JP2013164885A - 記録装置、記録方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】記録層に位置案内子の形成されない記録媒体において、データの書き出し時に必要となるプリスパイラルの記録にあたりプリスパイラル記録管理情報の記録先について無限連鎖が生じないようにする。
【解決手段】記録層に対して倍ピッチのプリ記録トラック形成エリアとしてのプリフォーマットエリアを設け、上記プリ記録トラックに対して隣接トラックサーボ用レーザ光によるトラッキングサーボをかけながら記録用レーザ光により管理情報を記録する。ユーザデータ書き出し時のプリスパイラルについての記録管理情報をTDMAに記録し、またTDMAの書き出し時のプリスパイラルについての記録管理情報を他の場所に記録するとした場合において、TDMAプリスパイラル記録管理情報を、このようなプリフォーマットエリアに対して記録する。
【選択図】図11

Description

本技術は、記録層に位置案内子の形成されていない記録媒体についての記録を行う記録装置とその方法とに関する。
特開2011−123978号公報
光の照射により信号の記録又は再生が行われる光記録媒体として、例えばCD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、BD(Blu-ray Disc:登録商標)などのいわゆる光ディスク記録媒体(以下、単に光ディスクとも表記)が広く普及している。
従来より、光ディスクについては、その情報記録密度の向上を図ることで大記録容量化が達成されてきた。具体的には、ピット列又はマーク列としてのトラックの形成ピッチを詰める、つまりは半径方向における記録密度を向上させる手法、及びピット又はマークのサイズ縮小化により線方向(半径方向に直交する方向)の記録密度を向上させる手法が採られてきた。
一方で、大記録容量化を図るにあたっては、記録層(記録面)の数を増加させるという手法も有効であり、現状においても2層ディスクや3層以上の多層ディスクが提案・実用化されている。
但し、現状におい普及している記録可能型の多層ディスクについては、単層ディスクの場合と同様に位置案内子(例えばウォブリンググルーブなど)が形成された記録層を積層したものとされている。
このような位置案内子付きの記録層を多数有する多層ディスクを形成する際には、各記録層の積層ごとにスタンパを用いたパターン転写工程を行う必要がある。このため、通常の単層ディスクや2層ディスクの場合と比較すると工程の増加によるコストアップを招く。
また、パターン転写工程に失敗することを考慮すると、単層や2層ディスクとの比較で歩留まりも悪化し、この点でのコストアップも問題となる。
そこで、本出願人は、記録層を3以上有する多層記録媒体として、図19に示すような多層記録媒体100を提案している。
図19に示すように、多層記録媒体100には、上層側から順にカバー層101、複数の記録層Lが形成された記録層形成領域102(ここでは記録層の積層数がL1〜L5の5としている)、接着層103、反射膜104、及び基板105が形成されている。
なお、ここで言う「上層側」とは、多層記録媒体100に対する記録又は再生を行う記録/再生装置側からのレーザ光が入射する面を上面としたときの上層側を指すものである。
記録層形成領域102内において、各記録層Lは、半透明記録膜で構成され、これら半透明記録膜の各々の間にそれぞれ中間層が挿入されている。そして、注目すべきは、それぞれの記録層L(半透明記録膜)には、図のようにグルーブやピット列等の形成に伴う位置案内子が形成されていないという点である。すなわち、各記録層Lは平面状に形成されているものである。
記録層形成領域102の下層側には、所要の接着材料で構成された接着層(中間層)103を介して反射膜104が形成されている。
該反射膜104には、記録/再生位置を案内するための位置案内子が形成される。なお反射膜に位置案内子が形成されているというのは、位置案内子が形成されている界面上に反射膜が形成されるという意味である。
具体的に、この場合は図中の基板105の一方の面側に対して位置案内子が形成されることで、図のような凹凸の断面形状が与えられ、基板105の該凹凸断面形状が与えられた面上に対し反射膜104が成膜されることで、該反射膜104に位置案内子が形成されたものとなっている。基板105は、上記位置案内子としての凹凸断面形状を与えるためのスタンパを用いた射出成形などによって生成される。
ここで、現状の記録可能型ディスクで行われているように、上記位置案内子の形成により、多層記録媒体100の記録面内方向に平行な方向における絶対位置を表す情報(絶対位置情報:半径位置情報、及び回転角度情報)を記録することができる。例えばこの絶対位置情報は、上記位置案内子がグルーブで形成される場合には当該グルーブの蛇行(ウォブル)周期の変調により記録することができ、また上記位置案内子がピット列で形成される場合には、ピットの長さや形成間隔の変調により記録を行うことができる。
なお、上記のように各記録層Lにおいては位置案内子が形成されておらず、各記録層Lにおける記録位置の制御は、以下で説明するように位置案内子が形成された反射膜104からの反射光に基づき行われることになる。
この意味で、位置案内子が形成された反射膜104(反射面)のことを「基準面Ref」と表記する。
上記のような多層記録媒体100によれば、各記録層Lの形成ごとに必要とされていた位置案内子の形成工程を不要とでき、多層記録媒体を低コストに実現できる。
ここで、上記構造による多層記録媒体100についての具体的な記録手法について説明しておく。
多層記録媒体100に対しては、記録層Lを対象として照射されるべき記録層用レーザ光を照射する。
そして、該記録層用レーザ光についての記録時における位置制御の実現のため、多層記録媒体100に対しては、基準面Refにおける位置案内子に基づく位置制御を行うためのレーザ光(以下、サーボ用レーザ光と表記する)も併せて照射することになる。
具体的に、これら記録層用レーザ光とサーボ用レーザ光とは、図19に示すように共通の対物レンズ(対物レンズ110)を介して多層記録媒体100に対して照射するものとされている。
記録層Lを対象としたマークの記録時には、図のようにサーボ用レーザ光を反射膜104の反射面(基準面Ref)に合焦させるように照射して、その反射光に基づき得られるトラッキングエラー信号に従って対物レンズ110の位置制御を行う(つまりトラッキングサーボをかける)。
これにより、同じ対物レンズ110を介して照射される記録層用レーザ光のトラッキング方向における位置を連動して制御することができる。
一方、再生時における位置制御は、以下のようにして実現できる。
再生時においては、記録層Lにマーク列(つまり記録済みトラック)が形成されているので、該マーク列を対象として記録層用レーザ光単体でトラッキングサーボをかけることができる。すなわち、再生時におけるトラッキングサーボは、記録層用レーザ光の反射光に基づき得られるトラッキングエラー信号に従って対物レンズ110の位置制御を行うことで実現できる。
ここで、上記のような位置制御手法が採られる場合において、サーボ用レーザ光として記録層用レーザ光と同波長帯の光を用いてしまうと、サーボ用レーザ光の反射光を得るべき基準面Refについて、記録層用レーザ光についての反射率を高めざるを得なくなってしまう。すなわち、その分迷光成分が増大して再生性能を著しく悪化させてしまう虞がある。
このため、サーボ用レーザ光と記録層用レーザ光とはそれぞれ波長帯の異なる光を用いるものとし、基準面Refを形成する反射膜104として波長選択性を有する反射膜を用いる。
具体例として、記録層用レーザ光の波長はBDの場合と同様の405nm程度、サーボ用レーザ光の波長はDVDの場合と同様の650nm程度とされる。そして、反射膜104としては、サーボ用レーザ光と同波長帯の光を選択的に反射し、それ以外の波長による光は透過又は吸収する波長選択性反射膜を用いる。
このような構成により、基準面Refから記録層用レーザ光の不要な反射光成分が生じてしまうことを防止でき、良好なS/N(信号対雑音比)を確保できる。
ところで、記録層Lにグルーブ等の位置案内子の形成されていない多層記録媒体100では、記録時における記録開始位置へのシークは、基準面Refに記録されたアドレス情報を利用して行うことになる。
具体的に、記録層Lに対する記録時には、ライトコマンドに基づいて基準面Ref上の記録開始アドレスが特定され、先ずはサーボ用レーザ光により、該基準面Ref上の記録開始アドレスにシークする。そして、該シークの完了に応じて、記録用レーザ光による記録を開始する。これにより、記録層L上における、上記記録開始アドレスに対応する位置からデータの記録を開始することができる。
また、多層記録媒体100の記録層Lに記録した情報の再生についても、先ずは基準面Ref上のアドレスを利用したシークを行うことになる。具体的には、リードコマンドに基づき特定された基準面Ref上の再生開始アドレスをターゲットとして、サーボ用レーザ光によるシーク動作を行う。
そして、このような基準面Refのアドレスに基づくシークを行った上で、対物レンズ110についてのトラッキングサーボ制御を、サーボ用レーザ光の反射光に基づくサーボ制御から記録層用レーザ光の反射光に基づくサーボ制御に切り替えを行う。これにより、記録層用レーザ光のビームスポットを記録層L上の再生開始位置近傍のトラックに追従させることができる。
その上で、記録層Lに記録されているアドレス情報を読むことで、所定の再生開始位置に移動することができ、該再生開始位置からのデータ再生を開始することができる。
以上では、記録層Lに位置案内子が形成されない多層記録媒体100について記録/再生を行うための動作概要について説明したが、多層記録媒体100について記録/再生を行うにあたっては、実際には、以下で説明するような記録層用レーザ光とサーボ用レーザ光との間のスポット位置ずれに起因した情報記録位置のずれが生じることを考慮すべきものとなる。
ここで、先に説明したような位置制御手法を採る場合は、多層記録媒体100の偏芯や光学ピックアップのスライド機構のガタ等に起因して生じる対物レンズ110のレンズシフトにより、トラッキング方向における情報記録位置のずれが生じる。
ここで言うスライド機構のガタに伴うレンズシフトとは、スライドサーボ制御中において、当該スライド機構におけるメカ機構的なガタの発生に起因して光学ピックアップの位置が急激(瞬間的に)に変位したことに伴って、トラッキングサーボ制御中の対物レンズ110の位置がその変位の吸収ためにシフトされることを意味する。
図20は、対物レンズ110のレンズシフトに伴い情報記録位置のずれが生じる原理について説明するための図である。
図20において、図20Aは多層記録媒体100の偏芯やスライド機構のガタが無く対物レンズ110のレンズシフトが生じていない理想的な状態を、また図20Bは紙面左方向(例えば外周方向であるとする)のレンズシフトが生じた場合(+方向の偏芯と称する)、図20Bは紙面右方向(例えば内周方向であるとする)のレンズシフトが生じた場合(−方向の偏芯と称する)をそれぞれ示している。
なお、この図20では図示の都合から基準面Refが記録層Lの上層側に形成された場合を例示しているが、先の図19と同様に基準面Refが記録層Lの下層側に形成される場合にも同様の原理で情報記録位置のずれが生じるものである。
先ず、図中の中心軸cは、光学系を設計する上で設定された中心軸であり、図20Aに示す理想状態においては、対物レンズ110の中心は当該中心軸cに一致している。
これに対し、図20Bに示すような+方向のレンズシフトが生じた場合は、対物レンズ110の中心が光学系の中心軸cに対して+方向にシフトする。
このとき、サーボ用レーザ光(図中の柄付きの光線)に関しては、対物レンズ110に対して平行光により入射するので、上記のような対物レンズ110の中心軸cからのシフトが生じても、その焦点位置のトラッキング方向における位置に変化は生じない。
これに対し、記録層用レーザ光(図中の白抜きの光線)は、基準面Refとは異なる深さ位置に形成された記録層Lに合焦させるために、対物レンズ110に対して非平行光により入射されるので、上記のような+方向への対物レンズ110のシフトに対しては、図のように、記録層用レーザ光の焦点位置(情報記録位置)が、レンズシフト量に応じた分だけ+方向に変化してしまうこととなる(図中、ずれ量+d)。
また、図20Cに示すような−方向のレンズシフトが生じた場合には、記録層用レーザ光による情報記録位置は、図のようにレンズシフト量に応じた分だけ−方向に変化することとなる(図中ずれ量−d)。
このようにして、先の図19にて説明した多層記録媒体100についての記録/再生装置の構成、すなわち、

・記録層用レーザ光とサーボ用レーザ光とを共通の対物レンズ110を介して照射する
・記録層用レーザ光の焦点位置とサーボ用レーザ光の焦点位置とが異なる
・対物レンズ110のトラッキングサーボ制御をサーボ用レーザ光の焦点位置が基準面Refに形成された位置案内子に追従させるようにして行う

という構成においては、ディスクの偏芯やスライド機構のガタ等に起因して、記録層用レーザ光による情報記録位置がトラッキング方向にずれてしまうという問題が生じる。
このとき、偏芯の大きさ等やトラックピッチ(案内溝の形成間隔)の設定によっては、隣接する案内溝同士で情報記録位置が重なってしまうこともある。このようであると、正しく記録信号を再生することはできなくなる。
なお、上記では情報記録位置のずれの要因として対物レンズ110のレンズシフトを主なものとして説明したが、情報記録位置のずれは、ディスクチルトによっても同様に生じるものである。
上記のような情報記録位置ずれの問題を回避するための1つの対策としては、情報記録位置の変動以上にトラックピッチを広げておくということを挙げることができる。
しかしながらこの手法は、トラックピッチの拡大により記録容量の低下を招いてしまう点が問題となる。
また、他の手法として、ディスクを着脱不能なシステムとする手法も挙げることができる。
ここで、偏芯の原因としては、ディスク内径とスピンドルモータへのクランプ径との誤差が挙げられる。加工上、両者の誤差を完全にゼロにすることは不可能であるので偏芯は不可避である。また、仮に両者の誤差をゼロにできたとしても、ディスクの基準面における記録信号中心と装置側のスピンドル軸中心とが同一になるとは限らないので、この面でもやはり偏芯が生じる。そこで、ディスクの着脱を不能としたシステムにすれば、偏芯による影響が同じとなるので、記録位置が重なる問題を回避できる。そしてこのことで、トラックピッチを詰めることができ、その分、記録容量の増大を図ることができる。
しかしながら、当然、この手法ではディスクの交換が一切できないので、例えばディスク不良時にディスクだけを交換するといったことができなくなる。さらには、或る装置で記録したデータを別の装置で読み出すといったこともできない。つまりこれらの点で、利便性が損なわれる結果となる。
そこで、これらの問題を回避するための有効な手法として、いわゆるATS(Adjacent Track Servo:隣接トラックサーボ)を採用することが考えられている。ATSは、元々はハードディスクドライブにおけるセルフサーボトラックライタ(SSTW)として検討されていたものである。
図21は、ATSについて説明するための図である。
図のようにATSでは、記録用スポットSwrと隣接トラックサーボ用スポットSatsとを記録層L上に形成するようにされる。これらスポットSwrとスポットSatsは、それぞれその元となる光線を共通の対物レンズを介して記録媒体に照射することで形成される。このとき、スポット間の距離は所定長で固定である。
ATSでは、記録用スポットSwrを先行スポット(つまり記録の進行方向が内周→外周である場合には外周側)とし、隣接トラックサーボ用スポットSatsを後行スポットとして、記録用スポットSwrによって形成したマーク列を対象として、隣接トラックサーボ用スポットSatsによりトラッキングサーボをかける。つまりは、記録用スポットSwrが形成した1本前のトラックに、隣接トラックサーボ用スポットSatsが追従するように対物レンズのトラッキングサーボ制御を行うというものである。
このようなATSによれば、トラックピッチは各スポットS間の距離で一定とできるので、偏芯等の影響によりトラックが重なってしまうという問題は生じないものとできる。すなわち、前述のように偏芯等に起因する情報記録位置のずれを考慮してトラックピッチを余分に広げたり、或いはディスクを着脱不能とするシステムとするといった必要は無いものとできる。
ここで、図20にて説明したようなサーボ用レーザ光に対する記録層用レーザ光のスポット位置ずれが生じることによっては、上記の問題と共に、基準面Refのアドレス情報で特定される記録開始位置と、記録層のアドレス情報で特定される記録開始位置との間にずれが生じてしまうという問題も生じる。
図22は、このようなスポット位置ずれに伴う基準面−記録層間の記録開始位置ずれとそれに伴う問題点とについて説明するための図である。
先ず、この図に示す問題点を説明する上での前提として、前述のように、多層記録媒体100における或る記録層Lの記録情報を再生する際には、先ずは基準面Refのアドレス情報に基づくシークを行った後に、記録層用レーザ光により記録層Lのアドレス情報を読んで再生開始位置に到達するようにされる。
このようなアクセス処理は、サーボ用レーザ光と記録層用レーザ光のスポット位置が半径方向において一致しているときには有効となるが、前述のようなスポット位置ずれが生じる場合には成り立たない虞がある。
具体的に、再生開始位置が、ディスク上の一連の記録領域の先頭位置であって、その手前側にマーク列が未形成とされる位置であった場合において、仮に、上記のシーク完了時におけるスポット位置ずれが上記手前方向側へのずれとして生じていたとすると、記録層用レーザ光のスポット位置はマークが未形成部分に位置してしまう虞がある。このような状態となると、記録層用レーザ光によるトラッキングサーボの引き込みが不能となり、結果、再度基準面Refに基づくシークをやり直すなどして、アクセス時間が大幅に遅れるものとなってしまう。
図22は、上記のような再生時におけるアクセス時のスポット位置ずれに起因して生じる実際の再生開始位置とのずれが、記録時に生じていたスポット位置ずれとの関係で最悪となるケースを表している。
図22Aは記録時に生じていたスポット位置ずれの様子を、また図22Bは再生時におけるアクセス時に生じたスポット位置ずれの様子を示している。
先ず、これら図22A、図22Bに示されるように、記録対象とされた記録層Lについては記録層Lnと表記する。
また、記録開始位置を表す基準面Ref上のアドレス(図中●)をアドレスAD_st_refとおく。
また、この基準面Ref上のアドレスAD_st_refに対応した記録層Ln上の理想的な記録開始位置(スポット位置ずれが生じていない場合の理想的な記録開始位置:図中○)を理想記録開始位置PS_st_bとおく。
これら図22A、図22Bを参照して分かるように、記録層Lnにおける実際の記録開始位置(図22Aにおける●:図22Bにおいては実際の再生開始位置と換言できる)からの、再生時におけるアクセス時の記録層用レーザ光のスポット位置のずれが最大となるは、記録時において外周側へのスポット位置ずれ(+d)が生じていた場合に、再生時のアクセス時に内周側へのスポット位置ずれ(−d)が生じた場合となる。
なお、上記のようにディスク上の同位置においてスポット位置ずれの態様(方向)が異なるのは、ディスクの付け替えを行った場合である。具体的には、例えば記録を行った装置と再生を行う装置とが異なる場合などである。ディスクの付け替えが行われると、ディスクのスピンドルモータへのクランプ状態が変化することなどに起因して、偏芯の発生態様も異なることになる。このためディスク付け替え後に再生を行う場合には、図22A、図22Bのような状況が生じ得る。
このようなスポット位置ずれが生じることに起因しては、記録後に基準面Refのアドレスを参照して再生開始位置にシークしても、その位置では、記録層Lnに何も記録されていないという状況が生じ得る。この結果、記録層Ln上の再生開始位置を探せず、データを読むことができない虞がある。
このような問題点に鑑み、先に本出願人は、少なくとも記録開始位置の手前側にスポット位置ずれを考慮した分のダミー記録を行ってから、実データの記録を開始するという手法を提案している。
実データの記録に先立ち、スポット位置ずれを考慮した分のダミー記録を行うので、先の図22のケースのように記録時のスポット位置ずれと再生時のスポット位置ずれとが「2d」(つまり最悪)となる場合にも、再生時に基準面Refのアドレスを参照してシークした位置において必ず既記録のトラックが存在するようにできる。すなわち、基準面Refのアドレスに基づくシーク後、記録層用レーザ光によるトラッキングサーボに適正に切替えを行うことができ、その結果、上記ダミー記録部分に記録された記録層用アドレスを参照して実データの先頭部に速やかにアクセスすることができる。
ここで、以下、上記のように実データの記録前に行うダミー記録により形成される記録部分のことを、「プリスパイラル」と称する。
このようにプリスパイラルの記録を行うことで、記録時と再生時との間でディスク付け替えが介在した場合であっても必ず記録データの開始部分にアクセスすることを保証でき、データ再生を適正に行うことができる。
ところで、上記のようなプリスパイラルの記録中において、何らかの原因により装置の電源断等が生じると、書き込んだプリスパイラルは存在しないものとして管理されてしまう虞がある。
そしてこれによると、その後に記録を行う際において、二重ライトが生じてしまう可能性があり、その結果、記録情報の読み出しが不能となってしまう虞がある。
そこで、このようなプリスパイラルについても、その記録管理情報を記録することが有効である。
このとき、多層記録媒体100においても、記録管理情報については、BDの場合と同様にTDMA(Temporary Disc Management Area)に記録することが順当に考えられる。
図23は、ディスク上におけるTDMAの配置の一例を示した図である。
例えばこの図の例では、記録層Lに対して3つのTDMA(TDMA0〜TDMA2)を配置しており、図のようにリードイン、ISA(Inner Spare Area)、OSA(Outer Spare Area)にそれぞれTDMAが配置されるものとしている。
但し、記録層Lに位置案内子の形成されない多層記録媒体100においては、このようなTDMAについても位置案内子の非形成部分に対して記録することになり、従ってその書き出し時にはプリスパイラルの記録が必要となる。すなわち、TDMAについても、上記により説明したユーザデータ記録の場合と同様、基準面Refのアドレスに基づくシークを行って記録/再生を開始するという意味で、先の図22にて説明したものと同様の問題が生じるものであり、このためプリスパイラルの記録が必要とされるものである。
このように、TDMAにユーザデータ領域内のプリスパイラルについての記録管理情報を記録するとしても、該TDMAの記録に際し同様にプリスパイラルの記録が必須となってしまうことから、該TDMAのプリスパイラルについても、その記録管理情報を他の場所に記録することが必要となってしまう。すなわち、該TDMAのプリスパイラルについても、その記録中における電源断の発生を考慮すると、その記録管理情報を他の場所に記録すべきこととなってしまう。
しかしながら、記録層Lには位置案内子が非形成であるので、このようなTDMAプリスパイラルの記録管理情報を記録する他の場所としても同様に位置案内子の非形成領域となる。従って、該他の場所のプリスパイラルについての記録管理情報についてもさらに他の場所に記録する必要が出てきてしまい、この結果、該さらに他の場所のプリスパイラルについても、さらに他の場所に記録することが必要となってしまう。
このように記録層Lに位置案内子の形成されない多層記録媒体100では、データの書き出し時に必要となるプリスパイラルの記録にあたり、プリスパイラル記録管理情報の記録先について無限連鎖が生じてしまうという問題がある。
本技術は、このようなプリスパイラルの記録管理情報の記録先についての無限連鎖を断ち切ることをその課題とするものである。
上記課題の解決のため、本技術では記録装置を以下のように構成することとした。
すなわち、本技術の記録装置は、情報の記録が行われる記録層が平面状に形成され、該記録層に対し、該記録層のトラックピッチの倍のトラックピッチによるプリ記録トラックの形成されたプリフォーマットエリアが設けられた記録媒体に対して、記録用のレーザ光と隣接トラックサーボ用のレーザ光とを照射する光照射部を備える。
また、上記隣接トラックサーボ用のレーザ光の反射光に基づき、上記記録層に形成されたトラックに対して上記隣接トラックサーボ用のレーザ光のビームスポットを追従させるトラッキングサーボを行うトラッキングサーボ制御部を備える。
また、上記プリフォーマットエリアにおける上記プリ記録トラックを対象として上記トラッキングサーボ制御部によるトラッキングサーボがかけられた状態で、上記記録用のレーザ光により管理情報の記録が行われるように制御を行う制御部を備えるものである。
上記のように本技術では、記録層に対し、倍ピッチのプリ記録トラック形成エリアとしてのプリフォーマットエリアを設けておくものとしている。そして、該プリフォーマットエリア内の上記プリ記録トラックに対して隣接トラックサーボ用レーザ光によるトラッキングサーボをかけながら、記録用レーザ光により管理情報を記録するものとしている。
プリ記録トラックが形成されたプリフォーマットエリア内においては、再生時に基準面アドレス情報を参照したシークが完了した状態において、再生用のレーザ光のスポット近傍に必ずトラックが存在している状態を得ることができる。つまりこのことで、プリフォーマットエリア内ではプリスパイラルの記録は不要とできる。
上記本技術によれば、例えば前述のようにユーザデータ書き出し時のプリスパイラルについての記録管理情報(ユーザデータエリアプリスパイラル記録管理情報とする)をTDMA(Temporary Disc Management Area)に記録し、またTDMAの書き出し時のプリスパイラルについての記録管理情報(TDMAプリスパイラル記録管理情報とする)を他の場所に記録するとした場合において、TDMAプリスパイラル記録管理情報を上記プリフォーマットエリアに対して記録することができる。この結果、前述のようなプリスパイラルの記録管理情報の記録先についての無限連鎖を断ち切ることができる。
上記のように本技術によれば、プリスパイラルの記録管理情報の記録先についての無限連鎖を断ち切ることができる。
また、プリフォーマットエリア内に形成された倍ピッチのプリ記録トラックに対し隣接トラックサーボ用レーザ光によるトラッキングサーボをかけながら管理情報を記録するものとしたことで、管理情報の記録/再生をより安定的に行うことができる。
実施の形態の記録媒体の断面構造を示した図である。 基準面に形成された位置案内子を利用した位置制御手法についての説明図である。 ATSガイド用トラックの具体的な形成手法の例についての説明図である。 最大スポットずれ量についての説明図である。 プリスパイラルの記録範囲の設定手法についての説明図である。 記録時に順方向側のスポット位置ずれが生じていた場合を例示した図である。 図6で記録された実データの再生時の様子を示した図である。 記録時に逆方向側のスポット位置ずれが生じていた場合を例示した図である。 図8で記録された実データの再生時の様子を示した図である。 記録層のエリア構造とプリフォーマットエリアに形成されるプリ記録トラックとについての説明図である。 実施の形態としての記録手法についての説明図である。 実施の形態の記録装置が備える主に光学系の構成についての説明図である。 実施の形態の記録装置全体の内部構成を示した図である。 ライトコマンドに応じてユーザデータエリアに対する記録を実行するまでの処理の流れを示したフローチャートである。 UDAプリスパイラル記録処理の具体的な手順を示したフローチャートである。 TDMA第1書込処理の具体的な手順を示したフローチャートである。 TDMA第2書込処理の具体的な手順を示したフローチャートである。 TDMAプリスパイラル記録処理の具体的な手順を示したフローチャートである。 記録層に位置案内子が形成されない多層記録媒体についての説明図である。 対物レンズのレンズシフトに伴い情報記録位置のずれが生じる原理について説明するための図である。 ATSについて説明するための図である。 スポット位置ずれに伴う基準面−記録層間の記録開始位置ずれとそれに伴う問題点とについて説明するための図である。 ディスク上におけるTDMAの配置の一例を示した図である。
以下、本技術に係る実施の形態について説明する。
なお、説明は以下の順序で行う。

<1.実施の形態の記録媒体について>
<2.位置制御手法について>
<3.プリスパイラルについて>
<4.実施の形態としての記録手法>
<5.実施の形態としての記録装置>
<6.処理手順>
<7.変形例>
<1.実施の形態の記録媒体について>

図1は、実施の形態の記録媒体としての多層記録媒体1の断面構造を示している。
この図1に示されるように、多層記録媒体1には、上層側から順にカバー層2、複数の記録層3が形成された記録層形成領域5、接着層6、反射膜7、及び基板8が形成されている。
ここで、本明細書において「上層側」とは、後述する記録装置(記録再生装置10)側からのレーザ光が入射する面を上面としたときの上層側を指す。
多層記録媒体1において、カバー層2は、例えば樹脂で構成され、その下層側に形成された記録層形成領域5の保護層として機能する。
記録層形成領域5は、図のように複数の記録層3と、それらの間に挿入された中間層4とを有して構成される。換言すれば、この場合の記録層形成領域5は、記録層3→中間層4→記録層3→中間層4・・・→記録層3の繰り替えし積層が行われて形成されたものとなっている。
記録層3は、半透明記録膜で構成される。中間層4は、例えば熱可塑性樹脂や紫外線硬化樹脂など樹脂材料で構成される。
この図では図示の都合上、記録層形成領域5内には5つの記録層3が形成されるものとしているが、これはあくまで一例であって、記録層数は「5」以外とすることができる。
ここで、記録層形成領域5において、それぞれの記録層3には、図からも明らかなようにグルーブやピット列等の形成に伴う位置案内子が形成されていない。すなわち、各記録層3は平面状に形成されているものである。
このような記録層形成領域5の作成にあたっては、現状の多層ディスクの製造で必要とされる記録層ごとの位置案内子の形成工程を不要とでき、結果、多層記録媒体1の製造コスト、量産コストを効果的に削減できる。
記録層形成領域5の下層側には、所要の接着材料で構成された接着層(中間層)6を介して、反射膜7が形成されている。
該反射膜7には、記録/再生位置を案内するための位置案内子が形成される。なお前述したように、反射膜に位置案内子が形成されているというのは、位置案内子が形成されている界面上に反射膜が形成されるという意味である。
具体的に、この場合は、図中の基板8の一方の面側に対して位置案内子が形成されることで、図のような凹凸の断面形状が与えられ、基板8の該凹凸断面形状が与えられた面上に対し反射膜7が成膜されることで、該反射膜7に位置案内子が形成されたものとなっている。
なお、基板8は、例えばポリカーボネートなどの樹脂で構成される。該基板8は、例えば上記位置案内子としての凹凸断面形状を与えるためのスタンパを用いた射出成形などによって生成することができる。
ここで、現状の記録可能型光ディスクで行われているように、上記位置案内子の形成により、多層記録媒体1の記録面内方向に平行な方向における絶対位置を表すアドレス情報(絶対位置情報:半径位置情報、及び回転角度情報)を記録することができる。例えばこの絶対位置情報は、上記位置案内子がグルーブで形成される場合には当該グルーブの蛇行(ウォブル)周期の変調により記録することができ、また上記位置案内子がピット列で形成される場合には、ピットの長さや形成間隔の変調により記録を行うことができる。
なお、上記のように記録層3に対しては位置案内子が形成されておらず、記録層3上の記録位置の制御は、以下で説明するように位置案内子が形成された反射膜7からの反射光に基づき行われることになる。
この意味で、以下、位置案内子が形成された反射膜7(反射面)のことを、「基準面Ref」と表記する。
<2.位置制御手法について>

図2は、基準面Refに形成された位置案内子を利用した位置制御手法についての説明図である。
先ず、本実施の形態では、記録層3に対する記録について、隣接トラックサーボ(ATS:Adjacent Track Servo)を採用する。このため、記録層3を対象として照射する記録層用レーザ光としては、記録用レーザ光と、該記録用レーザ光とは別のレーザ光とを照射することになる。
なお確認のため述べておくと、ATSとは、先の図21においても説明したように、記録用スポットSwrを先行スポット(つまり記録の進行方向が内周→外周である場合には外周側)とし、隣接トラックサーボ用スポットSatsを後行スポットとして、記録用スポットSwrによって形成したマーク列を対象として、隣接トラックサーボ用スポットSatsによりトラッキングサーボをかけることで、記録用スポットSwrが形成した1本前のトラックに、隣接トラックサーボ用スポットSatsが追従するように対物レンズのトラッキングサーボ制御を行うものである。
本例では、隣接トラックサーボのために照射するレーザ光は、再生用のレーザ光としても兼用する。この意味で、上記のように記録用レーザ光と共に照射するレーザ光については、図のようにATS・再生時用レーザ光と表記する。
またこの場合、基準面Refの位置案内子に基づくサーボ制御の実現のため、サーボ用レーザ光も照射する。
該サーボ用レーザ光と上記記録用レーザ光及びATS・再生時用レーザ光とは、図のように共通の対物レンズ(後述する対物レンズ20)を介して多層記録媒体1に照射する。
記録層3に対し所要のアドレスから記録を開始するとしたときは、先ず、基準面Refに記録されたアドレス情報に基づくシークを行う。すなわち、サーボ用レーザ光の反射光に基づき、ライトコマンドから特定される基準面Ref上の記録開始アドレスにシークを行うものである。
ここで、ATSによる記録を実現するためには、記録層3において、ATSをかけるための既記録トラックが形成されている必要がある。このため、既記録のスパイラルに続けて追記を行う場合以外、すなわち未記録の領域に初めて記録を開始するという場合には、上記の基準面Refを用いたシークの後、記録層3に対してATSをかけるためのガイド用のトラック(以下、ATSガイド用トラックと称する)を形成することになる。
そして、このATSガイド用トラックを形成した後、該ガイド用トラックに対してATS・再生時用レーザ光によるトラッキングサーボをかけることで、ATSによる記録を開始することができる。
なお、ATSガイド用トラックの具体的な形成手法については後に改めて説明する。
また、再生時における位置制御は、以下のようにして実現できる。
再生時においては、記録層3にマーク列が形成されているので、該マーク列を対象としてATS・再生時用レーザ光単体でトラッキングサーボをかけることができる。
具体的に、記録層3の所定領域に記録された情報の再生時には、先ずは記録時と同様にサーボ用レーザ光により基準面Refのアドレス情報に基づくシークを行う。そして、該シークが完了した位置で、対物レンズについてのトラッキングサーボをサーボ用レーザ光に基づくサーボ制御からATS・再生時用レーザ光に基づくサーボ制御に切り替える。その後は、記録層3に記録されたアドレス情報を参照して、再生開始位置にシーク(補正シーク)することができる。
ここで、上記のように位置制御にあたり記録層用レーザ光とは別途のサーボ用レーザ光を用いる手法において、サーボ用レーザ光として記録層用レーザ光と同波長帯の光を用いてしまうと、サーボ用レーザ光の反射光を得るべき基準面Refについて、記録層用レーザ光についての反射率を高めざるを得なくなってしまう。すなわち、その分迷光成分が増大して再生性能を著しく悪化させてしまう虞がある。
このため、サーボ用レーザ光と記録層用レーザ光とはそれぞれ波長帯の異なる光を用いるものとし、基準面Refを形成する反射膜7として波長選択性を有する反射膜を用いる。
具体的に本例の場合、記録層用レーザ光(記録用レーザ光及びATS・再生時用レーザ光)の波長はBDの場合と同様の405nm程度、サーボ用レーザ光の波長はDVD(Digital Versatile Disc)の場合と同様の650nm程度とされる。そして、反射膜7としては、サーボ用レーザ光と同波長帯の光を選択的に反射し、それ以外の波長による光は透過又は吸収する波長選択性反射膜を用いる。
このような構成により、基準面Refから記録層用レーザ光の不要な反射光成分が生じてしまうことを防止でき、良好なS/N(信号対雑音比)を確保できる。
図3は、ATSガイド用トラックの具体的な形成手法の例についての説明図である。
先ず、図3に「記録開始」と示す位置は、サーボ用レーザ光により基準面Ref上のアドレス情報に基づいてシークを行ったときの、記録用レーザ光のスポット位置を意味する。
この図の例では、ATSガイド用トラック(マーク列)を、少なくとも2周分記録するものとしている。
ここで、図中の<1>は、2周分のガイド用トラックの記録を完了した時点での記録用スポットSwrとATS・再生時用レーザ光の照射スポット(隣接トラックサーボ用スポット)Satsとの位置関係を示している。
なお確認のため述べておくと、記録用スポットSwrは、前述した記録用レーザ光のビームスポットを表すものである。
このとき、ガイド用トラックの記録は、サーボ用レーザ光の反射光に基づく対物レンズのトラッキングサーボ制御(つまり基準面Refの位置案内子に基づくトラッキングサーボ制御)を行いながら実行することになる。
図中の<1>と示すように2周分のガイド用トラックの記録が完了したことに応じて、先ずは、サーボ用レーザ光によるトラッキングサーボ制御からATS光によるトラックサーボ制御への切替えを行う。
図を参照して分かるように、この場合はガイド用トラックを1周分以上記録しているので、隣接トラックサーボ用スポットSatsは既記録のトラックの近傍に位置することとなり、従って上記のサーボ切替えによって、ATS・再生時用レーザ光の既記録トラックに対するトラッキングサーボ引き込みを行うことが可能となる。
そして、上記のようなサーボ切替えを行った後に、図中の<2>と示すように、隣接トラックサーボ用スポットSatsを手前側のトラックにジャンプさせる。つまりこの場合は、1本手前側のトラックにジャンプさせることになる。
このようなジャンプ動作を行うことで、隣接トラックサーボ用スポットSatsを、記録を開始すべき位置(つまりガイド用トラックの終端位置から1周分手前となる位置)の手前側に位置させることができる。つまりこれにより、ガイド用トラックの終端から続けて、記録用スポットSwrによる記録をスムーズに行うことができるものである。
<3.プリスパイラルについて>

ここで、前述のように記録層に位置案内子の形成されていない多層記録媒体を対象として記録/再生を行う場合には、サーボ用レーザ光と記録層用レーザ光とにスポット位置ずれが生じ、それに伴い、記録した情報を適正に再生することができない可能性がある(先の図22を参照)。
そこで本実施の形態においても、記録データの書き出しにあたっては、上記スポット位置ずれの最大発生量を考慮した長さのダミー記録(プリスパイラルの記録)を行うものとしている。
以下、このようなプリスパイラルの具体的な記録手法について説明しておく。
なお、プリスパイラルの記録については、下記参考文献1にて既に本出願人により提案されている。

・参考文献1・・・特願2010−248433
先ず、プリスパイラルの記録にあたっては、サーボ用レーザ光と記録用レーザ光との間に生じるスポット位置ずれ量の最大量(以下、最大スポットずれ量D_maxとする)を定義する。
図4は、最大スポットずれ量D_maxについて説明するための図である。
なお図4を始めとして以降で説明する図5〜図9においては、基準面Refと、記録対象とする記録層3(図7及び図9においては再生対象とする記録層3:以下、記録/再生の対象とされた記録層3は記録層Lnと表記する)と、サーボ用レーザ光の光線O_svと、記録用レーザ光の光線O_wr(図7、図9ではATS・再生時用レーザ光の光線O_rd)との関係を示している。
先ず、図4において、図中の「TG_ref」は、サーボ用レーザ光によるトラッキングサーボ制御でサーボ対象とされている基準面Ref上のトラックを意味する。また「TG_b」は、トラックTG_refを対象としたサーボ用レーザ光によるトラッキングサーボ制御が実行されている下で、スポット位置ずれが生じていない理想的な状態での記録用レーザ光のスポット位置を意味する。
先の図20にて説明した通り、偏芯等の影響によっては、スポット位置ずれは、記録進行方向の順方向側/逆方向側(外周側又は内周側)の双方に生じる可能性がある。ここで、記録進行方向に順方向となる方向に生じるスポット位置ずれ量を+d、記録進行方向とは逆方向となる方向に生じるスポット位置ずれ量を−dとおく。また、スポット位置ずれ量+dの最大値を順方向側最大スポットずれ量+d_max、スポット位置ずれ量−dの最大値を逆方向側最大スポットずれ量−d_maxとおく。
図示するように最大スポットずれ量D_maxは、

D_max=|+d_max|+|−d_max|

として表されるものである。
ここで、スポット位置ずれの要因となるディスク偏芯やディスクチルトによる影響は、各方向に対称に生じるものとして扱うことができる。従って、最大スポットずれ量D_maxは、

D_max=|d_max|×2

と表すことができる。
これまでの説明からも理解されるように、スポット位置ずれの要因は、偏芯やチルトが主たるものとなる。また、そもそもスポット位置ずれは、対物レンズに記録用レーザ光が非平行光で入射することに起因して生じるものであり、換言すれば、スポット位置ずれ量は、光学系において設定されるサーボ用レーザ光と記録用レーザ光との光学倍率の値に応じて定まるものとなる。
これらの点からも理解されるように、最大スポットずれ量D_maxは、記録装置が備える光学系の構成(設計)やディスクの規格(偏芯許容量やチルト許容量)等に応じて定まるものとなる。
なお、本例の場合、半径方向において選択可能な最小単位はトラック単位となるので、最大スポットずれ量D_maxとしてはトラック本数の単位で求めておくことになる。
このように最大スポットずれ量D_maxを予め定めておいた上で、当該最大スポットずれ量D_maxに基づく長さのプリスパイラルの記録を行う。
すなわち、或るデータを指示された記録開始アドレスから記録すべき状態となった場合において、単純に基準面Refの記録開始アドレスから記録を開始するものとはせず、先ずは最大スポットずれ量D_maxに基づく領域分のプリスパイラルの記録を実行し、このプリスパイラルに続けて記録すべきデータ(実データ)の記録を行うものである。
図5は、プリスパイラルの記録範囲の設定手法についての説明図である。
先ず、図5において、記録層Ln上のアドレスAD_st_bは、該記録層Ln上における実データの記録開始アドレス(スポット位置ずれが生じていない理想時)を表している。
また、図中、基準面Ref上のアドレスAD_st_refは、上記アドレスAD_st_bに対応する基準面Refのアドレスである。
また、基準面Ref上のアドレスAD_PSst、アドレスAD_PSenは、それぞれプリスパイラルの記録開始アドレス、記録終了アドレスを意味する。
プリスパイラルの記録範囲は、基準面Ref上の記録開始アドレスAD_st_refと、最大スポットずれ量D_maxとに基づき算出する。
具体的に、本例では、プリスパイラルの記録は記録開始アドレスAD_st_refの手前側の領域と記録開始アドレスAD_st_ref以降の領域の双方に跨がって行うものとし、図のように、プリスパイラル記録開始アドレスAD_PSstは記録開始アドレスAD_st_refから前方側(記録進行方向の逆方向側)に最大スポットずれ量D_max以上ずれた位置とし、プリスパイラル記録終了アドレスAD_PSenは、記録開始アドレスAD_st_refから後方側(記録進行方向の順方向側)に最大スポットずれ量D_max以上ずれた位置とする。
ここで、図中では簡単のため、プリスパイラル記録開始アドレスAD_PSstは、記録開始アドレスAD_st_refから最大スポットずれ量D_max分だけ手前側となる位置とし、プリスパイラル記録終了アドレスAD_PSenは記録開始アドレスAD_st_refから最大スポットずれ量D_max分だけ後方側となる位置に設定するものとして表しているが、本例においては、再生用のレーザ光としてATS光を用いることを前提としている、換言すれば、サーボ用レーザ光及び記録用レーザ光の光軸と、再生用のレーザ光の光軸とが一致しておらず、再生用のレーザ光のスポット位置がサーボ用レーザ光・記録用レーザ光のスポット位置に対し1トラック分手前側に位置するようにされることを前提としているものである。従って本例の場合、プリスパイラル記録開始アドレスAD_PSstとしては、厳密には、少なくとも記録開始アドレスAD_st_refから「最大スポットずれ量D_max+1トラック分」以上手前側となる位置にあるアドレスを設定することになる。
また、プリスパイラル記録終了アドレスAD_DRenとしては、厳密には、少なくとも記録開始アドレスAD_st_refから「最大スポットずれ量D_max−1トラック分」以上後方側となる位置にあるアドレスを設定すべきとなる。
なお、後の説明から明らかとなるように、プリスパイラル記録終了アドレスAD_PSenについては、単純に「記録開始アドレスAD_st_refから最大スポットずれ量D_max分以上後方側となる位置にあるアドレス」と設定しても、効果に差は生じない。この点より本例では、プリスパイラル記録終了アドレスAD_PSenとしては、少なくとも「記録開始アドレスAD_st_refから最大スポットずれ量D_max分以上後方側となる位置にあるアドレス」を設定するものとする。
ここで、以下では説明上、プリスパイラル記録開始アドレスAD_PSstとしては、記録開始アドレスAD_st_refからちょうど「最大スポットずれ量D_max+1トラック分」手前側となる位置にあるアドレスを設定し、プリスパイラル記録終了アドレスAD_PSenについては記録開始アドレスAD_st_refからちょうど最大スポットずれ量D_max分後方側となる位置にあるアドレスを設定した場合を例示する。
このようなプリスパイラル記録開始アドレスAD_PSst、プリスパイラル記録終了アドレスAD_PSenを設定した上で、図6に示すようにプリスパイラルの記録を行う。
すなわち、図中<1>と示すように、プリスパイラル記録開始アドレスAD_DRstからのプリスパイラルの記録(ダミー記録)を行う。
具体的に、プリスパイラルの記録は、サーボ用レーザ光により基準面Refのアドレス情報に基づくシークを行った後、例えば先の図3で説明した手法などによりATSガイド用トラックの記録(サーボ用レーザ光によるトラッキングサーボ制御状態にて行う)を行う。その上で、該ガイド用トラックに対しATS・再生時用レーザ光によるトラッキングサーボをかけて、該ガイド用トラックの記録終端に続けてダミーデータの記録を行う。
なお先に触れたように、このようなプリスパイラルにおけるダミーデータ記録は、アドレス情報の記録も伴うものである。
上記の動作の結果、この場合のプリスパイラルは、少なくとも最大スポットずれ量D_maxの2倍の区間長にわたって記録されることになる。
プリスパイラルの記録が完了(図中<2>)した後は、実データの記録を実行する。すなわち、プリスパイラルの続き部分に対し実データを記録するものである。
ここで、図6においては、記録時におけるスポット位置ずれとして、順方向側最大スポットずれ量+d_maxによるスポット位置ずれが生じていた場合を例示しているので、図のようにプリスパイラルの記録は、実際にはプリスパイラル記録開始アドレスAD_PSstから+d_maxだけオフセットした位置から開始されることになる。すなわち、この場合のプリスパイラルは、プリスパイラル記録終了アドレスAD_PSenから+d_maxだけオフセットした位置まで行われ、実データの実際の記録開始位置は、該プリスパイラル記録終了アドレスAD_PSenから+d_maxだけオフセットした位置となる。
図7は、図6で記録した実データの再生時の様子を示した図である。
この場合の再生時には、基準面Ref上のアドレスAD_st_refが再生開始アドレスAD_st_refとなる。実データの再生時には、先ずはサーボ用レーザ光で当該再生開始アドレスAD_st_refにシークし、該シークの完了後の位置で、対物レンズのトラッキングサーボ制御をサーボ用レーザ光によるトラッキングサーボ制御からATS・再生時用レーザ光によるトラッキングサーボに切り替えて、記録層Ln上のトラック(マーク列)を対象としたトラッキングサーボの引き込みが行われるようにする。
このトラッキングサーボの引き込みが成功すれば、マーク列により記録されたアドレス情報を参照して、実際の実データ記録開始アドレスに移動することができる。
前述もしたように、再生時においては、記録時との間でディスク付け替えが介在した場合にスポット位置ずれの態様が異なる場合がある。従って再生時には、スポット位置ずれとして図のように逆方向側最大スポット位置ずれ量−d_maxから順方向側最大スポットずれ量+d_maxまでの範囲によるスポット位置ずれが生じる可能性がある。
ここで、先の図6の場合における実際のプリスパイラル記録開始位置は、プリスパイラル記録開始アドレスAD_PSstから順方向側最大スポットずれ量+d_maxだけオフセットした位置となる。
先の説明から理解されるように、プリスパイラル記録開始アドレスAD_PSstは、基準面Ref上の記録開始アドレス(再生開始アドレス)AD_st_refから最大スポットずれ量D_max相当分だけ手前側(本例の場合はD_max+1トラック分手前側)となる位置に設定されるので、記録時に図6のような順方向側最大スポットずれ量+d_maxによるスポット位置ずれが生じていたとしても、プリスパイラルの実際の記録開始位置は、必ず、記録開始(再生開始)アドレスAD_st_refから逆方向側最大スポットずれ量−d_max分オフセットした位置よりも手前側の位置となることが保証される。
このことから、再生時において逆方向側最大スポットずれ量−d_maxによるスポット位置ずれが生じていたとしても、そのときのATS・再生時用レーザ光のスポットは、必ずプリスパイラルの記録領域内にあるようにできる。すなわち、再生時におけるサーボ用レーザ光によるシーク完了時(つまりサーボ切替え時)に、ATS・再生時用レーザ光のスポットがマーク非形成部分に位置してしまうことの防止が図られるものである。
このように、記録開始アドレスAD_st_refに対し手前側に隣接する領域に最大スポットずれ量D_maxに基づく範囲のプリスパイラル記録を行うものとすれば、再生時の基準面Refに基づくシーク完了時(サーボの切替え時)に、再生用のレーザ光のスポットがマーク非形成部分に位置してしまうことの防止が図られる。
また、図7を参照して明らかなように、再生時におけるスポット位置ずれが順方向側へのずれであった場合には、ATS・再生時用レーザ光のスポットは必ずマーク形成領域に位置することとなる。
また、図8は、記録時におけるスポット位置ずれとして逆方向側最大スポットずれ量−d_maxによるスポット位置ずれが生じていた場合を例示し、図9は、図8で記録された実データの再生時の様子を示している。
図8に示すように、記録時に逆方向側最大スポットずれ量−d_maxによるスポット位置ずれが生じていた場合、上述した手法によるプリスパイラル・実データの記録を行うと、プリスパイラルの記録は、実際にはプリスパイラル記録開始アドレスAD_PSstより−d_maxだけオフセットした位置から、プリスパイラル記録終了アドレスAD_PSenより−d_maxだけオフセットした位置までの間の、少なくとも最大スポットずれ量D_maxの2倍の区間長にわたる区間に行われることになる。
図9を参照すると、図8で記録が行われた場合も、再生時に逆方向側最大スポットずれ量−d_maxによるスポット位置ずれ又は順方向側最大スポットずれ量+d_maxによるスポット位置ずれが生じたとしても、ATS・再生時用レーザ光のスポットが必ずマーク形成領域にあることが保証されることが分かる。
特にこの場合においては、再生時のスポット位置ずれが順方向側である場合に、再生用のレーザ光のスポットが必ずプリスパイラルの記録領域内にある(実データの記録開始位置手前にある)ことが保証される点に注目すべきである。このような効果を奏するのは、最大スポットずれ量D_max以上のプリスパイラルの記録を、基準面Ref上の記録開始アドレスAD_st_ref以降の領域側にも行うようにしていることに依る。
このことからも理解されるように、基準面Ref上の記録開始アドレスAD_st_ref以降の領域側にも最大スポットずれ量D_maxに基づく範囲のダミーデータ記録を行うものとすれば、記録時/再生時のスポットずれの態様に関わらず、再生用のレーザ光のスポットが必ず実データの記録開始位置より手前側に位置することを保証できる。
このように再生用のレーザ光のスポットが必ず実データの記録開始位置より手前側に位置することを保証できれば、再生時のアクセス時に、再生用のレーザ光のスポットを手前側にジャンプさせる必要が無くなり、その分よりスムーズなアクセス動作を実現できる。
なお、上記では、ATS光を再生用のレーザ光としても用いる場合を前提としたが、記録用レーザ光の光源を再生パワーで発光させることができる場合には、再生用レーザ光の光軸とサーボ用レーザ光の光軸とを一致させることができる。その場合は、プリスパイラル記録開始アドレスAD_PSstとしては、少なくとも記録開始アドレスAD_st_refから最大スポットずれ量D_max以上手前側となる位置として設定すればよい。
このように記録用レーザ光側を再生用レーザ光としても用いる場合を考慮すれば、プリスパイラルの記録は、記録開始アドレスAD_st_refから手前側に少なくとも最大スポットずれ量D_max以上の範囲にわたって行うものとすればよいことが分かる。
また、記録開始アドレスAD_st_refから後方側については、プリスパイラルの記録は、最大スポットずれ量D_max以上の範囲にわたって行うものとすれば、再生用レーザ光のスポットが必ず実データの手前側に位置することを保証できることになる。
<4.実施の形態としての記録手法>

上記のように実データの記録開始位置の手前側に最大スポットずれ量D_maxを考慮した所定長のプリスパイラル記録を行うものとすることで、記録時と再生時との間でディスク付け替えが介在した場合であっても適正に記録データの再生を行うことができる。
ここで、前述もしたように、プリスパイラルの記録中において何らかの原因により装置の電源断等が生じると、書き込んだプリスパイラルは存在しないものとして管理されてしまう虞がある。
そしてこれによると、その後に記録を行う際において、二重ライトが生じてしまう可能性があり、その結果、記録情報の読み出しが不能となってしまう虞がある。
このとき、電源断を境にディスクの付け替えが介在していると、偏芯態様の変化、つまりはサーボ用レーザ光と記録層用レーザ光のスポット位置ずれ量の変化によって、上記二重ライトとしてはトラックの交差として生じ得ることとなる。
上記に鑑み、プリスパイラルについても、その記録管理情報を記録することが有効である。
このとき、記録管理情報については、現状のBD(Blu-ray Disc)の場合と同様にTDMA(Temporary Disc Management Area)に記録することが順当に考えられる。
但し、記録層3に位置案内子の形成されない多層記録媒体1においては、このようなTDMAについても位置案内子の非形成部分に対して記録することになり、従ってその書き出し時にはプリスパイラルの記録が必要となる。つまり、TDMAについても、ユーザデータ記録の場合と同様、基準面Refのアドレスに基づくシークを行って記録/再生を行うという意味で、先の図22で説明したものと同様の問題が生じるものであり、このためプリスパイラルの記録が必要とされるものである。
このように、TDMAにユーザデータ領域内のプリスパイラルについての記録管理情報を記録するとしても、該TDMAの記録に際し同様にプリスパイラルの記録が必須となってしまうことから、該TDMAのプリスパイラルについてもその記録管理情報を他の場所に記録することが必要となってしまう。すなわち、該TDMAのプリスパイラルについても、その記録中における電源断の発生を考慮すると、その記録管理情報を他の場所に記録すべきものである。
しかしながら、記録層3には位置案内子が非形成であるので、このようなTDMAプリスパイラルの記録管理情報を記録する他の場所としても同様に位置案内子の非形成領域となる。従って、該他の場所のプリスパイラルについての記録管理情報についてもさらに他の場所に記録する必要が出てきてしまい、この結果、該さらに他の場所のプリスパイラルについても、さらに他の場所に記録することが必要となってしまう。
このように記録層3に位置案内子の形成されない多層記録媒体1では、データの書き出し時に必要となるプリスパイラルの記録にあたり、プリスパイラル記録管理情報の記録先について無限連鎖が生じてしまうという問題がある。
本実施の形態では、このようなプリスパイラル記録管理情報の記録先についての無限連鎖を断ち切るべく、以下のような記録手法を提案する。
先ず、本実施の形態では、記録層3に対して、該記録層3のトラックピッチの倍のトラックピッチによるプリ記録トラックPRTが形成されたプリフォーマットエリアを設ける。
なお確認のため述べておくと、記録層3のトラックピッチは、ATSを採用する本例の場合には、記録用レーザ光とATS・再生時用レーザ光のトラッキング方向におけるスポット間隔と同義となる。
図10は、記録層3のエリア構造とプリフォーマットエリアに形成されるプリ記録トラックPRTとについての説明図である。
図10Aが記録層3のエリア構造を示し、図10Bはプリ記録トラックPRTを示す。
先ず、図10Aに示すように、本例の場合、プリフォーマットエリアとしては多層記録媒体1の最外周部分に配置するものとしている。
ここで図10Aでは多層記録媒体1の内周/外周方向(両矢印)と記録方向(片矢印)とを示しているが、これらを参照して分かるように、本例では、多層記録媒体1への記録は外周側から内周側にかけて行われることを前提としている。
プリフォーマットエリア内には、図10Bに示すようなプリ記録トラックPRTが形成されている。
前述のようにプリ記録トラックPRTは、そのトラックピッチが記録層3のトラックピッチ(図中トラックピッチTp)の倍に設定される。このように倍トラックピッチによるプリ記録トラックPRTを形成することで、プリフォーマットエリア内では、該プリ記録トラックPRTに対してATS・再生時用レーザ光によりトラッキングサーボをかけることで、該プリ記録トラックPRTの中間部に対してマーク記録が行われることになる。
ここで、プリ記録トラックPRTは、予め高精度なライターを用いて記録層3に対して記録されるものとする。高精度なライターを用いることで、基準面Ref上のアドレスとプリ記録トラックPRT上のアドレスとを高精度に一致させることができる。換言すれば、サーボ用レーザ光により基準面Ref上の所定アドレスにシークを行った時点(サーボ切替え時)で、ATS・再生時用レーザ光のスポット位置がほぼ目標アドレスに一致する位置にあるようにできる。
また図10Aに示されるように、記録層3には、ユーザデータエリアと複数のTDMAが設けられる。
本例の場合、TDMAは1つの記録層3につき3つ設けるものとしている。ここではこれらのTDMAを、使用される順にTDMA0、TDMA1、TDMA2と表記している。
この図では、TDMA0、TDMA1がプリフォーマットエリアよりも内周側でかつユーザデータエリアよりも外周側に配置され、TDMA2がユーザデータエリアよりも内周側に配置された例を示している。
また本例では、TDMAの記録情報を管理するための情報は、TDMA-infoに記録するものと定められる。
このTDMA-infoは、最新のTDMAの位置を探索する際に用いられる情報となり、最新のTDMA-infoを参照することで、最新のTDMAの位置の特定が可能となる。
本実施の形態では、このTDMA-infoをプリフォーマットエリア内に記録するものとしている。
なお、図10Aでは1つの記録層3についてのエリア構造を示しているが、他の記録層3についても同様の構成が採られることになる。具体的に、他の記録層3においても、プリフォーマットエリア、ユーザデータエリア、複数のTDMA、及びTDMA-infoが設定されるものである。
本実施の形態では、図10にて説明したようなエリア構造を前提として、データ記録を以下のような手順により行う。
図11は、実施の形態としての記録手法についての説明図である。
図11において、図11Aは、実施の形態としての記録手法に伴ってユーザデータエリアに対して行われるデータ記録の様子を示している。また図11Bは、実施の形態としての記録手法に伴って使用対象とされたTDMA(以下、TDMAnと表記する)に対して行われるデータ記録の様子を表し、図11Cは実施の形態としての記録手法に伴ってTDMA-infoに対して行われるデータ記録の様子を示している。
先ず図11Aにおいて、ユーザデータエリア内の所要のアドレスから記録を開始するときには、<1>と示すように、基準面Ref上の記録開始アドレスAD_st_refが定まる。
そして、この記録開始アドレスAD_st_refを基準に、<2>と示すようにプリスパイラルの記録範囲を設定する。
なお、図中では簡略化してプリスパイラル記録終了アドレスAD_PSstを「記録開始アドレスAD_st_ref−D_max」の位置、プリスパイラル記録終了アドレスAD_PSenを「記録開始アドレスAD_st_ref+D_max」の位置として示しているが、先に説明したように、再生用のレーザ光としてATS用のレーザ光を用いる本例の場合は、プリスパイラル記録開始アドレスAD_PSstは記録開始アドレスAD_st_refから「D_max+1トラック分」以上手前側となる位置、プリスパイラル記録終了アドレスAD_DRenは記録開始アドレスAD_st_refから「D_max−1トラック分」以上後方側となる位置に設定することになる。
ここで、本実施の形態では、このようにプリスパイラル記録範囲(アドレスAD_PSst〜アドレスAD_PSen)の設定に応じ、直ちに該プリスパイラル記録範囲に対するプリスパイラルの記録を実行するものとはせず、当該ユーザデータエリア内のプリスパイラルを書き中である旨を表すプリスパイラル書き中情報(以下、UDAプリスパイラル書き中情報と表記)と、当該ユーザデータエリア内で設定したプリスパイラルの記録範囲情報(以下、UDAプリスパイラル記録範囲情報と表記)とを、ユーザデータエリア内の記録状態を管理するための記録管理情報(以下、UDA記録管理情報)として、TDMAnに記録するための処理を行う。
具体的に、先の<2>においてプリスパイラル記録範囲を設定した後は、先ず、UDAプリスパイラル書き中ビットを立てる(<3>とする)。すなわち、装置内のメモリにおいて該UDAプリスパイラル書き中ビットを立てておく。
そして、上記<3>によりUDAプリスパイラル書き中ビットを立てた後は、TDMA記録の前処理として、先ずは使用するTDMAnにおいて新たにプリスパイラルの記録が必要であるか否かを確認する(以下、<4>とする)。すなわち、上記のUDAプリスパイラル書き中情報とUDAプリスパイラル記録範囲情報とをTDMAnに対して記録するにあたり、該TDMAnにて新たなプリスパイラルの記録が必要であるか否かを確認するものである。
例えばUDAプリスパイラル書き中情報とUDAプリスパイラル記録範囲情報とをTDMAnにおける既存のスパイラルに続けて記録すべきとされる場合は、新たなプリスパイラルの記録は不要であり、そうでない場合は新たなプリスパイラルの記録が必要となる。
使用するTDMAnにおいて新たなプリスパイラルの記録が必要であるとされる場合は、直ちに該TDMAnに対するプリスパイラルの記録を実行するものとはせず、当該TDMAn内のプリスパイラルを書き中である旨を表すプリスパイラル書き中情報(以下、TDMAプリスパイラル書き中情報と表記)と、当該TDMAn内のプリスパイラルの記録範囲を表す情報(以下、TDMAプリスパイラル記録範囲情報と表記)とを、TDMA内の記録状態を管理するための記録管理情報(以下、TDMA記録管理情報)として、TDMA-infoに記録するための処理を行う。
具体的に、TDMAnにて新たなプリスパイラルの記録が必要とされた場合には、先ず、該TDMAn内の所定の記録開始アドレスを基準としたプリスパイラル記録範囲(TDMAプリスパイラル記録範囲)の設定を行う(以下、<5>とする)。
なお、TDMAプリスパイラル記録範囲の設定手法は、UDAプリスパイラル記録範囲の設定手法と同様となることから重複説明は避ける。
そして、上記<5>によりTDMAプリスパイラル記録範囲を設定した後は、TDMAプリスパイラル書き中ビットを立てる(以下、<6>とする)。
上記<6>によりTDMAプリスパイラル書き中ビットを立てた後は、図11C中の<7>と示すように、TDMAプリスパイラル書き中情報と、<5>で設定したTDMAプリスパイラル記録範囲情報とを、TDMA記録管理情報としてTDMA-infoに記録する。
ここで、先の図10にて説明したように、TDMA-infoは倍ピッチのプリ記録トラックPRTが形成されたプリフォーマットエリア内に配置されるものである。このため該TDMA-infoへの記録は、プリ記録トラックPRTに対してATS・再生時用レーザ光によりトラッキングサーボをかけながら行うことになる。
なお確認のため述べておくと、これまでの<1>〜<7>の一連の手順では、該<7>において初めて記録層3に対する記録が実行されることとなる。
上記<7>により、TDMAプリスパイラル書き中情報とTDMAプリスパイラル記録範囲情報とをTDMA-infoに記録した後は、図11B中の<8>と示すように、TDMAnに対しプリスパイラルを記録する。すなわち、先の<5>にて設定したTDMAプリスパイラル記録範囲に対しプリスパイラルの記録を実行するものである。
<8>のTDMAプリスパイラルの記録を実行した後は、先の<6>で立てたTDMAプリスパイラル書き中ビットを下げると共に、TDMA-infoにTDMAプリスパイラルの記録が完了した旨を表すプリスパイラル記録完了情報(以下、TDMAプリスパイラル記録完了情報)を記録する(図11C中の<9>)。
上記<5>〜<9>の手順により、TDMAn内のプリスパイラルの記録処理は完了となる。
<9>にてTDMAn内のプリスパイラル記録処理が完了した後は、TDMAnに対し、UDAプリスパイラル書き中情報とUDAプリスパイラル記録範囲情報とをUDA記録管理情報として記録する(図11B中の<10>)。
上記<10>によりTDMAnに対するUDAプリスパイラル書き中情報とUDAプリスパイラル記録範囲情報との記録を行った後は、ユーザデータエリアに対するプリスパイラルの記録を行う(図11A中の<11>)。すなわち、先の<2>で設定したUDAプリスパイラル記録範囲に対してプリスパイラルを記録するものである。
上記<11>によりユーザデータエリアにおけるプリスパイラルの記録を行った後は、先の<4>で立てたUDAプリスパイラル書き中ビットを下げると共に、TDMAnにUDAプリスパイラルの記録が完了した旨を表すプリスパイラル記録完了情報(以下、UDAプリスパイラル記録完了情報)を記録する(図11B中の<12>)。
この<12>までの一連の手順により、ユーザデータエリアに対するプリスパイラルの記録処理が完了となる。
上記<12>によりユーザデータエリアにおけるプリスパイラル記録処理が完了した後は、図11A中の<13>と示すように、実データ(ユーザデータ)の記録を行う。すなわち、<12>で記録したUDAプリスパイラルに続けて、実データの記録を実行するものである。
ここで、<12>のUDAプリスパイラル記録完了情報の記録は、必ずしも<10>によるUDAプリスパイラル記録書き中情報とUDAプリスパイラル記録範囲情報との記録部分に続けて行われるものとはならないので、該UDAプリスパイラル記録完了情報の記録にあたっても、実際には、プリスパイラルの記録が必要であるか否かの確認を行い、必要とされる場合にはTDMAnに対するプリスパイラルの記録を行うことになる。
すなわち、先の<11>によりユーザデータエリアに対するプリスパイラルの記録を行った後は、実際には、TDMAnにプリスパイラル記録完了情報を記録するにあたり新たなプリスパイラルの記録が必要であるか否かを確認し、必要とされる場合は、プリスパイラル記録範囲の設定を行って該記録範囲に対するプリスパイラル記録を行った上で、そのプリスパイラルに続けてUDAプリスパイラル記録完了情報を記録することになる。
上記のように本実施の形態では、記録層3に対し、倍ピッチのプリ記録トラックPRTが形成されたプリフォーマットエリアを設けておくものとしている。そして、該プリフォーマットエリア内のプリ記録トラックPRTに対して、隣接トラックサーボ用のレーザ光によるトラッキングサーボをかけながら、記録用レーザ光により管理情報を記録するものとしている。
プリ記録トラックPRTが形成されたプリフォーマットエリア内においては、再生時に基準面Refのアドレス情報に基づくシークを行ったときに、該シークの完了時点(つまりサーボ切替え時)で再生用のレーザ光のスポット近傍に必ずトラックが存在している状態を得ることができる。つまりこのことで、プリフォーマットエリア内ではプリスパイラルの記録は不要とできる。
これにより、TDMAプリスパイラル記録管理情報をプリフォーマットエリアに対して記録するものとした本実施の形態によれば、先に説明したようなプリスパイラルの記録管理情報の記録先についての無限連鎖を断ち切ることができる。
また、本実施の形態では、プリスパイラルを書き中であることを表すプリスパイラル書き中情報を、記録管理情報としてTDMAやTDMA-infoに記録した後に、プリスパイラルの記録を実行するものとしている。
これによれば、プリスパイラルの書き中に電源断が生じても、その後の記録時には、上記書き中情報を含む記録管理情報に基づいて書き中のプリスパイラルの記録範囲を知ることができ、その結果、前述したような二重ライトの発生を効果的に防止することができる。
具体的に、二重ライトの発生を防止するためには、TDMAやTDMA-infoとしての記録管理情報を参照して、記録対象とする記録層3に書き中のプリスパイラルが存在するか否かを判別する。そして、書き中のプリスパイラルが存在するとした場合は、上記記録管理情報から特定される該プリスパイラルの記録範囲を避けてプリスパイラルの記録を実行するものとすればよい。
また本実施の形態では、プリスパイラルの記録が完了したことに応じ、その旨を表す記録完了情報を記録管理情報としてTDMAやTDMA-info記録するものとしている。
これにより、記録が完了したプリスパイラルを適正に管理することができる。
ここで、上記では、指示された記録開始アドレスからのデータ記録を開始することに伴い記録が必要となったプリスパイラルについての記録管理情報の記録手法を例示したが、プリスパイラルの記録が必要となるケースとしては、SRR(Sequential Recording Range)作成後の実データの書き出し時や、ディフェクト発生に伴う交替先でのデータの書き出し時を挙げることができ、それらの場合に記録するプリスパイラルについての記録管理情報の記録に関しても、上記により説明した実施の形態の記録手法と同様の記録手法を適用できることは言うまでもない。
<5.実施の形態としての記録装置>

続いて、図12及び図13を参照して、上記により説明した記録手法を実現するための実施の形態としての記録装置の構成について説明する。
ここで、実施の形態の記録装置は多層記録媒体1についての記録機能と共に再生機能を有する。この意味で実施の形態の記録装置については、記録再生装置10と表記する。
図12は、記録再生装置10が備える主に光学系の構成についての説明図であり、具体的には、記録再生装置10が備える光ピックアップOPの内部構成を主に示している。
先ず、記録再生装置10に装填された多層記録媒体1は、当該記録再生装置10における所定位置においてそのセンターホールがクランプされるようにしてセットされ、図中のスピンドルモータ30による回転駆動が可能な状態とされる。
記録再生装置10には、スピンドルモータ30により回転駆動される多層記録媒体1に対して記録再生のためのレーザ光を照射するための構成として、光ピックアップOPが設けられる。
光ピックアップOP内には、先に説明した記録用レーザ光の光源である記録用レーザ11-1と、ATS・再生時用レーザ光の光源であるATS・再生時用レーザ11-2とが設けられる。
また、基準面Refに形成された位置案内子を利用した位置制御を行うための光であるサーボ用レーザ光の光源であるサーボ用レーザ24が設けられる。
また、光ピックアップOPには、記録用レーザ光及びATS・再生時用レーザ光とサーボ用レーザ光の多層記録媒体1への出力端となる対物レンズ20が設けられ、さらに、ATS・再生時用レーザ光の多層記録媒体1からの反射光を受光するための記録層用受光部23と、サーボ用レーザ光の多層記録媒体1からの反射光を受光するためのサーボ光用受光部29とが設けられる。
そして、光ピックアップOPにおいては、記録用レーザ光及びATS・再生時用レーザ光を対物レンズ20に導くと共に、該対物レンズ20に入射した多層記録媒体1からの反射光を記録層用受光部23に導くための光学系が形成される。
具体的に、記録用レーザ11-1より出射された記録用レーザ光、及びATS・再生時用レーザ11-2より出射されたATS・再生時用レーザ光は、図のようにコリメートレンズ12を介して平行光となるように変換された後、偏光ビームスプリッタ13に入射する。
偏光ビームスプリッタ13は、このように光源側から入射した記録用レーザ光、ATS・再生時用レーザ光については透過するように構成されている。
偏光ビームスプリッタ13を透過した記録用レーザ光、ATS・再生時用レーザ光は、固定レンズ14、可動レンズ15、及びレンズ駆動部16を有して構成されるフォーカス機構に入射する。このフォーカス機構は、記録用レーザ光及びATS・再生時用レーザ光についての合焦位置の調整のために設けられたものであり、これらのレーザ光の光源に近い側が固定レンズ14とされ、該光源から遠い側に可動レンズ15が配置され、レンズ駆動部16によって可動レンズ15側がレーザ光軸に平行な方向に駆動されるように構成されている。
上記フォーカス機構を形成する固定レンズ14及び可動レンズ15を介した記録用レーザ光、ATS・再生時用レーザ光は、図のようにミラー17にて反射された後、1/4波長板18を介してダイクロイックプリズム19に入射する。
ダイクロイックプリズム19は、その選択反射面が、記録用レーザ光及びATS・再生時用レーザ光と同波長帯の光は反射し、それ以外の波長による光は透過するように構成されている。従って上記のように入射した記録用レーザ光、ATS・再生時用レーザ光は、ダイクロイックプリズム19にて反射される。
ダイクロイックプリズム19で反射された記録用レーザ光、ATS・再生時用レーザ光は、図示するように対物レンズ20を介して多層記録媒体1(所要の記録層3)に対して照射(合焦)される。
対物レンズ20に対しては、該対物レンズ20をフォーカス方向(多層記録媒体1に対して接離する方向)、及びトラッキング方向(上記フォーカス方向に直交する方向:ディスク半径方向)に変位可能に保持する2軸アクチュエータ21が設けられる。
2軸アクチュエータ21には、フォーカスコイル、トラッキングコイルが備えられ、それぞれに駆動信号(後述するドライブ信号FD、TD)が与えられることで、対物レンズ20をフォーカス方向、トラッキング方向にそれぞれ変位させる。
ここで、上記のように多層記録媒体1に対してATS・再生時用レーザ光が照射されることに応じては、該多層記録媒体1(再生対象とする記録層3)よりATS・再生時用レーザ光の反射光が得られる。
このように得られたATS・再生時用レーザ光の反射光は、対物レンズ20を介してダイクロイックプリズム19に導かれ、該ダイクロイックプリズム19にて反射される。
ダイクロイックプリズム19で反射されたATS・再生時用レーザ光の反射光は、1/4波長板18→ミラー17→フォーカス機構(可動レンズ15→固定レンズ14)を介した後、偏光ビームスプリッタ13に入射する。
このように偏光ビームスプリッタ13に入射するATS・再生時用レーザ光の反射光は、往路と復路とで1/4波長板18を2回通過することで、往路光との比較でその偏光方向が90度回転していることになる。この結果、上記のように入射したATS・再生時用レーザ光の反射光は、偏光ビームスプリッタ13にて反射される。
偏光ビームスプリッタ13にて反射されたATS・再生時用レーザ光の反射光は、集光レンズ22を介して記録層用受光部23の受光面上に集光する。
ここで、記録層用受光部23がATS・再生時用レーザ光の反射光を受光して得られる受光信号のことを、以下、受光信号DT-rと表記する。
また、光ピックアップOP内には、サーボ用レーザ24より出射されたサーボ用レーザ光を対物レンズ20に導き且つ、該対物レンズ20に入射した多層記録媒体1からのサーボ用レーザ光の反射光をサーボ光用受光部29に導くための光学系が形成される。
図示するように、サーボ用レーザ24より出射されたサーボ用レーザ光は、コリメートレンズ25を介して平行光となるように変換された後、偏光ビームスプリッタ26に入射する。偏光ビームスプリッタ26は、このようにサーボ用レーザ24側から入射したサーボ用レーザ光(往路光)は透過するように構成される。
偏光ビームスプリッタ26を透過したサーボ用レーザ光は、1/4波長板27を介してダイクロイックプリズム19に入射する。
先に述べたように、ダイクロイックプリズム19は記録用レーザ光及びATS・再生時用レーザ光と同波長帯の光は反射しそれ以外の波長による光は透過するように構成されているため、サーボ用レーザ光はダイクロイックプリズム19を透過し、対物レンズ20を介して多層記録媒体1(基準面Ref)に照射される。
また、このように多層記録媒体1にサーボ用レーザ光が照射されたことに応じて得られるサーボ用レーザ光の反射光(基準面Refからの反射光)は、対物レンズ20を介した後ダイクロイックプリズム19を透過し、1/4波長板27を介して偏光ビームスプリッタ26に入射する。
先のATS・再生時用レーザ光の場合と同様に、このように多層記録媒体1側から入射したサーボ用レーザ光の反射光は往路と復路とで1/4波長板27を2回通過しているためその偏光方向が往路光との比較で90度回転しおり、従って上記サーボ用レーザ光の反射光は偏光ビームスプリッタ26にて反射される。
偏光ビームスプリッタ26にて反射されたサーボ用レーザ光の反射光は、集光レンズ28を介してサーボ光用受光部29の受光面上に集光する。
ここで、サーボ光用受光部29がサーボ用レーザ光の反射光を受光して得られる受光信号については、受光信号DT-svと表記する。
ここで、先の図1に示したように多層記録媒体1は、記録層形成領域5の下層側に対して基準面Refが設けられるので、記録時には、このように記録層形成領域の下層側に設けられた基準面Refに対してサーボ用レーザ光が合焦するように対物レンズ20のフォーカスサーボ制御が行われ、且つ記録用レーザ光及びATS・再生時用レーザ光については、ATS・再生時用レーザ光の反射光に基づくフォーカスサーボ制御によって先のフォーカス機構(レンズ駆動部16)を駆動することで、記録用レーザ光及びATS・再生時用レーザ光が基準面Refよりも上層側に形成された記録層3に合焦するように対物レンズ20に入射する記録用レーザ光及びATS・再生時用レーザ光のコリメーション状態が調整されることになる。
また、再生時におけるATS・再生時用レーザ光のトラッキングサーボ制御については、該ATS・再生時用レーザ光のスポットを、再生対象とする記録層3に形成されたマーク列に追従させるようにして行う。すなわち、再生時におけるATS・再生時用レーザ光についてのトラッキングサーボ制御は、当該ATS・再生時用レーザ光の反射光に基づき対物レンズ20の位置を制御することで実現できる。
なお、再生時のフォーカスサーボ制御は、記録時と同様でよい。
図13は、実施の形態の記録再生装置10全体の内部構成を示している。
なお図13において、光ピックアップOPの内部構成については、図12に示した構成のうち記録用レーザ11-1、ATS・再生時用レーザ11-2、レンズ駆動部16、及び2軸アクチュエータ21のみを抽出して示している。
またこの図では、図12に示したスピンドルモータ30の図示は省略している。
図13において、記録再生装置10における光ピックアップOPの外部には、多層記録媒体1における記録層3を対象とした記録/再生や、記録層3からの反射光に基づくフォーカス/トラッキングの位置制御を行うための構成として、記録処理部31、発光駆動部32、発光駆動部33、記録層用マトリクス回路34、再生処理部35、記録層用サーボ回路36、フォーカスドライバ40、及び2軸ドライバ41が設けられている。
記録処理部31は、入力される記録データに応じた記録変調符号を生成する。具体的に記録処理部31は、入力される記録データに対してエラー訂正符号の付加や所定の記録変調符号化処理を施すなどして、記録層3を対象として実際に記録されるべき例えば「0」「1」の2値データ列である記録変調符号列を得る。
このとき、記録処理部31は、後述するコントローラ44からの指示に応じて記録データに対するアドレス情報の付加処理も行う。
記録処理部31は、生成した記録変調符号列に基づく記録信号を発光駆動部33に与える。
発光駆動部33は、記録時において記録処理部31より入力される記録信号に基づくレーザ駆動信号D-1を生成し、該駆動信号D-1に基づき記録用レーザ11-1を発光駆動する。これにより記録層3に対し記録データに応じたマーク列を記録できる。
発光駆動部32は、駆動信号D-2によりATS・再生時用レーザ11-2を再生パワーにより発光駆動する。
記録層用マトリクス回路34は、先の図12に示した記録層用受光部23としての複数の受光素子からの受光信号DT-r(出力電流)に基づき、RF信号(再生信号)、フォーカスエラー信号FE-r、トラッキングエラー信号TE-rを生成する。
フォーカスエラー信号FE-rは、記録/再生対象とされた記録層3(半透明記録膜)に対するATS・再生時用レーザ光のフォーカス誤差を表す信号となる。またトラッキングエラー信号TE-rは、記録層3に形成されたトラックに対するATS・再生時用レーザ光のスポット位置の半径方向における位置誤差を表す信号となる。
なお、先の説明からも理解されるように、本例では記録層用レーザ光についてのフォーカスサーボ制御は記録時/再生時ともにATS・再生時用レーザ光の反射光に基づき行われるので、フォーカスエラー信号FE-rについては、記録時と再生時の双方において利用されるものとなる。
トラッキングエラー信号TE-rは、記録時にはATSとしてのトラッキングサーボ制御、再生時にはATS・再生時用レーザ光を記録層3上の再生対象マーク列に追従させるためのトラッキングサーボ制御に利用されることになる。
記録層用マトリクス回路34で得られたRF信号は再生処理部35に、またフォーカスエラー信号FE-r、トラッキングエラー信号TE-rは記録層用サーボ回路36にそれぞれ供給される。
再生処理部35は、RF信号に対する2値化処理、及び記録変調符号の復号化やエラー訂正処理等の所定の復調処理を施すことで、先の記録データを復元した再生データを得る。
また、再生処理部35では、記録データ中に挿入されたアドレス情報の再生処理も行う。再生処理部35で再生されたアドレス情報はコントローラ44に供給される。
記録層用サーボ回路36は、フォーカスエラー信号FE-r、トラッキングエラー信号TE-rに対するサーボ演算処理を行ってフォーカスサーボ信号FS-r、トラッキングサーボ信号TS-rを生成する。
トラッキングサーボ信号TS-rは、後述するスイッチSWに対して供給される。
また、フォーカスサーボ信号FS-rは、図のようにフォーカスドライバ40に供給される。フォーカスドライバ40はフォーカスサーボ信号FS-rに基づくフォーカスドライブ信号FD-rを生成し、該フォーカスドライブ信号FD-rに基づきレンズ駆動部16を駆動する。
これにより、記録用レーザ光及びATS・再生時用レーザ光についてのフォーカスサーボ制御(記録用レーザ光及びATS・再生時用レーザ光を対象とする記録層3に合焦させるフォーカスサーボ制御)が実現される。
また、記録層用サーボ回路36は、スライド駆動部42による光ピックアップOPのスライド移動についての制御も行う。
スライド駆動部42は、光ピックアップOP全体をトラッキング方向にスライド駆動可能に保持する。
記録層用サーボ回路36は、トラッキングエラー信号TE-rの低域成分を抽出してスライドエラー信号を生成し、該スライドエラー信号に基づくスライドサーボ信号を生成する。そして、該スライドサーボ信号をスライドドライバ43に与えてスライド駆動部42を駆動させることで、光ピックアップOPのスライドサーボ制御を実現する。また、記録層用サーボ回路36は、コントローラ44からの指示に応じた制御信号をスライドドライバ43に与えることで、スライド駆動部42による光ピックアップOPの所要のスライド移動を実現させる。
また、記録層用サーボ回路36は、コントローラ44からの指示に応じ、トラッキングサーボをオフとしてATS・再生時用レーザ光のスポットを他のトラックにジャンプさせるトラックジャンプ動作の実行制御も行う。
また、記録再生装置10には、サーボ用レーザ光の反射光についての信号処理系として、サーボ光用マトリクス回路37、アドレス検出部38、サーボ光用サーボ回路39が設けられる。
サーボ光用マトリクス回路37は、図12に示したサーボ光用受光部29における複数の受光素子からの受光信号DT-svに基づき、必要な信号を生成する。
具体的にサーボ光用マトリクス回路37は、受光信号DT-svに基づき、基準面Refに形成された位置案内子に対するサーボ用レーザ光のスポット位置の半径方向における位置誤差を表すトラッキングエラー信号TE-svを生成する。
またサーボ光用マトリクス回路37は、基準面Ref(反射膜7)に対するサーボ用レーザ光のフォーカス誤差を表すフォーカスエラー信号FE-svを生成する。
またサーボ光用マトリクス回路37は、基準面Refに記録されたアドレス情報を検出するための信号として、アドレス検出用信号Dadを生成する。このアドレス検出用信号Dadとしては、例えば位置案内子がピット列で形成される場合には和信号を生成し、位置案内子がウォブリンググルーブで形成される場合にはプッシュプル信号を生成する。
サーボ光用マトリクス回路37により生成されたアドレス検出用信号Dadは、アドレス検出部38に供給される。アドレス検出部38は、アドレス検出用信号Dadに基づき基準面Refに記録されたアドレス情報(アドレス情報ADRと表記)を検出する。検出されたアドレス情報ADRはコントローラ44に供給される。
また、サーボ光用マトリクス回路37により生成されたフォーカスエラー信号FE-sv、トラッキングエラー信号TE-svは、サーボ光用サーボ回路39に供給される。
サーボ光用サーボ回路39は、フォーカスエラー信号FE-sv、トラッキングエラー信号TE-svに対するサーボ演算処理を行ってフォーカスサーボ信号FS-sv、トラッキングサーボ信号TS-svを生成する。
フォーカスサーボ信号FS-svは、2軸ドライバ41に供給される。2軸ドライバ41は、フォーカスサーボ信号FS-svに基づくフォーカスドライブ信号FDを生成し、該フォーカスドライブ信号FDに基づき2軸アクチュエータ21のフォーカスコイルを駆動する。
これにより、サーボ用レーザ光についてのフォーカスサーボ制御(サーボ用レーザ光を基準面Refに合焦させるフォーカスサーボ制御)が実現される。
また、サーボ光用サーボ回路39は、スライド駆動部42による光ピックアップOPのスライド移動についての制御も行う。
具体的に、サーボ光用サーボ回路39は、トラッキングエラー信号TE-svの低域成分を抽出してスライドエラー信号を生成し、該スライドエラー信号に基づくスライドサーボ信号を生成する。そして、該スライドサーボ信号をスライドドライバ43に与えてスライド駆動部42を駆動させることで、光ピックアップOPのスライドサーボ制御を実現する。また、サーボ光用サーボ回路39は、コントローラ44からの指示に応じた制御信号をスライドドライバ43に与えることで、スライド駆動部42による光ピックアップOPの所要のスライド移動を実現させる。
また、サーボ光用サーボ回路39は、コントローラ44からの指示に応じて、トラッキングサーボをオフとしてサーボ用レーザ光のスポットを他のトラックにジャンプさせるトラックジャンプ動作の実行制御も行う。
サーボ光用サーボ回路39により生成されたトラッキングサーボ信号TS-svは、スイッチSWに供給される。
ここで、スイッチSWは、対物レンズ20のトラッキングサーボ制御について、サーボ用レーザ光を基準面Ref上の位置案内子に追従させるトラッキングサーボ制御と、ATS・再生時用レーザ光を記録層3上のトラックに追従させるトラッキングサーボ制御とを切り替えるために設けられる。
スイッチSWは、コントローラ44からの指示に応じ、トラッキングサーボ信号TS-r、トラッキングサーボ信号TS-svの何れか一方を選択的に出力する。
スイッチSWにより選択出力されたトラッキングサーボ信号TSは、2軸ドライバ41に供給され、2軸ドライバ41は、供給されたトラッキングサーボ信号TSに基づき生成したトラッキングドライブTDによって、2軸アクチュエータ21のトラッキングコイルを駆動する。
これにより、対物レンズ20が、サーボ用レーザ光のスポットを基準面Ref上のトラックに追従させるように駆動される、或いはATS・再生時用レーザ光のスポットを記録層3上のトラックに追従させるように駆動される。
コントローラ44は、例えばCPU(Central Processing Unit)やROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などのメモリ(記憶装置)を備えたマイクロコンピュータで構成され、例えば上記ROM等に記憶されたプログラムに従った制御・処理を実行することで、記録再生装置10の全体制御を行う。
例えばコントローラ44は、再生処理部35で得られたアドレス情報(記録層3上のアドレス)やアドレス検出部38で得られたアドレス情報ADR(基準面Refのアドレス)に基づき記録層用サーボ回路36、サーボ光用サーボ回路39に対する指示を行って、サーボ用レーザ光、ATS・再生時用レーザ光のスポット位置を所定アドレスに移動させるシーク動作制御を行う。
また、コントローラ44は、記録層用サーボ回路36、サーボ光用サーボ回路39、及びスイッチSWに対する指示を行うことで、多層記録媒体1に対する記録、再生、基準面Refを利用したシーク時などの各場合に応じた手法でのフォーカスサーボ制御、トラッキングサーボ制御を実行させる。
またコントローラ44は、後の図14〜図18により示す処理を実行することで、先の図11により説明した実施の形態としての記録動作を実現させる。
またコントローラ44は、前述した二重ライトの防止のための制御処理も実行する。
すなわち、コントローラ44は、装填された多層記録媒体1について、TDMAやTDMA-infoとしての記録管理情報を参照し、記録対象とする記録層3に書き中のプリスパイラルが存在するか否かを判別する。そして、書き中のプリスパイラルが存在するとした場合は、上記記録管理情報から特定される該プリスパイラルの記録範囲を避けてプリスパイラルの記録が実行されるように制御を行う。
<6.処理手順>

図14〜図18により、先の図11にて説明した実施の形態としての記録手法を実現するために行われるべき具体的な処理の手順について説明する。
なお、図14〜図18に示す処理は、図13に示すコントローラ44が例えば前述のROM等のメモリに格納されたプログラムに基づき実行するものである。
図14は、ライトコマンドに応じてユーザデータエリアに対する記録を実行するまでの処理の流れを示したフローチャートである。
図14において、ステップS101では、ライトコマンドの入力を待機する。すなわち、例えばホスト機器等からのライトコマンドの入力を待機するものである。
ステップS101において、ライトコマンドの入力があったとされた場合は、ステップS102に進み、既記録のスパイラルの続きを記録するか否かを判別する。
すなわち、ライトコマンドの内容を参照し、今回の記録が記録層3上の既記録のスパイラルの続き部分を記録するものであるか否かを判別する。
ステップS102において、既記録のスパイラルの続きを記録するものであるとして肯定結果が得られた場合は、ステップS103において続き部分を記録するための処理を実行する。
ここで、既記録のスパイラルの続き部分を記録する際には、該既記録のスパイラルの記録終端から少なくとも1トラック以上手前となる位置にシークが行われるように基準面Refのアドレス情報に基づくシークを行う。そして、該シークの完了に応じて、対物レンズ20のトラッキングサーボ制御を、サーボ用レーザ光によるトラッキングサーボ制御(トラッキングサーボ信号TS-svに基づくトラッキングサーボ制御)からATS・再生時用レーザ光によるトラッキングサーボ制御(トラッキングサーボ信号TS-rに基づくトラッキングサーボ制御)に切り替えて、再生処理部35によるアドレス情報が得られるようにする。そして、再生処理部35によるアドレス情報を参照し、ATS・再生時用レーザ光のスポット位置が記録開始位置(上記既記録のスパイラルの記録終端位置)の1周分手前となる位置に至ったことに応じ、記録用レーザ光による記録が開始されるようにする。
先の説明からも理解されるように、基準面Refのアドレス情報を利用したシークについては、コントローラ44が、図13に示したサーボ光用サーボ回路39に対する指示を行うことで実現される。また上記のトラッキングサーボ制御の切り替えは、記録層用サーボ回路36、サーボ光用サーボ回路39、及びスイッチSWに対する指示を行うことで実現できる。
ステップS103による記録処理を実行したことに応じ、この図に示す一連の処理は終了となる。
一方、ステップS102において、既記録のスパイラルの続きを記録するものではないとの否定結果が得られた場合は、ステップS104に進んで、UDAプリスパイラル記録処理を実行する。すなわち、ユーザデータエリアに対するプリスパイラルの記録のための処理を実行するものである。
そして、ステップS104によるUDAプリスパイラル記録処理を実行した後は、ステップS105において、記録したプリスパイラルに続けてデータを記録するための処理を実行する。
なお、既記録のスパイラルに続けてデータの記録を行うための具体的な手法についてはステップS103と同様となるため重複説明は避ける。
ステップS105による記録処理を実行したことに応じ、この図に示す一連の処理は終了となる。
図15は、UDAプリスパイラル記録処理(S104)の具体的な手順を示したフローチャートである。
図15に示すように、UDAプリスパイラル記録処理では、先ずステップS201において、UDAプリスパイラル記録範囲の設定を行う。すなわち、先の図11における<2>として説明したように、記録開始アドレスAD_st_refに基づいて最大スポットずれ量D_maxを考慮したプリスパイラル記録範囲(AD_PSst、AD_PSen)の設定を行う。
そして、UDAプリスパイラル記録範囲の設定を行った後、ステップS202において、UDAプリスパイラル書き中ビットを立てる。
続くステップS203では、TDMA書込第1処理を実行する。このTDMA第1書込処理は、使用すべきTDMAnに対しUDAプリスパイラル記録範囲とUDAプリスパイラル書き中情報とをUDA記録管理情報として書き込むための処理となる。
なお、該TDMA書込第1処理の詳細については後述する(図16)。
ステップS203によるTDMA第1書込処理を実行した後は、ステップS204において、UDAプリスパイラルの記録を開始させる。すなわち、先のステップS201にて設定したUDAプリスパイラル記録範囲に対するプリスパイラルの記録が開始されるように制御を行うものである。
具体的には、先ず、サーボ光用サーボ回路39に対する指示を行うことで、基準面Refのアドレス情報に基づきサーボ用レーザ光によりプリスパイラル記録開始アドレスAD_PSstへのシークを実行させる。そして、シーク先におけるサーボ用レーザ光によるトラッキングサーボ制御状態下で、記録用レーザ光により、先の図3にて説明したATSを開始するためのガイド用トラックの記録が行われるように制御する。該ガイド用トラックの記録が完了した後は、図3にて説明したようにATS・再生時用レーザ光の既記録トラックへのトラッキングサーボ引き込み(つまりサーボ用レーザ光によるトラッキングサーボ制御からの切り替え)が行われるようにし、該トラッキングサーボの引き込みが成功した場合は、ATS・再生時用レーザ光を手前側トラックにジャンプさせる(図3中の<2>)。その後は、ガイド用トラックに記録されたアドレス情報を参照して、ATS・再生時用レーザ光のスポット位置がガイド用トラックの記録終端位置の1周手前となる位置に至ったことに応じて、記録用レーザ光による記録を再開させる。
これにより、プリスパイラルのATSによる記録が実行される。
ステップS204によりUDAプリスパイラルの記録を開始した後は、ステップS205においてその記録完了まで待機し、該記録が完了した場合は、ステップS206においてUDAプリスパイラル書き中ビットを下げる処理を実行する。
ステップS206においてUDAプリスパイラル書き中ビットを下げた後は、ステップS207において、TDMA第2書込処理を実行する。該TDMA第2書込処理は、TDMAnに対しUDAプリスパイラル記録完了情報を書き込むための処理となる。
なお、該TDMA第2書込処理の詳細については後述する(図17)。
ステップS207によるTDMA第2書込処理の完了により、この図に示すUDAプリスパイラル記録処理は終了となる。
図16は、TDMA第1書込処理(S203)の具体的な手順を示したフローチャートである。
図16において、TDMA第1書込処理では、先ずステップS301において、使用するTDMAnに新たなプリスパイラルの記録が必要であるか否かを判別する。
ここで、装填された多層記録媒体1に対する記録の実行時には、既に記録再生装置10(コントローラ44)が該多層記録媒体1におけるTDMAの使用状況を把握している状態にある。ステップS301では、このように既に把握されている多層記録媒体1のTDMAの使用状況から、今回のTDMAnに対する記録(UDAプリスパイラル記録範囲情報とUDAプリスパイラル書き中情報の記録)にあたりTDMAnに新たなプリスパイラルの記録が必要であるか否かを判別する。
ステップS301において、TDMAnに新たなプリスパイラルの記録が必要ではないとして否定結果が得られた場合は、ステップS303に進み、TDMAnに対しUDAプリスパイラル書き中情報とUDAプリスパイラル記録範囲情報を記録するための処理を実行する。すなわち、既記録のスパイラルの続き部分に対しこれらの情報が記録されるように制御を行うものである。
なお、既記録のスパイラルの続き部分に記録を行うための手法については既に説明済みであるので重複説明は避ける。
一方、ステップS301においてTDMAnに新たなプリスパイラルの記録が必要であるとの肯定結果が得られた場合は、ステップS302に進み、TDMAプリスパイラル記録処理を実行する。該TDMAプリスパイラル記録処理は、TDMAnに対してプリスパイラルを記録するための処理となるが、その詳細については後述する(図18)。
ステップS302によるTDMAプリスパイラル記録処理を実行した後は、先に述べたステップS303においてTDMAnに対しUDAプリスパイラル書き中情報とUDAプリスパイラル記録範囲情報を記録するための処理を実行する。
該ステップS303の記録処理の完了により、この図に示すTDMA第1書込処理は終了となる。
図17は、TDMA第2書込処理(S207)の具体的な手順を示したフローチャートである。
図17において、TDMA第2書込処理では、先ずステップS401において、先のステップS301と同様に使用するTDMAnに新たなプリスパイラルの記録が必要であるか否かを判別する。
そしてステップS401において、TDMAnに新たなプリスパイラルの記録が必要ではないとして否定結果が得られた場合は、ステップS403に進み、TDMAnに対しUDAプリスパイラル記録完了情報を記録するための処理を実行する。
一方ステップS401において、TDMAnに新たなプリスパイラルの記録が必要であるとの肯定結果が得られた場合は、ステップS402に進み、先のステップS302と同様のTDMAプリスパイラル記録処理を実行し(図18)、その後ステップS403において、TDMAnに対しUDAプリスパイラル記録完了情報を記録するための処理を実行する。
該ステップS403の記録処理の完了により、TDMA第2書込処理は終了となる。
図18は、TDMAプリスパイラル記録処理(S302、S402)の具体的な手順を示したフローチャートである。
TDMAプリスパイラル記録処理では、先ずステップS501において、TDMAプリスパイラル記録範囲を設定する。このTDMAプリスパイラル記録範囲の設定手法は、UDAプリスパイラル記録範囲の設定手法と場合である。すなわち、TDMAn内における所定の記録開始アドレスAD_st_refを基準に最大スポットずれ量D_maxを考慮したプリスパイラル記録終了アドレスAD_PSst、プリスパイラル記録終了アドレスAD_PSenの設定を行うものである。
ステップS501にてTDMAプリスパイラル記録範囲を設定した後は、ステップS502において、TDMAプリスパイラル書き中ビットを立てる。
TDMA書き中ビットを立てた後は、ステップS503において、TDMA-infoにTDMAプリスパイラル書き中情報とTDMAプリスパイラル記録範囲情報を記録するための処理を実行する。
具体的には、先ず、サーボ光用サーボ回路39に対する指示を行って、TDMA-info内の所定の記録開始アドレス(基準面Refのアドレス)へのシークが行われるようにする。
そして、該シークの完了に応じて、対物レンズ20のトラッキングサーボ制御を、サーボ用レーザ光によるトラッキングサーボ制御からATS・再生時用レーザ光によるトラッキングサーボ制御に切り替える。
このとき、TDMA-infoはプリ記録トラックPRTが形成されたプリフォーマットエリア内に配置されているので、上記の基準面Refに基づくシークが完了した状態では、ATS・再生時用レーザ光の近傍に必ずトラックが存在している状態を得ることができる。従って、上記のサーボ切替えにより、ATS・再生時用レーザ光のプリ記録トラックPRTへのサーボ引き込みが可能となり、プリ記録トラックPRTに記録されたアドレス情報を参照して記録層3上の所定の記録開始位置にスムーズに移動することができる。
そして、該記録開始位置に到達したことに応じて、TDMAプリスパイラル書き中情報とTDMAプリスパイラル記録範囲情報の記録を実行させる。
ステップS503にてTDMA-infoに対する記録処理を実行した後は、ステップS504において、TDMAプリスパイラルの記録を実行する。すなわち、先のステップS501で設定したTDMAプリスパイラル記録範囲に対するプリスパイラルの記録を実行させるものである。
ステップS504にてTDMAプリスパイラルの記録処理を実行した後は、ステップS505においてTDMAプリスパイラル書き中ビットを下げた後、ステップS506において、TDMA-infoにTDMAプリスパイラル記録完了情報を記録するための処理を実行する。
すなわち、先ずはサーボ光用サーボ回路39に対する指示を行って、TDMA-info内の所定の記録開始アドレス(基準面Refのアドレス)へのシークが行われるようにし、該シークの完了に応じ、対物レンズ20のトラッキングサーボ制御を、サーボ用レーザ光によるトラッキングサーボ制御からATS・再生時用レーザ光によるトラッキングサーボ制御に切り替える。そして、該サーボ切替えによりプリ記録トラックPRTへのサーボ引き込みが行われることでATS・再生時用レーザ光によりプリ記録トラックPRTに記録されたアドレス情報を得ることができるので、該アドレス情報を参照して記録層3上の所定の記録開始位置(TDMAプリスパイラル記録完了情報の記録開始アドレス)からのTDMAプリスパイラル記録完了情報の記録を実行させる。
当該ステップS506の記録処理の完了により、この図に示すTDMAプリスパイラル記録処理は終了となる。
<7.変形例>

以上、本技術に係る実施の形態について説明したが、本技術はこれまでで説明した具体例に限定されるべきものではない。
例えばこれまでの説明では、プリフォーマットエリアに対し、管理情報としてTDMA-infoを記録するものとしたが、プリフォーマットエリアにはTDMA-info以外の他の管理情報を記録することもできる。
倍ピッチによるプリ記録トラックPRTが形成されたプリフォーマットエリア内に管理情報を記録するものとすれば、管理情報を確実に読み出し可能な位置に記録することができ、記録/再生動作の安定性を高めることができる。
また、これまでの説明では、記録方向が外周→内周とされる場合を例示したが、記録方向は内周→外周であってもよい。
また、プリフォーマットエリアの配置位置や配置数についても例示したものに限定されない。さらに、TDMAの配置数や配置位置も例示したものに限定されない。
また、本技術は以下に示す構成を採ることもできる。
(1)
情報の記録が行われる記録層が平面状に形成され、該記録層に対し、該記録層のトラックピッチの倍のトラックピッチによるプリ記録トラックの形成されたプリフォーマットエリアが設けられた記録媒体に対して、記録用のレーザ光と隣接トラックサーボ用のレーザ光とを照射する光照射部と、
上記隣接トラックサーボ用のレーザ光の反射光に基づき、上記記録層に形成されたトラックに対して上記隣接トラックサーボ用のレーザ光のビームスポットを追従させるトラッキングサーボを行うトラッキングサーボ制御部と、
上記プリフォーマットエリアにおける上記プリ記録トラックを対象として上記トラッキングサーボ制御部によるトラッキングサーボがかけられた状態で、上記記録用のレーザ光により管理情報の記録が行われるように制御を行う制御部と
を備える記録装置。
(2)
上記制御部は、
上記記録層のユーザデータエリア内のプリスパイラルについての記録管理情報が上記記録層内の上記プリフォーマットエリア外に設けられたTDMA(Temporary Disc Management Area)に記録され、上記TDMA内のプリスパイラルについての記録管理情報が、上記管理情報として上記プリフォーマットエリアに対して記録されるように制御を行う
上記(1)に記載の記録装置。
(3)
上記制御部は、
上記プリスパイラルを書き中であることを表すプリスパイラル書き中情報を上記記録管理情報として記録した後に、上記プリスパイラルの記録が行われるように制御を行う
上記(2)に記載の記録装置。
(4)
上記制御部は、
上記ユーザデータエリア内のプリスパイラルの書き中情報が上記TDMAに記録され、上記TDMA内のプリスパイラルの書き中情報が上記プリフォーマットエリアに上記管理情報として記録されるように制御を行う
上記(3)に記載の記録装置。
(5)
上記制御部は、
上記プリスパイラルの記録が完了したことに応じ、その旨を表す記録完了情報が上記記録管理情報として記録されるように制御を行う
上記(3)に記載の記録装置。
(6)
上記制御部は、
上記記録管理情報を参照した結果、上記記録層に書き中のプリスパイラルが存在すると判別された場合は、上記記録管理情報から特定される該プリスパイラルの記録予定範囲を避けてプリスパイラルの記録が実行されるように制御を行う
上記(4)に記載の記録装置。
1 多層記録媒体、2 カバー層、3 記録層、4 中間層、5 記録層形成領域、6 接着層、7 反射膜、8 基板、10 記録再生装置、11-1 記録用レーザ、11-2 ATS・再生時用レーザ、12,25 コリメートレンズ、13,26 偏光ビームスプリッタ、14 固定レンズ、15 可動レンズ、16 レンズ駆動部、17 ミラー、18,27 1/4波長板、19 ダイクロイックプリズム、20 対物レンズ、21 2軸アクチュエータ、22,28 集光レンズ、23 記録層用受光部、24 サーボ用レーザ、29 サーボ光用受光、30 スピンドルモータ(SPM)、31 記録処理部、32,33 発光駆動部、34 記録層用マトリクス回路、35 再生処理部、36 記録層用サーボ回路、37 サーボ光用マトリクス回路、38 アドレス検出部、39 サーボ光用サーボ回路、40 フォーカスドライバ、41 2軸ドライバ、42 スライド駆動部、43 スライドドライバ、44 コントローラ、OP 光ピックアップ、SW スイッチ

Claims (7)

  1. 情報の記録が行われる記録層が平面状に形成され、該記録層に対し、該記録層のトラックピッチの倍のトラックピッチによるプリ記録トラックの形成されたプリフォーマットエリアが設けられた記録媒体に対して、記録用のレーザ光と隣接トラックサーボ用のレーザ光とを照射する光照射部と、
    上記隣接トラックサーボ用のレーザ光の反射光に基づき、上記記録層に形成されたトラックに対して上記隣接トラックサーボ用のレーザ光のビームスポットを追従させるトラッキングサーボを行うトラッキングサーボ制御部と、
    上記プリフォーマットエリアにおける上記プリ記録トラックを対象として上記トラッキングサーボ制御部によるトラッキングサーボがかけられた状態で、上記記録用のレーザ光により管理情報の記録が行われるように制御を行う制御部と
    を備える記録装置。
  2. 上記制御部は、
    上記記録層のユーザデータエリア内のプリスパイラルについての記録管理情報が上記記録層内の上記プリフォーマットエリア外に設けられたTDMA(Temporary Disc Management Area)に記録され、上記TDMA内のプリスパイラルについての記録管理情報が、上記管理情報として上記プリフォーマットエリアに対して記録されるように制御を行う
    請求項1に記載の記録装置。
  3. 上記制御部は、
    上記プリスパイラルを書き中であることを表すプリスパイラル書き中情報を上記記録管理情報として記録した後に、上記プリスパイラルの記録が行われるように制御を行う
    請求項2に記載の記録装置。
  4. 上記制御部は、
    上記ユーザデータエリア内のプリスパイラルの書き中情報が上記TDMAに記録され、上記TDMA内のプリスパイラルの書き中情報が上記プリフォーマットエリアに上記管理情報として記録されるように制御を行う
    請求項3に記載の記録装置。
  5. 上記制御部は、
    上記プリスパイラルの記録が完了したことに応じ、その旨を表す記録完了情報が上記記録管理情報として記録されるように制御を行う
    請求項3に記載の記録装置。
  6. 上記制御部は、
    上記記録管理情報を参照した結果、上記記録層に書き中のプリスパイラルが存在すると判別された場合は、上記記録管理情報から特定される該プリスパイラルの記録予定範囲を避けてプリスパイラルの記録が実行されるように制御を行う
    請求項4に記載の記録装置。
  7. 情報の記録が行われる記録層が平面状に形成され、該記録層に対し、該記録層のトラックピッチの倍のトラックピッチによるプリ記録トラックの形成されたプリフォーマットエリアが設けられた記録媒体に対して、記録用のレーザ光と隣接トラックサーボ用のレーザ光とを照射する光照射部により照射される上記隣接トラックサーボ用のレーザ光の反射光に基づき、上記記録層に形成された上記プリ記録トラックに上記隣接トラックサーボ用のレーザ光のビームスポットを追従させるトラッキングサーボを行うと共に、当該トラッキングサーボがかけられた状態で、上記記録用のレーザ光により管理情報の記録を行う
    記録方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016120942A (ja) * 2014-12-24 2016-07-07 Jfeエンジニアリング株式会社 直方体状の容器および段積み構造

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