸素シミュレーションに関する図3Bレーン1と正常に関するレーン5を比較されたい)が、H19転写体を標的にしている3種の異なるsiRNAを用いて、劇的な減少が検出された(図3B、レーン2〜4)。
UMUC3細胞:Hep3B細胞では、低酸素条件により、H19のメッセージ発現が増加し、siRNA H19(配列番号1)は、その発現を著しく減少させた(図3D〜E)。
(実施例4)
Hep3B細胞及びUMUC3細胞の双方で、H19RNAのエクスビボダウンレギュレーションにより、インビボ腫瘍形成能が低下する
材料及び方法
エクスビボ腫瘍形成能アッセイ:Hep3B細胞及びUMUC3細胞を、H19RNAに対して作られた2種の異なるsiRNA二重鎖(Hep3Bに対しては、siRNA配列番号3、UMUC3に対しては、siRNA配列番号1)及び非関連の対照siRNA(Luc又はGFPが標的)により、それぞれ、上記のようにインビトロでトランスフェクトした。トランスフェクションの48時間後、細胞を無胸腺ヌードマウスの背側側腹領域内に皮下注入した。追加の対照群は何も処置しなかった。細胞をトリプシン処理し、カウントし、遠心分離し、約5×10細胞/mlとなるように、滅菌PBS(1×)中に再懸濁した。250μlの懸濁液を無胸腺ヌードマウスの背側側腹領域内に注入した。注入の15日及び30日後、腫瘍が発現し始めるので、キャリパーを用いてそれらの容量を測定した。
6ウェルプレートにおいて、リポフェクタミン2000(Invitrogen、米国)によるsiRNAのトランスフェクションを実施した。該細胞がトランスフェクション当日に、ほぼ50%集密になるように、トランスフェクションの前日に、該細胞をトリプシン処理し、カウントし、無抗生物質DMEM培地を2ml含有するウェル当たり100,000で接種した。250μlの無血清OPTI−MEM培地(Invitrogen、米国)と共に、5μlのリポフェクタミン2000を15分間インキュベートした。これを、250μlの無血清OPTI−MEM培地で希釈した100uMのdsRNAに加え、処方を20分間続けた。500μlの該混合物を、該細胞に適用し、培地を交換せずにさらに48時間インキュベートした。各処理群は7匹のマウスを含んだ。
結果
図4A〜Dに示されるとおり、先にH19siRNAをトランスフェクトしたHep3B細胞をマウスに投与すると、Luc siRNAをトランスフェクトしたHep3B細胞よりも腫瘍の重量(図4A)及び容量(図4B)が極めて著しく低下した。図5A〜Dに示されるとおり、H19siRNAをトランスフェクトしたUMUC3細胞も、Luc siRNAをトランスフェクトしたUMUC3細胞よりも腫瘍の重量(図5A)及び容量(図5B)が極めて著しく低下した。
(実施例5)
H19siRNAの発癌性
H19RNAが腫瘍関連の遺伝子産物であるか、又はそれ自体で発癌の可能性を潜在的に有するかを確認するために、以下の実験を実施した。
材料及び方法
細胞増殖分析:Hep3B細胞を接種し、12ウェルプレートで、抗Luc siRNA又はH19siRNA(配列番号3)をトランスフェクトした。24時間後、細胞をPBSで2回洗浄し、トリプシン処理しカウントした。96ウェルプレートにおいて、10%FCSを含有するDMEM培地中、トランスフェクトした5×10のHep3B細胞を4重で接種し、24時間さらにインキュベートしてから、MTSアッセイを実施した。MTSアッセイは、供給元(Promega、米国)により提供された手順に従って実施した。ELISAプレート読取り装置を用いて940nmにおける吸光度を記録した。
結果
図6に示されるとおり、siRNA H19は、Hep3B細胞の細胞増殖の統計的に有意な減弱を誘導しなかった。
さらに、低酸素回復後の軟寒天中、固定物非依存性のコロニー形成に対するH19抑制の効果も、インビトロでの腫瘍形成能の追加評価として分析した。材料及び方法で記載されたとおり、トランスフェクションの4時間後に、Hep3B細胞を低酸素ストレスに曝した。低酸素条件の24時間後、細胞を軟寒天上に接種した。H19siRNAは、低酸素回復後の固定物非依存性の増殖を著しく妨げ、コロニーの数とサイズの双方が極めて著しく減少した(図3F)。
(実施例6)
H19siRNA二重鎖のインビボ腫瘍内注入
材料及び方法
H19siRNAの調製:使用されたトランスフェクタントは、Polyplusの濃jetPEI(商標)(×4)であった。850pモル(およそ11μgのsiRNA)、及び10μlのjetPEI(N/P=10)を、100μlの5%グルコース溶液に希釈し、5分後、jetPEI溶液をsiRNA溶液に加え、処方を20分間続けてから、腫瘍内(UMUC3に関して)又は最初に接種した部位(Hep3Bに関して)への注入を行った。
実験手順:2×10の膀胱癌細胞(UMUC3)及び肝細胞癌(Hep3B)細胞を、100μlのPBS中に懸濁し、UMUC3に関して10匹、及びHep3Bに関して8匹の無胸腺オスマウスの背側に皮下注入した。
UMUC3細胞:UMUC3において、腫瘍が約4〜8mmの直径に達したら、マウスを2つの均一群(n=5)に分け、対照としての非関連GFP、又はH19siRNA(H19siRNA−3、配列番号3)の第1回目の腫瘍内siRNA注入を行った。一回目の腫瘍内注入後、2日及び5日の間隔をおいて、合計3回の注入を行い、最後の注入後、マウスは何も処理せずに6日間おいた。2つの処置群に関して、キャリパーを用いて腫瘍容積を測定し、それらの最終腫瘍重量を記録した。
Hep3B細胞:Hep3B細胞に関して、細胞接種の48時間後に処理を行ってから、触診可能の腫瘍を観察した。マウスを2つの群(各々n=4)に分け、最初に接種した部位に注入した。2日置きにマウスに合計5回の注入を行い、最終注入後、1週間置いてからそれらを殺処理した。
等式、V=(L×W)×0.5(V、容積;L、長さ;W、幅)によって、腫瘍容積を算出した。
結果
腫瘍増殖におけるH19ノックダウンの機能的結果を判定するために、膀胱癌UMUC3細胞系から誘導した小腫瘍内に、H19siRNA−PEI複合体を注入してから、ヌードマウスにおけるHep3B癌細胞系において、触診可能な腫瘍を観察した。PEIと共に配合した、GFP標的の合成対照siRNAを対照として用いた。図7A〜Bに示されるとおり、H19siRNA3は、UMUC3細胞において、平均腫瘍容積(図7A)の約90%、及び平均腫瘍重量(図7B)の約88%の極めて著しい減少を生じさせた。
siRNA1を用いるHep3B誘導腫瘍において、腫瘍の容積及び重量における減少レベルの著しさはより低い。腫瘍重量のおよそ40%の減少(図7C)及び腫瘍容積の56%の減少(図7D)が見られた。
(実施例7)
TA11細胞及びTA31細胞におけるH19の関与
同一の親系T24Pに由来する2種のヒト膀胱癌細胞系、TA11及びTA31は、通常の培養条件下、インビトロで、それぞれ、H19の陰性(TA11H19−ve)、又は高発現体(TA31H19high)であることが示されている(Ayeshら、2002年、Mol Carcinog 35、63〜74ページ)。H19のメッセージがこれらの他の細胞系の腫瘍増殖に影響を及ぼすかどうかを判定するために、以下の実験を実施した。
材料及び方法
TA11細胞及びTA31細胞(およそ2×10)を、CD−1マウス(各々n=5)に皮下移植した。移植15日後に腫瘍容積を測定した。図8A〜Bに示されるとおり、TA11H19−ve細胞から誘導された腫瘍は、TA31H19high細胞から誘導された腫瘍よりも有意に小さかった。さらに、TA31H19high誘導の腫瘍は、有意により血管化した(図8C〜D)。TA11H19−ve細胞から得られた腫瘍のRT−PCR結果は、インビトロでのそれらの細胞におけるH19RNAの無発現とは反対に、それらの腫瘍においてH19RNAが誘導されることを示している(データは示していない)。これらの結果は、H19RNAが腫瘍増殖を増強させることを示唆している。
(実施例8)
Hep3B細胞系における低酸素ストレスによりH19RNAが誘導され、H19に対して作られたsiRNAはその誘導を極めて効率的に妨害する
材料及び方法
上記のとおり、Hep3B細胞を接種し、抗H19siRNA又は抗Luc siRNAのいずれかをトランスフェクトした。トランスフェクションの24時間後、細胞をAneoropack角形ジャー(Mitsubishi chemical社、日本国)に入れて、1時間以内に低酸素条件(1%O、20%CO)を生じさせるか、又は通常の酸素濃度に置いた。RNA抽出前に、インキュベーションを24時間続けた。本明細書上記の実施例1に記載されたとおり、RT−PCR分析を実施した。
結果
図9Aに示されるとおり、H19RNAは、通常(図9A、レーン3)及び低酸素(図9A、レーン4)双方の培養条件それぞれで、特異的にダウンレギュレートされた。ハウスキーピング遺伝子(GAPDH)のPCR分析は図9Bに示されている。uPARのPCR分析は図9Cに示されている。
当然のことながら、明白にするために別個の文脈で記載されている本発明の一定の特徴は、1つの実施形態において組み合わせて提供することもできる。逆に、簡潔にするために1つの実施形態の文脈で記載されている本発明の種々の特徴を、別個に、又は任意の好適な副次的組合せで提供することもできる。
本発明をその特定の実施形態に関連させて記載したが、多くの代替、修飾及び変型が当業者に明らかであろうことは明白である。したがって、添付の請求項の精神及び広い範囲に入るこのような代替、修飾及び変型は全て包含されるものとする。本明細書に挙げられた全ての刊行物、特許及び特許出願は、個々の刊行物、特許及び特許出願が、具体的に個々に参照として本明細書に組み込まれていることことが示されているのと同じ程度に、それらの全体が参照として本明細書に組み込まれている。なお、本出願における参考文献の引用又は同定は、このような参考文献が本発明の先行技術として入手できることを認めるものとして考えられるものではない。

Claims (16)

  1. 配列番号1、2、3及び4からなる群から選択される単離オリゴヌクレオチド。
  2. 薬学的に許容できる担体、及び活性成分として配列番号1、2、3及び4からなる群から選択される少なくとも1種の単離オリゴヌクレオチドを含む医薬組成物。
  3. 癌治療用医薬品を調製するための配列番号1、2、3及び4からなる群から選択される単離オリゴヌクレオチドの使用。
  4. (a)H19mRNAのレベル及び/又は活性をダウンレギュレートすることができる薬剤の治療有効量を、それを必要とする対象の細胞に投与すること、又は対象の細胞において発現させること;及び
    (b)前記対象に癌療法を提供し、それによって癌を治療すること
    を含む癌を治療する方法。
  5. 癌療法と組み合わせる癌治療用医薬品を調製するためのH19mRNAのレベル及び/又は活性をダウンレギュレートすることができる薬剤の使用。
  6. 配列番号1、2、3及び4からなる群から選択される少なくとも1種のオリゴヌクレオチドの治療的有効量を、それを必要とする対象の細胞に投与するか、又は対象の細胞において発現させ、それによって癌を治療することを含む、癌を治療する方法。
  7. H19mRNAのレベル及び/又は活性をダウンレギュレートすることができる薬剤及び追加の抗癌剤を含む癌を治療するために同定された製造品。
  8. H19mRNAのレベル及び/又は活性をダウンレギュレートすることができる前記薬剤が、核酸系薬剤である、請求項4、5又は7に記載の製造品、使用又は方法。
  9. 前記核酸系薬剤が、
    (a)H19遺伝子由来のH19RNAの転写を阻害する一本鎖ポリヌクレオチド;
    (b)H19mRNAにハイブリダイズすることによってH19mRNA活性の低下に導く一本鎖ポリヌクレオチド;
    (c)H19mRNAの分解に導く二本鎖ポリヌクレオチド;
    (d)H19mRNAを開裂させる三重鎖形成ポリヌクレオチド;
    (e)H19mRNAを開裂させる触媒ポリヌクレオチド;
    (f)H19mRNAにハイブリダイズしてその酵素的分解に導く一本鎖ポリヌクレオチド;及び
    (g)(a)から(f)のいずれか1つをコードする核酸配列
    からなる群から選択される、請求項8に記載の製造品、使用又は方法。
  10. 前記核酸系薬剤が、siRNA、リボザイム及びDNAザイムからなる群から選択される、請求項8に記載の製造品、使用又は方法。
  11. 前記核酸系薬剤がsiRNAである、請求項10に記載の製造品、使用又は方法。
  12. 前記siRNAが、配列番号1〜4からなる群から選択される核酸配列を含む、請求項11に記載の製造品、使用又は方法。
  13. 前記投与が、インサイチュ(in situ)で実施される、請求項4又は6に記載の方法。
  14. 前記癌が、小児固形癌、ウィルムス腫瘍、肝芽種、胎児性横紋筋肉腫、生殖細胞腫瘍及び栄養膜腫瘍、精巣生殖細胞腫瘍、卵巣の未熟奇形腫、仙尾骨腫瘍、絨毛膜癌、胎盤部位栄養膜腫瘍、上皮成人腫瘍、膀胱癌、肝細胞癌、卵巣癌、子宮頚癌、肺癌、乳癌、頭頚部の扁平上皮癌、食道癌、神経原性癌、星状細胞腫、神経節芽細胞腫、神経芽細胞腫からなる群から選択される、請求項3、4、5、6又は7のいずれか一項に記載の方法、使用又は製造品。
  15. 前記癌が、膀胱癌又は肝細胞癌である、請求項14に記載の方法、製造品又は使用。
  16. H19mRNAのレベル及び/又は活性をダウンレギュレートすることができる前記薬剤が、前記追加の抗癌剤と共に共製剤化される、請求項7に記載の製造品。
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