JP2013164041A - 蒸発燃料供給装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 より広いエンジン運転領域において、エンジンから排出される排気ガス中のエミッションを低減することが可能な蒸発燃料供給装置を提供する。
【解決手段】 蒸発燃料供給装置1は、燃料タンク20に貯留されている燃料の中に、エアポンプ50から吐出されたエアを供給する第1の連通管31と、燃料タンク20内の上部空間にエアポンプ50から吐出されたエアを供給する第2の連通管32と、エアポンプ50の下流に配置され、エアポンプ50から吐出されたエアを、第1の連通管31と、第2の連通管32に択一的に切替えて供給する第1の三方弁41とを備える。ECU70は、低負荷時には、吐出されたエアが第1の連通管31に供給されるように第1の三方弁41を切替えるとともに、電磁開閉弁61を開き、中・高負荷時には、吐出されたエアが第2の連通管32に供給されるように第1の三方弁41を切替えるとともに、電磁開閉弁61を閉じる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、燃料タンク内の蒸発燃料をエンジンに供給する蒸発燃料供給装置に関する。
車両のエンジンから排出される排気ガス中のエミッションを低減させることが社会的に強く要請されている。ここで、特許文献1には、排気ガス中におけるオゾン生成能の高い排気成分を低減することができるエンジンの始動装置が開示されている。
この始動装置は、燃料中に空気を吹き込んで燃料中の軽質成分を蒸発させて抽出する抽出装置と、該抽出装置で抽出された軽質成分をエンジンに供給する軽質成分供給パイプと、燃料タンク中の燃料をエンジンに供給する燃料供給パイプとを備えている。そして、この始動装置では、エンジン始動時には、軽質成分供給パイプを通して抽出された軽質成分がエンジンに供給され、始動後においては燃料供給パイプを通して燃料がエンジンに供給される。
この始動装置によれば、エンジンの始動時及び始動直後は燃料中の軽質成分が抽出され、該軽質成分のみがエンジンへ供給される。ここで、軽質成分中には芳香族系炭化水素が含まれていない。そのため、エンジン始動時に、オゾン発生能の高い炭化水素を大気中に放出することを防止できる。
特開平07−189834号公報
特許文献1記載のエンジンの始動装置は、エンジン始動時のオゾン発生能の高い排気成分(炭化水素)を低減することを目的としており、軽質成分のみからなる混合気により、始動および始動後暖機完了まで運転を行う。そのため、軽質成分による運転は、始動後10秒から1分間、又は冷却水温度が20〜50℃になるまで(暖機完了まで行う場合には、冷却水温度が約80℃になるまで)に限られている。すなわち、特許文献1記載のエンジンの始動装置では、例えば走行時等をも含む、より広いエンジン運転領域でのエミッション低減に関しては考慮されていない。
本発明は、上記問題点を解消する為になされたものであり、燃料タンク内の蒸発燃料をエンジンに供給する蒸発燃料供給装置であって、より広いエンジン運転領域において、エンジンから排出される排気ガス中のエミッションを低減することが可能な蒸発燃料供給装置を提供することを目的とする。
本発明に係る蒸発燃料供給装置は、エンジンに供給される燃料を貯留する燃料タンクと、エアを加圧して吐出するエアポンプと、燃料タンクに貯留されている燃料の中に、エアポンプから吐出されたエアを供給する第1の連通管と、燃料タンク内の上部空間にエアポンプから吐出されたエアを供給する第2の連通管と、エアポンプの下流に設けられ、エアポンプから吐出されたエアを、第1の連通管と、第2の連通管に択一的に切替えて供給する第1の切替手段と、燃料タンク内の上部空間とエンジンの吸気系とを連通し、燃料タンク内の蒸発燃料をエンジンの吸気系に供給する蒸発燃料導入管と、蒸発燃料導入管に介装され、蒸発燃料導入管を開閉する開閉弁と、エンジンの運転状態に基づいて、第1の切替手段の切替制御、及び開閉弁の開閉制御を行う制御手段とを備える。上記制御手段は、エンジンの低負荷運転時には、エアポンプから吐出されたエアが前記第1の連通管に供給されるように第1の切替手段を切替えるとともに、開閉弁を開き、エンジンの中・高負荷運転時には、エアポンプから吐出されたエアが第2の連通管に供給されるように第1の切替手段を切替えるとともに、開閉弁を閉じることを特徴とする。
本発明に係る蒸発燃料供給装置によれば、低負荷運転時(例えば、クルージング時の他、始動時、触媒急速暖機時、ファーストアイドル時等を含む)には、エアポンプから吐出されたエアが第1の連通管に供給されるように第1の切替手段が切替えられるとともに、蒸発燃料導入管に介装された開閉弁が開かれる。そのため、燃料タンクに貯留されている燃料の中に、エアポンプから吐出されたエアが第1の連通管を通して供給されるとともに、燃料から蒸発した蒸発燃料が蒸発燃料導入管を通してエンジンに供給される。エアが燃料の中に吹き込まれることにより、燃料タンク内の液体燃料(特に炭素数の少ない軽質成分)の気化が促進されるとともに、蒸発燃料とエアとの混合が促進される。その結果、非常に均一な混合気が形成されてエンジンに供給される。そのため、排気ガス中のHC、及びPM(PN)が低減される。また、軽質成分は着火性が高く、燃焼性も良好なため、例えば触媒の早期暖機時等に、点火時期を遅角(IGリタード)させても燃焼が悪化しにくい。そのため、点火時期の遅角量(リタード量)をより増大させることができる。よって、所謂後燃えによる排気浄化触媒の早期暖機、すなわち早期活性化ができ、始動時のNOxを低減することが可能となる。
一方、中・高負荷運転時には、エアポンプから吐出されたエアが第2の連通管に供給されるように第1の切替手段が切替えられるとともに、蒸発燃料導入管に介装された開閉弁が閉じられる。そのため、エアポンプから吐出されたエアが第2の連通管を通して燃料タンクの上部空間に供給される。加圧されたエアが燃料タンクの上部空間に供給されることにより、燃料タンク内が加圧され、燃料の蒸発が抑制される。その結果、キャニスタの蒸発燃料吸着能力の低下を防止することができる。以上の結果、より広いエンジン運転領域において、エンジンから排出される排気ガス中のエミッションを低減することが可能となる。
本発明に係る蒸発燃料供給装置は、一端が燃料タンク内の上部空間と連通された第3の連通管と、一端がエアポンプの吸入口に接続された第4の連通管と、一端が大気に開放された外気連通管と、エアポンプの上流に設けられ、第3の連通管の他端、第4の連通管の他端、及び外気連通管の他端それぞれが接続され、第4の連通管を、前記第3の連通管と、外気連通管とのいずれかと択一的に切替えて連通する第2の切替手段とをさらに備え、上記制御手段が、エンジンの始動前に、第3の連通管と第4の連通管とが連通されるように第2の切替手段を切替えるとともに、エアポンプから吐出されたエアが第1の連通管に供給されるように第1の切替手段を切替え、エンジンの始動時に、外気連通管と第4の連通管とが連通されるように第2の切替手段を切替えることが好ましい。
この場合、エンジンを始動する前に、第3の連通管と第4の連通管とが連通(すなわち第3の連通管とエアポンプとが連通)されるため、燃料タンク内の蒸発燃料を含むエアが、エアポンプで加圧されて、燃料中に吹き込まれる。すなわち、蒸発燃料を含むエアが、第3の連通管、第2の切替手段、第4の連通管、エアポンプ、第1の切替手段、及び第1の連通管を通して循環される。そのため、蒸発燃料の濃度を例えば理論空燃比程度まで高めることができる。よって、エンジンの始動性が改善されるとともに、エンジン始動時のエミッションをより低減することが可能となる。なお、エンジンの始動時及び始動後は、外気連通管と第4の連通管とが連通されるように第2の切替手段が切替えられるため、蒸発燃料を含むエアの循環が停止される。そして、上述したように、エンジンの運転状態(負荷状態)に応じて、第1の切替手段の切替え、及び、開閉弁の開閉が行われる。
本発明に係る蒸発燃料供給装置は、燃料タンク内の蒸発燃料の濃度を検出する蒸発燃料検出手段をさらに備え、上記制御手段が、エンジンの始動前に、蒸発燃料検出手段により検出された蒸発燃料の濃度が所定の濃度になった場合に、エンジンを始動することが好ましい。
この場合、エンジンが始動される前、蒸発燃料を含んだエアが循環されて蒸発燃料の濃度が高められる際に、蒸発燃料検出手段により蒸発燃料の濃度が監視されるとともに、蒸発燃料の濃度が所定の濃度(例えば理論空燃比程度の濃度)になった場合に、エンジンが始動される。よって、蒸発燃料が始動に適した濃度になったタイミングでエンジンの始動を行うことができる。そのため、エンジンの始動性がより改善されるとともに、エンジン始動時のエミッションをより低減することが可能となる。
本発明に係る蒸発燃料供給装置では、エンジンの始動前に、第3の連通管と第4の連通管とが連通されるように第2の切替手段が切替えられた後、所定時間が経過したときに、上記制御手段が、エンジンを始動することが好ましい。
この場合、第3の連通管と第4の連通管(エアポンプ)とが連通されて蒸発燃料の循環が開始されてから所定時間が経過したときに、エンジンが始動される。したがって、所定時間内に、蒸発燃料の濃度が所定の濃度に達しなかった場合であっても、エンジンが始動される。よって、例えば寒冷地などで燃料の蒸発が進まないような状況においても、エンジンが始動されるまでに時間がかかり過ぎることを防止することができる。
本発明によれば、燃料タンク内の蒸発燃料をエンジンに供給する蒸発燃料供給装置において、より広いエンジン運転領域において、エンジンから排出される排気ガス中のエミッションを低減することが可能となる。
第1実施形態に係る蒸発燃料供給装置の構成を示すブロック図である。 第1実施形態に係る蒸発燃料供給装置による蒸発燃料生成・供給処理の処理手順を示すフローチャートである。 第2実施形態に係る蒸発燃料供給装置の構成を示すブロック図である。 第2実施形態に係る蒸発燃料供給装置による蒸発燃料生成・供給処理の処理手順を示すフローチャートである。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、各図において、同一要素には同一符号を付して重複する説明を省略する。
[第1実施形態]
まず、図1を用いて、第1実施形態に係る蒸発燃料供給装置1の構成について説明する。図1は、蒸発燃料供給装置1の構成を示すブロック図である。
エンジン10は、例えば、シリンダ内(筒内)に直接燃料を噴射する直接噴射式のエンジンである。エンジン10では、エアクリーナ16から吸入された空気が、吸気管15に設けられたスロットルバルブ13により絞られ、インテークマニホールド11を通り、エンジン10に形成された各気筒に吸入される。ここで、エアクリーナ16から吸入された空気の量は、エアクリーナ16とスロットルバルブ13との間に配置されたエアフローメータ14により検出される。
エンジン10の各気筒には、筒内に燃料を噴射するインジェクタ12が取り付けられている。インジェクタ12は、加圧された燃料を各気筒の燃焼室内へ直接噴射する。インジェクタ12には、デリバリーパイプ24が接続されている。デリバリーパイプ24は、高圧燃料ポンプ22から燃料配管23を通じて圧送されてきた燃料を各インジェクタ12に分配するものである。高圧燃料ポンプ22は、燃料タンク20からフィードポンプ(低圧燃料ポンプ)21により吸い上げられた燃料を、運転状態に応じて高圧(例えば、8〜13MPa)に昇圧してデリバリーパイプ24へ供給する。高圧燃料ポンプ22としては、例えばエンジン10によって駆動される、電子制御プランジャー式フューエルポンプ等が用いられる。
そして、エンジン10の各気筒では、吸入空気と燃料との混合気が燃焼し、その燃焼後の排気ガスはエキゾーストマニホールド、エキゾーストパイプ17を通して排出される。エキゾーストパイプ17には、排気ガス中の酸素濃度に応じた信号を出力する空燃比センサ18が取り付けられている。空燃比センサ18としては、排気空燃比をオン−オフ的に検出するOセンサが用いられる。なお、空燃比センサ18として、排気空燃比をリニアに検出することのできるリニア空燃比センサ(LAFセンサ)を用いてもよい。
また、空燃比センサ18の下流には排気浄化触媒19が配設されている。排気浄化触媒19は三元触媒であり、排気ガス中の炭化水素(HC)及び一酸化炭素(CO)の酸化と、窒素酸化物(NOx)の還元を同時に行い、排気ガス中の有害ガス成分を無害な二酸化炭素(CO)、水蒸気(HO)及び窒素(N)に清浄化するものである。なお、エンジン始動直後には、排気浄化触媒19を早期に活性化させるため、点火時期が遅角(IGリタード)されることにより生じる所謂後燃えを利用して、排気浄化触媒19の急速暖機が行われる。
エンジン10(インジェクタ12)に供給される燃料が貯留される燃料タンク20では、その底部及び上部空間に、エアポンプ50から吐出されたエア(外気)を供給することができるように構成されている。
エアポンプ50は、吸入口に接続された外気連通管30を通して吸入したエア(外気)を加圧して吐出する。エアポンプ50としては、例えば電動式の軸流ポンプが好適に用いられる。エアポンプ50は、後述する電子制御装置(以下「ECU」ともいう)70に接続されており、該ECU70によって駆動される。
エアポンプ50の下流には第1の三方弁41が配置されている。より具体的には、第1の三方弁41の第1ポート41aが、第5の連通管35を介して、エアポンプ50の吐出口と接続されている。第1の三方弁41は、エアポンプ50から吐出されたエアを、第2ポート41bに接続された第1の連通管31(詳細は後述する)と、第3ポート41cに接続された第2の連通管32(詳細は後述する)に択一的に切替えて供給する。すなわち、第1の三方弁41は、特許請求の範囲に記載の第1の切替手段として機能する。第1の三方弁41は、電気式のものが好適に用いられる。第1の三方弁41も、ECU70に接続されており、該ECU70によって切替え状態が制御される。
第1の連通管31は、一端が第1の三方弁41の第2ポート41bに接続され、他端が燃料タンク20の底部に配設されており、第1の三方弁41の第2ポート41bと燃料タンク20の底部とを連通する。第1の連通管31は、第1の三方弁41の第1ポート41aと第2ポート41bとが連通されたときに、エアポンプ50から吐出されたエアを燃料タンク20に貯留されている燃料の中に供給する(エアレーション)。
第2の連通管32は、一端が第1の三方弁41の第3ポート41cに接続され、他端が燃料タンク20の上部空間に配設されており、第1の三方弁41の第3ポート41cと燃料タンク20の上部空間とを連通する。第2の連通管32は、第1の三方弁41の第1ポート41aと第3ポート41cとが連通されたときに、エアポンプ50から吐出されたエアを燃料タンク20の上部空間に供給する。
また、燃料タンク20の上部空間には、該上部空間とエンジン10のインテークマニホールド11(特許請求の範囲に記載の吸気系に相当)とを連通し、燃料タンク20内の蒸発燃料をエンジン10のインテークマニホールド11に供給する蒸発燃料導入管60が設けられている。この蒸発燃料導入管60には、該蒸発燃料導入管60を開閉する電磁開閉弁61(特許請求の範囲に記載の開閉弁に相当)が介装されている。電磁開閉弁61は、通電時にのみ開弁されるノーマリクローズ型の電磁開閉弁であり、イグニッションオフ(IG OFF)時には閉弁される。なお、電磁開閉弁61の開閉制御は、ECU70によって行われる。
さらに、燃料タンク20の上部空間には、燃料タンク20内の蒸発燃料の濃度を検出するHCセンサ80が取り付けられている。HCセンサ80は、特許請求の範囲に記載の蒸発燃料検出手段として機能する。HCセンサ80としては、例えば、接触燃焼式のものや、検出ガス中の音速変化を利用したものなどを使用することができる。HCセンサ80はECU70に接続されており、HCセンサ80の検出信号は、該ECU70に出力される。
また、燃料タンク20には、蒸発燃料導入管60から分岐された蒸発燃料通路91を通してキャニスタ90が接続されている。蒸発燃料通路91には、該蒸発燃料通路91を開閉する開閉弁(電磁開閉弁)92が介装されている。そして、上述した電磁開閉弁61が閉じられているときに、燃料タンク20の上部空間に溜まる蒸発燃料は、蒸発燃料通路91を通してキャニスタ90に導かれ、キャニスタ90内の活性炭等の吸着剤により一時的に吸着される。
キャニスタ90には外気を導入するための大気ポート93が設けられている。また、キャニスタ90の上層の空間部は、インテークマニホールド11に、パージ通路94を通して連通されている。このパージ通路94には、ECU70によって開度が調節される可変流量電磁弁(以下「パージソレノイドバルブ」ともいう)95が介装されている。
パージソレノイドバルブ95が開弁されてインテークマニホールド11における負圧がキャニスタ90のパージ通路94に作用すると、キャニスタ90内に大気ポート93から空気が導入され、キャニスタ90内の活性炭等に吸着されている蒸発燃料が脱離される。脱離された蒸発燃料は、大気ポート93から導入された空気と共にパージ通路94を通じてエンジン10のインテークマニホールド11に吸入される。そして、インテークマニホールド11に吸入された蒸発燃料は、エンジン10のシリンダ内で燃焼されて処理される。
ここで、イグニッションオフ時には、電磁開閉弁61が閉弁されるとともに、電磁開閉弁92が開弁され、燃料タンク20内の蒸発燃料はキャニスタ90側に導入される。エンジン始動時及び低負荷運転時には、電磁開閉弁61が開弁されるとともに、電磁開閉弁92が閉弁され、蒸発燃料のキャニスタ90への導入が停止される。また、中・高負荷運転時には、電磁開閉弁61が閉弁されるとともに、電磁開閉弁92が開弁される。
ECU70は、演算を行うマイクロプロセッサ、該マイクロプロセッサに各処理を実行させるためのプログラム等を記憶するROM、演算結果などの各種データを記憶するRAM、12Vバッテリによってその記憶内容が保持されるバックアップRAM、及び入出力I/F等を有して構成されている。また、ECU70は、インジェクタ12を駆動するインジェクタドライバ、エアポンプ50を駆動するモータドライバ、及び、第1の三方弁41並びに電磁開閉弁61等を駆動する駆動回路を備えている。さらに、ECU70は、高圧燃料ポンプ22を構成する電磁弁を駆動する駆動回路、及び点火信号を出力する出力回路等を備えている。
また、ECU70には、上述したエアフローメータ14や、空燃比センサ18、HCセンサ80に加えて、エンジン10の冷却水の温度を検出する水温センサ、潤滑油の温度を検出する油温センサ、クランクシャフトの位置を検出するクランク角センサ、及び、アクセルペダルの踏み込み量すなわちアクセルペダルの開度を検出するアクセルペダル開度センサ等の各種センサが接続されている。
ECU70では、上述した各種センサから入力される検出信号に基づいて、吸入空気量、混合気の空燃比、蒸発燃料の濃度、エンジン10の水温、油温、エンジン回転数、及びアクセルペダル開度等の各種情報が取得される。そして、ECU70は、取得した吸入空気量やエンジン回転数等の各種情報に基づいて、燃料噴射量や点火時期、及び、各種デバイス等を駆動/制御することによりエンジン10を総合的に制御する。
また、ECU70は、エンジン10の運転状態(負荷状態)に基づいて、第1の三方弁41の切替制御、エアポンプ50の駆動制御、及び電磁開閉弁61の開閉制御を行う。すなわち、ECU70は、特許請求の範囲に記載の制御手段として機能する。
ECU70は、エンジン回転数及び吸入空気量に基づいてエンジン負荷を演算して求める。そして、ECU70は、エンジン10の低負荷運転時(始動時、触媒急速暖機時、ファーストアイドル時等を含む)には、エアポンプ50から吐出されたエアが第1の連通管31に供給されるように第1の三方弁41を切替える(第1の切替状態)とともに、電磁開閉弁61を開弁する。これにより、燃料タンク20内の液体燃料中にエアが吹き込まれるとともに、気化された蒸発燃料(特に軽質成分)がエンジン10に供給される。このとき、ECU70は、燃料タンク20内圧力が加圧されない程度にエアポンプ50を駆動する。なお、ECU70は、エンジン10の低負荷運転時には、電磁開閉弁92を閉弁し、蒸発燃料のキャニスタ90への導入を禁止する。
エンジン10に供給される混合気の燃料不足分は、インジェクタ12による燃料噴射で補われる。その際の燃料噴射量は、吸入空気量、要求噴射量、及び空燃比センサ18の出力に基づいて算出される。すなわち、吸入空気量から求まる要求噴射量をそのままインジェクタ12から噴射すると、供給される蒸発燃料分だけ空燃比がリッチになるため、空燃比センサ18の出力に基づいて、燃料噴射量がリーン側に補正(F/B制御)される。これにより、インジェクタ12による燃料噴射量が、蒸発燃料の不足分を補う量と一致するように制御される。
一方、ECU70は、エンジン10の中・高負荷運転時には、エアポンプ50から吐出されたエアが第2の連通管32に供給されるように第1の三方弁41を切替える(第2の切替状態)とともに、電磁開閉弁61を閉弁する。これにより、燃料タンク20の上部空間に加圧されたエアが供給されて燃料の蒸発が抑制されるとともに、蒸発燃料導入管60を介した、エンジン10への蒸発燃料の供給が停止される。このとき、ECU70は、燃料タンク20内の圧力が飽和蒸気圧以上の一定値となるようにエアポンプ50を制御する。また、ECU70は、エンジン10の中・高負荷運転時には、電磁開閉弁92を開弁する。
次に、図2を参照しつつ、蒸発燃料供給装置1の動作について説明する。図2は、蒸発燃料供給装置1による蒸発燃料生成・供給処理の処理手順を示すフローチャートである。この処理は、ECU70において、所定のタイミングで繰り返して実行される。
まず、ステップS100では、エンジン10の水温が所定温度(例えば50℃)以上であるか否かについての判断、すなわち、エンジン10の暖機が完了したか否かについての判断が行われる。なお、暖機が完了したか否かの判断は、水温に代えて、又は加えて油温を利用して行ってもよい。ここで、水温が所定温度未満の場合、すなわち、エンジン10の暖機が完了していない場合には、ステップS102に処理が移行する。一方、水温が所定温度以上のとき、すなわち、エンジン10の暖機が完了しているときには、ステップS104に処理が移行する。
ステップS102では、エアポンプ50から吐出されたエアが第1の連通管31に供給されるように第1の三方弁41が切替えられる(第1の切替状態)とともに、電磁開閉弁61が開弁される。これにより、燃料タンク20内の液体燃料中にエアが吹き込まれるとともに、気化された蒸発燃料(特に軽質成分)がエンジン10に供給される。なお、エンジン10に供給される混合気の燃料不足分は、上述したように、インジェクタ12による燃料噴射で補われる。また、エアポンプ50は、燃料タンク20内圧力が加圧されない程度に駆動される。その後、本処理から抜ける。
ステップS104では、エンジン回転数と吸入空気量から算出されたエンジン負荷が所定値(図示平均有効圧力で示した場合には例えば180kPa)以上であるか否かについての判断が行われる。ここで、エンジン負荷が所定値未満の場合、すなわち、エンジン10の低負荷運転時には、上述したステップS102に処理が移行する。なお、ステップS102での処理は上述した通りであるので、ここでは詳細な説明を省略する。その後、本処理から抜ける。一方、エンジン負荷が所定値以上のとき、すなわち、エンジン10の中・高負荷運転時には、ステップS106に処理が移行する。
ステップS106では、エアポンプ50から吐出されたエアが第2の連通管32に供給されるように第1の三方弁41が切替えられる(第2の切替状態)とともに、電磁開閉弁61が閉弁される。これにより、燃料タンク20の上部空間に加圧されたエアが供給されて燃料の蒸発が抑制されるとともに、蒸発燃料のエンジン10への供給が停止される。なお、エアポンプ50は、燃料タンク20内を飽和蒸気圧以上の一定値に加圧するように制御される。その後、本処理から抜ける。
以上、詳細に説明したように、本実施形態によれば、低負荷運転時(例えば、クルージング時の他、始動時、触媒急速暖機時、ファーストアイドル時を含む)には、エアポンプ50から吐出されたエアが第1の連通管31に供給されるように第1の三方弁41が切替えられる(第1の切替状態)とともに、蒸発燃料導入管60に介装された電磁開閉弁61が開かれる。そのため、燃料タンク20に貯留されている燃料の中に、エアポンプ50から吐出されたエアが第1の連通管31を通して供給されるとともに、燃料から蒸発した蒸発燃料が蒸発燃料導入管60を通してエンジン10に供給される。エアが燃料の中に吹き込まれることにより、燃料タンク20内の液体燃料(特に炭素数の少ない軽質成分)の気化が促進されるとともに、蒸発燃料とエアとの混合が促進される。その結果、非常に均一な混合気が形成されてエンジン10に供給される。そのため、排気ガス中のHC、及びPM(PN)が低減される。特に、直噴エンジンの場合にはその効果が大きい。また、軽質成分は着火性が高く、燃焼性も良好なため、例えば排気浄化触媒19の早期暖機時等に、点火時期を遅角(IGリタード)させても燃焼が悪化しにくい。そのため、点火時期の遅角量(リタード量)をより増大させることができる。よって、所謂後燃えによる排気浄化触媒19の早期暖機、すなわち早期活性化ができ、始動時のNOxを低減することが可能となる。
一方、中・高負荷運転時には、エアポンプ50から吐出されたエアが第2の連通管32に供給されるように第1の三方弁41が切替えられる(第2の切替状態)とともに、電磁開閉弁61が閉じられる。そのため、エアポンプ50から吐出されたエアが第2の連通管32を通して燃料タンク20の上部空間に供給される。加圧されたエアが燃料タンクの20上部空間に供給されることにより、燃料タンク20内が加圧され、燃料の蒸発が抑制される。その結果、キャニスタ90の蒸発燃料吸着能力の低下を防止することができる。以上の結果、より広いエンジン運転領域(低負荷〜中・高負荷領域)において、エンジン10から排出される排気ガス中のエミッションを低減することが可能となる。
なお、本実施形態によれば、中・高負荷運転時には、蒸発燃料導入管60を通しての蒸発燃料の供給が停止され、インジェクタ12のみ(すなわち筒内噴射のみ)によって燃料供給が行われる。そのため、筒内での燃料の気化による筒内冷却が促進され、充填効率が向上するとともに、耐ノッキング性が向上する。
[第2実施形態]
次に、図3を用いて、第2実施形態に係る蒸発燃料供給装置2の構成について説明する。図3は、蒸発燃料供給装置2の構成を示すブロック図である。なお、図3において第1実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号が付されている。
蒸発燃料供給装置2は、上述した蒸発燃料供給装置1の構成に加えて、第3の連通管33、第4の連通管34、及び第2の三方弁42を備えている点で上述した蒸発燃料供給装置1と異なっている。また、ECU70に代えて、ECU71を備えている点で上述した蒸発燃料供給装置1と異なっている。その他の構成は、上述した蒸発燃料供給装置1と同一または同様であるので、ここでは詳細な説明を省略する。
第3の連通管33は、一端が、燃料タンク20内の上部空間と連通された第2の連通管32に接続され、他端が第2の三方弁42の第3ポート42cと接続されており、燃料タンク20の上部空間と第2の三方弁42(第3ポート42c)とを連通する。
第4の連通管34は、一端がエアポンプ50の吸入口に接続され、他端が第2の三方弁42の第2ポート42bと接続されており、エアポンプ50と第2の三方弁42(第2ポート42b)とを連通する。
外気連通管30Aは、一端が大気に開放され、他端が第2の三方弁42の第1ポート42aと接続されている。
第2の三方弁42は、エアポンプ50の上流に設けられ、第2ポート42bに接続された第4の連通管34を、第3ポート42cに接続された第3の連通管33と、第1ポート42aに接続された外気連通管30Aとのいずれかと択一的に切替えて連通する。すなわち、第2の三方弁42は、特許請求の範囲に記載の第2の切替手段として機能する。
ECU71は、エンジン10の始動前に、第3の連通管33(第2の三方弁42の第3ポート42c)と第4の連通管34(第2の三方弁42の第2ポート42b)とが連通されるように第2の三方弁42を切替える(第1の切替状態)とともに、エアポンプ50から吐出されたエアが第1の連通管31に供給されるように第1の三方弁41を切替える。そのため、燃料タンク20内の蒸発燃料を含むエアが、エアポンプ50で加圧されて、燃料中に吹き込まれる。すなわち、蒸発燃料を含むエアが、第3の連通管33、第2の三方弁42、第4の連通管34、エアポンプ50、第5の連通管35、第1の三方弁41、及び第1の連通管31を通して循環される。なお、ECU71は、蒸発燃料が循環されているときに、電磁開閉弁61を開弁する。
ECU71は、エンジン10の始動前に、蒸発燃料を含むエアを循環させている際に、HCセンサ80により検出された蒸発燃料の濃度が所定の濃度(例えば理論空燃比程度の濃度)になったとき、又は、第3の連通管33と第4の連通管34(エアポンプ50)とが連通されるように第2の三方弁42を切替えた後所定時間(例えば60秒)経過したときに、外気連通管30A(第2の三方弁42の第1ポート42a)と第4の連通管34(第2の三方弁42の第2ポート42b)とが連通されるように第2の三方弁42を切替え(第2の切替状態)、エンジン10を始動する。
エンジン10が始動された後、ECU71は、エンジン10の運転状態(負荷状態)に応じて、第1の三方弁41を切替えるとともに、電磁開閉弁61を開閉する。なお、第1の三方弁41の切替え、及び電磁開閉弁61の開閉については、上述した通りであるので、ここでは詳細な説明を省略する。
次に、図4を参照しつつ、蒸発燃料供給装置2の動作について説明する。図4は、蒸発燃料供給装置2による蒸発燃料生成・供給処理の処理手順を示すフローチャートである。本処理は、ECU71において、例えば、イグニッションスイッチがオン(IG ON)されたときに開始され、所定のタイミングで繰り返して実行される。
ステップS200では、エンジン始動前か否かについての判断が行われる。ここで、エンジン10がまだ始動されていない場合には、ステップS202に処理が移行する。一方、エンジン10が既に始動されているときには、ステップS208に処理が移行する。
ステップS202では、第3の連通管33(第2の三方弁42の第3ポート42c)と第4の連通管34(第2の三方弁42の第2ポート42b)とが連通されるように第2の三方弁42が切替えられる(第1の切替状態)とともに、エアポンプ50から吐出されたエアが第1の連通管31に供給されるように第1の三方弁41が切替えられる。また、エアポンプ50が一定出力で駆動される。そのため、燃料タンク20内の蒸発燃料を含むエアが、第3の連通管33、第2の三方弁42、第4の連通管34、エアポンプ50、第5の連通管35、第1の三方弁41、及び第1の連通管31を通して循環される。また、電磁開閉弁61が開弁される。
続いて、ステップS204では、HCセンサ80により検出された蒸発燃料の濃度が所定の濃度になったか否か、又は、第3の連通管33と第4の連通管34(エアポンプ50)とが連通されるように第2の三方弁42が切替えられた後所定時間(例えば60秒)経過したか否かについての判断が行われる。ここで、濃度が所定の濃度に達したとき、又は上記所定時間が経過したときには、ステップS206に処理が移行する。一方、濃度が所定の濃度に達しておらず、かつ上記所定時間がまだ経過していないときには、一旦、本処理から抜ける。
ステップS206では、すでに始動要求(例えばスタートスイッチ又はスタータスイッチのオン操作)が受付けられている場合には、外気連通管30A(第2の三方弁42の第1ポート42a)と第4の連通管34(第2の三方弁42の第2ポート42b)とが連通されるように第2の三方弁42が切替えられる(第2の切替状態)。そして、スタータが駆動されて、エンジン10が始動される。ここで、所定時間が経過してエンジン10が始動される際に、エンジン10に供給される混合気の燃料量が不足している場合には、インジェクタ12による燃料噴射で不足分が補われる。
なお、ステップS204が肯定されたときに、まだ始動要求が受付けられていない場合には、エンジン10が始動されることなく、エアポンプ50の駆動が停止されて、蒸発燃料の循環が一旦停止される。そして、その後、始動要求が受付けられたときに、外気連通管30Aと第4の連通管34(エアポンプ50)とが連通されるように第2の三方弁42が切替えられ、エンジン10が始動される。なお、ステップS204が肯定されたときに、まだ始動要求が受付けられていない場合には、エンジン始動の準備が完了した旨を例えばランプ等で運転者に提示する構成としてもよい。エンジン10が始動された後、ステップS208に処理が移行する。
エンジン10が始動された後は、ステップS208〜S214の処理が実行される。ここで、ステップS208〜S214の処理は、上述したステップS100〜S108の処理と同一である。よって、ここでは詳細な説明を省略する。
本実施形態によれば、エンジン10が始動される前に、第3の連通管33と第4の連通管34とが連通(すなわち第3の連通管33とエアポンプ50とが連通)されるため、燃料タンク20内の蒸発燃料を含むエアが、エアポンプ50で加圧されて、燃料中に吹き込まれる。すなわち、蒸発燃料を含むエアが、第3の連通管33、第2の三方弁42、第4の連通管34、エアポンプ50、第5の連通管35、第1の三方弁41、及び第1の連通管31を通して循環される。そのため、蒸発燃料の濃度をより高めることができる。よって、エンジン10の始動性が改善されるとともに、エンジン始動時のエミッションをより低減することが可能となる。なお、エンジン10の始動時及び始動後は、外気連通管30Aと第4の連通管34とが連通されるように第2の三方弁42が切替えられる(第2の切替状態)ため、蒸発燃料を含むエアの循環が停止される。そして、上述したように、エンジン10の運転状態(負荷状態)に応じて、第1の三方弁41の切替え、及び、電磁開閉弁61の開閉が行われる。
本実施形態によれば、エンジン10が始動される前、蒸発燃料を含んだエアが循環されて、蒸発燃料の濃度が高められる際に、HCセンサ80により蒸発燃料の濃度が監視されるとともに、蒸発燃料の濃度が所定の濃度(例えば理論空燃比程度の濃度)になったときに、エンジン10が始動される。よって、蒸発燃料が始動に適した濃度になったタイミングでエンジン10の始動を行うことができる。そのため、エンジン10の始動性がより改善されるとともに、エンジン始動時のエミッションをより低減することが可能となる。
本実施形態によれば、第3の連通管33と第4の連通管34(エアポンプ50)とが連通されて蒸発燃料の循環が開始されてから所定時間(例えば60秒)経過したときに、エンジン10が始動される。したがって、所定時間内に、蒸発燃料の濃度が所定の濃度に達しなかった場合であっても、エンジン10が始動される。よって、例えば寒冷地などで燃料の蒸発が進まないような状況においても、エンジン10が始動されるまでに時間がかかり過ぎることを防止することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、エンジン10として、直噴エンジンを例にして説明したが、エンジン10は、ポート噴射式のものであってもよい。また、エンジン10は、筒内噴射用のインジェクタとポート噴射用のインジェクタとを組合せて用いるものであってもよい。
また、上記実施形態では、蒸発燃料導入管60に電磁開閉弁61を介装するとともに、キャニスタ90の入り口側に電磁開閉弁92を設けたが、電磁開閉弁61及び電磁開閉弁92に代えて、蒸発燃料を導入する管路を切替える三方弁を設け、エンジン10の運転状態に応じて、該三方弁を切替える構成としてもよい。すなわち、低負荷運転時には、三方弁が、蒸発燃料導入管60側に切替えられ(すなわち、キャニスタ90を通すことなく直接インテークマニホールド11に蒸発燃料が供給され)、イグニッションオフ時及び中・高負荷運転時には、三方弁が、蒸発燃料通路91側(すなわちキャニスタ側)に切り替えられる構成としてもよい。
1,2 蒸発燃料供給装置
10 エンジン
11 インテークマニホールド
12 インジェクタ
20 燃料タンク
30,30A 外気連通管
31 第1の連通管
32 第2の連通管
33 第3の連通管
34 第4の連通管
35 第5の連通管
41 第1の三方弁
42 第2の三方弁
50 エアポンプ
60 蒸発燃料導入管
61 電磁開閉弁
70,71 ECU
80 HCセンサ
90 キャニスタ

Claims (4)

  1. エンジンに供給される燃料を貯留する燃料タンクと、
    エアを加圧して吐出するエアポンプと、
    前記燃料タンクに貯留されている燃料の中に、前記エアポンプから吐出されたエアを供給する第1の連通管と、
    前記燃料タンク内の上部空間に前記エアポンプから吐出されたエアを供給する第2の連通管と、
    前記エアポンプの下流に設けられ、前記エアポンプから吐出されたエアを、前記第1の連通管と、前記第2の連通管に択一的に切替えて供給する第1の切替手段と、
    前記燃料タンク内の上部空間と前記エンジンの吸気系とを連通し、前記燃料タンク内の蒸発燃料を前記エンジンの吸気系に供給する蒸発燃料導入管と、
    前記蒸発燃料導入管に介装され、前記蒸発燃料導入管を開閉する開閉弁と、
    前記エンジンの運転状態に基づいて、前記第1の切替手段の切替制御、及び前記開閉弁の開閉制御を行う制御手段と、を備え、
    前記制御手段は、
    前記エンジンの低負荷運転時には、前記エアポンプから吐出されたエアが前記第1の連通管に供給されるように前記第1の切替手段を切替えるとともに、前記開閉弁を開き、
    前記エンジンの中・高負荷運転時には、前記エアポンプから吐出されたエアが前記第2の連通管に供給されるように前記第1の切替手段を切替えるとともに、前記開閉弁を閉じる、
    ことを特徴とする蒸発燃料供給装置。
  2. 一端が前記燃料タンク内の上部空間と連通された第3の連通管と、
    一端が前記エアポンプの吸入口に接続された第4の連通管と、
    一端が大気に開放された外気連通管と、
    前記エアポンプの上流に設けられ、前記第3の連通管の他端、前記第4の連通管の他端、及び前記外気連通管の他端それぞれが接続され、前記第4の連通管を、前記前記第3の連通管と、前記外気連通管とのいずれかと択一的に切替えて連通する第2の切替手段と、をさらに備え、
    前記制御手段は、
    前記エンジンの始動前に、前記第3の連通管と前記第4の連通管とが連通されるように前記第2の切替手段を切替えるとともに、前記エアポンプから吐出されたエアが前記第1の連通管に供給されるように前記第1の切替手段を切替え、
    前記エンジンの始動時に、前記外気連通管と前記第4の連通管とが連通されるように前記第2の切替手段を切替える
    ことを特徴とする請求項1に記載の蒸発燃料供給装置。
  3. 前記燃料タンク内の蒸発燃料の濃度を検出する蒸発燃料検出手段をさらに備え、
    前記制御手段は、前記エンジンの始動前に、前記蒸発燃料検出手段により検出された蒸発燃料の濃度が所定の濃度になった場合に、前記エンジンを始動することを特徴とする請求項2に記載の蒸発燃料供給装置。
  4. 前記制御手段は、前記エンジンの始動前に、前記第3の連通管と前記第4の連通管とが連通されるように前記第2の切替手段を切替えた後、所定時間が経過したときに、前記エンジンを始動することを特徴とする請求項2又は3に記載の蒸発燃料供給装置。
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