JP2013162170A - ガラス基板の製造方法、パッケージの製造方法、圧電振動子、発振器、電子機器及び電波時計 - Google Patents

ガラス基板の製造方法、パッケージの製造方法、圧電振動子、発振器、電子機器及び電波時計 Download PDF

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Abstract

【課題】ガラス基板の貫通孔の内壁面と、この貫通孔内に充填されるガラスフリットとの境界面において、ガラスフリットの密着性を向上させる。
【解決手段】ガラス材料からなるベース基板を厚さ方向に貫通する貫通電極を有するガラス基板の製造方法であって、ベース基板を厚さ方向に貫通する貫通孔内に挿入した金属ピンを固定するために貫通孔と金属ピンとの間にガラスフリットを充填する充填工程(S37)と、ベース基板をフッ酸により洗浄する貫通孔内洗浄工程(S35)と、を含み、貫通孔内洗浄工程を充填工程の前に実行する。
【選択図】図5

Description

この発明は、ガラス基板の製造方法、パッケージの製造方法、圧電振動子、発振器、電子機器及び電波時計に関する。
従来、互いの積層状態で陽極接合されることによって両者間にキャビティが形成されるガラス材料からなるベース基板およびリッド基板と、ベース基板においてキャビティ内に位置する部位に実装された作動片と、を備えるパッケージ製品が知られている。
そして、このパッケージ製品として、例えば、携帯電話や携帯情報端末機器に装着され、時刻源や制御信号などのタイミング源、リファレンス信号源などとして水晶などを用いた圧電振動子が知られている。
この圧電振動子において、例えば、ベース基板の貫通孔に形成された貫通電極によってキャビティ内の圧電振動片(作動片)とキャビティ外部の外部電極とを電気的に接続する場合に貫通電極を形成する方法として、先ず、ベース基板に貫通孔を形成し、次に、ベース基板を熱軟化させた状態で貫通孔内に金属ピンを打ち込む方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、このように金属ピンを貫通孔に打ち込むだけでは、金属ピンと貫通孔との間隙を的確に塞ぐのが困難であり、キャビティ内の気密性を確保することができないという問題が生じる。
また、ベース基板上の全ての貫通孔に位置決めして金属ピンを打ち込むという煩雑な工程が必要になるという問題が生じる。
これらの問題に対して、例えば、先ず、ベース基板に貫通孔を形成し、次に、貫通孔内に金属ピンを配設し、貫通孔と金属ピンとの隙間にガラスフリットを充填した後、ガラスフリットを硬化させて金属ピンを固定することによって貫通電極を形成する方法が知られている。
特開2002−124845号公報
ところで、上記従来技術に係る貫通電極を形成する方法において、ガラスフリットを貫通孔内に充填する前の状態において、例えば、貫通孔内の内壁面上にガラス材料の残渣や研磨材などが残存している場合には、この内壁面とガラスフリットとの境界面においてガラスフリットの密着性が低下するという問題が生じる。
この場合には、貫通孔の内壁面とガラスフリットとの境界面付近において、硬化後のガラスフリットに気泡や空隙が形成され易くなり、所望の気密性を確保することができない虞がある。
また、例えば、硬化後のガラスフリットの表面付近に気泡や空隙が形成された場合には、貫通電極に接続される電極(外部電極など)をベース基板の表面上に形成する際に断線が生じ易くなる虞がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、ガラス基板の貫通孔の内壁面と、この貫通孔内に充填されるガラスフリットとの境界面において、ガラスフリットの密着性を向上させることが可能なガラス基板の製造方法、パッケージの製造方法、圧電振動子、発振器、電子機器及び電波時計を提供することを目的としている。
上記課題を解決して係る目的を達成するために、本発明の請求項1に係るガラス基板の製造方法は、ガラス材料からなる基板(例えば、実施の形態でのベース基板2)を厚さ方向に貫通する貫通電極(例えば、実施の形態での貫通電極8,9)を有するガラス基板の製造方法であって、前記基板を厚さ方向に貫通する貫通孔(例えば、実施の形態での貫通孔21,22)内に挿入した金属ピン(例えば、実施の形態での金属ピン37)を固定するために前記貫通孔と前記金属ピンとの間にガラスフリット(例えば、実施の形態でのガラスフリット38)を充填する充填工程(例えば、実施の形態での充填工程(S37))と、前記ガラス基板をフッ酸により洗浄する洗浄工程(例えば、実施の形態での貫通孔内洗浄工程(S35))と、を含み、前記洗浄工程を前記充填工程の前に実行する。
さらに、本発明の請求項2に係るガラス基板の製造方法は、前記貫通孔を形成するための凹部(例えば、実施の形態での凹部20)を表面上に有する前記ガラス基板を生成するガラス基板生成工程(例えば、実施の形態でのガラス成形工程(S33))を含み、前記洗浄工程を前記ガラス基板生成工程の後に実行する。
さらに、本発明の請求項3に係るガラス基板の製造方法は、前記ガラス基板を研磨することによって前記凹部から前記貫通孔を形成する貫通孔形成工程(例えば、実施の形態での貫通孔形成工程(S34))を含み、前記洗浄工程を前記貫通孔形成工程の後に実行する。
さらに、本発明の請求項4に係るガラス基板の製造方法では、前記洗浄工程は、前記フッ酸とフッ化アンモニウム水溶液と純水とを含むフッ酸処理液によって前記ガラス基板を洗浄する。
また、本発明の請求項5に係るパッケージの製造方法は、互いに接合された第1ガラス基板(例えば、実施の形態でのベース基板2)及び第2ガラス基板(例えば、実施の形態でのリッド基板3)の間に形成されたキャビティ内に電子部品を封入可能なパッケージの製造方法であって、請求項1に記載のガラス基板の製造方法によって前記第1ガラス基板を形成する第1ガラス基板形成工程(例えば、実施の形態でのベース基板用ウエハ作製工程(S30))を含む。
また、本発明の請求項6に係る圧電振動子は、請求項5に記載のパッケージの製造方法により製造されたパッケージと、該パッケージの前記キャビティ内に封止された圧電振動片と、を備える。
また、本発明の請求項7に係る発振器は、請求項6に記載の圧電振動子を備え、該圧電振動子は発振子として集積回路に電気的に接続されている。
また、本発明の請求項8に係る電子機器は、請求項6に記載の圧電振動子を備え、該圧電振動子は計時部に電気的に接続されている。
また、本発明の請求項9に係る電波時計は、請求項6に記載の圧電振動子を備え、該圧電振動子はフィルタ部に電気的に接続されている。
本発明のガラス基板の製造方法によれば、貫通孔内にガラスフリットを充填して、このガラスフリットを硬化させる前に、ガラス基板をフッ酸により洗浄することから、貫通孔内の内壁面上にガラス材料の残渣や研磨材などが残存することを防止することができ、この内壁面とガラスフリットとの境界面においてガラスフリットの密着性が低下することを防止することができる。
これにより、貫通孔の内壁面とガラスフリットとの境界面付近において、硬化後のガラスフリットに気泡や空隙が形成されることを抑制し、所望の気密性を確保することができるとともに、ガラスフリットの表面付近に気泡や空隙が形成されてしまうことを抑制し、貫通電極に接続される電極をガラス基板の表面上に形成する際に断線が生じることを抑制することができる。
本発明のガラス基板の製造方法によれば、貫通孔を形成するための凹部にガラス材料の残渣や研磨材などが残存することを防止することができ、この凹部から形成された貫通孔の内壁面とガラスフリットとの境界面においてガラスフリットの密着性が低下することを防止することができる。
本発明のガラス基板の製造方法によれば、ガラス基板を研磨することによって凹部から形成された貫通孔にガラス材料の残渣や研磨材などが残存することを防止することができ、貫通孔の内壁面とガラスフリットとの境界面においてガラスフリットの密着性が低下することを防止することができる。
本発明のパッケージの製造方法によれば、キャビティ内の気密性を確保することができる。
本発明の圧電振動子、発振器、電子機器及び電波時計によれば、作動信頼性を向上させることができる。
本発明の実施の形態に係る圧電振動子の外観斜視図である。 図1に示す圧電振動子の内部構成図であって、リッド基板を取り外した状態で圧電振動片を上方から見た図である。 図2に示すA−A線に沿った圧電振動子の断面図である。 図1に示す圧電振動子の分解斜視図である。 圧電振動子の製造方法を示すフローチャートである。 圧電振動子の製造方法を示す工程図であって、ウエハ接合体の分解斜視図である ベース基板用ウエハの断面図であって、貫通孔形成工程及び金属ピン配置工程を示す工程図である。 金属ピンの斜視図である。 ベース基板用ウエハの断面図であって、充填工程を示す工程図である。 ベース基板用ウエハの断面図であって、仮乾燥工程以降の工程を示す工程図である。 ベース基板用ウエハの断面図であって、研磨工程を示す工程図である。 ベース基板用ウエハの凹部の内面を拡大して示す図の例である。 ベース基板用ウエハの貫通孔の内壁面を拡大して示す図の例である。 本発明に係る発振器の一実施形態を示す構成図である。 本発明に係る電子機器の一実施形態を示す構成図である。 本発明に係る電波時計の一実施形態を示す構成図である。
以下、本発明の一実施形態に係るガラス基板の製造方法、パッケージの製造方法により製造されたパッケージを備える圧電振動子および該圧電振動子を備える発振器および電子機器および電波時計について説明する。
本実施形態の圧電振動子1は、例えば図1〜図4に示すように、接合材23を介して陽極接合されたベース基板(第1ガラス基板)2とリッド基板(第2ガラス基板)3とからなる箱状のパッケージ10と、パッケージ10の内部に封止されたキャビティCに収容された圧電振動片(電子部品)5と、を備える表面実装型の圧電振動子1である。
そして、圧電振動片5とベース基板2の第1面2aに設置された外部電極6,7とは、ベース基板2を貫通する一対の貫通電極8,9によって電気的に接続されている。
ベース基板2は、ガラス材料、例えばソーダ石灰ガラスからなる透明な絶縁基板によって板状に形成され、厚さ方向に貫通するとともにキャビティC内にて開口する一対の貫通孔21,22に形成された一対の貫通電極8,9を備えている。
なお、貫通孔21,22は、ベース基板2の第1面2aから第2面(リッド基板3に対向する表面)2bに向かって漸次径が縮径した断面テーパ形状を有している。
なお、本実施形態では、貫通孔21,22は断面テーパ状に形成されているとしたが、これに限定されず、例えばベース基板2を同一径にて厚さ方向に貫通する貫通孔でもあってもよく、要するにベース基板2を貫通していればよい。
リッド基板3は、ベース基板2と同様に、ガラス材料、例えばソーダ石灰ガラスからなる透明な絶縁基板によって、ベース基板2に重ね合わせ可能な大きさの板状に形成されている。そして、リッド基板3の内面3b側には、圧電振動片5を収容可能な矩形状の凹部3aを備えている。
この凹部3aは、ベース基板2及びリッド基板3が重ね合わされたときにベース基板2の第2面2bとによって、圧電振動片5を収容するキャビティCを形成する。
リッド基板3の内面3bは、中央部に形成された凹部3aと、凹部3aの周囲に形成されてベース基板2との接合面となる額縁領域3cとから構成されている。
そして、リッド基板3は、ベース基板2に対向する内面3b全体に設けられた接合材23を備えている。
接合材23は、例えばリッド基板3の額縁領域3cおよび凹部3aの内面全体に亘って設けられている。
なお、本実施形態の接合材23はSi膜によって形成されているが、これに限定されず、例えば接合材23はAlによって形成されてもよい。
また、接合材23は、例えばドーピングなどにより低抵抗化されたSiバルク材によって形成されてもよい。
そして、リッド基板3は、後述するように、凹部3aをベース基板2側に対向させた状態でベース基板2に対して接合材23を介して陽極接合され、キャビティCを気密封止している。
圧電振動片5は、水晶、タンタル酸リチウムやニオブ酸リチウムなどの圧電材料から形成された音叉型の振動片であり、所定の電圧の印加によって振動する。
この圧電振動片5は、音叉型であって、平行に配置された一対の振動腕部24,25と、一対の振動腕部24,25の基端を一体的に固定する基部26と、を備えている。
なお、一対の振動腕部24,25は、一対の振動腕部24,25を振動させる一対の第1の励振電極および第2の励振電極からなる励振電極(図示略)を表面上に備え、基部26は、第1の励振電極及び第2の励振電極と後述する引き回し電極27,28とを電気的に接続する一対のマウント電極(図示略)を表面上に備えている。
圧電振動片5は、例えば図2,図3に示すように、金などのバンプBによって、ベース基板2の第2面(リッド基板3に対向する表面)2bに設けられた引き回し電極27,28上にバンプ接合されている。
より詳細には、圧電振動片5の第1の励振電極は、一方のマウント電極及びバンプBを介して一方の引き回し電極27上にバンプ接合され、第2の励振電極は、他方のマウント電極及びバンプBを介して他方の引き回し電極28上にバンプ接合されている。
これにより、圧電振動片5は、ベース基板2の第2面2bから浮いた状態で支持されるとともに、各マウント電極と引き回し電極27,28とはそれぞれ電気的に接続されている。
外部電極6,7は、ベース基板2の第1面2aにおける長手方向の両側に設置されており、各貫通電極8,9及び各引き回し電極27,28を介して圧電振動片5に電気的に接続されている。
より詳細には、例えば、一方の外部電極6は、一方の貫通電極8及び一方の引き回し電極27を介して圧電振動片5の一方のマウント電極に電気的に接続されている。
また、他方の外部電極7は、他方の貫通電極9及び他方の引き回し電極28を介して、圧電振動片5の他方のマウント電極に電気的に接続されている。
貫通電極8,9は、焼成によって貫通孔21,22に対して一体的に固定されたガラス体32及び芯材部31によって形成され、貫通孔21,22を塞いでキャビティC内の気密を維持するとともに、外部電極6,7と引き回し電極27,28とを導通させる。
より詳細には、例えば、一方の貫通電極8は、外部電極6と基部26との間で引き回し電極27に臨んで配置され、他方の貫通電極9は、外部電極7と振動腕部25との間で引き回し電極28に臨んで配置されている。
ガラス体32は、ペースト状のガラスフリット38の焼成によって形成されている。
より詳細には、例えば、ガラス体32は、平均粒径3μm程度の結晶粒からなり、平坦な両端およびベース基板2とほぼ同じ厚みを有する円筒状に形成されている。
そして、ガラス体32は、ガラス体32を厚さ方向に貫通する中心孔に挿入された芯材部31を固定している。
また、本実施形態では貫通孔21,22の形状に合わせて、ガラス体32の外形は円錐台状(断面テーパ状)となるように形成されている。そして、このガラス体32は、貫通孔21,22内に埋め込まれた状態で焼成されており、これら貫通孔21,22に対して強固に固着されている。
芯材部31は、金属材料により円柱状に形成された導電性の芯材であり、ガラス体32と同様に平坦な両端およびベース基板2とほぼ同じ厚さを有している。
なお、製造後の貫通電極8,9において、上述したように芯材部31は円柱状かつベース基板2の厚さと同じ厚さとを有しているが、製造過程では、後述する図8に示すように、芯材部31の一方の端部に連結された平板状の土台部36とともに鋲体型の金属ピン37を形成している。
この圧電振動子1は、ベース基板2に形成された外部電極6,7に対して所定の駆動電圧が印加されることによって作動し、圧電振動片5の各励振電極に電流を流すことによって、一対の振動腕部24,25を接近および離間させる方向に所定の周波数で振動させる。
この一対の振動腕部24,25の振動は、時刻源、制御信号のタイミング源やリファレンス信号源などとして用いられる。
(圧電振動子の製造方法)
次に、上述した圧電振動子1の製造方法について説明する。
以下には、例えば、複数のベース基板2からなるベース基板用ウエハ40と、複数のリッド基板3からなるリッド基板用ウエハ50との間に、複数の圧電振動片5を封入してウエハ接合体60を形成し、各ウエハ接合体60を切断することによって複数の圧電振動子1を同時に製造する方法について説明する。
例えば図5に示すように、本実施形態に係る圧電振動子の製造方法は、主に、圧電振動片作製工程(S10)と、リッド基板用ウエハ作製工程(S20)と、ベース基板用ウエハ作製工程(S30)と、組立工程(S51以下)と、を含んでいる。
なお、圧電振動片作製工程(S10)と、リッド基板用ウエハ作製工程(S20)と、ベース基板用ウエハ作製工程(S30)とは、並行して実行可能である。
(圧電振動片作製工程)
先ず、圧電振動片作製工程(S10)を実行して圧電振動片5を作製する。
そして、圧電振動片5を作製した後、共振周波数の粗調を実行する。
なお、共振周波数をより高精度に調整する微調は、例えば実装後に行なう。
(リッド基板用ウエハ作製工程)
次に、図5,図6に示すように、後にリッド基板3となるリッド基板用ウエハ50を、陽極接合を行う直前の状態まで作製するリッド基板用ウエハ作製工程(S20)を行う。
詳細には、ソーダ石灰ガラスを所定の厚さまで研磨加工して洗浄した後に、エッチングなどにより最表面の加工変質層を除去した円板状のリッド基板用ウエハ50を形成する(S21)。
次に、リッド基板用ウエハ50の第1面50a(図6における下面)に、エッチングなどにより行列方向にキャビティC用の凹部3aを複数形成する凹部形成工程(S22)を行う。
そして、後述するベース基板用ウエハ40との間の気密性を確保するために、ベース基板用ウエハ40との接合面となるリッド基板用ウエハ50の第1面50a側を少なくとも研磨する研磨工程(S23)を行い、第1面50aを鏡面加工する。
次に、リッド基板用ウエハ50の第1面50a全体(ベース基板用ウエハ40との接合面及び凹部3aの内面)に接合材23を形成する接合材形成工程(S24)を行う。
このように、接合材23をリッド基板用ウエハ50の第1面50a全体に形成することで、接合材23のパターニングを不要とし、製造コストを低減することができる。
なお、接合材23の形成は、スパッタやCVDなどの成膜方法によって行う。
また、接合材形成工程(S24)の前に接合面を研磨しているので、接合材23の表面の平面度を確保し、ベース基板用ウエハ40との安定した接合を実現することができる。
以上により、リッド基板用ウエハ作製工程(S20)は終了する。
(ベース基板用ウエハ作製工程)
上述した工程と同時または前後のタイミングで、後にベース基板2となるベース基板用ウエハ40を、陽極接合を行う直前の状態まで作製するベース基板用ウエハ作製工程(S30)を行う。
先ず、ソーダ石灰ガラスを所定の厚さまで研磨加工して洗浄した後に、エッチングなどにより最表面の加工変質層を除去した円板状のベース基板用ウエハ40を形成する(S31)。
(貫通電極形成工程)
次に、ベース基板用ウエハ40を厚さ方向に貫通し、キャビティCの内側と圧電振動子1の外側とを導通する貫通電極8,9を形成する貫通電極形成工程(S32)を行う。
以下に、貫通電極形成工程(S32)の詳細を説明する。
貫通電極形成工程(S32)では、先ず、例えば図7(a)に示すように、プレス成形などによりベース基板用ウエハ40の第1面40aの表面上に複数の凹部20を形成するガラス成形工程(S33)を行う。
次に、ベース基板用ウエハ40を貫通する一対の貫通孔21,22を複数形成する貫通孔形成工程(S34)を行う。
詳細には、少なくともベース基板用ウエハ40の第2面40b側から破線部T1まで片面研磨することで、凹部20を貫通させ、貫通孔21,22を形成する。
これにより、ベース基板用ウエハ40(ベース基板2)の第2面40b側から第1面40a側に向かって漸次内径が大きくなるように貫通孔21,22を形成する。
次に、貫通孔21,22が形成されたベース基板用ウエハ40をフッ酸により洗浄する貫通孔内洗浄工程(S35)を行う。
詳細には、所定比率で配合されたフッ酸とフッ化アンモニウム水溶液と純水とを含むフッ酸処理液によって、温度および時間に対する所定の条件にてベース基板用ウエハ40を洗浄する。例えば、温度は20℃〜50℃程度の範囲とし、時間は数秒から10秒程度の範囲にて温度が高くなるほど短くなる。
そして、フッ酸処理液による洗浄後には、例えば、ベース基板用ウエハ40に対して、順次、純水による洗浄と、酸性水溶液の界面活性剤による超音波洗浄と、純水による洗浄と、アルカリ性水溶液の界面活性剤による超音波洗浄と、純水による洗浄と、乾燥と、を実行して、貫通孔内洗浄工程(S35)を終了する。
なお、この貫通孔内洗浄工程は、ガラス成形工程の実行後かつ貫通孔形成(片面研磨)工程の実行前のタイミングで実行してもよい。
次に、複数の貫通孔21,22内に、金属ピン37の芯材部31を配置する金属ピン配置工程(S36)を行う。
金属ピン37は、例えば図8に示すように、平板状の土台部36と、土台部36上から土台部36の表面に略直交する方向に沿ってベース基板用ウエハ40の厚さよりも僅かに短いとともに、平坦な先端を有する芯材部31と、から構成されている。
そして、例えば図7(b)に示すように、貫通孔21,22の小径側(ベース基板用ウエハ40の第2面40b側)から金属ピン37の芯材部31を挿入する。
この時、上述した金属ピン37の土台部36の表面をベース基板用ウエハ40の第2面40bに接触させるようにして芯材部31を貫通孔21,22に挿入する。
なお、芯材部31を貫通孔21,22に挿入する際には、芯材部31の軸方向と貫通孔21,22の軸方向とを略一致させて金属ピン37を貫通孔21,22内に配置する必要があることに対して、土台部36上に形成された芯材部31を備える金属ピン37によって、土台部36をベース基板用ウエハ40に接触させるまで押し込むだけの簡単な作業で、芯材部31の軸方向と貫通孔21,22の軸方向とを容易に一致させることができる。これによって、金属ピン配置工程(S36)の実行時における作業性を向上させることができる。
次に、ベース基板用ウエハ40を真空印刷装置内に搬送し、例えば図9(a)に示すように、貫通孔21,22内にペースト状のガラスフリット38を充填する充填工程(S37)を行う。
なお、本実施形態で用いるガラスフリット38は、例えば、主に、粉末状のガラス粒子と、有機溶剤とエチルセルロースなどからなるバインダと、を配合してなるペースト材である。
充填工程(S37)では、ベース基板用ウエハ40の第1面40aを鉛直方向上向きに配置し、スキージ45を第1面40aに沿って走査して、ガラスフリット38をベース基板用ウエハ40の第1面40a側から塗布する。
このとき、本実施形態では、貫通孔21,22の大径側からガラスフリット38を充填することで、貫通孔21,22と金属ピン37との間隙に容易にガラスフリット38を充填することができる(例えば、図9(b)参照)。
これにより、ガラスフリット38は、貫通孔21,22の第1面40a側から貫通孔21,22内に侵入し、貫通孔21,22と金属ピン37の芯材部31との間隙に充填される。
次に、例えば図10(a)に示すように、ガラスフリット38を仮乾燥させる仮乾燥工程(S38)を実行する。
詳細には、先ず、貫通孔21,22内に充填されたガラスフリット38を有するベース基板用ウエハ40を乾燥炉内に搬送する。そして、乾燥炉内を、例えば大気圧雰囲気下で80℃程度に保持し、ベース基板用ウエハ40を30分程度乾燥させる。
ここで、ガラスフリット38に配合されている有機溶剤の沸点は85℃より低いため、ガラスフリット38に配合されている有機溶剤は仮乾燥工程(S38)において蒸発して除去される。
一方、ガラスフリット38に含まれるガラス粒子の軟化点は、一般的に約500℃程度であり、仮乾燥工程(S38)の温度である85℃よりもはるかに高いため、仮乾燥工程(S36)ではガラスフリット38は溶融しない。
また、ガラスフリット38に配合されたバインダ(エチルセルロース)の沸点は約350℃程度であり、仮乾燥工程(S38)の温度である85℃よりもはるかに高いため、仮乾燥工程(S36)ではバインダは蒸発しない。
上述したように、この時点では、ガラスフリット38のガラス粒子は溶融していないのでガラス粒子間には間隙が存在している。
このため、有機溶剤の蒸発によって発生したガスは、ガラス粒子間の間隙を流通してガラスフリット38の外部へ放出される(例えば、図10(a)中矢印参照)。
これにより、焼成工程(S40)の実行前に有機溶剤を効果的に除去することができ、焼成工程(S40)の実行時に有機溶剤の蒸発によってガスが発生することを抑制することができる。
次に、例えば図10(b)に示すように、ガラスフリット38内に含まれるバインダを除去する脱バインダ工程(S39)を行う。
詳細には、ベース基板用ウエハ40を乾燥炉から加熱炉のチャンバー内に移し、加熱炉内を、例えば大気雰囲気下で420℃程度に保持し、ベース基板用ウエハ40を1時間程度加熱する。
このように、脱バインダ工程(S39)において、加熱炉内の温度をバインダの沸点よりも高く、ガラス粒子の軟化点よりも低く設定することで、ガラス粒子を溶融させずにバインダを蒸発させることができる。
これにより、バインダの蒸発によって発生するガスは、ガラス粒子間の間隙を流通してガラスフリット38の外部へ効率的に放出される(例えば、図10(b)中矢印参照)。
これにより、後述する焼成工程(S40)の実行前にバインダを効果的に除去することができ、焼成工程(S40)の実行時にバインダの蒸発によってガスが発生することを抑制することができる。
そして、例えば図10(c)に示すように、ベース基板用ウエハ40を加熱炉から焼成炉のチャンバー内に移し、610℃程度の雰囲気下に30分程度保持することで、ガラスフリット38中に含まれるガラス粒子を焼成してガラス体32を形成する焼成工程(S40)を行う。
次に、例えば図11(a)に示すように、焼成後にベース基板用ウエハ40の第1面40a側および第2面40b側を研磨する両面研磨工程(S41)を行う。
詳細には、先ず、第2面40b側を研磨して金属ピン37の土台部36を除去する。
これにより、ガラス体32及び芯材部31を位置決めさせる役割を果たしていた土台部36を除去し、芯材部31のみをガラス体32の内部に残す。
次に、ベース基板用ウエハ40の第1面40a側を研磨して芯材部31の先端を露出させる。
これにより、ガラス体32と芯材部31とを一体的に固定してなる一対の貫通電極8,9を複数形成する(図11(b)参照)。
次に、ベース基板用ウエハ40の第2面40bに導電性材料をパターニングして、引き回し電極27,28を形成する引き回し電極形成工程(S42)を行なう。
以上により、ベース基板用ウエハ作製工程(S30)は終了する。
(組立工程)
次に、ベース基板用ウエハ作製工程(S30)で作製されたベース基板用ウエハ40の各引き回し電極27,28上に、圧電振動片作製工程(S10)で作製された圧電振動片5を、それぞれ金などのバンプBを介してマウントするマウント工程(S51)を実行する。
次に、上述した各ウエハ40,50の作製工程で作製されたベース基板用ウエハ40及びリッド基板用ウエハ50を重ね合わせる重ね合わせ工程(S52)を行う。
詳細には、図示しない基準マークなどを指標としながら、両ウエハ40,50を所定位置に配置調整する。
これにより、ベース基板用ウエハ40にマウントされた圧電振動片5は、リッド基板用ウエハ50に形成された凹部3aとベース基板用ウエハ40とで囲まれるキャビティC内に収容される。
次に、重ね合わせた2枚のウエハ40,50を図示しない陽極接合装置の内部に導入し、図示しない保持機構によりウエハの外周部分をクランプした状態で、所定の温度雰囲気で所定の電圧を印加して陽極接合する接合工程(S53)を行なう。
詳細には、接合材23とリッド基板用ウエハ50との間に所定の電圧を印加することによって、接合材23とリッド基板用ウエハ50との界面に電気化学的な反応を発生させ、接合材23とリッド基板用ウエハ50とを強固に密着して陽極接合させる。
以上により、ベース基板用ウエハ40とリッド基板用ウエハ50との接合によって圧電振動片5をキャビティC内に封止したウエハ接合体60を得る。
このように、両ウエハ40,50同士を陽極接合することによって、例えば接着剤などで両ウエハ40,50を接合した場合に比べて、経時劣化や衝撃などによるずれが生じたり、ウエハ接合体60の反りが生じることなどを防止し、両ウエハ40,50をより強固に接合することができる。
次に、ベース基板用ウエハ40の第1面40aに導電性材料をパターニングして、一対の貫通電極8,9にそれぞれ電気的に接続された一対の外部電極6,7を複数形成する外部電極形成工程(S54)を行う。
この工程により、外部電極6,7を用いてキャビティC内に封止された圧電振動片5を作動させることができる。
次に、圧電振動子1の周波数を微調整する微調工程(S55)を実行する。
次に、ウエハ接合体60を切断線Mに沿って切断する個片化工程(S56)を実行する。
次に、個片化された圧電振動子1の内部の電気特性を検査する電気特性検査工程(S57)を行なう。
詳細には、例えば圧電振動子1の共振周波数や共振抵抗値、ドライブレベル特性(共振周波数及び共振抵抗値の励振電力依存性)などを検査する。また、絶縁抵抗特性なども併せて検査する。そして、圧電振動子1の外観検査を行って、寸法や品質などを最終的に検査する。
以上により、圧電振動子1の製造は終了する。
上述したように、本実施の形態によるガラス基板の製造方法によれば、充填工程(S37)の前であって、貫通孔形成工程(S34)またはガラス成形工程(S33)の後に貫通孔内洗浄工程(S35)を実行する。つまり、ベース基板用ウエハ40の貫通孔21,22内にガラスフリット38を充填して、このガラスフリット38を硬化させる前に、貫通孔21,22あるいは貫通孔21,22を形成するための凹部20をフッ酸により洗浄する。
これにより、例えば図12(A)〜(C)に示すようにガラス成形工程(S33)の実行後に凹部20の内面上にガラス材料の残渣71が残存したり、例えば図12(D),(E)に示すように貫通孔形成工程(S34)の実行後に貫通孔21,22の内壁面上にガラス材料の残渣71や研磨材72などが残存することに対して、ガラスフリット38を充填する直前において貫通孔21,22内の内壁面上にガラス材料の残渣や研磨材などが残存することを防止することができ、この内壁面とガラスフリット38との境界面においてガラスフリット38の密着性が低下することを防止することができる。
そして、例えば図13(A)〜(C)に示すように貫通孔内洗浄工程(S35)を実行しない比較例においては、貫通孔21,22の内壁面とガラスフリット38との境界面付近において、硬化後のガラスフリット38に気泡や空隙73が形成されていることに対して、例えば図13(D),(E)に示すように貫通孔内洗浄工程(S35)を実行した実施例においては、貫通孔21,22の内壁面とガラスフリット38との境界面付近において、硬化後のガラスフリット38に気泡や空隙が形成されることを抑制することができる。
これにより、貫通電極8,9の所望の気密性を確保することができるとともに、ガラスフリット38の表面付近に気泡や空隙が形成されてしまうことを抑制する。この場合、図3に示すベース基板2の表面側、特に第1面2a側のガラスフリットの表面は、空隙が形成されず、連続する1面で構成することができる。そのため、貫通電極8,9に接続される外部電極6,7をベース基板用ウエハ40の第1面40a上に形成する際に断線が生じることを抑制することができる。
したがって、本実施の形態によるパッケージの製造方法によれば、キャビティ内の気密性を確保した信頼性の高いパッケージ10を製造することができる。
このように、キャビティCの内部と外部との導通性、及び機械的強度が確保された信頼性の高いパッケージ10を備えているので、特性及び信頼性の高い圧電振動子1を提供することができる。
(発振器)
次に、本発明に係る発振器の一実施形態について説明する。
本実施形態の発振器100は、図14に示すように、圧電振動子1を、集積回路101に電気的に接続された発振子として構成したものである。
この発振器100は、発振器用の上述した集積回路101と、コンデンサなどの電子部品102と、集積回路101の近傍に配置された圧電振動子1の圧電振動片5とを、基板103上に備えている。
これら電子部品102と、集積回路101と、圧電振動子1とは、図示しない配線パターンによってそれぞれ電気的に接続されている。
なお、各構成部品は、図示しない樹脂によりモールドされている。
このように構成された発振器100において、圧電振動子1に電圧を印加すると、この圧電振動子1内の圧電振動片5は振動する。
この振動は、圧電振動片5の圧電特性により電気信号に変換されて、集積回路101に電気信号として入力される。入力された電気信号は、集積回路101による各種処理の実行後に周波数信号として出力される。これにより、圧電振動子1は発振子として機能する。
また、集積回路101の構成を、例えば、RTC(リアルタイムクロック)モジュールなどを要求に応じて選択的に設定することで、時計用単機能発振器などの他、当該機器や外部機器の動作日や時刻を制御したり、時刻やカレンダーなどを提供したりする機能を付加することができる。
上述したように、本実施形態の発振器100によれば、上述した圧電振動子1を備えているので、特性及び信頼性に優れた発振器100を提供できる。
さらにこれに加え、長期にわたって安定した高精度な周波数信号を得ることができる。
(電子機器)
次に、本発明に係る電子機器の一実施形態について説明する。
なお電子機器として、上述した圧電振動子1を有する携帯情報機器110を例にして説明する。
本実施形態の携帯情報機器110は、例えば、携帯電話に代表されるものであり、従来技術における腕時計を発展、改良したものである。外観は腕時計に類似し、文字盤に相当する部分に液晶ディスプレイを配し、この画面上に現在の時刻などを表示させることができるものである。
また、通信機として利用する場合には、手首から外し、バンドの内側部分に内蔵されたスピーカ及びマイクロフォンによって、従来技術の携帯電話と同様の通信を行うことが可能である。しかも、従来の携帯電話と比較して、格段に小型化及び軽量化されている。
(携帯情報機器)
次に、本実施形態の携帯情報機器110の構成について説明する。
この携帯情報機器110は、図15に示すように、圧電振動子1と、電力を供給するための電源部111とを備えている。
電源部111は、例えば、リチウム二次電池から構成されている。
そして、各種制御を行う制御部112と、時刻などのカウントを行う計時部113と、外部との通信を行う通信部114と、各種情報を表示する表示部115と、それぞれの機能部の電圧を検出する電圧検出部116とは、電源部111に並列に接続されている。
そして、電源部111から各機能部に電力が供給される。
制御部112は、各機能部を制御して音声データの送信及び受信、現在時刻の計測や表示など、システム全体の動作制御を行う。
また、制御部112は、予めプログラムが書き込まれたROMと、このROMに書き込まれたプログラムを読み出して実行するCPUと、このCPUのワークエリアとして使用されるRAMなどと、を備えている。
計時部113は、発振回路、レジスタ回路、カウンタ回路及びインターフェース回路などを内蔵する集積回路と、圧電振動子1とを備えている。
圧電振動子1に電圧が印加されると圧電振動片5は振動し、この振動は水晶の有する圧電特性により電気信号に変換されて、発振回路に電気信号として入力される。発振回路の出力は二値化され、レジスタ回路とカウンタ回路とにより計数される。
そして、インターフェース回路を介して、制御部112と信号の送受信が行われ、表示部115に、現在時刻や現在日付或いはカレンダー情報などが表示される。
通信部114は、従来の携帯電話と同様の機能を有し、無線部117、音声処理部118、切替部119、増幅部120、音声入出力部121、電話番号入力部122、着信音発生部123及び呼制御メモリ部124を備えている。
無線部117は、音声データなどの各種データを、アンテナ125を介して基地局と送受信のやりとりを行う。
音声処理部118は、無線部117又は増幅部120から入力された音声信号を符号化及び複号化する。
増幅部120は、音声処理部118又は音声入出力部121から入力された信号を、所定のレベルまで増幅する。
音声入出力部121は、スピーカやマイクロフォンなどからなり、着信音や受話音声を拡声したり、音声を集音したりする。
また、着信音発生部123は、基地局からの呼び出しに応じて着信音を生成する。切替部119は、着信時に限って、音声処理部118に接続されている増幅部120を着信音発生部123に切り替えることによって、着信音発生部123において生成された着信音が増幅部120を介して音声入出力部121に出力される。
なお、呼制御メモリ部124は、通信の発着呼制御に係るプログラムを格納する。また、電話番号入力部122は、例えば、0から9の番号キー及びその他のキーを備えており、これら番号キーなどを押下することにより、通話先の電話番号などが入力される。
電圧検出部116は、電源部111によって制御部112などの各機能部に対して加えられている電圧が、所定の値を下回った場合に、その電圧降下を検出して制御部112に通知する。このときの所定の電圧値は、通信部114を安定して動作させるために必要な最低限の電圧として予め設定されている値であり、例えば、3V程度となる。
電圧検出部116から電圧降下の通知を受けた制御部112は、無線部117、音声処理部118、切替部119及び着信音発生部123の動作を禁止する。特に、消費電力の大きな無線部117の動作停止は、必須となる。さらに、表示部115に、通信部114が電池残量の不足により使用不能になった旨が表示される。
すなわち、電圧検出部116と制御部112とによって、通信部114の動作を禁止し、その旨を表示部115に表示することができる。この表示は、文字メッセージであっても良いが、より直感的な表示として、表示部115の表示面の上部に表示された電話アイコンに、×(バツ)印を付けるようにしてもよい。
なお、通信部114の機能に係る部分の電源を、選択的に遮断することができる電源遮断部126を備えることで、通信部114の機能をより確実に停止することができる。
上述したように、本実施形態の携帯情報機器110によれば、上述した圧電振動子1を備えているので、特性及び信頼性に優れた携帯情報機器110を提供できる。さらにこれに加え、長期にわたって安定した高精度な時計情報を表示することができる。
(電波時計)
次に、本発明に係る電波時計の一実施形態について、図16を参照して説明する。
本実施形態の電波時計130は、図16に示すように、フィルタ部131に電気的に接続された圧電振動子1を備えたものであり、時計情報を含む標準の電波を受信して、正確な時刻に自動修正して表示する機能を備えた時計である。
日本国内には、福島県(40kHz)と佐賀県(60kHz)とに、標準の電波を送信する送信所(送信局)があり、それぞれ標準電波を送信している。40kHz若しくは60kHzのような長波は、地表を伝播する性質と、電離層と地表とを反射しながら伝播する性質とを併せもつため、伝播範囲が広く、上述した2つの送信所で日本国内を全て網羅している。
以下、電波時計130の機能的構成について詳細に説明する。
アンテナ132は、40kHz若しくは60kHzの長波の標準電波を受信する。長波の標準電波は、タイムコードと呼ばれる時刻情報を、40kHz若しくは60kHzの搬送波にAM変調をかけたものである。受信された長波の標準電波は、アンプ133によって増幅され、複数の圧電振動子1を有するフィルタ部131によって濾波、同調される。
本実施形態における圧電振動子1は、上述した搬送周波数と同一の40kHz及び60kHzの共振周波数を有する水晶振動子部138、139をそれぞれ備えている。
さらに、濾波された所定周波数の信号は、検波、整流回路134により検波復調される。続いて、波形整形回路135を介してタイムコードが取り出され、CPU136でカウントされる。
CPU136では、現在の年、積算日、曜日、時刻などの情報を読み取る。読み取られた情報は、RTC137に反映され、正確な時刻情報が表示される。
搬送波は、40kHz若しくは60kHzであるから、水晶振動子部138、139は、上述した音叉型の構造を持つ振動子が好適である。
なお、上述の説明は、日本国内の例で示したが、長波の標準電波の周波数は、海外では異なっている。例えば、ドイツでは77.5KHzの標準電波が用いられている。従って、海外でも対応可能な電波時計130を携帯機器に組み込む場合には、さらに日本の場合とは異なる周波数の圧電振動子1を必要とする。
上述したように、本実施形態の電波時計130によれば、上述した圧電振動子1を備えているので、特性及び信頼性に優れた電波時計130を提供できる。さらにこれに加え、長期にわたって安定して高精度に時刻をカウントすることができる。
なお、本発明の技術範囲は上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上述した実施形態では、パッケージ10の内部に圧電振動片5を封入して圧電振動子1を製造したが、パッケージ10の内部に圧電振動片5以外の電子部品を封入して、圧電振動子1以外のデバイスを製造することも可能である。
また、上述した実施形態では、音叉型の圧電振動片5を用いた圧電振動子1を例に挙げて本発明を説明したが、これに限らず、例えばATカット型の圧電振動片(厚み滑り振動片)を用いた圧電振動子などに、本発明を適用してもよい。
また、上述した実施形態では、貫通孔21,22内に土台部36から立設された金属ピン37を配置し、この後、土台部36を研磨して除去することにより貫通電極8,9を形成する場合について説明したが、これに限定されず、限られない。
また、上述した実施形態では、ガラス材料からなるベース基板2とリッド基板3との二枚の基板が接合されたパッケージ10について説明したが、二枚以上の複数の基板でパッケージ10を形成してもよく、また少なくともベース基板2がガラス材料により構成されていれば他の基板はガラス材料に限られない。
さらに、上述した実施形態では、ベース基板用ウエハ40とガラスフリット38(ガラス体32)の充填領域との双方を一括して研磨する場合について説明したが、両面研磨工程(S41)において、ベース基板用ウエハ40における少なくともガラスフリット38の充填領域を研磨する場合に本発明を適用することができる。
1…圧電振動子 2…ベース基板(第1ガラス基板) 3…リッド基板(第2ガラス基板) 5…圧電振動片 8,9…貫通電極 10…パッケージ 21,22…貫通孔 37…金属ピン 38…ガラスフリット 100…発振器 101…発振器の集積回路 110…携帯情報機器(電子機器) 113…電子機器の計時部 130…電波時計 131…電波時計のフィルタ部 C…キャビティ

Claims (9)

  1. ガラス材料からなる基板を厚さ方向に貫通する貫通電極を有するガラス基板の製造方法であって、
    前記基板を厚さ方向に貫通する貫通孔内に挿入した金属ピンを固定するために前記貫通孔と前記金属ピンとの間にガラスフリットを充填する充填工程と、
    前記ガラス基板をフッ酸により洗浄する洗浄工程と、を含み、
    前記洗浄工程を前記充填工程の前に実行することを特徴とするガラス基板の製造方法。
  2. 前記貫通孔を形成するための凹部を表面上に有する前記ガラス基板を生成するガラス基板生成工程を含み、
    前記洗浄工程を前記ガラス基板生成工程の後に実行することを特徴とする請求項1に記載のガラス基板の製造方法。
  3. 前記ガラス基板を研磨することによって前記凹部から前記貫通孔を形成する貫通孔形成工程を含み、
    前記洗浄工程を前記貫通孔形成工程の後に実行することを特徴とする請求項2に記載のガラス基板の製造方法。
  4. 前記洗浄工程は、前記フッ酸とフッ化アンモニウム水溶液と純水とを含むフッ酸処理液によって前記ガラス基板を洗浄することを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1つに記載のガラス基板の製造方法。
  5. 互いに接合された第1ガラス基板及び第2ガラス基板の間に形成されたキャビティ内に電子部品を封入可能なパッケージの製造方法であって、
    請求項1に記載のガラス基板の製造方法によって前記第1ガラス基板を形成する第1ガラス基板形成工程を含むことを特徴とするパッケージの製造方法。
  6. 請求項5に記載のパッケージの製造方法により製造されたパッケージと、
    該パッケージの前記キャビティ内に封止された圧電振動片と、
    を備えることを特徴とする圧電振動子。
  7. 請求項6に記載の圧電振動子を備え、該圧電振動子は発振子として集積回路に電気的に接続されていることを特徴とする発振器。
  8. 請求項6に記載の圧電振動子を備え、該圧電振動子は計時部に電気的に接続されていることを特徴とする電子機器。
  9. 請求項6に記載の圧電振動子を備え、該圧電振動子はフィルタ部に電気的に接続されていることを特徴とする電波時計。
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